JP6134594B2 - 揮散容器 - Google Patents

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Description

本発明は、揮散容器に関する。
従来、揮散容器として、揮散剤を収容する容器本体と、容器本体の口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、容器軸方向に沿う容器本体の外側から口部を覆うとともに、容器本体の胴部に装着されるカバーキャップと、口部とカバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備えた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
カバーキャップの開口縁には、その周方向に沿って延在する帯状の切取部が弱化部を介して連設されており、これにより、容器本体とカバーキャップとの容器軸方向に沿う相対的な接近移動が規制されている。
上述した揮散容器を開封する場合は、まず容器本体側が上側、カバーキャップ側が下側に位置する倒立姿勢とした状態で、弱化部を介して切取部をカバーキャップから切り離す。次に、容器本体とカバーキャップとを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させる。すると、カバーキャップに形成された突起部により閉塞板が破断されることで、容器本体内の揮散剤がカバーキャップの内側に流出する。容器本体から流出した揮散剤は、含浸体に含浸された後、含浸体を介してカバーキャップの外側に揮散される。
実開昭61−91228号公報
しかしながら、上述した揮散容器にあっては、開封状態とするには切取部を破断する必要があるとともに、破断した切取部がゴミとなって手元に残るため、開封操作が煩雑になるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、開封操作時における操作性を向上させることができる揮散容器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る揮散容器は、口部、肩部、及び胴部が容器軸方向に沿ってこの順に連設されるとともに、内部に揮散剤を収容する容器本体と、前記口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、天壁部が容器軸方向に沿う前記容器本体の外側から前記口部を覆い、かつ周壁部が前記胴部に容器軸周りに回転自在に装着される有頂筒状のカバーキャップと、前記口部と前記カバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備え、前記容器本体の前記胴部には、容器軸方向に延在し、かつ前記肩部上で開口する収容部が形成され、前記カバーキャップは、前記肩部に容器軸方向で対向する第1位置において、前記肩部に容器軸方向で突き当たって前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動を規制する一方、前記容器本体と前記カバーキャップとを容器軸周りに相対回転させ、前記収容部に容器軸方向で対向する第2位置において、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い前記収容部内に進入する係止突部と、前記第2位置において前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記閉塞部を容器軸方向に押圧して除去し、前記口部を開放する開放部と、を有し、前記含浸体には、前記口部を通して前記容器本体から前記カバーキャップの内側に流出した揮散剤が前記カバーキャップの内側で含浸されることを特徴としている。
このような特徴により、容器本体の肩部に容器軸方向で突き当たる係止突部がカバーキャップに形成されているため、未開封状態において容器本体とカバーキャップとの容器軸方向に沿う接近移動を規制できる。これにより、閉塞部が不意に開放されるのを抑制できる。
そして、容器本体の胴部に、容器軸方向に延在し、かつ肩部上で開口するとともに、係止突部を収容する収容部が形成されているため、開封時にはカバーキャップと容器本体とを周方向で回転させ、係止突部と収容部とが周方向で同位置になるように容器本体とカバーキャップとを位置合わせする。この状態で、容器本体とカバーキャップとを容器軸方向に沿って接近移動させると、容器本体は係止突部を収容部内に収容しながらカバーキャップ内に進入していく。これにより、閉塞部が開放部に押圧されて除去されることで、容器本体の口部が開放され、容器本体内の揮散物がカバーキャップ内へ流出する。その後、カバーキャップ内に流出した揮散物は、容器本体とカバーキャップとの間に配設された含浸体に含浸され、揮発しながらカバーキャップの外部に導出される。
このように、容器本体とカバーキャップとの周方向の位置合わせを行うだけの簡便な操作により、揮散容器を開封することができる。また、従来のように切取部を破断する等の必要がないので、開封操作時にゴミが発生することもない。
その結果、開封操作時における操作性を向上させることができる。
また、前記カバーキャップには、容器軸方向から見た平面視において、前記容器本体の前記口部を取り囲む囲繞壁部が配設され、前記含浸体は、前記カバーキャップにおける前記囲繞壁部の外側に配設され、前記カバーキャップ側及び前記容器本体側のうち、何れか一方側には、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記カバーキャップの前記天壁部と前記口部の開口端縁とが当接したときに、前記囲繞壁部の内側と外側とを連通させる連通路が形成されていてもよい。
この構成によれば、カバーキャップと容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、カバーキャップの天壁部と口部の開口端縁とが当接したときに、囲繞壁部の内側と外側とが連通路によって連通しているため、容器本体の口部から流出した揮散剤が連通路を通って囲繞壁部の外側に流出する。そのため、揮散剤が大量に含浸体に向けて流出するのを抑制できる。これにより、揮散剤が大量に揮散するのを抑制して、揮散効果を長期に亘って持続できるとともに、揮散剤がカバーキャップの外部へ直接漏出するのを防止できる。
また、前記容器本体は、容器軸方向に直交する横断面視形状が非円形状とされ、前記カバーキャップは、容器軸方向に直交する横断面視で前記容器本体と同形状に形成されていてもよい。
この構成によれば、容器本体及びカバーキャップが非円形状とされているため、未開封状態において、容器本体とカバーキャップとが不意に周方向に相対回転するのを抑制して、容器本体が開放されるのを抑制できる。
本発明に係る揮散容器によれば、開封操作時における操作性を向上させることができる。
実施形態に係る揮散容器において、図2のC−C線に沿う断面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 揮散容器の使用状態を示す図であって、図3に相当する断面図である。 実施形態に係る揮散容器において、図6のE−E線に沿う断面図である。 図5のD−D線に沿う部分断面図である。 実施形態の他の構成に係る揮散容器において、未開封時の平面図である。 図7のF−F線に沿う部分断面図である。 図7のG−G線に沿う部分断面図である。 実施形態の他の構成に係る揮散容器において、開封時の平面図である。 図10のH−H線に沿う部分断面図である。 実施形態の他の構成に係る揮散容器において、未開封時の平面図である。 図12のI−I線に沿う断面図である。 実施形態の他の構成に係る揮散容器において、開封時の平面図である。 図14のJ−J線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の揮散容器1は、揮散剤が収容される有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3を開放可能に閉塞する有底筒状の閉塞部4と、閉塞部4の外側から容器本体2を覆う有頂筒状のカバーキャップ5と、を備えている。
なお、容器本体2、閉塞部4、及びカバーキャップ5は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器本体2側を単に下側、カバーキャップ5側を単に上側という。さらに、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
容器本体2は、底部11、胴部12、肩部13、及び口部3が下方から上方に向けてこの順に連設されたものであって、ブロー成形等により形成されている。なお、本実施形態の容器本体2内には、例えば芳香剤、消臭剤、殺虫剤、忌避剤、除菌剤等、揮発性を有する液状の揮散剤が収容される。
容器本体2は、口部3を除く全体(底部11、胴部12、及び肩部13)が、容器軸O方向に直交する横断面視で正方形状を呈し、横断面がなす正方形状の中央部に上述した容器軸Oが通っている。
まず、容器本体2の胴部12は、周方向に間隔をあけて配置された平面状の主壁部23と、周方向で隣り合う主壁部23同士を連結する第1角部21及び第2角部22と、を有している。第1角部21は一対備えられ、径方向に互いに対向している。第2角部22は一対備えられ、径方向に互いに対向している。
第2角部22には、径方向の内側に向けて窪む収容部20が形成されている。図1に示すように、収容部20は、容器軸O方向から見た平面視において、第2角部22に周方向で隣接する一対の主壁部23の表面形状に倣って延びる仮想線L1,L2の交点よりも径方向の内側に窪んでいる。また、図3に示すように、収容部20は、容器本体2の底部11、胴部12、及び肩部13における第2角部22が位置する周方向に沿う部分に容器軸O方向全体に亘って形成され、底部11及び肩部13上で開口している。したがって、図示の例において、第1角部21は径方向の外側に向けて突の円弧状をなし、第2角部22は面取りされた直線状をなしている。
また、図2に示すように、胴部12の上端部には、下部に比べて縮径された縮径部24が形成されている。上述した4つの主壁部23のうち、径方向で対向する一対の主壁部23には、縮径部24に位置する部分において、径方向の外側に向けて突出する突部25が形成されている。また、縮径部24において、突部25の下方に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する係止爪26が形成されている。
突部25及び係止爪26は、各々の周方向における配設位置が互いに同等になっているとともに、係止爪26は突部25よりも径方向の外側に突出している。なお、図示の例において、突部25及び係止爪26は、主壁部23における周方向の中央部に形成されるとともに、周方向に沿って延在している。
なお、図1に示すように、底部11は、胴部12の下部と平面視形状が同形同大に形成されるとともに、胴部12の下端開口部を閉塞している。
図2、図3に示すように、肩部13は、胴部12の上端開口縁に連設され、上方に向かうに従い漸次縮径している。
口部3は、容器軸O方向に直交する断面視で円形状とされ、肩部13の上端開口縁から上方に向けて連設されている。なお、肩部13と口部3との間には、径方向の外側に向けて突出するネックリング27が全周に亘って形成されている。
閉塞部4は、口部3に装着された装着筒31と、口部3の内側に嵌合されたシール筒32と、口部3上に配置されるとともに、装着筒31及びシール筒32の上端縁同士を接続する連結環33と、シール筒32を閉塞する閉塞板34と、を有している。
装着筒31は、口部3に螺着されている。なお、装着筒31は、アンダーカット嵌合等により口部3に装着されていても構わない。
閉塞板34は、円板状に形成されるとともに、その外周縁全周が弱化部35を介してシール筒32の下端部に連結されている。これにより、口部3を通した容器本体2内外の連通が遮断されている。なお、図示の例において、閉塞板34は、口部3の上端縁よりも下方に位置している。
図1〜図3に示すように、カバーキャップ5は、容器軸O方向に直交する横断面視が容器本体2と同形状(正方形状)とされ、その内側に容器本体2の縮径部24を収容可能とされている。そして、カバーキャップ5は、天壁部41が容器本体2の口部3を上方から覆い、かつ周壁部42が胴部12に着脱可能に装着されている。
カバーキャップ5の周壁部42は、周方向に沿って間隔をあけて配置された主壁部45と、周方向で隣り合う主壁部45同士を連結する第1角部43及び第2角部44と、を有している。第1角部43は一対備えられ、径方向に互いに対向している。第2角部44は一対備えられ、径方向に互いに対向している。
図2に示すように、4つの主壁部45のうち、径方向で対向する一対の第1主壁部45aには、容器本体2の上述した突部25がアンダーカット嵌合される突部50が形成されている。図1〜図3に示すように、揮散容器1の未開封状態において、カバーキャップ5の周壁部42の下端部における第1角部43の内側に容器本体2の第1角部21が嵌合され、カバーキャップ5の周壁部42の下端部における第2角部44の内側に容器本体2の第1角部21が嵌合されている。さらに、カバーキャップ5は、容器本体2のうち、縮径部24の上部から上方に位置する部分を収容した状態で、容器本体2に組み付けられている。このうち、カバーキャップ5の周壁部42の下端部における第1角部43の内側に容器本体2の第1角部21が嵌合された状態で、カバーキャップ5と容器本体2との周方向に沿う相対移動が規制され、カバーキャップ5内から容器本体2の縮径部24が離脱した状態で、容器本体2とカバーキャップ5とが周方向に相対的に回転自在に構成されている。
図2に示すように、4つの主壁部45のうち、一対の第1主壁部45a同士の間に位置する第2主壁部45bには、上方に向けて延びる一対のスリット47がそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。そして、第2主壁部45bのうち、各スリット47間に位置する部分は、径方向に弾性変形可能な舌片部48を構成している。
各舌片部48には、揮散容器1の後述する開封状態において、上述した容器本体2の突部25が係止される係止部51と、容器本体2の係止爪26が係止される係止孔52と、が配設されている。これら係止部51及び係止孔52は、各々の周方向における配設位置が互いに同等になっているとともに、周方向に沿って延設されている。
さらに、各主壁部45のうち、上述した舌片部48よりも上方に位置する部分には、主壁部45を径方向に貫通する揮散窓53が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
図1、図3に示すように、各角部43,44のうち、第1角部43には、径方向の内側に向けて突出する一対の係止突部46が各別に形成されている。係止突部46は、カバーキャップ5の天壁部41から下方に向けて延設されるとともに、その下端縁が周壁部42の下端縁よりも上方に位置している。各係止突部46の下端縁には、上述した未開封状態において、容器本体2の肩部13のうち、胴部12の第1角部21に上方から連なる部分が容器軸O方向で突き当たった状態で係止されている。これにより、カバーキャップ5と容器本体2との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。なお、図1に示すように、係止突部46における径方向の内側への突出量は、上述した収容部20(第2角部22)における仮想線L1,L2の交点からの径方向の内側に向けた凹み量以下になっている。
図1〜図3に示すように、カバーキャップ5の天壁部41のうち、上述した閉塞部4の弱化部35と容器軸O方向で対向する部分には、弱化部35を破断して口部3を開放させる開放部61が配設されている。開放部61は、下方に向けて延設された筒状とされるとともに、その下端縁が容器軸O方向に交差する方向に向けて傾斜している。
また、開放部61のうち、周方向の一部には、開放部61を径方向に貫通する連通溝62が形成されている。連通溝62は、容器軸O方向に沿って開放部61の全体に亘って延びるスリット状とされている。図示の例において、連通溝62は、開放部61のうち、容器軸O方向に沿う長さが最も短い短尺部分に形成されている。
天壁部41のうち、開放部61に対して径方向の外側に位置する部分には、開放部61を囲繞する筒状の囲繞壁部64が配設されている。囲繞壁部64は、上述した閉塞部4よりも径方向の外側に位置するとともに、容器軸O方向に沿う長さが上述した開放部61よりも短くなっている。また、囲繞壁部64には、容器軸O方向に沿って延びる連通凹部66が周方向に間隔をあけて形成されている。各連通凹部66は、容器軸O方向に沿う囲繞壁部64の全体に亘って形成されており、囲繞壁部64の内外を径方向に連通させている。
天壁部41のうち、各連通凹部66内に位置する部分には、上方に向けて窪む連通路71が形成されている。連通路71は、径方向に沿って延びる長溝であり、径方向の内側端部が開放部61に近接し、径方向の外側端部が連通凹部66内に位置している。なお、図示の例において、連通路71は、天壁部41に複数形成され、開放部61を中心として放射状に配置されている。具体的に、複数の連通路71のうち、1つの連通路71は、上述した開放部61の連通溝62と周方向で同じ位置に配設され、残りの連通路71は連通溝62を基準として等間隔(90°毎)に配設されている。
天壁部41のうち、囲繞壁部64に対して径方向の外側に位置する部分には、囲繞壁部64に対して径方向に間隔をあけて配設されるとともに、囲繞壁部64を取り囲む筒状の外筒部65が形成されている。外筒部65は、容器本体2のネックリング27よりも径方向の外側に位置するとともに、容器軸O方向に沿う長さが囲繞壁部64よりも長く形成されている。
図2、図3に示すように、囲繞壁部64と外筒部65との間には、容器本体2からカバーキャップ5内に流出する揮散剤を含浸する含浸体72が装着されている。含浸体72は、筒状とされるとともに、その上端部が囲繞壁部64と外筒部65との間に保持され、下端部が囲繞壁部64及び外筒部65よりも下方に突出している。含浸体72は、下端縁が容器本体2の肩部13に近接する位置まで延在するとともに、容器本体2のネックリング27を取り囲んでいる。
また、含浸体72の下端部には、下端縁から上方に向けて延びる切り込みが周方向全周に亘って間隔をあけて形成されている。これにより、含浸体72の下端部のうち、各切り込み間に位置する部分は、径方向に撓み変形可能な含浸片73を構成している。なお、図示の例において、含浸片73は揮散窓53と径方向で対向している。また、含浸体72は、多孔質材、例えばろ紙やスポンジ体等により形成されている。
次に、上述した揮散容器1の開封方法について説明する。
本実施形態の揮散容器1は、店舗での陳列時等の流通段階や、使用時等では、常に図4に示すような状態、すなわち図3の状態に対して上下反転した倒立姿勢で使用される。したがって、以下で説明する開封方法では、カバーキャップ5側が下側、容器本体2側が上側となる倒立姿勢とした状態で説明する。なお、未開封状態では、上述したように容器本体2の第1角部21がカバーキャップ5の係止突部46に容器軸O方向で係止されているため、容器本体2とカバーキャップ5との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。
上述した揮散容器1を開封するには、まずカバーキャップ5から容器本体2を取り外す。具体的には、容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に沿って離間させる。すると、容器本体2の突部25と、カバーキャップ5の突部50と、のアンダーカット嵌合が解除され、カバーキャップ5から容器本体2が取り外される。このとき、少なくともカバーキャップ5内から容器本体2の縮径部24を離脱させ、容器本体2とカバーキャップ5とが周方向に相対的に回転自在になれば構わない。
続いて、図5、図6に示すように、容器本体2とカバーキャップ5とを周方向に相対的に回転させ、容器本体2の第2角部22と、カバーキャップ5の第1角部43と、を周方向で位置合わせし、容器本体2の第1角部21と、カバーキャップ5の第2角部44と、を周方向で位置合わせする。これにより、容器本体2の収容部20と、カバーキャップ5の係止突部46と、が容器軸O方向で対向する。なお、図示の例では、容器本体2とカバーキャップ5とを、上述した未開封状態から周方向に90°回転させる。
この状態で、カバーキャップ5内に再び容器本体2を進入させ、容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に沿って接近させる。このとき、係止突部46における径方向の内側への突出量は、上述した収容部20における仮想線L1,L2の交点からの径方向の内側への凹み量以下になっているため、容器本体2は係止突部46を収容部20内に収容しながらカバーキャップ5内に進入していく。
その後、カバーキャップ5の開放部61が弱化部35に突き当たることで、弱化部35が破断される。これにより、閉塞板34がシール筒32から離脱して、容器本体2の口部3が開放され、容器本体2内に収容された揮散剤がカバーキャップ5内に流出する。このとき、閉塞板34の連結環33がカバーキャップ5の天壁部41に当接するまで、容器本体2とカバーキャップ5とを接近させる。これにより、カバーキャップ5内において、囲繞壁部64の内外が連通路71のみを介して径方向に連通する。
また、容器本体2とカバーキャップ5とを接近させる際、容器本体2は突部25及び係止爪26によってカバーキャップ5の舌片部48を径方向の外側に向けて弾性変形させつつ、カバーキャップ5内に進入する。そして、閉塞板34の連結環33がカバーキャップ5の天壁部41に当接した時点で、突部25及び係止爪26は係止部51及び係止孔52にそれぞれ係止される。
さらに、容器本体2とカバーキャップ5とが接近すると、含浸体72の含浸片73が容器本体2の肩部13に当接することで、各含浸片73が径方向の外側に向けて撓み変形する。
容器本体2から流出した揮散剤は、連通路71内に流入し、連通路71の径方向の外側端部(連通凹部66内に位置する部分)において、毛細管現象等によって囲繞壁部64と外筒部65との間に保持された含浸体72に含浸される。そして、含浸体72に含浸された揮散剤は揮発しながらカバーキャップ5の揮散窓53を通して外部に導出される。
このように、本実施形態によれば、容器本体2の肩部13に容器軸O方向で突き当たる係止突部46がカバーキャップ5に形成されているため、未開封状態において容器本体2とカバーキャップ5との容器軸O方向に沿う接近移動を規制できる。これにより、閉塞板34が不意に開放されるのを抑制できる。
そして、容器本体2の肩部13上で開口する収容部20が胴部12に形成されているため、係止突部46と収容部20とが周方向で同位置になるように容器本体2とカバーキャップ5とを位置合わせした状態で、容器本体2とカバーキャップ5とを容器軸O方向に沿って接近移動させることで、容器本体2の口部3を開放させることができる。すなわち、容器本体2とカバーキャップ5との周方向の位置合わせを行うだけの簡便な操作により、揮散容器1を開封することができる。また、従来のように切取部を破断する等の必要がないので、開封操作時にゴミが発生することもない。
その結果、開封操作時における操作性を向上させることができる。
また、含浸体72が囲繞壁部64の外側に配設されるとともに、囲繞壁部64の内側と外側とが連通路71によって連通しているため、揮散剤が大量に含浸体72に向けて流出するのを抑制できる。これにより、揮散剤が大量に揮散するのを抑制して、揮散効果を長期に亘って持続できるとともに、揮散剤が揮散窓53から直接漏出するのを防止できる。
さらに、本実施形態の揮散容器1では、倒立姿勢において、容器本体2の肩部13が上方から下方に向かうに従い漸次縮径しているため、容器本体2内の揮散剤が口部3に向けて案内され易くなる。そのため、容器本体2内の揮散剤を最後まで使い切り易い。
また、本実施形態では、容器本体2及びカバーキャップ5が非円形状とされているため、未開封状態において、容器本体2とカバーキャップ5とが不意に周方向に相対回転するのを抑制して、容器本体2が開放されるのを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、容器本体2及びカバーキャップ5における容器軸O方向に直交する断面視形状は、上述した正方形状に限らず、円形、非円形等、適宜変更が可能であり、収容部20や係止突部46の位置等も適宜変更が可能である。
例えば、図7〜図9に示す揮散容器100において、容器本体101は、口部3を除く全体の容器軸O方向に直交する断面視形状が楕円形状に形成されている。そして、容器本体101の胴部12には、容器軸O方向に沿って延び、かつ肩部13上で開口する収容部102が周方向に間隔をあけて複数形成されている。図示の例において、収容部102は、容器本体2のうち短軸上に位置する部分に形成された第1収容部102aと、第1収容部102aに対して短軸方向で対向する部分において、短軸に対して周方向の両側に形成された一対の第2収容部102bと、を有している。なお、第1収容部102aは短軸方向の外側に向けて開放され、第2収容部102bは短軸方向及び長軸方向の外側に向けて開放されている。
一方、カバーキャップ110は、容器軸O方向に直交する横断面視が容器本体101と同形状(楕円形状)とされたものであり、その周壁部42には容器軸O方向に沿って延びる係止突部111が周方向に間隔をあけて複数形成されている。各係止突部111は、カバーキャップ5のうち短軸上に位置する部分に形成された第1係止突部111aと、第1係止突部111aに対して短軸方向で対向する部分において、短軸に対して周方向の両側に形成された一対の第2係止突部111bと、を有している。
このような揮散容器1において、未開封状態では、容器本体101及びカバーキャップ110の第1収容部102a及び第1係止突部111a同士、第2収容部102b及び第2係止突部111b同士の周方向位置が異なるように配置されている。図示の例においては、第1収容部102a及び第1係止突部111a同士、第2収容部102b及び第2係止突部111b同士が、短軸方向で対向するように配置されている。これにより、各係止突部111が、容器本体101の肩部13に容器軸O方向で突き当たった状態で係止され、カバーキャップ5と容器本体2との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。
一方、揮散容器1を開封する際は、図10、図11に示すように、カバーキャップ110から容器本体101を取り外した後、容器本体101とカバーキャップ110とを周方向に相対的に回転させ、第1収容部102a及び第1係止突部111a同士、第2収容部102b及び第2係止突部111b同士の周方向位置を合わせる。図示の例では、容器本体101とカバーキャップ110とを、上述した未開封状態から周方向に180°回転させる。
この状態で、容器本体101とカバーキャップ110とを容器軸O方向に沿って接近させる。すると、容器本体101は係止突部111を収容部102内に収容しながらカバーキャップ110内に進入していき、上述した開封操作が行われる。
なお、上述した実施形態では、図2に示すように容器本体2側の突部25及び係止爪26同士、並びにカバーキャップ5側の係止部51及び係止孔52同士をそれぞれ周方向の同位置に形成した場合について説明したが、これに限られない。例えば、図7〜図11に示すように、突部25及び係止爪26同士、並びに係止部51及び係止孔52同士を周方向で異なる位置に形成しても構わない。また、その他、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
また、図12、図13に示す揮散容器200において、容器本体201は、口部3を除く全体の容器軸O方向に直交する断面視形状が三角形状に形成されている。具体的に、容器本体201は、周方向に間隔をあけて配設された複数の主壁部203と、周方向で隣り合う主壁部203同士を連結する複数(例えば、3箇所)の角部202と、を有している。そして、容器本体201の胴部12には、3つの主壁部203のうち、2つの主壁部203に位置する部分において、容器軸O方向に沿って延び、かつ肩部13上に開口する収容部205が形成されている。なお、図示の例において、収容部205は、主壁部203において、周方向の中央部からずれた位置に形成されている。
一方、カバーキャップ210は、容器軸O方向に直交する横断面視が容器本体201と同形状(三角形状)とされたものである。具体的に、カバーキャップ210の周壁部42は、周方向に間隔をあけて配設された複数の主壁部212と、周方向で隣り合う主壁部212同士を連結する複数(例えば、3箇所)の角部211と、を有している。そして、3つの主壁部212のうち、2つの主壁部212には、容器軸O方向に沿って延びる係止突部215がそれぞれ形成されている。各係止突部215は、主壁部212において、周方向の中央部からずれた位置に形成されている。
このような揮散容器1において、未開封状態では、容器本体201及びカバーキャップ210の収容部205及び係止突部215同士の周方向位置が異なるように配置されている。これにより、各係止突部215が、容器本体201の肩部13に容器軸O方向で突き当たった状態で係止され、カバーキャップ210と容器本体201との容器軸O方向に沿う接近移動が規制されている。
一方、揮散容器1を開封する際は、図14、図15に示すように、カバーキャップ210から容器本体201を取り外した後、容器本体201とカバーキャップ210とを周方向に相対的に回転させ、収容部205及び係止突部215同士の周方向位置を合わせる。図示の例では、容器本体201とカバーキャップ210とを、上述した未開封状態から周方向に120°回転させる。
この状態で、容器本体201とカバーキャップ210とを容器軸O方向に沿って接近させる。すると、容器本体201は係止突部215を収容部205内に収容しながらカバーキャップ210内に進入していき、上述した開封操作が行われる。
また、上述した実施形態では、閉塞部4が弱化部35を破断することで口部3を開放する構成について説明したが、これに限らず、容器本体とカバーキャップとの容器軸O方向に沿う接近移動に伴い開放部により口部3が開放される構成であれば、中栓形状やフィルム形状等、適宜設計変更が可能である。
さらに、開放部61についても、筒状に限らず、十字状のリブ等、閉塞部4を押圧して除去することで、口部3が開放される形状であれば適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、閉塞部4がカバーキャップの天壁部41に当接するまで、容器本体とカバーキャップとを接近させる構成について説明したが、これに限らず、容器本体とカバーキャップとの接近移動に伴い閉塞部4が開放されれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、囲繞壁部64の外側に含浸体72を配設する構成について説明したが、これに限られない。
また、収容部は、少なくとも肩部13上で開口し、係止突部が収容される部分にのみ形成されていれば構わない。
さらに、容器本体とカバーキャップとが未開封状態及び開封状態それぞれにおいて、それぞれ係止される構成であれば、上述した容器本体側の突部25及び係止爪26、並びにカバーキャップ側の係止部51及び係止孔52の形状は位置等は、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、カバーキャップ側に連通路71を形成する構成について説明したが、これに限らず、容器本体側(例えば、閉塞部4等)に連通溝を形成する構成にしても構わない。
また、流通段階等において、シュリンクラベルやストレッチラベル等のラベルを揮散容器に装着したり、揮散容器を箱等に収納したりしても構わない。
さらに、上述した実施形態では、倒立姿勢で流通する場合について説明したが、少なくとも使用時において倒立姿勢であれば、正立姿勢(図2等に示すカバーキャップが上側、容器本体が下側の姿勢)で流通しても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1,100,200…揮散容器
2,101,201…容器本体
3…口部
4…閉塞部
5,110…カバーキャップ
12…胴部
13…肩部
20,102,205…収容部
46,111,215…係止突部
41…天壁部
42…周壁部
71…連通路
72…含浸体
102a…第1収容部(収容部)
102b…第2収容部(収容部)
111a…第1係止突部(係止突部)
111b…第2係止突部(係止突部)
O…容器軸

Claims (3)

  1. 口部、肩部、及び胴部が容器軸方向に沿ってこの順に連設されるとともに、内部に揮散剤を収容する容器本体と、
    前記口部を開放可能に閉塞する閉塞部と、
    天壁部が容器軸方向に沿う前記容器本体の外側から前記口部を覆い、かつ周壁部が前記胴部に容器軸周りに回転自在に装着される有頂筒状のカバーキャップと、
    前記口部と前記カバーキャップとの間に配設され、揮散剤が含浸される含浸体と、を備え、
    前記容器本体の前記胴部には、容器軸方向に延在し、かつ前記肩部上で開口する収容部が形成され、
    前記カバーキャップは、
    前記肩部に容器軸方向で対向する第1位置において、前記肩部に容器軸方向で突き当たって前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動を規制する一方、前記容器本体と前記カバーキャップとを容器軸周りに相対回転させ、前記収容部に容器軸方向で対向する第2位置において、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い前記収容部内に進入する係止突部と、
    前記第2位置において前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記閉塞部を容器軸方向に押圧して除去し、前記口部を開放する開放部と、を有し、
    前記含浸体には、前記口部を通して前記容器本体から前記カバーキャップの内側に流出した揮散剤が前記カバーキャップの内側で含浸されることを特徴とする揮散容器。
  2. 前記カバーキャップには、容器軸方向から見た平面視において、前記容器本体の前記口部を取り囲む囲繞壁部が配設され、
    前記含浸体は、前記カバーキャップにおける前記囲繞壁部の外側に配設され、
    前記カバーキャップ側及び前記容器本体側のうち、何れか一方側には、前記カバーキャップと前記容器本体との容器軸方向に沿う相対的な接近移動に伴い、前記カバーキャップの前記天壁部と前記口部の開口端縁とが当接したときに、前記囲繞壁部の内側と外側とを連通させる連通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の揮散容器。
  3. 前記容器本体は、容器軸方向に直交する横断面視形状が非円形状とされ、
    前記カバーキャップは、容器軸方向に直交する横断面視で前記容器本体と同形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の揮散容器。
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