JP5289071B2 - 過電流継電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、過電流継電装置に関し、特に、系統変更があったか否かを判定する系統変更判定機能を備えた過電流継電装置に関する。
一般に、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられている過電流継電装置(OC)は、事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って求められた動作時限で動作する。
また、複数の動作時限特性の中から1つの動作時限特性を選択できるタイプの過電流継電装置では、次区間の保護継電装置との時限協調検討を行って動作時限特性を選定しているが、1つの動作時限特性しか選択することができないため、系統変更などにより背後電源が変化した場合には、同一の事故点であっても動作時限が異なってしまい、動作時限が遅くなって遮断器を遮断するタイミングが遅れることがある。
たとえば、図11に示す電力系統では、電源1から110kV母線と第1および第2の送電線21,22と22kV母線とを介して電力が供給される第3の送電線23に設置されている第3の過電流継電装置1103の動作時限は、次区間の保護継電装置との時限協調を考慮して、図12のグラフに示すような動作時限特性曲線A(瞬時要素動作範囲における定限時特性と限時要素動作範囲における反限時特性との組合せ)に従って整定される。なお、このグラフの横軸は、電源1からの距離に対応する総合インピーダンス(合成インピーダンス)%Zとしている。
したがって、第1および第2の送電線21,22にそれぞれ設置された第1および第2の変圧器51,52が並用運転されている場合に、第3の送電線23の線路インピーダンス(22kV母線からのインピーダンス)が20%の所で短絡事故が発生したとすると、この事故点の電源1からの総合インピーダンス%Zは、
%Z=10%+(40%/2)+20%=50%
であるため、図12に黒丸で示すように、第3の過電流継電装置1103は、第3の送電線23に設置された第3の変流器33からの事故電流I(35Aに相当)に基づいて瞬時要素動作範囲内での短絡事故であると判定して、第3の送電線23に設置された第5の遮断器45を瞬時に遮断する。
しかし、第2の送電線22に設置された第2および第4の遮断器42,44の少なくとも一方が遮断されて第1の変圧器51のみの単独運転に切り換えられると、同じ事故点において短絡事故が発生しても、この事故点の電源1からの総合インピーダンス%Zは、
%Z=10%+40%+20%=70%
となるため、図12に白丸で示すように、第3の過電流継電装置1103は、第3の変流器33からの事故電流I(25Aに相当)に基づいて限時要素動作範囲内での短絡事故であると判定して、約0.4sの動作時限後に第5の遮断器45を遮断するので、第5の遮断器45を遮断するタイミングが遅れる。
なお、下記の特許文献1には、同一回路に接続した発電機および変圧器における放熱などの許容耐量などから逆相および過励磁などの各種保護継電器における保護特性の作動整定補正をして異常事象に際して各機器を適切に保護するために、発電機主回路における逆相電流により作動する逆相過電流継電器と、発電機のロータ温度の放熱演算による発電機の逆相耐量補正データから逆相過電流継電器における逆相電流−動作時間特性の作動整定値を補正する演算部とからなる保護継電装置が開示されている。
また、下記の特許文献2には、商用電源と並設される非常用発電機を備えた受変電設備に設けられる過電流保護継電器において整定値の変更を容易とし電源状態に対応した最適な保護環境が維持できるようにするために、過電流保護継電器に、外部からの電気信号などにより設定および変更が可能な商用電源給電時に用いる整定パターンおよび非常用発電機給電時に用いる整定パターンを内蔵し、受変電設備の電源状態が商用電源であるか非常用発電機であるかを判別する電源状態判別回路と、電源状態判別回路で判別された電源に応じて整定パターンを適正な整定パターンに切り替えて整定する切替スイッチとを設けた、整定パターン自動切替機能付過電流保護継電器が開示されている。
特開2000−134790号公報 特開平9−135527号公報
上述したように、従来の過電流継電装置においては、1つの動作時限特性に従って求められた動作時限で動作するため、系統変更などにより背後電源が変化した場合には、同じ事故点であっても動作時限が遅くなって遮断器を遮断するタイミングが遅れることがあり、保護性能および保護信頼度を確保することができなくなるという問題がある。
なお、上記特許文献1に開示されている保護継電装置は、発電機のロータ温度の放熱演算による発電機の逆相耐量補正データから逆相過電流継電器における逆相電流−動作時間特性の作動整定値を補正するものであり、系統変更時の補正方法については何ら開示されていない。
また、上記の特許文献2は、電源状態判別回路で判別された電源に応じて整定パターンを適正な整定パターンに切り替えるものであるが、電源状態判別回路において受変電設備の電源状態の変化を検出し電源状態が商用電源であるか非常用発電機であるかを判別する具体的な方法については何ら開示されていない。
本発明の目的は、系統変更前後で遮断器の遮断タイミングが変わらないようにすることができる過電流継電装置を提供することにある。
本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(50;50’)であって、系統変更前の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って該過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段(121〜123,131〜133,141〜143)と、前記過電流継電装置が設置されている送電線(23)の区間よりも電源(1)側である前区間の他の送電線(21,22;22)に設置されたかつ系統変更により遮断される遮断器(41〜44;42)の遮断情報(SC1〜SC4;SC2)に基づいて系統変更があったか否かを判定する系統変更判定手段(15)とを具備し、前記動作時限決定手段が、前記系統変更判定手段における判定結果に応じて、前記事故電流の振幅値に基づいて前記短絡事故の事故点の前記電源からの総合インピーダンスを算出し、該電源から前記過電流継電装置が設置されている送電線の母線までの系統変更前後の総合インピーダンスの差である総合インピーダンス差を前記算出した総合インピーダンスから引いて補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めることを特徴とする。
ここで、前記動作時限特性が比例動作時限特性とされており、前記比例動作時限特性の瞬時要素動作範囲における動作時限特性が定限時特性により規定され、前記比例動作時限特性の限時要素動作範囲における動作時限特性が、総合インピーダンスに比例して動作時限が増加する比例限時特性により規定されていてもよい。
前記動作時限決定手段が、前記事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定手段(121〜123)と、前記事故電流の振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める時限処理手段(131〜133)とを備え、前記系統変更判定手段における判定結果が「系統変更あり」である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記事故電流補正振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めてもよい。
前記動作時限決定手段が、前記事故電流の振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する瞬時要素動作判定手段(141〜143)を備え、該瞬時要素動作判定手段が、前記系統変更判定手段における判定結果が「系統変更あり」である場合には、前記事故電流補正振幅値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定してもよい。
前記系統変更判定手段が、前記前区間の他の送電線に前記遮断器が複数設置されている場合には、該複数の遮断器のいずれか1つが遮断されると「系統変更あり」と判定してもよい。
また、本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(50;50’)であって、前記過電流継電装置が設置されている送電線(23)に設置された遮断器(45;43)を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路(10)を具備し、該トリップ信号発生回路が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を求める振幅値演算部(111〜113)と、該振幅値演算部から入力される前記事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定部(121〜123)と、該限時要素動作判定部が「前記事故電流の振幅値が前記整定限時タップ値以上である」と判定すると、系統変更前の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記事故電流の振幅値を用いて動作時限を求め、該求めた動作時限の経過後に前記遮断器を遮断するための限時要素トリップ信号(T1R,T1W,T1B)を出力する時限処理部(131〜133)と、前記過電流継電装置が設置されている送電線の区間よりも電源(1)側である前区間の他の送電線(21,22)に設置されたかつ系統変更により遮断される他の遮断器(41〜44;42)の遮断情報(SC1〜SC4;SC2)に基づいて系統変更があったか否かを判定する系統変更判定部(15)とを備え、前記系統変更判定部が「系統変更あり」と判定すると、前記限時要素動作判定部が、前記事故電流の振幅値に基づいて前記短絡事故の事故点の前記電源からの総合インピーダンスを算出し、該電源から前記過電流継電装置が設置されている送電線の母線までの系統変更前後の総合インピーダンスの差である総合インピーダンス差を前記算出した総合インピーダンスから引いて補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理部が、前記事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めることを特徴とする。
ここで、前記トリップ信号発生回路が、前記振幅値演算部から入力される前記事故電流の振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流の振幅値が前記整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、前記遮断器を瞬時に遮断するための瞬時要素トリップ信号(T2R,T2W,T2B)を出力する瞬時要素動作判定部(141〜143)をさらに備え、該瞬時要素動作判定部が、前記系統変更判定部が「系統変更あり」と判定すると、前記事故電流の振幅値に基づいて前記総合インピーダンスを算出し、前記総合インピーダンス差を該算出した総合インピーダンスから引いて前記補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した前記事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定してもよい。
本発明の過電流継電装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)系統変更があっても同じ動作時限で過電流継電装置を動作させることができるので、系統変更前後で遮断器の遮断タイミングが変わらないようにすることができる。
(2)事故継続時間を短縮することができるので、設備の損壊や社会的影響を与えるリスクを低減することができる。
(3)次区間リレーとの協調がとれるため、事故波及により遮断器の不要遮断の恐れがなくなるので、保護信頼度を保つことができる。
(4)他の過電流継電装置との時限協調が容易になるとともに、短絡距離継電装置との時限協調も容易になる。
上記の目的を、系統変更前の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性を使用するが、前区間の送電線に設置されたかつ系統変更により遮断される遮断器の遮断情報に基づいて系統変更判定手段が「系統変更あり」と判定した場合には、事故電流の振幅値を補正した値を用いてこの動作時限特性に従って過電流継電装置の動作時限を求めることにより実現した。
以下、本発明の過電流継電装置の実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による過電流継電装置50は、図1に示すように、図11に示した第3の過電流継電装置1103の代わりに使用され、第5の遮断器45(第3の送電線23の赤相、白相および青相にそれぞれ設置されている。)を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路として図2に示すトリップ信号発生回路10を具備することを特徴とする。
トリップ信号発生回路10は、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113と、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123と、第1乃至第3の時限処理部131〜133と、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143と、系統変更判定部15と、第1および第2の論理和回路161,162とを備える。
第1乃至第3の振幅値演算部111〜113は、過電流継電装置50が具備する入力フィルタ(不図示)によって必要な帯域の周波数成分のみが抽出されたのちアナログ/ディジタル変換部(不図示)によってアナログ電流からディジタル電流に変換された赤相事故電流データIR、白相事故電流データIWおよび青相事故電流データIBの振幅値をそれぞれ求める。
第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、系統変更判定部15からロウレベルの系統変更判定結果信号(系統変更なしを示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値(=5A)以上である否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値とを第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、系統変更判定部15からハイレベルの系統変更判定結果信号(系統変更ありを示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値に基づいて事故点の電源1からの総合インピーダンス%Zを算出し、電源1から22kV母線までの系統変更前後の総合インピーダンス%Zの差である総合インピーダンス差(=50%(電源1から22kV母線までの系統変更後の総合インピーダンス%Z)−30%(電源1から22kV母線までの系統変更前の総合インピーダンス%Z)=20%)を算出した総合インピーダンス%Zから引いて補正総合インピーダンスを算出し、算出した補正総合インピーダンスに基づいて赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を補正した値(以下、「振幅補正値」と称する。)を算出したのち、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定限時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値とを第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する。
第1乃至第3の時限処理部131〜133は、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123からハイレベルの出力信号が入力されると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値または振幅補正値を用いて、第1および第2の変圧器51,52の並用運転時(系統変更前)の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置50の動作時限を定める動作時限特性曲線A(図3参照)に従って動作時限を求め、求めた動作時限の経過後に第5の遮断器45を遮断するための第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bをそれぞれ出力する。
第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、系統変更判定部15からロウレベルの系統変更判定結果信号(系統変更なしを示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値(=32A)以上である否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、第5の遮断器45を瞬時に遮断するための第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、系統変更判定部15からハイレベルの系統変更判定結果信号(系統変更ありを示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値に基づいて事故点の電源1からの総合インピーダンス%Zを算出し、算出した総合インピーダンス%Zから総合インピーダンス差(=20%)を引いて補正総合インピーダンスを算出し、算出した補正総合インピーダンスに基づいて赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値を算出したのち、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、第5の遮断器45を瞬時に遮断するための第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
系統変更判定部15は、第2の送電線22(前区間の送電線)に設置された第2および第4の遮断器42,44からそれぞれ入力される第2および第4の接点信号SC2,SC4(遮断情報)に基づいて、系統変更があったか否かを判定する。その結果、系統変更判定部15は、「系統変更なし」と判定するとロウレベルの系統変更判定結果信号を出力し、一方、「系統変更あり」と判定するとハイレベルの系統変更判定結果信号を出力する。
このとき、系統変更判定部15は、第2および第4の接点信号SC2,SC4のレベルが変化しない場合には「系統変更なし」と判定し、第2および第4の接点信号SC2,SC4の少なくとも一方のレベルが変化した場合には「系統変更あり」と判定する。
第1の論理和回路161は、第1乃至第3の時限処理部131〜133から入力される第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bの論理和をとることにより、第5の遮断器45(第3の送電線23の相ごとに設置されている。)を一括して動作時限経過後に遮断するための第1のトリップ信号T1を生成する。
第2の論理和回路162は、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143から入力される第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bの論理和をとることにより、第5の遮断器45(第3の送電線23の相ごとに設置されている。)を一括して瞬時に遮断するための第2のトリップ信号T2を生成する。
次に、図1に示した第3の送電線23において過電流継電装置50の近傍で短絡事故が発生したときの過電流継電装置50の動作について説明する。
まず、第1および第2の変圧器51,52の並用運転時(系統変更前)に短絡事故が発生した場合の過電流継電装置50の動作について、図3および図4を参照して説明する。
過電流継電装置50の近傍で短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流I(たとえば、35A)が第3の送電線23の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる。この事故電流Iは、第3の送電線23の相ごとに設置された第3の変流器33を介して過電流継電装置50に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、さらにアナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流からディジタル電流に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(図4のステップS11)。
過電流継電装置50では、トリップ信号発生回路10の第1乃至第3の振幅値演算部111〜113が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値をそれぞれ求める(ステップS12)。
また、系統変更判定部15は、第2および第4の接点信号SC2,SC4のレベルが変化しないため、「系統変更なし」と判定してロウレベルの系統変更判定結果信号を出力する(ステップS13)。
第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、系統変更判定部15からロウレベルの系統変更判定結果信号が入力されると、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値(=35A)が整定瞬時タップ値(=32A)以上である否かを判定する。その結果、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値は整定瞬時タップ値以上であるため(図3の黒丸参照)、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定して、第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する(ステップS14)。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第5の遮断器45に出力されて、第5の遮断器45が瞬時に遮断される。
次に、第1および第2の変圧器51,52の並用運転から第1の変圧器51のみの単独運転に切り換えられた後(系統変更後)に短絡事故が発生した場合の過電流継電装置50の動作について、図3および図5を参照して説明する。
第2の送電線22に設置された第2および第4の遮断器42,44が遮断されると、第2および第4の遮断器42,44からそれぞれ出力される第2および第4の接点信号SC2,SC4のレベルがハイレベルからロウレベルに変化する。その結果、過電流継電装置50では、トリップ信号発生回路10の系統変更判定部15が、「系統変更あり」と判定してハイレベルの系統変更判定結果信号を出力する(ステップS21)。
その後、過電流継電装置50の近傍で短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流I(たとえば、25A)が第3の送電線23の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる。この事故電流Iは、第3の送電線23の相ごとに設置された第3の変流器33を介して過電流継電装置50に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、さらにアナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流からディジタル電流に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(ステップS22)。
過電流継電装置50では、トリップ信号発生回路10の第1乃至第3の振幅値演算部111〜113が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値をそれぞれ求める(ステップS23)。
第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、従来のように、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値=25Aが整定瞬時タップ値(=32A)以上であるか否かを判定すると、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値は整定瞬時タップ値以上ではない」と判定してしまう(図3の白丸参照)。
しかしながら、本実施例による過電流継電装置50では、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、系統変更判定部15からハイレベルの系統変更判定結果信号が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値(=25A)に基づいて事故点の電源1からの総合インピーダンス%Z(=70%)を算出し、算出した総合インピーダンス%Zから総合インピーダンス差(=20%)を引いて補正総合インピーダンス(=70%−20%=50%)を算出し、算出した補正総合インピーダンスに基づいて赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値(=35A)を算出したのち、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定瞬時タップ値(=32A)以上であるか否かを判定する。
その結果、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値(=35A)は整定瞬時タップ値(=32A)以上であるため(図3の黒丸参照)、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定瞬時タップ値以上である」と判定して、第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する(以上、ステップS24)。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第5の遮断器45に出力されて、第5の遮断器45が瞬時に遮断される。
以上では、過電流継電装置50の瞬時要素動作範囲内で短絡事故が発生した場合について説明したが、過電流継電装置50の限時要素動作範囲内で短絡事故が発生した場合にも、系統変更後には、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値に基づいて事故点の電源1からの総合インピーダンス%Zを算出し、算出した総合インピーダンス%Zから総合インピーダンス差を引いて補正総合インピーダンスを算出し、算出した補正総合インピーダンスに基づいて赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値を算出したのち、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、第1乃至第3の時限処理部131〜133が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値を用いて動作時限特性曲線Aに従って動作時限を求めることにより、動作時限の遅れによる第5の遮断器45の遮断タイミングの遅れを防止することができる。
また、系統変更後には赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅補正値を用いたが、図6に示すように、系統変更前の動作時限特性曲線Aと、この動作時限特性曲線Aを総合インピーダンス%Zが大きくなる方向にスライドさせた系統変更後の動作時限特性曲線A’とを用意しておき、系統変更判定部15からロウレベルの系統変更判定結果信号が入力されると、系統変更前の動作時限特性曲線Aを使用して第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143が赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定するとともに第1乃至第3の時限処理部131〜133が赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を用いて動作時限を求め、一方、系統変更判定部15からハイレベルの系統変更判定結果信号が入力されると、系統変更後の動作時限特性曲線A’を使用して第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143が赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定するとともに第1乃至第3の時限処理部131〜133が赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を用いて動作時限を求めてもよい。
さらに、図3に示した動作時限特性曲線Aの代わりに、図7に示すような比例動作時限特性曲線Bを用いてもよい。ここで、比例動作時限特性曲線Bは、以下に示す点で動作時限特性曲線Aと相違する。
(1)比例動作時限特性曲線Bの限時要素動作範囲における動作時限特性は、総合インピーダンス%Zに比例して動作時限が増加する比例限時特性により規定される。
(2)比例限時特性における動作時限は、動作時限特性曲線Aにおける動作時限よりも協調点以外では小さくされている。
(3)比例係数は、協調点の時限とIT限界地点の時限との差を協調点の倍率とIT限界地点の倍率との差で割った値、または、協調点の時限とIT限界地点の時限との差を協調点の事故電流の振幅値とIT限界地点の事故電流の振幅値との差で割った値とする。
このような比例動作時限特性曲線Bを使用することにより、動作時限特性曲線Aを使用する場合に比べて、過電流継電装置50の動作時限を全体的に短縮することができる。
さらにまた、図1に示した電力系統だけでなく、図8および図9に示すような電力系統においても本発明による過電流継電装置を使用することにより、系統変更後の遮断器の遮断タイミングの遅れを防止することができる。
図8に示す電力系統では、第3の送電線23に設置された過電流継電装置50’の動作時限は、第3の送電線23が図8(a)に示すように第1の送電線21を介してA変電所(短絡容量大)から受電しているときの動作時限特性に従って整定されているとする。
この場合に、系統変更により第3の送電線23が図8(b)に示すように第2の送電線22を介してB変電所(短絡容量小)から受電することになると、過電流継電装置50’は、背後の短絡容量が小さくなるので、第3の送電線23における同一の事故点であっても、系統変更後の総合インピーダンス%Zは系統変更前の総合インピーダンス%Zよりも大きくなる(すなわち、事故電流の大きさが小さくなる)。
そこで、過電流継電装置50’が具備するトリップ信号発生回路(図2に示したトリップ信号発生回路10参照)の系統変更判定部(図2に示した系統変更判定部15参照)が、第2の送電線22(前区間の送電線)に設置された第2の遮断器42から入力される第2の接点信号SC2(遮断情報)に基づいて第2の遮断器42が復帰したことを検出することにより「系統変更があった」と判定すると、ハイレベルの系統変更判定結果信号を出力するようにしておく。これにより、第3の送電線23に設置された第3の遮断器43の遮断タイミングが系統変更後に遅れることを防止することができる。
図9に示す電力系統では、図2に示したトリップ信号発生回路10を具備する過電流継電装置50を第3の送電線23に設置することにより、図1に示した電力系統の場合と同様にして、第3の送電線23に設置された第5の遮断器45の遮断タイミングが系統変更後に遅れることを防止することができる(図10参照)。
また、第1および第2の送電線21,22にそれぞれ設置された第1および第2の短絡距離継電装置(DZ)1201,1202(図10に示す動作時限特性曲線Cに従って動作時限が求められる。)の第2の保護区間と過電流継電装置50の瞬時要素動作範囲との協調が崩れることを防止することもできる。すなわち、系統変更後により総合インピーダンス%Zが大きくなると、過電流継電装置50の動作時限特性曲線Aは図10に破線で示すように第1および第2の短絡距離継電装置1201,1202の動作時限特性曲線Cに近づくことになるため、同図に三角印で示すように過電流継電装置50と第1および第2の短絡距離継電装置1201,1202との時限協調が崩れるが、本発明による過電流継電装置ではこれを防ぐことができる。
なお、図1に示した電力系統においては、第1の送電線21に設置された第1および第3の遮断器41,43から第1および第3の接点信号SC1,SC3(不図示)も過電流継電装置50に入力することにより、第1および第2の変圧器51,52の並用運転から第2の変圧器52のみの単独運転に切り換えられた後(系統変更後)に短絡事故が発生した場合にも対応できるようにしてもよい。
この場合には、図2に示したトリップ信号発生回路10の系統変更判定部15は、第1および第3の接点信号SC1,SC3に基づいて第1および第2の変圧器51,52の並用運転から第2の変圧器52のみの単独運転に切り換えられたか否か(系統変更が生じたか否か)を判定するとともに、第2および第4の接点信号SC2,SC4に基づいて第1および第2の変圧器51,52の並用運転から第1の変圧器51のみの単独運転に切り換えられたか否か(系統変更が生じたか否か)を判定する。
本発明の一実施例による過電流継電装置50が使用される電力系統について説明するための図である。 図1に示した過電流継電装置50が具備するトリップ信号発生回路10の構成を示すブロック図である。 図1に示した過電流継電装置50の動作時限特性曲線Aを示すグラフである。 系統変更前に短絡事故が発生した場合の過電流継電装置50の動作について説明するためのフローチャートである。 系統変更後に短絡事故が発生した場合の過電流継電装置50の動作について説明するためのフローチャートである。 図1に示した過電流継電装置50の変形例を説明するための系統変更前の動作時限特性曲線Aおよび系統変更後の動作時限特性曲線A’を示すグラフである。 図1に示した過電流継電装置50の他の変形例を説明するための系統変更前の比例動作時限特性曲線Bおよび系統変更後の比例動作時限特性曲線B’を示すグラフである。 他の電力系統においても本発明による過電流継電装置を使用することにより系統変更後の遮断器の遮断タイミングの遅れを防止することができることを説明するための図である。 更に他の電力系統においても本発明による過電流継電装置を使用することにより系統変更後の遮断器の遮断タイミングの遅れを防止することができることを説明するための図である。 図9に示した過電流継電装置50の動作時限特性曲線Aおよび図9に示した第1および第2の短絡距離継電装置1201,1202の動作時限特性曲線Cを示すグラフである。 従来の過電流継電装置において遮断器を遮断するタイミングが系統変更後に遅れることについて説明するための図である。 図11に示した第3の過電流継電装置1103の動作時限特性曲線Aを示すグラフである。
1 電源
1〜23 第1乃至第3の送電線
1〜33 第1乃至第3の変流器
1〜45 第1乃至第5の遮断器
1,52 第1および第3の変圧器
10 トリップ信号発生回路
111〜113 第1乃至第3の振幅値演算部
121〜123 第1乃至第3の限時要素動作判定部
131〜133 第1乃至第3の時限処理部
141〜143 第1乃至第3の瞬時要素動作判定部
15 系統変更判定部
161,162 第1および第2の論理和回路
50,50’ 過電流継電装置
1101〜1103 第1乃至第3の過電流継電装置
1201,1202 第1および第2の短絡距離継電装置
A,A’,C 動作時限特性曲線
B,B’ 比例動作時限特性曲線
I 事故電流
R,IW,IB 赤相、白相および青相事故電流データ
C1〜SC4 第1乃至第4の接点信号
T1R,T1W,T1B 第1乃至第3の限時要素トリップ信号
T2R,T2W,T2B 第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号
S11〜S14,S21〜S24 ステップ

Claims (7)

  1. 電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(50;50’)であって、
    系統変更前の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って該過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段(121〜123,131〜133,141〜143)と、
    前記過電流継電装置が設置されている送電線(23)の区間よりも電源(1)側である前区間の他の送電線(21,22;22)に設置されたかつ系統変更により遮断される遮断器(41〜44;42)の遮断情報(SC1〜SC4;SC2)に基づいて系統変更があったか否かを判定する系統変更判定手段(15)とを具備し、
    前記動作時限決定手段が、前記系統変更判定手段における判定結果に応じて、前記事故電流の振幅値に基づいて前記短絡事故の事故点の前記電源からの総合インピーダンスを算出し、該電源から前記過電流継電装置が設置されている送電線の母線までの系統変更前後の総合インピーダンスの差である総合インピーダンス差を前記算出した総合インピーダンスから引いて補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
    ことを特徴とする、過電流継電装置。
  2. 前記動作時限特性が比例動作時限特性とされており、
    前記比例動作時限特性の瞬時要素動作範囲における動作時限特性が定限時特性により規定され、
    前記比例動作時限特性の限時要素動作範囲における動作時限特性が、総合インピーダンスに比例して動作時限が増加する比例限時特性により規定される、
    ことを特徴とする、請求項1記載の過電流継電装置。
  3. 前記動作時限決定手段が、
    前記事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定手段(121〜123)と、
    前記事故電流の振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める時限処理手段(131〜133)とを備え、
    前記系統変更判定手段における判定結果が「系統変更あり」である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記事故電流補正振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の過電流継電装置。
  4. 前記動作時限決定手段が、前記事故電流の振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する瞬時要素動作判定手段(141〜143)を備え、
    該瞬時要素動作判定手段が、前記系統変更判定手段における判定結果が「系統変更あり」である場合には、前記事故電流補正振幅値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする、請求項3記載の過電流継電装置。
  5. 前記系統変更判定手段が、前記前区間の他の送電線に前記遮断器が複数設置されている場合には、該複数の遮断器のいずれか1つが遮断されると「系統変更あり」と判定することを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の過電流継電装置。
  6. 電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(50;50’)であって、
    前記過電流継電装置が設置されている送電線(23)に設置された遮断器(45;43)を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路(10)を具備し、
    該トリップ信号発生回路が、
    前記短絡事故時の事故電流の振幅値を求める振幅値演算部(111〜113)と、
    該振幅値演算部から入力される前記事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定部(121〜123)と、
    該限時要素動作判定部が「前記事故電流の振幅値が前記整定限時タップ値以上である」と判定すると、系統変更前の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記事故電流の振幅値を用いて動作時限を求め、該求めた動作時限の経過後に前記遮断器を遮断するための限時要素トリップ信号(T1R,T1W,T1B)を出力する時限処理部(131〜133)と、
    前記過電流継電装置が設置されている送電線の区間よりも電源(1)側である前区間の他の送電線(21,22)に設置されたかつ系統変更により遮断される他の遮断器(41〜44;42)の遮断情報(SC1〜SC4;SC2)に基づいて系統変更があったか否かを判定する系統変更判定部(15)とを備え、
    前記系統変更判定部が「系統変更あり」と判定すると、前記限時要素動作判定部が、前記事故電流の振幅値に基づいて前記短絡事故の事故点の前記電源からの総合インピーダンスを算出し、該電源から前記過電流継電装置が設置されている送電線の母線までの系統変更前後の総合インピーダンスの差である総合インピーダンス差を前記算出した総合インピーダンスから引いて補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理部が、前記事故電流補正振幅値を用いて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
    ことを特徴とする、過電流継電装置。
  7. 前記トリップ信号発生回路が、前記振幅値演算部から入力される前記事故電流の振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流の振幅値が前記整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、前記遮断器を瞬時に遮断するための瞬時要素トリップ信号(T2R,T2W,T2B)を出力する瞬時要素動作判定部(141〜143)をさらに備え、
    該瞬時要素動作判定部が、前記系統変更判定部が「系統変更あり」と判定すると、前記事故電流の振幅値に基づいて前記総合インピーダンスを算出し、前記総合インピーダンス差を該算出した総合インピーダンスから引いて前記補正総合インピーダンスを算出し、該算出した補正総合インピーダンスに基づいて前記事故電流の振幅値を補正した前記事故電流補正振幅値を算出し、該事故電流補正振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする、請求項6記載の過電流継電装置。
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