JP2001258145A - 保護継電システム - Google Patents

保護継電システム

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JP2001258145A
JP2001258145A JP2000065941A JP2000065941A JP2001258145A JP 2001258145 A JP2001258145 A JP 2001258145A JP 2000065941 A JP2000065941 A JP 2000065941A JP 2000065941 A JP2000065941 A JP 2000065941A JP 2001258145 A JP2001258145 A JP 2001258145A
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protection relay
relay
accident
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JP2000065941A
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Kazuma Mito
一磨 水戸
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/20Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution using protection elements, arrangements or systems

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  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Selective Calling Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護協調が必要な複数個の保護継電器の動作
特性および動作整定値を自動的に最適に設定することが
可能な保護継電システムを提供することにある。 【解決手段】 電力系統に設置された各々の保護継電器
RYを伝送ネットワーク1に接続し、その伝送ネットワ
ーク1にオペレータインタフェース装置2および情報処
理装置3を接続する。そして、オペレータインタフェー
ス装置2から情報処理装置3に対し電力系統の系統情報
を入力し、保護継電器RYから系統運用情報を入力す
る。情報処理装置3は、オペレータインタフェース装置
2から入力された系統情報および各々の保護継電器RY
から入力された系統運用情報に基づいて保護協調を満足
する動作整定値を各々の保護継電器RYごとに算出し、
伝送ネットワーク1を介して各々の保護継電器RYに自
動的に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の保護継電
器の動作整定値を自動的かつ最適に設定できる保護継電
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、保護継電器は電力系統からの電
圧や電流に基づいて予め定めた動作条件を満たすか否か
を判定し、動作条件を満たすときは事故であると判定し
て遮断器に遮断指令を出力し、事故点を電力系統から切
り離すものである。図4は、保護継電器の基本的な構成
図である。
【0003】保護継電器1には、電力系統上に設けられ
た変流器2から電流が入力され、計器用変圧器3から電
圧が入力される。保護継電器1の事故検出手段4では、
入力した電流および電圧から予め定められた動作条件を
満たすか否かの判定が行われ、その動作条件を満たす場
合には事故と判定して、保護出力手段5から遮断器に遮
断指令が出力される。
【0004】通常、電力系統には複数個の保護継電器が
設置され、電力系統の電圧階級によって、電源側である
上位系から末端負荷側である下位系まで盲点なく保護対
象としている。この場合、複数個の保護継電器を設置す
ることから、各保護継電器の保護範囲を明確にした上
で、誤遮断や誤不遮断を避ける必要があり、保護協調が
採られている。また、各保護継電器は、保護協調により
保護機能的には互いに連系しているものの、相互に連結
はされておらず独立している。
【0005】図5は、従来の保護継電システムの構成図
である。図5では、常用受電系統と予備受電系統との2
回線の受電系統を保護する保護継電システムを示してお
り、母線連絡遮断器CB6が開状態で図5の右側の回線
を保護する場合を示している。
【0006】各保護継電器RY1、RY2、RY3、R
Y4、RY5は、それぞれ事故検出範囲(保護範囲)E
1、E2、E3、E4、E5であり、事故検出時にはそ
れぞれ遮断器CB1、CB2、CB3、CB4、CB5
に対し遮断指令を出力する。
【0007】いま、事故点Aにて系統事故が発生したと
する。この場合、最適な事故遮断位置は遮断器CB2で
ある。つまり、RY2が動作し遮断器CB2を遮断し
て、変圧器TrAを含む下位系を上位系より切離せば、
事故点Aは除去可能であり、変圧器TrB側の系統は継
続して電力供給可能である。
【0008】この場合、保護協調がとれていないと、事
故点Aは事故検出範囲E1にも含まれるので、保護継電
器RY1が先に動作することがあり、遮断器CB1が遮
断され、変圧器TrB側系統の電力供給も断たれること
になる。
【0009】同様に、変圧器TrCの一次側の事故点B
にて系統事故が発生した場合、事故点Bは、事故検出範
囲E1、E2、E3に含まれることから保護継電器RY
4より先にRY1〜RY3が動作すると保護範囲E1〜
E3の間で同様の問題が発生する。
【0010】また、変圧器TrCの二次側の事故点Cに
て系統事故が発生した場合、事故点Cは、事故検出範囲
E1〜E4に含まれることから保護継電器RY5より先
にRY1〜RY4が動作すると保護範囲E1〜E4の間
で同様の問題が発生する。
【0011】このような系統事故発生時における遮断器
CBの不要遮断を防止するため、電力系統上の全ての保
護継電器は、事故に対して必ず下位系の遮断器CBから
遮断するように、つまり下位系の保護継電器RYから遮
断指令を出力していくように、動作特性および動作整定
値が設定されている。
【0012】この最適な動作特性および動作整定値の算
出作業は人間系で算出し、保護継電器RYへの設定作業
も人間系で行っている。すなわち、%インピーダンス法
などから求められる事故発生時の系統電気量や、系統を
構成する機器のデータ等を基に、系統毎および系統部位
毎に、最適と思われる動作特性および動作整定値を人間
系で算出し、算出された動作特性や動作整定値の保護継
電器RYへの設定も、個々の保護継電器RYに対し人間
系で行なっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の電力系
統は図5のように単純なものではなく大変複雑であり、
事故計算は容易な作業でない。例えば、電力系統には複
数個の発電機や負荷が接続されており、短絡事故時にお
いては多数の電源が存在する。また、系統の運用方法に
より多数の系統パターンがあり、事故電流の流れるルー
トが複雑になること、容量の異なる負荷が並列に多数接
続されており上位系との協調を一括して決定できないこ
と、連絡用開閉器が存在すること、対地キャパシタンス
など系統毎の固有値が有ること等の理由により、事故計
算は容易な作業でない。
【0014】このため、電力系統全体の保護協調を満た
す整定値の選定には、大きな手間が必要であった。ま
た、全ての作業を人間系で行なうことが、算出および設
定ミスを誘発する要因となっていた。
【0015】本発明の目的は、保護協調が必要な複数個
の保護継電器の動作特性および動作整定値を自動的に最
適に設定することが可能な保護継電システムを提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
保護継電システムは、電力系統の系統部位毎に保護継電
器を設置し上位系統に設置された保護継電器と下位系統
に設置された保護継電器とで保護協調をとり電力系統を
保護するようにした保護継電システムにおいて、前記電
力系統に設置された各々の保護継電器を接続する伝送ネ
ットワークと、前記電力系統の系統情報を入力するオペ
レータインタフェース装置と、前記オペレータインタフ
ェース装置から入力された系統情報および各々の保護継
電器から入力された系統運用情報に基づいて保護協調を
満足する動作整定値を各々の保護継電器ごとに算出し前
記伝送ネットワークを介して各々の保護継電器に自動的
に設定する情報処理装置とを備えたことを特徴とする。
【0017】請求項1の発明に係わる保護継電システム
では、電力系統に設置された各々の保護継電器を伝送ネ
ットワークに接続し、その伝送ネットワークにオペレー
タインタフェース装置および情報処理装置を接続する。
そして、オペレータインタフェース装置から情報処理装
置に対し電力系統の系統情報を入力し、保護継電器から
系統運用情報を入力する。情報処理装置は、オペレータ
インタフェース装置から入力された系統情報および各々
の保護継電器から入力された系統運用情報に基づいて保
護協調を満足する動作整定値を各々の保護継電器ごとに
算出し、伝送ネットワークを介して各々の保護継電器に
自動的に設定する。
【0018】請求項2の発明に係わる保護継電システム
は、請求項1の発明において、各々の保護継電器は、電
力系統の電気量に基づいて事故か否かを判定する事故検
出手段と、前記事故検出手段が事故であると判定したと
きは該当の遮断器に遮断指令を出力する保護出力手段
と、前記情報処理装置から前記伝送ネットワークを介し
て送信される動作整定値を受信すると共に電力系統の系
統運用情報を送信する伝送手段と、前記情報処理装置か
らの動作整定値を前記事故検出手段に設定する自動整定
手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】請求項2の発明に係わる保護継電システム
では、請求項1の発明の作用に加え、各々の保護継電器
は、伝送手段により伝送ナットワークを介して情報処理
装置と送受信し、情報処理装置から伝送ネットワークを
介して送信される動作整定値を受信して事故検出手段に
設定すると共に電力系統の系統運用情報を情報処理装置
に送信する。事故検出手段は電力系統の電気量および動
作整定値に基づき事故か否かを判定し、事故であると判
定したときは保護出力手段から該当の遮断器に遮断指令
を出力する。
【0020】請求項3の発明に係わる保護継電システム
は、請求項1の発明において、情報処理装置は、オペレ
ータインタフェース装置から入力された系統情報および
各々の保護継電器から入力された系統運用情報に基づい
て保護協調を満足する動作整定値を各々の保護継電器ご
とに算出する動作整定値演算手段と、前記動作整定値が
設定された状態で事故が発生した場合の電気量の波形を
解析し事故を解析する事故解析手段と、前記動作整定値
演算手段で算出された動作整定値を前記伝送ネットワー
クを介して各々の保護継電器に送信すると共に各々の保
護継電器から入力された系統運用情報を受信する伝送手
段とを備えたことを特徴とする。
【0021】請求項3の発明に係わる保護継電システム
では、請求項1の発明の作用に加え、情報処理装置は、
伝送手段により伝送ナットワークを介してオペレータイ
ンタフェース装置や各々の保護継電器と送受信し動作整
定値の演算や事故解析の演算を行う。動作整定値の演算
は、動作設定演算手段により、オペレータインタフェー
ス装置から入力された系統情報および各々の保護継電器
から入力された系統運用情報に基づいて保護協調を満足
する動作整定値が各々の保護継電器ごとに算出される。
また、事故解析の演算は、事故解析手段により、動作整
定値が設定された状態で事故が発生した場合の電気量の
波形を解析し事故が解析される。さらに、伝送手段で
は、動作整定値演算手段で算出された動作整定値を伝送
ネットワークを介して各々の保護継電器に送信すると共
に各々の保護継電器から入力された系統運用情報を受信
する。
【0022】請求項4の発明に係わる保護継電システム
は、請求項1または請求項2の発明において、各々の保
護継電器、情報処理装置またはオペレータインターフェ
ース装置は、自己の異常を診断し異常を検出したときは
前記伝送ネットワークとの接続を切り離す自己点検手段
と、前記伝送ネットワークに接続された他の装置の異常
を診断し異常を検出したときは前記伝送ネットワークと
の接続を切り離す相互チェック手段とを備えたことを特
徴とする。
【0023】請求項4の発明に係わる保護継電システム
では、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、各
々の保護継電器、情報処理装置またはオペレータインタ
ーフェース装置は、自己の異常を診断すると共に互いに
他の装置のチェックを行う。自己点検手段は、自己の異
常を検出したときは伝送ネットワークとの接続を切り離
す。また、相互チェック手段は、伝送ネットワークに接
続された他の装置の異常を診断し異常を検出したときは
伝送ネットワークとの接続を切り離す。
【0024】請求項5の発明に係わる保護継電システム
は、請求項4の発明において、自己点検手段または相互
チェック手段は、保護継電器の事故検出手段の異常を検
出したときは、前記事故検出手段の出力を阻止すること
を特徴とする請求項4に記載の保護継電器システム。
【0025】請求項5の発明に係わる保護継電システム
では、請求項4の発明の作用に加え、保護継電器の事故
検出手段の異常が検出されたときは、伝送ネットワーク
から切り離すことに加え、事故検出手段の出力を阻止
し、保護継電器が誤動作や誤不動作することを防止す
る。
【0026】請求項6の発明に係わる保護継電システム
は、請求項4の発明において、各々の保護継電器の自動
整定手段は、情報処理装置またはオペレータインターフ
ェース装置の異常が検出されたときは、情報処理装置ま
たはオペレータインターフェース装置との送受信を停止
することを特徴とする。
【0027】請求項6の発明に係わる保護継電システム
では、請求項4の発明の作用に加え、各々の保護継電器
の自動整定手段は、情報処理装置またはオペレータイン
ターフェース装置の異常が検出されたときには、情報処
理装置またはオペレータインターフェース装置との送受
信を停止し、誤った動作整定値が設定されることを防止
する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の実施の形態に係わる保護継電シス
テムの構成図である。図1に示す電力系統は、図5に示
した電力系統と同一の電力系統に適用したものを示して
いる。
【0029】電力系統の系統部位には各々保護継電器R
Yが設置され、これら複数個の保護継電器RYは伝送ネ
ットワーク1に接続されている。この伝送ネットワーク
1には、オペレータインタフェース装置2および情報処
理装置3が接続され、オペレータインタフェース装置2
からは、伝送ネットワーク1に電力系統の系統情報が出
力され、各々の保護継電器RYからは現状の系統運用情
報が出力される。
【0030】情報処置装置3では、オペレータインタフ
ェース装置2から入力された系統情報および各々の保護
継電器RYから入力された系統運用情報に基づいて保護
協調を満足する動作整定値を各々の保護継電器RYごと
に算出し、伝送ネットワーク1を介して各々の保護継電
器RYに自動的に設定する。
【0031】各々の保護継電器RYでは、電力系統の電
気量を事故検出手段4に入力し、その電気量に基づいて
事故か否かを判定し、事故であると判定したときは保護
出力手段5を介して該当の遮断器に遮断指令を出力す
る。また、伝送手段6が設けられこの伝送手段6にて伝
送ネットワーク1と信号の送受信を行う。すなわち、情
報処理装置3から伝送ネットワーク1を介して送信され
る動作整定値を受信し、自動整定手段7により事故検出
手段4にその動作整定値を設定すると共に電力系統の系
統運用情報を送信する。
【0032】また、自己点検手段8は、自己の異常を診
断し異常を検出したときは伝送ネットワーク1との接続
を切り離すもので、相互チェック手段9は、伝送ネット
ワーク1に接続された他の装置(他の保護継電器、オペ
レータインタフェース装置2、情報処理装置3)の異常
を診断し、異常を検出したときはその異常となった装置
を伝送ネットワーク1から切り離すものである。
【0033】次に、情報処理装置3の伝送手段10は、
伝送ネットワーク1からオペレータインタフェース装置
1から入力された系統情報および各々の保護継電器RY
から入力された系統運用情報を受信し、動作整定値演算
手段11に出力する。動作整定値演算手段11では、オ
ペレータインタフェース装置1から入力された系統情報
および各々の保護継電器RYから入力された系統運用情
報に基づいて、保護協調を満足する動作整定値を各々の
保護継電器RYごとに算出し、伝送手段10により、伝
送ネットワーク1を介して各々の保護継電器RYに送信
する。系統事故解析手段12は、動作整定値が設定され
た状態で事故が発生した場合の電気量の波形を解析し事
故を解析するものである。
【0034】また、自己点検手段8は、保護継電器RY
に設けられたものと同様に、自己の異常を診断し異常を
検出したときは伝送ネットワーク1との接続を切り離
す。相互チェック手段9も、保護継電器RYに設けられ
たものと同様に、伝送ネットワーク1に接続された他の
装置(各々の保護継電器、オペレータインタフェース装
置2)の異常を診断し、異常を検出したときはその異常
となった装置を伝送ネットワーク1から切り離すもので
ある。なお、図示は省略するが、オペレータインタフェ
ース装置2にも自己点検手段8および相互チェック手段
9が設けられている。
【0035】このように、各々の保護継電器RYは、伝
送手段6を介して送られる動作整定値に応じて、事故検
出手段4の動作特性を変化させることが可能となってお
り、また、電力系統より保護継電器RYに対して入力さ
れる系統運用情報(電流値、電圧値、開閉器の状態、外
部より入力される情報)を伝送ネットワーク1へ出力す
ることも可能となっている。これにより、人間系で行な
っていた動作整定値の設定作業を、以下の手順にて自動
的に行なうことを可能としている。
【0036】以下、電力系統上で発生する事故のうち最
も発生頻度が高い過電流事故の保護を例にとり説明す
る。
【0037】まず、オペレータインタフェース装置2か
ら伝送ネットワーク1を介して情報処理装置3に電力系
統の系統情報を出力する。すなわち、予め、オペレータ
インタフェース装置2から系統上の全保護継電器RYの
設置個所と要素種別、全負荷の定格電流と短時間定格、
電力会社側を含む電力系統各部位の%インピーダンス、
変圧器の%インピーダンスと短時間定格と励磁突入電流
曲線と結線方式、主な大容量負荷の容量と過渡リアクタ
ンスと初期過渡リアクタンス、保護継電器RYの変成比
と定格、遮断器を含む開閉器の遮断電流と短時間定格と
定格、系統定格電圧、自家用発電機の発電容量と初期過
渡リアクタンス、母線定格、線路と変圧器のリアクタン
ス等の数値と、受電方式、バンク構成とバンク数、系統
構成機器の位置、発電機の有無、ヒューズやMCCB
等、やむを得ずネットワークに接続不可能、または、動
作整定値が固定等の保護機器に関する動作特性等を示す
電力系統情報等の系統情報をオペレータインタフェース
装置2より入力する。
【0038】一方、情報処理装置3は各々の保護継電器
RYや電力系統設備より、現在の系統運用情報を示す開
閉器状態信号や有電圧確認信号を入力する。
【0039】これら電力系統の系統情報および系統運用
情報は、情報処理装置3の伝送手段10を介して動作整
定値演算手段11に入力され、記憶されると共に動作整
定値の演算が行われる。すなわち、以下の処理が自動的
に行われる。
【0040】まず、適切な基準容量を設定し、それに対
する系統の%インピーダンスを算出し、系統に適合した
図2に示すようなインピーダンスマップを作成する。こ
のインピーダンスマップに基づき、各電圧系における最
大短絡電流と最小短絡電流とを算出する。
【0041】一例として変圧器TrAの一次側の事故点
Aで、短絡事故が発生した場合を考える。図2におい
て、事故点Aでの短絡電流が最大となる条件は、1号受
電線L1と2号受電線L2との双方で並列受電中、かつ
母線連絡遮断器CB6が入、かつ誘導電動機IM1と誘
導電動機IM2が共に系統併入されている時に発生する
3相短絡事故である。
【0042】このとき、%IZ=0.607(at10
MVA)になるため、系統電圧を66kVとすると、最
大短絡電流ISmax=10×100/(0.607×
66×√3)=14.4kAとなる。
【0043】また、事故点Aでの短縮電流が最小となる
条件は、母線連絡遮断器CB6の投入状況は関係せず、
1号受電線L1で受電時かつ誘導電動機IM1、IM2
が共に系統より切離されている時に発生する2相短絡事
故である。
【0044】このとき、%IZ=0.923(at10
MVA)になるため、系統電圧を66kVとすると、最
小短絡電流ISmin=10×100×√3/(0.9
23×66×√3×2)=8.2kAとなる。
【0045】同様に、事故点B、事故点Cでの短絡電流
を求める。事故点Bでは、その系統電圧を3.3kVと
すると、最大短絡電流は40.4kA、(%IZ=4.
331)、最小短絡電流は10.2kA(%IZ=1
4.923)と算出され、変圧器TrAの一次側換算で
それぞれ2020A、510Aとなる。
【0046】事故点Cでは、その系統電圧を420Vと
すると、最大短絡電流は31.0kA、(%IZ=4
4.331)、最小短絡電流は21.7kA(%IZ=
54.923)と算出され、変圧器TrCの一次側換算
でそれぞれ3950A、2760Aとなる。
【0047】次に、電力系統の全保護継電器RYの限時
要素、瞬時要素、動作時間の整定を決定する。この整定
値は平常時の負荷電流で動作せず、また、変圧器励磁突
入電流、電動機始動電流などで動作しない値で、かつ、
保護範囲に存在する変圧器等の系統機器が機械的破壊を
おこさない値に整定することが基本である。加えて、不
要遮断による波及事故を防止可能な値で、かつ、上流の
保護継電器RYが後備保護可能な値に整定する必要があ
る。そこで、前述の計算結果と入力された電力系統の各
数値に基づき、各保護縦電器RYの電流−時間特性を表
した保護協調カーブ表を作成する。作成された保護協調
カーブの一例を図3に示す。
【0048】図3において、保護継電器RY1〜RY5
の動作特性曲線および変圧器TrAの励磁突入電流I
a、変圧器TrAの過電流強度特性曲線Sa、変圧器T
rCの過電流強度特性曲線Scを示している。
【0049】図中のI1は図2の事故点Aで発生する短
絡事故による最大短絡電流値、I2は事故点Aで発生す
る短絡事故による最小短絡電流値である。また、I3は
図2の事故点Bで発生する短絡事故による最大短絡電流
値、I4は事故点Bで発生する短絡事故による最小短絡
電流値であり、I5は図2の事故点Cで発生する短絡事
故による最大短絡電流値、I6は事故点Cで発生する短
絡事故による最小短絡電流値である。また、T1は遮断
器動作時間である。
【0050】RY2動作特性曲線について説明する。事
故点Aで発生する短絡事故による最大短絡電流値I1か
ら最小短絡電流I2の範囲で、保護継電器RY2は保護
継電器RY1より短時間で動作するように設定する。そ
して、保護対象となる変圧器TrAの過電流強度特性S
aと比較して、これより短時間での保護出力を可能と
し、また、変圧器TrAの励磁突入電流Iaが示す範囲
では、保護継電器RY2は動作しないように設定する。
また、最小短絡電流I2以下では限時特性を有してい
る。
【0051】この際、保護継電器RYの保護出力から実
際に遮断器が動作するまでの時間を考慮し、最大短絡電
流値I1から最小短絡電流I2の範囲における保護継電
器RY1と保護継電器RY2との動作時間T2の差を、
遮断器動作時間T1以上とする。
【0052】以上の手順により、各保護継電器RYごと
に算出し、設定された限時要素、瞬時要素、動作時間デ
ータは、情報処理装置3に記憶されると共に、伝送ネッ
トワーク1を介して、該当する各保護継電器RYへ送信
される。データを受信した各保護継電器RYでは、受信
データに基づき、自身の過電流検出要素の限時要素、瞬
時要素、動作時間を自動的に整定する。
【0053】以上述べた処理は、電力系統の新設時だけ
でなく、バンク(変圧器)追加、系統容量の増減時など
の電力系統の改造時や保護協調の再検討時にも必要な数
値を変更し追加することが行われる。なお、地絡事故や
投入電流に対する機械的強度を検討するための処理等も
演算内容が異なるのみで処理ルーチンは同様である。
【0054】次に、自己点検手段8および相互チェック
装置9の機能について説明する。自己点検手段8は、自
己の装置を構成する各機能部位、部品に対する常時監視
を行うものであり、相互チェック手段9は伝送ネットワ
ーク1を介して他の装置を相互にチェックするものであ
り、システム異常を構成装置毎に検出可能な構成として
いる。
【0055】システム異常が検出された場合、異常と判
定された装置を、速やかに伝送ネットワーク系より切断
するとともに、外部に対して装置異常の発生を発報す
る。この時、異常と判定された装置が情報処理装置3お
よびオペレータインタフェース装置2であった場合、各
保護継電器RYに対して、異常な整定値を送信する可能
性が有るため、保護継電器RYの整定値に関しては、ス
トローブ信号等を用いて正常時のみ送信または受信設定
する構成とする。一方、異常と判定された装置の切断に
より、システムが正常状態へ復帰すれば、異常装置を切
断した状態でシステムは運用を続行する。
【0056】次に、異常と判定された装置が保護継電器
RYであった場合、保護継電器RYの異常部位により、
以下の処理を行なう。保護継電器RYの異常部位が、伝
送手段6であった場合、伝送ネットワーク1より該当保
護継電器RYを切断した後、電力系統の監視/保護は続
行する。
【0057】保護継電器RYの異常部位が、事故検出手
段4および保護出力手段5であった場合、電力系統の誤
遮断を防止するため、同じく伝送ネットワーク1より該
当保護継電器RYを切断した後、事故検出および保護出
力も停止する。この場合、該当の保護継電器RYは完全
に動作を停止し、担当する電力系統の保護区間は後備保
護継電器により保護される。
【0058】次に、情報処理装置3の事故解析手段12
の機能について説明する。事故解析手段12は、系統解
析機能や事故波形解析機能や系統運用および事故発生を
シミュレートする訓練機能等の機能を有している。
【0059】事故解析手段12の系統解析機能は、必要
な系統のデータを予め入力しておくことによって、任意
の点で事故が発生し動作整定値による設定時間で事故が
遮断された場合、任意の負荷の電圧、有効電力、無効電
力の波形シミュレートと、その解析により負荷再起動の
妥当性を評価する。
【0060】また、事故波形解析機能は、電力系統より
保護継電器RYを経て情報処理装置3へ入力される電力
系統の各電気量を、任意の保護継電器RYの動作をトリ
ガーとするその前後数10サイクルの範囲で読み込み、
リレー動作データと共に情報処理装置3に記憶する。そ
して、記憶された電気量データとリレー動作データをオ
ペレータインタフェース装置2上に表示する。例えば、
個別および重ねあわせた波形表示や、ベクトル、数値表
示、基本波に対する高調波含有率、リレーの動作タイム
チャート等の表示を行う。また、事故の質、規模および
事故点の判別も行なう。
【0061】また、発電機や負荷の系統併入状況と、電
力系統の開閉器の投入状況を仮想的に入力することによ
り、電圧降下や上昇、電流の大きさと向き、電圧に対す
る電流位相のズレなど、系統内の電気量の変化をシミュ
レートすることが可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
保護継電器の整定値の算出および整定作業を自動的に行
なうことが可能になり、保護継電器の整定値の設定が簡
便化され精度向上も図れる。また、電力系統の変更に伴
い、保護継電システム全体の保護協調の再検討が必要に
なった場合でも、追加、変更部の電気データを入力する
ことにより、容易に再計算や再整定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる保護継電システム
の構成図。
【図2】本発明の実施の形態におけるインピーダンスマ
ップの説明図。
【図3】本発明の実施の形態における保護協調カーブの
説明図。
【図4】従来の保護継電器の基本的な構成図。
【図5】従来の保護継電器システムの構成図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G042 GG01 GG06 5G064 AA04 AB03 AC01 AC03 AC05 AC08 BA02 BA07 BA12 CA05 CB13 CB16 DA01 5K048 AA05 AA09 BA22 DA02 DB01 DC04 EA18 EB01 EB02 EB06 EB08 EB10 EB11 EB12 FB04 FB05 FB09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の系統部位毎に保護継電器を設
    置し上位系統に設置された保護継電器と下位系統に設置
    された保護継電器とで保護協調をとり電力系統を保護す
    るようにした保護継電システムにおいて、前記電力系統
    に設置された各々の保護継電器を接続する伝送ネットワ
    ークと、前記電力系統の系統情報を入力するオペレータ
    インタフェース装置と、前記オペレータインタフェース
    装置から入力された系統情報および各々の保護継電器か
    ら入力された系統運用情報に基づいて保護協調を満足す
    る動作整定値を各々の保護継電器ごとに算出し前記伝送
    ネットワークを介して各々の保護継電器に自動的に設定
    する情報処理装置とを備えたことを特徴とする保護継電
    システム。
  2. 【請求項2】 各々の保護継電器は、電力系統の電気量
    に基づいて事故か否かを判定する事故検出手段と、前記
    事故検出手段が事故であると判定したときは該当の遮断
    器に遮断指令を出力する保護出力手段と、前記情報処理
    装置から前記伝送ネットワークを介して送信される動作
    整定値を受信すると共に電力系統の系統運用情報を送信
    する伝送手段と、前記情報処理装置からの動作整定値を
    前記事故検出手段に設定する自動整定手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の保護継電システム。
  3. 【請求項3】 情報処理装置は、オペレータインタフェ
    ース装置から入力された系統情報および各々の保護継電
    器から入力された系統運用情報に基づいて保護協調を満
    足する動作整定値を各々の保護継電器ごとに算出する動
    作整定値演算手段と、前記動作整定値が設定された状態
    で事故が発生した場合の電気量の波形を解析し事故を解
    析する事故解析手段と、前記動作整定値演算手段で算出
    された動作整定値を前記伝送ネットワークを介して各々
    の保護継電器に送信すると共に各々の保護継電器から入
    力された系統運用情報を受信する伝送手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の保護継電システム。
  4. 【請求項4】 各々の保護継電器、情報処理装置または
    オペレータインターフェース装置は、自己の異常を診断
    し異常を検出したときは前記伝送ネットワークとの接続
    を切り離す自己点検手段と、前記伝送ネットワークに接
    続された他の装置の異常を診断し異常を検出したときは
    前記伝送ネットワークとの接続を切り離す相互チェック
    手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の保護継電システム。
  5. 【請求項5】 自己点検手段または相互チェック手段
    は、保護継電器の事故検出手段の異常を検出したとき
    は、前記事故検出手段の出力を阻止することを特徴とす
    る請求項4に記載の保護継電器システム。
  6. 【請求項6】 各々の保護継電器の自動整定手段は、情
    報処理装置またはオペレータインターフェース装置の異
    常が検出されたときは、情報処理装置またはオペレータ
    インターフェース装置との送受信を停止することを特徴
    とする請求項4に記載の保護継電器システム。
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