JP4352267B2 - 発電機主回路のディジタル保護継電システム - Google Patents

発電機主回路のディジタル保護継電システム Download PDF

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Description

本発明は、発電機主回路のディジタル保護継電システムに係り、特に、ディジタル演算の特性を生かし、保護機能を損なうことなく発電機主回路の状態量の検出点及び演算量を減らすことができるディジタル保護継電システムに関する。
従来の発電プラントの発電機主回路設備の概略構成、及び発電機主回路保護システムを図4に示す。発電機主回路は、図示のように、主変圧器用遮断器1と主変圧器2を介して送電系統に接続された発電機3と、発電機3と主変圧器2との間の発電機出力端に接続された所内変圧器4及び励磁電源変圧器6とを含んで構成される。そして、発電機3で発電した電力は、主変圧器2、主変圧器用遮断器1を経由して発電所外部の系統に送電されると同時に、所内変圧器4を経由して発電に必要な発電所内の負荷に給電され、励磁電源変圧器6から発電機3を励磁する界磁巻線5に励磁電源が供給される。
このように構成される発電機主回路では、短絡等の電気事故が発生した場合に適切に事故点を検出して切離すことを目的として、発電機主回路保護継電システムが設置される。図4の例では、アナログ保護継電器が適用され、発電機主回路に設置された電流、電圧の検出点から得られた電気量(状態量)を用いて、機械的若しくは電気回路を用いた処理を行って電気事故を検知するように構成されている。
このような発電機主回路に必要な保護項目は、表1に示すように、基本的に短絡(過負荷、過電流を含む)、地絡、電磁機器であるための過励磁、同期機であるための界磁喪失、逆相電流、及び、発電機の駆動源であるタービン保護の逆電力、周波数検出に大別することができる。アナログ保護継電器で保護する場合は、表1の保護項目を、各々独立、専用の動作原理と動作機構を持つ単一要素の保護継電器を組合せて保護継電システムを構築している。また、アナログ保護継電器ごとに、電流、電圧の状態量を検出する計器用変成器も基本的に専用のものが必要となる。
さらに、一つの保護継電器が誤不動作となった場合に、主機の損傷及び事故の拡大を防止することを目的に、一つの保護項目に対して、原則として動作原理の異なる保護継電器を2台以上組合せて保護する主保護/後備保護により、信頼性を確保するようにしている。
Figure 0004352267
87G:発電機比率差動継電器
87GMT:発電機−主変圧器比率差動継電器
44G:距離継電器
64G1、64G2:発電機地絡継電器
59/95G:発電機−変圧器過励磁継電器
59G:過電圧継電器
40G:界磁喪失継電器
87ET:励磁電源変圧器比率差動継電器
46G:発電機逆相電流継電器
67G:発電機逆電力継電器
95G:周波数継電器
51ET:励磁電源変圧器過電流継電器
64F:発電機界磁地絡継電器
51NMT:主変圧器中性点過電流継電器
87HT:所内変圧器比率差動継電器
51HT:所内変圧器過電流継電器
64HT:所内変圧器地絡継電器
一方、従来、発電機主回路の電圧、電流の状態量をディジタル量に変換して、マイクロプロセッサー(CPU)に取り込み、予め用意されたソフトに従って演算処理することにより事故を検知するディジタル保護継電装置が用いられている。
しかし、従来の発電機主回路のディジタル保護継電装置は、アナログ保護継電器の構成をそのまま踏襲している。つまり、事故を検知する方法は、アナログ保護継電器それぞれの機構をソフトウエア化したものであり、電圧、電流の状態量の検出点についてもアナログ保護継電器と同じである。
また、後備保護の機能についても、アナログ保護継電器の保護思想をそのまま引き継いで、各保護項目毎に設けられている。しかし、従来の発電機主回路のディジタル保護継電装置は、一つのCPUで保護項目に係る主保護/後備保護のそれぞれの演算処理を行う構成となっているため、必ずしも信頼性向上にはつながらない場合がある。
すなわち、主保護の演算が不動作の場合、後備保護の演算も不動作となる可能性が高いことから、主保護/後備保護のバックアップ動作は期待できない可能性が高い。しかも、全ての演算を一つのCPUで行うにも関わらず、複数の演算を行っているため、演算処理量が多く、電圧、電流の状態量の検出点も多いことから、ハード物量が多くなる為コスト高となる問題があった。
従来のディジタル保護継電装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。
特開平7−59253号公報
本発明は、保護機能を損なうことなく発電機主回路の状態量の検出点及び演算量を減らすことができるディジタル保護継電システムを実現することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、ディジタル演算によれば電圧、電流の位相の演算が可能なこと、及び時系列的な監視が可能なことに鑑み、従来のディジタル保護演算に代えて、保護機能を損なうことなく発電機主回路の状態量の検出点及び演算量を減らすことができるディジタル保護継電システムを実現した。
具体的には、本発明は、遮断器を介して系統に接続された主変圧器と、該主変圧器の低圧側に接続された発電機と、該発電機の出力端に接続された所内変圧器と、前記発電機の出力端に接続され該発電機の励磁電源を供給する励磁電源変圧器とを備えてなる発電機主回路のディジタル保護継電システムにおいて、前記主変圧器の系統側電流と、前記発電機の中性点側電流と、前記所内変圧器の2次側電流と、前記励磁電源変圧器の2次側電流を測定する変流器をそれぞれ設置し、それぞれの変流器から得られた電流検出値と前記発電機の出力端電圧の電圧検出値との位相差を演算し、該位相差の変化を時系列的に監視することにより前記発電機主回路の短絡事故を検出することを特徴とする。
例えば、発電機主回路において短絡事故が発生した場合、発電機主回路の電流方向が変化し、三相回路の内の健全相の電流値と短絡相の電流値が相違するように、発電機主回路の電流値又は各相のバランスが健全時と異なる。そこで、本発明は、ディジタル演算により電圧、電流の位相の演算が可能なこと、及び時系列的な監視が可能なことを利用して、発電機の出力端電圧の位相を基準として、発電機主回路の各部の検出電流値の位相を比較して、さらに、位相差の変化を時系列的に監視することにより、短絡事故を検出することを基本とする。つまり、健全時と短絡事故発生時では、各相のバランス及び電流の流れる方向が変化することから、位相の監視を行い、前状態(健全時)との比較を行い、整定値以上の変動があった場合に事故として検出する。
また、主変圧器で短絡事故が発生した場合は、事故点に向かって電流が流れるため、主変圧器の系統側電流は通常とは逆に、系統側から発電機に向かって電流が流れる。そこで、発電機の出力端電圧を基準として、主変圧器の系統側電流の位相を比較すると、事故発生前の通常時の位相の比較結果と位相が逆転していることがわかり、これによって事故を検知することができる。
また、例えば、主変圧器の系統側で短絡事故(外部短絡事故)が発生すると、発電機主回路の電流と電圧の位相が急変し、遅れ力率90°に近くなる。また、主変圧器の系統側電流は、発電機短絡電流式に従って、時系列的に初期リアクタンス(Xd”)、過渡リアクタンス(Xd’)、同期リアクタンス(Xd)により抑制される短絡電流が流れる。つまり、事故発生時は定格電流以上の電流が流れるが、少し時間が経過すれば、定格電流程度の電流が流れ、その後は定格電流以下の電流が流れるので、発電機の出力端電圧を基準として、発電機の中性点側電流の位相と検出電流値を比較し、時系列的に監視することにより、外部短絡事故を検知することができる。
その他、系統側から発電機に電力が流入する逆電力などについても、後述するように、主変圧器の系統側電流と、発電機の中性点側電流の電流検出値を取込み、該電流検出値と発電機の出力端電圧の電圧検出値との位相差を演算し、該位相差に基づいて発電機主回路の電力値と電力方向の演算を行い、逆電力を検出することができる。
また、本発明は、前記主変圧器の系統側電流と、前記発電機の中性点側電流と、前記所内変圧器の2次側電流と、前記励磁電源変圧器の2次側電流の電流検出値及び発電機の出力端の電圧検出値を取込み、電流位相比較演算と、電圧/周波数演算と、零相電圧演算と、周波数演算と、電力演算と、インピーダンス演算と、逆相電流演算と、零相電流演算の8つの演算により、短絡事故、地絡事故、発電機の過励磁、発電機の負荷不平衡、逆電力、周波数低を含む発電機主回路の事故を検出するディジタル演算部を設けて構成することができる。
本発明によれば、ディジタル保護継電の演算量、計器用変圧器や変流器等の数量を減少させることができ、簡略化したシステムで必要な保護機能を達成できる。その結果、より合理的な発電機主回路のディジタル保護継電システムを構成することができる。また、システム構成を単純化することによりディジタル保護継電システムの信頼性を向上させることができる。さらに、ディジタル特有の偶発故障に対しても、本発明のディジタル保護継電システムは簡略なシステムであることから、発電システムの要求する信頼性に応じて多重化することができる。したがって、従来のアナログ保護継電器の主保護/後備保護の考え方を採用しなくても、要求される信頼性に応じて本発明のディジタル保護継電システムを二重化することにより、信頼性向上を図ることができる。
ところで、主変圧器の系統側(高圧側)に設置される変流器は、一般に、ディジタル保護継電システムが設置される建屋から離れている。したがって、検出電流値を伝送するケーブルが長くなり、ノイズ対策を施す必要がある。そこで、本発明は、主変圧器の系統側に設置される変流器により検出された電流検出値をディジタル化して光信号に変換する信号変換器を設け、光ケーブルでディジタル保護継電システムに伝送させる。これによれば、従来のメタルケーブル布設に係る物量を低減できるだけでなく、ノイズ対策コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、保護機能を損なうことなく発電機主回路の状態量の検出点及び演算量を減らしたディジタル保護継電システムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明を発電プラントに適用してなる一実施形態の発電機主回路のディジタル保護継電システムの構成を示す。図示のように、発電機主回路は、主変圧器用遮断器1と主変圧器2を介して系統に接続された発電機3と、発電機3と主変圧器2との間の発電機出力端に接続された所内変圧器4及び励磁電源変圧器6とを含んで構成される。そして、発電機3で発電した電力は、主変圧器2、主変圧器用遮断器1を経由して発電所外部の系統に送電されると同時に、所内変圧器4と遮断器16を経由して発電に必要な発電所内の負荷に給電され、励磁電源変圧器6から発電機3を励磁する界磁巻線5に励磁電源が供給される。また、発電機3の中性点回路は二次抵抗器15によって高抵抗接地されている。
本実施形態のディジタル保護継電システムは、ディジタル保護継電装置10、主変圧器の高圧側に設置された変流器CT11、発電機3の中性点側に設置された変流器CT12、所内変圧器4の二次側に設置された変流器CT13、励磁電源変圧器6の二次側に設置された変流器CT14、発電機3の出力端側に設置された計器用変圧器PT1 7とから構成される。
図2に、ディジタル保護継電装置10の一実施形態を示す。ディジタル保護継電装置10は、発電機主回路に設置されたPT17、CT11、12、13、14により検出された電圧又は電流の検出値を入力変換器20を介して取込み、アナログ/ディジタル変換部21でA/D変換して演算処理部22に入力するようになっている。演算処理部22は、予め設定されたディジタル保護継電のソフトウェアに従って保護演算処理することにより、発電機主回路における事故の有無を判断する。演算処理部22により事故を検知したときは、伝送部・I/O部23を介して、整定・表示部24に検知結果を出力するとともに、遮断器などを駆動する出力リレーに動作指令を出力して発電機主回路を保護するようになっている。
表2に、本実施形態のディジタル保継電装置10の保護項目及び保護要素を対比して示す。表2に示すように、保護項目は、基本的に短絡(過負荷、過電流を含む)、地絡、過励磁、界磁喪失、逆相電流、及びタービン保護の逆電力、周波数低下である。
Figure 0004352267
表2の保護要素(1)〜(8)に対応して、演算処理部22は、図1に示すように保護演算機能を有して構成されている。すなわち、電流位相比較部101はPT17の電圧検出値Eと、各CT11、CT12、CT13、CT14の電流検出値A〜Dを取込んで保護演算を行い、保護出力(1)を出力するようになっている。電圧/周波数(V/F)検出部102は、PT17の電圧検出値Eを取込んで保護演算を行い、保護出力(2)を出力するようになっている。Vo検出部103は、PT17の電圧検出値Eを取込んで零相電圧を検出し、保護出力(3)を出力するようになっている。F検出部104は、PT17の電圧検出値Eを取込んで周波数低下を検出し、保護出力(4)を出力するようになっている。電力検出部105は、PT17の電圧検出値EとCT12値の検出電流を取込んで、逆電力を検出し、保護出力(5)を出力するようになっている。インピーダンス検出部106は、PT17の電圧検出値EとCT12値の検出電流を取込んで、界磁喪失を検出し、保護出力(6)を出力するようになっている。I検出部107は、CT12値の検出電流を取込んで、逆相電流を検出し、保護出力(7)を出力するようになっている。Io検出部108は、CT12値の検出電流を取込んで、零相電流を検出し、保護出力(7)を出力するようになっている。
このように構成されるディジタル保護継電装置10の各部の事故検知機能の詳細及び動作を、それぞれの事故ごとに説明する。
(短絡検知)
発電機主回路において短絡事故が発生すると、発電機主回路の電流方向が変化し、三相回路の内の健全相の電流値と短絡相の電流値が相違するように、発電機主回路の電流値又は各相のバランスが健全時と異なる。発電機の出力端電圧であるPT17の検出電圧の位相を基準として、CT11、CT12、CT13、CT14により検出された各部の検出電流値の位相を比較して、さらに、位相差の変化を時系列的に監視することにより、短絡事故を検出する。
例えば、発電機主回路において短絡事故が発生した場合、発電機主回路の電流方向が変化し、三相回路の内の健全相の電流値と短絡相の電流値が相違するように、発電機主回路の電流値又は各相のバランスが健全時と異なる。そこで、本実施形態では、発電機の出力端電圧の位相を基準として、発電機主回路の各部の検出電流値の位相を比較して、さらに、位相差の変化を時系列的に監視することにより短絡事故を検出する。つまり、健全時と短絡事故発生時では、各相のバランス及び電流の流れる方向が変化することから、位相の監視を行い、前状態(健全時)との比較を行い、整定値以上の変動があった場合に事故として検出する。
また、主変圧器で短絡事故が発生した場合は、事故点に向かって電流が流れるため、主変圧器の系統側電流は通常とは逆に、系統側から発電機に向かって電流が流れる。そこで、発電機の出力端電圧を基準として、主変圧器の系統側電流の位相を比較すると、事故発生前の通常時の位相の比較結果と位相が逆転していることがわかり、これによって事故を検知することができる。
また、例えば、主変圧器の系統側で短絡事故(外部短絡事故)が発生すると、発電機主回路の電流と電圧の位相が急変し、遅れ力率90°に近くなる。また、主変圧器の系統側電流は、発電機短絡電流式に従って、時系列的に初期リアクタンス(Xd”)、過渡リアクタンス(Xd’)、同期リアクタンス(Xd)により抑制される短絡電流が流れる。つまり、事故発生時は定格電流以上の電流が流れるが、少し時間が経過すれば、定格電流程度の電流が流れ、その後は定格電流以下の電流が流れるので、発電機の出力端電圧を基準として、発電機の中性点側電流の位相と検出電流値を比較し、時系列的に監視することにより、外部短絡事故を検知することができる。
さらに、短絡電流が発電機のリアクタンスによって抑制され、図5に示すように、時系列的に変化することから、発電機の主回路の電流地の変化を監視し、図5に示すような変化が見られた場合に、短絡事故として検出できる。
これらの短絡事故の検出法をまとめると、表3のようになる
Figure 0004352267
(地絡事故)
まず、発電機3、励磁電源変圧器6の一次側、主変圧器2の一次側、所内変圧器4の一次側の地絡事故の検知について説明する。これらの部位における地絡事故発生時に、これらの機器の損傷を防ぐために、本実施形態では、二次抵抗器15付の変圧器接地(高抵抗接地)を適用している。この接地方式は、地絡事故発生時に主回路−対地間を流れる地絡電流を接地変圧器二次側に接続した二次抵抗器15で抑制し、機器が重大な損傷に至らないよう対策している。
地絡事故が発生した場合、発電機主回路の電圧のバランスが崩れ、三相不平衡になり、発電機主回路に零相電圧Voが発生する。従来、地絡事故時の零相電圧Voは、二次抵抗器15の両端に発生する電圧として検出していた。本実施形態では、発電機主回路電圧の各相電圧のベクトル和として、零相電圧Voを演算して検出する。つまり、PT17により検出される電圧検出値Eに基づいて、Vo検出部103で零相電圧Vo求め、整定値を越えたときに地絡を検知する。
次に、主変圧器2の系統側の地絡事故について説明する。主変圧器2の系統側は、一般に、2kV〜500kV等の超高圧系統が採用されるから、送電系統の接地系に合せて地絡事故を瞬時に検知する目的で、直接接地が適用されている。そのため、主変圧器2の系統側の地絡事故発生時には大きな地絡電流が地絡点に流れる。この地絡電流は発電機側と系統側の両方から流れ込むこととなり、基本的には主変圧器2の系統側の相短絡と同一事象となるから、前述の短絡事故の検出方法で検知できる。また、インピーダンスの分布から、地絡電流に対する寄与分の大きいCT11の電流検出値Aに含まれる零相分を相電流のベクトル和から演算することにより、より直接的に検知することができる。この地絡事故の検出は、図1の電流位相比較部101にて実施される。
(過励磁検知)
過励磁については、電圧上昇あるいは周波数低下により発生するので、PT17で検出された電圧検出値Eの電圧及び周波数を基に、V/F検出部102により、電圧と周波数の比を演算することにより検知する。つまり、V/Fの値が、主変圧器、所内変圧器、励磁電源変圧器及び発電機の過励磁耐量より定まる整定値を上回ると、過励磁状態であると検知する。
(界磁喪失検知)
同期発電機の界磁が喪失すると、発電機主回路のインピーダンス軌跡が急激に変化することから、CT12で検出される電流検出値Bと、PT17で検出された電圧検出値Eを基に、発電機主回路のインピーダンス軌跡を求め、これに基づいて界磁喪失を検知する。つまり、界磁喪失が起こると発電機回路のインピーダンスは減少して発電機リアクタンスに近づく。このインピーダンス値が整定値範囲に入ると、界磁喪失として検知する。
(逆相電流検知)
発電機3の負荷が三相不平衡状態になると、発電機主回路の電流に逆相分が含まれるようになり、発電機3の回転子コイルの端部が局部加熱する。これを防止するため、I検出部107はCT12の検出電流Bを取込み、正相電流、逆相電流、零相電流に分解して逆相電流を求め、求めた逆相電流が整定値を超えたときに、保護出力(7)を出力する。
(逆電力検知)
逆電力とは、通常と逆に系統から発電機3に電力が流入する状態のことであり、電力検出部105によりCT12の検出電流BとPT17の検出電圧Eを取込み、これらに基づいて発電機主回路の電力値と電力方向の演算を行い、電力が発電機3に流入していないかを監視することにより検知する。
(周波数低検知)
周波数低は、発電機3の運転周波数の低下によるタービン翼の保護である。F検出部104は、PT17の検出電圧Eを取込み、周波数を演算することにより、周波数低を検知する。
以上に説明したように、本実施形態によれば、発電機主回路において必要とされる保護項目の全てについて、PT17の電圧検出値Eと、各CT11、CT12、CT13、CT14の電流検出値A〜Dとに基づいて、検知することができる。
また、信頼性については高いほど望ましいのは当然であるが、発電設備自体の規模、系統側での運用等により要求される信頼性は異なり、コストパフォーマンスを考慮することも重要である。上記の実施形態は、シングル系を基本としているが、従来の構成に比べ、構成物品が少ないが、同等の信頼性を有するものであり、発電設備の要求信頼性に応じて外部で容易に多重化が可能である。したがって、発電設備の要求信頼度に応じて多重化による信頼性向上を図ることができ、要求信頼度に対し自由度の大きいシステム構成とすることができる。
(実施形態2)
図3に、本発明を発電プラントに適用してなる他の実施形態の発電機主回路のディジタル保護継電システムの構成を示す。本実施形態が、図1の実施形態と異なる点は、CT11の電流検出値Aをディジタル化して光信号に変換する信号変換装置25をCT11の近傍に設け、光信号に変換された電流検出値Aを光ケーブル26でディジタル保護継電装置10に伝送するようにしたことにある。その他は、図1と同一であるから、同一符号を付して説明を省略する。
本発明を発電プラントに適用してなる一実施形態の発電機主回路のディジタル保護継電システムの構成を示す図である。 図1実施形態のディジタル保護継電の詳細構成図である。 本発明を発電プラントに適用してなる他の実施形態の発電機主回路のディジタル保護継電システムの構成を示す図である。 従来の発電機主回路のアナログ保護継電システムの構成図である。 発電機主回路の電流を監視して短絡事故を検出する方法を説明する線図である。
符号の説明
1 主変圧器用遮断器
2 主変圧器
3 発電機
4 所内変圧器
5 界磁巻線
6 励磁電源変圧器
10 ディジタル保護継電装置
15 二次抵抗器
101 電流位相比較部
102 V/F検出部
103 Vo検出部
104 F検出部
105 電力検出部
106 インピーダンス検出部
107 I検出部
108 Io検出部
CT11 変流器
CT12 変流器
CT13 変流器
CT14 変流器
PT17 計器用変圧器

Claims (3)

  1. 遮断器を介して系統に接続された主変圧器と、該主変圧器の低圧側に接続された発電機と、該発電機の出力端に接続された所内変圧器と、前記発電機の出力端に接続され該発電機の励磁電源を供給する励磁電源変圧器とを備えてなる発電機主回路のディジタル保護継電システムにおいて、
    前記主変圧器の系統側電流と、前記発電機の中性点側電流と、前記所内変圧器の2次側電流と、前記励磁電源変圧器の2次側電流を測定する変流器をそれぞれ設置し、それぞれの変流器から得られた電流検出値と前記発電機の出力端電圧の電圧検出値との位相差を演算し、該位相差の変化を時系列的に監視することにより前記発電機主回路の短絡事故を検出するディジタル演算部を設けたことを特徴とする発電機主回路のディジタル保護継電システム。
  2. 遮断器を介して系統に接続された主変圧器と、該主変圧器の低圧側に接続された発電機と、該発電機の出力端に接続された所内変圧器と、前記発電機の出力端に接続され該発電機の励磁電源を供給する励磁電源変圧器とを備えてなる発電機主回路のディジタル保護継電システムにおいて、
    前記主変圧器の系統側電流と、前記発電機の中性点側電流と、前記所内変圧器の2次側電流と、前記励磁電源変圧器の2次側電流の電流検出値と、発電機出力側に設置した電圧検出点から得られた電圧検出値を取込み、電流位相比較演算と、電圧/周波数演算と、零相電圧演算と、周波数演算と、電力演算と、インピーダンス演算と、逆相電流演算と、零相電流演算の8つの演算により、短絡事故、地絡事故、発電機の過励磁、発電機の負荷不平衡、逆電力、周波数低を含む発電機主回路の事故を検出するディジタル演算部を設けたことを特徴とする発電機主回路のディジタル保護継電システム。
  3. 請求項1又は2に記載の発電機主回路のディジタル保護継電システムにおいて、
    前記主変圧器の系統側電流を検出する変流器の近傍に、該変流器により検出された電流検出値をディジタル化して光信号に変換する信号変換器を設け、光信号に変換された前記電流検出値を光ケーブルで前記ディジタル演算部に伝送することを特徴とする発電機主回路のディジタル保護継電システム。
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