JP4272171B2 - 電力系統運用方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電力系統における3相2回線の送電線における内部短絡故障時に作動する短絡用回線選択保護継電装置を利用した電力系統運用方法、特に、同期発電機および誘導電動機が接続された分岐系統を有する電力系統における外部短絡故障に対する誤動作を防止する電力系統運用方法に関するものである。
従来、3相平行2回線の送電線で構成された電力系統においては、特許文献1にも記載されているように当該3相平行2回線送電線の主保護リレーとして短絡用回線選択保護継電装置を採用し電力系統を運用するのが一般的である。
特開平7−67243(図13及びその説明)
前記短絡用回線選択保護継電装置は、周知のように、内部短絡故障が発生した場合に、両回線の相電流の不平衡(以下「アンバランス」と記す)を検出して何れの回線での短絡故障であるか判定を行う保護継電装置である。
3相平行2回線の送電線においては、内部短絡故障時には、両回線に異なる短絡故障電流が流れ両回線の相電流のアンバランスが生じるので、前記短絡用回線選択保護継電装置が動作して、何れの回線での短絡故障であるか判定し、当該故障回線を電力系統から切り離すため当該故障回線の遮断器へのトリップ指令を出力する。
外部短絡故障時には、前記短絡用回線選択保護継電装置による保護区間内に分岐系統が無い場合は、両回線に前記アンバランスは生じないので、前記短絡用回線選択保護継電装置は動作しない。
前記短絡用回線選択保護継電装置による保護区間内に、前記アンバランスの要素となる同期発電機が接続された分岐系統がある場合は、外部短絡故障時に、同期発電機が分岐系統から前記保護区間を介して外部短絡故障点に短絡故障電流を供給するので、保護区間内の両回線に前記アンバランスが生じる。
この同期発電機から外部短絡故障点に供給される短絡故障電流による両回線間の前記アンバランスによって前記短絡用回線選択保護継電装置が動作しないように、即ち内部短絡故障と判定する誤動作をしないように、前記短絡用回線選択保護継電装置の動作電流値の整定値は、分岐系統が無い場合に比べ、同期発電機が接続された分岐系統がある場合は、電力系統運用側で大きな値、例えば、分岐系統がない場合を1.0Aとすると、これを1.5Aに変更して、電力系統の運用が行われる。
前述のように、同期発電機から外部短絡故障点に供給される短絡故障電流による両回線間の前記アンバランスによって前記短絡用回線選択保護継電装置が動作しないように、即ち内部短絡故障と判定する不要動作をしないように、前記短絡用回線選択保護継電装置の動作電流値の整定値は、分岐系統が無い場合に比べ、同期発電機が接続された分岐系統がある場合は、電力系統運用側で大きな値、例えば1.5Aに変更して、電力系統を運用しても、これまでは前記短絡用回線選択保護継電装置が外部短絡故障時に不要動作することは無かったが、最近、不要動作する事例が生じた。従って、不要動作の再発を防止するため、不要動作発生要因の究明、及び対策を講じる必要がある。
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、同期発電機が接続された分岐系統を有する3相平行2回線送電線の各回線の保護を短絡用回線選択保護継電装置で行う電力系統の運用において、短絡用回線選択保護継電装置の保護区間内の内部短絡故障の保護機能をあまり低下させることなく外部短絡故障時の不要動作を防止することを目的とするものである。
この発明に係る電力系統運用方法は、同期発電機および誘導電動機が接続された分岐系統を有し3相平行2回線の送電線で構成された電力系統において、前記分岐系統を有する3相平行2回線送電線の各回線の保護を行う短絡用回線選択保護継電装置の構成要素である短絡選択継電器および短絡選択継電器用過電流継電器のうちの前記短絡選択継電器用過電流継電器の動作電流値の整定値を、外部短絡故障時における前記分岐系統の前記誘導電動機による前記短絡用回線選択保護継電装置の誤動作を防止するように変更して電力系統を運用するものである。
この発明は、同期発電機および誘導電動機が接続された分岐系統を有し3相平行2回線の送電線で構成された電力系統において、前記分岐系統を有する3相平行2回線送電線の各回線の保護を行う短絡用回線選択保護継電装置の構成要素である短絡選択継電器および短絡選択継電器用過電流継電器のうちの前記短絡選択継電器用過電流継電器の動作電流値の整定値を、外部短絡故障時における前記分岐系統の前記誘導電動機による前記短絡用回線選択保護継電装置の誤動作を防止するように変更して電力系統を運用するようにしたので、短絡用回線選択保護継電装置の保護区間内の内部短絡故障の保護能力をあまり低下させることなく外部短絡故障時の不要動作を防止することが可能となる効果がある。
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を、図1〜図8により、1.図の説明、2.前記外部短絡故障時の不要動作要因の検討、3.不要動作対策の検討、4.不要動作対策方式の説明、の順に説明する。
1.図の説明
図1(A)は第1の対象系統の事例で、故障点が154kV送電線にある場合を示す図、図1(B)はA相の短絡用回線選択保護継電装置SSの動作シーケンス図、図1(C)は短絡用回線選択保護継電装置の機能構成の事例を示すブロック図、図2は第2の対象系統の事例で、故障点が154kV送電線にある場合を示す図、図3(A)は3相3線短絡外部故障時(以下「3ΦS時」と略記する)の試験結果の事例を示す図、図3(B)は3相2線短絡外部故障時(以下「2ΦS時」と略記する)の試験結果の事例を示す図、図4(A)は現行方式における3ΦS時の回線1L,2L間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),短絡選択継電器用過電流継電器50SA(以下「50SA」と略記する)の動作判定処理結果の各事例を示す図、図4(B)は現行方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),前記50SAの動作判定処理結果の各事例を示す図、図5は第2の対象系統の事例で、故障点がAs/s77kV母線にある場合を示す図、図6は第2の対象系統の事例で、故障点がBs/s77kV母線にある場合を示す図、図7(A)は第1の対策方式における3ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数を3回から10回に変更の場合),50SAの動作判定処理結果の各事例を示す図、図7(B)は第1の対策方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数を3回から10回に変更の場合),50SAの動作判定処理結果の各事例を示す図、図8(A)は第2の対策方式における3ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),50SAの動作判定処理結果の各事例を示す図、図8(B)は第2の対策方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),50SAの動作判定処理結果の各事例を示す図、図9は短絡選択継電器50S(以下「50S」と略記する)の動作特性の事例を示す図、図10(A)は現行方式および第1の対策方式における50SAの動作特性の事例を示す図、図10(B)は第2の対策方式における50SAの動作特性の事例を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一部分を示す。
2.前記外部短絡故障時の不要動作要因の検討
前述の、外部短絡故障時に不要動作が生じた事例の場合と同じ系統構成、同じ短絡用回線選択保護継電装置、即ち図1(A)〜図1(C)、によって試験し不要動作要因の検討を行った。
系統構成は、図1(A)に示すように、変電所As/sと変電所Bs/sとの間の3相2回線の送電線1L,2Lが、同期発電機Gと誘導電動機Mとを有する分岐系統Branchを有し、前記送電線1L,2Lの電源側に前記変電所As/sを介して154kV系の3相2回線の送電線が接続されている構成であり、前記送電線1L,2Lの電源端側および受電端側に、前述の短絡用回線選択保護継電装置SS1,SS2(以下「SS1」,「SS2」と略記する)、と前記SS1によってトリップされる遮断器CB11,CB21と、前記SS2によってトリップされる遮断器CB12,CB22とが設けられている。前述の外部短絡故障FAULTは、前記154kV系の3相2回線の送電線で発生している。
前記SS1,SS2の動作シーケンスは何れも、図1(B)に示すように構成されており、送電線1L(以下「回線1L」と略記する)用の前記50S(即ち150S)と前記50SAとが双方とも動作したときにAND論理演算要素1ANDから前記回線1Lの前記遮断器CB11,CB21へのトリップ指令Trip_1Lが出力され、同様に、送電線2L(以下「回線2L」と略記する)用の前記50S(即ち250S)と前記50SAとが双方とも動作したときにAND論理演算要素2ANDから前記回線2Lの前記遮断器CB21,CB22へのトリップ指令Trip_2Lが出力される。なお、前述のSS1,SS2の何れにおいても、前記50SAは、前記SSが不要動作しないよう、つまり外部短絡故障時に動作しないように、前記50Sのストッパーとして各相毎に配設されている。図1(C)は相単位での配設事例としてA相に配設されている場合を例示してある。
前記SS1,SS2の機能構成は何れも、図1(C)に示すように構成されており、大きく3つの部分から構成されている。即ち、電流・電圧等のアナログ量をアナログフィルタを介してサンプリングして、ディジタル値に変換するアナログ・ディジタル変換部1と、前記SS1,SS2が内外部故障を判定する演算処理部2と、遮断器等の外部機器に対して制御指令等を伝達するディジタル入出力部3とで、前記SS1,SS2は構成されている。
前記演算処理部2は、主として4つの機能を有している。即ち、低次の周波数成分などアナログフィルタを通過してきた不要な高調波をソフトウェア処理により除去するディジタルフィルタ処理4の機能と、このディジタルフィルタ処理4で処理された前記回線1L,2Lの電気量(電流、電圧など)に基づく前記50S,50SA等の単体リレー演算処理5の機能と、単体リレーの動作信頼性を高めるため、1回のサンプリングでの演算結果(動作判定)だけでは最終動作とはせず、各サンプリング毎の結果が複数回連続動作することによって最終動作判定とする積分照合処理6の機能と、単体リレーのAND、OR等の論理演算を行うシーケンス処理7の機能とを、前記演算処理部2は有している。なお、動作と判定する基準となる動作電流値は「整定値」と言い、最終動作判定とするサンプリング単位での動作判定回数は「照合回数」と言う。
前記演算処理部2の機能と、前述の図1(B)の前記SSの動作シーケンスとを関連付けて説明すれば、前記50S,50SAが前記ディジタルフィルタ処理4の機能と前記単体リレー演算処理5の機能と積分照合処理6の機能とを有し、前記AND論理演算要素1AND,2ANDが前記シーケンス処理7の機能を有している。
前述の図1(B)及び図1(C)に示される構成、機能、動作シ-ケンスの短絡用回線選択保護継電装置SSを採用した前述の図1(A)に示される構成の電力系統における図示の外部短絡故障FAULT時に、前述のSS不要動作が発生した。
従来では、短絡故障FAULT点に流入する故障電流は、分岐系統Branchの同期発電機Gからの供給だけを考慮することで前記SSの不要動作を防止できていたが、最近の不要動作例から、同期発電機G以外に比較的大きな故障電流供給源があることが考えられる。同期発電機G以外の比較的大きな故障電流供給源として考えられるのは誘導性負荷か容量性負荷であるが、想定外の不要動作であることから、電力使用者の負荷が原因であると考えられ、電力使用者の負荷が原因であれば、誘導性負荷の可能性が高いと考えられる。電力使用者の誘導性負荷は、例えば大きな容量の送風機や工場設備における各種の駆動源として使用される誘導電動機であり、これら電力使用者側での送風機や誘導電動機の新設や増設があれば、それら新設や増設の送風機や誘導電動機のフル稼動時には、前述のSS不要動作が発生し得る。
前記送風機には通常は誘導電動機が使用されることから、図2に示すように、前記分岐系統Branchに新設や増設の誘導電動機Mnが追加された電力系統も検討対象とした。
そこで、前述の図1(A)に示されるこれまでの通常の電力系統と、前述の電力使用者側で新設や増設された想定外の追加の誘導電動機Mnを分岐系統Branchに有する図2の電力系統とを対象にして、回線選択保護継電装置の実機を用いた試験の結果、図3のような結果が得られた。なお、50SAの整定値は、前述の分岐系統Branchの同期発電機Gから供給される故障電流を考慮して、1.7Aとしている。
図3(A)は前記3ΦS時(3相3線短絡外部故障時)の試験結果の事例を示し、図3(B)は前記2ΦS時(3相2線短絡外部故障時)の試験結果の事例を示してある。
図3(A)および図3(B)の何れも、同期発電機Gの容量が18.9MVAの場合において、誘導電動機Mの容量が図1(A)に示されるこれまでの通常の電力系統の場合(No.1A)、図2の誘導電動機M(追加のMnを含む)の容量が2.7MWの場合(No.2A)、同じく5.4MWの場合(No.3A)、同じく8.1MWの場合(No.4A)の、各々について前記50Sおよび前記50SAの動作判定(ON)および前記SSの不要動作(図では「ミストリップ」と表記してある)の関連を示している。
前記3ΦS時の場合を示す図3(A)では、誘導電動機Mの容量が8.1MWの場合に前記50S,50SAの双方がONとなり、前記SSがミストリップの出力を出すが、前記2ΦS時の場合を示す図3(B)では、誘導電動機Mの容量が5.4MW(No.3B)および8.1MW(No.4B)の場合に前記50S,50SAの双方がONとなり、前記SSがミストリップの出力を出す。
これら図3(A)および図3(B)を比較すると、前記3ΦS時の場合に比べ、前記2ΦS時の場合の方が、誘導電動機Mの容量が小さい場合でも前記SSがミストリップの出力を出すことが分かる。
ここで、前記と同条件において、瞬時値解析を行った。その結果、前記3ΦS時の場合と前記2ΦS時の場合とを、図2での現行方式における回線間差電流の波形との関係で比較すると、図4のようになる。
図4(A)は3ΦS時の場合を示してあり、その(a)は回線間差電流(瞬時値)の波形を、(b)は回線間差電流(実効値)を、(c)は積分照合処理結果を、(d)は50SAの動作判定処理結果を、それぞれ示してある。図4(B)は2ΦS時の場合を示してあり、その(a)は回線間差電流(瞬時値)を、(b)は回線間差電流(実効値)を、(c)は積分照合処理結果を、(d)は50SAの動作判定処理結果を、それぞれ示してある。なお、図4(A)および図4(B)の各々の積分照合処理において、動作判定する回数は3回としている。
これら図4(A)および図4(B)を比較すると、3ΦS時と2ΦS時とでは、回線間差電流(瞬時値)の波形(a)および回線間差電流(実効値)の波形(b)が異なり、その結果、積分照合処理結果(c)も異なり、50SAの動作判定処理結果(d)は、2ΦS時の方が3ΦS時よりONの時間が長くなることが分かる。
図3および図4における前述の3ΦS時と2ΦS時とでの故障判定の違いは、3ΦS時の図4(A)(b)での回線間差電流(実効値)に比べ、2ΦS時の図4(B)(b)での回線間差電流(実効値)の方が大きくしかも減衰が遅いことに起因する。つまり、2ΦS時に、回線間差電流が大きくなり整定値を越えること及び回線間差電流の減衰が遅れることにより前記積分照合処理6(図1(C))で出力が出されることが、前述のSS(短絡用回線選択保護継電装置)の不要動作の要因となると考えられる。
また、図5および図6に示すように、前述の外部短絡故障FAULTの点を、77kV母線とした場合においても、同種の不要動作を確認している。
3.不要動作対策の検討
前述のSS(短絡用回線選択保護継電装置)の不要動作の要因から、当該不要動作の対策として、誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)の影響により回線間差電流の減衰が遅れる場合にも前記積分照合処理6(図1(C))で出力が出されないようにして不要動作を防止する方式(以下「第1の対策方式」と言う)、誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)の影響により回線間差電流が大きくなる場合にも不要動作を防止する方式(以下「第2の対策方式」と言う)を案出することにより、前述のSS(短絡用回線選択保護継電装置)の不要動作を防止することが可能となる。
4.不要動作対策方式の説明
誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)の影響により回線間差電流の減衰が遅れる場合にも前記積分照合処理6(図1(C))で出力が出されないようにして不要動作を防止する前記第1の対策方式として考えられることは、前記積分照合回数の設定値を大きくすることである。電力系統の規模にもよるが、現行方式における前記SSの構成要素の一である前記50SAの前記積分照合処理6における積分照合回数例えば3回を、例えば10回に変更して設定し系統を運用する方式とすることである。
図7に、前記SSの構成要素の一である前記50SAの前記整定値を1.7A(現行方式と同じ)のままとし、前記50SAの前記積分照合処理6における積分照合回数を3回から10回に変更して設定した場合の、回線間差電流(瞬時値)(a)、回線間差電流(実効値)(b)、積分照合処理結果(照合回数10回)、前記50SAの動作判定処理結果の各事例を示す。図5において、(A)は3線短絡外部故障の場合(3ΦS時)であり、(B)は2線短絡外部故障の場合(2ΦS時)である。
図示のように、(A)(3ΦS時)および(B)(2ΦS時)の何れの場合も、前記整定値を1.7A(現行方式と同じ)のままとしても積分照合処理6(図1(C))での照合回数を10回(現行方式の3倍程度)に変更して設定すれば、50SAの動作判定処理結果が不要動作とならないようにすることが可能である。
この第1の対策方式の場合は、50SAの動作判定処理結果が不要動作とならないようにすることが可能であるが、観点を変えれば、50SAの応答性が低下することになり、内部故障時においても動作判定処理の出力Trip_1L,Trip_2L(図1(B))の出力時期が定常的に遅れるという問題が生じる。
誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)の影響により回線間差電流が大きくなる場合にも不要動作を防止する第2の対策方式として考えられることは、前記50SAの動作電流値の整定値を大きくすること、つまり、外部短絡故障時における前記分岐系統Branchの前記誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)による前記短絡用回線選択保護継電装置SSの不要動作を防止するように変更することである。現行方式における前記SSの構成要素の一である前記50SAの前記整定値を、1.7Aから例えば2.5Aに変更して設定し系統を運用する方式とすることである。
図8に、前記SSの構成要素の一である前記50SAの前記積分照合処理6における積分照合回数を3回(現行方式と同じ)のままとし、前記50SAの前記整定値を1.7Aから2.5Aに変更して設定した場合の、回線間差電流(瞬時値)(a)、回線間差電流(実効値)(b)、積分照合処理結果(照合回数3回)、前記50SAの動作判定処理結果の各事例を示す。図5において、(A)は3線短絡外部故障の場合(3ΦS時)であり、(B)は2線短絡外部故障の場合(2ΦS時)である。
図示のように、(A)(3ΦS時)および(B)(2ΦS時)の何れの場合も、前記積分照合回数を3回(現行方式と同じ)のままとしても前記50SAの前記整定値を1.7Aから2.5A(現行方式の1.5倍程度)に変更して設定すれば、50SAの動作判定処理結果が不要動作とならないようにすることが可能である。
この第2の対策方式の場合は、前述のように前記50SAの前記整定値を1.7Aから2.5A(現行方式の1.5倍程度)に変更して設定するので感度が若干低下するが、内部短絡故障時の回線1L,2L間差電流(実効値)は外部短絡故障時の回線1L,2L間差電流(実効値)より或る程度大きいので、前述の第1の対策方式の場合のような問題は許容できる。
この第2の対策方式の場合は、前記50SAの前記整定値を、外部短絡故障時における回線1L,2L間差電流(実効値)より大きくすること、つまり、外部短絡故障時における前記分岐系統Branchの前記誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)による前記短絡用回線選択保護継電装置SSの不要動作を防止するように変更することが重要である。尤も、前記50SAの前記整定値を徒に大きくすると、内部短絡故障時において、前記短絡用回線選択保護継電装置SSの両端同時動作範囲(前記SS1,SS2(図1(A)及び図2)の同時動作範囲)が縮小することになるため、電力供給者がリレー整定指針で定める両端同時動作範囲を満足した上で、50SA整定値を大きくすることになる。
前記50SAの前記整定値の変更は、前記50SAの前記リレ−演算処理5の機能の一部に設定されている整定値を変更することになる。また、前記整定値の最適値は、電力系統の規模、同期発電機Gや誘導電動機(前述の図2のM・・・Mn)の容量によって定まるので、それらを把握できる電力運用者が前記整定値の変更設定を行うことになる。
なお、前記50S(短絡選択継電器)の整定値を変更することも考えられるが、現状の一般的なリレー整定の考え方では、外部故障発生時において、50Sが不要動作することを許容しており、これは、分岐系統の誘導電動機が無い条件である図3のNo.1AおよびNo.1Bの結果において確認しているため、対策として採用できない。また、前述の第1の対策方式と第2の対策方式の双方を採用することも考えられるが、前述のように第1の対策方式自体に問題点があるので、第2の対策方式のみを採用するのが好ましい。
前記150S,250S、および前記50SAの動作特性は、図9および図10に示してある。図9において前記150S,250Sの動作円の大きさ及び位置は、前記現行方式、第1の対策方式、および第2の対策方式の何れも同じである。前記50SAの動作円の大きさは、図10に示してあるように、現行方式および第1の対策方式の場合に比べ、第2の対策方式の方が動作円が大きい。第2の対策方式を適用することで、図2に示すように、分岐系統の誘導電動機が増えた場合に、外部短絡故障時における短絡用回線選択保護継電装置SSの不要動作を防止する。
この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は第1の対象系統の事例で、故障点が154kV送電線にある場合を示す図、(B)はA相の短絡用回線選択保護継電装置SSの動作シーケンス図、(C)は短絡用回線選択保護継電装置の機能構成の事例を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、第2の対象系統の事例を示す図であり、故障点が154kV送電線にある場合を示す図を、外部短絡故障FAULTが154kV送電線で発生した場合について示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は3相3線短絡外部故障時(3ΦS時)の試験結果の事例を示す図、(B)は3相2線短絡外部故障時(2ΦS時)の試験結果の事例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は現行方式における3ΦS時の回線1L,2L間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),短絡選択継電器用過電流継電器50SAの動作判定処理結果(50SA整定値1.7A)の各事例を示す図、(B)は現行方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),前記50SAの動作判定処理結果(50SA整定値1.7A)の各事例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、第2の対象系統の事例を、外部短絡故障FAULTがAs/s(A変電所)の77kV母線で発生した場合について示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、第2の対象系統の事例を、外部短絡故障FAULTがBs/s(B変電所)の77kV母線で発生した場合について示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は第1の対策方式における3ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数を3回から10回に変更の場合),50SAの動作判定処理結果(50SA整定値1.7A)の各事例を示す図、(B)は第1の対策方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数を3回から10回に変更の場合),50SAの動作判定処理結果(50SA整定値1.7A)の各事例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は第2の対策方式における3ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),50SAの動作判定処理結果(50SA整定値2.5A)の各事例を示す図、(B)は第2の対策方式における2ΦS時の回線間差電流(瞬時値),回線間差電流(実効値),積分照合処理結果(照合回数3回),50SAの動作判定処理結果(50SA整定値2.5A)の各事例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、短絡選択継電器50Sの動作特性の事例を示す図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、その(A)は現行方式および第1の対策方式における50SAの動作特性の事例を示す図、(B)は第2の対策方式における50SAの動作特性の事例を示す図である。
符号の説明
1 アナログ・ディジタル変換部、
2 演算処理部、
3 ディジタル入出力部、
4 ディジタルフィルタ処理、
5 リレー演算処理、
6 積分照合処理、
7 シーケンス処理、
1AND AND論理演算要素、
2AND AND論理演算要素、
1L 送電線(回線)、
2L 送電線(回線)、
50S,150S,250S 短絡選択継電器
50SA 短絡選択継電器用過電流継電器、
As/s 変電所、
Bs/s 変電所、
Branch 分岐系統、
G 同期発電機、
M 誘導電動機、
SS,SS1,SS2 短絡用回線選択保護継電装置、
CB11,CB21,CB12,CB22 遮断器。

Claims (1)

  1. 同期発電機および誘導電動機が接続された分岐系統を有し3相平行2回線の送電線で構成された電力系統において、前記分岐系統を有する3相平行2回線送電線の各回線の保護を行う短絡用回線選択保護継電装置の構成要素である短絡選択継電器および短絡選択継電器用過電流継電器のうちの前記短絡選択継電器用過電流継電器の動作電流値の整定値を、外部短絡故障時における前記分岐系統の前記誘導電動機の影響による前記短絡用回線選択保護継電装置の不要動作を防止するように変更して電力系統を運用する電力系統運用方法。
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