JP2006320173A - ディジタル形事故方向検出継電器 - Google Patents

ディジタル形事故方向検出継電器 Download PDF

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Abstract

【課題】事故様相に応じて継電器を各相毎に設置するという必要性がなく、正相量1相分の電気量を用いて、継電器の保護方向に事故が発生したか否かを判定することを可能にする。
【解決手段】電力系統各相の電流(iA、・・・)、電圧(vA、・・・)から求めた正相量電流(I)および正相量電圧(V)について、所定時間間隔で変化分正相量電流(ΔI)と変化分正相量電圧(Δv)を求め、これら変化分の外積の大きさ(|v1d|・|i1d|・sinθ)が所定の感度k1以上のとき、保護方向の事故と判定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、ディジタル形事故方向検出継電器に係り、特に背後事故時に不正動作することを阻止するようにしたディジタル形事故方向検出継電器に関する。
電力系統において、事故が発生した際に継電器が保護する方向に事故があるか否かを判定する場合、従来から各相電気量を用いたモー特性形方向距離継電器や電流および電圧の位相関係により動作する方向継電器が多く採用されている。
上記モー特性形方向距離継電器や方向継電器では、短絡事故や地絡事故の事故様相毎にそれぞれ電力系統各相(A相、B相、C相)毎に継電器を設置する必要があるため、多くの継電器を必要とする(例えば、非特許文献1乃至3等参照)。
また、送電線の一方の端子が電源端で、もう一方の端子が非電源端であるような電力系統において、地絡方向距離継電器の設置点よりも電源側、すなわち背後事故時に当該継電器が不正動作する場合があることも知られている(例えば、非特許文献4等参照)。
長谷良秀 著、「電力系統技術の実用理論ハンドブック」、第1版第1刷、丸善株式会社、平成16年3月30日発行、P.245〜261、 小林 進 著、「保護継電技術」第1版第1刷、電気書院、昭和47年10月15日発行、P.76〜P78、P.102〜104、 電気学会 編著、「電気工学ハンドブック」、第6版第1刷、電気学会、平成13年2月20日発行、P.796〜797 電力学会論文51−B32 安藤文郎、小林 進、三谷 泉著、
しかしながら、送電線の一端が電源端、他端が非電源端であるような電力系統に適用されるもので、継電器設置点の背後事故時に確実に不正動作を阻止するようにした事故方向検出継電器はまだ出現していない。
そこで、本発明は上記の課題に鑑み、事故様相に応じて電力系統の各相毎に継電器を設置するという必要性がなく、正相量1相分の電気量を用いて、継電器の保護方向に事故が発生したか否かを判定することが可能なディジタル形事故方向検出継電器を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、前記正相量算出手段より得られた正相量電流と正相量電圧のうち基準となる時点のデータと当該基準となる時点よりも所定時間前のデータとから正相量電流変化分と正相量電圧変化分とを求める変化分算出手段と、前記変化分算出手段で求めた正相量電流変化分と正相量電圧変化分との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、からなることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、前記正相量算出手段より得られた正相量電流と正相量電圧のうち基準となる時点のデータと当該基準となる時点よりも所定時間前のデータとから正相量電流変化分と正相量電圧変化分とを求める変化分算出手段と、前記変化分算出手段で求めた正相量電流変化分と正相量電圧変化分との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、前記変化分算出手段により得られた正相量電流変化分が所定感度k2以上か否かを判定し、所定感度k2以上のとき前記位相判定手段の出力を許可することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、前記正相量算出手段で求めた正相量電流と正相量電圧との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、からなることを特徴とする。
本発明によれば、正相量電流および正相量電圧に関する事故発生前後の変化分による位相関係を判定するだけで、事故が継電器の保護方向の事故であるか否かを検出することが可能であり、少ない数の継電器でディジタル形事故方向継電器を構成することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、各実施例について、同一部分には同一符号を付けて、重複する部分の説明は適宜省略する。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について、図1から図8を参照して説明する。
図1は本発明のディジタル形事故方向検出継電器10の設置状況を示す図である。同図において、SSは電気所であり、電源Eに接続されるとともに保護対象となる送電線1を導出している。そして、この電気所SSの送電線導出部に変流器2および電圧変成器3を設けており、変流器2により送電線1に流れる負荷電流ILあるいは負荷電流ILと事故電流IFとの重畳電流(IF+IL)を変成して出力し、また電圧変成器3により電圧Vを変成して出力するように構成している。そして、これら変流器2、電圧変成器3から出力された電流、電圧は図示しない補助変流器や補助変圧器により系統と絶縁されたうえでディジタル形事故方向継電器10に導入されるようになっている。
図2はディジタル形事故方向検出継電器10のハードウエア構成図である。図中、4は変流器2の電流出力と電圧変成器3の電圧出力とを入力してそれぞれ継電器で扱う大きさとして適当なレベルに変換する入力変換器であり、5は入力変換器4から出力された電流出力、電圧出力をそれぞれ所定のサンプリング周波数で順次サンプリングし、それらのサンプル値を保持するサンプリング保持回路(図中、「フィルター、S/H」と表記)である。また、6はサンプリング保持回路5から順次取り込んだアナログデータである電流出力および電圧出力をディジタルデータに変換する機能とディジタルデータに変換された電流データおよび電圧データを時系列に出力するマルチプレクサ機能とを備えたアナログディジタル変換回路(図中、A/Dと表記)である。7はアナログディジタル変換回路6から出力されたデータを記憶する記憶回路(図中、MEMと表記)、8は記憶回路7に記憶された所定サンプリング時点の電流、電圧データを事故方向継電器の演算アルゴリズムに基づいて所定の周期毎に演算処理を実行し、動作判定および/または前方事故検出指令を出す判定を行う演算回路(図中、CPUと表記)、9はディジタル形事故方向検出継電器としての動作判定結果を出力するインターフェース回路(図中、I/Oと表記)である。
図3から図6にかけて示すベクトル図は、送電線1が“健全時(a)”の場合と、送電線1のF点に事故が発生した“事故中(b)”の場合とにおける電力系統各相の電流および電圧つまり、三相各相(A相,B相,C相)の電流および電圧と、正相量の電圧、電流の傾向を示した図である。以下、三相各相(A相,B相,C相)の電流および電圧とから正相量の電圧、電流および正相量の変化の傾向について図3を代表例として説明する。
図3において、図a−1から図a−3は送電線1が健全時のベクトル図で、特に、図a−1は三相各相の電圧(VA、VB、…)、電流(IA、IB、…)の関係を示す図、図a−2は三相各相電圧から正相量電圧(V)を得る様子を説明するための図、図a−3は三相各相電流から正相量電流(I)を得る様子を説明するための図、図a−4は正相量電圧(V)と正相量電流(I)との関係を示す図である。
一方、図b−1から図b−5は送電線1が3線短絡または地絡事故(3φS)中のベクトル図で、特に、図b−1は中の三相各相の電圧(VA´、VB´…)、電流(IA、IB、…)、事故電流(IAf、…)、および負荷電流と事故電流との重畳電流(IA+IAf、…)の関係を示す図、図b−2は正相量電圧(V´)を得る様子を説明するための図、図b−3は正相量電流(I´)を得る様子を説明するための図、図b−4は正相量電圧(V´)と正相量電流(I´)との関係を示す図、図b−5は正相量電圧の健全時に対する事故時の変化分(ΔV)と正相量電流の健全時に対する事故時の変化分(ΔI)との関係を示す図である。
また、図4は送電線1が“健全時(a)”と、“2線短絡(B−C相短絡)事故中(b)”における電流と電圧の傾向を示すベクトル図であり、図5は送電線1が“健全時(a)”と、“2線地絡(B−C相地絡)事故時(b)”における電流と電圧の傾向を示すベクトル図であり、そして図6は送電線1が“健全時(a)”と、“1線地絡(A相地絡)事故時(b)”における電流と電圧の傾向を示すベクトル図である。これら図4から図6のベクトル図についても、図3のベクトル図と同様にして“健全時”および“事故中”の正相量電圧(V、V´)および電流(I、I´)を導くことができるので、途中の過程は省略して結果としての正相量電圧(V、V´)、正相量電流(I、I´)および正相量電圧の変化分(ΔV)と正相量電流の変化分(ΔI)を示し、説明を省略する。
以上説明した図3から図6のベクトル図に記載した各種事故様相から分かるように、電力系統各相(三相各相)の各相電気量および正相電気量は健全時の電気量より事故時に変化するが、正相電気量の変化は事故様相に関係なく一様な傾向であることが分かる。
本実施例1は、この知見に基づいてディジタル形事故方向検出継電器10を構成したものであり、具体的な構成の一例を図7に示す。
図7は、図2で示した演算回路8で行うディジタル形事故方向検出継電器10の動作判定機能を表すブロック図である。正相量算出手段11は、下記(1)式および(2)式により、対称座標法を用いてサンプリング時点mにおける三相各相の電流(iA、iB、iC)および電圧(vA、vB、vC)から、正相量電流i1mおよび正相量電圧v1mを算出する。
1m=iA+aiB+aiC
=iA−iBm−2+iCm−4 ・・・・・・(1)
1m=vA+avB+avC
=vA−vBm−2+vCm−4 ・・・・・・(2)
(ただし、A相基準とする。 aは120°、aは240°それぞれ進ませるベクトルオペレータである)
また、データ記憶手段12は、正相量算出手段11で得られたサンプリングデータを任意期間記憶する。変化分算出手段13は、演算の基準となる時点例えば現時点の正相量の電流データ(i1m)、電圧データ(v1m)と、データ記憶手段12に記憶されている所定サンプリング前時点(m−x)の正相量の電流データ(i1m−x)、電圧データ(v1m−x)とを取り込んで、以下の(3)式、(4)式を用いてそれぞれの差分である正相量電流変化分(i1d)および正相量電圧変化分(v1d)を算出する。
1d=i1m−i1m−x ・・・・・・(3)
1d=v1m−v1m−x ・・・・・・(4)
そして、位相判定手段14は、(4)式により算出した正相量変化分電圧(v1d)を基準として、(3)式により算出した正相量変化分電流(i1d)との外積の大きさを演算して位相関係を検出し、継電器の動作感度k1と比較する。位相判定手段14の判定式を(5)式で示す。
|v1d|・|i1d|・sinθ≧k1 ・・・・(5)
(ただし、| |は絶対値を表す記号で、θはv1dを基準としたi1dの位相である)
なお、動作感度k1は、検出した変化量が極めて小さい時に事故方向を誤検出しないような適当な値に設定するものとする。(5)式において、サンプリング間隔を30°とすると、判定式は(6)式で表すことができる。
vd1m・id1m−3 −vd1m−3・id1m≧k1 ・・・(6)
図8は(6)式の動作特性図であり、0は継電器設置点、k1は円の半径である。ハッチング部分が本実施例の継電器の動作領域である。この継電器特性図8から分かるように、継電器10の設置点の背後に正相電源が存在する電力系統において、保護方向に事故が発生した場合、事故前の正相電気量と事故時の正相電気量との差(変化)分が動作感度k1以上であれば動作し、動作感度k1未満であれば動作しない。
以上述べたように本実施例1は、系統事故の発生前後で求められた正相量電流変化分(i1d)と正相量電圧変化分(v1d)との外積値を算出し、その位相関係の判定結果により、ディジタル形事故方向検出継電器の保護方向に事故が発生したか否かを判定することができる。しかも、正相量の電気量は短絡事故および地絡事故などの事故様相に関係なく、一様に同じ傾向となることから、正相量を演算する1つの継電器の判定結果により保護方向に事故が発生したか否かを判定することができるので、継電器の数を抑制することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について、図9から図12を参照して説明する。
本実施例2の発明は、実施例1の改良発明に係わるもので、特に負荷変動時に過剰な検出を阻止することができるようにしたディジタル形事故方向検出継電器である。
電力系統が図9で示すような平行2回線系統である場合、2回線運用から片回線(1L)運用への切り替え制御など系統構成の変更があると、第1回線(1L)に流れる電流の大きさが増加する。逆に、1回線運用から2回線運用への切り替えが行われると、第1回線(1L)に流れる電流の大きさが減少する。このため、電源端の第1回線(1L)に設置されている継電器10は系統構成の変更により、取り込んでいる電気量の変化を負荷電流言うの変化として捉える。
図10は第1回線(1L)に設置されている継電器10から見た系統構成の変更による系統各相電気量、正相量および正相量変化分の様子を示すベクトル図であり、(a)は第2回線OFFからON(すなわち、第1回線の負荷電流が減)の状態、(b)は第2回線ONからOFF(第1回線の負荷電流が増)の状態を示す。
図10から分かるように、第1回線(1L)に設置されている継電器10は、隣接回線の遮断器の操作による急峻な負荷の増減で、僅かな電圧降下または電圧上昇および負荷電流の増加または減少が発生した場合、負荷電流の変化前後で正相量の電流変化分(ΔI)と電圧変化分(ΔV)は、同位相方向あるいは逆位相方向の関係にあり、実施例1の(5)式による位相判定では負荷変動時に過剰な検出を行う可能性がある。
そこで本実施例2の発明は、負荷変動時に過剰な検出を阻止するために、実施例1の(5)式による位相関係(外積の大きさIVds)に替えて、位相差演算により異なる動作位相領域を持つ次の(7)式および(8)式が同時に存在することを条件として位相判定結果を出力させるようにしたものである。
|v1d|・|i1d|・sin(θ+α)≧k1・・・(7)
|v1d|・|i1d|・sin(θ−β)≧k1・・・(8)
図11は本実施例2に係るディジタル形事故方向検出継電器10の動作判定機能を表すブロック図である。
図11において、図7との相違点は位相判定手段14を新たな位相判定手段14Aに置き換えたことにあり、その他は図7の場合と同じである。すなわち、新たな位相判定手段14Aは変化分算出手段13から取り込んだ電流、電圧の正相量変化分を上記(7)式、(8)式を用いて演算し、(7)式、(8)式の双方が成立したとき、ディジタル形事故方向検出継電器10は動作方向と判定する。
図12は、上記(7)式および(8)式が同時に存在する状態でのディジタル形事故方向検出継電器10特性図であり、黒点は負荷変動時の位相関係を示す。本実施例2の特性図10を図8と比べてよく分かるように、本実施例は図8に比べて角度αおよびβ分だけ動作領域を制限するので、負荷変動時にディジタル形事故方向検出継電器10の過剰な検出を阻止することができる。
以上述べたように、本実施例2によれば、正相電気量の電流変化分と電圧変化分の位相関係における同相方向および逆位相方向に対して図12に示すような継電器の動作領域制限を持たせることで、負荷変動時の過剰な検出を阻止することができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について、図13および図14を参照して説明する。
図13は実施例3に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図であり、図14は正相電流変化分の大きさ判定部の特性図である。
本実施例3の発明は、正相量の電流変化分が所定値以上にならなければ、実施例1あるいは実施例2による位相判定結果の出力を阻止するようにし、負荷変動時に過剰な検出をしないようにしたディジタル形事故方向検出継電器である。
前述した実施例1および2で位相判定に用いた式(5)、(7)および(8)の外積の大きさIVdsの所定感度k1は、正相量の電圧変化分および電流変化分が小さい場合に不要に検出しないような感度に設定する必要がある。通常の負荷変動では電流の変化に比べて電圧の変化は小さく、電流の変化分との関係は上述した実施例2の動作領域の制限で過剰な検出は阻止できる。
しかしながら、継電器を適用する電力系統に鉄道などの不平衡負荷やアーク炉などのフリッカ負荷などが接続されている場合には、常時の負荷変動でも正相量の電圧変化分および電流変化分がある程度大きくなって所定感度k1を超え、位相判定手段が過剰に検出することが考えられる。
本実施例3は、常時の負荷変動で所定感度k1を超え、位相判定手段が過剰に検出た場合においても、正相量の電流変化分が所定値以下であれば、継電器として最終的に誤動作しないようにしたものである。
図13において、正相量算出手段11Aは、実施例1の正相量算出手段11同様のものであるが、系統各相電圧は入力していない。この正相量算出手段11Aに系統各相電流(iA、iB、iC)を入力し、(1)式を用いて正相量電流i1mを算出する。データ記憶手段12Aは、正相量算出手段11Aで得られたサンプリングデータを所定期間記憶する。変化分算出手段13Aは、現時点の正相量の電流データ(i1m)と、データ記憶手段12Aに記憶されている任意サンプリング前の正相量の電流データ(i1m−x)を取り込んで、前述の(3)式を用いて差分である正相量電流変化分(i1d)を算出する。
15は変化分算出手段13Aの正相量の電流ベクトル変化分であるi1dの絶対値と、任意の所定電流感度k2とを比較して(9)式が成立するか否かを判定し、(9)式が成立するとき、すなわち正相量の電流変化分i1dの絶対値が所定電流感度k2以上のときに動作出力を生じる正相電流変化分の大きさを判定する判定手段(以下、正相電流変化分判定手段という)である。
|i1d|≧k2 ・・・・・・・・・・・・・・・(9)
この正相電流変化分判定手段15が動作した場合、アンドゲート回路16に対してゲート開信号を与え、実施例1の位相判定手段14、あるいは実施例2の位相判定手段14Aの動作出力を許可するように機能する。
図14は(9)式の正相電流変化分判定手段15の特性図であり、正相電気量の電流変化分i1dが半径k2の円内に存在するときは動作せず、円外側のハッチング部分に存在するときは動作することを示している。
以上述べたように、本実施例3によれば、正相量の電流変化分の大きさが、(9)式におけるi1dの動作感度設定k2以上の場合のみ、実施例1あるいは2の動作出力を許可するようにしたので、(5)式や(7)式および(8)式の位相判定用のk1検出感度を低下させることなく、ディジタル形事故方向検出継電器としての過剰な検出を阻止することができる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について、図15を参照して説明する。
図15は本実施例4に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図である。
電力系統の負荷電流が小さい場合、上述した正相量の電流変化分(i1d)、電圧変化分(v1d)を用いずとも潮流の影響が少ないことから、現時点mにおける正相量の電流(i1m)および電圧(v1m)により位相判定するようにしても同等の継電器判定が可能である。
本実施例4は、この知見に基づいてなされたもので、実施例1の(5)式の位相判定式に代えて、次の(10)式の位相判定式を採用するものである。
|v1m|・|i1m|・sinθ≧k1 ・・・・・・(10)
また、実施例2の位相判定式(7)式および(8)式に代えて、次の(11)、(12)式の位相判定式を採用する。
|v1m|・|i1m|・sin(θ+α)≧k1 ・・・(11)
|v1m|・|i1m|・sin(θ−β)≧k1 ・・・(12)
さらに、実施例3の(9)式を次の(13)式に置き換える。
1m≧k2 ・・・(13)
このように、本実施例4によれば、電力系統の負荷電流の大きさが小さい場合、その影響も少ないことから、正相量の電流変化分(i1d)、電圧変化分(v1d)を用いずに、現時点mにおける正相量の電流(i1m)および電圧(v1m)により位相判定するようにしても実施例1、2と同等の位相判定が可能である。
本発明のディジタル形事故方向検出継電器の設置状況を示す図。 ディジタル形事故方向検出継電器の一般的な構成図。 健全時および三線短絡事故時の電流と電圧の傾向を示すベクトル図。 健全時および二線短絡事故時の電流と電圧の傾向を示すベクトル図。 健全時および二線地絡事故時の電流と電圧の傾向を示すベクトル図。 健全時および一線地絡事故時の電流と電圧の傾向を示すベクトル図。 実施例1に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図。 実施例1に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作特性図。 負荷変動を説明するための系統構成例を示す図。 電力系統の負荷変動時の電流と電圧の傾向を示した図であり、(a)は負荷減時の傾向、(b)は負荷増時の傾向をそれぞれ示す図。 実施例2に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図。 実施例2の正相量変化分電流により動作する特性を説明する図。 実施例3に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図。 実施例3に係る正相電流変化分判定手段の特性図。 実施例4に係るディジタル形事故方向検出継電器の動作判定機能を表すブロック図。
符号の説明
1…送電線、2…変流器、3…変成器、4…入力変換器、5…サンプリング保持回路、6…アナログディジタル変換回路、7…メモリ、8…CPU、9…I/Oインターフェース、10…ディジタル形事故方向継電器、11,11A…正相量算出手段、12,12A…データ記憶手段、13,13A…変化分算出手段、14,14A,14B…位相判定手段、15…正相電流変化分判定手段、16…アンドゲート回路、E…電源、SS…電気所。

Claims (4)

  1. 電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、
    電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、
    前記正相量算出手段より得られた正相量電流と正相量電圧のうち基準となる時点のデータと当該基準となる時点よりも所定時間前のデータとから正相量電流変化分と正相量電圧変化分とを求める変化分算出手段と、
    前記変化分算出手段で求めた正相量電流変化分と正相量電圧変化分との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、からなることを特徴とするディジタル形事故方向検出継電器。
  2. 電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、
    電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、
    前記正相量算出手段より得られた正相量電流と正相量電圧のうち基準となる時点のデータと当該基準となる時点よりも所定時間前のデータとから正相量電流変化分と正相量電圧変化分とを求める変化分算出手段と、
    前記変化分算出手段で求めた正相量電流変化分と正相量電圧変化分との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、
    前記変化分算出手段により得られた正相量電流変化分が所定感度k2以上か否かを判定し、所定感度k2以上のとき前記位相判定手段の出力を許可することを特徴とするディジタル形事故方向検出継電器。
  3. 電力系統の各相電流および電圧を所定の周期でサンプリングして取り込み、ディジタル量に変換したディジタル値を用いて保護演算を行うディジタル形継電器において、
    電力系統の各相電流および各相電圧からそれぞれ正相量電流および正相量電圧を算出する正相量算出手段と、
    前記正相量算出手段で求めた正相量電流と正相量電圧との外積の大きさを算出し、この外積の大きさが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定する位相判定手段と、
    からなることを特徴とするディジタル形事故方向検出継電器。
  4. 前記位相判定手段は、異なる動作領域を持つ2つの位相差演算
    |v1d|・|i1d|・sin(θ+α)≧k1
    |v1d|・|i1d|・sin(θ−β)≧k1
    を算出し、これら2つの位相差演算のいずれもが所定感度k1以上のとき、事故点が継電器の保護方向と判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディジタル形事故方向検出継電器。
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