JP5258633B2

JP5258633B2 - 単３中性線欠相保護付漏電遮断器

Info

Publication number: JP5258633B2
Application number: JP2009053849A
Authority: JP
Inventors: 博之外山
Original assignee: 河村電器産業株式会社
Priority date: 2009-03-06
Filing date: 2009-03-06
Publication date: 2013-08-07
Anticipated expiration: 2029-03-06
Also published as: JP2010211948A

Description

本発明は、単相３線式電路の中性線が欠相したら回路を遮断する機能を備えた単３中性線欠相保護付漏電遮断器に関する。

近年、単相３線式配電路の普及により、その中性線が欠相した場合に発生する異常電圧から負荷機器を保護する単３中性線欠相保護機能が付加された漏電遮断器が普及している。このような従来の単３中性線欠相保護付漏電遮断器は、例えば図２に示すような回路構成となっている。
図２では、電圧線Ｘ，Ｙと中性線Ｎとの間の電圧をダイオードＤ１，Ｄ２で整流し、２個の抵抗Ｒ３，Ｒ７で分圧し、抵抗Ｒ７に掛かる電圧をＩＣ化された異常電圧判定回路６の１−１１番端子間で監視している。中性線Ｎの欠相が発生して電圧線Ｘと中性線Ｎの間、もしくは電圧線Ｙと中性線Ｎの間に過電圧が印加されると、抵抗Ｒ７の両端に掛かる電圧が上昇し、ある一定レベルを超えると異常電圧判定回路６の８番端子からサイリスタＺ１をオンさせる信号が出力され、トリップコイル２を励磁して電路に設けた接点３の引き外し動作を行っている。

特開２００１−１７７９８２号公報

上記従来の単３中性線欠相保護付漏電遮断器は、電路の中性線Ｎの欠相や漏電を良好に検出して遮断動作した。しかしながら、この遮断器の負荷側となる分岐回路等に更に同様の遮断器を設けて、主幹遮断器、分岐遮断器という構成を採用した場合、個々の分岐部で発生した漏電に対しては、主幹遮断器を動作させずに分岐遮断器を動作させて電路を遮断するのが望ましく、そのためには主幹遮断器側の遮断動作を遅延（時延動作）させて、主幹側と分岐側とで保護協調動作を行わせる必要がある。
ところが、上記従来の単３中性線欠相保護付漏電遮断器で使用している異常電圧判定回路６の漏電検出機能は高速形であり、漏電検出に関して時延型ではない。そのため、分岐遮断器は従来の漏電遮断器が使用できるが、時延特性を必要とする主幹遮断器は、従来の漏電検出回路が使用できず、即ち従来の異常電圧判定回路６が使用できず、別途時延型の回路を組み込んだ複雑な回路構成としなければならなかった。
この回路構成は、コストアップや遮断器ケースの大型化を招いてしまうため、従来の異常電圧判定回路を用いることができ、簡単な回路変更のみで対応できる時延形遮断器が切望されていた。

そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、従来のＩＣ化された異常電圧判定回路を使用した状態で、回路を複雑にすること無く漏電検出に対して時延特性を備えた単３中性線欠相保護付漏電遮断器を提供することを目的としている。

上記課題を解決する為に、請求項１の発明は、欠相検出回路と、漏電検出回路と、サイリスタ駆動信号発生回路とを備えて、中性線の欠相或いは漏電を検出したらサイリスタ駆動信号を出力するＩＣ化された異常電圧判定回路が組み込まれ、単相３線式電路の中性線欠相や漏電の発生を受けて、前記サイリスタ駆動信号により前記電路上の接点を開動作させて遮断操作する単３中性線欠相保護付漏電遮断器において、前記漏電検出回路出力のノイズ除去のための特定の端子を、前記欠相検出回路の時間設定のための特定の端子にダイオードを介して接続し、更に前記時間設定のための端子と共にコンデンサを介してグランドラインに接続したことを特徴とする。
この構成によれば、欠相検出に対して遅延時間設定する回路を、漏電検出に対しても動作させるので、漏電検出動作を遅延動作させることができる。

本発明によれば、ＩＣ化された異常電圧判定回路を使用した簡易な回路構成で漏電検知に時延特性を持たせることができる。そのため、別途時延動作させるための回路を組み込む必要がなく低コストで保護協調動作させることが可能となる。

本発明に係る単３中性線欠相保護付漏電遮断器の一例を示す回路図である。従来の単３中性線欠相保護付漏電遮断器の回路図である。

以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係る単３中性線欠相保護付漏電遮断器の一例を示す回路図であり、２本の電圧線（Ｘ相電圧線とＹ相電圧線）と中性線Ｎから成る単相３線式電路１に、トリップコイル２の作動で開動作する接点３と、漏電を検出する零相変流器４が設けられ、漏電及び欠相検出回路５により漏電及び欠相を検出するよう構成されている。
漏電及び欠相検出回路５は、集積回路で形成された（ＩＣ化された）異常電圧判定回路６を有し、零相変流器４が接続されると共に、Ｘ相電圧線，Ｙ相電圧線と中性線Ｎの間（以下、Ｘ−Ｎ間及びＹ−Ｎ間とする）の電圧信号が入力されるよう構成されている。

この異常電圧判定回路６は、漏電検出回路６ａ、サイリスタ駆動信号発生回路６ｂ、欠相検出回路６ｃ、電源回路６ｄを備え、漏電及び中性線欠相が発生したらサイリスタ（ＳＣＲ）Ｚ１を駆動するサイリスタ駆動信号を出力する。詳細には、株式会社ルネサステクノロジ製の半導体集積回路Ｍ５４１２８ＦＰを使用して構成している。

尚、１０は単３中性線欠相保護付漏電遮断器の電源側端子、１１は負荷側端子である。また図１に示すように、零相変流器４は異常電圧判定回路６の入力端子である３−４番端子に接続され、中性線Ｎに接続された欠相検出線７は欠相検出回路６ｃの入力端子である１１番端子に接続されている。そして、異常電圧判定回路６のノイズ除去のための端子である６番端子を、ダイオードＤ４を介して欠相検出回路６ｃの時延時間設定端子である１０番端子に接続し、１０番端子はコンデンサＣ５を介してグランドライン８に接続される。このとき、ダイオードＤ４は１０番端子に向けて順方向となっている。

このように構成された単３中性線欠相保護付漏電遮断器は次のように遮断動作する。まず、中性線Ｎの欠相が発生した場合を説明する。漏電及び欠相検出回路５では、Ｘ−Ｎ間及びＹ−Ｎ間の電圧をダイオードＤ１，Ｄ２で整流し、整流した電圧を２つの抵抗Ｒ３、Ｒ７で分圧して異常電圧判定回路６の所定の１１番端子に印加し、この電圧情報を基に判定動作を行っている。
中性線Ｎの欠相が発生すると、１１番端子に印加される電圧が上昇して欠相発生と判断され、サイリスタ駆動電圧が８番端子から出力される。こうして、サイリスタＺ１はオンし、トリップコイル２が励磁されて接点３の引き外し動作を行い接点３が開放される。

漏電が発生した場合は以下のように動作する。漏電が発生すると、零相変流器４がそれを検出し、異常電圧判定回路６の漏電検出端子である３−４番端子へ入力される。そして漏電検出回路６ａが検出動作してサイリスタ駆動電圧が８番端子から出力される。以降の動作は上記欠相発生の場合と同様である。
但し、６番端子が本来の接続形態（図２に示す接続形態）であるコンデンサを介してアースラインに単独接続する形態ではなく、１０番端子にダイオードＤ４を介して接続することで、漏電検出回路６ａの出力が欠相検出回路６ｃの遅延時間を設定する時間設定回路により時延される。その結果、１０番端子から出力されるサイリスタ駆動電圧信号は時延された信号として出力され、この単３中性線欠相保護付漏電遮断器を主幹遮断器として良好に動作させることが可能となる。

このように、ＩＣ化された異常電圧判定回路６を使用した簡易な回路構成で漏電検知に時延特性を持たせることができる。そのため、別途時延動作させるための回路を組み込む必要がなく低コストで保護協調動作させることが可能となる。しかも、図２に示すコンデンサＣ３が無くなり、ダイオードＤ４が追加されるだけなので、部品点数が増加することもない。

１・・単相３線式電路、２・・トリップコイル、３・・接点、４・・零相変流器、６・・異常電圧判定回路、Ｚ１・・サイリスタ、Ｄ４・・ダイオード。

Claims

欠相検出回路と、漏電検出回路と、サイリスタ駆動信号発生回路とを備えて、中性線の欠相或いは漏電を検出したらサイリスタ駆動信号を出力するＩＣ化された異常電圧判定回路が組み込まれ、単相３線式電路の中性線欠相や漏電の発生を受けて、前記サイリスタ駆動信号により前記電路上の接点を開動作させて遮断操作する単３中性線欠相保護付漏電遮断器において、
前記漏電検出回路出力のノイズ除去のための特定の端子を、前記欠相検出回路の時間設定のための特定の端子にダイオードを介して接続し、更に前記時間設定のための端子と共にコンデンサを介してグランドラインに接続したことを特徴とする単３中性線欠相保護付漏電遮断器。