JP5656291B2 - 遮断装置 - Google Patents
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また、誤差の要因として、さらに漏電周波数の要素もあり、この周波数の違いにより、漏電検出感度が、50ヘルツと、60ヘルツで5%程度も異なるという問題もあった。
図1は本発明の実施の形態1におけるN相欠相検出機能付きの漏電遮断装置を示す回路説明図である。図2は同遮断装置の漏電検出回路部20の構成例を示す回路ブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1における短時間過大電圧検出部の詳細構成例を示す回路ブロック図である。図4は図2に示した漏電検出回路部の各回路が、各シーン(通常漏電、重地絡、雷サージ)の場合に出力する出力信号の波形の一例を示す図である。図5は、図1に示したN相欠相検出回路部50の出力信号の波形の一例を示す図である。
図1に示す漏電遮断装置100は、漏電検出部としての零相変流器10と、電圧検出部60と、これらの出力に接続される漏電検出回路部20と、N相欠相検出回路部50と、遮断信号出力部40とを具備している。この漏電検出回路部20は、第1の変換部21と、信号処理部としての積分部22と、積分値を用いた漏電判定部23とを備えている。この漏電検出部としての零相変流器10は、検出対象である交流電路に漏電が発生しているか否かを検出する。また、電圧検出部60は、交流電路の各線間の電圧情報を検出する。そして、第1の変換部21は、比較増幅器211と、AD変換器212とで構成され、零相変流器10の出力をデジタル変換する。第2の変換部51は、電圧検出部60の出力をデジタル変換する。また、図2に示すように、信号処理部としての積分部22は第1および第2の変換部21,51の出力に基づき、デジタル信号に基づく信号処理を行う。さらに、漏電判定部23は信号処理部としての積分部22の出力に基づいて漏電の有無を判定する。また遮断信号出力部40は、漏電検出回路部20により漏電が発生していると判定されたとき、交流電路を遮断するための遮断信号を出力する。
漏電検出回路部20の漏電判定部23は、比較器を構成する第2の変換部51の出力からN相欠相情報を含む電圧情報を受けとる。そして、漏電判定部23は、漏電検出回路部20の第1の変換部21の出力と、第2の変換部51の出力として得られるN相欠相情報とに基づき、漏電の有無を判定するように構成されている。
零相変流器10を構成するZCT部11は、三相の通電電流が流れる交流電路を構成する複数の一次導体を貫通させた軟磁性材料等の磁性体からなる環状の鉄心(コア)と、当該コアに巻回されたトロイダル状のコイルと、により構成される。零相変流器10は、交流電路の往路方向を流れる電流と復路方向を流れる電流との間に差異が発生した場合には、その差異に基づく漏電電流を検出する。このとき、漏電電流に対応する誘起電圧がコイル内に発生する。零相変流器10は、この誘起電圧を零相変流器10の出力電圧であるZCT出力電圧として漏電検出回路部20及び短時間過大電圧検出部30に出力する。また、ZCT部11から電圧出力を得るために、ZCT部11に対して並列に抵抗素子12、キャパシタ13およびトランジスタ14が挿入され、ZCT出力部10oを構成している。
図4は漏電検出回路部20の動作例を説明するためのタイムチャートである。
図5(a)乃至(d)はN相欠相検出回路部50の動作例を説明するためのタイムチャートである。
図5(b)の「閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)」はこの電圧検出部60の出力信号を、閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)である。
そしてパルスがHighの時、ΔAをサンプリング毎に積算し、Low時ΔBで減算する。
この値が、図5(c)に示すように「FPGA内部N相検出積算値(Nsek0)」である。
一方、FPGA内部N相検出カウンタ(Nsek3)が0となったとき、55msecのパルスを出力し、欠相判定部53はN相欠相であると判定する。
すなわち、図7(a)に示す入力波形から例えばしきい値Vst1からの立下りエッジを、図7(b)に示すように、電圧のゼロクロスに相当するタイミングとして検出し、次の立下りエッジまでの時間Tfを計測することにより、電源周波数を求める。エッジ間の時間差は、定期的にカウントするカウンタのカウント数より判別する。
具体的には、50Hzの場合,Tf=20msec、60Hzの場合、Tf=16.7msecである。
従来は、サイリスタのゲートをたたくタイミングが任意のタイミングであり、たとえば電源電圧が低い状態でサイリスタをたたいてもコイルに電流が流れないため遮断装置として開極するまでに時間がかかることがあった。本実施の形態によれば、サイリスタのゲートをたたくタイミングを制御することができるため、最適なタイミングでの遮断が可能となり、漏電発生から遮断までの時間を短縮することができる。また最適なタイミングでの遮断が可能となるため、電流通電時の開極時における接点消耗も、軽減することができる。
図8は本発明の実施の形態2における遮断器の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、前記実施の形態1の遮断器の構成に加えて、漏電検出回路部20の第1の変換部21と漏電判定部23との間にデジタルフィルタ部を具備している。このデジタルフィルタ部は、複数のフィルタ24と、これらフィルタのうちの少なくとも一つを選択するフィルタ選択部25とを含み、フィルタ選択部25の設定値に基づくフィルタ特性に設定できるように構成されている。他部については前記実施の形態1で説明した遮断器と同様であり、同一部位には同一符号を付した。
図9は本発明の実施の形態3における遮断器の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、前記実施の形態2の遮断器の構成に加えて、漏電判定部23が、時延時間選択部26を有しており、漏電発生と判定してから出力信号を出力するまでの時間を設定可能である。そしてこの漏電判定部23は時延時間選択部26の出力に応じてその時延時間を選択可能であり、判定時間を遅らせることができる。他は、前記実施の形態2の遮断器と同様である。
図10は本発明の実施の形態4における遮断器の構成例を示すブロック図である。本実施の形態では、前記実施の形態3の遮断器の構成に加えて、さらに外部入力端子70Tと、外部回路部70とを具備したことを特徴とする。この外部回路部は、たとえば太陽光発電による給電回路などであり、外部入力端子70Tと、この外部入力端子70Tに入力される外部信号をデジタル処理する外部信号処理部71と、外部信号を判定する外部信号判定部72とを備える。なおこの外部回路部70は、漏電検出回路部20およびN相欠相検出回路部50と同一の集積回路内に集積化される。
また、この集積回路100Cは、外部出力端子O1、O2、O3を備える。
次に本発明の実施の形態5として、N相欠相検出回路部50の動作について説明する。
図11(a)乃至(d)はN相欠相検出回路部50の動作例を説明するためのタイムチャートである。
図11(b)の「閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)」はこの電圧検出部60の出力信号を、閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)である。
そしてパルスがHighの時、ΔAをサンプリング毎に積算し、Low時ΔBで減算する。
この値が「FPGA内部N相検出積算値(Nsek0)」である(図11(c))。
次に本発明の実施の形態6として、N相欠相検出回路部50の動作について説明する。
図12(a)乃至(d)はN相欠相検出回路部50の動作例を説明するためのタイムチャートである。
図12(b)の「閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)」はこの電圧検出部60の出力信号を、閾値Vnaでコンパレートしたパルス(VBP)である。
この値が「FPGA内部N相検出積算値(Nsek1)」である。
100C 集積回路
100a アナログ回路
100d デジタル回路
10 零相変流器
11 ZCT部
12 抵抗素子
13 キャパシタ
14 トランジスタ
10o ZCT出力部
20 漏電検出回路部
21 第1の変換部(漏電電流検出部)
22 積分部
23 漏電判定部
24 フィルタ
25 フィルタ選択部
26 時延時間選択部
27 内部動作クロック
30 短時間過大電圧検出部
31 過大電圧検出部
32 急峻波検出部
33 漏電判定方式変更部
40 遮断信号出力部
50 N相欠相検出回路部
51 第2の変換部
53 欠相判定部
60 電圧検出部
61 電圧降圧部
62 アナログフィルタ部
70 外部回路部
71 外部信号処理部
72 外部信号判定部
80 電源部
81 Ref用電源
90 ゲイン調整用抵抗
211 比較増幅器
212 AD変換器
Claims (14)
- 交流電路に漏電が発生しているか否かを検出する漏電検出部と、
前記交流電路の各線間の電圧情報を検出する電圧検出部と、
前記漏電検出部の出力をデジタル変換する第1の変換部と、
前記電圧検出部の出力をデジタル変換する第2の変換部と、
前記第1および第2の変換部の出力に基づき、デジタル信号に基づく信号処理を行う信号処理部と、
前記信号処理部の出力に基づいて漏電の有無を判定する漏電判定部と、
前記漏電判定部により漏電が発生していると判定されたとき、
前記交流電路を遮断するための遮断信号を出力する遮断信号出力部と、
を備えた遮断装置。 - 請求項1に記載の遮断装置であって、
前記電圧検出部の出力はN相欠相情報を含み、
前記漏電判定部は、前記電圧検出部の出力から前記N相欠相情報を含む電圧情報を受けとり、
前記漏電判定部は、前記漏電検出部の出力と、前記N相欠相情報とに基づき、漏電の有無を判定するように構成された遮断装置。 - 請求項2に記載の遮断装置であって、
前記電圧検出部はN相欠相情報を検出するN相欠相検出部であり、
前記N相欠相検出部の出力に基づき、電源周波数を算出し、前記電源周波数を前記漏電判定部に送出するように構成された遮断装置。 - 請求項3に記載の遮断装置であって、
前記N相欠相検出部は、電圧のゼロクロスタイミング情報を前記漏電判定部に送出するように構成された遮断装置。 - 請求項2に記載の遮断装置であって、
前記電圧検出部の出力信号と、基準信号との比較を行う前記第2の変換部としての比較器と、前記比較器の出力に基づきN相欠相を検出するN相欠相判定部とを更に含み、前記比較器の出力から前記漏電判定部にN相欠相信号を出力するように構成された遮断装置。 - 請求項2乃至4のいずれか1項に記載の遮断装置であって、
前記漏電検出部は、漏電センサと、前記漏電センサからのアナログ信号を増幅する増幅部とを含み、
前記第1の変換部は、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、フィルタ部とを備え、
前記漏電検出部と前記第1の変換部とで、漏電検出回路部を構成する遮断装置。 - 請求項6に記載の遮断装置であって、
前記フィルタ部は、複数のフィルタと、前記フィルタのうちの少なくとも一つを選択するフィルタ選択部を含み、
前記フィルタ部は、前記フィルタ選択部の設定値に基づくフィルタ特性に設定可能である遮断装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遮断装置であって、
前記漏電判定部は、漏電発生と判定してから出力信号を出力するまでの時間を設定可能な時延時間選択部を有し、
前記漏電判定部は前記時延時間選択部の出力に応じてその時延時間を選択可能である遮断装置。 - 請求項8に記載の遮断装置であって、
前記時延時間の計時は、電源電圧の1周期または半周期の数をカウントすることにより行うものであり、
前記電源電圧は、N相欠相検出部からの電圧情報から取り込んだものである遮断装置。 - 請求項5に記載の遮断装置であって、
前記N相欠相検出部は、ノイズ除去用のフィルタ部を備えた遮断装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の遮断装置であって、
さらに外部入力端子と、前記外部入力端子に入力される外部信号をデジタル処理する外部信号処理部と、外部信号を判定する外部信号判定部とを備えた遮断装置。 - 請求項11に記載の遮断装置であって、
前記漏電判定部、N相欠相判定部および前記外部信号判定部の少なくとも二つは独立した出力部を備えた遮断装置。 - 請求項5乃至12のいずれか1項に記載の遮断装置であって、
前記N相欠相判定部は、前記漏電判定部がN相欠相と判定していなくても、前記漏電判定部が、漏電であると判定するとともに、あらかじめ設定された所定の電圧よりも大きい場合にはN相欠相であると判定するように構成された遮断装置。 - 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の遮断装置であって、
少なくとも前記漏電検出部と前記N相欠相検出部と、前記N相欠相判定部および前記漏電判定部は、同一の集積回路内に一体的に形成された遮断装置。
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