JP2004327180A - 電源コンセント - Google Patents

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Atsushi Yoshida
敦至 吉田
Koji Mizuno
浩司 水野
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Abstract

【課題】コード短絡が発生したらプラグへの電流の供給を止める電源コンセントを提供する。
【解決手段】受刃1に接続された電路2に、抵抗体3及び開閉器6を設け、更に絶対値回路9と増幅回路10と比較回路11から成る過電流検出回路4a、電路引き外し回路5及びそれらを駆動する電源回路7を設けた。抵抗体3で電圧値として検出した電流を絶対値回路9で全波整流し、増幅した後比較回路11aで閾値と比較し、閾値を超えたらコード短絡発生と判断させて、電路引き外し回路5により開閉器6を開動作させた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コード短絡が発生したら、そのプラグを電路から遮断する機能を備えた電源コンセントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コード短絡の発生を検出して電路を遮断する機能を備えた電源コンセントはなく、専らブレーカによりコード短絡による過電流を検知して遮断していた。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2000−324676号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなコード短絡保護付ブレーカは、プラグから機器に延びたコード内の縒り線1本程度の小さなコード短絡では短絡電流が小さいために動作しなかった。これは、電気機器には電源投入時に生ずる突入電流があるためで、ブレーカは突入電流に対して誤動作しないように、即ち定格電流よりある程度大きな電流が瞬時に流れても作動しないように、遮断動作電流が比較的大きく設定されていることによる。しかし、現実に家具等に挟まれて圧迫されたコード等では、被覆及び内部導体が破損して、縒り線1本程度の短絡が発生することがある。そのため、火災を防止するためには、このような短絡であっても検出して電路を遮断するのが望ましい。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、コード短絡発生部位に近い電源コンセントの方が、複数の電気機器が接続されるブレーカに比べてコード短絡に対して高感度にできることに着目して、コード短絡が発生したら夫れを検知してプラグへの電流供給を止める電源コンセントを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、プラグの栓刃を挟持する少なくとも一対の受刃を備えた電源コンセントにおいて、接続したプラグに供給する電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出した電流が予め設定した閾値を超えたら信号を出力する過電流検出手段と、前記信号を受けて前記プラグの栓刃を接続した受刃を電路から遮断する遮断手段とを備え、前記閾値をコード短絡を検出可能な値に設定し、接続したプラグで発生したコード短絡を検出して、プラグへの電流供給を止めることを特徴とする。
このように、電源コンセントにコード短絡保護機能を持たせることで、電路引き外し手段の遮断動作電流となる閾値はブレーカに比べて小さく設定でき、コード短絡を精度良く検出できる。よって、縒り線1本程度の短絡であっても検知することが可能となる。そして、コード短絡を検出しても、遮断操作する範囲を最小限に留めることができ、ブレーカのように複数の電源コンセントを電路から遮断するようなことが無くなり、他の電気機器に影響を及ぼすことがない。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、過電流検出手段は、過電流波形に対して最初の略1周期の波形に反応しないための時延回路を有し、2周期目以降の波形に対して過電流検知動作し、プラグを介して接続された機器の突入電流に対しての感度を低下させたことを特徴とする。
この構成によれば、突入電流に対しては反応が鈍感になるので、閾値を下げてコード短絡検出感度を上げることができ、更に良好にコード短絡を検知できる。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2記載の発明において 過電流検出手段は、異なる2つの閾値を有し、一方の小さい閾値は時延回路通過後の波形を比較させ、他方の大きい閾値は時延回路を設けず入力波形を比較させ、電流検出手段により検出した電流が何れか一方の閾値を超えたら遮断動作することを特徴とする。
この構成によれば、縒り線1本程度の小規模の短絡に対しても遮断可能であるし、大規模の短絡に対しては、瞬時に遮断動作することができ、良好に遮断できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る電源コンセントの第1実施形態を示す回路図であり、1はプラグの栓刃(図示せず)を挟持して連結する受刃、2は電路、3は電流検出手段としての抵抗体、4aは過電流検出手段としての過電流検出回路、5は電路引き外し回路、そして6は開閉器、7は各回路を駆動する電源回路である。
抵抗体3は、数mΩ程度のバイメタル片を電路2に設けて形成され、過電流検出回路4aは、絶対値回路9、増幅回路10、比較回路11から構成されている。また、開閉器6は電路引き外し回路5により開動作する電磁開閉器で構成され、双方で遮断手段を構成している。
【0009】
このように形成した回路は次のように動作する。電路2に生じた過電流を抵抗体3が電圧として検知し、検出した電圧波形は絶対値回路9により全波整流される。全波整流後、増幅回路10により増幅され、比較回路11に入力される。比較回路11では、予め設定された電位(閾値)を超えたら信号を出力する。この信号がコード短絡発生信号であり、この信号を受けて電路引き外し回路5が動作、即ち開閉器6を開動作させ、受刃1を電路2から遮断する。尚、閾値は、抵抗比で決定され、抵抗体3の抵抗値と合わせてコード短絡に生ずる電流を検知するレベルとなるよう設定されている。
【0010】
このように、電源コンセントにコード短絡保護機能を持たせることで、電路引き外し手段の動作閾値(遮断動作電流)はブレーカに比べて小さく設定でき、コード短絡を精度良く検出できる。よって、縒り線1本程度の短絡であっても検知することが可能となる。そして、コード短絡を検出しても、遮断操作する範囲を最小限に留めることができ、ブレーカのように複数の電源コンセントを電路から遮断するようなことが無くなり、他の電気機器に影響を及ぼすことがない。
尚、電源コンセントが壁面に埋設設置される壁面コンセントの場合、スイッチボックスの中に受刃1を収納したコンセント筐体を配置して、このコンセント筐体の前面周囲に化粧板を配置して形成されるが、電路引き外し回路5や開閉器6等は回路基板に組み付けてスイッチボックス内に設置すれば良く、コンセント筐体は従来のものを使用できる。また、壁面コンセント等に接続して使用するテーブルタップ等の電源コンセントの場合は受刃を組み込んだ絶縁性筐体内に全て組み込めばよい。
【0011】
図2の回路図は本発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態とは過電流検出回路の構成が異なっている。この過電流検出回路4bは、第1比較回路11aと第2比較回路11bとが並列に設けられ、一方の第1比較回路11aは、その信号入力部に時延回路12が設けられている。そして、第1比較回路11aの閾値を第2比較回路11bの閾値より下げた値としている。尚、図1と同一の構成要素には同一の符号を付与し説明を省略する。
【0012】
時延回路12は、微分回路で構成され、入力波形に対して約1サイクル遅れて信号を出力する。その結果、第1比較回路11aは過電流信号が入力された場合、最初の過電流波形には反応せず、第2波以降に対して閾値と比較動作し、突入電流のような第1波から徐々に小さくなる波形に対して、最大値に反応しなくなる。そのため、閾値を下げても誤動作することが無くなり、閾値をブレーカより十分小さな値に設定することが可能となる。
【0013】
コード短絡電流は、短絡する状態、箇所によって大きさが異なるため、閾値を特定の値に設定することが難しいが、閾値は可能な限り低い方が良い。その場合、接続機器の突入電流による誤動作を考慮しなければならないが、上述するように1サイクル程度の時延を設けた時延回路を付加することで、突入電流を考慮して高い値に設定する必要が無くなる。
そして、第2比較回路11bは、上記第1実施形態と同一の回路で同様の閾値が設定されている。
【0014】
このように、時延回路を設けることで、コード短絡検出感度を上げることができると共に突入電流による誤動作を防ぐことができ、縒り線1本程度の小規模の短絡に対しても良好に検出できる。また、時延回路のない第2比較回路を並列に設けることで、大規模の短絡に対しては、瞬時に遮断動作することができ、良好に遮断できる。
【0015】
図3は本発明の他の例を示し、上記図1の構成とは電流検出手段が異なり、電路電流の検出に変流器(CT)14を使用し、過電流検出回路4cにて過電流を検出している。尚、過電流検出回路4cが図1の過電流検出回路4aと異なる点は、入力部に変流器14の出力電流を電圧に変換する変換素子を備えている点であり、後は同様の回路でよい。
このように、電流検出手段を変流器としても良く、こうすることで、電路に介在させるものが無くなるので、大電流により負荷電圧が低下するようなことがないが、変流器は比較的大きな素子であるため、電源コンセントのケース内に納める為には工夫を要する。
【0016】
尚、上記実施形態は一対の受刃に対してコード短絡を検知して遮断する構成を示したが、複数の組の受刃を備えた電源コンセントにあっては、同様に各組の受刃に対して電流検出手段、過電流検出手段、及び遮断手段を設けるのが好ましい。しかし、コストや素子の組み付けスペースの点から、各受刃に対して共通の回路を設けて、何れかの受刃に接続されたプラグにコード短絡が発生したら、その電源コンセントに設けられた全ての受刃を電路から遮断する構成としても良い。このように構成しても、ブレーカを引き外し操作させるのに比べて、遮断範囲を極めて小さくできるし、コード短絡による火災の発生を確実に防止できる。そして、電源コンセントの小型化が図れるし、コスト増を最小限に抑えることができる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、電源コンセントにコード短絡保護機能を持たせることで、電路引き外し手段の遮断動作電流となる閾値はブレーカに比べて小さく設定でき、コード短絡を精度良く検出できる。よって、縒り線1本程度の短絡であっても検知することが可能となる。そして、コード短絡を検出しても、遮断操作する範囲を最小限に留めることができ、ブレーカのように複数の電源コンセントを電路から遮断するようなことが無くなり、他の電気機器に影響を及ぼすことがない。
また、時延回路を設ければ、突入電流に対しては反応が鈍感になるので、閾値を下げてコード短絡検出感度を上げることができ、更に良好にコード短絡を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電源コンセントの回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す電源コンセントの回路図である。
【図3】本発明の他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
1・・受刃、2・・電路、3・・抵抗体(電流検出手段)、4a,4b,4c・・過電流検出回路(過電流検出手段)、5・・電路引き外し回路、6・・開閉器、11・・比較回路、11a・・第1比較回路、11b・・第2比較回路、12・・時延回路、14・・変流器(電流検出手段)。

Claims (3)

  1. プラグの栓刃を挟持する少なくとも一対の受刃を備えた電源コンセントにおいて、
    接続したプラグに供給する電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出した電流が予め設定した閾値を超えたら信号を出力する過電流検出手段と、前記信号を受けて少なくとも前記プラグを接続した受刃を電路から遮断する遮断手段とを備え、
    前記閾値をコード短絡を検出可能な値に設定し、接続したプラグで発生したコード短絡を検出して、プラグへの電流供給を止めることを特徴とする電源コンセント。
  2. 過電流検出手段は、過電流波形に対して最初の略1周期の波形に反応しないための時延回路を有し、2周期目以降の波形に対して過電流検知動作し、プラグを介して接続された機器の突入電流に対しての感度を低下させた請求項1記載の電源コンセント。
  3. 過電流検出手段は、異なる2つの閾値を有し、一方の小さい閾値は時延回路通過後の波形を比較させ、他方の大きい閾値は時延回路を設けず入力波形を比較させ、電流検出手段により検出した電流が何れか一方の閾値を超えたら遮断動作する請求項2記載の電源コンセント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006302777A (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Kawamura Electric Inc タップコンセント
JP2012085425A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Kawamura Electric Inc コード短絡検知回路及びコンセント装置

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