JP2008172916A - 過電流継電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】事故様相(3相短絡事故および2相短絡事故)によって事故除去時間が変わらないようにすることができる過電流継電装置を提供する。
【解決手段】電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置であって、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線に従って過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段121〜123,131〜133,141〜143と、短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段15とを具備する。動作時限決定手段121〜123,131〜133,141〜143は、事故様相判定手段15における判定結果が2相短絡事故である場合には、短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値に基づいて上記動作時限特性曲線に従って過電流継電装置の動作時限を求める。
【選択図】図1
【解決手段】電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置であって、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線に従って過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段121〜123,131〜133,141〜143と、短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段15とを具備する。動作時限決定手段121〜123,131〜133,141〜143は、事故様相判定手段15における判定結果が2相短絡事故である場合には、短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値に基づいて上記動作時限特性曲線に従って過電流継電装置の動作時限を求める。
【選択図】図1
Description
本発明は、過電流継電装置に関し、特に、3相短絡事故か2相短絡事故かを判別する事故様相判別機能を備えた過電流継電装置に関する。
一般に、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられている過電流継電装置(OC)は、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って求められた動作時限で動作する。そのため、短絡事故が3相短絡事故であった場合には問題ないが、短絡事故が2相短絡事故であった場合には、事故電流が3相短絡事故時の事故電流の約0.866(=31/2/2)倍に減少するので、このような動作時限特性に従って求めた動作時限は遅くなり、遮断器を遮断するタイミングが遅れてしまう。
たとえば、図5(a)に示すような電源1側に設置された第1の過電流継電装置(OC)1101と第1の過電流継電装置1101よりも後方(電源1の反対側)に設置された第2の過電流継電装置(OC)1102とが時限協調をとって送電線を保護する電力系統においては、限時要素の動作時限が最も短くなる最大事故電流(3相短絡事故時)で時限協調をとると、第1および第2の過電流継電装置1101,1102の動作時限は同図(b)のグラフで示す動作時限特性曲線A,Bに従って整定される。なお、このグラフの横軸は、電源1側の母線からの距離に対応する送電線インピーダンス(%Z)としている。
そのため、第2の過電流継電装置1102よりも後方で3相短絡事故が発生して、30Aの事故電流Iが送電線の各相に流れたとすると、図5(b)に白丸で示すように、事故点に近い第2の過電流継電装置1102は、第2の変流器32から入力される事故電流Iに基づいて動作時限特性曲線Bに従って瞬時に第2の遮断器42を遮断し、また、第1の過電流継電装置1101は、第1の変流器31から入力される事故電流Iに基づいて動作時限特性曲線Aに従って動作時限(約0.6s)経過後に第1の遮断器41を遮断するので、送電線の保護性能および保護信頼度を確保することができる。
しかし、同じ事故点で2相短絡事故が発生した場合には、事故電流Iが3相短絡事故時の事故電流(30A)の約0.866倍(約26A)に減少する(すなわち、同図(b)の横軸の送電線インピーダンス(%Z)が見かけ上大きくなる)ので、第1および第2の過電流継電装置1101,1102は、3相短絡事故時で時限協調をとるために整定された動作時限特性曲線A,Bの同図(b)に白丸で示す点ではなく黒丸で示す点の動作時限で動作する。その結果、事故点に近い第2の過電流継電装置1102は約0.35sの動作時限後に第2の遮断器42を遮断し、また、第1の過電流継電装置1101は、約1.1秒の動作時限後に第1の遮断器41を遮断するので、3相短絡事故時に比べて第1および第2の遮断器41,42を遮断するタイミングが遅れて、保護性能および保護信頼度を確保することができなくなる。
換言すると、2相短絡事故時には、第1および第2の過電流継電装置1101,1102は動作時限特性曲線A,Bではなくて同図(b)に一点鎖線で示す動作時限特性曲線A’,B’に基づいて動作することになるので、第1および第2の過電流継電装置1101,1102の瞬時要素動作範囲が短縮するとともに限時要素動作時限が伸張する。
換言すると、2相短絡事故時には、第1および第2の過電流継電装置1101,1102は動作時限特性曲線A,Bではなくて同図(b)に一点鎖線で示す動作時限特性曲線A’,B’に基づいて動作することになるので、第1および第2の過電流継電装置1101,1102の瞬時要素動作範囲が短縮するとともに限時要素動作時限が伸張する。
また、図6(a)に示すような電源1側に設置された短絡距離継電装置(DZ)210と短絡距離継電装置210よりも後方に設置された過電流継電装置(OC)220とが時限協調をとって送電線を保護する電力系統においては、限時要素の動作時限が最も短くなる最大事故電流(3相短絡事故時)で時限協調をとると、短絡距離継電装置210および過電流継電装置220の動作時限は同図(b)のグラフで示す動作時限特性曲線C,Dとなるように整定される。
しかし、2相短絡事故には、上述したように過電流継電装置220は動作時限特性曲線Dではなくて同図(b)に一点鎖線で示す動作時限特性曲線D’に従って動作することになるので、短絡距離継電装置(DZ)210と過電流継電装置(OC)220との時限協調をとることができなくなる。
しかし、2相短絡事故には、上述したように過電流継電装置220は動作時限特性曲線Dではなくて同図(b)に一点鎖線で示す動作時限特性曲線D’に従って動作することになるので、短絡距離継電装置(DZ)210と過電流継電装置(OC)220との時限協調をとることができなくなる。
そこで、2相短絡事故時においても時限協調をとることができるように、短絡距離継電装置210を同図(c)に一点鎖線で示す動作時限特性曲線C’に従って動作するようにしているが、短絡距離継電装置210の2段動作領域(この例では、動作時限が約0.3sの範囲)が狭くなり、かつ、短絡距離継電装置210は過電流継電装置220の不動作時の遠端保護を3段動作領域(この例では、動作時限が約0.8sの範囲)で行うことになるので、保護信頼度が低下する。
下記の特許文献1には、多段に渡る限時差整定において短絡領域における保護協調を容易に実現できるようにするために、電流入力部の電流値について瞬時要素判断部および限時要素判断部でそれぞれ動作の是非を判断し、この判断部からの信号に基づいて動作判断部にて動作特性切換手段の状態を兼ね合わせて動作時間特性を制御する過電流継電器が開示されている。
また、下記の特許文献2には、商用電源と並設される非常用発電機を備えた受変電設備に設けられる過電流保護継電器において整定値の変更を容易とし電源状態に対応した最適な保護環境が維持できるようにするために、過電流保護継電器に、外部からの電気信号などにより設定および変更が可能な商用電源給電時に用いる整定パターンおよび非常用発電機給電時に用いる整定パターンを内蔵し、受変電設備の電源状態が商用電源であるか非常用発電機であるかを判別する電源状態判別回路と、電源状態判別回路で判別された電源に応じて整定パターンを適正な整定パターンに切り替えて整定する切替スイッチとを設けた、整定パターン自動切替機能付過電流保護継電器が開示されている。
特開平8−205382号公報
特開平9−135527号公報
また、下記の特許文献2には、商用電源と並設される非常用発電機を備えた受変電設備に設けられる過電流保護継電器において整定値の変更を容易とし電源状態に対応した最適な保護環境が維持できるようにするために、過電流保護継電器に、外部からの電気信号などにより設定および変更が可能な商用電源給電時に用いる整定パターンおよび非常用発電機給電時に用いる整定パターンを内蔵し、受変電設備の電源状態が商用電源であるか非常用発電機であるかを判別する電源状態判別回路と、電源状態判別回路で判別された電源に応じて整定パターンを適正な整定パターンに切り替えて整定する切替スイッチとを設けた、整定パターン自動切替機能付過電流保護継電器が開示されている。
上述したように、過電流継電装置においては、3相短絡事故時の事故電流の大きさに基づいて整定された動作時限で動作するように整定されていると、2相短絡事故時には動作時限が遅くなって事故除去に時間を要するので、設備に悪影響を与えるという問題がある。
本発明の目的は、事故様相(3相短絡事故および2相短絡事故)によって事故除去時間が変わらないようにすることができる過電流継電装置を提供することにある。
本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(501,502)であって、3相短絡事故時の事故電流の振幅値または2相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段(121〜123,131〜133,141〜143)と、3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段とを具備し、前記動作時限決定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果に応じて2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してまたは3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算して、該換算した事故電流の振幅値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めることを特徴とする。
ここで、前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、短絡事故時の事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定手段(121〜123)と、前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める時限処理手段(131〜133)とを備え、前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求め、前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅換算値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めてもよい。
前記動作時限決定手段が、瞬時要素動作判定手段(141〜143)を備え、該瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、前記瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定してもよい。
前記事故様相判定手段が、前記短絡事故時に前記送電線の各相を流れる事故電流の振幅値がすべて所定の閾値よりも大きいときに3相短絡事故と判定し、それ以外のときには2相短絡事故と判定してもよい。
また、本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(501,502)であって、前記送電線に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路(10)を具備し、該トリップ信号発生回路が、前記短絡事故時の事故電流から変換された事故電流データ(IR,IW,IB)の振幅値を求める振幅値演算部(111〜113)と、前記振幅値演算部から入力される前記事故電流データの振幅値に基づいて、事故様相が3相短絡事故であるか2相短絡事故であるかを判定する事故様相判定部(15)と、該事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、一方、該事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定部(121〜123)と、該限時要素動作判定部の出力信号に応じて、該限時要素動作判定部から入力される前記事故電流データの振幅値または前記事故電流の振幅換算値から、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って動作時限を求め、該求めた動作時限の経過後に前記遮断器を遮断するための限時要素トリップ信号(T1R,T1W,T1B)を出力する時限処理部(131〜133)とを備えることを特徴とする。
ここで、前記トリップ信号発生回路が、前記遮断器を瞬時に遮断するための瞬時要素トリップ信号(T2R,T2W,T2B)を出力する瞬時要素動作判定部(141〜143)をさらに備え、該瞬時要素動作判定部が、前記事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力し、一方、前記事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力してもよい。
さらに、本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置であって、3相短絡事故時のタップ倍率または2相短絡事故時のタップ倍率に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段と、3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段(15)とを具備し、前記動作時限決定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果に応じて、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してまたは2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算して、短絡事故時の事故電流の振幅値を該換算した整定タップ値で割ってタップ倍率を算出し、該算出しタップ倍率に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めることを特徴とする。
前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の整定タップ値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の整定タップ値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算してもよい。
ここで、前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、短絡事故時の事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定手段(121〜123)と、前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める時限処理手段(131〜133)とを備え、前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求め、前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅換算値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めてもよい。
前記動作時限決定手段が、瞬時要素動作判定手段(141〜143)を備え、該瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、前記瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定してもよい。
前記事故様相判定手段が、前記短絡事故時に前記送電線の各相を流れる事故電流の振幅値がすべて所定の閾値よりも大きいときに3相短絡事故と判定し、それ以外のときには2相短絡事故と判定してもよい。
また、本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(501,502)であって、前記送電線に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路(10)を具備し、該トリップ信号発生回路が、前記短絡事故時の事故電流から変換された事故電流データ(IR,IW,IB)の振幅値を求める振幅値演算部(111〜113)と、前記振幅値演算部から入力される前記事故電流データの振幅値に基づいて、事故様相が3相短絡事故であるか2相短絡事故であるかを判定する事故様相判定部(15)と、該事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、一方、該事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定部(121〜123)と、該限時要素動作判定部の出力信号に応じて、該限時要素動作判定部から入力される前記事故電流データの振幅値または前記事故電流の振幅換算値から、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って動作時限を求め、該求めた動作時限の経過後に前記遮断器を遮断するための限時要素トリップ信号(T1R,T1W,T1B)を出力する時限処理部(131〜133)とを備えることを特徴とする。
ここで、前記トリップ信号発生回路が、前記遮断器を瞬時に遮断するための瞬時要素トリップ信号(T2R,T2W,T2B)を出力する瞬時要素動作判定部(141〜143)をさらに備え、該瞬時要素動作判定部が、前記事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力し、一方、前記事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力してもよい。
さらに、本発明の過電流継電装置は、電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置であって、3相短絡事故時のタップ倍率または2相短絡事故時のタップ倍率に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段と、3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段(15)とを具備し、前記動作時限決定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果に応じて、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してまたは2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算して、短絡事故時の事故電流の振幅値を該換算した整定タップ値で割ってタップ倍率を算出し、該算出しタップ倍率に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求めることを特徴とする。
前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の整定タップ値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してもよい。
前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の整定タップ値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算してもよい。
本発明の過電流継電装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)事故様相判定手段を具備することにより、事故様相に応じた動作時限で過電流継電装置を動作させることができるので、事故様相によって事故除去時間が変わらないようにすることができる。
(2)2相短絡事故時の動作時限の遅延を抑制することができるので、保護性能の向上を図ることができる。
(3)リレー協調をとり易くすることができるので、保護系統全体のリレー動作時間の短縮を図ることができる。
(4)他の過電流継電装置との時限協調が容易になるとともに、短絡距離継電装置との時限協調も容易になる。
(1)事故様相判定手段を具備することにより、事故様相に応じた動作時限で過電流継電装置を動作させることができるので、事故様相によって事故除去時間が変わらないようにすることができる。
(2)2相短絡事故時の動作時限の遅延を抑制することができるので、保護性能の向上を図ることができる。
(3)リレー協調をとり易くすることができるので、保護系統全体のリレー動作時間の短縮を図ることができる。
(4)他の過電流継電装置との時限協調が容易になるとともに、短絡距離継電装置との時限協調も容易になる。
上記の目的を、3相短絡事故時の事故電流の振幅値またはタップ倍率に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性を用いるが、事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値またはタップ倍率に31/2/2を掛けた値に基づいてこの動作時限特性に従って過電流継電装置の動作時限を求めることにより実現した。
以下、本発明の過電流継電装置の実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による過電流継電装置(不図示)は、送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ設置された各相遮断器(不図示)を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路として図1に示すトリップ信号発生回路10を具備することを特徴とする。
本発明の一実施例による過電流継電装置(不図示)は、送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ設置された各相遮断器(不図示)を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路として図1に示すトリップ信号発生回路10を具備することを特徴とする。
トリップ信号発生回路10は、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113と、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123と、第1乃至第3の時限処理部131〜133と、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143と、事故様相判定部15と、第1および第2の論理和回路161,162とを備える。
第1乃至第3の振幅値演算部111〜113は、本実施例による過電流継電装置が具備する入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出されたのちにアナログ/ディジタル変換部(不図示)によってアナログ電流からディジタル電流に変換された赤相事故電流データIR、白相事故電流データIWおよび青相事故電流データIBの振幅値をそれぞれ求める。
第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値以上である否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値とを第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を約0.866で割った値(以下、「振幅換算値」と称する。)を算出して、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定限時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値とを第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を約0.866で割った値(以下、「振幅換算値」と称する。)を算出して、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定限時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値とを第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する。
第1乃至第3の時限処理部131〜133は、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123からハイレベルの出力信号と赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値または振幅換算値とが入力されると、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線(図5(b)に示した動作時限特性曲線A,Bおよび図6(b)に示した動作時限特性曲線D参照)に従って動作時限を求め、求めた動作時限の経過後に各相遮断器を遮断するための第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bをそれぞれ出力する。
第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かをそれぞれ判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、各相遮断器を瞬時に遮断するための第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜14は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値(振幅値を約0.866で割った値)を算出して、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上であるか否かをそれぞれ判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、各相遮断器を瞬時に遮断するための第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
一方、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜14は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値(振幅値を約0.866で割った値)を算出して、算出した赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上であるか否かをそれぞれ判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、各相遮断器を瞬時に遮断するための第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
事故様相判定部15は、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値に基づいて、事故様相が3相短絡事故であるか2相短絡事故であるかを判定する。その結果、「事故様相が3相短絡事故である」と判定すると、事故様相判定部15はハイレベルの事故様相判定結果信号を出力する。一方、「事故様相が2相短絡事故である」と判定すると、事故様相判定部15はロウレベルの事故様相判定結果信号を出力する。
このとき、事故様相判定部15は、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値がすべて所定の閾値(整定限時タップ値でもよい。)よりも大きい場合に「事故様相が3相短絡事故である」と判定し、それ以外の場合には「事故様相が2相短絡事故である」と判定する。
このとき、事故様相判定部15は、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値がすべて所定の閾値(整定限時タップ値でもよい。)よりも大きい場合に「事故様相が3相短絡事故である」と判定し、それ以外の場合には「事故様相が2相短絡事故である」と判定する。
第1の論理和回路161は、第1乃至第3の時限処理部131〜133から入力される第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bの論理和をとることにより、各相遮断器を一括して動作時限経過後に遮断するための第1のトリップ信号T1を生成する。
第2の論理和回路162は、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143から入力される第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bの論理和をとることにより、各相遮断器を一括して瞬時に遮断するための第2のトリップ信号T2を生成する。
第2の論理和回路162は、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143から入力される第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bの論理和をとることにより、各相遮断器を一括して瞬時に遮断するための第2のトリップ信号T2を生成する。
次に、図5(a)に示した電力系統において短絡事故が発生したときの本実施例による過電流継電装置である第1および第2の過電流継電装置501,502の動作について、図2乃至図4を参照して説明する。
まず、発生した短絡事故が3相短絡事故であった場合の第1および第2の過電流継電装置501,502の動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
図2(a)に示すように第2の過電流継電装置502よりも後方で3相短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流Iが送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる。この事故電流Iは、第1および第2の変流器31,32(送電線の相ごとに設置されている。)を介して第1および第2の過電流継電装置501,502に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、さらにアナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流からディジタル電流に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(ステップS11)。
図2(a)に示すように第2の過電流継電装置502よりも後方で3相短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流Iが送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる。この事故電流Iは、第1および第2の変流器31,32(送電線の相ごとに設置されている。)を介して第1および第2の過電流継電装置501,502に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、さらにアナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流からディジタル電流に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(ステップS11)。
第1および第2の過電流継電装置501,502では、トリップ信号発生回路10の第1乃至第3の振幅値演算部111〜113が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値をそれぞれ求める(ステップS12)。
また、事故様相判定部15は、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値がすべて所定の閾値よりも大きいため、「事故様相が3相短絡事故である」と判定してハイレベルの事故様相判定結果信号を出力する(ステップS13)。
第2の過電流継電装置502では、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143が、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、たとえば赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が30A(図2(b)の白丸参照)であると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるため、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する(ステップS14)。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第2の遮断器42(送電線の相ごとに設置されている。)に出力されて、第2の遮断器42が瞬時に遮断される。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第2の遮断器42(送電線の相ごとに設置されている。)に出力されて、第2の遮断器42が瞬時に遮断される。
また、第1の過電流継電装置501では、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123が、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、「赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ値以上である」と判定して、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、ハイレベルの出力信号を第1乃至第3の時限処理部131〜133にそれぞれ出力する(ステップS15)。
第1乃至第3の時限処理部131〜133は、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123からハイレベルの出力信号が入力されると、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値に基づいて図2(b)に示す動作時限特性曲線Aに従って求めた動作時限(この例では、図2(b)に白丸で示す0.6s)の経過後に、第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bをそれぞれ出力する(ステップS16)。
これにより、ハイレベルの第1のトリップ信号T1が第1の論理和回路161から第1の遮断器41(送電線の相ごとに設置されている。)に出力されて、第1の遮断器41が動作時限経過後に遮断される。
これにより、ハイレベルの第1のトリップ信号T1が第1の論理和回路161から第1の遮断器41(送電線の相ごとに設置されている。)に出力されて、第1の遮断器41が動作時限経過後に遮断される。
次に、発生した短絡事故が赤相と白相との間の2相短絡事故であった場合の第1および第2の過電流継電装置501,502の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
第2の過電流継電装置502よりも後方で赤相と白相との2相短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流Iが送電線の赤相および白相にそれぞれ流れる。送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる事故電流Iは、第1および第2の変流器31,32を介して第1および第2の過電流継電装置501,502に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、アナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流値からディジタル電流値に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(ステップS21)。
第2の過電流継電装置502よりも後方で赤相と白相との2相短絡事故が発生すると、所定の閾値よりも大きな振幅値の事故電流Iが送電線の赤相および白相にそれぞれ流れる。送電線の赤相、白相および青相にそれぞれ流れる事故電流Iは、第1および第2の変流器31,32を介して第1および第2の過電流継電装置501,502に入力され、入力フィルタによって必要な帯域の周波数成分のみが抽出され、アナログ/ディジタル変換部によってアナログ電流値からディジタル電流値に変換されることにより、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBに変換される(ステップS21)。
第1および第2の過電流継電装置501,502では、トリップ信号発生回路10の第1乃至第3の振幅値演算部111〜113が、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値をそれぞれ求める(ステップS22)。
また、事故要素判定部15は、第1乃至第3の振幅値演算部111〜113から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値のうち赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値のみが所定の閾値よりも大きいため、「事故様相が2相短絡事故である」と判定して、ロウレベルの事故様相判定結果信号を出力する(ステップS23)。
第2の過電流継電装置502では、第1および第2の瞬時要素動作判定部141,142が、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、第1および第2の振幅値演算部111,112から入力される赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値を約0.866で割って赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値を算出し、算出した赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、たとえば図2(b)に示すように赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が26Aであっても、第1および第2の瞬時要素動作判定部141,142は、同図(b)に白矢印で示す26Aを約0.866で割って赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値=30Aを算出し、「赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定して、第1および第2の瞬時要素トリップ信号T2R,T2Wをそれぞれ出力する(ステップS24)。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第2の遮断器42に出力されて、第2の遮断器42が瞬時に遮断される。
これにより、ハイレベルの第2のトリップ信号T2が第2の論理和回路162から第2の遮断器42に出力されて、第2の遮断器42が瞬時に遮断される。
また、第1の過電流継電装置501では、第1および第2の限時要素動作判定部121,122が、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、第1および第2の振幅値演算部111,112から入力される赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値を約0.866で割って赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値を算出し、算出した赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する。その結果、たとえば図2(b)に示すように赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が26Aであっても、第1および第2の限時要素動作判定部121,122は、同図(b)に白矢印で示す26Aを約0.866で割って赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値=30Aを算出し、「赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値が整定限時タップ値以上である」と判定して、ハイレベルの出力信号を第1および第2の時限処理部131,132にそれぞれ出力する(ステップS25)。
第1および第2の時限処理部131,132は、第1および第2の限時要素動作判定部121,122からハイレベルの出力信号が入力されると、第1および第2の限時要素動作判定部121,122から入力される赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値に基づいて図2(b)に示す動作時限特性曲線Aに従って求めた動作時限(この例では、同図(b)に白丸で示す0.6s)の経過後に、第1および第2の限時要素トリップ信号T1R,T1Wをそれぞれ出力する(ステップS26)。
これにより、ハイレベルの第1のトリップ信号T1が第1の論理和回路161から第1の遮断器41に出力されて、第1の遮断器41が動作時限経過後に遮断される。
これにより、ハイレベルの第1のトリップ信号T1が第1の論理和回路161から第1の遮断器41に出力されて、第1の遮断器41が動作時限経過後に遮断される。
なお、図6(a)に示した過電流継電装置220の代わりに本実施例による過電流継電装置を用いることにより、短絡距離継電装置の2段動作領域が狭くなることを防ぐことができるとともに、短絡距離継電装置が過電流継電装置の不動作時の遠端保護を3段動作領域で行うことを防ぐことができる。
以上の説明では、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143および第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割ることにより2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算したが、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に31/2/2を掛けることにより3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してもよい。なお、この場合には、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線の代わりに、2相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線を使用する。
また、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線を使用したが、タップ倍率に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性曲線を使用する場合には、事故様相判定部15における判定結果に応じて、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してまたは2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算して、短絡事故時の事故電流の振幅値をこの換算した整定タップ値で割ってタップ倍率を算出し、この算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線に従って過電流継電装置の動作時限を求めてもよい。
すなわち、3相短絡事故時のタップ倍率に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性を使用する場合には、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値を算出する代わりに整定瞬時タップ値に31/2/2を掛けた整定瞬時タップ換算値を用いて、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値を整定瞬時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線に従って第1および第2の瞬時要素トリップ信号T2R,T2Wをそれぞれ出力する。
同様に、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値を算出する代わりに整定限時タップ値に31/2/2を掛けた整定限時タップ換算値を用いて、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が整定限時タップ換算値以上であるか否かを判定し、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が整定限時タップ換算値以上である場合にハイレベルの出力信号を第1および第2の時限処理部131,132に出力する。このとき、第1および第2の時限処理部131,132は、第1および第2の限時要素動作判定部121,122から入力される赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値を第1および第2の限時要素動作判定部121,122から入力される整定限時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線から求めた動作時限の経過後に、第1および第2の限時要素トリップ信号T1R,T1Wをそれぞれ出力する。
同様に、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からロウレベルの事故様相判定結果信号(2相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅換算値を算出する代わりに整定限時タップ値に31/2/2を掛けた整定限時タップ換算値を用いて、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が整定限時タップ換算値以上であるか否かを判定し、赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値が整定限時タップ換算値以上である場合にハイレベルの出力信号を第1および第2の時限処理部131,132に出力する。このとき、第1および第2の時限処理部131,132は、第1および第2の限時要素動作判定部121,122から入力される赤相および白相事故電流データIR,IWの振幅値を第1および第2の限時要素動作判定部121,122から入力される整定限時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線から求めた動作時限の経過後に、第1および第2の限時要素トリップ信号T1R,T1Wをそれぞれ出力する。
また、2相短絡事故時のタップ倍率に基づいて過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性を使用する場合には、第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143は、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値を算出する代わりに整定瞬時タップ値を31/2/2で割った整定瞬時タップ換算値を用いて、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を整定瞬時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線に従って第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号T2R,T2W,T2Bをそれぞれ出力する。
同様に、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値を算出する代わりに整定限時タップ値を31/2/2で割った整定限時タップ換算値を用いて、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ換算値以上であるか否かを判定し、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ換算値以上である場合にハイレベルの出力信号を第1乃至第3の時限処理部131〜133に出力する。このとき、第1乃至第3の時限処理部131〜133は、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される整定限時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線から求めた動作時限の経過後に、第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bをそれぞれ出力する。
同様に、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123は、事故様相判定部15からハイレベルの事故様相判定結果信号(3相短絡事故発生を示す。)が入力されると、赤相、白相および青事故電流データIR,IW,IBの振幅換算値を算出する代わりに整定限時タップ値を31/2/2で割った整定限時タップ換算値を用いて、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ換算値以上であるか否かを判定し、赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値が整定限時タップ換算値以上である場合にハイレベルの出力信号を第1乃至第3の時限処理部131〜133に出力する。このとき、第1乃至第3の時限処理部131〜133は、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される赤相、白相および青相事故電流データIR,IW,IBの振幅値を第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123から入力される整定限時タップ換算値で割ってタップ倍率を算出し、算出しタップ倍率に基づいて動作時限特性曲線から求めた動作時限の経過後に、第1乃至第3の限時要素トリップ信号T1R,T1W,T1Bをそれぞれ出力する。
さらに、トリップ信号発生回路10は、事故様相判定部15を備える代わりに、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123が、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123の出力信号がすべてハイレベルとなっている場合には「事故様相が3相短絡事故である」として上述した処理を行い、一方、第1乃至第3の限時要素動作判定部121〜123の出力信号のいずれか1つがロウレベルとなっている場合には「事故様相が2相短絡事故である」として上述した処理を行ってもよい。第1乃至第3の瞬時要素動作判定部141〜143についても同様である。
1 電源
31,32 第1および第2の変流器
41,42 第1および第2の遮断器
10 トリップ信号発生回路
111〜113 第1乃至第3の振幅値演算部
121〜123 第1乃至第3の限時要素動作判定部
131〜133 第1乃至第3の時限処理部
141〜143 第1乃至第3の瞬時要素動作判定部
15 事故様相判定部
161,162 第1および第2の論理和回路
1101,1102 第1および第2の過電流継電装置
210 短絡距離継電装置
220 過電流継電装置
A,A’,B,B’,C,C’,D,D’ 動作時限特性曲線
I 事故電流
IR,IW,IB 赤相、白相および青相事故電流データ
T1R,T1W,T1B 第1乃至第3の限時要素トリップ信号
T2R,T2W,T2B 第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号
T1,T2 第1および第2のトリップ信号
S11〜S16,S21〜S26 ステップ
31,32 第1および第2の変流器
41,42 第1および第2の遮断器
10 トリップ信号発生回路
111〜113 第1乃至第3の振幅値演算部
121〜123 第1乃至第3の限時要素動作判定部
131〜133 第1乃至第3の時限処理部
141〜143 第1乃至第3の瞬時要素動作判定部
15 事故様相判定部
161,162 第1および第2の論理和回路
1101,1102 第1および第2の過電流継電装置
210 短絡距離継電装置
220 過電流継電装置
A,A’,B,B’,C,C’,D,D’ 動作時限特性曲線
I 事故電流
IR,IW,IB 赤相、白相および青相事故電流データ
T1R,T1W,T1B 第1乃至第3の限時要素トリップ信号
T2R,T2W,T2B 第1乃至第3の瞬時要素トリップ信号
T1,T2 第1および第2のトリップ信号
S11〜S16,S21〜S26 ステップ
Claims (11)
- 電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(501,502)であって、
3相短絡事故時の事故電流の振幅値または2相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段(121〜123,131〜133,141〜143)と、
3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段とを具備し、
前記動作時限決定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果に応じて2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算してまたは3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算して、該換算した事故電流の振幅値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
ことを特徴とする、過電流継電装置。 - 前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の事故電流の振幅値を3相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算することを特徴とする、請求項1記載の過電流継電装置。
- 前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の事故電流の振幅値を2相短絡事故時の事故電流の振幅値に換算することを特徴とする、請求項1記載の過電流継電装置。
- 前記動作時限決定手段が、短絡事故時の事故電流の振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定手段(121〜123)と、
前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める時限処理手段(131〜133)とを備え、
前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求め、
前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記限時要素動作判定手段が、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、また、前記時限処理手段が、前記限時要素動作判定手段から入力される前記事故電流の振幅換算値に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の過電流継電装置。 - 前記動作時限決定手段が、瞬時要素動作判定手段(141〜143)を備え、
該瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が3相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、
前記瞬時要素動作判定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果が2相短絡事故である場合には、前記短絡事故時の事故電流の振幅値を31/2/2で割った値である事故電流の振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定する、
ことを特徴とする、請求項4記載の過電流継電装置。 - 前記事故様相判定手段が、前記短絡事故時に前記送電線の各相を流れる事故電流の振幅値がすべて所定の閾値よりも大きいときに3相短絡事故と判定し、それ以外のときには2相短絡事故と判定することを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の過電流継電装置。
- 電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置(501,502)であって、
前記送電線に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号を発生するためのトリップ信号発生回路(10)を具備し、
該トリップ信号発生回路が、
前記短絡事故時の事故電流から変換された事故電流データ(IR,IW,IB)の振幅値を求める振幅値演算部(111〜113)と、
前記振幅値演算部から入力される前記事故電流データの振幅値に基づいて、事故様相が3相短絡事故であるか2相短絡事故であるかを判定する事故様相判定部(15)と、
該事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定限時タップ値以上であるか否かを判定し、一方、該事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定限時タップ値以上であるか否かを判定する限時要素動作判定部(121〜123)と、
該限時要素動作判定部の出力信号に応じて、該限時要素動作判定部から入力される前記事故電流データの振幅値または前記事故電流の振幅換算値から、3相短絡事故時の事故電流の振幅値に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って動作時限を求め、該求めた動作時限の経過後に前記遮断器を遮断するための限時要素トリップ信号(T1R,T1W,T1B)を出力する時限処理部(131〜133)と、
を備える、
ことを特徴とする、過電流継電装置。 - 前記トリップ信号発生回路が、前記遮断器を瞬時に遮断するための瞬時要素トリップ信号(T2R,T2W,T2B)を出力する瞬時要素動作判定部(141〜143)をさらに備え、
該瞬時要素動作判定部が、前記事故様相判定部が「短絡事故が3相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力し、一方、前記事故様相判定部が「短絡事故が2相短絡事故である」と判定すると、前記事故電流データの振幅値を31/2/2で割った値である事故電流データの振幅換算値を算出し、該算出した事故電流の振幅換算値が前記整定瞬時タップ値以上であるか否かを判定し、「前記事故電流データの振幅換算値が整定瞬時タップ値以上である」と判定すると前記瞬時要素トリップ信号を出力する、
ことを特徴とする、請求項7記載の過電流継電装置。 - 電力系統における送電線の短絡事故時の保護に用いられる過電流継電装置であって、
3相短絡事故時のタップ倍率または2相短絡事故時のタップ倍率に基づいて前記過電流継電装置の動作時限を定める動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める動作時限決定手段と、
3相短絡事故か2相短絡事故かを判定する事故様相判定手段(15)とを具備し、
前記動作時限決定手段が、前記事故様相判定手段における判定結果に応じて、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算してまたは2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算して、短絡事故時の事故電流の振幅値を該換算した整定タップ値で割ってタップ倍率を算出し、該算出しタップ倍率に基づいて前記動作時限特性に従って前記過電流継電装置の動作時限を求める、
ことを特徴とする、過電流継電装置。 - 前記動作時限決定手段が、3相短絡事故時の整定タップ値に31/2/2を掛けることにより、3相短絡事故時の整定タップ値を2相短絡事故時の整定タップ値に換算することを特徴とする、請求項9記載の過電流継電装置。
- 前記動作時限決定手段が、2相短絡事故時の整定タップ値を31/2/2で割ることにより、2相短絡事故時の整定タップ値を3相短絡事故時の整定タップ値に換算することを特徴とする、請求項9記載の過電流継電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007003303A JP2008172916A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 過電流継電装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008172916A true JP2008172916A (ja) | 2008-07-24 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010166770A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 過電流継電装置 |
JP2010166771A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 過電流継電装置 |
JP2020010467A (ja) * | 2018-07-05 | 2020-01-16 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 過電流継電器 |
-
2007
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JP7073212B2 (ja) | 2018-07-05 | 2022-05-23 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 過電流継電器 |
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