JP4488922B2 - 回線選択保護継電システムおよび回線選択保護継電装置 - Google Patents

回線選択保護継電システムおよび回線選択保護継電装置 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統における平行2回線送電線の保護継電システムであり、特に保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも容易に対応可能な回線選択保護継電システムおよび回線選択保護継電装置に関する。
電力系統における平行2回線送電線の保護継電方式として、回線選択保護継電方式がある。回線選択保護継電方式は、平常時や保護対象である送電線の外部事故の場合には2回線送電線の各回線(1Lと2L)の電流の大きさと流れる方向が等しくなるのに対し、内部事故の場合には1Lと2Lの電流の大きさや流れる方向が異なるということを利用して事故回線を検出する保護継電方式であり、送電線の各端子に回線選択保護継電装置を設置して送電線保護システムを構築する(例えば、非特許文献1参照)。
大浦好文監修「保護リレーシステム工学」電気学会 第171−174頁。
しかし、上述した従来の技術では、内部事故が送電線各端の近傍で発生した場合、事故点の至近端に設置された回線選択保護継電装置では1Lと2Lの電流の差である交差電流が大きな値として得られるが、遠方端に設置された回線選択保護継電装置では交差電流は小さな値しか得られないため事故回線を検出するだけの感度が得られず動作することができない。
このような場合には、先ず事故点近端の回線選択保護継電装置が動作して事故回線側を遮断する。その結果、事故電流の流れる経路が変わるので他の端子の回線選択保護継電装置で十分な大きさの交差電流が得られるようになり動作できるようになる。このように各端子に設置された回線選択保護継電装置が順番に動作して事故回線を遮断することを、直列遮断と言う。
図6は、2回線2端子送電線での直列遮断の例を説明する図である。図6においてB端子近傍のf点に事故が発生した場合、1Lと2Lの送電線1a,1bを流れる電流Ia,Ia’は略等しくなる。(Ia≒Ia’)この時、事故点の至近端であるB端子に設置された回線選択保護継電装置4bで求める交差電流は1Lと2Lの電流の方向が逆になるので(数式1)より約2Iaの値を得ることができるが、遠方端であるA端子に設置された回線選択保護継電装置4aで求める交差電流は1Lと2Lの電流の方向が同じであるので(数式2)より略零となる。
(数式)
B端での交差電流=Ia−(−Ia’)≒2Ia ・・・(数式1)
A端での交差電流=Ia−Ia’≒0 ・・・(数式2)
∵Ia≒Ia’
このため、事故発生直後は、事故点の遠方端であるA端子に設置された回線選択保護継電装置4aは動作できず、至近端であるB端子に設置された回線選択保護継電装置4bのみが動作する。B端子に設置された回線選択保護継電装置4bが動作して遮断器3bを遮断すると、Ia’=0となるので、略零である回線選択保護継電装置4aで求めた交差電流がIaなる大きさを得るので動作できるようになり、遮断器3aを遮断する。したがって、図6に示した事故の場合、B端子遮断後にA端子が遮断する直列遮断となる。
以上より、回線選択保護継電方式は、端子近傍の事故では直列遮断となるために事故除去時間が長くなり、特に多端子送電線では、端子数が多くなるほど直列遮断の段数が増えて事故除去時間が延びてしまうので、所定の時間内に事故除去を行わなければならない場合、適用できる2回線併用端子数に制限があるという課題がある。
また、多端子送電線の場合は事故時に流れる事故電流が各端子に分流していくので、端子数が多くなるほど各端子を流れる事故電流の大きさは小さくなる。このため、中性点抵抗器(NGR)にて地絡電流が小さく制限されている抵抗接地系の地絡事故検出では、端子数が多いと検出感度以上の電流が得られなくなるので、検出感度面からも適用できる2回線併用端子数に制限があるという課題がある。
この課題を解決する方法として、端子数が多い2回線多端子併用送電線の保護に、例えば、前記非特許文献1の第164−165頁に記載されている、多端子PCM電流差動継電装置を各端子に設置して、伝送路を介して各端子の電流データを送受信することにより各回線の差電流演算を行って事故検出をする電流差動保護継電方式を適用する方法がある。しかしながら、電流差動保護継電方式を適用する場合は、各端子に通信設備を設置して端子間に伝送路を構築する必要があると共に、保護継電装置自体も伝送機能を実装した電流差動保護継電装置とする必要があるため、システム構築のコストが高いという問題がある。特に、これまで回線選択保護継電方式にて保護を行っていた送電線に端子増設が行われた結果、回線選択保護継電方式の適用端子数を越えるような場合には、増設された端子に電流差動保護継電装置を新設すると共に、既存の端子の回線選択保護継電装置を全て電流差動保護継電装置に切り換えて、全ての端子に通信設備を用意することが必要となり、保護システム切り換えのコストが非常に高くなるという課題がある。
本発明の目的は、事故除去時間の制約や検出感度面から従来では適用ができない端子数に対しても適用可能で、既に回線選択保護方式による保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも保護システム切り換えのコストが抑制できる回線選択保護継電システムおよび回線選択保護継電装置を提供することである。
上述した課題を解決するために本発明の回線選択保護継電システムは、2回線併用端子数が4端子以上である送電線の回線選択保護継電システムであって、前記複数の端子のいずれかの1端子もしくは2端子に第1の回線選択保護継電装置を設置し、残りの端子に自端の電流データを他の端子へ送信する端末装置と、前記端末装置から送られてくる前記他の端子の電流データを受信する機能を備える第2の回線選択保護継電装置とを設置し、前記第2の回線選択保護継電装置は、当該第2の回線選択保護継電装置と前記端末装置との電流データを収集、記憶し、前記第2の回線選択保護継電装置と前記端末装置が設置された複数の端子とを1つの端子として仮想的に処理することを特徴とする。
このため、事故除去時間の制約や検出感度面から従来では適用ができない端子数に対しても適用可能で、既に回線選択保護方式による保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも保護システム切り換えのコストが抑制できる。
本発明を用いることにより、事故除去時間の制約や検出感度面から従来では適用ができない端子数に対しても適用可能で、既に回線選択保護方式による保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも保護システム切り換えのコストが抑制できる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る回線選択保護継電システムを示す構成図である。
回線選択保護継電システムは、保護対象となる2回線多端子併用送電線1a,1b、送電線の各端子の各回線に設置された変流器(CT)2、送電線の各端子の各回線に設置された遮断器(CB)3、回線選択保護継電装置4a,4b、第2の回線選択保護継電装置5、端末装置6a,6bを備えている。
第2の回線選択保護継電装置5と端末装置6a,6b間は、端末装置6a,6bから第2の回線選択保護継電装置5へ向かう上りの伝送路7a,7bと、第2の回線選択保護継電装置5から端末装置6a,6bへ向かう下りの伝送路8a,8bで結ばれている。
回線選択保護継電装置4aは、入力変換器9、アナログフィルタ10、アナログ/ディジタル変換手段11、演算手段12a、出力手段13から構成されている。回線選択保護継電装置4bの構成は回線選択保護継電装置4aと同一であるので、その表記を省略した。
第2の回線選択保護継電装置5は、入力変換器9、アナログフィルタ10、アナログ/ディジタル変換手段11、演算手段12b、出力手段13と、更に、送信手段14、受信手段15、サンプリング同期制御手段16から構成されている。
端末装置6aは、入力変換器9、アナログフィルタ10、アナログ/ディジタル変換手段11、演算手段12c、出力手段13、送信手段14、受信手段15、サンプリング同期制御手段16から構成されている。端末装置6bの構成は端末装置6aと同一であるので、その表記を省略した。
次に、本発明の第1実施形態に係る回線選択保護継電装置を適用した回線選択保護継電システムの動作について説明する。
図1に示すように、端子AからEまでの5端子の2回線併用系統において、端子Aと端子Bに設置されている回線選択保護継電装置4a,4bは、それぞれが設置された端子で送電線1a,1bを流れる電流を変流器2を介して導入すると共に、各端子の電圧を図示しない計器用変圧器を介して導入する。
導入された電流・電圧は、入力変換器9によって所定の大きさの電圧信号に変換され、アナログフィルタ10でサンプリングによる折返し誤差となる高調波成分除去を行った後、所定の周期でサンプリングを行い、アナログ/ディジタル変換手段11にてディジタルデータヘと変換される。演算手段12aは、ディジタルデータに変換された送電線1aと1bの電流データからその差である交差電流(1aの電流−1bの電流)を演算する。そして、演算された交差電流データと電圧データから2回線送電線1a,1bのどちらかの回線に内部事故があるか否かを判定する。内部事故があると判定された場合は、出力手段13から該当する回線側の遮断器3に出力を行い、遮断を行う。
以上の端子Aと端子Bに設置された回線選択保護継電装置4a,4bの動作は、従来から周知の回線選択保護継電方式における回線選択保護継電装置の動作であるが、本実施形態においては、残りのCからEの端子に4aや4bで示した回線選択保護継電装置を設置するのではなく、端子Cに第2の回線選択保護継電装置5を、端子Dと端子Eに端末装置6a,6bを設置している点が特徴である。
次に、端子Dに設置された端末装置6aは、送電線1a,1bを流れる電流を変流器2を介して導入し、入力変換器9によって所定の大きさの電圧信号に変換し、アナログフィルタ10でサンプリングによる折返し誤差となる高調波成分除去を行った後、サンプリング同期制御手段16から得られるサンプリング信号に従ってサンプリングを行い、アナログ/ディジタル変換手段11にてディジタルデータヘと変換する。
演算手段12cは、ディジタルデータに変換された送電線1aと1bの電流データからその差である交差電流を演算し、送信手段14から上りの伝送路7aを介して第2の回線選択保護継電装置5へ送信する。端子Eに設置された端末装置6bにおいても同様の動作により、端子Eで導入した送電線1aと1bの電流データから求めた交差電流を上りの伝送路7bを介して第2の回線選択保護継電装置5へ送信する。
端子Cに設置された第2の回線選択保護継電装置5は、送電線1a,1bを流れる電流を変流器2を介して導入すると共に、端子の電圧を図示しない計器用変圧器を介して導入し、入力変換器9によって所定の大きさの電圧信号に変換、アナログフィルタ10でサンプリングによる折返し誤差となる高調波成分除去を行った後、サンプリング同期制御手段16から得られるサンプリング信号に従ってサンプリングを行い、アナログ/ディジタル変換手段11にてディジタルデータヘと変換する。
演算手段12bは、ディジタルデータに変換された送電線1aと1bの電流データから求めた端子Cの交差電流と、受信手段15から得ることができる端末装置6a,6bで求めた端子Dおよび端子Eの交差電流データとを足し合わせて、CからEまでの3端子合計の交差電流を求める。求められた3端子合計の交差電流と電圧データから2回線送電線1a,1bのどちらかの回線に内部事故があるか否かを判定し、内部事故があると判定した場合は、出力手段13から該当する回線側の遮断器3に出力を行うと共に、送信手段14から下りの伝送路8a,8bを介して端末装置6a,6bに遮断信号の送信を行う。
第2の回線保護継電装置5から下りの伝送路8a,8bを介して遮断信号の送信が行われると、端子Dおよび端子Eに設置された端末装置6a,6bは、演算手段12cが受信手段15より遮断信号を受け取り、出力手段13から、第2の回線保護継電装置5が判定を下した回線側の遮断器3に出力を行う。
ここで、端子Cの第2の回線選択保護継電装置5は、端子CからEまでの3端子合計の交差電流で事故回線を検出するようにしている。このことは、図1に示した5端子の2回線併用系統を図2に示すように、回線選択保護継電装置4a,4bと第2の回線選択保護継電装置5の3装置で、仮想的に3端子の2回線併用系統と捉えて回線選択保護方式による保護を行うことと略同等である。よって、端子近傍の事故が発生した場合でも、5端子分の直列遮断とはならず、3端子分の直列遮断と第2の回線保護継電装置5から遮断信号を受信した端末装置6a,6bの動作時間があれば、AからEの全端子において事故回線の遮断ができることとなる。また、地絡事故検出感度面においても、3端子分の交差電流を合計しているので5端子であっても3端子の場合と略同等の電流値にて検出を行うこととなり、地絡事故検出が可能となる。
なお、端子Cの演算手段12bで正しく3端子合計の交差電流を求めるためには、端子Cに設置された第2の回線保護継電装置5と端子Dおよび端子Eに設置された端末装置6a,6bで、同一タイミングに送電線1aと1bの電流をサンプリングする必要がある。これを実現するのがサンプリング同期制御手段16である。サンプリング同期制御手段16におけるサンプリング同期制御は、第2の回線保護継電装置5と端末装置6a,6bが上りと下りの伝送路7a,7b,8a,8bを介してデータの授受を行っているので、従来のPCM電流差動保護継電装置が実施している公知のサンプリング同期方法により実現が可能であるため、その詳細は省略する(例えば、特許1540325号公報)。
以上より、第2の回線選択保護継電装置5と端末装置6aや6bを所定の端子に設置することで実際の端子数より少ない段数の直列遮断によって事故遮断ができるので、事故除去時間を従来より短縮できる。端子数に応じて分流していた電流も第2の回線選択保護継電装置5と端末装置6aや6bを所定の端子に設置することで電流を収集、合計して事故検出を行うことができるので、検出感度以上の電流値を得られるようになる。
また、既に回線選択保護継電装置にて保護を行っていた送電線に端子増設が行われて回線選択保護継電方式の適用端子数を越えるような場合でも、仮想的な端子数が適用端子数以内となるように第2の回線選択保護継電装置と端末装置および伝送路を必要最小限の数だけ各端子に設置すれば、残りの端子は既存の回線選択保護継電装置をそのまま使用することができる。
したがって、本実施形態によれば、事故除去時間の制約や検出感度面から従来では適用ができない端子数に対しても適用可能で、既に回線選択保護方式による保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも保護システム切り換えのコストが抑制できる、2回線多端子併用送電線の回線選択保護継電方式および回線選択保護継電装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、第2の回線選択保護継電装置5と端末装置6aや6bから成る端子数を仮想的に削減させる手段を1組のみで示したが、必ずしも1組のみである必要はない。例えば、端子Aに回線選択保護継電装置を設置し、端子Bと端子Cに第2の回線選択保護継電装置を、端子Dと端子Eに端末装置を設置して、端子Bと端子Dの第2の回線選択保護継電装置と端末装置の組、端子Cと端子Eの第2の回線選択保護継電装置と端末装置の組というように2組としてもよい。
また、端子Aに回線選択保護継電装置を設置し、端子Bに第2の回線選択保護継電装置を、端子Cから端子Eに端末装置を設置して、1台の第2の回線選択保護継電装置に対して3台の端末装置を組み合わせてもよい。この場合は、端子Bの第2の回線選択保護継電装置を端子BからEまでの4端子合計の交差電流で事故回線を検出させるようにするので、端子Aの回線選択保護継電装置と端子Bの第2の回線選択保護継電装置の2装置で、仮想的に2端子の2回線併用系統と捉えて回線選択保護継電方式による保護を行うことと略同等となり、2端子分の直列遮断と端末装置の動作時間があれば事故除去ができることとなる。
(第2実施形態)
図5は本発明の第2実施形態に係る回線選択保護継電システムを示す構成図である。
第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態と図1との差違は端子Dおよび端子Eに端子Cと同じ第2の回線選択保護継電装置5a,5bを設置し、端子Cから端子Eの第2の回線選択保護継電装置5,5a,5bを互いに伝送路17で結んでいる点である。なお、第2の回線選択保護継電装置5a,5bの構成は第2の回線選択保護継電装置5と同一であるので、その表記を省略した。
次に、本発明の第2実施形態に係る回線選択保護継電装置を適用した回線選択保護継電システムの動作について説明する。
第2実施形態では、第2の回線選択保護継電装置5に第1実施形態における端末装置6aや6bが有していた交差電流を送信する機能を併せ持つようにしている。すなわち、端子Cに設置された第2の回線選択保護継電装置5の演算手段12bでは、ディジタルデータに変換された送電線1aと1bの電流データから交差電流を求め、求めた交差電流を送信手段14から伝送路17を介して端子Dおよび端子Eの第2の回線選択保護継電装置5a,5bに送信すると共に、求めた交差電流と受信手段15から得ることができる端子Dおよび端子Eの第2の回線選択保護継電装置5a,5bで求めた端子Dおよび端子Eの交差電流データとを足し合わせて、CからEまでの3端子合計の交差電流を求める。求められた3端子合計の交差電流と電圧データから2回線送電線1a,1bのどちらかの回線に内部事故があるか否かを判定し、内部事故があると判定した場合は、出力手段13から該当する回線側の遮断器3に出力を行う。
端子Dおよび端子Eに設置された第2の回線選択保護継電装置5a,5bでも同様の動作を行う。
この場合、端子Cの第2の回線選択保護継電装置5では、図5に示した5端子の2回線併用系統を図2に示すように回線選択保護継電装置4a,4bと第2の回線選択保護継電装置5の3装置で、端子Dの第2の回線選択保護継電装置5aでは、図3に示すように回線選択保護継電装置4a,4bと第2の回線選択保護継電装置5aの3装置で、端子Eの第2の回線選択保護継電装置5bでは、図4に示すように回線選択保護継電装置4a,4bと第2の回線選択保護継電装置5bの3装置で、各々仮想的に3端子の2回線併用系統と捉えて回線選択保護方式による保護を行うことと略同等である。よって、端子近傍の事故が発生した場合でも、5端子分の直列遮断とはならず、3端子分の直列遮断の時間があれば、AからEの全端子において事故回線の遮断ができることとなる。また、地絡事故検出感度面においても、3端子の場合と略同等の電流値にて検出を行うこととなり、地絡事故検出が可能となる。
以上より、第2の回線選択保護継電装置5や5aや5bを所定の端子に設置することで実際の端子数より少ない段数の直列遮断によって事故遮断ができるので、事故除去時間を従来より短縮できる。また、端子数に応じて分流していた電流も第2の回線選択保護継電装置5や5aや5bを所定の端子に設置することで電流を収集、合計して事故検出を行うことができるので、検出感度以上の電流値を得られるようになる。
さらに、既に回線選択保護継電装置にて保護を行っていた送電線に端子増設が行われて回線選択保護継電方式の適用端子数を越えるような場合でも、仮想的な端子数が適用端子数以内となるように第2の回線選択保護継電装置および伝送路を必要最小限の数だけ各端子に設置すれば、残りの端子は既存の回線選択保護継電装置をそのまま使用することができる。
したがって、本実施形態によれば、事故除去時間の制約や検出感度面から従来では適用ができない端子数に対しても適用可能で、既に回線選択保護方式による保護が行われている送電線に端子増設が行われた場合でも保護システム切り換えのコストが抑制できる、2回線多端子併用送電線の回線選択保護継電方式および回線選択保護継電装置を提供することができる。なお、本実施形態では、端子Aに回線選択保護継電装置を設置し、端子Bから端子Eに第2の回線選択保護継電装置を設置してもよい。
上述した実施形態では、各端子で交差電流を演算してから送信するようにしたが、送電線1a,1bの各回線電流を送信して受信側で交差電流を演算するようにしても良い。また、2回線併用送電線の端子数を5端子として述べたが、仮想的に捉えた端子数が所定の時間内に事故除去できるだけの直列遮断段数を満足する限りにおいては、他の端子数においても同様の作用・効果が得られることは明白である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1実施形態に係る回線選択保護継電システムを示した構成図。 本発明の第1実施形態に係る仮想的な端子数の状態を示した構成図。 本発明の第1実施形態に係る仮想的な端子数の状態を示した構成図。 本発明の第1実施形態に係る仮想的な端子数の状態を示した構成図。 本発明の第2の実施形態に係る回線選択保護継電システムを示した構成図。 従来の技術に係る直列遮断を用いた場合を示した構成図。
符号の説明
1a,1b・・・送電線、2・・・変流器(CT)、3,3a,3b・・・遮断器(CB)、4a,4b・・・回線選択保護継電装置、5,5a,5b・・・第2の回線選択保護継電装置、6a,6b・・・端末装置、7a,7b・・・上りの伝送路、8a,8b・・・下りの伝送路、9・・・入力変換器、10・・・アナログフィルタ、11・・・アナログ/ディジタル変換手段、12a,12b,12c・・演算手段、13・・・出力手段、14・・・送信手段、15・・・受信手段、16・・・サンプリング同期制御手段、17・・・伝送路、18・・・電源

Claims (3)

  1. 2回線併用端子数が4端子以上である送電線の回線選択保護継電システムであって、
    前記複数の端子のいずれかの1端子もしくは2端子に第1の回線選択保護継電装置を設置し、残りの端子に自端の電流データを他の端子へ送信する端末装置と、前記端末装置から送られてくる前記他の端子の電流データを受信する機能を備える第2の回線選択保護継電装置とを設置し、
    前記第2の回線選択保護継電装置は、当該第2の回線選択保護継電装置と前記端末装置との電流データを収集、記憶し、前記第2の回線選択保護継電装置と前記端末装置が設置された複数の端子とを1つの端子として仮想的に処理することを特徴とする回線選択保護継電システム。
  2. 2回線併用端子数が4端子以上である送電線の回線選択保護継電システムであって、
    前記複数の端子のいずれかの1端子もしくは2端子に第1の回線選択保護継電装置を設置し、残りの端子に自端の電流データを他の端子へ送信すると共に、前記他の端子の電流データを受信する機能を備える複数の第2の回線選択保護継電装置を配置し、
    前記第2の回線選択保護継電装置は、互いに自装置と他の第2の回線選択保護継電装置の電流データを収集し、記憶し、前記複数の第2の回線選択保護継電装置が設置された複数の端子を1つの端子として仮想的処理することを特徴とする回線選択保護継電システム。
  3. 2回線併用端子数が4端子以上である平行2回線送電線を保護対象とし、前記平行2回線送電線の任意の端子に設置され、前記平行2回線送電線の事故発生有無を検出して所定の出力を行う回線選択保護継電装置であって、
    当該回線選択保護継電装置の自端子の電気量を装置に適した大きさに変換して導入する入力変換手段と、
    導入された電気量から所定の高調波成分を除去するアナログフィルタと、
    前記アナログフィルタにより高調波成分が除去された電気量をサンプリング信号に基づきサンプリングしてアナログ/ディジタル変換を行うアナログ/ディジタル変換手段と、
    前記アナログ/ディジタル変換手段より出力される電気量データを含む前記自端子の情報を出力する送信手段と、
    伝送路で結ばれた他の回線選択保護継電装置から送られてくる他の端子の情報を受信する受信手段と、
    前記送信手段と受信手段より得られる前記自端子および前記他の端子の電流データを合成して複数端子分の電流データを仮想的に1つの端子の電流データとし、事故発生の有無を検出する演算手段と、
    前記演算手段の結果に基づき所定の出力を行う出力手段と、
    前記サンプリング信号を前記自端子の回線選択保護継電装置と前記他の端子の回線選択保護継電装置とで同一タイミングとなるように制御するサンプリング同期制御手段と
    を有することを特徴とした回線選択保護継電装置。
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