JP5288703B2 - 建物の設計方法 - Google Patents
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Description
また、「規格化住宅」などと呼ばれる、外観や間取りがあらかじめ決められている建物も提供されている。
一方、「規格化住宅」などと呼ばれる建物では、躯体の構造が同一であれば構造計算が一度で済むため、効率的な設計が可能であり、また、躯体の構造が同一であれば同一の部材を各戸共通で使用できるため、量産によるコスト削減効果が見込め、さらに、躯体の構造や使用する部材が各戸共通であれば、施工が注文住宅やフリープラン住宅よりも容易であるものの、どの建物も外観や間取りが同じようになってしまい、顧客の多様なニーズに応えることができない。
請求項1記載の発明は、建物の設計方法に係るものであって、構造計算の結果に基づき、建物の外周部分に、耐力壁の設置が必須とされる耐力壁必須設置位置と、耐力壁の設置位置を複数の中から選択できる耐力壁選択設置領域と、耐力壁を設置しなくてもいい耐力壁非設置位置とをあらかじめ設定するとともに、耐力壁選択設置領域内に、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することを特徴とする。
ここで、「構造計算の結果に基づき」とは、現実かつ具体的に行われた構造計算の結果に基づくことと、法規に定められたルールに基づくこととを含むものである。
また、「耐力壁選択設置領域」は、耐力壁の設置位置を複数の中から選択できる領域をいう。また、耐力壁選択設置領域は、一のみ設定してもよく、また、複数設定してもよい。具体的には、例えば、第1耐力壁選択設置領域、第2耐力壁選択設置領域、および第3耐力壁選択設置領域の3つを設定することができる。
また、耐力壁選択設置領域を複数設定した場合にあっては、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置が設定される。具体的には、例えば、第1耐力壁選択設置領域内に、耐力壁設置候補位置1A、耐力壁設置候補位置1B、および耐力壁設置候補位置1Cの3つを設定し、かつ、第2耐力壁選択設置領域内に、耐力壁設置候補位置2A、および耐力壁設置候補位置2Bの2つを設定し、かつ、第3耐力壁選択設置領域内に、耐力壁設置候補位置3A、耐力壁設置候補位置3B、耐力壁設置候補位置3C、および耐力壁設置候補位置3Dの4つを設定することができる。
また、一の耐力壁選択設置領域内に設定される複数の耐力壁設置候補位置は、互いに隣り合うように連続して設定してもよく、また、一定の間隔をあけて互いに離して設定してもよい。具体的には、例えば、横並びに連続して設定した3つの耐力壁設置候補位置から一の耐力壁選択設置領域を構成してもよく、また、一定の間隔をあけて設定した3つの耐力壁設置候補位置から一の耐力壁選択設置領域を構成してもよい。また、例えば、一定の間隔をあけて設定した2つの耐力壁設置候補位置から一の耐力壁選択設置領域を構成する場合にあっては、一方の耐力壁設置候補位置と他方の耐力壁設置候補位置との間に、耐力壁必須設置位置や耐力壁非設置位置を設定してもよい。つまり、一定の間隔をあけて設定した2つの耐力壁設置候補位置の間に、耐力壁必須設置位置や耐力壁非設置位置を設定してもよい。なお、この場合、各耐力壁設置候補位置は、耐力壁の配置のバランスが構造計算によって確かめられている位置に設定されるものである。
また、耐力壁必須設置位置、耐力壁選択設置領域、耐力壁非設置位置、および耐力壁選択設置領域内における複数の耐力壁設置候補位置は、構造計算の結果に基づいて、建物の外周部分に、あらかじめ設定されている。
そして、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置する。
逆に言えば、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置すると、建築基準法上十分な耐震性能を発揮するように、あらかじめ構造計算を行い、その結果に基づいて、耐力壁必須設置位置、耐力壁選択設置領域、耐力壁非設置位置、および耐力壁選択設置領域内における複数の耐力壁設置候補位置を設定している。また、例えば、施主の希望により、建築基準法を上回る耐震性能を発揮するように、耐力壁必須設置位置、耐力壁選択設置領域、耐力壁非設置位置、および耐力壁選択設置領域内における複数の耐力壁設置候補位置を設定することもできる。
また、本発明によれば、一定の範囲内ではあるものの、耐力壁の設置位置を選択できることから、外観や間取りや開口部の配置等の点において、顧客の多様なニーズに応えることができる。
また、本発明によれば、耐力壁必須設置位置に設置する耐力壁の施工方法を各戸共通にでき、また、耐力壁選択設置領域内の耐力壁設置候補位置に設置する耐力壁についても施工方法を各戸共通にできるので、注文住宅やフリープラン住宅よりも施工を容易にできる。
請求項2記載の発明は、建物の設計方法に係るものであって、構造計算の結果に基づき、建物の外周部分、および内壁の設置を想定した部分である内壁設置想定部分に、耐力壁の設置が必須とされる耐力壁必須設置位置と、耐力壁の設置位置を複数の中から選択できる耐力壁選択設置領域と、耐力壁を設置しなくてもいい耐力壁非設置位置とをあらかじめ設定するとともに、耐力壁選択設置領域内に、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することを特徴とする。
またここで、「内壁設置想定部分」は、内壁の設置を想定した部分をいう。
そして、本発明では、あらかじめ構造計算を行い、その結果に基づいて、建物の外周部分、および内壁設置想定部分に、耐力壁必須設置位置、耐力壁選択設置領域、耐力壁非設置位置、および耐力壁選択設置領域内における複数の耐力壁設置候補位置を設定している。
また、例えば、一の耐力壁選択設置領域を、外周部分と内壁設置想定部分とに跨って設定してもよい。具体的には、例えば、一の耐力壁選択設置領域内に、2つの耐力壁設置候補位置を設定し、一方を外周部分に、他方を内壁設置想定部分に配置してもよい。逆に言えば、外周部分に設定した耐力壁設置候補位置と、内壁設置想定部分に設定した耐力壁設置候補位置とから、一の耐力壁選択設置領域を構成してもよい。なお、この場合、各耐力壁設置候補位置は、耐力壁の配置のバランスが構造計算によって確かめられている位置に設定されるものである。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明を限定したものであって、耐力壁選択設置領域を複数設定するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つをそれぞれ選択してこれらに耐力壁をそれぞれ設置することを特徴とする。
そして、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、第1耐力壁選択設置領域内に設定した耐力壁設置候補位置1A、耐力壁設置候補位置1B、および耐力壁設置候補位置1Cの3つの耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置し、かつ、第2耐力壁選択設置領域内に設定した耐力壁設置候補位置2A、および耐力壁設置候補位置2Bの2つの耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置し、かつ、第3耐力壁選択設置領域内に設定した耐力壁設置候補位置3A、耐力壁設置候補位置3B、耐力壁設置候補位置3C、および耐力壁設置候補位置3Dの4つの耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置する。そうすると、建築基準法上十分な耐震性能またはそれ以上の耐震性能を発揮するようにしてある。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明を限定したものであって、水平荷重または垂直荷重に応じて、耐力壁選択設置領域内から選択する耐力壁設置候補位置の数を増加させ、選択した各耐力壁設置候補位置にそれぞれ耐力壁を設置することを特徴とする。
具体的には、例えば、耐力壁選択設置領域内に、耐力壁設置候補位置A、耐力壁設置候補位置B、耐力壁設置候補位置C、および耐力壁設置候補位置Dの4つが設定されている場合にあっては、通常は、耐力壁設置候補位置A、耐力壁設置候補位置B、耐力壁設置候補位置C、および耐力壁設置候補位置Dの4つの中から1つを選択してそこに耐力壁を設置すれば強度的に足りるが、積雪量が多い地域であったり、地震の危険度が高い地域であれば、耐力壁設置候補位置A、耐力壁設置候補位置B、耐力壁設置候補位置C、および耐力壁設置候補位置Dの4つの中から2つ、3つ、あるいは4つすべてを選択してこれらに耐力壁を設置する。そうすると、従来の建物よりも容易に強度を上げることができる。また、住宅の品質確保の促進等に関する法律(いわゆる「品確法」)上の耐震等級や耐風等級や耐積雪等級についても、従来の建物よりも容易に上げることもできる。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3または4記載の発明を限定したものであって、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった位置に、非耐力壁または開口部を設けることを特徴とする。
複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった位置に、非耐力壁または開口部を設けるようにすれば、バリエーションをより一層豊富にできる。
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4または5記載の発明を限定したものであって、耐力壁非設置位置に、非耐力壁または開口部を設けることを特徴とする。
なお、耐力壁非設置位置に、耐力壁を設けるようにすれば、従来の建物よりも容易に強度を上げることができるし、また、品確法上の耐震等級や耐風等級や耐積雪等級についても、従来の建物よりも容易に上げることができる。
(請求項7)
請求項7記載の発明は、請求項1、2、3、4、5または6記載の発明を限定したものであって、建物の外周部分に複数の柱を設置するとともに、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定することを特徴とする。
図1ないし図6は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。
図1は、第1の実施の形態に係る建物の1階の基本プランを示す平面図、図2は、第1の実施の形態に係る建物の2階の基本プランを示す平面図、図3は、第1の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例1−1を示す平面図、図4は、第1の実施の形態に係る建物の2階の間取りのプラン例1−1を示す平面図、図5は、第1の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例1−2を示す平面図、図6は、第1の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例1−3を示す平面図である。
第1の実施の形態に係る建物は、構造計算の結果に基づいて、建物の外周部分に、複数の耐力壁必須設置位置と、複数の耐力壁選択設置領域と、複数の耐力壁非設置位置とがあらかじめ設定されているとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置があらかじめ設定されているものである。そして、複数の耐力壁必須設置位置の各々に所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つをそれぞれ選択してこれらに所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置すると、建築基準法上十分な耐震性能を発揮するようにしているものである。
(1階の基本プラン)
まずは、図1に基づいて、1階の基本プランについて説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態では、建物の1階の外周部分には、耐力壁必須設置位置として、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、第9耐力壁必須設置位置(10-9)、および第10耐力壁必須設置位置(10-10)があらかじめ設定されている。また、耐力壁必須設置位置は、耐力壁の設置が必須とされる位置をいう。つまり、耐力壁必須設置位置は、耐力壁の必須の設置位置をいう。そして、第1の実施の形態では、1階の外周部分については、第1から第10までの10の耐力壁必須設置位置の各々に所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置することとされている。
また、図1に示すように、第1の実施の形態では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)内には、耐力壁設置候補位置として、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)、および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の2つがあらかじめ設定されている。また、耐力壁設置候補位置は、耐力壁の設置の候補とされる位置をいう。つまり、耐力壁設置候補位置は、耐力壁の選択的な設置位置をいう。また、図1に示すように、第1の実施の形態では、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と耐力壁設置候補位置1B(20-1b)とは、互いに隣り合うように連続して設定されている。つまり、図1に示すように、第1の実施の形態では、横並びに連続して設定した耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と耐力壁設置候補位置1B(20-1b)との2つから、第1耐力壁選択設置領域(20-1)が構成されている。そして、第1の実施の形態では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)、および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の2つの中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することとされている。したがって、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の双方に耐力壁を設置するようにしてもよい。
また、図1に示すように、第1の実施の形態では、建物の1階の外周部分を、平面視矩形としている。また、図1に示すように、第1の実施の形態では、外周部分のいずれかの対向する二辺と平行に、かつ、外周部分の内側を二分するように、基準線(40)を設定している。
また、図1に示すように、第1の実施の形態では、1階の室内における基準線(40)上の所定位置に、2本の柱を設置している。
さらに、図1に示すように、第1の実施の形態では、外周部分と基準線(40)との両交点にそれぞれ柱を設置し、これらの柱が耐力壁必須設置位置に隣接する柱となるように、耐力壁必須設置位置を設定している。
そして、第1の実施の形態では、基準線(40)に沿って大梁を設置し、この大梁の両端を、外周部分と基準線(40)との両交点にそれぞれ設置した2本の柱で支持させるとともに、この大梁の途中を、1階の室内における基準線(40)上の所定位置に設置した2本の柱で支持させるようにしている。
次に、図2に基づいて、2階の基本プランについて説明する。
図2に示すように、第1の実施の形態では、建物の2階の外周部分には、耐力壁必須設置位置として、第11耐力壁必須設置位置(10-11)、第12耐力壁必須設置位置(10-12)、第13耐力壁必須設置位置(10-13)、第14耐力壁必須設置位置(10-14)、第15耐力壁必須設置位置(10-15)、第16耐力壁必須設置位置(10-16)、第17耐力壁必須設置位置(10-17)、第18耐力壁必須設置位置(10-18)、および第19耐力壁必須設置位置(10-19)の9つがあらかじめ設定されている。そして、第1の実施の形態では、2階の外周部分については、第11から第19までの9つの耐力壁必須設置位置の各々に所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置することとされている。
また、図2に示すように、第1の実施の形態では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)内には、耐力壁設置候補位置として、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)、および耐力壁設置候補位置3C(20-3c)の3つがあらかじめ設定されている。また、図2に示すように、第1の実施の形態では、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)と耐力壁設置候補位置3B(20-3b)とは、互いに隣り合うように連続して設定されているが、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)とについては、一定の間隔をあけて互いに離して設定されている。そして、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との間には、第9耐力壁非設置位置(30-9)および第10耐力壁非設置位置(30-10)の2つが設定されている。つまり、図2に示すように、第1の実施の形態では、横並びに連続して設定した耐力壁設置候補位置3A(20-3a)および耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と、これらとは一定の間隔をあけて設定した耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との3つから、第3耐力壁選択設置領域(20-3)が構成されている。そして、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との間に、第9耐力壁非設置位置(30-9)と第10耐力壁非設置位置(30-10)とを設定している。そして、第1の実施の形態では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)、および耐力壁設置候補位置3C(20-3c)の3つの中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することとされている。したがって、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3C(20-3c)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)と耐力壁設置候補位置3B(20-3b)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)と耐力壁設置候補位置3B(20-3b)と耐力壁設置候補位置3C(20-3c)との3つすべてに耐力壁を設置するようにしてもよい。
また、図2に示すように、第1の実施の形態では、建物の2階の外周部分には、複数の柱を設置している。そして、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定している。
また、図2に示すように、第1の実施の形態では、1階と同じ位置に、具体的には、建物の外周部分の一辺から1850mmの距離の位置に、基準線(40)を設定している。
また、図2に示すように、第1の実施の形態では、2階の室内における基準線(40)上の所定位置に、2本の柱を設置している。上述したように、基準線(40)に沿って大梁が設置されるが、2階の室内に設置されるこれら2本の柱は、大梁の上に設置されるものである。
(プラン例1−1)
(1階の間取り)
図3に示すように、プラン例1−1では、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、第9耐力壁必須設置位置(10-9)、および第10耐力壁必須設置位置(10-10)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図3に示すように、プラン例1−1では、第2耐力壁選択設置領域(20-2)については、耐力壁設置候補位置2B(20-2b)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置2A(20-2a)には、耐力壁を設置しておらず、玄関ドアを設けている。つまり、プラン例1−1では、第2耐力壁選択設置領域(20-2)については、耐力壁設置候補位置2B(20-2b)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例1−1では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置2A(20-2a)に、開口部としての玄関ドアを設けている。
また、図示していないが、プラン例1−1では、階段の桁部材の上端部を、大梁に支持させている。
また、図3に示すように、プラン例1−1では、外周部分の一辺と基準線とで囲まれる空間に、水周りを設置している。具体的には、図3に示すように、第1耐力壁必須設置位置(10-1)および第1耐力壁非設置位置(30-1)と基準線(40)との間に、水周りとしてのユニットバスを設置し、また、第1耐力壁非設置位置(30-1)および第2耐力壁必須設置位置(10-2)と基準線(40)との間に、水周りとしての洗面スペースを設置し、また、第2耐力壁非設置位置(30-2)と基準線(40)との間に、水周りとしてのトイレを設置している。
図4に示すように、プラン例1−1では、第11耐力壁必須設置位置(10-11)、第12耐力壁必須設置位置(10-12)、第13耐力壁必須設置位置(10-13)、第14耐力壁必須設置位置(10-14)、第15耐力壁必須設置位置(10-15)、第16耐力壁必須設置位置(10-16)、第17耐力壁必須設置位置(10-17)、第18耐力壁必須設置位置(10-18)、および第19耐力壁必須設置位置(10-19)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図4に示すように、プラン例1−1では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3C(20-3c)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)には、耐力壁を設置しておらず、窓と非耐力壁とを設けている。また、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)には、耐力壁を設置しておらず、中央に窓を設けるとともに、この窓の両側にはそれぞれ小さな非耐力壁を設けている。つまり、プラン例1−1では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3C(20-1c)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例1−1では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置3A(20-3a)には、非耐力壁と開口部としての窓とを設けており、また、同じく耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置3B(20-3b)にも、非耐力壁と開口部としての窓とを設けている。
図5は、第1の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例1−2を示す平面図である。
プラン例1−2は、第1耐力壁選択設置領域(20-1)内および第2耐力壁選択設置領域(20-2)内における耐力壁の設置位置、並びに1階の間取りが、プラン例1−1とは異なるものである。
また、プラン例1−2は、1階の基本プラン、2階の基本プラン、および2階の間取りについては、プラン例1−1と同様である。
図5に示すように、プラン例1−2では、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、第9耐力壁必須設置位置(10-9)、および第10耐力壁必須設置位置(10-10)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図5に示すように、プラン例1−2では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)には、耐力壁を設置しておらず、窓を設けている。つまり、プラン例1−2では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例1−2では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置1A(20-1a)には、開口部としての窓を設けている。
また、図示していないが、プラン例1−2では、階段の桁部材の上端部を、大梁に支持させている。
また、図5に示すように、プラン例1−2では、外周部分の一辺と基準線とで囲まれる空間に、水周りを設置している。具体的には、図5に示すように、第2耐力壁非設置位置(30-2)と基準線(40)との間に、水周りとしてのユニットバスを設置し、また、第3耐力壁非設置位置(30-3)および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)と基準線(40)との間に、水周りとしての洗面スペースを設置し、また、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と基準線(40)との間に、水周りとしてのトイレを設置している。
図6は、第1の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例1−3を示す平面図である。
プラン例1−3は、第1耐力壁選択設置領域(20-1)内および第2耐力壁選択設置領域(20-2)内における耐力壁の設置位置については、プラン例1−1と同じで、1階の間取りのみが、プラン例1−1とは異なるものである。
また、プラン例1−3は、1階の基本プラン、2階の基本プラン、および2階の間取りについては、プラン例1−1と同様である。
図6に示すように、プラン例1−3では、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、第9耐力壁必須設置位置(10-9)、および第10耐力壁必須設置位置(10-10)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図6に示すように、プラン例1−3では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)には、耐力壁を設置しておらず、窓を設けている。つまり、プラン例1−3では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例1−3では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置1B(20-1b)には、開口部としての窓を設けている。
また、図6に示すように、プラン例1−3では、第1耐力壁非設置位置(30-1)には、非耐力壁を設け、また、第2耐力壁非設置位置(30-2)には、非耐力壁と開口部としての窓とを設け、また、第3耐力壁非設置位置(30-3)には、開口部としての窓を設け、また、第4耐力壁非設置位置(30-4)には、開口部としての玄関ドアを設け、また、第5耐力壁非設置位置(30-5)には、大きな開口部を設けるとともに、この開口部を開閉する扉を設け、また、第6耐力壁非設置位置(30-6)には、開口部としての窓を設け、また、第7耐力壁非設置位置(30-7)には、非耐力壁と開口部としての窓とを設け、また、第8耐力壁非設置位置(30-8)には、開口部としての窓を設けている。
また、図示していないが、プラン例1−3では、階段の桁部材の上端部を、大梁に支持させている。
また、図6に示すように、プラン例1−3では、外周部分の一辺と基準線とで囲まれる空間に、水周りを設置している。具体的には、図6に示すように、第2耐力壁非設置位置(30-2)と基準線(40)との間に、水周りとしてのトイレを設置し、また、第2耐力壁非設置位置(30-2)および第3耐力壁非設置位置(30-3)と基準線(40)との間に、水周りとしての洗面スペースを設置し、また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)および耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と基準線(40)との間に、水周りとしてのユニットバスを設置している。
また、第1の実施の形態では、一定の範囲内ではあるものの、耐力壁の設置位置を選択できることから、外観や間取りや開口部の配置等の点において、顧客の多様なニーズに応えることができる。
また、第1の実施の形態では、耐力壁必須設置位置に設置する耐力壁の施工方法を各戸共通にでき、また、耐力壁選択設置領域内の耐力壁設置候補位置に設置する耐力壁についても施工方法を各戸共通にできるので、注文住宅やフリープラン住宅よりも施工を容易にできる。
また、第1の実施の形態では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった位置に、非耐力壁または開口部を設けるようにしている。このため、バリエーションが豊富である。
また、第1の実施の形態では、建物の外周部分に複数の柱を設置するとともに、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定している。このため、耐力壁や開口部などの施工が容易である。
また、第1の実施の形態では、建物の外周部分を、平面視矩形としている。また、外周部分のいずれかの対向する二辺と平行に、かつ、外周部分の内側を二分するように、基準線(40)を設定している。さらに、外周部分と基準線(40)との両交点にそれぞれ柱を設置し、これらの柱が耐力壁必須設置位置に隣接する柱となるように、耐力壁必須設置位置を設定している。そして、これらの柱に両端を支持させた大梁を基準線(40)に沿って設置している。このため、大梁で2階の床や屋根などを支えやすく、また、大梁の下に間仕切り壁を設置しやすく、また、水周りや階段などの位置を決めやすく、さらに、大梁によって建物全体の強度がより一層高められる。
また、第1の実施の形態では、外周部分の一辺と基準線(40)とで囲まれる空間に、ユニットバスや洗面スペースやトイレなどの水周りを設置するようにしている。このため、水周りの設置が容易であり、また、建物内部の空間を有効に利用できる。
なお、水平荷重または垂直荷重に応じて、耐力壁選択設置領域内から選択する耐力壁設置候補位置の数を増加させ、選択した各耐力壁設置候補位置にそれぞれ耐力壁を設置するようにしてもよい。積雪量が多い地域であったり、地震の危険度が高い地域であれば、複数の耐力壁設置候補位置の中から、1のみではなく、2以上を選択して、これらに所定倍率の耐力壁を設置することができる。
また、耐力壁非設置位置に、非耐力壁や開口部ではなく、耐力壁を設けてもよい。このようにしても、従来の建物よりも容易に強度を上げることができる。また、品確法上の耐震等級や耐風等級や耐積雪等級についても、従来の建物よりも容易に上げることができる。
図7ないし図11は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。
図7は、第2の実施の形態に係る建物の1階の基本プランを示す平面図、図8は、第2の実施の形態に係る建物の2階の基本プランを示す平面図、図9は、第2の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例2−1を示す平面図、図10は、第2の実施の形態に係る建物の2階の間取りのプラン例2−1を示す平面図、図11は、第2の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例2−2を示す平面図である。
(建物)
第2の実施の形態に係る建物は、構造計算の結果に基づいて、建物の外周部分、および内壁の設置を想定した部分である内壁設置想定部分に、複数の耐力壁必須設置位置と、複数の耐力壁選択設置領域と、複数の耐力壁非設置位置とがあらかじめ設定されているとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置があらかじめ設定されているものである。そして、複数の耐力壁必須設置位置の各々に所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つをそれぞれ選択してこれらに所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置すると、建築基準法上十分な耐震性能を発揮するようにしているものである。
(1階の基本プラン)
まずは、図7に基づいて、1階の基本プランについて説明する。
図7に示すように、第2の実施の形態では、建物の1階の外周部分には、耐力壁必須設置位置として、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、および第9耐力壁必須設置位置(10-9)があらかじめ設定されている。そして、第2の実施の形態では、1階の外周部分については、第1から第9までの9つの耐力壁必須設置位置の各々に所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置することとされている。
また、図7に示すように、第2の実施の形態では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)内には、耐力壁設置候補位置として、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)、および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の2つがあらかじめ設定されている。また、図7に示すように、第2の実施の形態では、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と耐力壁設置候補位置1B(20-1b)とは、互いに隣り合うように連続して設定されている。つまり、図7に示すように、第2の実施の形態では、横並びに連続して設定した耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と耐力壁設置候補位置1B(20-1b)との2つから、第1耐力壁選択設置領域(20-1)が構成されている。そして、第2の実施の形態では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)、および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の2つの中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することとされている。したがって、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)の双方に耐力壁を設置するようにしてもよい。
また、図7に示すように、第2の実施の形態では、建物の1階の外周部分には、複数の柱を設置している。そして、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定している。
また、第2の実施の形態では、建物の1階の外周部分の一辺と基準線との間の距離は、1850mmとしてある。
また、図7に示すように、第2の実施の形態では、1階の室内における基準線(40)上の所定位置に、2本の柱を設置している。
そして、第2の実施の形態では、基準線(40)に沿って大梁を設置し、この大梁の両端を、外周部分と基準線(40)との両交点にそれぞれ設置した2本の柱で支持させるとともに、この大梁の途中を、1階の室内における基準線(40)上の所定位置に設置した2本の柱で支持させるようにしている。
(2階の基本プラン)
次に、図8に基づいて、2階の基本プランについて説明する。
また、図8に示すように、第2の実施の形態では、第4耐力壁選択設置領域(20-4)内には、耐力壁設置候補位置として、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)、および耐力壁設置候補位置4C(20-4c)の3つがあらかじめ設定されている。また、図8に示すように、第2の実施の形態では、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)と耐力壁設置候補位置4B(20-4b)とは、互いに隣り合うように連続して設定されているが、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)とについては、一定の間隔をあけて互いに離して設定されている。そして、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との間には、第9耐力壁非設置位置(30-9)および第10耐力壁非設置位置(30-10)の2つが設定されている。つまり、図8に示すように、第2の実施の形態では、横並びに連続して設定した耐力壁設置候補位置4A(20-4a)および耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と、これらとは一定の間隔をあけて設定した耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との3つから、第4耐力壁選択設置領域(20-4)が構成されている。そして、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との間に、第9耐力壁非設置位置(30-9)と第10耐力壁非設置位置(30-10)とを設定している。そして、第2の実施の形態では、第4耐力壁選択設置領域(20-4)については、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)、および耐力壁設置候補位置4C(20-4c)の3つの中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することとされている。したがって、第4耐力壁選択設置領域(20-4)については、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4C(20-4c)にのみ耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)と耐力壁設置候補位置4B(20-4b)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との2つに耐力壁を設置するようにしてもよく、また、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)と耐力壁設置候補位置4B(20-4b)と耐力壁設置候補位置4C(20-4c)との3つすべてに耐力壁を設置するようにしてもよい。
また、図8に示すように、第2の実施の形態では、建物の2階の外周部分には、複数の柱を設置している。そして、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定している。
また、図8に示すように、第2の実施の形態では、1階と同じ位置に、具体的には、建物の外周部分の一辺から1850mmの距離の位置に、基準線(40)を設定している。
また、図8に示すように、第2の実施の形態では、2階の室内における基準線(40)上の所定位置に、2本の柱を設置している。上述したように、基準線(40)に沿って大梁が設置されるが、2階の室内に設置されるこれら2本の柱は、大梁の上に設置されるものである。
(プラン例2−1)
(1階の間取り)
図9に示すように、プラン例2−1では、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、および第9耐力壁必須設置位置(10-9)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図9に示すように、プラン例2−1では、第2耐力壁選択設置領域(20-2)については、耐力壁設置候補位置2A(20-2a)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置2B(20-2b)には、耐力壁を設置しておらず、非耐力壁と窓とを設けている。つまり、プラン例2−1では、第2耐力壁選択設置領域(20-2)については、耐力壁設置候補位置2A(20-2a)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例2−1では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置2B(20-2b)には、非耐力壁と開口部としての窓とを設けている。
また、図示していないが、プラン例2−1では、階段の桁部材の上端部を、大梁に支持させている。
また、図9に示すように、プラン例2−1では、外周部分の一辺と基準線とで囲まれる空間に、水周りを設置している。具体的には、図9に示すように、第2耐力壁非設置位置(30-2)と基準線(40)との間に、水周りとしてのユニットバスを設置し、また、第3耐力壁非設置位置(30-3)および耐力壁設置候補位置1B(20-1b)と基準線(40)との間に、水周りとしての洗面スペースを設置し、また、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と基準線(40)との間に、水周りとしてのトイレを設置している。
図10に示すように、プラン例2−1では、第10耐力壁必須設置位置(10-10)、第11耐力壁必須設置位置(10-11)、第12耐力壁必須設置位置(10-12)、第13耐力壁必須設置位置(10-13)、第14耐力壁必須設置位置(10-14)、第15耐力壁必須設置位置(10-15)、第16耐力壁必須設置位置(10-16)、第17耐力壁必須設置位置(10-17)、および第18耐力壁必須設置位置(10-18)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図10に示すように、プラン例2−1では、第4耐力壁選択設置領域(20-4)については、耐力壁設置候補位置4C(20-4c)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置4A(20-4a)には、耐力壁を設置しておらず、非耐力壁と窓とを設けている。また、耐力壁設置候補位置4B(20-4b)には、耐力壁を設置しておらず、中央に窓を設けるとともに、この窓の両側にはそれぞれ小さな非耐力壁を設けている。つまり、プラン例2−1では、第4耐力壁選択設置領域(20-4)については、耐力壁設置候補位置4C(20-4c)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例2−1では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置4A(20-4a)には、非耐力壁と開口部としての窓とを設けており、また、同じく耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置4B(20-4b)にも、非耐力壁と開口部としての窓とを設けている。
図11は、第2の実施の形態に係る建物の1階の間取りのプラン例2−2を示す平面図である。
プラン例2−2は、第1耐力壁選択設置領域(20-1)内、第2耐力壁選択設置領域(20-2)内、および第3耐力壁選択設置領域(20-3)内における耐力壁の設置位置、並びに1階の間取りが、プラン例2−1とは異なるものである。
また、プラン例2−2は、1階の基本プラン、2階の基本プラン、および2階の間取りについては、プラン例2−1と同様である。
図11に示すように、プラン例2−2では、第1耐力壁必須設置位置(10-1)、第2耐力壁必須設置位置(10-2)、第3耐力壁必須設置位置(10-3)、第4耐力壁必須設置位置(10-4)、第5耐力壁必須設置位置(10-5)、第6耐力壁必須設置位置(10-6)、第7耐力壁必須設置位置(10-7)、第8耐力壁必須設置位置(10-8)、および第9耐力壁必須設置位置(10-9)の各々に、所定倍率の耐力壁をそれぞれ設置している。
また、図11に示すように、プラン例2−2では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)には、耐力壁を設置しておらず、窓を設けている。つまり、プラン例2−2では、第1耐力壁選択設置領域(20-1)については、耐力壁設置候補位置1A(20-1a)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例2−2では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置1B(20-1b)には、開口部としての窓を設けている。
また、図11に示すように、プラン例2−2では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)を選択して、そこに所定倍率の耐力壁を設置している。また、耐力壁設置候補位置3A(20-3a)には、耐力壁を設置していない。つまり、プラン例2−2では、第3耐力壁選択設置領域(20-3)については、耐力壁設置候補位置3B(20-3b)にのみ、耐力壁を設置している。そして、プラン例2−2では、複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった耐力壁設置候補位置3A(20-3a)には、何も設けていない。
また、図示していないが、プラン例2−2では、階段の桁部材の上端部を、大梁に支持させている。
また、図11に示すように、プラン例2−2では、外周部分の一辺と基準線とで囲まれる空間に、水周りを設置している。具体的には、図11に示すように、第2耐力壁非設置位置(30-2)と基準線(40)との間に、水周りとしてのトイレを設置し、また、第2耐力壁非設置位置(30-2)および第3耐力壁非設置位置(30-3)と基準線(40)との間に、水周りとしての洗面スペースを設置し、また、耐力壁設置候補位置1B(20-1b)および耐力壁設置候補位置1A(20-1a)と基準線(40)との間に、水周りとしてのユニットバスを設置している。
また、他の作用・効果については、第1の実施の形態と同様である。
10-3 第3耐力壁必須設置位置 10-4 第4耐力壁必須設置位置
10-5 第5耐力壁必須設置位置 10-6 第6耐力壁必須設置位置
10-7 第7耐力壁必須設置位置 10-8 第8耐力壁必須設置位置
10-9 第9耐力壁必須設置位置 10-10 第10耐力壁必須設置位置
10-11 第11耐力壁必須設置位置 10-12 第12耐力壁必須設置位置
10-13 第13耐力壁必須設置位置 10-14 第14耐力壁必須設置位置
10-15 第15耐力壁必須設置位置 10-16 第16耐力壁必須設置位置
10-17 第17耐力壁必須設置位置 10-18 第18耐力壁必須設置位置
10-19 第19耐力壁必須設置位置
20-1 第1耐力壁選択設置領域 20-2 第2耐力壁選択設置領域
20-3 第3耐力壁選択設置領域 20-4 第4耐力壁選択設置領域
20-5 第5耐力壁選択設置領域
20-1a 耐力壁設置候補位置1A 20-1b 耐力壁設置候補位置1B
20-2a 耐力壁設置候補位置2A 20-2b 耐力壁設置候補位置2B
20-3a 耐力壁設置候補位置3A 20-3b 耐力壁設置候補位置3B
20-3c 耐力壁設置候補位置3C 20-4a 耐力壁設置候補位置4A
20-4b 耐力壁設置候補位置4B 20-4c 耐力壁設置候補位置4C
20-4d 耐力壁設置候補位置4D 20-5a 耐力壁設置候補位置5A
20-5b 耐力壁設置候補位置5B 20-5c 耐力壁設置候補位置5C
20-5d 耐力壁設置候補位置5D
30-1 第1耐力壁非設置位置 30-2 第2耐力壁非設置位置
30-3 第3耐力壁非設置位置 30-4 第4耐力壁非設置位置
30-5 第5耐力壁非設置位置 30-6 第6耐力壁非設置位置
30-7 第7耐力壁非設置位置 30-8 第8耐力壁非設置位置
30-9 第9耐力壁非設置位置 30-10 第10耐力壁非設置位置
30-11 第11耐力壁非設置位置 30-12 第12耐力壁非設置位置
30-13 第13耐力壁非設置位置 30-14 第14耐力壁非設置位置
30-15 第15耐力壁非設置位置
40 基準線
Claims (7)
- 構造計算の結果に基づき、建物の外周部分に、耐力壁の設置が必須とされる耐力壁必須設置位置と、耐力壁の設置位置を複数の中から選択できる耐力壁選択設置領域と、耐力壁を設置しなくてもいい耐力壁非設置位置とをあらかじめ設定するとともに、耐力壁選択設置領域内に、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することを特徴とする建物の設計方法。
- 構造計算の結果に基づき、建物の外周部分、および内壁の設置を想定した部分である内壁設置想定部分に、耐力壁の設置が必須とされる耐力壁必須設置位置と、耐力壁の設置位置を複数の中から選択できる耐力壁選択設置領域と、耐力壁を設置しなくてもいい耐力壁非設置位置とをあらかじめ設定するとともに、耐力壁選択設置領域内に、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つを選択してそこに耐力壁を設置することを特徴とする建物の設計方法。
- 耐力壁選択設置領域を複数設定するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置をあらかじめ設定し、耐力壁必須設置位置に耐力壁を設置するとともに、複数の耐力壁選択設置領域の各々について、複数の耐力壁設置候補位置の中から少なくとも一つをそれぞれ選択してこれらに耐力壁をそれぞれ設置することを特徴とする請求項1または2記載の建物の設計方法。
- 水平荷重または垂直荷重に応じて、耐力壁選択設置領域内から選択する耐力壁設置候補位置の数を増加させ、選択した各耐力壁設置候補位置にそれぞれ耐力壁を設置することを特徴とする請求項1、2または3記載の建物の設計方法。
- 複数の耐力壁設置候補位置のうち、耐力壁を設置しなかった位置に、非耐力壁または開口部を設けることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の建物の設計方法。
- 耐力壁非設置位置に、非耐力壁または開口部を設けることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の建物の設計方法。
- 建物の外周部分に複数の柱を設置するとともに、建物の外周部分における隣り合う二本の柱の間の各々を、耐力壁必須設置位置、耐力壁設置候補位置、または耐力壁非設置位置のいずれかとして設定することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の建物の設計方法。
Priority Applications (1)
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JP2006335901A JP5288703B2 (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | 建物の設計方法 |
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