JP5288393B2 - 免震建物 - Google Patents

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Description

本発明は、免震建物に関する。
一般的に、免震建物は、基礎スラブの上に免震支承を介して建物重量を支えて成る(特許文献1)。ここで、上部構造のスラブを、上部構造の柱の支配面積に分けて、各支配面積毎に(好ましくは柱の真下に)免震支承を設置することは公知である(特許文献2)。また免震支承として、剛性の小さいもの(積層ゴム免震支承など)と剛性の大きいもの(滑り支承など)とがあり、これら2種類の免震支承を、1つの建物内で使い分けることも従来公知である(特許文献2)。通常の建物では、中心部の柱には周辺部の柱よりも大きな軸力が作用するため、建物の中心部には剛性の大きいものを、建物の周辺部には剛性の小さいものを使うことが好適である。このようにすることで、全ての免震支承を積層ゴム材料で形成した免震建物に比べて免震性能も向上する。
特開平08−184213号 特開2006−161436号 特開2001−349376号 特開平10−37519号
特許文献2の免震建物では、免震支承と上部構造との間で軸力の分担を設計している。しかしながら、建物は基礎構造と支承と上部構造とからなり、支承の軸力を基礎構造が支えきれないと、本願図7に示すように建物の基礎スラブや床スラブの中心部が周辺部に比べて下降してしまう可能性がある。
また基礎構造の下降のことは別にしても、弾性体を含む積層ゴム免震支承と殆ど弾性変形しない滑り支承などとでは、剛性に大きな差があり、単純に外側に積層ゴム免震支承を、外側に滑り支承を配置したとすれば、滑り支承の剛性が強すぎ、場合によっては(或いは場所によっては)、通常とは逆に基礎スラブや床スラブの周辺部が中央部に比べて下降するようなことになりかねない。
床レベルが不均一になると次のようなデメリットを生じる。
(a)柱・梁・耐震壁などの一部に応力が集中して、ひび割れなどを生ずる。
(b)主要構造体に過度な応力が生ずるので、主要構造体の断面を大きく、もしくは鉄筋量を多くする必要が生ずる。
(c)施工の進捗に伴う鉛直変形の不均一により、施工段階で建物の傾きなどへの対策が必要となる場合があり、そうなると建築コストが増加する。
(d)また建物階高さや仕上げ寸法なども均一化できず、ローコスト化を図れない。
(e)さらに上部構造の多くの部分に不均一が生じ、これに対応するために施工性が悪くなり、工程が長期化する。
こうした点に配慮して特許文献2では、滑り支承上方の柱の一部を切断して、この切断箇所に垂直剛性を弱めるための調整手段を介在させることを提案している。しかし、これでは施工が面倒になる可能性がある。
本発明は、上部構造の不均一化による問題点を解決するために、基礎構造として杭基礎を採用し、杭と免震支承とで連成ばねの剛性を調整することで、建物下層の任意階の床レベルが一定となる高品質の免震建物を低コストで提案することを目的とする。
第1の手段は、
基礎構造の上に複数の免震支承を介して上部構造を支えてなる免震建物において、
基礎構造2を、複数の杭6を埋設した杭基礎と、それら複数の杭6に亘って各杭の杭頭に設置した基礎スラブ(8)又は基礎梁とで構成するとともに、
各杭真上の基礎スラブ部分上面又は基礎梁部分上面と上部構造12の底部との間に免震支承10を挿入して、上下方向に連なるこれら杭6と免震支承10とを組み合わせて連成ばねを構成し、
各連成ばねの杭の鉛直剛性をK、そのばねの免震支承10の鉛直剛性をKとするとともに、各免震支承10が支える柱の長期軸力をNとするとき、
N(K −1+K −1)が全ての連成ばねにおいてほぼ一定となるようにすることで、上部構造12の自重に抗して上部構造の任意の階の床レベルを均一化するように構成している。
本手段では、杭と免震支承との連成ばねの鉛直剛性を調整して、建物の床レベルを均一化することができる。その床レベルとは、必ずしも建物の最下階の床とは限らない。建物の設計方法として、杭と免震支承と柱とを連成ばねとして捉えることもあり得ると推定されるが、本発明では、連成ばねの概念を利用して建物の任意の床をフラットにする(床レベルを均一化する)点、及び、鉛直剛性に関して性質の異なる杭基礎と免震支承とを組み合わせて免震建物の好適な設計を提案する点を特長とする。
床のレベルを均一化するための条件は、上部構造の底面の外周部を支える連成ばねの免震支承の鉛直変形をδ、杭地盤の鉛直変形をδとし、上部構造の底面の内周部を支える連成ばねの免震支承の鉛直変形をδ、杭地盤の鉛直変形をδとすると、δδδδであることである。一般に変形と力と剛性との関係はδ=N/Kであるから、この条件は結局次式のように表わされる。但し、Nは上部構造の底面外周部を支える連成ばねに作用する力、はその連成ばねの免震支承の鉛直剛性、はその連成ばねの杭の鉛直剛性、Nは上部構造の底面内周部を支える連成ばねに作用する力、はその連成ばねの免震支承の鉛直剛性、はその連成ばねの杭の鉛直剛性である。
[数式1] N+N≒N+N
尚、最下階からn番目の階の床のレベルを均一化するときには、i階(1…i…n)の外周部と内周部との変形の差をΔδとすると、次式のようにすればよい。
[数式2] δδ−Σ Δδδδ(n≧1)
又、数式1から連成ばねの剛性Kcは、Kc−1=K −1+/K −1となり、この式から例えば杭地盤の剛性がK→K+dKと増加したときの連成ばねの剛性の変分は次式のようになる(dKについても同様の式が得られる)。
[数式3] dKc≒{K/(K+K)}dK
「床レベルの均一化」とは、予め設計された形状から意図しない変形を生ずることをいうものとする。
「免震支承」とは、免震機能を備えた支承であり、少なくとも上部構造の主要な柱の支配面積毎に1つの免震支承を設けることが望ましい。尚、「支配面積」とは、各柱が荷重を負担する床の範囲であり、一般的には図4に示す如く隣接する柱同士の中間点を結んで得られる。免震支承には低鉛直剛性のタイプと高鉛直剛性のタイプとがある。低鉛直剛性のタイプは、積層ゴム免震支承の様に弾性材料を主部材とするものである。水平方向への揺動を可能とするために厚い弾性材を重ねているので、鉛直方向の剛性が小さい。高鉛直剛性のタイプは、弾性滑り支承や転がり支承などであって、弾性材料は僅かしか使われていないか全く使われていないので、鉛直剛性が大きい。1例として示すと、低鉛直剛性のタイプの鉛直剛性は、5,350kN/mmであり、他方、高い剛性の高いタイプの鉛直剛性は、36,200kN/mmである。免震支承の種類を代える代わりに支配面積当りの免震支承の数を増やすことも可能であるが、その種類を代えるにせよ数を増やすにせよ、鉛直剛性は離散的にしか変更できない。
「杭」は、地盤との関係で鉛直剛性を発揮し、その剛性を連続量として増減することができるという特性を有する。杭地盤の剛性は、杭と地盤との結合部分の剛性の増減により調整できる。その剛性を増加する方法としては、(a)杭を短く又は断面積を大きくする、(b)杭の回りに突起などを設けて摩擦ばねを大きくする、(c)杭と免震支承との間の基礎梁又はマットスラブを厚くする、(d)直接基礎の場合にはフーチングを大きくするなどがある。剛性を減少する方法として、(e)杭を長く又は断面積を小さくする、(f)杭の外周面に摩擦の少ない素材を巻いて摩擦ばねを減らし(フリクションカット)、或いは地盤との縁切りを行う、(g)杭頭に鉛直剛性減少機構などを設ける、などがある。
「連成ばね」は、少なくとも杭と免震支承とを組み合わせてなる。杭と免震支承と杭との組み合わせとしては、図6に示すように(A)1本の杭に対して1個の免震支承、(B)複数の杭に対して1個の免震支承、(C)1本の杭に対して複数の免震支承、(D)複数の杭に対して複数の免震支承の組み合わせが考えられる。また杭及び免震支承の他に、必要であれば例えば剛性減衰手段を適所に設けてもよい。連成ばねを設計するときには、積層ゴム免震支承で上部構造を支えた一般の免震装置において、柱の軸力の大きい支配面積を支える支承を、弾性滑り支承や転がり支承のように剛性の高いタイプに置き換える。即ち、免震支承は、軸力の大きい場所(通常は建物の中心部)に高い剛性を加算するときに用いる要素である。しかし2種類の免震支承の剛性の差は大きいので、必要とされる以上に置き換え後の剛性が大きくなってしまうことがある。その場合には、既述数式3によれば、軸力の大きい場所の杭地盤剛性を低減させればよいことが判る。具体的には杭の外周面と土壌との間で前述のフリクションカットなどを行うことができる。もちろん置き換えてもなお剛性が足りなければ、杭の外周面と土壌との摩擦を高めることもある。つまり、杭地盤は、剛性の加算するための要素ともなれば、減算するための要素ともなる。特許文献2の剛性調整手段も剛性減算要素であるとも言えるが、本願発明の杭基盤では鉛直剛性を連続量として調整することができ、剛性を増減して微調整する要素として特に好適である。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
建物の外周側を支える各連成ばねの免震支承10の鉛直剛性を、建物内周側を支える連成ばねの免震支承10の鉛直剛性より小とするとともに、両連成ばねの鉛直変形が等しくなるように各連成ばねに係る杭地盤の鉛直剛性を調整している。
本手段では、連成ばねの免震支承と杭とのうち、まず免震支承によって、建物の中心部及び外周部との間の軸力差に対応し、杭によってさらに調整することを明らかにしたものである。例えば上部構造の柱を等間隔に設置した場合に、図4に示す平面図矩形の建物では、中心部と各辺中間部と角部とでは支配面積に応じておおよそ4:2:1になるものと推定される。仮に各免震支承の構造が同じであるとして、軸力の差に杭の長短その他の設計変更で対応するとすれば、建物の中心部を支える杭に比べて建物外周部を支える杭を非常に長くしなければならず、杭の運搬の手数などを考えると現実的ではない。逆に建物外周部を支える杭に比べて内周部を支える杭を短くすることも考えられるが、極端に短くするとその杭を省略するのと同じことになり、杭基礎の支持力を低下させる。これに対して、本発明の場合には、連成ばねに要求される鉛直変形のうち相当の部分を免震支承に分担させることができるので、支持力を十分確保しながら残りの変形分を杭基礎に負担させることができる。
「建物の外周側」及び「建物の内周側」という用語は、連成ばね相互の相対的な位置関係を示している。図1の例では横断図で4本の柱が並んでおり、内の2本の支配面積は内周部(又は中心部)であり、外の2本の支配面積は外周部である。しかしながら必ずしも最も外側の柱の支配面積を「建物の外周」と限定しなくてもよい。この点に関しては、第3の手段でさらに詳しく述べる。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上部構造の底部を形成する床スラブ14の中心部又は内周部を支える免震支承10を滑り支承又は転がり支承とし、上記床スラブ14の外周部を形成する免震支承10を積層ゴム免震支承としている。
このような構成とすることで、建物の中心部又は内周部と外周部との柱の軸力の差をうまく解消することができる。「滑り支承」には、弾性滑り支承及び剛滑り支承の双方が含まれる。滑り支承は大荷重まで支持することができ、また転がり支承は摩擦係数が滑り支承より小さいので、それぞれの特性に合わせて使い分けるものとする。
内周部又は外周部という用語に関しては、例えば平面面積の大きい高層ビルでは、柱が水平方向に8本、10本…と並ぶ可能性があり、その場合には外側の各2本の支配面積を、外周部とし、残りの面積を内周部又は中心部とすることができる。建物の外周部内にある免震支承の剛性は同じであってもよいが、建物の中心により近いものの剛性を大とすることが望ましい。例えば5本以上の柱が並置されている状態で左右各2本の柱のうち、最も外側の柱には低鉛直剛性の免震支承を1つ、隣の内側の柱には低鉛直剛性の免震支承を2つ配置してもよい。同様のことを図4の構成のうち隅の柱の支配面積と、辺中間の柱の支配面積との間で行ってもよい。要するに柱軸力に応じて連成ばねを調整し、各連成ばねの鉛直変形量をあわせればよく、狭義の内周・外周の概念にはこだわる必要がない。
第1の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○杭6と免震支承10との連成ばねの鉛直剛性を調整するから、高い精度で建物の床レベルを均一化することができ、これにより局部的なひび割れなどを防止できる、上部構造の鉛直変形、長期応力を均一化することができる、上部構造体の断面を均一化することができるなどのメリットを生ずる。
○支承のタイプにより鉛直剛性の大きさが離散的となる免震支承と、鉛直剛性を連続量として調整できる杭地盤とを組み合わせたから、連成ばねの設計が容易である。
第2の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○内側の免震支承の鉛直剛性を、外側の免震支承の鉛直剛性よりも大きくするとともに、杭地盤の剛性により調整するようにしたから、更に設計が容易である。
○連成ばねの鉛直変形のうち多くの部分を、免震支承に分担させることができ、杭地盤のみで調整をする場合と比較して一部の杭を極端に長く又は細くする必要がなく、杭地盤の支持力を確保しながら、床レベルの均一化を実現することができる。
○杭地盤の剛性の調整は、杭の周囲のフリクションカットなど既存の技術で十分に対応できる。
第3の手段に係る発明によれば、建物内側の滑り支承又は転がり支承に比べて建物外側の積層ゴム免震支承は、剛性が十分に小さいので、建物外周部の柱の軸力と建物内周部の柱の軸力の差を免震支承においてかなり緩和することができ、従って杭地盤中の各杭の長さや径を極端に変化させる必要がないので、実用的な設計が可能である。弾性滑り支承は特許文献3に、また転がり支承は特許文献4にそれぞれ示すように従来公知の技術である。
図1から図3は、本発明の第1実施形態に係る免震建物である。
この免震建物は、基礎構造2と免震支承10と上部構造12とで構成される。
基礎構造2は、土壌中4に複数の杭6を埋込み、それらの杭頭上に基礎梁を兼ねた基礎スラブ8を設置してなる。
免震支承10は、基礎スラブ8の上に各杭の真上に、そして後述の柱の真下に位置するように配置されている。もっとも一本の杭に複数の免震支承を並置するときなどには、その位置を適宜調整することができる。免震支承10には、高鉛直剛性のタイプ10Aと、低鉛直剛性のタイプ10Bとがあり、建物の中心部(或いは内周部)Iには前者を、建物の外周部Pには後者をそれぞれ設置する。前者は図2に示す弾性滑り支承、又は図3に示す転がり支承とすることができ、後者は、積層ゴムの免震支承とすることができる。
上部構造12は、各階に床スラブ14を有し、さらに柱16を有する。
本発明においては、基礎構造の杭6と免震支承10とで連成ばねを形成している。この連成ばねが既述数式1の条件を満たすようにすることで、1階の床スラブのレベルを均一化している。即ち、建物内周側に滑り支承の様な高鉛直剛性の免震支承を、外周側に積層ゴム免震支承の様な低弾性の免震支承をそれぞれ設置し、さらに杭地盤の剛性を調整することでレベルの均一化を達成している。杭地盤の剛性の調整は、土壌との縁きりなどで行えばよい。
尚、上記積層ゴム免震支承は、免震支承としては最も一般的であり、市販品レベルで、サイズ(支承面積)のバリエーションも比較的豊富である。従って同じ建物の外周部でも図4のC3中の隅柱の下には小さなサイズの積層ゴム免震支承を、またC2中の側柱の下には大きなサイズの積層ゴム免震支承を配置するようにしてもよい。もっとも建築許可を受けた市販品を使用する限り、免震支承の剛性が離散的なものとなることには変わりない。そこで杭地盤の剛性を調整すると連成ばねの剛性を設定することが容易となる。
以上のことをもとに、本発明の簡単なシミュレーションの結果を以下に示す。図4に示す支配面積C1,C2,C3に関して、それぞれ軸力の割合を4:2:1としてそれに対して、杭地盤の剛性、積層ゴム免震支承の剛性、滑り支承の剛性の割合をそれぞれ1:4:29の割合とした。
表1中調整前とは、全ての免震支承を積層ゴム免震支承としたケースである。このときには、C1,C2,C3での鉛直変形量は5:2.5:1.25となり、図5に示すように床スラブは皿状に大きく変形している。次に本発明を適用して、支配面C1の免震支承を高鉛直剛性の滑り支承に変更した。またC1、C2の杭に関しては、杭の径を増加するなどして、剛性を1から2.6、1.7に増加させた。C3の杭に関しては逆にフリクションカットを行い、剛性を1から0.7に減少させた。その結果としてC1〜C3の鉛直変形量は何れも1.68となった。従って床を平坦化することができた。
Figure 0005288393
参考までに、シミュレーションに用いた連成ばねの各要素の鉛直剛性は、杭地盤剛性で1,230kN/mm、積層ゴム免震支承で5,350kN/mm、滑り支承で36,200kN/mmである。また軸力30,000kNを作用させたときの各要素での鉛直変形量は24.4mm、5.6mm、0.8mmである。もちろん、これらは各要素の一例であり、その剛性は適宜設定することができる。
図5には上記シミュレーションによる中柱(1)側柱、(2)、隅柱(3)の鉛直変形の変化を示している。
図6は、本発明に実施例を示しており、同図(A)は1本の杭6と1個の免震支承10との組み合わせを、(B)は複数の杭6と1個の免震支承10との組み合わせを、(C)は1本の杭6と複数の免震支承10との組み合わせを、(D)複数の杭6と複数の免震支承10との組み合わせをそれぞれ示している。
図面では2本の杭或は2個の免震支承を例示しているが、必ずしもこれに限られるものではない。また図示例では、1個の免震支承は積層ゴム免震支承として、複数の免震支承は滑り支承として例示している。その理由は、積層ゴム免震支承は、前述の如く市販の製品の中である程度サイズのバリエーションがあり、数を調整する前にサイズで調整が可能であるのに対して、滑り支承の方はバリエーションが少ないからである。しかし、この図示の構成は単に好適な実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。更に図示例では、(A)及び(C)の1本の杭は径の調整が容易な現場打ちのコンクリート杭で、(B)の複数の杭は、工場打ちのコンクリート杭(例えばPHC杭)で形成しているが、必ずしもこの通りにする必要はない。
図6(A)では、杭6と免震支承10とをフーチング8aを介して鉛直直線上に配置している。図6(B)では、1個の免震支承10の真下又はその近傍に複数本の杭6を配置している。図6(C)では、1本の杭6の真上又はその近傍に複数個の免震支承10を配置している。図6(D)では、複数本の杭の間に複数個の免震支承を配置している。もっともこれらの配置は適宜変更することができる。
本発明に係る免震建物の正面図である。 図1の建物の要部拡大図である。 図2の要部の変形例を示す図である。 図1の建物の横断面図である。 本発明によるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施例を示す図である。 従来の免震建物の正面図である。
符号の説明
2…基礎構造 4…土壌 6…杭 8…基礎スラブ 8a…フーチング
10…免震支承 10A…高鉛直剛性タイプ 10B…低鉛直剛性タイプ
12…上部構造 14…床スラブ 16…柱
外周部…P 内周部…I

Claims (3)

  1. 基礎構造の上に複数の免震支承を介して上部構造を支えてなる免震建物において、
    基礎構造(2)を複数の杭(6)を埋設した杭基礎と、それら複数の杭(6)に亘って各杭の杭頭に設置した基礎スラブ(8)又は基礎梁とで構成するとともに、
    各杭真上の基礎スラブ部分上面又は基礎梁部分上面と上部構造(12)の底部との間に免震支承(10)を挿入して、上下方向に連なるこれら杭(6)と免震支承(10)とを組み合わせて連成ばねを構成し、
    各連成ばねの杭の鉛直剛性をK、そのばねの免震支承(10)の鉛直剛性をKとするとともに、各免震支承(10)が支える柱の長期軸力をNとするとき、
    N(K −1+K −1)が全ての連成ばねにおいてほぼ一定となるようにすることで、上部構造(12)の自重に抗して上部構造の任意の階の床レベルを均一化するように構成したことを特徴とする、免震建物。
  2. 建物の外周側を支える各連成ばねの免震支承(10)の鉛直剛性を、建物内周側を支える連成ばねの免震支承(10)の鉛直剛性より小とするとともに、両連成ばねの鉛直変形が等しくなるように各連成ばねに係る杭地盤の鉛直剛性を調整したことを特徴とする、請求項1記載の免震建物。
  3. 上部構造の底部を形成する床スラブ(14)の中心部又は内周部を支える免震支承(10)を滑り支承又は転がり支承とし、上記床スラブ(14)の外周部を形成する免震支承(10)を積層ゴム免震支承としたことを特徴とする、請求項2記載の免震建物。
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