JP7009725B2 - 免震構造物の施工方法 - Google Patents
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Description
先ず、第一実施形態について説明する。
図1には、第一実施形態に係る免震構造物の施工方法によって施工された免震構造物10が示されている。免震構造物10は、複数階を有している。また、免震構造物10は、中間階免震構造とされている。この免震構造物10は、下部構造体20と、上部構造体30と、複数の免震装置40とを備えている。
下部構造体20は、複数階を有し、免震構造物10の下部を構成している。この下部構造体20は、一対の柱22と、一対の柱22の上部に架設されるトラス梁24とを有している。一対の柱22は、例えば、角形鋼管等の鉄骨部材や、RC造、SRC造等のコンクリート部材で形成されている。
図1に示されるように、上部構造体30は、下部構造体20の上に構築されており、免震構造物10の上部を構成している。この上部構造体30は、複数の免震装置40を介して下部構造体20のトラス梁24に支持されている。これにより、上部構造体30は、下部構造体20に対して水平方向に変位可能とされている。また、高剛性のトラス梁24によって免震装置40を支持することにより、上部構造体30の安定性が高められる。
免震装置40は、例えば、積層ゴム支承、滑り支承、又は転がり支承とされる。各免震装置40は、下側フーチング42を介してトラス梁24に接合されるとともに、上側フーチング44を介して上部構造体30に接合されている。なお、上部構造体30と下部構造体20との間には、免震層46が形成されている。
次に、第一実施形態に係る免震構造物の施工方法について説明する。
先ず、変形荷重載荷工程について説明する。図2には、一対の柱22に架設されたトラス梁24が示されている。このトラス梁24は、二点鎖線で示されるように、予め上方へ凸状に湾曲するように形成されている。変形荷重載荷工程では、上記のように予め上方へ凸状に湾曲されたトラス梁24に下向きの変形荷重Pを載荷し、実線で示されるようにトラス梁24を直線形状に変形させる。
次に、上部構造体施工工程について説明する。図1に示されるように、上部構造体施工工程では、トラス梁24を直線形状にした状態で、トラス梁24の上弦材24A上に複数の免震装置40を設置する。次に、複数の免震装置40上に、上部構造体30の下部30Lを施工する。
次に、変形荷重除荷工程について説明する。図3には、比較例に係るトラス梁100が示されている。このトラス梁100は、一般的な梁と同様に、予め直線形状に形成されている。この場合、上部構造体30の施工が進み、例えば、二点鎖線で示されるように上部構造体30の上部30Uが施工されると、上部構造体30の重量が増加する。この結果、二点鎖線で示されるように、直線形状のトラス梁100が下方へたわむ可能性がある。
次に、第一実施形態の効果について説明する。
次に、第一実施形態の変形例について説明する。
次に、第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態において、第一実施形態と同様の構成には、同符号を付して説明を適宜省略する。
第二実施形態に係る免震構造物の施工方法では、図4に示されるように、トラス梁24及び一対の柱22上にそれぞれ設置された中間ジャッキ部材70及び両側ジャッキ部材72上に上部構造体30を施工した後、図5に示されるように、中間ジャッキ部材70及び両側ジャッキ部材72を免震装置40に盛り替えることにより、免震構造物60を施工する。
具体的には、図6に示されるように、先ず、ジャッキ部材設置工程において、予め上方へ凸状に湾曲されたトラス梁24上に中間ジャッキ部材70を設置するとともに、中間ジャッキ部材70の両側に一対の両側ジャッキ部材72を設置する。
次に、上部構造体施工工程において、中間ジャッキ部材70及び両側ジャッキ部材72上に上部構造体30を施工する。
図4に示されるように、上部構造体30の施工が進むと、上部構造体30の重量が増加する。この結果、上方へ凸状に湾曲されたトラス梁24が下方へたわみ、トラス梁24の形状が直線形状に徐々に近づく。
次に、図5に示されるように、上部構造体30を中間ジャッキ部材70及び両側ジャッキ部材72から免震装置40に盛り替える。これにより、免震構造物60が施工される。
次に、第二実施形態の効果について説明する。
次に、第二実施形態の変形例について説明する。
次に、上記第一実施形態及び第二実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第一実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は第二実施形態にも適宜適用可能である。
24 トラス梁(支持梁)
30 上部構造体
40 免震装置
60 免震構造物
70 中間ジャッキ部材
72 両側ジャッキ部材
P 変形荷重
L1 中間ジャッキ部材の上下長さ
L2 両側ジャッキ部材の上下長さ
Claims (2)
- 支持梁に支持された免震装置上に上部構造体を施工する免震構造物の施工方法であって、
上方へ凸状に湾曲された前記支持梁に下向きの変形荷重を載荷し、該支持梁を直線形状にした状態で該支持梁の上に免震装置を設置する工程と、
前記支持梁の上に設置された前記免震装置上に前記上部構造体を施工する工程と、
前記上部構造体の施工と並行して、前記支持梁の下方へのたわみ量を測定し、前記支持梁の下方へのたわみ量が所定値以上となった場合に、前記変形荷重を除荷することで、前記支持梁の下方へのたわみ量を前記所定値未満に低減する変形荷重除荷工程と、
を備え、
前記上部構造体の施工が進むに従って、前記変形荷重除荷工程を繰り返す、
免震構造物の施工方法。 - 支持梁の材軸方向の中間部に設置された中間ジャッキ部材、及び前記中間ジャッキ部材の両側に設置された両側ジャッキ部材の上に上部構造体を施工した後、前記中間ジャッキ部材及び前記両側ジャッキ部材を免震装置に盛り替える免震構造物の施工方法であって、
上方へ凸状に湾曲された前記支持梁上に前記中間ジャッキ部材及び前記両側ジャッキ部材を設置するとともに、前記中間ジャッキ部材の上下長さを前記両側ジャッキ部材の上下長さよりも短くしておき、
前記上部構造体の施工が進むに従って又は前記上部構造体の施工後に、前記中間ジャッキ部材及び前記両側ジャッキ部材の上下長さの差を小さくし、
前記中間ジャッキ部材及び前記両側ジャッキ部材を前記免震装置に盛り替える、
免震構造物の施工方法。
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