JP5287810B2 - 走行車システム - Google Patents

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Description

本発明は、自動倉庫および工場を走行する走行車システムに関し、特に走行車への給電に関する。
自動倉庫および工場等では、床面に敷設された誘導ラインに沿って無軌道エリアを自動走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)等の走行車が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような走行車は、固定の受電端子およびバッテリを備え、バッテリに蓄えた電力を消費すると、無軌道エリアに設けられた充電ポイントまで走行する。走行車は、充電ポイントで一旦停止し、充電ポイント側に設けられた充電カプラと、固定の受電端子とを接続させることにより充電を行う。しかし、この充電方式では、固定の受電端子と充電カプラとが接触するため、接触部分においてスパークが発生する恐れがある。また、接触部分の摩耗を防ぐために定期的なメインテナンスが必要となる。
また、軌道レールが設けられた有軌道エリアにおいては、軌道レールに沿って一対の給電線を配置する走行車システムが使用されている。このような走行車システムでは、走行車は、一対の給電線を包囲できる形状を有する受電コアと、受電コアに巻かれたピックアップコイルとを有する受電ユニットを備え、一対の給電線に流れる電力を非接触にて受電する。
特開2007−320545号公報
上記のとおり、無軌道エリアと有軌道エリアとでは充電方式が異なるため、無軌道エリアおよび有軌道エリアの両方を走行しようとする場合、走行車はエリア毎に各エリアの充電方式に合った受電部を備える必要がある。従って、例えば有軌道エリアを有する自動倉庫においてさらに無軌道エリアを設けたい場合、それまで有軌道エリアで使用された走行車を無軌道エリアでは使用することができないため、無軌道エリアの受電方式に合った走行車が新たに必要となる。このため、自動倉庫および工場内のレイアウトの変更に制限が生じていた。
本発明の課題は、走行車の走行経路レイアウトの自由度を上げることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合わせることができる。
本発明の一見地に係る走行車システムは、走行車と、走行時給電装置と、停車時給電装置と、を備える。走行車は、受電部と、蓄電部とを有する、受電部は、受電コアと受電コアに巻かれた受電コイルとを含む。蓄電部は、受電部を介して受けた電力を蓄える。走行時給電装置は、走行車の走行時に、受電部に対向して非接触にて受電部に給電する一対の給電線を有する。停車時給電装置は、受電部に対向する給電コイルを含み、走行車の停止時に非接触にて受電部に給電する給電部を有する。
ここでは、走行時給電装置および停車時給電装置は、非接触にて走行車に給電できる。このような走行車システムを利用することにより、走行車は、走行車に搭載された受電部を介して、走行時または停車時のいずれにおいても受電が可能となるため、受けた電力および/または蓄電部に蓄電された電力を使用して自由に走行できる。従って、走行車の走行経路のレイアウト変更を容易に行うことができる。
走行車システムは、給電線に沿って配置され、走行車を案内するガイドレールをさらに備えていてもよい。
このようなガイドレールを備えることにより、走行車を高速に走行させることができる。
走行車システムにおいて、受電コアは第1外脚部、第2外脚部、および第1外脚部と第2外脚部との間に配置され受電コイルが巻かれた中央脚部を含むE字型コアであってもよい。給電部は、給電コイルが巻かれていて、給電時に中央脚部が挿入される筒状の給電コアをさらに有していてもよい。
ここでは、給電部は、給電コイルが巻かれた筒状の給電コアを有し、給電時には、受電コイルが巻かれた中央脚部が、給電コアに挿入される。従って、受電部と給電部との電磁結合が強まり、給電効率の増加を実現できるため、急速な充電が可能となる。
走行時給電装置によって給電されている場合、走行車は走行時給電装置によって供給された電力のみを使用して走行してもよい。
ここでは、走行車は、走行時給電装置によって給電されている際には蓄電部に蓄えられた電力を使用しない。従って、蓄電部の使用および充電の繰り返しを減らすことができるため、蓄電部の寿命を長くできる。
本発明によると、走行車は走行時給電装置および停止時給電装置から非接触にて受電できるので、走行車の走行経路レイアウトの自由度が上がる。
走行車システムの全体配置図。 走行車の概略構成図。 受電ユニットおよび走行時給電装置を示す構成図。 受電ユニットおよび停車時給電装置を示す構成図の一例。 受電ユニットおよび停車時給電装置を示す構成図の一例。 受電ユニットおよび停車時給電装置を示す構成図の一例。
(1)走行車システムの配置
図1を参照して、本実施形態の走行車システム1を説明する。図1は、非接触給電を受けて自走する走行車システムの全体配置図である。
走行車システム1は、自動倉庫または工場等において、自動での物品搬送作業を行う走行車10が所定の走行エリアを走行するシステムである。走行車システム1は、複数の走行車10と、走行時給電装置60と、停車時給電装置70と、を備える。
走行車10は、走行エリア内をコンピュータ制御によって無人で自動走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)である。本実施形態における走行車10は、有軌道エリア3および無軌道エリア7の両エリアを走行できる。
有軌道エリア3とは、走行エリアのうち、走行車10の走行を案内するガイドレール5(図2参照)が設けられたエリアであり、走行車10はガイドレール5に沿って走行する。本実施形態では、有軌道エリア3には、床面上に2本の平行レール4が配置されていて、平行レール4の片側にガイドレール5が設けられている。
無軌道エリア7とは、走行エリアのうち、ガイドレール5が設けられていないエリアである。一方、本実施形態では、無軌道エリア7には、磁気テープにより構成された誘導ラインが敷設されていて、走行車10は誘導ライン8上を磁気誘導されて走行する。
走行エリアには、さらにステーション9a〜9fが設けられる。走行車10は、上位のコントローラ(図示せず)によって割り付けられる搬送指令に従い、ステーション間を走行して、ステーションから物品の移載を受けて他のステーションまで走行して移載することにより、物品を搬送する。
(2)走行車の構成
図2を参照して、走行車10の構成について詳細に説明する。図2は、走行車の概略構成図である。なお、図2は、有軌道エリア3のステーションにおいて物品を移載するために、移載部15のアームが伸張した状態の走行車10を示す。
走行車10は、車体本体13、移載部15、走行機構17、磁気センサ19、ガイド機構21、受電ユニット23、制御部25およびバッテリ27を備える。
車体本体13上には、移載部15が設けられる。移載部15は、旋回テーブル31、昇降台33、スカラーアーム35およびハンド37を有する。移載部15は、旋回テーブル31を用いてスカラーアーム35の向きを整え、昇降台33によってスカラーアーム35の高さを調整する。移載部15は、スカラーアーム35およびハンド37を昇降台33に対して進退させることで、ステーション上の物品のすくい上げ、または荷降ろしを行う。
走行機構17は、走行車10を走行させる機構である。走行機構17は、車輪支持枠39、回転軸41、走行車輪43およびモータ45を有する。車輪支持枠39は、車体本体13の走行方向の左右それぞれの下側に取り付けられる。回転軸41は、車輪支持枠39に回転自在に走行方向の前後左右にそれぞれ取り付けられる。走行車輪43は、各回転軸41の両端に取り付けられ、モータ45は、各回転軸41を駆動する減速機付きモータである。制御部25の制御のもと、受電ユニット23が受けた電力またはバッテリ27に充電された電力によってモータ45が駆動されて走行車輪43が回転することにより、走行車10は床面F上を走行する。なお、無軌道エリア7においては、制御部25のステアリング制御のもと左右の走行車輪43が回転数に差を付けることにより、走行車10は床面F上を、前後直進走行に旋回走行を組み合わせて自由に走行できる。
磁気センサ19は、無軌道エリア7において床面Fに設けられた誘導ライン8を検出するセンサである。磁気センサ19は、例えば車体本体13の底面に、走行方向の前後にそれぞれ設けられる。走行車10は、磁気センサ19によって誘導ライン8を検出しながら、誘導ライン8に沿って走行する。
ガイド機構21は、有軌道エリア3において走行車10の走行を案内する機構である。ガイド機構21は、車体本体13の下側から垂下するローラ支持枠47と、ローラ支持枠47の下端部に水平回転可能に取り付けた一対のガイドローラ49を有する。一対のガイドローラ49は、平行レール4の片側上に平行レール4に沿って取り付けられたガイドレール5の両側面に接触して回転する。ガイドローラ49がガイドレール5を挟んで回転することにより、走行車はガイドレール5および平行レール4に沿って高速にて走行できる。
受電ユニット23は、走行時給電装置60および停車時給電装置70から非接触にて受電する。受電ユニット23について、さらに図3を参照して説明する。図3は、受電ユニットおよび有軌道エリアにおける走行時給電装置を示す構成図である。
受電ユニット23は、ローラ支持枠47の外側側面に配置され、断面が略E字型をしたフェライト製の受電コア51と、受電コア51に巻かれたピックアップコイル53とを有している。具体的には、受電コア51は、両側に設けられた第1外脚部51aおよび第2外脚部51bと、第1外脚部51aと第2外脚部51bとの間の中央脚部51cとを有している。ピックアップコイル53は、中央脚部51cに巻かれている。受電コア51は、第1外脚部51aと中央脚部51cとの間の開口部分および第2外脚部51bと中央脚部51cとの間の開口部分が一対の給電線63側に向くようにローラ支持枠47に取り付けられる。受電ユニット23には、モータ45およびバッテリ27が接続されている。
制御部25は、CPU(Central processing Unit)およびメモリ等で構成される。制御部25は、無線通信や赤外線通信等によって受信した上位のシステムコントローラからの様々な指令に基づき、走行車10の動作を制御する。本実施形態の制御部25は、電力切り替え部(図示せず)を含む。電力切り替え部は、モータ45に供給される電力源を切り替える制御手段である。電力切り替え部は、走行車10が有軌道エリア3を走行中には、一対の給電線63から供給された電力をモータ45に供給するように制御する。一方、電力切り替え部は、走行車10が無軌道エリア7を走行している場合には、バッテリ27に充電された電力をモータ45に供給するように制御する。
バッテリ27は、モータ45への電力供給源の一つである。バッテリ27には、受電ユニット23が受けた電力が充電される。本実施形態では、停車時給電装置70から受電ユニット23が受けた電力が充電されている。
(3)走行時給電装置の構成
走行時給電装置60は、走行している走行車10に電力を供給する装置である。本実施形態では、走行時給電装置60は、走行エリアのうち、有軌道エリア3に設けられた給電装置である。走行時給電装置60について、再び図1および図3を参照して説明する。
走行時給電装置60は、給電線ホルダ61、一対の給電線63、および電源装置65を有する。
給電線ホルダ61は、ガイドレール5に沿って一対の給電線63を支持できる位置に配置される。本実施形態では、給電線ホルダ61は、平行レール4の片側上に平行レール4に沿って取り付けられている。
一対の給電線63は、銅線などの導電線を絶縁材料で被覆したリッツ線であり、給電線ホルダ61に支持される。一対の給電線63はU字型に曲げられた一本の電力線であり、一対の給電線63の両端部には電源装置65が設けられる。一対の給電線63には、電源装置65から高周波電流が供給される。
走行車10が有軌道エリア3を走行する際、給電線ホルダ61に支持された一対の給電線63は、受電コア51の第1外脚部51aと中央脚部51cとの間および第2外脚部51bと中央脚部51cとの間にそれぞれ配置される。この状態で一対の給電線63に高周波電流を流すことによって磁界が発生し、磁界がピックアップコイル53に作用してピックアップコイル53に誘導電流が発生する。走行時給電装置60は、このような電磁誘導現象を利用して受電ユニット23に非接触で電力を供給する。
(4)停車時給電装置の構成
停車時給電装置70は、停車している走行車10に電力を供給する装置である。本実施形態では、停車時給電装置70は、走行エリアのうち、無軌道エリア7に設けられた給電装置であって、走行車10のバッテリ27を充電するための電力を供給する。
停車時給電装置70は、非磁性材からなる筐体71と、筐体71に取り付けられた電源装置73、給電部75および走行車10が所定の充電可能な位置に停止したことを検出する走行車検出部(図示せず)とを有する。以下、停車時給電装置70について、図4〜6を参照して説明する。
(4−1)第1実施例
図4を参照して、停車時給電装置70の第1実施例を説明する。図4は、受電ユニットおよび停車時給電装置の構成図の一例である。
第1実施例に係る停車時給電装置70の給電部75は、給電コア77、給電コイル79および進退機構(図示せず)を有する。
給電コア77は、フェライトで形成され、基部77aおよび円筒状の突出部77bを含む。基部77aには、電源コード81を介して電源装置73に接続されている。突出部77bは、充電時には、ピックアップコイル53が挿入される。給電コイル79は、突出部77bに巻き付けられた導線である。進退機構は、停車時給電装置70の前に停車した走行車10の受電ユニット23に対して給電部75を進退可能にする機構である。
このような給電部75を用いて走行車10のバッテリ27の充電を行う場合、まず走行車10は、停車時給電装置70の前であって給電コア77の突出部77bにピックアップコイル53が挿入可能な位置で停止する。その後、走行車検出部によって走行車10の停止が検出されると、進退機構によって、給電部75を受電ユニット23に向かって移動させ、給電コア77の突出部77bにピックアップコイル53を挿入する。さらに走行車検出部は、電源装置73から給電コイル79に高周波電流を流す。高周波電流が流れると、磁界が発生し、磁界はピックアップコイル53に作用する。そして、受電ユニット23は、電磁誘導現象を利用し、磁束の変化によってピックアップコイル53に発生する誘導電流から電力を取り出す。このようにして、停車時給電装置70は、給電部75から受電ユニット23に非接触で電力を供給し、受電ユニット23に接続されたバッテリ27に電力が充電される。
第1実施例では、充電時には、給電コア77の突出部77bにピックアップコイル53が挿入される。従って、受電ユニット23と給電部75との電磁結合が強まり、給電効率の増加を実現できるため、急速な充電が可能となる。
(4−2)第2実施例
図5を参照して、停車時給電装置70の第2実施例を説明する。図5は、受電ユニットおよび停車時給電装置の構成図の一例である。
第2実施例は、給電部75以外の構成は、第1実施例と同様である。具体的には、第2実施例では、給電コア83に巻き付けられた第1コイル85および第2コイル87を用いられる。給電コア83はフェライトで形成され、第1コイル85および第2コイル87は電源装置73に接続されている。
走行車10のバッテリ27の充電を行う場合、走行車10は、給電部75に対向する位置に停止し、給電部75から非接触にて電力を取り出してバッテリ27に電力を供給する。この際、走行車10は、受電ユニット23が給電部75と対向できる位置に停車できればよい。なお、第2実施例では、停車時給電装置70は受電ユニット23に対して給電部75を進退可能にする進退機構を有していなくてもよい。
(4−3)第3実施例
図6を参照して、停車時給電装置70の第3実施例を説明する。図6は受電ユニットおよび停車時給電装置の構成図の一例である。
第3実施例の給電部75は、断面が略E字型をしたE字型給電コア89とE字型給電コア89に巻かれた給電側ピックアップコイル91を備える。第3実施例において給電部75以外の構成は第1実施例と同様である。
E字型給電コア89は、両側の突出部89aおよび突出部89bと、突出部89aおよび突出部89bの間の中央の突出部89cとを有しており、給電側ピックアップコイル91は中央の突出部89cに巻かれている。給電コア89は、突出部89aと突出部89bとの間の開口部分および突出部89bと突出部89cとの間の開口部分が、受電ユニット23側に向くように筐体71に取り付けられている。
走行車10のバッテリ27の充電を行う場合、走行車10は、給電部75に対向する位置に停止し、給電部75から非接触にて電力を取り出し、バッテリ27に電力を供給する。なお、第3実施例では、停車時給電装置70は受電ユニット23に対して給電部75を進退可能にする進退機構を有していなくてもよい。
(5)走行動作
走行車10は、有軌道エリア3および無軌道エリア7の両エリアにおいて走行可能である。また、走行車10は、受電ユニット23によって、有軌道エリア3に設けられた走行時給電装置60からだけでなく、無軌道エリア7に設けられた停車時給電装置70からも受電可能である。
例えば、有軌道エリア3を走行中の走行車10が、上位のコントローラによって割り付けられる搬送指令に従って、ステーション9aの物品をステーション9dに移載する例を説明する。
有軌道エリア3を走行する走行車10は、ガイドレール5に案内されて平行レール4上を走行する。具体的には、一対のガイドローラ49がガイドレール5に接触した状態で、走行機構17は、制御部25の制御のもと、モータ45を駆動して走行車輪43を回転させる。このとき、モータ45は、受電ユニット23が一対の給電線63から非接触によって受けた電力によって駆動される。
走行車10は、ステーション9aの前に到着すると停止し、移載部15によってステーション9aの物品をすくい上げる。
次に、走行車10は、無軌道エリア7へ移動し、誘導ライン8上に沿ってステーション9dまで走行する。このとき、モータ45は、バッテリ27に充電された電力によって駆動される。ステーション9dに到着すると、走行車10は停止し、移載部15によってステーション9dへと物品の荷降ろしを行う。
無軌道エリア7の走行中に走行車10のバッテリ27が消耗してくると、走行車10は、停車時給電装置70に走行し所定の位置で停止する。そして、走行車10は、停車時給電装置70から非接触で電力を取り出し、バッテリ27を充電する。走行車10は、バッテリ27の消耗時だけでなく、停車時給電装置70を通過する毎に停止して、バッテリ27の充電を行ってもよい。
なお、無軌道エリア7を走行中の走行車10が有軌道エリア3へ移動する際には、走行車10は、一対のガイドローラ49の間にガイドレール5に配置できるように位置合わせをした後に有軌道エリア3へと侵入する。
本実施形態では、誘導ライン8に沿った走行車10が位置合わせすることなく有軌道エリア3へ移動できるように、無軌道エリア7と有軌道エリア3との境界部において誘導ライン8の端部とガイドレール5の端部とを、重複させておく。
このように、本実施形態では、走行車10は、受電ユニット23によって、有軌道エリア3に設けられた走行時給電装置60からだけでなく、無軌道エリア7に設けられた停車時給電装置70からも受電可能である。従って、走行車10は、有軌道エリア3および無軌道エリア7の両エリアにおいて走行可能であるため、走行車10の走行経路のレイアウト変更を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、走行車10は、有軌道エリア3を走行中には、一対の給電線63から供給された電力に基づきモータ45を駆動する。一方、走行車10は、無軌道エリア7を走行している場合には、バッテリ27に充電された電力に基づきモータ45を駆動する。このように、バッテリ27に充電された電力は、無軌道エリア7を走行している場合にのみ使用され、有軌道エリア3を走行中にはバッテリ27を休ませることができる。従って、バッテリ27の使用および充電の繰り返しを減らすことができ、よってバッテリ27の寿命を長くできる。
(6)特徴
上記実施形態は、下記のように表現可能である
(A)本発明の一見地に係る走行車システム1は、走行車10と、走行時給電装置60と、停車時給電装置70と、を備える。走行車10は、受電ユニット23と、バッテリ27と、を有する。受電ユニット23は、受電コア51と受電コア51に巻かれたピックアップコイル53とを含む。バッテリ27は、受電ユニット23を介して受けた電力を蓄える。走行時給電装置60は、走行車10の走行時に、受電ユニット23に対向して非接触にて受電ユニット23に給電する一対の給電線63を有する。停車時給電装置70は、受電ユニット23に対向する給電コイル79を含み、走行車10の停止時に非接触にて受電ユニット23に給電する給電部75を有する。
ここでは、走行時給電装置60および停車時給電装置70は、非接触にて走行車10に給電できる。従って、走行車10は、走行車10に搭載された受電ユニット23を介して、走行時または停車時のいずれにおいても受電が可能となるため、受けた電力および/またはバッテリ27に蓄電された電力を使用して自由に走行できる。その結果、走行車10の走行経路のレイアウト変更を容易に行うことができる。
(B)走行車システム1は、一対の給電線63に沿って配置され、走行車10を案内するガイドレール5をさらに備える。このようなガイドレール5を備えることにより、走行車10を高速に走行させることができる。
(C)走行車システム1において、受電コア51は、第1外脚部51a、第2外脚部51b、および第1外脚部51aと第2外脚部51bとの間に配置されピックアップコイル53が巻かれた中央脚部51cを含む断面E字型コアである。給電部75は、給電コイル79が巻かれていて、給電時に中央脚部51cが挿入される筒状の給電コア77をさらに有する。
ここでは、給電部75は、給電コイル79が巻かれた筒状の給電コア77を有し、給電時には、ピックアップコイル53が巻かれた中央脚部51cが給電コア77に挿入される。従って、受電ユニット23と給電部75との電磁結合が強まり、給電効率の増加を実現できるため、急速な充電が可能となる。
(D)走行時給電装置60によって給電されている場合、走行車10は走行時給電装置60によって供給された電力のみを使用して走行する。
ここでは、走行車10は、走行時給電装置60によって給電されている際にはバッテリ27に蓄えられた電力を使用しない。従って、バッテリ27の使用および充電の繰り返しを減らすことができるため、バッテリ27の寿命を長くできる。
(7)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組み合わせ可能である。
(a)上記の実施形態では、有軌道エリア3に床面上に2本の平行レール4が配置されていて、平行レール4の片側にガイドレール5が設けられている例を挙げた。しかし有軌道エリア3に走行車10を案内するガイドレール5が設けられていれば、この例に限定されない。例えば、平行レールを設けず、ガイドレール5を床面上に配置してもよい。また、平行レール4の両側にガイドレール5を設けてもよい。この場合、走行車10の左右両側にガイド機構21を設けてもよい。
(b)上記の実施形態では、無軌道エリア7の誘導ラインが磁気テープにより構成され、走行車10が磁気誘導される例を挙げた。しかし、これに限定されず、走行車10は、無軌道エリア7において、例えばレーザ誘導によって自動走行してもよい。
(c)上記の実施形態では、受電ユニット23の受電コア51は、第1外脚部51aと中央脚部51cとの間の開口部分および第2外脚部51bと中央脚部51cとの間の開口部分が側方へと向くようにローラ支持枠47に取り付けられていた。しかし、非接触にて走行時給電装置60および停車時給電装置70から受電できる受電ユニット23であれば、受電ユニット23の配置位置、および走行時給電装置60および停車時給電装置70の構成は、上記の実施形態に限定されない。例えば、受電ユニット23の受電コア51は、第1外脚部51aと中央脚部51cとの間の開口部分および第2外脚部51bと中央脚部51cとの間の開口部分が、下側、すなわち床面に向くように走行車10に取り付けられていてもよい。その場合、走行時給電装置60および停車時給電装置70は、下側を向いた受電コア51に対向する位置であって、受電コア51に対して非接触にて給電できる位置に配置されていればよい。
(d)上記の実施形態では、電力切り替え部は、走行車10が有軌道エリア3を走行中には、一対の給電線63から供給された電力のみをモータ45に供給するように制御した。しかし、電力切り替え部は、走行車10が有軌道エリア3を走行中には、一対の給電線63から供給された電力だけでなく、バッテリ27に充電されている電力をモータ45に供給するように制御してもよい。
(e)上記の実施形態では、バッテリ27には、停車時給電装置70から受電ユニット23が受けた電力が充電される例を挙げた。しかし、これに限定されず、バッテリ27には、走行時給電装置60から受電ユニット23が受けた電力が充電されてもよい。
自動倉庫および工場等を走行する走行車システムに広く適用できる。
1 走行車システム
3 有軌道エリア
4 平行レール
5 ガイドレール
7 無軌道エリア
8 誘導ライン
9a〜9f ステーション
10 走行車
13 車体本体
15 移載部
17 走行機構
19 磁気センサ
21 ガイド機構
23 受電ユニット(受電部)
25 制御部
27 バッテリ
39 車輪支持枠
41 回転軸
43 走行車輪
45 モータ
47 ローラ支持枠
49 ガイドローラ
51 受電コア
51a 第1外脚部
51b 第2外脚部
51c 中央脚部
53 ピックアップコイル(受電コイル)
60 走行時給電装置
61 給電線ホルダ
63 一対の給電線
65 電源装置
70 停車時給電装置
71 筐体
73 電源装置
75 給電部
77、83 給電コア
79 円筒状給電コイル
85 第1コイル
87 第2コイル
89 E字型給電コア
91 給電側ピックアップコイル

Claims (4)

  1. 受電コアと前記受電コアに巻かれた受電コイルとを含む受電部と、前記受電部を介して受けた電力を蓄える蓄電部と、を有し、走行エリアの有軌道エリア及び無軌道エリアの両方を走行可能な走行車と、
    前記有軌道エリアに備えられ、前記走行車が前記有軌道エリアを走行する時に、前記受電部に対向して非接触にて前記受電部に給電する一対の給電線を有する走行時給電装置と、
    前記無軌道エリアの所定の位置に備えられ、前記受電部に対向する給電コイルを含み、前記走行車が前記所定の位置に停止する時に、非接触にて前記受電部に給電する給電部を有する停車時給電装置と、
    を備える走行車システム。
  2. 前記有軌道エリアは、前記給電線に沿って配置され、前記走行車を案内するガイドレールをさらに備える、請求項1に記載の走行車システム。
  3. 前記受電コアは第1外脚部、第2外脚部、および第1外脚部と第2外脚部との間に配置され前記受電コイルが巻かれた中央脚部を含むE字型コアであって、
    前記給電部は、前記給電コイルが巻かれていて、給電時に前記中央脚部が挿入される筒状の給電コアをさらに有する、請求項1または2に記載の走行車システム。
  4. 前記走行時給電装置によって給電されている場合、前記走行車は前記走行時給電装置によって供給された電力のみを使用して走行する、請求項1〜3のいずれかに記載の走行車システム。
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