JP5287785B2 - 静電容量式物理量センサ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、物理量が加えられたときの容量変化に基づいて、加えられた物理量を検出する静電容量式物理量センサ回路に関するもので、特に加速度センサに用いて好適である。
従来より、一般的に使用されている車載用加速度センサ等のセンサ回路として、静電容量式物理量センサ回路がある。この静電容量式物理量センサ回路は、物理量の変化により生じるセンサエレメントでの容量変化をC−V変換回路にて電気信号に変換したのち、変換された電気信号を差動増幅回路等で差動増幅するなど、信号処理回路による信号処理を行うことでセンサ出力を発生させる。
このような静電容量式物理量センサ回路の信号処理回路において、高いSN(Signal Noise)比を実現するために、信号処理回路の初段に備えられるC−V変換回路の増幅率を上げることが有効である。しかし、2個のセンサエレメントの差動出力から感度信号を取り出す場合、2個のセンサエレメントの初期容量の差、つまり製造誤差に伴うセンサ容量バラツキの成分がC−V変換回路の出力に影響を与え、製造誤差が大きい場合には、それを考慮してC−V変換回路に備えられる帰還容量を大きくする等、ゲインを下げる対応が必要となる。これは、センサエレメントの容量変化成分を取り出すことに関しては不利な対応であり、SN比の悪化に繋がる。
これに対して、特許文献1において、信号処理回路の初段に備えられるC−V変換回路内のオペアンプの出力状態に応じて出力側の容量に適切な電荷を保持することで、センサ容量のバラツキによるオフセットを補正するようにしたセンサ回路が提案されている。
特開2001−249028号公報
しかしながら、C−V変換回路内のオペアンプが飽和しない領域でないと適切な電荷を保持することができなくなるため、オペアンプが飽和する領域ではSN比の向上を図れなくなる。
一方、静電容量式物理量センサ回路のSN比を決める要因として大きいのが、C−V変換回路内のオペアンプのノイズであり、これは、センサエレメントから感度信号を如何に有効に取り出すことができるかに依存している。センサエレメントおよびC−V変換回路でのSN比が悪いと、信号処理回路の後段においてC−V変換回路の出力を増幅する際には、センサ信号と共にノイズ信号も増幅してしまうため、SN比は向上しない。
本発明は上記点に鑑みて、初期容量バラツキを初段のC−V変換回路において補正し、感度信号のみを取り出せ、高いSN比を得ることができる静電容量式物理量センサ回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、搬送波に同期する周期的な信号であり、かつ、該搬送波の振幅を所定の増幅率(A)によって調整した振幅信号を出力するレベルシフト回路(23)と、複数の補正容量(24a−1〜24a−n)を有し、当該複数の補正容量によって補正容量値を設定する補正容量回路(24)と、レベルシフト回路における増幅率および補正容量回路における補正容量値を設定する調整回路(26)とを有してなり、C−V変換回路の出力電圧(Vout)に含まれる第1、第2固定電極との間に形成される容量のバラツキに起因するオフセット成分をキャンセルする容量差補正回路(22)が備えられていることを特徴としている。
このように、容量差補正回路を備えれば、レベルシフト回路の増幅率と補正容量回路の補正容量値の設定に基づいて、初期容量バラツキに応じた補正量を設定することができる。このため、C−V変換回路の出力電圧から初期容量バラツキに起因するオフセット成分をキャンセルすることが可能となる。したがって、初期容量バラツキを初段のC−V変換回路において補正し、感度信号のみを取り出せて、高いSN比を得ることができる静電容量式物理量センサ回路とすることが可能となる。
請求項2に記載の発明では、容量差補正回路には、レベルシフト回路にて生成する振幅信号の符合を決める符合設定回路(25)が備えられ、該符合設定回路(25)により互いに逆位相となる周期的な搬送波のいずれか一方がレベルシフト回路に入力されることを特徴としている。
このように、符合設定回路を備えることで、逆位相となる周期的な搬送波のいずれか一方を基準となる搬送波としてレベルシフト回路に入力し、レベルシフト回路にて搬送波に同期する振幅信号を生成させることが可能となる。
例えば、請求項3に記載したように、レベルシフト回路は、振幅信号の振幅を設定するデジタルアナログコンバータ(23a)と、デジタルアナログコンバータの出力を電源として、符合設定回路を通じて入力される搬送波の振幅をデジタルアナログコンバータで設定された振幅にすると共に、搬送波の位相を反転させた信号を出力する第1インバータ(23b)と、第1インバータの出力の位相を更に反転させることで搬送波の位相と同位相の信号を出力する第2インバータ(23c)とを有した構成とされ、第1、第2インバータのいずれかが出力する信号を振幅信号とすることができる。
また、請求項4に記載したように、例えば、補正容量回路は、複数の補正容量として、容量値(Co)がすべて等しい補正容量が並列接続された回路にて構成される。また、請求項5に記載したように、容量値(Co)が最も小さいものから順に2n倍とされたn個の補正容量が並列接続された回路によって補正容量回路を構成しても良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる静電容量式の加速度センサ回路の回路図である。 レベルシフト回路23の具体的な回路構成例を示した図である。 初期容量バラツキが大きい場合と小さい場合および無い場合の動作点の様子を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態にかかる静電容量式物理量センサ回路を加速度センサに適用する場合について説明する。図1は、半導体にて構成される静電容量式の加速度センサ回路の回路図である。以下、図1に基づいて加速度センサ回路の構成を説明する。
加速度センサは、可動電極1a、1b及び固定電極2a、2bを備えたセンサエレメント10と、可動電極1a、1bと固定電極2a、2bによる差動容量の変化に基づいて加速度を検出する信号処理回路20とを有した構成となっている。
センサエレメント10は、例えば半導体基板を用いて形成された梁構造体を備え、梁構造体によって対向配置された櫛歯電極などによる可動電極1a、1b及び固定電極2a、2bが構成されている。そして、対向配置された可動電極1aおよび固定電極2aと可動電極1bおよび固定電極2bとによって差動の容量を構成し、加速度の印加に伴って互いに対称動作を行い、対称的な容量変化を生じさせる。例えば、加速度の印加によって可動電極1aと固定電極2aの間の容量(以下、第1容量Cs1という)がΔC増加すると、可動電極1bと固定電極2bとの間の容量(以下、第2容量Cs2という)が逆にΔC減少する。そして、各固定電極2a、2bに対して互いに反転する信号(搬送波)Vp1、Vp2を周期的に印加することで、可動電極1a、1bの変位に応じた差動容量の変化を信号処理回路20を通じてセンサ出力として出力し、加速度検出を行う。
信号処理回路20には、C−V変換回路21が備えられていると共に、容量差補正回路22が備えられている。信号処理回路20には、この他、サンプルホールド回路およびスイッチトキャパシタ回路を有する差動増幅回路等が備えられているが、これらについては従来と同様の構成であるため、ここでは省略してある。
C−V変換回路21は、可動電極1a、1bと固定電極2a、2bからなる差動容量の変化を電圧に変換するもので、オペアンプ21a、帰還容量21bおよびスイッチ21cを有した構成となっている。オペアンプ21aの反転入力端子は可動電極1a、1bに接続されており、反転入力端子と出力端子との間には、帰還容量21b及びスイッチ21cが並列に接続されている。スイッチ21cは図示しない制御信号発生回路からの信号によって駆動され、オペアンプ21aの非反転入力端子には、搬送波として印加される電圧Vdd(例えば5V)の1/2の電圧とされる中間電圧Vdd/2(例えば2.5V)が入力される。
容量差補正回路22は、C−V変換回路21の出力電圧Voutに含まれる初期容量バラツキに起因するオフセット成分をキャンセルするものであり、レベルシフト回路23、補正容量回路24、符合設定部25、調整回路26を備えた構成とされている。
レベルシフト回路23は、搬送波Vp1、Vp2と同期する周期的な信号であり、かつ、搬送波Vp1、Vp2の信号振幅を減衰させる信号を生成するものである。図2は、レベルシフト回路23の具体的な回路構成例を示した図である。この図に示されるように、レベルシフト回路23は、DAC(デジタルアナログコンバータ)23aと、第1インバータ23bおよび第2インバータ23cと、選択スイッチ23dを有した構成とされている。
DAC23aは、例えばR−2R回路によって構成され、レベルシフト回路23が生成する信号の信号振幅を決めるために用いている。ここでは、第1、第2インバータ23b、23cの電源として用いることで、第1、第2インバータ23b、23cの出力できる電圧範囲を決定している。
第1、第2インバータ23b、23cは、入力されるいずれかの搬送波Vp1、Vp2の位相を反転させると共に、DAC23aによって絞られた電圧範囲の信号に変換して出力する。このため、第1インバータ23bは、入力されたいずれかの搬送波Vp1、Vp2の位相が180°ずれて反転させられ、かつ、DAC23aにて振幅を絞った振幅信号を発生させる。また、第2インバータ23cは、第1インバータ23bの出力の位相を更に180°ずらした信号、つまり入力されたいずれかの搬送波Vp1、Vp2と同位相で、かつ、DAC23aにて振幅を絞った振幅信号を発生させる。
選択スイッチ23dは、第1容量Cs1の容量値Co1と第2容量Cs2の容量値Co2のいずれを補正するかによって切り替えられるスイッチである。具体的には、選択スイッチ23dは、容量値Co1側を補正する場合には、第1インバータ23bの出力がレベルシフト回路23の出力とされるように切り替えられ、容量値Co2側を補正する場合には、第2インバータ23cの出力がレベルシフト回路23の出力とされるように切り替えられる。例えば、第1容量Cs1の容量値Co1の方が第2容量Cs2の容量値Co2よりも大きければ、第2容量Cs2側を補正するように第1インバータ23bの出力がレベルシフト回路23の出力とされ、第1容量Cs1の容量値Co1よりも第2容量Cs2の容量値Co2の方が大きければ、第1容量Cs1側を補正するように第2インバータ23cの出力がレベルシフト回路23の出力とされる。
補正容量回路24は、補正容量値を設定する回路であり、アレイ状に並べられたn個の補正容量24a−1〜24a−nが並列接続されることで構成され、レベルシフト回路23とC−V変換回路21との間に接続される。各補正容量24a−1〜24a−nにはスイッチ24b−1〜24b−nが接続されており、各補正容量24a−1〜24a−nのうちスイッチ24b−1〜24b−nが投入されているものが補正用としてC−V変換回路21に接続される。本実施形態では、各補正容量24a−1〜24a−nが同じ容量値に設定されていることから、補正容量24a−1〜24a−nの選択数、つまりスイッチ24b−1〜24b−nの投入数の積によって総補正容量値が決まる。
符合設定部25は、レベルシフト回路23にて生成する振幅信号の符合(極性)を決めるものであり、例えば選択スイッチにて構成される。すなわち、第1容量Cs1の容量値Co1と第2容量Cs2の容量値Co2のいずれが大きいかによって搬送波Vp1を基準にするか、それとも搬送波Vp2を基準にするかを決める。そして、基準とされる側の信号がレベルシフト回路23に入力されるように、選択スイッチの投入先が設定される。例えば、第1容量Cs1の容量値Co1の方が第2容量Cs2の容量値Co2よりも大きければ、搬送波Vp2を基準とするように選択スイッチが投入され、第1容量Cs1の容量値Co1よりも第2容量Cs2の容量値Co2の方が大きければ、搬送波Vp1を基準とするように選択スイッチが投入される。
調整回路26は、メモリ素子で構成され、レベルシフト回路23に備えられるDAC23aが決める電圧範囲、補正容量回路24の補正用の容量値、符合設定部25の極性を決めるためのものである。この調整回路26からの信号に基づいて、レベルシフト回路23のDAC23aの電圧範囲、補正容量回路24におけるスイッチ24b−1〜24b−nのどれを投入するか、および、符合設定部25の選択スイッチの投入先が制御される。
次に、上記のように構成された加速度センサ回路の作動について説明するが、加速度センサ回路による加速度検出の手法については従来と変わらないため、ここでは本実施形態の加速度センサ回路における初期容量バラツキの補正方法について説明する。まず、この初期容量バラツキの補正方法に先立ち、初期容量バラツキが及ぼす影響について説明する。
容量差補正回路22を除いた従来の回路構成において、第1容量Cs1の容量値Co1と第2容量Cs2の容量値Co2に差(Co1−Co2)がある場合を想定してみる。この場合、C−V変換回路21の出力電圧Voutには、加速度の印加に伴う容量変化ΔCで表される感度成分に加えて容量差(Co1−Co2)に相当するオフセット成分が加わった値となる。このため、帰還容量21bの容量値をCf、入力される搬送波Vp1、Vp2の電圧をVinとすると、出力電圧Voutは次式で表される。
(数1)
Vout=[{(Co1−Co2)+2ΔC}/Cf]×Vin
したがって、出力電圧Voutが飽和しないようにするためには、帰還容量21bの容量値Cfと容量差(Co1−Co2)の大きさが影響を与えることになる。図3は、C−V変換回路21に備えられたオペアンプ21aの動作点を0.5〜4.5Vとするときの初期容量バラツキが大きい場合と小さい場合および無い場合の動作点の様子を示している。
上記数式1に示されるように、出力電圧Voutは、加速度の印加に伴う容量変化ΔCで表される感度成分および容量差(Co1−Co2)に相当するオフセット成分と、帰還容量の容量値Cfおよび入力電圧Vinによって表される。したがって、容量値Cfおよび入力電圧Vinをある一定の値に規定した場合、出力電圧Voutは、容量変化ΔCで表される感度成分と容量差(Co1−Co2)に相当するオフセット成分、つまり初期容量バラツキに起因する成分によって決まる。
そして、図3に示したように、初期容量バラツキの大小に関わらず、オペアンプ21aの動作点の電圧範囲内に出力電圧Voutが収まらなければ、出力電圧Voutが飽和することになる。つまり、初期容量バラツキが大きければ、出力電圧Voutにもそれだけオフセット成分が加わることになるため、それを考慮して帰還容量21bの容量値Cfなどを設定する必要がある。このとき、初期容量バラツキが大きければ大きいほど、オペアンプ21aの出力が飽和しないように帰還容量21bの容量値Cfを大きくしなければならないため、感度成分の大きさが小さくなり、信号処理回路20の後段に備えられる増幅回路などでの増幅率を増加させなければならなくなる。
また、初期容量バラツキが小さい場合には、出力電圧Voutの動作範囲が小さくなるが、このときには初期容量バラツキが小さいことが予め分かっていれば、それに応じて帰還容量21bの容量値Cfを小さい値に設定したりすることで、感度成分のみを効率よく取り出すことが可能となり、SN比の向上を図ることが可能となる。
したがって、初期容量バラツキを如何にしてC−V変換回路21で低減するかが、SN比の向上のポイントとなる。このため、本実施形態では、上記した容量差補正回路22によって初期容量バラツキの補正を行うことで、C−V変換回路21において初期容量バラツキの影響を低減した出力電圧Voutが発生させられるようにする。以下、この初期容量バラツキの補正方法の考え方について説明する。
本実施形態の加速度センサ回路では、容量差補正回路22に備えられたレベルシフト回路23が出力する振幅信号の振幅および補正容量24a−1〜24a−nの選択数の積によて、オフセット成分の補正量を決定することができる。このため、初期容量バラツキの大きさを考慮して調整分解能を最適に割り当てることによって、初期容量バラツキをキャンセルし、容量変化ΔCで表される感度成分を効率よく取り出せるようにする。
まず、容量差補正回路22による補正を行う前の状態におけるC−V変換回路21の出力電圧Voutは、上述した数式1で示される。そして、これに対して、調整回路26によってレベルシフト回路23の振幅信号の設定、補正容量回路24による補正容量24a−1〜24a−nの選択、および、符合設定回路25による極性の決定を行った場合の補正量Vofは、次式で表される。
(数2)
Vof=−A(n×Co/Cf)×Vin
ここで、数式2中のnは補正容量24a−1〜24a−nの選択数、Coは、補正容量24a−1〜24a−nの1つ当たりの容量値を表している。また、Aは増幅率、つまりDAC23aで搬送波Vp1、Vp2の電圧範囲を絞るときの倍率を表しており、−1≦A≦1の範囲に設定される。
ここで、数式1におけるオフセット成分をキャンセルするためには、数式2が数式1のオフセット成分と等しくなれば良い。つまり、容量差補正回路22による補正を行った場合には、数式1に対して数式2で表される補正項が足されることになるため、出力電圧Voutは数式3のように表されることになる。
(数3)
Vout=[{(Co1−Co2)+2ΔC}/Cf]×Vin+Vof
=[{(Co1−Co2)−AnCo+2ΔC}/Cf]×Vin
このため、数式3において、容量変化ΔCの項のみが残るようにするためには、数式4が成り立てば良く、数式4が成り立てば、数式3は数式5のように変換される。
(数4)
nACo=Co1−Co2
(数5)
Vout=(2ΔC/Cf)×Vin
したがって、例えば、初期容量バラツキを調整するために、加速度を印加していない状態でオフセット成分のみに基づく出力電圧Voutを発生させ、そのときの出力電圧に基づいて最適な増幅率Aおよび選択数nを決める。つまり、増幅率Aおよび選択数nを調整しながら、出力電圧Voutを0に近づける。そして、出力電圧Voutが最も0に近づいたときの増幅率Aおよび選択数nを調整回路26のメモリ素子に書き込む。これにより、実際に加速度センサ回路を使用する際には、調整回路26のメモリ素子に書き込まれた増幅率Aおよび選択数nに基づいて初期容量バラツキを補正でき、初期容量バラツキによるオフセット成分をキャンセルした出力電圧Voutを得ることが可能となる。
なお、数式4を満たす増幅率Aおよび選択数nの組み合わせが複数有る場合には、例えば選択数nが小さい方を優先するなど、選択数nを先に決めておき、それに対応する増幅率Aを決定すれば良い。
以上説明したように、本実施形態では、容量差補正回路22を備えるようにし、容量差補正回路22によって初期容量バラツキに応じた補正量を設定できるようにしている。このため、C−V変換回路21の出力電圧Voutから初期容量バラツキに起因するオフセット成分をキャンセルすることが可能となる。したがって、初期容量バラツキを初段のC−V変換回路21において補正し、感度信号のみを取り出せて、高いSN比を得ることができる静電容量式の加速度センサ回路とすることが可能となる。
なお、増幅率Aについては、DAC23aで構成する場合には通常−1〜1の範囲で設定されることになるが、第1、第2インバータ回路23b、23cの最低動作電圧から0に近い値には設定できない。また、昇圧回路などを用いない限り、増幅率Aを1よりも大きくすることもできない。
しかしながら、増幅率Aの値は、搬送波Vp1、Vp2の振幅に対する比率であるから、搬送波Vp1、Vp2の振幅を小さくすることによって、相対的に増幅率Aを1よりも大きくすることは可能である。具体的には、DAC23aの電源を5V(電圧範囲を5V)とし、第1、第2インバータ回路23b、23cの電源も5Vにして、搬送波Vp1、Vp2の振幅を2.5Vにすれば、増幅率Aは2となる。このため、より大きな初期容量バラツキを補正することも可能となる。
ただし、このときには容量変化ΔCに対するセンサ出力の応答性も半分になり、SN比の取り扱いに注意が必要になるため、加速度センサ回路を構成するための半導体基板のチップサイズが許す限り、補正容量24a−1〜24a−nの容量値Coの値を大きくすることで対応するのが好ましい。
(他の実施形態)
上記実施形態では静電容量式物理量センサ回路として加速度センサ回路を例に挙げて説明したが、それ以外のセンサ、例えばジャイロセンサや圧力センサにも本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、容量差補正回路22に備えられる補正容量回路24として各補正容量24a−1〜24a−nの容量値Coがすべて同じ値である場合について説明したが、容量値Coが異なる値であっても構わない。例えば、各補正容量24a−1〜24a−nのうち最も容量値Coが小さいものに対して、2倍、4倍、8倍、16倍というように、容量値を2n倍で増加させたものとしても構わない。
また、上記実施形態では、搬送波Vp1、Vp2として交流の矩形波を印加してスイッチトキャパシタなどの差増増幅回路を用いる方法について説明したが、交流正弦波を印加する方法など、いずれの方法に対しても対応可能である。
1a、1b 可動電極
2a、2b 固定電極
10 センサエレメント
20 信号処理回路
21 C−V変換回路
21a オペアンプ
21b 帰還容量
22 容量差補正回路
23 レベルシフト回路
23a DAC
23b、23c 第1、第2インバータ
23d 選択スイッチ
24 補正容量回路
25 符合設定部
26 調整回路

Claims (5)

  1. 物理量の変化に応じて変位する可動電極(1a、1b)と、前記可動電極に対向して配置され、互いに逆位相となる周期的な搬送波(Vp1、Vp2)が印加される第1、第2固定電極(2a、2b)とを有したセンサエレメント(10)と、
    前記可動電極と前記第1、第2固定電極との間に形成される容量(Cs1、Cs2)の変化に応じた信号が入力され、該容量の変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(21)を含む信号処理回路(20)とを備えてなる容量式物理量センサ回路において、
    前記搬送波に同期する周期的な信号であり、かつ、該搬送波の振幅を所定の増幅率(A)によって調整した振幅信号を出力するレベルシフト回路(23)と、
    複数の補正容量(24a−1〜24a−n)を有し、当該複数の補正容量によって補正容量値を設定する補正容量回路(24)と、
    前記レベルシフト回路における前記増幅率および前記補正容量回路における前記補正容量値を設定する調整回路(26)とを有してなり、
    前記C−V変換回路の出力電圧(Vout)に含まれる前記第1、第2固定電極との間に形成される容量のバラツキに起因するオフセット成分をキャンセルする容量差補正回路(22)が備えられていることを特徴とする静電容量式物理量センサ回路。
  2. 前記容量差補正回路には、前記レベルシフト回路にて生成する前記振幅信号の符合を決める符合設定回路(25)が備えられ、該符合設定回路(25)により互いに逆位相となる周期的な搬送波のいずれか一方が前記レベルシフト回路に入力されることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式物理量センサ回路。
  3. 前記レベルシフト回路は、
    前記振幅信号の振幅を設定するデジタルアナログコンバータ(23a)と、
    前記デジタルアナログコンバータの出力を電源として、前記符合設定回路を通じて入力される前記搬送波の振幅を前記デジタルアナログコンバータで設定された振幅にすると共に、前記搬送波の位相を反転させた信号を出力する第1インバータ(23b)と、
    前記第1インバータの出力の位相を更に反転させることで前記搬送波の位相と同位相の信号を出力する第2インバータ(23c)とを有し、
    前記第1、第2インバータのいずれかが出力する信号を前記振幅信号としていることを特徴とする請求項2に記載の静電容量式物理量センサ回路。
  4. 前記補正容量回路は、前記複数の補正容量として、容量値(Co)がすべて等しい補正容量が並列接続された回路であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の静電容量式物理量センサ回路。
  5. 前記補正容量回路は、容量値(Co)が最も小さいものから順に2n倍とされたn個の補正容量が並列接続された回路であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の静電容量式物理量センサ回路。
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