JP5287024B2 - 画素回路の駆動方法、発光装置および電子機器 - Google Patents

画素回路の駆動方法、発光装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL(Electroluminescence)素子などの発光素子を駆動する技術に関する。
発光素子に供給される駆動電流の電流量を駆動トランジスタが制御する発光装置においては、駆動トランジスタや発光素子の電気的な特性の誤差(目標値からの相違や各素子間のバラツキ)が問題となる。特許文献1には、駆動トランジスタのゲート−ソース間に介在する保持容量の両端間の電圧を、駆動トランジスタの閾値電圧に設定してから階調値に応じた電圧に変化させることで、駆動トランジスタの閾値電圧および移動度の誤差(ひいては駆動電流の電流量の誤差)を補償する技術が開示されている。
特開2007−310311号公報
しかし、特許文献1の技術で駆動電流の誤差が有効に補償されるのは特定の階調値が指定された場合に限定され、階調値によっては駆動電流の誤差を解消できない場合がある。以上の事情に鑑みて、本発明は、複数の階調値について駆動電流の誤差を抑制することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明は、相互に直列に接続された発光素子および駆動トランジスタと、発光素子と駆動トランジスタとの間の経路と駆動トランジスタのゲートとの間に介在する保持容量とを具備する画素回路を駆動する方法であって、保持容量の両端間の電圧を初期化期間にて初期化することで駆動トランジスタを導通させ、初期化期間の経過後の補償期間において、駆動トランジスタのゲートに第1基準電位(例えば図3の基準電位VREF1)を供給しながら保持容量の両端間の電圧を駆動トランジスタの閾値電圧に応じた電圧に漸近させる補償動作を、当該画素回路に指定された階調値に応じて可変に設定された時間長(例えば図3の時間長t1)にわたって実行し、補償期間の経過後の書込期間において、信号線から駆動トランジスタのゲートに階調値に応じた階調電位を供給することで、保持容量の両端間の電圧を、補償動作で設定された電圧から階調値に応じた電圧に変化させ、書込期間の経過後の駆動期間において、駆動トランジスタのゲートに対する電位の供給を停止することで、保持容量の両端間の電圧に応じた駆動電流を発光素子に供給する。以上の方法においては、補償動作の時間長が階調値(あるいは階調電位)に応じて可変に設定されるから、複数の階調値について駆動電流の誤差を有効に抑制することが可能である。
例えば、階調電位の供給による駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど(例えば図3の階調電位VDATAが高いほど)、駆動電流の誤差が有効に低減できる補償動作の時間長が短くなるという傾向を前提とすれば、階調電位の供給による駆動トランジスタのゲートの電位の変化量が大きいほど補償動作の時間長が短くなるように、補償期間における補償動作の時間長が設定される。
本発明の好適な態様では、補償期間において、第1基準電位を信号線から駆動トランジスタのゲートに供給することで補償動作を実行し、信号線の第1基準電位を第2基準電位(例えば図3の基準電位VREF2)に変化させて駆動トランジスタをオフ状態に遷移させることで補償動作を停止する。以上の方法によれば、補償動作の開始と停止とが信号線の電位に応じて制御されるから、補償動作の制御に信号線とは別個の要素を利用する場合と比較して、簡素な構成で補償動作の時間長を調整できるという利点がある。
ところで、階調値が小さいほど、駆動電流の誤差を有効に低減できる補償動作の時間長が短くなるという傾向のもとで、階調値が小さい場合にも駆動電流の誤差を完全に低減しようとすれば、補償動作の時間長を過度に長く確保する必要がある。そこで、本発明の好適な態様において、階調値が所定値を下回る場合には、補償動作の時間長を、階調値に依存しない所定値に設定する(すなわち補償動作の時間長に上限を設定する)。以上の方法によれば、階調値が小さい場合にも補償動作の時間長が適度な長さに抑制されるという利点がある。
本発明の好適な態様の書込期間においては、駆動トランジスタに流れる電流の経路が遮断される。以上の態様によれば、書込期間内では補償動作が停止されるから、補償期間内における補償動作の時間長と駆動電流の誤差との相関に応じて補償期間内における補償動作の時間長を階調電位毎に設定すれば、駆動電流の誤差が高精度に抑制されるという利点がある。例えば、駆動トランジスタの電流の経路上に配置された制御スイッチ(例えば図16の制御スイッチTCR)を書込期間にてオフ状態に制御する方法が好適である。
本発明に係る発光装置は、相互に直列に接続された発光素子および駆動トランジスタと、駆動トランジスタと発光素子との間の経路と駆動トランジスタのゲートとの間に介在する保持容量とを含む画素回路と、画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、駆動回路は、保持容量の両端間の電圧を初期化期間にて初期化することで駆動トランジスタを導通させ、初期化期間の経過後の補償期間において、駆動トランジスタのゲートに第1基準電位を供給しながら保持容量の両端間の電圧を駆動トランジスタの閾値電圧に応じた電圧に漸近させる補償動作を、当該画素回路に指定された階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行し、補償期間の経過後の書込期間において、信号線から駆動トランジスタのゲートに階調値に応じた階調電位を供給することで、保持容量の両端間の電圧を、補償動作で設定された電圧から階調値に応じた電圧に変化させ、書込期間の経過後の駆動期間において、駆動トランジスタのゲートに対する電位の供給を停止することで、保持容量の両端間の電圧に応じた駆動電流を発光素子に供給する。以上の発光装置によれば、本発明の駆動方法と同様の効果が実現される。
本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、発光装置を表示装置として利用した機器である。本発明に係る電子機器としてはパーソナルコンピュータや携帯電話機が例示される。もっとも、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(光ヘッド)としても本発明の発光装置が適用される。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置のブロック図である。発光装置100は、画像を表示する表示体として電子機器に搭載される。図1に示すように、発光装置100は、複数の画素回路Uが配列された素子部10と、各画素回路Uを駆動する駆動回路30とを具備する。駆動回路30は、走査線駆動回路32と信号線駆動回路34と電位制御回路36とを含んで構成される。駆動回路30は、例えば複数の集積回路に分散して実装される。ただし、駆動回路30の少なくとも一部は、基板上に形成された薄膜トランジスタで構成され得る。
素子部10には、X方向に延在するm本の走査線12と、X方向に交差するY方向に延在するn本の信号線14とが形成される(m,nは自然数)。複数の画素回路Uは、各走査線12と各信号線14との交差に配置されて縦m行×横n列の行列状に配列する。また、素子部10には、走査線12とともにX方向に延在するm本の給電線16が形成される。
走査線駆動回路32は、所定の順番で順次にアクティブレベル(ハイレベル)となる走査信号GA(GA[1]〜GA[m])を各走査線12に出力することで各画素回路Uを行単位で順次に選択する。電位制御回路36は、電位VEL(VEL[1]〜VEL[m])を生成して各給電線16に出力する。
信号線駆動回路34は、画素回路Uの動作を規定する信号S(S[1]〜S[n])を生成して各信号線14に出力する。図1に示すように、信号線駆動回路34は、各信号線14に対応するn個の単位回路40を具備する。第j番目(j=1〜n)の単位回路40は信号S[j]を第j番目の信号線14に出力する。例えば、単位回路40は、信号S[j]を、走査線駆動回路32による選択行の第j列目の画素回路Uに指定された階調値Dに対応する電位(以下「階調電位」という)VDATAに設定する。
図2は、画素回路Uの回路図である。図2においては、第i行(i=1〜m)に属する第j列の1個の画素回路Uのみが代表的に図示されている。図2に示すように、画素回路Uは、発光素子Eと駆動トランジスタTDRと選択スイッチTSLと保持容量C1とを含んで構成される。発光素子Eと駆動トランジスタTDRとは、給電線16と給電線18とを結ぶ経路上に直列に接続される。給電線18(接地線)には電源回路(図示略)から所定の電位VCTが供給される。発光素子Eは、相対向する陽極と陰極との間に有機EL材料の発光層を介在させた有機EL(Electroluminescence)素子である。図2に示すように、発光素子Eには容量C2(容量値cp2)が付随する。
駆動トランジスタTDRは、給電線16にドレインが接続されるとともにソースが発光素子Eの陽極に接続されたNチャネル型のトランジスタ(例えば薄膜トランジスタ)である。保持容量C1(容量値cp1)は、駆動トランジスタTDRのゲートとソースとの間に介在する。選択スイッチTSLは、信号線14と駆動トランジスタTDRのゲートとの間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。選択スイッチTSLのゲートは走査線12に接続される。
次に、図3を参照して、第i行に属する第j列目の画素回路Uに着目して駆動回路30の動作(画素回路Uを駆動する方法)を説明する。図3に示すように、走査線駆動回路32は、垂直走査期間内の第i番目の選択期間PSLにて走査信号GA[i]をアクティブレベルに設定する。走査信号GA[i]がアクティブレベルに設定されると、第i行に属するn個の画素回路Uの選択スイッチTSLが同時にオン状態に変化する。
図3に示すように、選択期間PSLは、初期化期間PRSと補償期間PCPと書込期間PWRとを含む。駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧(すなわち保持容量C1の両端間の電圧)VGSは、初期化期間PRSにて所定の電圧に初期化され、初期化期間PRSの経過後の補償期間PCPにて駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHに漸近する。補償期間PCPの経過後の書込期間PWRにおいて、駆動トランジスタTDRの電圧VGSは、画素回路Uに指定された階調値Dに応じた電圧に設定される。選択期間PSLの経過後の駆動期間PDRにおいては、駆動トランジスタTDRの電圧VGSに応じた駆動電流IDRが給電線16から駆動トランジスタTDRを経由して発光素子Eに供給される。発光素子Eは、駆動電流IDRに応じた輝度で発光する。以下では、初期化期間PRSと補償期間PCPと書込期間PWRと駆動期間PDRとに区分して、画素回路Uの具体的な動作を説明する。
[1]初期化期間PRS(図4)
図3および図4に示すように、初期化期間PRSにおいては、信号線駆動回路34が信号S[j]を基準電位VREF1に設定し、電位制御回路36が電位VEL[i]を電位V2に設定する。選択スイッチTSLはオン状態であるから、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは、信号線14と選択スイッチTSLとを介して信号S[j]の基準電位VREF1に設定される。また、駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは電位V2に設定される。すなわち、駆動トランジスタTDRの電圧VGS(保持容量C1の両端間の電圧)が基準電位VREF1と電位V2との差分の電圧VGS1(VGS1=VREF1−V2)に初期化される。
基準電位VREF1および電位V2は、以下の数式(1)のように両者の差分の電圧VGS1が駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHを充分に上回り、かつ、数式(2)のように発光素子Eの両端間の電圧(V2−VCT)が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDを充分に下回るように設定される。したがって、初期化期間PRSにおいては、駆動トランジスタTDRがオン状態となり、発光素子Eがオフ状態(非発光状態)となる。
VGS1=VREF1−V2≫VTH ……(1)
V2−VCT≪VTH_OLED……(2)
[2]補償期間PCP(図5,図6)
図3に示すように、補償期間PCPは動作期間PCP1と保持期間PCP2とに区分される。動作期間PCP1は、補償期間PCPの始点(初期化期間PRSの終点)から時間長t1が経過するまでの期間であり、保持期間PCP2は補償期間PCPの残余の期間(動作期間PCP1の終点から補償期間PCPの終点までの期間)である。動作期間PCP1の時間長t1は、画素回路Uに指定された階調値Dに応じて可変に設定される。すなわち、図3に示すように、階調値Dが高階調(高輝度)を指定する場合の時間長t1は、階調値Dが低階調(低輝度)を指定する場合の時間長t1と比較して短い。なお、動作期間PCP1の時間長t1の設定については後述する。
図3および図5に示すように、動作期間PCP1が開始すると、電位制御回路36は、給電線16の電位VEL[i](駆動トランジスタTDRのドレインの電位)を電位V1に変化させる。図3に示すように、電位V1は、電位V2や基準電位VREF1を充分に上回る。一方、信号線駆動回路34は、初期化期間PRSと同様に信号S[j]を基準電位VREF1に維持する。選択スイッチTSLは補償期間PCPでもオン状態を維持するから、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは基準電位VREF1に維持される。駆動トランジスタTDRは初期化期間PRSにてオン状態に遷移しているから、以上の状態のもとでは、図5に示すように、以下の数式(3)で表現される電流Idsが駆動トランジスタTDRのドレインとソースとの間に流れる。数式(3)のμは駆動トランジスタTDRの移動度である。また、W/Lは、駆動トランジスタTDRのチャネル長Lに対するチャネル幅Wの相対比であり、Coxは、駆動トランジスタTDRのゲート絶縁膜の単位面積あたりの容量である。
Ids=1/2・μ・W/L・Cox・(VGS−VTH) ……(3)
給電線16から駆動トランジスタTDRを経由して電流Idsが流れることで保持容量C1および容量C2に電荷が充電されるから、図3に示すように駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは徐々に上昇する。駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは基準電位VREF1に固定されるから、駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSはソースの電位VSの上昇とともに低下する。数式(3)から理解されるように電圧VGSが低下して閾値電圧VTHに接近するほど電流Idsは減少する。したがって、補償期間PCPの動作期間PCP1においては、駆動トランジスタTDRの電圧VGSは、初期化期間PRSにて設定された電圧VGS1(VGS1=VREF1−V2)から経時的に低下して閾値電圧VTHに漸近する。
以上のように電圧VGSを閾値電圧VTHに漸近させる動作(以下「補償動作」という)は、電圧VGSが閾値電圧VTHに到達する前に保持期間PCP2の始点(補償期間PCPの始点から時間長t1が経過した時点)にて停止する。駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSは、保持期間PCP2の始点が到来した時点の電圧VGS2に設定される。補償動作の停止を以下に詳述する。
図3および図6に示すように、保持期間PCP2が開始すると、信号線駆動回路34は信号S[j]を基準電位VREF2に変化させる。基準電位VREF2は基準電位VREF1を下回る。選択スイッチTSLは動作期間PCP1に引続きオン状態を維持するから、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは、動作期間PCP1での基準電位VREF1から保持期間PCP2の開始とともに基準電位VREF2に変化(低下)する。
駆動トランジスタTDRのゲートとソースとの間には保持容量C1が介在するから、図3に示すように駆動トランジスタTDRのソースの電位VSはゲートの電位VGに連動して変化(低下)する。保持期間PCP2の始点における電位VSの変化量は、電位VGの変化量ΔVREF(ΔVREF=VREF1−VREF2)を保持容量C1と容量C2との容量比に応じて分割した電圧(ΔVREF・cp1/(cp1+cp2))に相当する。したがって、保持期間PCP2の開始の直後における電圧VGS3は、動作期間PCP1の終点における駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGS2を利用して、以下の数式(4)のように表現される。
VGS3=VGS2−ΔVREF・cp2/(cp1+cp2) ……(4)
基準電位VREF2は、数式(4)の電圧VGS3が駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHを下回るように設定される。したがって、保持期間PCP2にて駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGが基準電位VREF2に変化することで駆動トランジスタTDRはオフ状態に遷移する。すなわち、駆動トランジスタTDRに電流Idsを流すことで電圧VGSを閾値電圧VTHに漸近させる補償動作は保持期間PCP2の開始ととも停止し、駆動トランジスタTDRの電圧VGSは、保持期間PCP2の終点が到来するまで数式(4)の電圧VGS3に保持される。
[3]書込期間PWR(図7)
図3および図7に示すように、書込期間PWRが開始すると、信号線駆動回路34は信号S[j]を階調電位VDATAに変化させる。階調電位VDATAは、画素回路U(発光素子E)に指定された階調値Dに応じて可変に設定される。選択スイッチTSLは書込期間PWRでもオン状態を維持するから、駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは、保持期間PCP2にて設定された基準電位VREF2から階調電位VDATAに変化する。そして、駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは電位VGに連動して変化する。書込期間PWRの開始の直後における電位VSの変化量は、電位VGの変化量ΔV(ΔV=VDATA−VREF2)を保持容量C1と容量C2との容量比に応じて分割した電圧(ΔV・cp1/(cp1+cp2))に相当する。
したがって、書込期間PWRの直後における駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間(保持容量C1の両端間)の電圧VGS4は、以下の数式(5)のように表現される。以上のように電圧VGS4が階調電位VDATA(さらに詳細には階調電位VDATAと基準電位VREF1との差分)に応じて設定されることで駆動トランジスタTDRはオン状態に変化する。
VGS4=VGS3+ΔV・cp2/(cp1+cp2)
={VGS2−ΔVREF・cp2/(cp1+cp2)}+ΔV・cp2/(cp1+cp2)
=VGS2+{−(VREF1−VREF2)+(VDATA−VREF2)}・cp2/(cp1+cp2)
=VGS2+(VDATA−VREF1)・cp2/(cp1+cp2) ……(5)
[4]駆動期間PDR(図8)
図3および図8に示すように、駆動期間PDRが開始すると、走査線駆動回路32は走査信号GA[i]を非アクティブレベル(ローレベル)に変化させる。したがって、第i行目の各画素回路Uの選択スイッチTSLはオフ状態に変化する。すなわち、駆動トランジスタTDRのゲートは電気的なフローティング状態となる(すなわち、駆動トランジスタTDRのゲートに対する電位の供給が停止する)。一方、書込期間PWRにてオン状態に遷移した駆動トランジスタTDRのドレイン−ソース間に数式(3)の電流Idsが流れることで容量C2が充電される。したがって、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが式(5)の電圧VGS4に維持されたまま、容量C2の両端間の電圧(駆動トランジスタTDRのソースの電位VS)が徐々に増加する。そして、容量C2の両端間の電圧が発光素子Eの閾値電圧VTH_OLEDに到達した時点で電流Idsが駆動電流IDRとして発光素子Eに供給される。したがって、駆動電流IDRは以下の数式(6)で表現される。
IDR=1/2・μ・W/L・Cox・(VGS4−VTH) ……(6)
以上のように駆動電流IDRは、階調電位VDATAを反映した電圧VGS4に応じた電流量に制御されるから、発光素子Eは階調電位VDATA(すなわち階調値D)に応じた輝度で発光する。発光素子Eの発光は、走査信号GA[i]が次にアクティブレベルとなる選択期間PSLの開始まで継続される。以上が画素回路Uの動作である。
次に、図9は、補償動作が継続される時間長t1を所定値に固定した構成(以下「対比例」という)における階調電位VDATAと駆動電流IDRの電流量の誤差との相関を示すグラフである。図9の横軸は、基準電位VREF1を基準値(0.0)とした階調電位VDATAの電圧値を意味し、図9の縦軸は、同じ階調値Dが指定された場合の駆動電流IDRの電流量の最大値と最小値との相対比(最大誤差比)を意味する。対比例における時間長t1は、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが閾値電圧VTHに到達するのに充分な時間長に設定される。
図9から理解されるように、補償動作の時間長t1を固定値とした場合、階調電位VDATAが所定値VD0に設定された場合には駆動電流IDRの誤差は確かに低減されるが、階調電位VDATAが所定値VD0から離れるほど駆動電流IDRの誤差が増大する。すなわち、対比例においては、階調電位VDATAの広い範囲にわたって駆動電流IDRの誤差を解消することが困難であるという問題がある。
図10は、本形態の動作期間PCP1の時間長t1と駆動電流IDRの誤差(最大誤差比)との関係を、階調電位VDATAを変化させた複数の場合(VD1<VD2<VD3<VD4<VD5)について図示したグラフである。駆動電流IDRの誤差が最小となる時間長t1は階調電位VDATAに応じて相違するという傾向が図10から見出される。すなわち、階調電位VDATAが高いほど、駆動電流IDRの誤差が最小となる時間長t1は短くなる。
以上の知見から、本形態においては、動作期間PCP1の時間長t1を階調値D(階調電位VDATA)に応じて可変に設定することで、駆動電流IDRの誤差を階調電位VDATAに拘わらず抑制する。図11は、階調電位VDATAと動作期間PCP1の時間長t1との関係を示すグラフである。図11に示すように、階調電位VDATAが高い(すなわち、書込期間PWRの開始の直後における駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGの変化量が大きい)ほど動作期間PCP1の時間長t1が短くなるように、時間長t1が階調電位VDATAに応じて設定される。例えば、書込期間PWRにて階調電位VDATAが図10の電位VD1に設定される場合には動作期間PCP1が時間長T1に設定され、階調電位VDATAが電位VD1よりも高い電位VD2に設定される場合には動作期間PCP1が時間長T1よりも短い時間長T2に設定されるといった具合である。
ただし、駆動電流IDRの誤差を最小化するための時間長t1は階調電位VDATAが低いほど長いから、階調電位VDATAが充分に低い場合(例えば最低階調が指定された場合)にも駆動電流IDRの誤差を完全に最小化しようとすれば、時間長t1を過度に長い時間に設定する必要がある。そこで、本形態の信号線駆動回路34(単位回路40の時間調整部46)は、図11に示すように、所定値を下回る階調値Dが指定された場合(階調電位VDATAが図11の電位VD_thを下回る場合)、動作期間PCP1の時間長t1を、階調値Dに依存しない所定値tmaxに設定(クリップ)する。最大値tmaxは、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが補償動作で閾値電圧VTHまで低下するのに必要な時間長よりも短い時間に制限される。以上の構成によれば、補償期間PCP(さらには選択期間PSL)を短くすることが可能である。
図3を参照して説明したように、動作期間PCP1における補償動作は、信号S[j](駆動トランジスタTDRのゲートの電位VG)が基準電位VREF1から基準電位VREF2に変化することで終了する。そこで、信号線駆動回路34の各単位回路40は、信号S[j]を基準電位VREF1から基準電位VREF2に変化させる時期を階調値Dに応じて調整することで、動作期間PCP1の時間長t1を可変に制御する。
図12は、信号線駆動回路34の単位回路40のブロック図である。図12においては信号S[j]を生成および出力する1個の単位回路40のみが代表的に図示されている。図12に示すように、単位回路40は、電位生成部42と電位選択部44と時間調整部46とを含んで構成される。第j番目の画素回路Uの階調値Dが電位生成部42と時間調整部46とに供給される。
電位生成部42は、階調値Dに応じた階調電位VDATAを生成する。例えば、電圧出力型のD/A変換器が電位生成部42として利用される。電位選択部44には、電源回路(図示略)が生成した基準電位VREF1および基準電位VREF2と電位生成部42が生成した階調電位VDATAとが供給される。電位選択部44は、基準電位VREF1と基準電位VREF2と階調電位VDATAとの何れかを選択的に信号S[j]として信号線14に出力する。さらに詳述すると、電位選択部44は、初期化期間PRSと補償期間PCPの動作期間PCP1とにおいて基準電位VREF1を出力し、補償期間PCPの保持期間PCP2にて基準電位VREF2を出力し、書込期間PWRにて階調電位VDATAを出力する。
時間調整部46は、電位選択部44が信号S[j]の電位を基準電位VREF1から基準電位VREF2に変更する時期(すなわち補償期間PCPの動作期間PCP1と保持期間PCP2との境界)を階調値Dに応じて可変に制御する。例えば、補償期間PCPの始点にて計数を開始するとともに計数値が階調値Dに応じた数値に到達した時点(計数の開始から時間長t1が経過した時点)で電位の切替(VREF1→VREF2)の指示を電位選択部44に出力するカウンタが時間調整部46として利用される。時間調整部46が最大値tmaxを時間長t1の上限値に設定する点は前述の通りである。
動作期間PCP1の時間長t1は以上の構成のもとで階調値D(階調電位VDATA)に応じて制御される。時間長t1は、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが初期化期間PRSの終点での電圧VGS1から閾値電圧VTHに低下するのに必要な時間よりも短く設定されるから、動作期間PCP1の終点における駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGS2は、閾値電圧VTHに到達せずに時間長t1に応じて変化する。したがって、動作期間PCP1の時間長t1を階調値Dに応じて制御する動作は、動作期間PCP1の終点における電圧VGS2を階調値Dに応じて可変に制御する動作としても把握される。なお、補償期間PCPの全体の時間長は固定である。したがって、動作期間PCP1が長いほど保持期間PCP2は短くなる。
なお、駆動電流IDRの誤差の主要因は駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHおよび移動度μの誤差である。いま、閾値電圧VTHの誤差のみを補償するためには、特許文献1に開示されるように、駆動トランジスタTDRの電圧VGSを補償期間PCPにて閾値電圧VTHに合致させる必要がある。本形態においては、補償期間PCP内に駆動トランジスタTDRの電圧VGSは閾値電圧VTHに到達しないが、図10に図示されるように駆動電流IDRの誤差は時間長t1の調整で確かに抑制される。補償期間PCPにて電圧VGSが閾値電圧VTHに到達しないにも拘わらず駆動電流IDRの誤差が抑制されるのは、閾値電圧VTHの誤差に加えて移動度μの誤差も時間長t1の調整によって補償されるからである。すなわち、本形態においては、駆動トランジスタTDRの閾値電圧VTHおよび移動度μの双方が補償されるように時間長t1が可変に制御される。
図13は、本形態における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との関係(実線)を示すグラフである。図13においては、対比例における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との相関(図9)が破線で併記されている。図13に示すように、本形態によれば、補償動作の時間長が固定された特許文献1の構成と比較して、階調電位VDATAの広い範囲にわたって駆動電流IDRの誤差が抑制されるという利点がある。
なお、図13のうち階調電位VDATAの低位側の領域で駆動電流IDRの誤差が僅かに増加しているのは、時間長t1の上限を最大値tmaxに制約した影響と考えられる。以上のように低階調側で駆動電流IDRに誤差が発生すると、例えば階調値Dが最低階調(黒表示)を指定する場合に、本来ならば駆動電流IDRの電流量がゼロに設定されるべきであるにも拘わらず、駆動電流IDRが発光素子Eに供給される(そして発光素子Eが発光する)という現象が発生する可能性がある。以上の事情を考慮し、本形態においては、最低階調が指定された場合の階調電位VDATAが基準電位VREF1を下回る電位Vmin(図11参照)に設定される。以上の構成によれば、最低階調が指定された場合に、駆動トランジスタTDRの電圧VGSが確実に閾値電圧VTHを下回るから、動作期間PCP1の時間長t1を最大値tmaxに制約した構成にも拘わらず、最低階調が指定された場合の駆動電流IDRの電流量を確実にゼロに設定できるという利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
書込期間PWRの開始とともに駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSが数式(5)の電圧VGS4に設定されると、駆動トランジスタTDRのドレイン−ソース間には数式(3)の電流Idsが流れる。電流Idsによる保持容量C1や容量C2の充電とともに駆動トランジスタTDRのソースの電位VS(容量C2の両端間の電圧)は上昇する。第1実施形態においては、書込期間PWR内での充電に起因した電位VSの上昇を無視できる程度に書込期間PWRが短い場合を想定した。本形態においては書込期間PWRにおける電位VSの上昇を考慮する。
図14に示すように、書込期間PWRの開始の直後に駆動トランジスタTDRの電圧VGSが数式(5)の電圧VGS4に設定されると、電流Idsによる充電とともに駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは徐々に上昇する。駆動トランジスタTDRのゲートの電位VGは階調電位VDATAに維持されるから、駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSはソースの電位VSの上昇とともに低下する。すなわち、図14に示すように、電圧VGSを閾値電圧VTHに漸近させる補償動作が、動作期間PCP1に加えて書込期間PWRでも実行される。
動作期間PCP1および書込期間PWRの双方における補償動作を考慮し、本形態においては、動作期間PCP1の時間長t1と書込期間PWRの時間長t2との総和Tに基づいて階調電位VDATAに応じた時間長t1が決定される。さらに詳述すると、複数の階調電位VDATAの各々について、駆動電流IDRの誤差が最小となる総和Tが実験または計算(シミュレーション)で特定され、総和Tと時間長t2(固定値)との差分値が動作期間PCP1の時間長t1として決定される。
図15は、本形態における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との関係を示すグラフである。図15においては、第1実施形態における階調電位VDATAと駆動電流IDRの誤差との相関(図13)が破線で併記されている。本形態においては書込期間PWR内での補償動作による電圧VGSの変動も加味して動作期間PCP1の時間長t1が設定されるから、図15に示すように、書込期間PWRでの補償動作を無視した第1実施形態と比較して駆動電流IDRの誤差を低減することが可能である。
<C:第3実施形態>
図16は、本発明の第3実施形態における画素回路Uの回路図である。図16に示すように、本形態の画素回路Uは、第1実施形態の画素回路Uに制御スイッチTCRを追加した構成である。制御スイッチTCRは、駆動トランジスタTDRのドレイン−ソース間の電流Ids(駆動電流IDR)の経路上に配置される。例えば、図16に示すように、駆動トランジスタTDRのドレインと給電線16との間に介在するNチャネル型のトランジスタが制御スイッチTCRとして利用される。制御スイッチTCRがオン状態に遷移すると電流Idsの経路が確立し、制御スイッチTCRがオフ状態に遷移すると電流Idsの経路が遮断される。
素子部10内には走査線12とともにX方向に延在するm本の制御線52が形成される。図16に示すように、第i行目の各画素回路Uにおける制御スイッチTCRのゲートは第i行目の制御線52に接続される。各制御線52には駆動回路30(例えば走査線駆動回路32)から制御信号GB(GB[1]〜GB[m])が供給される。
図17は、第i行に属する第j列目の画素回路Uの動作を説明するためのタイミングチャートである。図17に示すように、制御信号GB[i]は、第i行の選択期間PSL内の書込期間PWRで非アクティブレベル(ローレベル)に設定され、当該書込期間PWR以外の期間(初期化期間PRS,補償期間PCP,駆動期間PDR)ではアクティブレベル(ハイレベル)に設定される。したがって、初期化期間PRSと補償期間PCPと駆動期間PDRとにおいては制御スイッチTCRがオン状態に維持されることで電流Idsの経路が確立され、書込期間PWRにおいては制御スイッチTCRがオフ状態に設定されることで電流Idsが遮断される。
以上のように書込期間PWRでは電流Idsが遮断される(すなわち保持容量C1や容量C2が充電されない)から、書込期間PWRの開始の直後に駆動トランジスタTDRのゲート−ソース間の電圧VGSが数式(5)の電圧VGS4に設定された後は、駆動トランジスタTDRのソースの電位VSは変化しない。すなわち、書込期間PWR内では補償動作が完全に停止する。
以上の形態においては、補償動作を実行する期間が補償期間PCPの動作期間PCP1に限定される。したがって、駆動電流IDRの誤差が低減(理想的には最小化)されるように動作期間PCP1の時間長t1のみを階調電位VDATAに応じて設定すれば、書込期間PWRの時間長に拘わらず(例えば、第1実施形態の構成ならば書込期間PWRにおける電位VSの変動を無視できない程度に長い時間長とした場合であっても)、図13と同様に、駆動電流IDRの誤差を高精度に低減することが可能である。
<D:変形例>
以上の各形態は様々に変形される。各形態に対する変形の具体的な態様を以下に例示する。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
画素回路Uを構成する各トランジスタ(駆動トランジスタTDR,選択スイッチTSL,制御スイッチTCR)の導電型は任意である。例えば、図18に示すように、駆動トランジスタTDRや選択スイッチTSLをPチャネル型とした構成も採用される。図18の画素回路Uにおいては、発光素子Eの陽極が給電線18(電位VCT)に接続され、駆動トランジスタTDRのドレインが給電線16(電位VEL[i])に接続されるとともにソースが発光素子Eの陰極に接続される。駆動トランジスタTDRのゲートとソースとの間に保持容量C1が介在する構成や、駆動トランジスタTDRのゲートと信号線14との間に選択スイッチTSLが介在する構成は図2と同様である。以上のようにPチャネル型の駆動トランジスタTDRを採用した場合、Nチャネル型の駆動トランジスタTDRを採用した場合と比較して電圧の関係(高低)は逆転するが、本質的な動作は図3と同様であるから動作の詳細な説明は省略する。なお、第3実施形態と同様に、図18の駆動トランジスタTDRに流れる電流Idsの経路上(例えば駆動トランジスタTDRのドレインと給電線18との間)に制御スイッチTCRを配置した構成も採用される。
(2)変形例2
階調電位VDATAを画素回路Uに供給するための信号線14を、補償期間PCPや初期化期間PRSにおける画素回路Uの動作の規定のために兼用する構成は本発明において必須ではない。さらに詳述すると以下の通りである。
以上の各形態においては、信号線14の信号S[j]を基準電位VREF1から基準電位VREF2に変化させることで補償動作を停止したが、補償動作を停止させるための方法は適宜に変更される。例えば、保持期間PCP2の始点にて選択スイッチTSLをオフ状態に遷移させたうえで、基準電位VREF2が供給される配線を駆動トランジスタTDRのゲートに接続する構成も採用される。
また、以上の各形態においては、動作期間PCP1における補償動作の実行中に信号線14から駆動トランジスタTDRのゲートに基準電位VREF1(信号S[j])を供給したが、補償動作の実行中に駆動トランジスタTDRのゲートの電位を維持する方法は適宜に変更される。例えば、動作期間PCP1において、選択スイッチTSLをオフ状態に遷移させたうえで、基準電位VREF1が供給される配線を駆動トランジスタTDRのゲートに接続する構成も採用される。初期化期間PRSにて駆動トランジスタTDRのゲートの基準電位VREF1を供給する動作についても同様であり、例えば、初期化期間PRSにおいて、選択スイッチTSLをオフ状態に遷移させたうえで、基準電位VREF1が供給される配線を駆動トランジスタTDRのゲートに接続する構成が採用される。
もっとも、第1実施形態から第3実施形態のように初期化期間PRSや補償期間PCPにおける画素回路Uの駆動に信号線14(信号S[j])を兼用した構成によれば、初期化期間PRSや補償期間PCPにて画素回路Uを駆動するための配線を信号線14とは別個に形成した構成と比較して、素子部10の構成が簡素化されるという格別の効果が実現される。
(3)変形例3
以上の各形態のように、複数の画素回路Uが行列状に配列された構成のもとで各画素回路Uを行単位で時分割に駆動する場合には各画素回路U内に選択スイッチTSLが必要である。しかし、例えば複数の画素回路UがX方向に沿って1列のみに配列された構成においては、時分割での複数行の選択という動作が不要であるから、画素回路U内の選択スイッチTSLは不要となる。複数の画素回路Uが1列のみに配列された発光装置100は、例えば、電子写真方式の画像形成装置(印刷装置)において感光体ドラムなどの像担持体を露光する露光装置として好適に採用される。
(4)変形例4
以上の各形態においては発光素子Eに付随する容量C2を利用したが、図19に示すように容量CXを容量C2とともに利用する構成も好適である。容量CXの電極e1は、駆動トランジスタTDRと発光素子Eとを結ぶ経路上(駆動トランジスタTDRのソース)に接続される。容量CXの電極e2は、所定の電位が供給される配線(例えば電位VCTが供給される給電線18)に接続される。以上の構成においては、数式(4)や数式(5)における容量値cp2が容量CXと発光素子Eの容量C2との合計値となる。したがって、数式(4)の電圧VGS3や数式(5)の電圧VGS4を容量CXに応じて調整することが可能である。
(5)変形例5
有機EL素子は発光素子の例示に過ぎない。例えば、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を配列した発光装置にも以上の各態様と同様に本発明が適用される。本発明における発光素子は、電流の供給で階調(輝度)が変化する要素である。
<E:応用例>
次に、以上の各態様に係る発光装置100を利用した電子機器について説明する。図20ないし図22には、発光装置100を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図20は、発光装置100を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する発光装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。発光装置100は有機EL素子を発光素子Eとして使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図21は、発光装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する発光装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、発光装置100に表示される画面がスクロールされる。
図22は、発光装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する発光装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が発光装置100に表示される。
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図20から図22に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、電子写真方式の画像形成装置において露光により感光体ドラムに潜像を形成する露光装置としても本発明の発光装置は利用される。
本発明の第1実施形態に係る発光装置のブロック図である。 画素回路の回路図である。 発光装置の動作のタイミングチャートである。 初期化期間における画素回路の様子を示す回路図である。 補償期間内の動作期間における画素回路の様子を示す回路図である。 補償期間内の保持期間における画素回路の様子を示す回路図である。 書込期間における画素回路の様子を示す回路図である。 駆動期間における画素回路の様子を示す回路図である。 対比例における階調電位と駆動電流の誤差との相関を示すグラフである。 動作期間の時間長と駆動電流の誤差との相関を示すグラフである。 階調電位と動作期間の時間長との相関を示すグラフである。 信号線駆動回路内の単位回路のブロック図である。 第1実施形態の効果を説明するためのグラフである。 本発明の第2実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の効果を説明するためのグラフである。 本発明の第3実施形態における画素回路の回路図である。 第3実施形態に係る発光装置の動作を示すタイミングチャートである。 変形例に係る画素回路の回路図である。 変形例に係る画素回路の回路図である。 電子機器(パーソナルコンピュータ)の斜視図である。 電子機器(携帯電話機)の斜視図である。 電子機器(携帯情報端末)の斜視図である。
符号の説明
100……発光装置、10……素子部、12……走査線、14……信号線、16……給電線、30……駆動回路、32……走査線駆動回路、34……信号線駆動回路、36……電位制御回路、40……単位回路、42……電位生成部、44……電位選択部、46……時間調整部、U……画素回路、TDR……駆動トランジスタ、TSL……選択スイッチ、TCR……制御スイッチ、E……発光素子、PSL……選択期間、PRS……初期化期間、PCP……補償期間、PCP1……動作期間、PCP2……保持期間、PWR……書込期間、PDR……駆動期間、VDATA……階調電位。

Claims (7)

  1. 相互に直列に接続された発光素子および駆動トランジスタと、前記発光素子と前記駆動トランジスタとの間の経路と前記駆動トランジスタのゲートとの間に介在する保持容量とを具備する画素回路を駆動する方法であって、
    前記保持容量の両端間の電圧を初期化期間にて初期化することで前記駆動トランジスタを導通させ、
    前記初期化期間の経過後の補償期間において、前記駆動トランジスタのゲートに第1基準電位を供給しながら前記保持容量の両端間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に応じた電圧に漸近させる補償動作を、当該画素回路に指定された階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行し、
    前記補償期間の経過後の書込期間において、信号線から前記駆動トランジスタのゲートに前記階調値に応じた階調電位を供給することで、前記保持容量の両端間の電圧を、前記補償動作で設定された電圧から前記階調値に応じた電圧に変化させ、
    前記書込期間の経過後の駆動期間において、前記駆動トランジスタのゲートに対する電位の供給を停止することで、前記保持容量の両端間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給する
    画素回路の駆動方法。
  2. 前記階調電位が高いほど前記補償動作の時間長が短くなるように、前記補償期間における補償動作の時間長を設定する
    請求項1の画素回路の駆動方法。
  3. 前記補償期間において、前記第1基準電位を前記信号線から前記駆動トランジスタのゲートに供給することで前記補償動作を実行し、前記信号線の前記第1基準電位を第2基準電位に変化させて前記駆動トランジスタをオフ状態に遷移させることで前記補償動作を停止する
    請求項1または請求項2の画素回路の駆動方法。
  4. 前記階調値が所定値を下回る場合には、前記補償動作の時間長を、前記階調値に依存しない所定値に設定する
    請求項1から請求項3の何れかの画素回路の駆動方法。
  5. 前記書込期間において、前記駆動トランジスタに流れる電流の経路を遮断する
    請求項1から請求項4の何れかの画素回路の駆動方法。
  6. 相互に直列に接続された発光素子および駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタと前記発光素子との間の経路と前記駆動トランジスタのゲートとの間に介在する保持容量とを含む画素回路と、
    前記画素回路を駆動する駆動回路とを具備し、
    前記駆動回路は、
    前記保持容量の両端間の電圧を初期化期間にて初期化することで前記駆動トランジスタを導通させ、
    前記初期化期間の経過後の補償期間において、前記駆動トランジスタのゲートに第1基準電位を供給しながら前記保持容量の両端間の電圧を前記駆動トランジスタの閾値電圧に応じた電圧に漸近させる補償動作を、当該画素回路に指定された階調値に応じて可変に設定された時間長にわたって実行し、
    前記補償期間の経過後の書込期間において、信号線から前記駆動トランジスタのゲートに前記階調値に応じた階調電位を供給することで、前記保持容量の両端間の電圧を、前記補償動作で設定された電圧から前記階調値に応じた電圧に変化させ、
    前記書込期間の経過後の駆動期間において、前記駆動トランジスタのゲートに対する電位の供給を停止することで、前記保持容量の両端間の電圧に応じた駆動電流を前記発光素子に供給する
    発光装置。
  7. 請求項6の発光装置を具備する電子機器。
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