JP4826158B2 - 電気光学装置 - Google Patents

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本発明は、有機発光ダイオード(以下「OLED(Organic Light Emitting Diode)」という)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロクロミック(electrochromic)素子、電子放出素子または抵抗素子など各種の被駆動素子の挙動を制御する技術に関する。
OLED素子を利用した電気光学装置(発光装置)など各種の電子装置は、面状または線状に配列された多数の単位回路を備える。各単位回路は、例えば、データ信号に応じた電圧がゲートに印加されるトランジスタ(以下「駆動トランジスタ」という)と、このゲートの電圧に応じて駆動トランジスタに流れる電流で駆動される被駆動素子(例えばOLED素子)とを含む。さらに、図15に示すように、駆動トランジスタTdrと被駆動素子11との間にトランジスタ(以下「駆動制御トランジスタ」という)Tr0が介在する構成も提案されている(例えば非特許文献1参照)。この構成によれば、被駆動素子11が実際に駆動される期間(例えば被駆動素子11に電流が供給される期間)を駆動制御トランジスタTr0の制御によって正確に規定することが可能となる。
"51.4:Invited Paper: Modeling and Design of Polysilicon Drive Circuits for OLED Displays", Simon W.-B. Tam, Tatsuya Shimoda, SID 04 Digest, pp.1406-pp.1409
しかしながら、この構成においては、駆動トランジスタTdrに加えて駆動制御トランジスタTr0を単位回路ごとに形成し、さらには駆動制御トランジスタTr0を制御するための配線を複数の各単位回路に形成する必要があるため、単位回路の構成の複雑化や開口率の低下を招くという問題がある。本発明のひとつの形態はこの問題を解決するために有効である。すなわち、この形態によれば、各単位回路の構成の複雑化を抑制しながら被駆動素子の駆動の期間を制御することが可能である。
本発明に係る電気光学装置は、第1制御線および第2制御線を各々が含む複数の走査線と、前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、前記各走査線に対応する複数の電圧供給線と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して配置された複数の単位回路と、前記複数の走査線の各々を書込期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、前記各書込期間において、前記複数のデータ線の各々に、前記走査線駆動回路が選択した前記走査線と当該データ線との交差に対応する前記単位回路の指定階調に応じた電圧を供給するデータ線駆動回路と、前記複数の電圧供給線の各々の電圧を制御する電圧制御回路とを具備し、前記複数の単位回路の各々は、制御端子と第1端子と第2端子とを備え、前記制御端子の電圧に応じて前記第1端子と前記第2端子との導通状態が変化するnチャネル型の駆動トランジスタと、接地電圧が供給される接地線に接続された陰極と前記駆動トランジスタの前記第1端子に接続された陽極とを有し、閾値電圧を上回る電圧の印加時に流れる電流に応じて発光する発光素子と、前記駆動トランジスタの前記制御端子に接続された第1電極と当該単位回路に対応する前記電圧供給線に接続された第2電極とを有する容量素子と、前記駆動トランジスタの前記制御端子と高位側の電源電圧が供給される電源線との電気的な接続を、当該単位回路に対応する前記第2制御線に供給される第2制御信号に応じて制御するリセットトランジスタと、前記駆動トランジスタの前記第2端子と当該単位回路に対応する前記データ線との電気的な接続を制御する第1トランジスタと、前記駆動トランジスタの前記制御端子と前記第1端子との電気的な接続を制御する第2トランジスタと、前記駆動トランジスタの前記第2端子と前記単位回路に対応する前記電圧供給線との電気的な接続を制御する第3トランジスタとを含み、前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタと同じ導電型であり、前記第3トランジスタは、前記第1トランジスタとは逆の導電型であり、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタと前記第3トランジスタとは、当該単位回路に対応する共通の前記第1制御線に供給される第1制御信号で制御され、前記複数の走査線のうち一の走査線が選択される書込期間の開始前の初期化期間において、前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線に、前記接地電圧を下回る所定電圧を供給し、前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオフ状態になるとともに前記第3トランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給することで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を前記電源電圧に初期化し、前記一の走査線が選択される書込期間において、前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線の電圧を前記所定電圧に維持し、前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオン状態になるとともに前記第3トランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給することで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を、前記指定階調に応じた電圧と前記駆動トランジスタの閾値電圧とに応じた電圧であって前記発光素子の閾値電圧を下回る電圧に収束させて前記容量素子により保持し、前記一の走査線が選択される書込期間の経過後の駆動期間において、前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオフ状態になるとともに前記第3トランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給し、前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線の電圧を前記所定電圧から前記電源電圧に変化させることで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を、前記容量素子の容量カップリングによって前記発光素子の閾値電圧を上回る電圧まで上昇させるとともに、前記第3トランジスタと前記駆動トランジスタとを介して前記電圧供給線から前記発光素子に電流を供給する。
本発明に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。この電子機器の典型例は、電気光学装置を表示装置として利用した機器である。この種の電子機器としては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。もっとも、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(露光ヘッド)としても本発明の電気光学装置を適用することができる。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置の構成を示すブロック図である。同図の電子装置Dは、画像を表示するための手段として種々の電子機器に採用される電気光学装置であり、複数の単位回路Uが面状に配列された素子アレイ部10と、各単位回路Uを駆動するための走査線駆動回路23およびデータ線駆動回路25と、各単位回路Uに供給される電圧を制御する電圧制御回路27とを含む。
図1に示すように、素子アレイ部10には、X方向に延在するm本の走査線13と、各走査線13に対をなしてX方向に延在するm本の電圧供給線17と、X方向に直交するY方向に延在するn本のデータ線15とが形成される(mおよびnはともに自然数)。各単位回路Uは、走査線13および電圧供給線17の組とデータ線15との交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの単位回路Uは縦m行×横n列のマトリクス状に配列する。
走査線駆動回路23は、複数の走査線13の各々を所定の順番で順次に選択する(複数の単位回路Uを行単位で選択する)ための回路である。一方、データ線駆動回路25は、走査線駆動回路23が選択する走査線13に接続された1行分(n個)の単位回路Uの各々に対応するデータ信号X[1]ないしX[n]を生成して各データ線15に出力する。第i行(iは1≦i≦mを満たす整数)の走査線13が選択される期間にて第j列目(jは1≦j≦nを満たす整数)のデータ線15に供給されるデータ信号X[j]は、第i行に属する第j列目の単位回路Uに指定された階調に対応する電圧Vdataの電圧信号である。各単位回路Uの階調は外部から供給される階調データによって指定される。
電圧制御回路27は、高位側の電源電圧(以下「電源電圧」という)Vddと低位側の電源電圧(以下「接地電圧」という)Vssとを複数の単位回路Uに対して共通に供給するとともに、複数の電圧供給線17の各々に電圧L[1]ないしL[m]を供給するための回路である。本実施形態における接地電圧Vssは各部の電圧の基準となる電位である。
図2は、電子装置Dにて使用される各電圧の高低を示す図である。同図に示すように、電圧L[1]ないしL[m]の各々は、電源電圧Vddおよび所定の電圧(以下「書込電圧」という)V0の一方から他方に順次に切り替えられる。本実施形態における書込電圧V0は、電源電圧Vddよりも「ΔV1」だけ低い電圧である。また、書込電圧V0は接地電圧Vssよりも低い。
次に、図3を参照して、各単位回路Uの具体的な構成を説明する。なお、同図においては、第i行の第j列目に位置するひとつの単位回路Uのみが図示されているが、その他の単位回路Uも同様の構成である。また、単位回路Uを構成する各トランジスタの導電型は図3の態様から適宜に変更される。
図3に示すように、図1において便宜的に1本の配線として図示された走査線13は、実際には2本の配線(第1制御線131および第2制御線132)を含む。第1制御線131および第2制御線132の各々には走査線駆動回路23から信号が供給される。すなわち、第i行目の走査線13を構成する第1制御線131には第1制御信号Ya[i]が供給され、同行の第2制御線132には第2制御信号Yb[i]が供給される。また、第i行目の単位回路Uには第i行目の電圧供給線17を介して電圧L[i]が供給されるとともに各単位回路Uに共通の電源線181を介して電源電圧Vddが供給される。
図3に示すように、単位回路Uは、電気光学素子11と駆動トランジスタTdrと4個のトランジスタ(Tr1・Tr2・Tr3およびTres)と容量素子Cとを含む。このうち電気光学素子11は、電子装置Dにおいて駆動の対象となる要素(被駆動素子)である。本実施形態の電気光学素子11は、これに供給される電流(以下「駆動電流」という)Ielに応じた輝度に発光する電流駆動型の発光素子である。このような電気光学素子11としては、有機EL(ElectroLuminescent)材料からなる発光層を陽極と陰極との間に介在させたOLED素子が採用される。各単位回路Uにおける電気光学素子11の陰極は、接地電圧Vssが供給される接地線に対して共通に接続される。電気光学素子11は、閾値電圧Vth_ELを上回る順方向の電圧の印加によって発光する。
図3の駆動トランジスタTdr(閾値電圧Vth_TR)は、駆動電流Ielの電流量を制御するためのnチャネル型のトランジスタである。より具体的には、駆動トランジスタTdrは、ソースとドレインとの間の導通状態がゲートの電圧(以下「ゲート電圧」という)Vgに応じて変化することによってゲート電圧Vgに応じた電流値の駆動電流Ielを生成する。したがって、電気光学素子11は駆動トランジスタTdrの導通状態に応じて(すなわちゲート電圧Vgに応じた輝度に)駆動される。なお、本実施形態において駆動トランジスタTdrのソースおよびドレインの各々の電圧の高低は時間的に変化するため、厳密な意味では駆動トランジスタTdrのドレインとソースとは随時に入れ替わる。しかしながら、以下では、駆動トランジスタTdrの導電型がnチャネル型であることや、電気光学素子11に駆動トランジスタTdrを介して駆動電流が供給されるときの駆動トランジスタTdrの各端子の電圧の高低を考慮して、説明の便宜のために、駆動トランジスタTdrにおける電気光学素子11側の端子を「ソース」と表記するとともにその反対側の端子を「ドレイン」と表記する。
駆動トランジスタTdrのソースは電気光学素子11の陽極に対して直接的に接続される。すなわち、駆動トランジスタTdrのソースから電気光学素子11の陽極に至る駆動電流Ielの経路上には如何なるスイッチング素子も介在しない。したがって、電気光学素子11は、駆動トランジスタTdrのソースの電圧(すなわち電気光学素子11の陽極の電圧)が電気光学素子11の閾値電圧Vth_ELを上回ることによって発光する。なお、閾値電圧Vth_ELが駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TR以下となるように電気光学素子11の特性を選定すれば、データ信号X[j]の電圧Vdataの下限値(例えば最低の階調に対応する電圧Vdata)を高い電圧に設定することが可能であるという利点がある。
トランジスタTr1は、駆動トランジスタTdrのドレインとデータ線15との電気的な接続(導通および非導通)を制御するためのスイッチング素子である。トランジスタTr2は、駆動トランジスタTdrのゲートとソースとの電気的な接続を制御するためのスイッチング素子である。また、トランジスタTr3は、駆動トランジスタTdrのドレインと電圧供給線17との電気的な接続を制御するためのスイッチング素子である。
トランジスタTr1・トランジスタTr2およびトランジスタTr3の各々のゲートは第1制御線131に対して共通に接続される。一方、トランジスタTr1およびトランジスタTr2の導電型はnチャネル型であるのに対してトランジスタTr3の導電型はpチャネル型である。したがって、トランジスタTr1およびトランジスタTr2とトランジスタTr3とは導通状態が相補的に切り替わる。すなわち、第1制御信号Ya[i]がハイレベルであれば、トランジスタTr1およびトランジスタTr2がオン状態になるとともにトランジスタTr3がオフ状態となる。これに対し、第1制御信号Ya[i]がローレベルであれば、トランジスタTr1およびトランジスタTr2がオフ状態になるとともにトランジスタTr3がオン状態となる。本実施形態においては、以上のように3個のトランジスタ(Tr1・Tr2・Tr3)が単一の配線に接続されて共通の信号(第1制御信号Ya[i])によって制御されるから、各々が別個の配線に接続されて別系統の信号によって制御される構成と比較して配線数の削減や制御の簡素化が実現され、これによって開口率の向上や歩留まりの改善といった効果が奏される。
図3に示すように、駆動トランジスタTdrのゲートには容量素子Cの第1電極E1が接続される。この容量素子Cは、駆動トランジスタTdrのゲート電圧Vgに応じた電荷を保持するための手段(換言するとゲート電圧Vgを保持するための手段)である。容量素子Cの第2電極E2は電圧供給線17に接続される。このように駆動トランジスタTdrのゲートと電圧供給線17との間には容量素子Cが介在するから、ゲート電圧Vgは電圧供給線17の電圧L[i]の変動の影響を受けて変化する。
図3に図示されたpチャネル型のトランジスタTresは、駆動トランジスタTdrのゲートと電源線181と間に介挿されて両者の電気的な接続を制御するためのスイッチング素子である。このトランジスタTresのゲートは第2制御線132に接続される。したがって、第2制御信号Yb[i]がハイレベルであればトランジスタTresはオフ状態となり、第2制御信号Yb[i]がローレベルであればトランジスタTresがオン状態となってゲート電圧Vgは電源電圧Vddに初期化される。
次に、図4を参照して、電子装置Dで利用される各信号の具体的な波形を説明する。同図に示すように、第1制御信号Ya[1]ないしYa[m]は各フレーム(1F)内の所定の期間(以下「書込期間」という)P2ごとに順番にハイレベルとなる信号である。すなわち、第1制御信号Ya[i]は、ひとつのフレームのうち第i番目の書込期間P2においてハイレベルを維持するとともにそれ以外の期間においてローレベルを維持する。第1制御信号Ya[i]のハイレベルへの遷移は第i行の選択を意味する。一方、第2制御信号Yb[i]は、図4に示すように、第1制御信号Ya[i]がハイレベルとなる書込期間P2の開始前の期間(以下「初期化期間」という)P1にてローレベルとなり、それ以外の期間でハイレベルを維持する信号である。
また、第i行目の電圧供給線17の電圧L[i]は、第1制御信号Ya[i]がハイレベルとなる書込期間P2とその直前の初期化期間P1とにおいてにて書込電圧V0を維持し、この書込期間P2の経過後の期間(以下「駆動期間」という)P3において電源電圧Vddを維持する。さらに詳述すると、電圧L[i]は、書込期間P2の終点から所定の時間の経過後の駆動期間P3の始点において書込電圧V0から電源電圧Vddに上昇し、この駆動期間P3の終点において再び書込電圧V0まで低下する。なお、初期化期間P1と書込期間P2との間、書込期間P2と駆動期間P3との間、および駆動期間P3と初期化期間P1との間における間隔の有無は任意である。初期化期間P1と書込期間P2との間に時間的な間隔を設ければ、初期化期間P1において駆動トランジスタTdrのゲート電圧Vgをより確実に初期化することができる。また、書込期間P2と駆動期間P3との間に時間的な間隔を設ければ、書込期間P2においてゲート電圧Vgを電圧Vdataに応じたレベルに確実に調整することが可能となる。
次に、図5ないし図7を参照しながら電子装置Dの具体的な動作を説明する。以下では、第i行に属する第j列目の単位回路Uの動作を、初期化期間P1と書込期間P2と駆動期間P3とに区分して説明する。
(a) 初期化期間P1(図5)
初期化期間P1においては、第2制御信号Yb[i]がローレベルに遷移するから、図5に示すようにトランジスタTresはオン状態を維持する。したがって、駆動トランジスタTdrのゲートと電源線181とが電気的に接続されてゲート電圧Vgは電源電圧Vdd(すなわち駆動トランジスタTdrを導通状態とする電圧)に初期化される。したがって、初期化期間P1においては容量素子Cに蓄積されていた電荷が初期化される。また、初期化期間P1において電圧供給線17の電圧L[i]は書込電圧V0に設定されているから、容量素子Cの第2電極E2は書込電圧V0に設定される。なお、初期化期間P1において第1制御信号Ya[i]はハイレベルを維持するから、トランジスタTr1およびトランジスタTr2がオフ状態となってトランジスタTr3はオン状態となっているが、電圧供給線17の電圧L[i]は書込電圧V0に設定されているから電気光学素子11に駆動電流Ielは供給されない。
なお、本実施形態においては初期化期間P1においてゲート電圧Vgが電源電圧Vddに初期化される構成を例示したが、初期化に使用される電圧は電源電圧Vddに限定されない。例えば、駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TR以上の電圧にゲート電圧Vgを初期化してもよい。さらに、初期化期間P1にて駆動トランジスタTdrのゲートに印加される電圧を、駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRよりも高く電気光学素子11の閾値電圧Vth_ELよりも低い電圧に設定すれば、初期化期間P1や書込期間P2において電気光学素子11に駆動電流Ielが殆ど流れない(したがって電気光学素子11は殆ど発光しない)という利点がある。
(b) 書込期間P2(図6)
初期化期間P1の経過後(書込期間P2および駆動期間P3)において第2制御信号Yb[i]はハイレベルを維持するから、図6に示すようにトランジスタTresはオフ状態を維持する。一方、書込期間P2において第1制御信号Ya[i]はハイレベルに遷移する。したがって、トランジスタTr3がオフ状態となって駆動トランジスタTdrと電圧供給線17とが電気的に絶縁される。また、トランジスタTr1がオン状態に遷移することによって駆動トランジスタTdrのドレインとデータ線15とが電気的に接続されるとともに、トランジスタTr2がオン状態に遷移することによって駆動トランジスタTdrのソースとゲートとが電気的に接続(ダイオード接続)される。すなわち、駆動トランジスタTdrのゲートは、トランジスタTr2と駆動トランジスタTdrのソースおよびドレインとトランジスタTr1とを介してデータ線15に接続される。
したがって、書込期間P2において、駆動トランジスタTdrのゲート電圧Vgは、図4に示すように、初期化期間P1にて設定された電源電圧Vddから低下していき、データ信号X[j]の電圧Vdataと駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRとの加算値(Vg=Vdata+Vth_TR)に収束する。書込期間P2は、ゲート電圧Vgの収束に充分な時間長に設定される。書込期間P2においてトランジスタTr2はオン状態となっているから、駆動トランジスタTdrのソースの電圧や電気光学素子11の陽極の電圧はゲート電圧Vg(=Vdata+Vth_TR)に等しくなる。
本実施形態においては、書込期間P2における収束後のゲート電圧Vg(換言すると駆動トランジスタTdrのソースや電気光学素子11の陽極の電圧)が、電気光学素子11を消灯させる(すなわち駆動を停止させる)電圧となるように、データ信号X[j]の電圧Vdataが選定されている。より具体的には、図2に示すように、書込期間P2におけるゲート電圧Vg(=Vdata+Vth_TR)が閾値電圧Vth_EL以下の電圧となるように電圧Vdataの範囲が決定される(Vdata+Vth_TR≦Vth_EL)。すなわち、電圧Vdataの最大値(すなわち最も高い階調に対応する電圧Vdata)と駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRとの加算値は閾値電圧Vth_EL(上限値)に略等しい電圧値となる。一方、電圧Vdataの最小値(すなわち最も低い階調に対応する電圧Vdata)と閾値電圧Vth_TRとの加算値は書込電圧V0(下限値)に略等しい電圧値となる。
このように、書込期間P2において電気光学素子11に印加される順方向の電圧(ゲート電圧Vg)は閾値電圧Vth_ELを越えない。したがって、書込期間P2においては、図6に矢印で示すように、容量素子Cの第1電極E1からトランジスタTr2と駆動トランジスタTdrのソースおよびドレインとトランジスタTr1とをこの順番に経由するように電流I0が流れる一方、同図に「×」と図示されているように、少なくとも電気光学素子11の陽極が閾値電圧Vth_EL以下となった時点以降においては電気光学素子11に電流が流れない。この結果として書込期間P2の少なくとも一部においては電気光学素子11の発光が停止する。
(c)駆動期間P3(図7)
書込期間P2が経過すると、第1制御信号Ya[i]がローレベルに遷移するから、図7に示すようにトランジスタTr2はオフ状態になる。したがって、駆動トランジスタTdrのダイオード接続は解除される。このときトランジスタTresもオフ状態となっているから、駆動期間P3において容量素子Cの第1電極E1(あるいは駆動トランジスタTdrのゲート)はフローティング状態となる。また、ローレベルの第1制御信号Ya[i]によって、トランジスタTr1がオフ状態に遷移するとともにトランジスタTr3はオン状態に遷移する。したがって、駆動トランジスタTdrのドレインの接続先はデータ線15から電圧供給線17に切り替わる。
図4に示したように、駆動期間P3の始点において、電圧制御回路27は電圧L[i]を書込電圧V0から電源電圧Vddに変化させる。いま、容量素子Cの第1電極E1はフローティング状態となっているから、図2および図4に示すように、電圧供給線17に接続された第2電極E2の電圧(すなわち電圧L[i])が「ΔV1(=Vdd−V0)」だけ変動すると、容量素子Cにおける容量カップリングによって第1電極E1の電圧(すなわちゲート電圧Vg)は「ΔV1」だけ上昇する。したがって、図4に示すように、駆動期間P3におけるゲート電圧Vgは、電源電圧Vddを上回る電圧「ΔV1+Vdata+Vth_TR」に収束する。このように駆動トランジスタTdrの導通状態が電圧Vdataに応じて設定されることにより、駆動期間P3においては、図7に示すように、電圧Vdataに対応する駆動電流Ielが電源線181からトランジスタTr3と駆動トランジスタTdrとを経由して電気光学素子11に供給される。そして、電気光学素子11はこの駆動電流Ielに応じた輝度に発光する。
いま、駆動トランジスタTdrが飽和領域で動作すると仮定すれば、駆動期間P3において電気光学素子11に供給される駆動電流Ielは以下の式(1)によって表現される。なお、式(1)における「β」は駆動トランジスタTdrの利得係数であり、「Vgs」は駆動トランジスタTdrのゲート−ソース間の電圧である。
Iel=(β/2)(Vgs−Vth_TR)2 ……(1)
駆動期間P3において、ゲート電圧Vgは接地電圧Vssを基準として「ΔV1+Vdata+Vth_TR」に収束するから、駆動期間P3における駆動トランジスタTdrのソースの電圧(すなわち電気光学素子11のオン電圧)を「Von」とすれば、電圧Vgsは「ΔV1+Vdata+Vth_TR−Von」となる。これを代入すると式(1)は以下の式(2)に変形される。なお、電圧「Von」は電気光学素子11の特性に応じて定まる電圧である。
Iel=(β/2)(ΔV1+Vdata−Von)2 ……(2)
すなわち、駆動電流Ielは駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRに依存しない。したがって、本実施形態によれば、各単位回路Uにおける閾値電圧Vth_TRのバラツキを補償して、各電気光学素子11を高い精度で所期の輝度に発光させることができる。
以上に説明したように、本実施形態においては、電気光学素子11の陽極が駆動トランジスタTdrのソースおよびゲートに対して電気的に接続される書込期間P2において駆動トランジスタTdrのソースの電圧(ゲート電圧Vg)が電気光学素子11の閾値電圧Vth_ELを下回る電圧に設定され、駆動期間P3においてこのゲート電圧Vgを所定値(ΔV1)だけシフトさせることによって電気光学素子11が駆動される。したがって、駆動トランジスタTdrと電気光学素子11との間に両者の電気的な接続を制御するスイッチング素子が介在していないにも拘わらず、書込期間P2において電気光学素子11の発光を停止させるとともに駆動期間P3において電気光学素子11を発光させるという区別を実現することができる。
ところで、単位回路Uを構成する各トランジスタ(特に駆動トランジスタTdr)としては、例えば半導体層の材料に、多結晶シリコン、微結晶シリコン、単結晶シリコンまたはアモルファスシリコンなどを採用したいわゆる薄膜トランジスタやバルクシリコンから形成されたトランジスタを採用することが可能である。実際に単位回路Uに採用されるトランジスタは、発光装置Dの用途やスペックなどに応じて適宜に選択される。
なお、アモルファスシリコンを用いたトランジスタは、これに流れる電流の方向が恒常的に固定されていると閾値電圧Vth_TRが経時的にシフトしていくことが知られている。本実施形態によれば、書込期間P2において駆動トランジスタTdrに流れる電流I0はソースからドレインに向かう一方、駆動期間P3において駆動トランジスタTdrに流れる駆動電流Ielはドレインからソースに向かう。すなわち、駆動トランジスタTdrに流れる電流の方向が随時に変更されるから、本実施形態によれば、半導体層がアモルファスシリコンからなる薄膜トランジスタを駆動トランジスタTdrに採用した構成であっても、その閾値電圧Vth_TRの変動を抑制することができる。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る電子装置Dについて説明する。なお、本実施形態のうち第1実施形態と同様の要素については図1と共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
図8は、本実施形態に係る単位回路Uの構成を示す回路図である。同図に示すように、本実施形態における駆動トランジスタTdrの導電型はpチャネル型である。電気光学素子11は駆動トランジスタTdrのドレイン(D)に接続される。なお、第1実施形態と同様に、駆動トランジスタTdrの各端子はソースおよびドレインの一方から他方に入れ替わるが、本実施形態においては説明の便宜のために、電気光学素子11側の端子を「ドレイン」と表記するとともにその反対側の端子を「ソース」と表記する。
単位回路Uとデータ線15との電気的な接続を制御するトランジスタTr1は、駆動トランジスタTdrのドレイン(したがって電気光学素子11の陽極)とデータ線15との間に介挿される。また、駆動トランジスタTdrをダイオード接続するためのトランジスタTr2は、駆動トランジスタTdrのソース(S)とゲートとの間に介挿される。さらに、各単位回路Uには電圧制御回路27から接地線182を介して接地電圧Vssが供給される。トランジスタTresは接地線182と駆動トランジスタTdrのゲートとの間に介挿される。その他の要素の構成は第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2制御信号Tb[i]によって初期化期間P1でトランジスタTresがオン状態とされる。これによりゲート電圧Vgは接地電圧Vss(すなわち駆動トランジスタTdrを導通状態とする電圧)に初期化される。次いで、書込期間P2においては、図9に示すように、電圧供給線17の電圧L[i]が接地電圧Vssに維持されたうえで、トランジスタTresおよびトランジスタTr3がオフ状態に遷移するとともにトランジスタTr1およびトランジスタTr2がオン状態となる。したがって、駆動トランジスタTdrのドレインとデータ線15とがトランジスタTr1を介して電気的に接続されるとともに、駆動トランジスタTdrのソースとゲートとがトランジスタTr2を介して接続(ダイオード接続)される。これによってゲート電圧Vgは書込期間P2にて「Vdata−Vth_TR」に収束する。
図8の構成においては駆動トランジスタTdrとトランジスタTr1との間に電気光学素子11の陽極が接続されているから、書込期間P2における電気光学素子11の陽極の電圧(駆動トランジスタTdrのドレインの電圧)はデータ信号X[j]の電圧Vdataとなる。そこで、本実施形態においては、電気光学素子11の閾値電圧Vth_ELを越えないようにデータ信号X[j]の電圧Vdataが選定され(Vdata≦Vth_EL)、これによって書込期間P2における電気光学素子11の発光が停止される。より具体的には、電圧Vdataは、書込電圧V0を下限値として閾値電圧Vth_ELを上限値とする範囲内に収まるように選定される(V0≦Vdata≦Vth_EL)。
一方、駆動期間P3の始点においては電圧供給線17の電圧L[i]が接地電圧Vssから電源電圧Vddに「ΔV2」だけ上昇する。この電圧L[i]の上昇によって、ゲート電圧Vgは、「ΔV2+Vdata−Vth_TR」に収束する。また、駆動期間P3においては、電圧Vddが供給される電圧供給線17と駆動トランジスタTdrのソースとがトランジスタTr3を介して電気的に接続されるから、このゲート電圧Vgに応じた駆動電流Ielが電圧供給線17から駆動トランジスタTdrを経由して電気光学素子11に供給される。このように本実施形態においても、駆動電流Ielは駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRに応じて決定されるから、各駆動トランジスタTdrの閾値電圧Vth_TRのバラツキに起因した電気光学素子11の輝度の相違は抑制される。
以上のように、本実施形態においては、電圧Vdataが電気光学素子11の閾値電圧Vth_ELを越えない範囲に設定される。したがって、第1実施形態と同様に、駆動トランジスタTdrと電気光学素子11との間にスイッチング素子が介在しない構成にも拘わらず、書込期間P2における電気光学素子の発光を確実に停止させることができる。また、本実施形態においては、駆動トランジスタTdrがpチャネル型であるから、nチャネル型の駆動トランジスタTdrが採用された第1実施形態の構成と比較して、ゲート電圧Vgの変動の範囲を抑制することができる(ΔV2<ΔV1)という利点がある。
なお、電気光学素子11に駆動電流Ielが供給され始めると電圧供給線17の電圧L[i]に電圧降下が発生する。しかしながら、本実施形態のように駆動トランジスタTdrをpチャネル型とした構成においては、容量素子Cの容量カップリングによって電圧L[i]の降下分だけ駆動トランジスタTdrのゲート電圧Vgも降下する。すなわち、駆動トランジスタTdrの導通状態が高くなるような補正(すなわち電圧L[i]の降下に対応して駆動電流Ielを増加させるような補正)が自動的に実行されるという利点がある。
<C:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
以上の各実施形態においては、電気光学素子11の陽極が駆動トランジスタTdrに接続された構成を例示した。この構成においては、各実施形態にて説明したように、書込期間P2における電気光学素子11の陽極の電圧(第1実施形態ではVdata+Vth_TR、第2実施形態ではVdata)が閾値電圧Vth_ELを下回るように電圧Vdataを選定することで電気光学素子11の駆動が停止される一方、駆動期間P3においては電圧供給線17の電圧L[i]を上昇させることによって電気光学素子11が駆動される。これに対し、図10や図11に示すように、電気光学素子11の陰極が駆動トランジスタTdrに接続されるとともに各電気光学素子11の陽極が電源電圧Vddに維持された構成としてもよい。図10は第1実施形態の単位回路Uを変形した態様であり、図11は第2実施形態の単位回路Uを変形した態様である。
これらの構成においては、書込期間P2における電気光学素子11の陰極の電圧が電源電圧Vddと閾値電圧Vth_ELとの差分「Vdd−Vth_EL」以上の電圧(すなわち電気光学素子11の駆動を停止させる電圧)に維持される。例えば、図10の構成においては、第1実施形態と同様に、駆動トランジスタTdrのソースの電圧(すなわち電気光学素子11の陰極の電圧)が書込期間P2にて「Vdata+Vth_TR」となるから、この電圧「Vdata+Vth_TR」が「Vdd−Vth_EL」以上となるように(Vdd−Vth_EL≦Vdata+Vth_TR)、データ信号X[j]の電圧Vdataの範囲が選定される。一方、図11の構成においては、第2実施形態と同様に、駆動トランジスタTdrのドレインの電圧が書込期間P2にて「Vdata」となるから、「Vdd−Vth_EL≦Vdataとなるように電圧Vdataの範囲が決定される。
そして、図10や図11の構成においては、書込期間P2の経過後(駆動期間P3の始点)にて電圧制御回路27が電圧供給線17の電圧L[i]を下降させる。この下降によって電気光学素子11の陰極の電圧は「Vdd−Vth_EL」を下回る電圧に設定され、この結果として電気光学素子11は駆動期間P3にて発光する。以上のように、本変形例においても各実施形態と同様の作用および効果が奏される。
(2)変形例2
単位回路Uの具体的な構成は以上の例示に限定されない。例えば、各トランジスタの導電型は適宜に変更され得る。また、各実施形態においては、書込期間P2に先立ってゲート電圧Vgを初期化するトランジスタTresを含む構成を例示したが、このトランジスタTresは省略されてもよい。さらに、各実施形態においては、トランジスタTr1とトランジスタTr2とトランジスタTr3とが共通の信号(第1制御信号Ya[i])によって制御される構成を例示したが、各々が別個の信号によって制御される構成としてもよい。したがって、トランジスタTr3はトランジスタTr1やトランジスタTr2と同じ導電型であってもよい。
(3)変形例3
以上の各実施形態においては、書込期間P2で電気光学素子11が完全に消灯するように電圧Vdataの範囲を選定した構成を例示したが、本発明において書込期間P2での完全な消灯までは必ずしも必要ではない。例えば、第1実施形態においては「Vdata+Vth_TR≦Vth_EL」を満たすように電圧Vdataの範囲を選定することで書込期間P2における電気光学素子11への電流の供給を完全に停止させる構成を例示したが、書込期間P2における電気光学素子11の輝度が表示装置としての実用上において問題にならない程度(すなわち観察者に殆ど視認されない程度)であれば、書込期間P2における電気光学素子11の陽極の電圧「Vdata+Vth_TR」(第2実施形態ではVdata)が閾値電圧Vth_ELを上回る構成としてもよい。同様に、図10の構成においては、電気光学素子11の陰極の電圧「Vdata+Vth_TR」(図11の構成では電圧Vdata)が書込期間P2にて「Vdd−Vth_EL」を下回っていてもよい。すなわち、本発明においては、書込期間P2にて電気光学素子11に印加される電圧とその経過後に電気光学素子11に印加される電圧とが電圧供給線17の電圧の変動に起因して相違する構成であれば足りる。
(4)変形例4
以上の形態においては電気光学素子11としてOLED素子を例示したが、本発明の電子装置に採用される電気光学素子はこれに限定されない。例えば、OLED素子に代えて、無機EL素子LED(Light Emitting Diode)素子といった様々な自発光素子利用することができる
<D:応用例>
次に、本発明に係る電子装置を利用した電子機器について説明する。図12は、以上に説明した何れかの形態に係る電子装置Dを表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての電子装置Dと本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この電子装置Dは電気光学素子11としてOLED素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図13に、実施形態に係る電子装置Dを適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての電子装置Dを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電子装置Dに表示される画面がスクロールされる。
図14に、実施形態に係る電子装置Dを適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての電子装置Dを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電子装置Dに表示される。
なお、本発明に係る電子装置が適用される電子機器としては、図12から図14に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電子装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込み型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙などの記録材に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する書込みヘッドが使用されるが、この種の書込みヘッドとしても本発明の電子装置は利用される。本発明にいう単位回路とは、各実施形態のように表示装置の画素を構成する回路(いわゆる画素回路)のほか、画像形成装置における露光の単位となる回路をも含む概念である。
本発明の第1実施形態に係る電子装置の構成を示すブロック図である。 電子装置にて利用される各電圧の高低を示す図である。 ひとつの単位回路の構成を示す回路図である。 電子装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 初期化期間における単位回路の様子を示す回路図である。 書込期間における単位回路の様子を示す回路図である。 駆動期間における単位回路の様子を示す回路図である。 本発明の第2実施形態におけるひとつの単位回路の構成を示す回路図である。 第2実施形態の書込期間における単位回路の様子を示す回路図である。 変形例に係る単位回路の構成を部分的に示す回路図である。 変形例に係る単位回路の構成を部分的に示す回路図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の具体的な形態を示す斜視図である。 従来の単位回路の構成を部分的に示す回路図である。
符号の説明
D……電子装置、U……単位回路、10……素子アレイ部、11……電気光学素子、13……走査線、131……第1制御線、132……第2制御線、15……データ線、17……電圧供給線、23……走査線駆動回路、25……データ線駆動回路、27……電圧制御回路、181……電源線、182……接地線、Tdr……駆動トランジスタTdr、Tr1,Tr2,Tr3,Tres……トランジスタ、C……容量素子、E1……第1電極、E2……第2電極、Vdata……データ線の電圧、Vg……駆動トランジスタのゲート電圧、Vth_TR……駆動トランジスタの閾値電圧、Vth_EL……被駆動素子(電気光学素子)の閾値電圧、P1……初期化期間、P2……書込期間、P3……駆動期間。

Claims (1)

  1. 第1制御線および第2制御線を各々が含む複数の走査線と、
    前記複数の走査線に交差する複数のデータ線と、
    前記各走査線に対応する複数の電圧供給線と、
    前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して配置された複数の単位回路と、
    前記複数の走査線の各々を書込期間毎に順次に選択する走査線駆動回路と、
    前記各書込期間において、前記複数のデータ線の各々に、前記走査線駆動回路が選択した前記走査線と当該データ線との交差に対応する前記単位回路の指定階調に応じた電圧を供給するデータ線駆動回路と、
    前記複数の電圧供給線の各々の電圧を制御する電圧制御回路とを具備し、
    前記複数の単位回路の各々は、
    制御端子と第1端子と第2端子とを備え、前記制御端子の電圧に応じて前記第1端子と前記第2端子との導通状態が変化するnチャネル型の駆動トランジスタと、
    接地電圧が供給される接地線に接続された陰極と前記駆動トランジスタの前記第1端子に接続された陽極とを有し、閾値電圧を上回る電圧の印加時に流れる電流に応じて発光する発光素子と、
    前記駆動トランジスタの前記制御端子に接続された第1電極と当該単位回路に対応する前記電圧供給線に接続された第2電極とを有する容量素子と
    前記駆動トランジスタの前記制御端子と高位側の電源電圧が供給される電源線との電気的な接続を、当該単位回路に対応する前記第2制御線に供給される第2制御信号に応じて制御するリセットトランジスタと、
    前記駆動トランジスタの前記第2端子と当該単位回路に対応する前記データ線との電気的な接続を制御する第1トランジスタと、
    前記駆動トランジスタの前記制御端子と前記第1端子との電気的な接続を制御する第2トランジスタと、
    前記駆動トランジスタの前記第2端子と前記単位回路に対応する前記電圧供給線との電気的な接続を制御する第3トランジスタとを含み、
    前記第2トランジスタは、前記第1トランジスタと同じ導電型であり、前記第3トランジスタは、前記第1トランジスタとは逆の導電型であり、
    前記第1トランジスタと前記第2トランジスタと前記第3トランジスタとは、当該単位回路に対応する共通の前記第1制御線に供給される第1制御信号で制御され、
    前記複数の走査線のうち一の走査線が選択される書込期間の開始前の初期化期間において、
    前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線に、前記接地電圧を下回る所定電圧を供給し、前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオフ状態になるとともに前記第3トランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給することで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を前記電源電圧に初期化し、
    前記一の走査線が選択される書込期間において、
    前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線の電圧を前記所定電圧に維持し、前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオン状態になるとともに前記第3トランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給することで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を、前記指定階調に応じた電圧と前記駆動トランジスタの閾値電圧とに応じた電圧であって前記発光素子の閾値電圧を下回る電圧に収束させて前記容量素子により保持し、
    前記一の走査線が選択される書込期間の経過後の駆動期間において、
    前記走査線駆動回路が、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとがオフ状態になるとともに前記第3トランジスタがオン状態となるように前記一の走査線の前記第1制御線に前記第1制御信号を供給し、かつ、前記一の走査線に対応する前記各単位回路において前記リセットトランジスタがオフ状態となるように前記一の走査線の前記第2制御線に前記第2制御信号を供給し、前記電圧制御回路が、前記一の走査線に対応する前記電圧供給線の電圧を前記所定電圧から前記電源電圧に変化させることで、前記駆動トランジスタの前記制御端子の電圧を、前記容量素子の容量カップリングによって前記発光素子の閾値電圧を上回る電圧まで上昇させるとともに、前記第3トランジスタと前記駆動トランジスタとを介して前記電圧供給線から前記発光素子に電流を供給する
    電気光学装置。
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