JP5286294B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置の技術分野に属し、特に、原稿に地紋が形成されている場合の処理に関するものである。
従来、例えば企業等の機密情報を含んだ資料のデータ等、秘密状態にしておく必要のある秘密文書の複写や複製、或いは複写物の利用を防止又は抑止する技術が種々提案されている。その技術の一つとして、或るスクリーン線数で形成された背景部と、線数(網点の密度)が前記スクリーン線数より高いスクリーン線数で形成された潜像部とを有する地紋を原稿画像に埋め込む地紋印刷技術がある。
この地紋印刷技術を用いて作成された原稿画像が複写されると、その複写物には、前記原稿画像の前記潜像部に対応する領域が白抜き状態となることで、例えば「複写禁止」などの模様が視覚的に浮かび上がって見えるようになっている(例えば下記特許文献1参照)。これにより、原稿の複写を心理的に規制させたり抑制させたりすることができる。
一方、前記地紋印刷技術とは別に、下記特許文献2のように、原稿の画像を読取り、該読取動作により得られた画像データに含まれる背景画像に埋め込まれた特殊ドットパターンを検出し、検出した特殊ドットパターンと予め記憶している特殊ドットパターンとを比較して、両者が一致すると用紙への画像形成動作を禁止する技術が広く知られている。
さらに、下記特許文献3には、「“通常コピーモード”においては、画像読取部10により読み取った原稿画像に禁複製コードを示すパターン画像が含まれている場合、それを複製禁止情報検出部22が検知することで複製動作を禁止することができる。一方、禁複製コードを示すパターン画像が含まれていない場合には、読み取った画像を用紙上にプリント出力することができる、通常の複製動作が可能である([0102])」,「条件コピーモード”においては、画像読取部10により読み取った原稿画像に条件コードを示すパターン画像が含まれている場合、それを条件情報検出部24が検知することで、予め登録されている所定条件に合致する場合に限って複製動作を許容することができる。一方、条件コードを示すパターン画像が含まれていない場合には、読み取った画像を用紙上にプリント出力することができるので、通常の複製動作が可能である([0110])」と記載されている。
特開2001−197297号公報 特開2004−274092号公報 特開2003−280469号公報
ところで、近年では、原稿に形成する地紋として有彩色の地紋を形成する技術が知られており、この技術を用いて原稿に有彩色の地紋が形成されている場合がある。ここで、この種の原稿の複写を行う場合に、現像剤(トナー)の消費量を低減する余地があった。
例えば、原稿が有彩色を含む複数の色の現像剤を用いて画像が形成されたカラーの原稿であるのか黒色の現像剤のみを用いて画像が形成されたモノクロの原稿であるのかを検出する自動カラー判別機能を搭載する画像形成装置がある。
このような画像形成装置においては、前記自動カラー判別機能によりカラー判別を行った場合に、原稿に形成される文字とか記号などのテキストや写真等がモノクロ(例えば黒色)で表現されていても、原稿に形成されている地紋の色がテキストや写真等の色と異なる色であるときには、画像形成装置はその原稿をカラーの原稿と認識する場合が生じ得る。
ここで、地紋は、原稿の複写を心理的に規制させたり抑制させたりするためのものであって、重要な情報は前記テキスト等である。したがって、このテキスト等がモノクロで表現されている以上、地紋の色が、装置に備えられている現像剤のうちの少なくとも2つの現像剤の色の混色である場合に、その地紋の複写を複数の現像剤を使って行うことの意義は小さい。それにも拘らず、従来では、複数の現像剤を使って地紋を複写していた。
一般的に、同一の画像を形成する場合に、単一の現像剤のみを用いて画像を形成する場合と複数の現像剤を用いて画像を形成する場合とでは、後者の方が現像剤の総消費量が大きい。
以上のことから、少なくとも2つの現像剤の色の混色である地紋の複写を複数の現像剤を使って行うことは、現像剤の浪費となり、ここに現像剤の消費量を低減する余地があった。
また、画像形成動作に係る動作モードとして、同一の画像データの画像形成動作に要する現像剤の消費量を通常の画像形成モードよりも抑制して画像形成動作を実施する現像剤抑制モードを備えた画像形成装置がある。
この現像剤抑制モードが設定されているときには、ユーザは現像剤の使用量を抑制したい意向を有しているから、少なくともテキスト等がモノクロで表現されている場合に、複数の現像剤を使って地紋を複写することは、好ましい処理であるとは言えない。
なお、このような課題に対する解決手段は前述した各特許文献1〜3には開示されていない。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、装置に備えられている現像剤のうちの少なくとも2つの現像剤の色の混色である地紋が形成された原稿を複写する場合の現像剤の消費量を抑制することのできる画像形成装置を提案することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部の読取動作により得られた画像データに基づき、原稿に地紋が形成されているか否かを検出するとともに、前記地紋の色を検出する地紋検出部と、複数の現像剤を有し、前記画像データに基づき、それらの現像剤のうち1又は複数の現像剤を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成の動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御部と、前記原稿が少なくとも1つの有彩色を含む色の画像を有するカラー原稿であるか否かを前記画像データに基づいて判定する第1判定部と、ユーザの指定により、前記第1判定部で前記判定を行うモードに設定するモード設定部を備え、前記画像形成制御部は、前記モード設定部により、前記第1判定部で前記判定を行うモードに設定されている場合に、前記地紋検出部により前記地紋が検出されなかったとき、または、前記地紋検出部により前記地紋が検出されかつ前記地紋の色が検出されなかったときは、前記第1判定部による前記判定の結果に応じた画像形成動作を前記画像形成部に実施させ、前記地紋検出部により前記地紋が検出されかつ前記地紋の色が検出されたときは、前記第1判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定されたか否かに拘らず、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成装置である。
この発明によれば、前記地紋検出部により地紋が検出されると、該地紋に係る画像形成動作として単一の現像剤を用いたモノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるようにしたので、前記地紋を複数の現像剤を用いた画像形成動作で形成する場合に比して、使用する現像剤の種類の数を抑制することができ、その結果、現像剤の浪費を防止又は抑制することができる。
この発明によれば、前記地紋検出部により検出された地紋の色が、前記各現像剤のうち少なくとも2つの現像剤の色の混色であるときにのみ、前記第1判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定されたか否かに拘らず、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるようにしたので、前記第1判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定された場合に、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として複数の現像剤を用いた画像形成動作を前記画像形成部に実施させる構成に比して、使用する現像剤の種類の数を抑制できる場合が生じ、現像剤の浪費を防止又は抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記画像読取部は、前記原稿の画像を予め定められた表色系に用いられる複数の色成分の画像データとして読み取るものであり、前記地紋検出部は、前記画像読取部の読取動作により得られた画像データに基づき前記表色系に用いられる各色成分の地紋に係る画像データの有無をそれぞれ検出するとともに、地紋に係る画像データを検出した色成分の組み合わせパターンに基づいて、前記原稿に形成されている地紋の色を検出するものである。
この発明によれば、比較的簡単な方法で地紋の色を検出することができる。
また、前記原稿が少なくとも1つの有彩色を含む色の画像を有するカラー原稿であるか否かを前記画像読取部によって読み取られた原稿の画像に基づいて判定する第2判定部を更に備え、前記画像形成制御部は、前記第2判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定された場合には、前記画像読取部によって読み取られた原稿の画像について、カラーの画像形成動作を前記画像形成部に行わせ、前記画像形成制御部は、前記地紋検出部により前記地紋が検出されたときには、前記第2判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定されたか否かに拘らず、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるものである。
この発明によれば、前記地紋検出部により前記地紋が検出されたときには、前記第2判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定されたか否かに拘らず、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるようにしたので、前記原稿がカラー原稿である場合に、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として複数の現像剤を用いた画像形成動作を前記画像形成部に実施させる場合に比して使用する現像剤の種類の数を抑制できる場合が生じ、現像剤の浪費を防止又は抑制することができる。
また、前記画像形成部による通常の画像形成動作を行う通常画像形成モードと、前記通常画像形成モードに比して同一の画像データに基づく画像形成動作に要する現像剤の消費量を抑制する現像剤抑制モードとを択一的に設定するモード設定部を更に備え、
前記地紋検出部は、前記地紋を検出するとともに、該地紋を検出したときにその地紋の色を前記画像データに基づいて検出するものであり、
前記画像形成制御部は、前記モード設定部により前記現像剤抑制モードが設定されている場合において、前記地紋検出部により検出された地紋の色が、前記各現像剤のうち少なくとも2つの現像剤の色の混色であるときに、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるものである。
この発明によれば、前記現像剤抑制モードが設定されている場合において、地紋の色が前記各現像剤のうち少なくとも2つの現像剤の色の混色であるときに、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるようにしたので、地紋に係る画像形成動作として単一の現像剤を用いたモノクロの画像形成動作が行われることとなる。
また、前記画像読取部は、前記原稿の画像を予め定められた表色系に用いられる複数の色成分の画像データとして読み取るものであり、
前記地紋検出部は、前記画像読取部の読取動作により得られた画像データに基づき前記表色系に用いられる各色成分の地紋に係る画像データの有無をそれぞれ検出するとともに、地紋に係る画像データを検出した色成分の組み合わせパターンに基づいて前記地紋の色を検出するものである。
この発明によれば、比較的簡単な方法で地紋の色を検出することができる。
また、前記画像形成部による通常の画像形成動作を行う通常画像形成モードと、前記通常画像形成モードに比して同一の画像データに基づく画像形成動作に要する現像剤の消費量を抑制する現像剤抑制モードとを択一的に設定するモード設定部を更に備え、
前記画像形成制御部は、前記モード設定部により前記現像剤抑制モードが設定されている場合において、前記地紋検出部により前記地紋が検出されたときには、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるものである。
この発明によれば、前記現像剤抑制モードが設定されている場合において、前記地紋検出部により前記地紋が検出されたときには、前記原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせるようにしたので、地紋に係る画像形成動作として単一の現像剤を用いたモノクロの画像形成動作が行われることとなる。
よって、前記現像剤抑制モードが設定されている場合において、前記地紋検出部により前記地紋が検出されたときに、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として複数の現像剤を用いた画像形成動作を前記画像形成部に実施させる場合に比して使用する現像剤の種類の数を抑制できる場合が生じ、現像剤の浪費を防止又は抑制することができる。
本発明に係る画像形成装置よれば、地紋の色が前記各現像剤のうち少なくとも2つの現像剤の色の混色である色を持つ地紋が形成された原稿を複写する場合の現像剤の消費量(使用量)を抑制することができる。
本発明の一実施形態における複合機の概略構成図である。 複合機の電気的な構成を示すブロック図である。 ACS処理を示すフローチャートである。 ACS処理を示すフローチャートである。 ACS処理を示すフローチャートである。 地紋の一例を示す図である。 地紋を形成するための潜像部及び背景部を形成するドットパターンを示す図である。 原稿に形成されている地紋の色ごとに、R(赤)、G(緑)、B(青)の各画像データが示す画素値と閾値との大小関係を示した図である。 各色成分の地紋データの有無と、原稿上の地紋(有彩色の地紋とモノクロの地紋の区別はしない)の有無と、原稿上の有彩色の地紋の有無との関係を示す図である。 制御部による処理を示すフローチャートである。 制御部による処理の変形形態を示すフローチャートである。 制御部による処理の他の変形形態を示すフローチャートである。 制御部による処理の他の変形形態を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としての複合機について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態における複合機の概略構成図である。
図1に示すように、複合機1は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の各色別に画像形成部2C、2M、2Y、2K(これらを纏めて画像形成部2という)が本体内に並設されている。
画像形成部2は、用紙に対するカラー画像の形成(印刷)を行うものであり、画像形成部2M、2C、2Y及び2Kは、それぞれ、例えばアモルファスシリコンからなる感光体ドラム3、この感光体ドラム3の周囲に配設された帯電部4、露光部5、現像部6及び感光体クリーニング部7を備えている。
帯電部4は、感光体ドラム3の表面全体を均一に所定電位に帯電させるものである。露光部5は、後述の画像データ記憶部40(図2参照)から送信されてきた画像データに基づき生成されたLED光を感光体ドラム3の表面に照射し、該感光体ドラム3の表面上に静電潜像を形成するものである。
現像部6は、感光体ドラム3に形成された静電潜像を現像剤供給部61から供給される現像剤を用いて現像することで、顕像として静電潜像を顕在化させるものである。感光体クリーニング部7は、後述する中間ベルト10への顕像の一次転写終了後、中間ベルト10に転写されずに感光体ドラム3の表面に残った現像剤を除去するものである。
画像形成部2M〜2Kの下方には、感光体ドラム3の表面に顕在化した顕像の中間転写(一次転写)を行うための中間転写ローラ9(一次転写ローラ)及び中間ベルト(中間転写ベルト)10が配設されている。中間ベルト10は、所定のベルト体からなり、各感光体ドラム3と対向配置された中間転写ローラ9によって感光体ドラム3に押圧された状態で、駆動ローラ11によって無端回転するように構成されている。中間ベルト10は駆動ローラ11、従動ローラ12、テンションローラ13にわたって巻き掛けられている。従動ローラ12、テンションローラ13は中間ベルト10を介して駆動ローラ11の駆動力を受けて従動回転する。テンションローラ13は中間ベルト10が弛まないように中間ベルト10に適切な張力を付与する。
感光体ドラム3上に形成される各色の顕像は、無端回転される中間ベルト10上に、中間転写ローラ9に印加された一次転写バイアスの作用によって、それぞれタイミングを合わせて、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの順に転写されて重ね合わされる。これにより中間ベルト10上にC、M、Y、Kの4色からなるカラー画像が形成される。
テンションローラ13と対向する位置には、中間ベルト10を介して2次転写ローラ14が設けられている。2次転写ローラ14にはニ次転写バイアスが印加され、このニ次転写バイアスの作用によって中間ベルト10上のカラー画像は用紙(記録媒体の一例)へ転写するものである。
また、複合機1は、画像形成部2C,2M,2Y,2Kへ向けて給紙を行う給紙部15を備えている。給紙部15は、用紙を収納する給紙カセット151、用紙が搬送される経路である搬送路152、及び、搬送路152中の用紙の搬送を行う搬送ローラ153等を備え、給紙カセット151から1枚ずつ取り出された用紙を2次転写ローラ14とテンションローラ13の間の二次転写ニップへ向けて搬送する。なお、給紙部15は、2次転写処理された用紙を定着部16へ搬送し、この定着処理された用紙を複合機本体上部に設けられた用紙排出トレイ17へ排出する。
搬送路152における2次転写ローラ14より下流側の適所には、定着部16が設けられている。定着部16は、用紙に転写された顕像を定着させるものである。定着部16は、ヒートローラ161及び圧ローラ162からなり、ヒートローラ161の熱によって用紙上の現像剤を溶かし、圧ローラ162によって圧力をかけて現像剤を用紙上に定着させる。
また、複合機1は、除電クリーニング18を備えている。除電クリーニング18は、中間ベルト10上に残留した現像剤を除去(回収)するものである。除電クリーニング18は、図略のクリーニング電極及びクリーニングブラシ(回転ブラシ)からなり、クリーニング電極によって現像剤の帯電電荷と逆極性のクリーニングバイアスをクリーニングブラシに印加し、これによる静電気力によって中間ベルト10上の現像剤をクリーニングブラシに移動させることで現像剤の除去を行う。
複合機本体の上部には、原稿読取部20と原稿給送部24とが設けられている。原稿読取部20は、露光ランプ及び複数の反射ミラー等からなるスキャナ部21と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台22及び原稿読取スリット23と、CCD(Charge Coupled Device)センサとを備える。
CCDは、例えば複数の光電変換素子が主走査方向に配列されてなる光電変換素子列が副走査方向に例えば3列並べられ、1列にはR(赤)のフィルタが配設され、他の1列にはG(緑)のフィルタが配設され、他の1列にはB(青)のフィルタが配設された構成を有するラインセンサである。なお、以下の説明においては、R(赤)、G(緑)、B(青)のフィルタがそれぞれ配設された副走査方向に並ぶ3つの光電変換素子を1つの画素というものとする。このとき、1つの画素から、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の画像データがそれぞれ出力される。なお、当該R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分からなる表色系が予め定められた表色系の一例である。
スキャナ部21は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台22に載置された原稿を読み取るときは、原稿台22に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを制御部33(図2参照)へ出力する。また、原稿給送部24により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介して原稿給送部24による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部33へ出力する。
原稿給送部24は、原稿を載置するための原稿載置部25と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部26と、原稿載置部25に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送し、原稿排出部26へ排出するための給紙ローラや搬送ローラ(図示せず)等からなる原稿搬送機構27を備える。原稿搬送機構27は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット23と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図示せず)を備え、原稿の両面の画像を、原稿読取スリット23を介してスキャナ部21によって読取可能にしている。
また、原稿給送部24は、その前面側が上方に移動可能となるように前記スキャナ部21に対して回動自在に設けられている。原稿給送部24の前面側を上方に移動させて原稿台22の上面を開放することにより、原稿台22の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザが載置できるようになっている。
図2は、複合機1の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、複合機1は、ネットワークI/F(インターフェース)部30、画像データ記憶部40、ユーザインターフェース部50、記録部60、クリーニング部70及び制御部33を備えている。
ネットワークI/F部30は、LAN等のネットワークを介して接続されたPC等の情報処理装置(外部装置)との間における種々のデータの送受信を制御するものである。画像データ記憶部40は、ネットワークI/F部30を介してPC等から送信されてきた画像データを一時的に記憶するものである。
ユーザインターフェース部50は、複合機1のフロント部に設けられ、ユーザによる各種指示入力が行われる入力キーとして機能したり、所定の情報を表示したりするものである。また、本実施形態の複合機1は、動作モードとして、原稿を、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の各現像剤のうち少なくとも2つを使用して複写するカラーコピーモードと、原稿をK(黒)の現像剤のみを使用して複写するモノクロコピーモードと、後述するACS処理部35により原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判定(装置側で自動的に判定)し、その判定結果に応じた画像形成動作を行う自動カラー判定モードとを有しており、ユーザインターフェース部50は、これらのモードの間でモードの切替設定を行うためのモード切替操作部51を有する。
前記モード切替操作部51に対して動作モードを切り替える操作が行われると、ユーザが指定した動作モードに切り替える指示を示すモード情報が前記モード切替操作部51から制御部33に出力される。これにより、制御部33により複合機1の画像形成モードが、ユーザが指定した動作モードに切り替えられる。
記録部60は、上記画像形成部2、転写部62、定着部16及び給紙部9を備え、画像データ記憶部40に記憶されるなどした画像データに基づいて用紙に対する画像印刷を行うものである。転写部62は、上述の中間ベルト10、駆動ローラ11、従動ローラ12、テンションローラ13及び2次転写ローラ14等を備えてなり、中間ベルト10を介して感光体ドラム3上の顕像を用紙に転写するものである。
クリーニング部70は上記除電クリーニング18からなるものである(感光体クリーニング部7も含む)。
制御部33は、各種制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、データを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、及び上記制御プログラム等をROMから読み出して実行するマイクロコンピュータなどからなり、上記各機能部に対する各種制御信号の送信や各機能部からの動作状況等にかかわる信号の受信を行い、複合機1全体の動作制御を司るものである。
また、制御部33は、モード設定部34と、ACS処理部35と、地紋処理部36と、画像形成制御部37とを備える。なお、本実施形態では、原稿として黒色の現像剤で形成された画像の背景領域に地紋が形成されている場合を想定して各処理の説明を行う。
モード設定部34は、複合機1の動作モードを、前記カラーコピーモードと前記モノクロコピーモードと前記自動カラー判定モードとのうち、前記モード切替操作部51から受信したモード情報が示す動作モードに設定するものである。
ACS処理部(第1判定部,第2判定部)35は、原稿読取部20により読み取られた原稿が前記カラー原稿であるか否か(原稿に形成されている画像全体が少なくとも1つの有彩色を用いたカラーの画像であるか否か)をACS(Auto Color Selection)処理により自動的に判別するものである。ACS処理の一例を図3〜5に示す。
ACS処理部35は、まず、画素ごとに図3に示すような処理を実施する。すなわち、画素のR(赤)成分の画素値をR、G(緑)成分の画素値をG、B(青)成分の画素値をBと表したとき、画素ごとに、画素値Bと画素値Gとの差が予め定められた閾値より大きいという条件、画素値Gと画素値Rとの差が予め定められた閾値より大きいという条件、画素値Rと画素値Bとの差が予め定められた閾値より大きいという条件の少なくとも1つの条件を満たすか否かを判断し、前記各条件のいずれかを少なくとも1つの条件を満たすときには(ステップ♯1でYES)、当該画素がカラー画素であると判断して、カラー画素のカウント値を1だけカウントアップする(ステップ♯2)。
各画素について図3に示す処理が終わると、図4に示すように、ACS処理部35は、前記各画素ライン(画素列)に着目し、画素ラインごとに、当該画素ラインに属するカラー画素の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判断し(ステップ♯3)、当該画素ラインに属するカラー画素の数が予め定められた閾値以上であるとき(ステップ♯3でYES)、当該画素ラインがカラーの画素ラインであると判断してカウント値を1だけカウントアップする(ステップ♯4)。
前記各画素ラインについて図4に示す処理が終わると、図5に示すように、ACS処理部35は、当該画像におけるカラー画素ラインについてのカウント値が予め定められた閾値以上であるか否かを判断し(ステップ♯5)、当該画像におけるカラー画素ラインについてのカウント値が予め定められた閾値以上であるとき(ステップ♯5でYES)、当該画像をカラーの画像であると判断する(ステップ♯6)。
地紋処理部36は、前記地紋検出部に相当するものであり、R色地紋検出部361と、G色地紋検出部362と、B色地紋検出部363と、地紋色判定部364とを備える。ここで、地紋について説明する。
図6(a),(b)は、地紋の一例を示す図である。地紋は、図6(a),(b)に示すように、異なるスクリーン線数で形成される潜像部54,56及び背景部55,57を有してなる。
図7に示すように、潜像部54,56を形成するスクリーン線数(図7(a)参照)は、背景部55,57を形成するスクリーン線数(図7(b)参照)より線数(網点の密度)が高く、背景部55,57は、当該複合機1を含む一般的な複合機であれば読取動作で解像される程度のサイズ(径)のドットで形成されている一方、潜像部54,56は、当該複合機1を含む一般的な複合機では読取動作で解像されない程度のサイズ(径)のドットで形成されている。
したがって、この地紋が形成された原稿に対する読取動作が行われると、複写物には、通常、原稿のうち潜像部54,56の領域に相当する部分が白抜き状態となって視覚的に所定の模様が浮かび上がって見えるようになっている。地紋は、網点のサイズ、密度、スクリーン線数及び網点角度を含む各パラメータのうち1又は複数のものが画像領域の画像と異なる網点で構成されたものである。
R色地紋検出部361は、スキャナ部21から出力されるR(赤),G(緑),B(青)の各色成分の原稿画像データのうちR(赤)色成分の原稿画像データに所定の地紋データが含まれているか否かを検出するものである。
すなわち、R色地紋検出部361は、R(赤)の地紋の画像データについての基準データを予め記憶しており、スキャナ部21から受信したR(赤)色成分の原稿画像データの中に前記基準データと一致する画像データが存在するか否かを検出する。より具体的には、R色地紋検出部361は、スキャナ部21から取得したR(赤)色成分の原稿画像データを複数に分割し、分割してなる画像データごとに、当該画像データと前記基準データとがそれぞれ一致(略一致を含む)するか否かを、前記各パラメータの値が一致(略一致)するか否かにより判断する。前記基準データは、網点のサイズ、密度、スクリーン線数及び網点角度等からなる各パラメータがそれぞれ予め定められた値に設定されたものである。
G色地紋検出部362は、スキャナ部21から出力されるR(赤),G(緑),B(青)の各色成分の原稿画像データのうちG(緑)色成分の原稿画像データに所定の地紋データが含まれているか否かを検出するものである。
すなわち、G色地紋検出部362は、前述したR色地紋検出部361による検出方法と同様、G(緑)色成分の地紋の画像データについての基準データを予め記憶しており、スキャナ部21から受信したG(緑)色成分の原稿画像データの中に前記基準データと一致する画像データが存在するか否かを検出する。より具体的には、G色地紋検出部362は、スキャナ部21から取得したG(緑)色成分の原稿画像データを複数に分割し、分割してなる画像データごとに、当該画像データと前記基準データとがそれぞれ一致(略一致を含む)するか否かを、前記各パラメータの値が一致(略一致)するか否かにより判断する。前記基準データは、網点のサイズ、密度、スクリーン線数及び網点角度等からなる各パラメータがそれぞれ予め定められた値に設定されたものである。
B色地紋検出部363は、スキャナ部21から出力されるR(赤),G(緑),B(青)の各色成分の原稿画像データのうちB(青)色成分の原稿画像データに所定の地紋データが含まれているか否かを検出するものである。
すなわち、B色地紋検出部363は、前述したR色地紋検出部361及びG色地紋検出部362による検出方法と同様、B(青)色成分の地紋の画像データについての基準データを予め記憶しており、スキャナ部21から受信したB(青)色成分の原稿画像データの中に前記基準データと一致する画像データが存在するか否かを検出する。より具体的には、B色地紋検出部363は、スキャナ部21から取得したB(青)色成分の原稿画像データを複数に分割し、分割してなる画像データごとに、当該画像データと前記基準データとがそれぞれ一致(略一致を含む)するか否かを、前記各パラメータの値が一致(略一致)するか否かにより判断する。前記基準データは、網点のサイズ、密度、スクリーン線数及び網点角度等からなる各パラメータがそれぞれ予め定められた値に設定されたものである。
ところで、図8に示すように、原稿に形成されている地紋の色が例えばK(黒)である場合には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分の地紋データは、いずれも画素値が小さくなる。また、原稿に形成されている地紋の色が例えばR(赤)である場合、R(赤)の地紋データのみ画素値が相対的に大きくなり、G(緑)、B(青)の各地紋データは画素値が相対的に小さくなる。また、原稿に形成されている地紋の色が例えばC(シアン)である場合、G(緑)、B(青)の各地紋データは相対的に大きくなり、R(赤)の画像データは相対的に小さくなる。
このように、R(赤),G(緑)、B(青)の各色成分の地紋の各画像データが示す画素値の大小の組み合わせパターンが、原稿に形成される地紋の色の種類に固有のものとなり、前記組み合わせパターンの形態と、原稿に形成されている地紋の色とが対応する。
ここで、本実施形態においては、原稿の用紙は白色であるものとする。この場合、例えばR色成分の地紋の画像データが画素値の大きいものとなり、該画像データの画素値が、画像の存在しない白色の背景部分を読み取ったR(赤)の光電変換素子の画像データの画素値と近似すると、R色地紋検出部361は、着目している画像データが、前記地紋の画像データであるのか、白色の背景部分を示す画像データであるのかが区別できない。
すなわち、R色地紋検出部361は、R色成分の地紋の画像データの画素値が、画像の存在しない白色の背景部分を読み取ったR(赤)の光電変換素子の画像データの画素値と近似する場合には、スキャナ部21から受信したR(赤)の原稿画像データからR(赤)色成分の地紋の画像データを検出することができない。これは、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363についても同様である。
そこで、本実施形態では、R色地紋検出部361は、白色の背景部分を示す画像データの画素値と近似する画像データを除く、画素値の比較的小さいR(赤)の画像データを用いて(画素値が比較的小さいR(赤)の画像データを対象として)、R色成分の地紋の画像データの検出処理を行う。
すなわち、R色地紋検出部361は、スキャナ部21から受信したR(赤)色成分の原稿画像データの中に、比較的画素値の小さい画像データであって且つ前記基準データと一致する画像データが存在するか否かを検出する。
そして、R色地紋検出部361は、スキャナ部21から受信したR(赤)色成分の原稿画像データの中に、比較的画素値の小さい画像データであって且つ前記基準データと一致する画像データが存在することを検出した場合には、R色成分の地紋の画像データを検出した旨を示す検出結果を地紋色判定部364に通知する一方、それ以外の場合、すなわち、スキャナ部21から受信したR(赤)色成分の原稿画像データの中に、比較的画素値の大きな画像データが存在する場合には、R色成分の地紋の画像データを検出しなかった旨を示す検出結果を地紋色判定部364に通知する。G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363も、R色地紋検出部361と同様の処理を実施する。
地紋色判定部364は、R色地紋検出部361、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363による各検出結果に基づき、原稿における地紋の有無や地紋の色を判定するものである。
図9は、R色地紋検出部361,G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363による各色成分の地紋データの有無に係る検出結果と、原稿上の地紋(有彩色及びモノクロの区別はしない)の有無と、原稿上の有彩色の地紋の有無との関係を示す図である。なお、ここでは、原稿に形成される地紋に用いられ得る色として、K(黒)、R(赤)、G(緑)、B(青)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の計7色を想定する。
図9においては、R色地紋検出部361,G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363により当該色成分の地紋データが存在すると判断された場合を「1」と表す一方、当該色成分の地紋データが存在しないと判断された場合を「0」と表している。また、前記原稿上の地紋の有無については、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色成分のうち少なくとも1つの色成分の地紋データが検出された場合に地紋が存在することとなり、図9においては、その場合を「1」と表す一方、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色成分とも地紋データが検出されなかった場合に地紋が存在しないこととなり、図9においては、その場合を「0」と表している。
また、原稿上の有彩色の地紋の有無については、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色成分のうち1つ又は2つの色成分の地紋データが検出された場合に有彩色の地紋が存在することとなり、図9においては、その場合を「1」と表す一方、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色成分の全てに地紋データが検出された場合には、有彩色の地紋が存在せず黒色の地紋が存在することとなり、この場合を「0」と表している。
地紋色判定部364は、図9に示すようなテーブルを予め記憶している。そして、地紋色判定部364は、前述したR色地紋検出部361、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363による各検出結果と前記テーブルとに基づき、地紋の有無及び有彩色の地紋の有無を求め、地紋の有無を示す第1検出結果情報と、有彩色の地紋の有無を示す第2検出結果情報とを画像形成制御部37に出力する。
例えば、地紋色判定部364は、前記R色地紋検出部361、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363によりR(赤)、G(緑)及びB(青)の各色成分とも地紋データが存在すると判断された場合には、図9に示すテーブルに基づき、原稿に地紋が形成されている旨を示す「1」のデータを前記第1検出結果情報として出力するとともに、この地紋は有彩色の地紋ではない旨(該地紋は黒色の地紋である旨)を示す「0」のデータを前記第2検出結果情報として出力する。
また、地紋色判定部364は、前記R色地紋検出部361、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363によりR(赤)、G(緑)及びB(青)の各成分のうち1つ又は2つの色成分の地紋データが存在すると判断された場合には、原稿に地紋が形成されている旨を示す「1」のデータを前記第1検出結果情報として出力するとともに、有彩色の地紋が原稿に形成されている旨を示す「1」のデータを前記第2検出結果情報として出力する。
また、地紋色判定部364は、前記R色地紋検出部361、G色地紋検出部362及びB色地紋検出部363によりR(赤)、G(緑)及びB(青)の各成分とも地紋データが存在しないと判断された場合には、原稿に地紋が形成されていない旨を示す「0」のデータを前記第1検出結果情報として出力するとともに、有彩色の地紋が原稿に形成されていない旨を示す「0」のデータを前記第2検出結果情報として出力する。
画像形成制御部37は、モード設定部34により設定されている動作モードの種類(カラーコピーモード/モノクロコピーモード/自動カラー判定モード)と、前記ACS処理部35による処理結果と、前記地紋処理部36から出力される第1及び第2検出結果情報とに基づき、カラーの画像形成動作又はモノクロの画像形成動作の実施を画像形成部2に指示するものである。
前記カラーの画像形成動作とは、1つの用紙面に対し、予め定められた表色系(ここでは、CMY表色系)に用いられるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の現像剤及びK(黒)の現像剤のうち少なくとも2つの現像剤を用いて画像を形成する画像形成動作をいい、モノクロの画像形成動作とは、1つの用紙面に対し、前記各現像剤のうち単一の現像剤(ここでは黒色の現像剤)のみを用いて画像を形成する画像形成動作をいう。
前記画像形成制御部37の具体的な処理を説明すると、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により前記カラーコピーモード又はモノクロコピーモードに設定されている場合には、前記ACS処理部35による処理結果や前記地紋処理部36から出力される第1及び第2検出結果情報に関係なく、現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)での画像形成動作を画像形成部2に指示する。
また、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されている場合には、前記ACS処理部35による処理結果及び前記地紋処理部36から出力される第1及び第2検出結果情報に応じて、次のような処理を行う。
画像形成制御部37は、前記地紋色判定部364から受信した前記第1検出結果情報が、地紋が存在する旨を示す情報であり、且つ、前記地紋色判定部364から受信した前記第2検出結果情報が有彩色の地紋が存在する旨を示す情報である場合には、前記ACS処理部35による判定結果に拘らず、原稿全体の画像(原稿読取部20によって読み取られた画像であって、元の原稿自体の画像と、これに付加された地紋の画像とでなる)に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を画像形成部2に指示する。
また、画像形成制御部37は、それ以外の場合、すなわち前記地紋色判定部364から受信した前記第1検出結果情報が、地紋が存在しない旨を示す情報である場合には、ACS処理部35による判定結果に応じた画像形成動作を画像形成部2に指示する。
また、画像形成制御部37は、前記第1検出結果情報が、地紋が形成されている旨を示す情報であり、且つ、前記地紋色判定部364から受信した前記第2検出結果情報が、有彩色の地紋が存在しない旨を示す情報である場合には、ACS処理部35による判定結果に応じた画像形成動作を画像形成部2に指示する。
図10は、制御部33(画像形成制御部37)による処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されているか否かを判断する(ステップ♯1)。画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されていない、換言すると、前記モード設定部34によりカラーコピーモード又はモノクロコピーモードに設定されていると判断すると(ステップ♯10でNO)、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯20)。
一方、ステップ♯10において、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されていると判断すると(ステップ♯10でYES)、前記地紋処理部36により地紋が検出されたか否かを前記第1検出結果情報に基づいて判断する(ステップ♯30)。
画像形成制御部37は、前記地紋処理部36により地紋が検出されたと判断すると(ステップ♯30でYES)、有彩色の地紋が検出されたか否かを前記第2検出結果情報に基づいて判断する(ステップ♯40)。画像形成制御部37は、前記地紋が有彩色の地紋であると判断すると(ステップ♯40でYES)、前記原稿全体の画像に係る画像形成動作として画像形成部2に黒色の現像剤のみを使用したモノクロの画像形成動作を実施させる(ステップ♯50)。
一方、画像形成制御部37は、ステップ♯30で地紋が検出されなかったものと判断したとき(ステップ♯30でNO)、及び、ステップ♯40で有彩色の地紋が検出されなかったものと判断したとき(ステップ♯40でNO)には、前記ACS処理部35による判定結果に応じた画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯60)。
以上のように、本実施形態では、ACS処理部35によりテキスト等の本来の画像の背景に有彩色の地紋が形成されていることを検出した場合であっても、ACS処理部35による判定結果の如何に拘らずに、画像形成制御部37が、原稿全体の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成を行う。これにより、上記テキスト等の本来の原稿画像がモノクロであるにも拘らず、地紋が少なくとも2つの現像剤の色の混色であるがためにACS処理部35により原稿がカラー原稿であると判定された場合には、画像形成制御部37はカラー画像形成を行わない。このため、原稿画像がモノクロであるにも拘らず、地紋が少なくとも2つの現像剤の色の混色であるがためにカラーの画像形成動作が実施される場合に比して、使用する現像剤の色の数を抑制することができる。その結果、現像剤の消費量を低減したり、現像剤の浪費を防止又は抑制したりすることができる。さらにはモノクロ画像の形成に係る単一の画像形成部のみを動作させれば良いので、カラーの画像を形成する場合(少なくとも二つの画像形成部を動作させる必要がある)と比較して省エネになる。
本件は、前記実施形態に代えて、或いは前記実施形態に加えて次のような変形形態も採用可能である。
変形形態[1]
前記第1の実施形態においては、原稿画像の背景に有彩色の地紋が形成されているときは、ACS処理部35による判定結果の如何に拘らず原稿全体の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにしたが、少なくとも、画像形成制御部37が、地紋の画像に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を行うようにすれば、地紋に要する現像剤の消費量を低減することができる。
また、その場合において、上記テキスト等の本来の原稿画像については、画像形成制御部37が、ACS処理部35による判定結果に従って、カラーの画像形成動作を行うか、モノクロの画像形成動作を行うかを判別すればよい。
変形形態[2]
変形形態[2]は、前記変形形態[1]と同様に、ACS処理部35による判定結果の如何に拘らずに、地紋の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うが、この変形形態[2]は、このモノクロの画像形成時には、黒色の現像剤を用いたモノクロの画像形成に限定せず、黒色以外の単一の現像剤のみを用いたモノクロの画像形成動作を行うものである。
これら変形形態[1],[2]によれば、以下の効果がある。
たとえば、前記第1の実施形態では、原稿の画像が有彩色であり、且つ、地紋が黒色である場合にも、原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作が行われる。すなわち、地紋の画像に係る画像形成動作に用いる現像剤の色を黒色に限定しないものとすると、前記第1の実施形態では、画像形成制御部37は、地紋の画像の色が黒色であり原稿画像の色が有彩色、例えばマゼンタである原稿が複写対象であっても、原稿の画像全体に係る画像形成動作として、一色の現像剤のみでモノクロの画像形成動作を実施することとなる。この場合、用紙に形成される地紋を含めた画像全体が色彩的に原稿の画像と比較的異なったものとなる可能性がある。
これに対して、変形形態[1],[2]によれば、上記テキスト等の本来の原稿画像については元の原稿通りの色で画像形成を行いつつ、地紋についてはその画像形成に要する現像剤の消費量を低減することができる。
変形形態[3]
前記第1の実施形態や前記変形形態[1],[2]では、地紋処理部36が地紋を検出した場合にその地紋の色が有彩色であるか否かを検出し、黒色の現像剤のみを使用したモノクロの画像形成動作を行うかカラーの画像形成動作を行うかをその検出結果に応じて画像形成制御部37が決定するようにしたが、変形形態[3]は、図11に示すように、画像形成制御部37は、地紋の色に関係なく、地紋が検出された場合にはモノクロの画像形成動作を実施するものである。
図11は、この制御部33による処理の変形形態を示すフローチャートである。
図11に示すように、画像形成制御部37は、複合機1が自動カラー判定モードに設定されているか否かを判断する(ステップ♯11)。画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されていない、換言すると、前記モード設定部34によりカラーコピーモード又はモノクロコピーモードに設定されていると判断すると(ステップ♯11でNO)、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)での画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯12)。
一方、ステップ♯11において、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により自動カラー判定モードに設定されていると判断すると(ステップ♯11でYES)、前記地紋処理部36により地紋が検出されたか否かを前記第1検出結果情報に基づいて判断する(ステップ♯13)。
画像形成制御部37は、前記地紋処理部36により地紋が検出されたと判断すると(ステップ♯13でYES)、原稿全体の画像に係る画像形成動作として画像形成部2に前記モノクロの画像形成動作を実施させる(ステップ♯14)。一方、画像形成制御部37は、ステップ♯13で地紋が検出されなかったものと判断したとき(ステップ♯13でNO)には、前記ACS処理部35による判定結果に応じた画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯15)。
このような処理によっても、ACS処理部35により原稿がカラー原稿であると判定した場合にカラーの画像形成動作を実施する場合に比して、現像剤の消費量を低減したり、現像剤の浪費を防止又は抑制したりすることができる。
また、この変形形態[3]は、前記第1の実施形態や変形形態[1],[2]のように、地紋の色を前記画像データに基づいて検出する地紋色判定部364を備えずに済み、その分、コストアップや処理の複雑化を抑制することができる。
変形形態[4]
前記変形形態[3]においては、地紋の色に拘らず原稿画像の背景に地紋が形成されているときは、ACS処理部35による判定結果の如何に関係なく原稿全体の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにしたが、前記変形形態[1]と同様の観点から、変形形態[4]は、少なくとも、地紋の画像に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を行うものである。これより、変形形態[4]は、少なくとも、地紋の画像形成に要する現像剤の消費量を低減する。
また、その場合において、上記テキスト等の本来の原稿画像については、画像形成制御部37が、ACS処理部35による判定結果に従って、カラーの画像形成動作を行うか、モノクロの画像形成動作を行えばよい。これによれば、上記テキスト等の本来の原稿画像については元の原稿通りの色で画像形成を行いつつ、地紋についてはその画像形成に要する現像剤の消費量を低減することができる。
変形形態[5]
変形形態[5]は、前記変形形態[4]と同様に、ACS処理部35による判定結果の如何に拘らずに、地紋の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うものとするが、この変形形態[5]は、このモノクロの画像形成時には、黒色の現像剤を用いたモノクロの画像形成に限定せず、黒色以外の単一の現像剤のみを用いたモノクロの画像形成動作を行うものである。
変形形態[4][5]によれば、以下の効果がある。
たとえば、変形形態[3]では、原稿の画像が有彩色であり、且つ、地紋が黒色である場合にも、原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作が行われる。すなわち、地紋の画像に係る画像形成動作に用いる現像剤の色を黒色に限定しないものとすると、変形形態[3]では、画像形成制御部37は、地紋の画像の色が黒色であり原稿画像の色が有彩色、例えばマゼンタである原稿が複写対象である場合であっても、原稿の画像全体に係る画像形成動作として、一色の現像剤のみでモノクロの画像形成動作を実施することとなる。この場合、用紙に形成される地紋を含めた画像全体が色彩的に原稿の画像と比較的異なったものとなる可能性がある。
これに対して、変形形態[4][5]によれば、上記テキスト等の本来の原稿画像については元の原稿通りの色で画像形成を行いつつ、地紋についてはその画像形成に要する現像剤の消費量を低減することができる。
変形形態[6]
ACS処理部35が搭載されている複合機1においては、前記第1の実施形態や変形形態[1],[2]のように、有彩色の地紋が原稿に形成されているときに、ACS処理により本来の原稿画像がカラー原稿であると判定された場合であっても前記モノクロの画像形成動作を実施するモードと、前記変形形態[3]〜[5]のように、地紋の色が黒色であるか有彩色であるかに関係なく、地紋が原稿に形成されているときに前記モノクロの画像形成動作を実施するモードとを複合機1に搭載し、これらのモードをユーザが選択できるようにした形態を、変形形態[6]としてもよい。
変形形態[7]
変形形態[7]は、前記第1の実施形態や変形形態[1]〜[6]において、自動カラー判定モードによりテキスト等の元の原稿画像が黒色の現像剤で形成されており、地紋色判定部364により地紋が黒色と異なる有彩色で形成されている場合であって、元の原稿画像及び地紋についてモノクロの画像形成を行う場合に、当該元の原稿画像及び地紋のモノクロ画像形成を、黒色の現像剤に限定せずに、複合機1に用意されている他色の一色の現像剤、例えばCMYの現像剤のうちいずれか1つの現像剤を用いて元の原稿画像及び地紋を形成するものである。この変形形態[7]によっても、前記第1の実施形態と同様に、現像剤の浪費を防止することができる。
変形形態[8]
原稿がカラーの原稿であるか否かを判定するACS処理は、前述した処理に限定されず、他の方法によりカラー判定を行う処理であってもよい。当該他の方法によりカラー判定を行う形態を変形形態[8]とする。
変形形態[9]
前記第1の実施形態や前記変形形態[1],[2]では、有彩色の地紋が検出された場合には、ACS処理部35による判定結果に関係なく原稿全体の画像の画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を実施した。ここで、本変形形態[9]は、このようなACS処理部35及び自動カラー判定モードを搭載せず、次のような現像剤抑制モードを有する複合機1にも適用されるものである。なお、以下の説明では、原稿として黒色の現像剤で形成された画像の背景領域に地紋が形成されている場合を想定する。
前記現像剤抑制モードは、通常の画像形成動作よりも同一の画像データに基づく画像形成動作に要する現像剤の消費量を抑制して画像形成動作を実施するモードである。本変形形態[9]の複合機1においては、この現像剤抑制モードを備えることに伴い、前記モード切替操作部51は、通常の動作モードと前記現像剤抑制モードとの間でモードの切替操作を行うためのものとして機能する。また、モード設定部34は、該モード切替操作部51から受信したモード情報に基づき、前記通常の動作モードと現像剤抑制モードとの間でモードの切替えを行うものとして機能する。
このような構成において、本変形形態[9]の画像形成制御部37は、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合であって、地紋色判定部364が、有彩色の地紋が原稿に形成されていることを検出したときに、原稿全体の画像の画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を実施する。
図12は、制御部33による処理の他の変形形態を示すフローチャートである。
図12に示すように、画像形成制御部37は、複合機1が現像剤抑制モードに設定されているか否かを判断する(ステップ♯21)。画像形成制御部37は、前記モード設定部34により前記現像剤抑制モードが設定されていない、すなわち通常の動作モードに設定されていると判断すると(ステップ♯21でNO)、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯25)。
一方、ステップ♯21において、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されていると判断すると(ステップ♯21でYES)、前記地紋処理部36により地紋が検出されたか否かを前記第1検出結果情報に基づいて判断する(ステップ♯22)。
画像形成制御部37は、前記地紋処理部36により地紋が検出されたと判断すると(ステップ♯22でYES)、有彩色の地紋が検出されたか否かを前記第2検出結果情報に基づき判断し(ステップ♯23)、前記有彩色の地紋が検出されたと判断すると(ステップ♯23でYES)、原稿全体の画像の画像形成動作として画像形成部2に前記モノクロの画像形成動作を実施させる(ステップ♯24)。
一方、画像形成制御部37は、ステップ♯22で地紋が検出されなかったものと判断したとき(ステップ♯22でNO)、及び、ステップ♯23で原稿に有彩色の地紋が形成されていない(地紋の色がモノクロの地紋である)と判断したとき(ステップ♯23でNO)には、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯25)。
このような処理により、有彩色の地紋が検出されたときにカラーの画像形成動作を実施する場合に比して、現像剤の消費量を低減したり、現像剤の浪費を防止又は抑制したりすることができる。
その際、現像剤抑制モードの設定は、現像剤の消費量を抑えたいというユーザの意思に基づいて行われるものであるから、原稿がカラー原稿であっても前記モノクロの画像形成動作を行うことに因ってユーザの心証を害することは殆どないと考えられる。よって、複合機1の利便性の低下を殆ど招くことなく、現像剤の消費量を低減することができる。
変形形態[10]
前記変形形態[9]においては、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に有彩色の地紋が形成されているときは、原稿全体の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにしたが、変形形態[10]は、地紋処理部36による検出結果に基づいて、当該検出結果が示す地紋部分の画像に係る画像形成動作を前記モノクロの画像形成動作とし、テキスト等の元原稿画像については、モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させるものである。このようにすれば、上記テキスト等の本来の原稿画像については元の原稿通りの色で画像形成を行いつつ、地紋についてはその画像形成に要する現像剤の消費量を低減することができる。
前記変形形態[10]のように、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に有彩色の地紋が形成されているときは、地紋の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにし、原稿画像に係る画像形成動作はその画像の色に準じた画像形成動作を行う形態を採用した場合、前記変形形態[9]と比較して、次のような利点がある。
前記変形形態[9]では、原稿の画像が有彩色であり、且つ、地紋が黒色である場合にも、原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作が行われる。すなわち、前記変形形態[9]では、画像形成制御部37は、地紋の画像の色が黒色であり原稿画像の色が有彩色、例えばマゼンタである原稿が複写対象である場合であっても、原稿の画像全体に係る画像形成動作として、黒色の現像剤のみで前記モノクロの画像形成動作を実施したり、或いはマゼンタ等の一色の現像剤のみで前記モノクロの画像形成動作を実施したりすることとなる。この場合、用紙に形成される地紋を含めた画像全体が色彩的に原稿の画像と比較的大きく異なったものとなる可能性がある。
これに対して、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に有彩色の地紋が形成されているときは、地紋の画像に係る画像形成動作として単一の現像剤のみを用いたモノクロの画像形成動作を行うようにし、原稿画像に係る画像形成動作はその画像の色に準じた画像形成動作を行う変形形態[10]では、地紋の画像を黒色で形成し、原稿画像を有彩色で形成することができる。これにより、できるだけ原稿に忠実な画像形成動作を行うことができるといえる。
変形形態[11]
前記変形形態[9]〜[10]では、現像剤抑制モードが設定されている場合に、地紋処理部36が地紋を検出した場合に地紋色判定部364がその地紋の色が有彩色であるか否かを検出し、一色の現像剤のみを使用したモノクロの画像形成動作を行うかカラーの画像形成動作を行うかをその検出結果に応じて画像形成制御部37が決定する。これに対して、変形形態[11]は、図13に示すように、画像形成制御部37は、地紋の色に関係なく、地紋が検出された場合には、原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を実施するものである。
図13は、この制御部33による処理の別の変形形態を示すフローチャートである。
図13に示すように、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により現像剤抑制モードに設定されているか否かを判断する(ステップ♯31)。画像形成制御部37は、前記モード設定部34により複合機1が現像剤抑制モードに設定されていない、すなわち通常の動作モードに設定されていると判断すると(ステップ♯31でNO)、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯34)。
一方、ステップ♯31において、画像形成制御部37は、前記モード設定部34により現像剤抑制モードに設定されていると判断すると(ステップ♯31でYES)、前記地紋処理部36により地紋が検出されたか否かを前記第1検出結果情報に基づき判断する(ステップ♯32)。
画像形成制御部37は、前記地紋処理部36により地紋が検出されたと判断すると(ステップ♯32でYES)、原稿全体の画像の画像形成動作として画像形成部2に前記モノクロの画像形成動作を実施させる(ステップ♯33)。
一方、画像形成制御部37は、ステップ♯32で地紋が検出されなかったものと判断したときには(ステップ♯22でNO)、前記モード設定部34により現在設定されている動作モード(カラーコピーモード又はモノクロコピーモード)で画像形成動作を画像形成部2に実施させる(ステップ♯34)。
このような処理によっても、複合機1の利便性の低下を殆ど招くことなく、現像剤の消費量を低減することができる。
また、本変形形態[11]は、前記変形形態[9]〜[10]のように、地紋の色を前記画像データに基づいて検出する地紋色判定部364を備えずに済み、その分、コストアップや処理の複雑化を抑制することができる。
変形形態[12]
前記変形形態[11]は、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に地紋が形成されているときに、原稿全体の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにしたが、変形形態[12]は、地紋の画像に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を行い、上記テキスト等の本来の原稿画像については、画像形成制御部37が、原稿読取部20によって読み取られた原稿画像のデータが示すとおりに、カラーの画像形成動作を行うものである。これによれば、上記テキスト等の本来の原稿画像については元の原稿通りの色で画像形成を行いつつ、地紋についてはその画像形成に要する現像剤の消費量を低減することができる。
前記変形形態[12]のように、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に地紋が形成されているときは、地紋の画像に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作を行うようにし、原稿画像に係る画像形成動作はその画像の色に準じた画像形成動作を行う形態を想定した場合、前記変形形態[11]と比較して、次のような利点がある。
前記変形形態[11]では、原稿の画像が有彩色であり、且つ、地紋が黒色である場合にも、原稿の画像全体に係る画像形成動作としてモノクロの画像形成動作が行われる。すなわち、前記変形形態[11]では、画像形成制御部37は、地紋の画像の色が黒色であり原稿画像の色が有彩色、例えばマゼンタである原稿が複写対象である場合であっても、原稿の画像全体に係る画像形成動作として、黒色の現像剤のみで前記モノクロの画像形成動作を実施したり、或いはマゼンタ等の一色の現像剤のみで前記モノクロの画像形成動作を実施したりすることとなる。この場合、用紙に形成される地紋を含めた画像全体が色彩的に原稿の画像と比較的大きく異なったものとなる可能性がある。
これに対して、前記モード設定部34により現像剤抑制モードが設定されている場合において、原稿画像の背景に有彩色の地紋が形成されているときは、地紋の画像に係る画像形成動作として単一の現像剤のみを用いたモノクロの画像形成動作を行うようにし、原稿画像に係る画像形成動作はその画像の色に準じた画像形成動作を行う変形形態[10]では、地紋の画像を黒色で形成し、原稿画像を有彩色で形成することができる。これにより、できるだけ原稿に忠実な画像形成動作を行うことができるといえる。
変形形態[13]
変形形態[13]は、前記変形形態[9]〜[12]を更に変形し、有彩色の地紋が原稿に形成されているときに、前記モノクロの画像形成動作を実施するモードと、地紋の色が黒色であるか有彩色であるかに関係なく、地紋が原稿に形成されているときに前記モノクロの画像形成動作を実施するモードとを複合機1に搭載し、これらのモードをユーザが選択できるようにしたものである。
変形形態[14]
変形形態[14]は、前記第1の実施形態や変形形態[9]〜[13]において、自動カラー判定モードによりテキスト等の元の原稿画像が黒色の現像剤で形成されており、地紋色判定部364により地紋が黒色と異なる有彩色で形成されている場合であって、元の原稿画像及び地紋についてモノクロの画像形成を行う場合に、当該元の原稿画像及び地紋のモノクロ画像形成を、黒色の現像剤に限定せずに、複合機1に用意されている他色の一色の現像剤、例えばCMYの現像剤のうちいずれか1つの現像剤を用いて元の原稿画像及び地紋を形成するものである。この変形形態[14]によっても、現像剤の浪費を防止することができる。
なお、本件の画像形成装置は、複合機に限定されず、複写機等も含まれる。
1 複合機
2 画像形成部
33 制御部
34 モード設定部
35 ACS処理部
36 地紋検出部
37 画像形成制御部
51 モード切替操作部

Claims (2)

  1. 原稿の画像を読み取る画像読取部と、
    前記画像読取部の読取動作により得られた画像データに基づき、原稿に地紋が形成されているか否かを検出するとともに、前記地紋の色を検出する地紋検出部と、
    複数の現像剤を有し、前記画像データに基づき、それらの現像剤のうち1又は複数の現像剤を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成の動作を前記画像形成部に行わせる画像形成制御部と、
    前記原稿が少なくとも1つの有彩色を含む色の画像を有するカラー原稿であるか否かを前記画像データに基づいて判定する第1判定部と、
    ユーザの指定により、前記第1判定部で前記判定を行うモードに設定するモード設定部を備え、
    前記画像形成制御部は、前記モード設定部により、前記第1判定部で前記判定を行うモードに設定されている場合に、
    前記地紋検出部により前記地紋が検出されなかったとき、または、前記地紋検出部により前記地紋が検出されかつ前記地紋の色が検出されなかったときは、前記第1判定部による前記判定の結果に応じた画像形成動作を前記画像形成部に実施させ、
    前記地紋検出部により前記地紋が検出されかつ前記地紋の色が検出されたときは、前記第1判定部により前記原稿が前記カラー原稿であると判定されたか否かに拘らず、該原稿の画像全体に係る画像形成動作として前記モノクロの画像形成動作を前記画像形成部に行わせる画像形成装置。
  2. 前記画像読取部は、前記原稿の画像を予め定められた表色系に用いられる複数の色成分の画像データとして読み取るものであり、
    前記地紋検出部は、前記画像読取部の読取動作により得られた画像データに基づき前記表色系に用いられる各色成分の地紋に係る画像データの有無をそれぞれ検出するとともに、地紋に係る画像データを検出した色成分の組み合わせパターンに基づいて、前記原稿に形成されている地紋の色を検出する請求項1に記載の画像形成装置。
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