JP5285306B2 - 光学部品及び光学部品を用いた位相差顕微鏡 - Google Patents

光学部品及び光学部品を用いた位相差顕微鏡 Download PDF

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Description

位相差顕微鏡及びその光学部品に関し、特に位相差を変更する光学部品に関する。
従前から、無色透明な生体細胞などを染色等によって死滅させることなく観察できる顕微鏡として位相差顕微鏡が考え出されてきた。この位相差顕微鏡は、明暗のコントラストによって無色透明な標本を観察できるもので、生体細胞などを生きた状態で観察することができる。
特開平9−230247号公報
上述したように、位相差顕微鏡は、明暗のコントラストによって無色透明な生体細胞などの標本を観察できるものである。この明暗のコントラストによって観察できるようにするために、位相差顕微鏡では位相板を用いることが必要である。
この位相板は、所定の物質の薄膜によって形成され、光源から発せられた光を薄膜に透過させることにより、波長の4分の1だけ位相を進めたり遅らせたりするものである。この位相板の薄膜を構成する物質には、分散現象があるため、あらゆる波長に対して、波長の4分の1だけ位相をずらすことができず、広範囲の波長の光で標本を観察した場合には、コントラストが低くならざる得なかった。そのため、従来の位相差顕微鏡では、一定の波長に対してのみ観察できるようにするために、一定の波長に対応した色のフィルタを介在させた構成としていた。このようなフィルタを用いることによって、一定の波長に対してのみ、波長の4分の1だけ位相がずれるようにしていた。
しかしながら、従来の位相差顕微鏡は、フィルタを用いた構成としていたため、標本を観察した場合には、標本の像は、単色の濃淡のみで表現される。このため、標本の色に関する情報が欠落した状態で、観察せざるを得なかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、周波数情報や色情報を含めて位相差を示すことができる光学部品及び位相差顕微鏡を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明においては、少なくとも2つの波長に対して、一定の位相の差が生ずるように、少なくとも2つ以上の光学媒質を並設する。
具体的には、本発明に係る光学部品は、
少なくとも2以上の波長の光束が入射する入射面と、入射した光束の位相を変化させた後、光束を出射する出射面とを含む光学部品であって、
前記入射面と前記出射面との間に沿って並設された少なくとも2つの光学媒質を含む光学媒質体を有し、
前記光学媒質体は、
前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、波長に応じて位相を変化させた後、光束を出射する第1の光学媒質領域と、
前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、前記第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、位相差が略一定となるように波長に応じて位相を変化させて出射する第2の光学媒質領域と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る光学部品は、入射面と出射面とを含む。入射面には、少なくとも2以上の波長の光束が入射する。光学部品は、入射した光束の位相を変化させる。出射面からは、位相が変化した光束が出射される。
光学部品の入射面と出射面との間には光学媒質体が設けられている。なお、光学媒質体の表面が、入射面及び出射面として形成されているものが好ましい。光学媒質体は、少なくとも2つの光学媒質を含む。これらの少なくとも2つの光学媒質が、入射面と出射面との間に沿って並べられて設けられている。
さらに、光学媒質体は、第1の光学媒質領域と第2の光学媒質領域とを少なくとも含む。
第1の光学媒質領域には、上述した少なくとも2以上の波長の光束が入射される。第1の光学媒質領域は、その屈折率等の光学的特性によって、入射された光束の位相を波長に応じて変化させる。位相を変化させた光束は、第1の光学媒質領域から出射される。
第2の光学媒質領域にも、第1の光学媒質領域と同様に、上述した少なくとも2以上の波長の光束が入射される。第2の光学媒質領域も、その屈折率等の光学的特性によって、入射された光束の位相を波長に応じて変化させる。さらに、この第2の光学媒質領域は、第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して位相差が略一定となるように、入射された光束の位相を変化させる。このように位相を変化させた光束は、第2の光学媒質領域から出射される。
このように第1の光学媒質領域と第2の光学媒質領域とによって、少なくとも2以上の波長の光束について、第1の光学媒質領域から出射される光束の位相と、第2の光学媒質領域から出射される光束の位相との差が略一定となるようにすることができる。このように複数の波長に対して、位相をずらすことができるので、光束の周波数情報を含めて、光束の位相を調整することができる。
また、本発明に係る光学部品は、
前記第1の光学媒質領域が、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
前記第2の光学媒質領域が、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
前記第1の光学媒質領域のうちのi番目の層の厚さをt1iとし、波長λ1の光束に対する屈折率をn(i、1)とし、波長λ2の光束に対する屈折率をn(i、2)とし、
前記第2の光学媒質領域のうちのj番目の層の厚さをt2jとし、波長λ1の光束に対する屈折率をn(j、1)とし、波長λ2の光束に対する屈折率をn(j、2)としたときに、次の3つの式
Figure 0005285306

が成立するものが好ましい。
さらに、本発明に係る光学部品は、以下の3つの式
t(n(1,1)−n(1,1))=C1×λ1
t(n(1,2)−n(1,2))=C2×λ2
|C1−C2|<0.02
が成立するものが好ましい。
ここで、
第1の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率をn(1,1)とし、
第1の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率をn(1,2)とし、
第2の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率をn(1,1)とし、
第2の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率をn(1,2)とする。
さらに、式 |n,1)−n,2)|<0.3を満たすものが好ましい。
また、上述したC1又はC2をCとするときに、1/4≦|C|≦3/4を満たすものが好ましい。ここで、|C|の絶対値を示す。
ここで、上述した少なくとも2以上の波長の光束には、第1の波長λ1の光束と、第2の波長λ2の光束とを含む。また、上述した式において、tは、第1の光学媒質領域の厚みと第2の光学媒質領域の厚みとであり、Cは、波長によらない定数である。
さらに、n(1,1)は、第1の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率であり、n(2,1)は、第1の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率であり、n(1,2)は、第2の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率であり、n(2,2)は、第2の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率である。
上述した2式を満たす光学媒質を用いたことによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1の光学媒質領域から出射される光束の位相を、第2の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、所定の定数Cだけ進めたり遅らせたりすることができる。このように、複数の波長に対して、位相をずらすことができるので、光束の周波数情報を含めて、光束の位相を調整することができる。
さらに、本発明に係る光学部品は、
前記第1の波長λ1と、前記第2の波長λ2とが、可視光の波長であるものが好ましい。
このようにすることで、可視光の周波数情報、すなわち、色情報を含めて、光束の位相を調整することができる。
さらに、本発明に係る位相差顕微鏡は、
試料を照明する照明光学系と、前記試料の像を結像させる結像光学系とを含む位相差顕微鏡であって、
前記照明光学系の瞳位置に配置された開口と、
前記開口と共役な位置に配置された位相板と、を含み、
前記位相板が、
少なくとも2以上の波長の光束が入射する入射面と、入射した光束の位相を変化させて出射する出射面とを含み、かつ、
前記入射面と前記出射面との間に沿って並設された少なくとも2つの光学媒質を含む光学媒質体を有し、
前記光学媒質体が、
前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、波長に応じて位相を変化させて出射する第1の光学媒質領域と、
前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、前記第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、位相差が略一定となるように波長に応じて位相を変化させて出射する第2の光学媒質領域と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る位相差顕微鏡は、照明光学系と、結像光学系と、開口と、位相板とを含む。照明光学系は、試料を照明するためのものである。結像光学系は、試料の像を結像させるためのものである。開口は、照明光学系の瞳位置に配置され、試料に照射する光を制限するためのものである。
位相板は、開口と共役な位置に配置されている。この位相板は、入射面と出射面とを含む。入射面には、少なくとも2以上の波長の光束が入射する。位相板は、入射した光束の位相を変化させる。出射面からは、位相が変化した光束が出射される。
位相板の入射面と出射面との間には光学媒質体が設けられている。なお、光学媒質体の表面が、入射面及び出射面として形成されているものが好ましい。光学媒質体は、少なくとも2つの光学媒質を含む。これらの少なくとも2つの光学媒質が、入射面と出射面との間に沿って並べられて設けられている。
さらに、光学媒質体は、第1の光学媒質領域と第2の光学媒質領域とを少なくとも含む。
第1の光学媒質領域には、上述した少なくとも2以上の波長の光束が入射される。第1の光学媒質領域は、その屈折率等の光学的特性によって、入射された光束の位相を波長に応じて変化させる。位相を変化させた光束は、第1の光学媒質領域から出射される。
第2の光学媒質領域にも、第1の光学媒質領域と同様に、上述した少なくとも2以上の波長の光束が入射される。第2の光学媒質領域も、その屈折率等の光学的特性によって、入射された光束の位相を波長に応じて変化させる。さらに、この第2の光学媒質領域は、第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して位相差が略一定となるように、入射された光束の位相を変化させる。このように位相を変化させた光束は、第2の光学媒質領域から出射される。
このように第1の光学媒質領域と第2の光学媒質領域とによって、少なくとも2以上の波長の光束について、第1の光学媒質領域から出射される光束の位相と、第2の光学媒質領域から出射される光束の位相との差が略一定となるようにすることができる。このように複数の波長に対して、位相をずらすことができるので、光束の周波数情報を含めて、光束の位相を調整することができ、透明に近い試料を色情報を含めて観察することができる。また、また、フィルタを用いることなく試料を観察できるので、位相差顕微鏡の構成を簡素にすることができる。
周波数情報や色情報を含めて試料の位相差を示すことができる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<<第1の実施の形態>>>
<<位相差顕微鏡の構成>>
図1は、位相差顕微鏡10の概要を示す図である。
位相差顕微鏡10は、光源(図示せず)とリング絞り12と、コンデンサレンズ14と、対物レンズ18と、位相板100とを含む。これらは、所定の支持体(図示せず)によって、所定の位置に支持されている。
リング絞り12は、輪帯形状の開口を有し、照明光学系1の瞳位置、すなわち、後述する対物レンズ18の前側焦点面に位置づけられている。光源(図示せず)から発せられた光束は、リング絞り12に到達する前に、コリメーターレンズ等の光学素子(図示せず)によって、予め平行光に変換されている。平行光に変換された光束は、このリング絞り12によって、輪帯形状の開口のみを通過するように絞られて、輪帯状の光束に変換される。
コンデンサレンズ14は、リング絞り12によって輪帯状の光束に変換された光束を、後述する試料16で集光させるように変換する。コンデンサレンズ14によって集光光に変換された光束は、標本である試料16で結像する。試料16に照射された光束は、試料16の内部を透過して直進する直接光(図1に示す実線)と、試料16の位相物体によって回折して曲がって進む回折光(図1に示す破線)とに分離される。この回折光は、試料16の位相物体によって、回折すると共に、位相が約波長の4分の1だけ遅れる。
上述した光源と、リング絞り12とコンデンサレンズ14とによって照明光学系1が構成される。
試料16によって分離された直接光と回折光との進行方向には、対物レンズ18が配置されている。さらに、位相板100が、結像光学系2の瞳位置に、すなわち、対物レンズ18の後側焦点位置に配置されて、リング絞り12と共役な関係となる位置に配置されている。位相板100は、後述するように、第1光学媒質部110と第2光学媒質部120とからなる。第1光学媒質部110は、輪帯状に形成されている(図2参照)。なお、この位相板100の構成及び機能の詳細については後述する。
試料16を透過した直接光の光束は、対物レンズ18によって平行光に変換され、位相板100に入射する。位相板100の輪帯状に形成された第1光学媒質部110は、輪帯光となっている直接光と重なるように配置されている。すなわち、位相板100の輪帯状に形成された第1光学媒質部110の内径d1と外径d2(図2(a)及び(b)参照)との各々は、リング絞り12の内径と外径とに、コンデンサレンズ14と対物レンズ18による倍率を乗じた値である。
一方、試料16の位相物体によって回折された回折光は、後述する位相板100の外側第2光学媒質部120bを通過する。
位相板100を透過した直接光と回折光とは、像面20において、集光されて互いに干渉して像を結像する。
<位相板100の構成>
図2は、第1の実施の形態による位相板100の平面図(a)と、断面図(b)と、原理図(c)とを示す。
位相板100は、図2(a)に示すように、略円板状の形状を有する。位相板100は、第1の光学媒質領域からなる第1光学媒質部110と、第2の光学媒質領域からなる第2光学媒質部120とを含む。第1光学媒質部110と第2光学媒質部120との光学的性質については、後述する。また、位相板100は、図2(b)に示すように、入射面140(図2(b)に示す下面)と出射面150(図2(b)に示す上面)と有する。後述するように、光源から発せられた光束は、入射面140に入射し、第1光学媒質部110や第2光学媒質部120を透過した光束は、出射面150から出射される。さらに、この位相板100の入射面140側には、基部130が形成されている。この基部130は、第2光学媒質部120からなり、位相板100の基部として機能する。
第1光学媒質部110は、図2(b)に示すように、出射面150側に配置されている。この第1光学媒質部110は、出射面150において、輪帯状やリング状の形状を有する。第1光学媒質部110の内径はd1であり、外径はd2である。この内径d1と外径d2とは、上述したように、リング絞り12の内径及び外径や、コンデンサレンズ14及び対物レンズ18による倍率に応じて適宜定めればよい。また、第1光学媒質部110の厚さはt1である。この第1光学媒質部110の厚さt1は、後述する式1及び式2を満たすように定めればよい。
一方、第2光学媒質部120は、図2(b)に示すように、第1光学媒質部110を除いた位相板100の領域に配置されている。ここでは、第1光学媒質部110を、便宜的に、内側第2光学媒質部120aと、外側第2光学媒質部120bと、基部130との3つに区分する。基部130は、上述したように、位相板100の入射面140側に形成され、位相板100の基部として機能する。上述した第1光学媒質部110と、内側第2光学媒質部120aと、外側第2光学媒質部120bとは、同心状となるように形成されている。
内側第2光学媒質部120aは、第1光学媒質部110の内側に位置する。内側第2光学媒質部120aは、入射面140及び出射面150において、略円形の形状を有する。
内側第2光学媒質部120aの直径は、上述した第1光学媒質部110の内径d1によって定まる。外側第2光学媒質部120bは、第1光学媒質部110の外側に位置する。外側第2光学媒質部120bは、入射面140及び出射面150において、略輪帯状の形状を有する。外側第2光学媒質部120bの内径は、第1光学媒質部110の外径d2によって定まり、外側第2光学媒質部120bの外径は、位相板100の直径によって定まる。また、第2光学媒質部120の厚さもt1であり、後述する式1及び式2を満たすように定めればよい。
このように、第1光学媒質部110と第2光学媒質部120(内側第2光学媒質部120a及び外側第2光学媒質部120b)とは、入射面140と出射面150との間に沿って並んで設けられている。
第1光学媒質部110は、波長λ1の光束に対して、屈折率n(1、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(1、2)を示す。この第1光学媒質部110は、プラスチックや樹脂等であるのが好ましい。
一方、内側第2光学媒質部120aと外側第2光学媒質部120bとは、波長λ1の光束に対して、屈折率n(1、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(1、2)を示す。この内側第2光学媒質部120aと外側第2光学媒質部120bとは、略円板状の媒質であるのが好ましい。なお、基部130も第2の光学媒質領域からできているので、同様の屈折率を示す。
これらの屈折率n(1、1)、n(1、2)、n(1、1)及びn(1、2)は、以下の3つの式を満たす。
t(n(1,1)−n(1,1))=C1×λ1
t(n(1,2)−n(1,2))=C2×λ2
|C1−C2|<0.02
ここで、式1及び式2おけるtは、第1光学媒質部110と内側第2光学媒質部120aと外側第2光学媒質部120bとの厚さであり、図2(b)に示した例では、厚さt1であり、位相板100の全体の厚さt2のうち、基部130の厚さを除いた厚さである。この厚さt1が、第1光学媒質部110による位相の変化と、第2光学媒質部120による位相の変化とに寄与する。すなわち、この厚さt1が、第1光学媒質部110を通過する光束の位相と、第2光学媒質部120を通過する光束の位相との差を生じさせる要素の1つである。
<位相板100の製造>
上述した位相板100は、略円板状の形状を有するガラス板を加工することによって作られる。このガラス板が第2光学媒質部120(内側第2光学媒質部120a及び外側第2光学媒質部120b)並びに基部130となる。ガラス板の加工は、まず、ガラス板の出射面150となる側の表面を加工することによって、位相板100と同心状となるように輪帯状の形状の溝を形成する。この加工は、溝の深さがt1となるように行う。形成した溝に、接着剤を流し込んで固化させる。溝で乾燥した接着剤が、第1光学媒質部110となる。このように加工によって溝を形成すると共に接着剤によって第1光学媒質部110を形成することができるので、簡易にかつ安価に位相板100を作ることができる。また、溝を加工によって形成するので、形成する溝の深さにより、第1光学媒質部110の厚さを調整することができ、第1光学媒質部110の厚さを薄くして形成したり厚く形成したりすることも容易にできる。なお、第1光学媒質部110を厚く形成したい場合には、蒸着やスパッタ等の薄膜形成処理によって行ってもよい。
また、上述した式1及び式2を満たすものであれば、ガラス板を用いずに透明なプラスチック等の樹脂を、第2光学媒質部120として用いてもよい。このようにすることで、より簡易にかつ安価に位相板100を作ることができる。
<位相板100の機能>
上述したように、光源から発せられた光束は、試料16の位相物体によって直接光と回折光とに分離される。回折光は、試料16の位相物体によって回折の際に、位相が約波長の4分の1だけ遅れる。一方、直接光は、試料16の位相物体によって、回折されることはなく、位相は変更されない。
回折光は、図1の破線で示すように、位相板100の内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bを透過するように、対物レンズ18によって進行方向が調整される。具体的には、位相板100の入射面140に到達した回折光は、まず、基部130を通過する。次に、基部130を通過した回折光は、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bに到達する。さらに、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bを通過して、位相板100の出射面150から出射されて、像面20に向かって進む。なお、上述したように、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bと基部130とを便宜的に区分したので、回折光の進行について、上述したような説明をしたが、これらの間に境界や界面が存在するわけでない。
一方、直接光は、図1の実線で示すように、位相板100の第1光学媒質部110を透過するように、対物レンズ18によって進行方向が調整される。具体的には、位相板100の入射面140に到達した直接光は、まず、基部130を通過する。次に、基部130を通過した回折光は、第1光学媒質部110に到達する。さらに、第1光学媒質部110を通過して、位相板100の出射面150から出射されて、像面20に向かって進む。
上述したように、直接光の場合も回折光の場合も、位相板100の入射面140から入射すると、まず、基部130を通過することになる。したがって、基部130を構成している第2光学媒質部120の屈折率と基部130の厚さによって、直接光も回折光も同様に位相が変更される。したがって、基部130を通過する前における直接光の位相と回折光の位相との差と、基部130を通過した後における直接光の位相と回折光の位相との差とは同じものになる。
これに対して、基部130を通過した後、直接光は、第1光学媒質部110を通過するのに対して、回折光は、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bを通過する。このため、直接光は、第1光学媒質部110の屈折率と厚さとによって位相が変更され、回折光は、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bの屈折率と厚さとによって位相が変更される。これによって、基部130を通過した後における直接光の位相と回折光の位相との差と、位相板100の出射面150から出射されるときにおける直接光の位相と回折光の位相との差とに違いが生ずることになる。具体的には、基部130を通過した後における直接光の位相と回折光の位相との差は、約波長の4分の1であり、これは、試料16の位相物体によって生じた差である。
このように、基部130は、直接光の位相や回折光の位相に影響を与えるものであるが、位相板100の出射面150から出射されるときにおける直接光の位相と回折光の位相との差には影響を与えない。位相板100の出射面150から出射されるときにおける直接光の位相と回折光の位相との差に影響を与えるのは、式1及び式2の関係を満たす第1光学媒質部110と内側第2光学媒質部120aと外側第2光学媒質部120bとである。
以下では、原理図である図2(c)を用いて、光源から発せられた波長λ1とλ2の光束について、詳細に説明する。なお、図2(c)は、図2(b)に示した位相板100の基部130を省略して示したものである。
λ1の波長を有する光束は、試料16によって、直接光LR1と回折光LD1とに分離される。同様に、λ2の波長を有する光束も、試料16によって、直接光LR2と回折光LD2とに分離される。
直接光LR1は、対物レンズ18によって、図2(c)に示す第1光学媒質部110に入射する。第1光学媒質部110に入射した直接光LR1は、波長λ1を有するので、第1光学媒質部110の屈折率n(1、1)と厚さt1とに応じて、所定の位相だけずれて、第1光学媒質部110から出射される。一方、回折光LD1は、対物レンズ18によって、図2(c)に示す内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bに入射する。内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bに入射した回折光LD1も、波長λ1を有するので、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bの屈折率n(1、2)と厚さt1とに応じて、所定の位相だけずれて、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射される。
このように、第1光学媒質部110から出射された直接光LR1は、式1の関係によって、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射された回折光LD1に対して、位相が(λ1)/4だけずれている。
同様に、直接光LR2は、対物レンズ18によって、図2(c)に示す第1光学媒質部110に入射する。第1光学媒質部110に入射した直接光LR2は、波長λ2を有するので、第1光学媒質部110の屈折率n(2、1)と厚さt1とに応じて、所定の位相だけずれて、第1光学媒質部110から出射される。一方、回折光LD2は、対物レンズ18によって、図2(c)に示す内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bに入射する。内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bに入射した回折光LD2も、波長λ2を有するので、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bの屈折率n(2、2)と厚さt1とに応じて、所定の位相だけずれて、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射される。
このように、第1光学媒質部110から出射された直接光LR2は、式2の関係によって、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射された回折光LD2に対して、位相が(λ2)/4だけずれている。
上述した式1及び式2とを満たす第1光学媒質部110と内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bとを用いることによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1光学媒質部110から出射される光束の位相を、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射される光束の位相に対して、波長の4分の1だけ進めたり遅らせたりすることができる。
従前の位相差顕微鏡に用いられた位相板は、第2の光学媒質領域に相当する媒質として空気を用いて、第1の光学媒質領域の屈折率と空気の屈折率とによって、直接光の位相を回折光に対して波長の4分の1だけ遅らせたり進めたりするものであった。しかし、第1の光学媒質領域の分散によって、複数の波長の光束に対して、直接光の位相を回折光の位相に対して波長の4分の1だけずらすことはできなかった。
これに対して、本願発明は、第2光学媒質を用いることによって、第1光学媒質の分散のみならず、第2光学媒質の分散をも利用して、上述した式1及び式2の関係を充足させて、複数の波長の光束に対して、直接光の位相を回折光の位相に対して波長の4分の1だけずらすことができる。
なお、波長λ1とλ2との双方が、可視光の範囲にあり、かつ、波長λ1とλ2との差が最も大きくなるようにするのが好ましい。このようにすることで、可視光の広い範囲で、直接光の位相を回折光の位相に対して波長の4分の1ずらすことができる。
<実施例1>
波長を
λ1=0.48613μm、λ2=0.65627μm
とし、
屈折率を
(1,1)=1.60940
(1,2)=1.60019
(1,1)=1.58835
(1,2)=1.57171
とし、厚さを
=t=5.7714μm
とすると
C1=t(n(1,1)−n(1,1))/λ1=0.24990
C2=t(n(1,2)−n(1,2))/λ2=0.25046
となる。
<実施例2>
波長を
λ1=0.48613μm、λ2=0.65627μm
とし、
屈折率を
(1,1)=1.59230
(1,2)=1.58323
(1,1)=1.57616
(1,2)=1.56204
とし、厚さを
=t=7.636μm
とすると
C1=t(n(1,1)−n(1,1))/λ1=0.25352
C2=t(n(1,2)−n(1,2))/λ2=0.24656
となる。
<<<第2の実施の形態>>>
図3(a)は、第2の実施の形態による位相板200を示す。なお、第1の実施の形態による位相板100と同様の要素には、同じ符号を付した。
この第2の実施の形態による位相板200は、第1の実施の形態による位相板100に保護用のカバーガラス210を設けたものである。このようにすることで、位相板200の出射面は、カバーガラス210の上面となるが、カバーガラス210は、直接光も回折光も同様に透過するので、第1の実施の形態と同様に、上述した式1及び式2とを満たす第1光学媒質部110と内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bとによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1光学媒質部110から出射される光束の位相を、内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bから出射される光束の位相に対して、波長の4分の1だけ進めたり遅らせたりすることができる。
さらに、この第2の実施の形態の位相板200は、第1光学媒質部110や内側第2光学媒質部120aや外側第2光学媒質部120bがカバーグラスによって保護されるので、強度を高めることができ、取り扱いを簡便にすることができると共に、傷等の損傷を防ぐことができるので、位相板200の光学特性を維持することができる。
<<<第3の実施の形態>>>
図3(b)は、第3の実施の形態による位相板300を示す。この第3の実施の形態による位相板300は、基部330の上に第1光学媒質部310と第2光学媒質部320とを形成したものである。
この第1光学媒質部310は、厚さを除いて形状や大きさや材質については、第1の実施の形態の第1光学媒質部110と同様のものを用いればよい。また、第2光学媒質部320も、厚さを除いて形状や大きさや材質については、第1の実施の形態の第2光学媒質部120と同様のものを用いればよい。なお、この位相板300の第2光学媒質部320も、第1の実施の形態と同様に、内側第2光学媒質部320aと外側第2光学媒質部320bとからなる。位相板300は、下面が入射面340であり、上面が出射面350である。
また、基部330は、光束を透過させることができるものであれば、ガラスやプラスチックなどを用いることができる。このように構成することで、切削加工やモールド加工等の加工工程を省くことができるので、容易に位相板300を作ることができる。
第3の実施の形態による位相板300は、図3(b)に示すように、第1光学媒質部310の厚さと第2光学媒質部320の厚さと異なる。このような場合には、以下の2式を用いることで、位相の調整をすることができる。
Figure 0005285306
Figure 0005285306
ここで、波長λ1及びλ2、屈折率n(1、1)、n(1、2)、n(1、1)及びn(1、2)は、第1の実施の形態と同様のものである。また、図3(b)に示すように、t3は、第1光学媒質部310の厚さであり、t4は、第2光学媒質部320の厚さである。また、空気の屈折率の値を1とした。
この式3及び式4を満たす第1光学媒質部310と第2光学媒質部320とによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1光学媒質部310から出射される光束の位相を、第2光学媒質部320から出射される光束の位相に対して、波長の4分の1だけ進めたり遅らせたりすることができる。
上述した式3及び式4では、2つの波長λ1及びλ2について満たすべき条件を示す物であったが、式3及び式4を満たす場合には、2つの波長λ1及びλ2の双方の波長と近傍になる波長λ3に対しても、以下の式を満たすことができる場合がある。
Figure 0005285306
ただし、δについては、
|δ−1/4|<0.02
である。
ここで、屈折率n(1、3)は、波長λ3に対する第1光学媒質部310の屈折率であり、屈折率n(1、3)は、波長λ3に対する第2光学媒質部320の屈折率である。このようにδが充分に1/4に近い場合には、λ1、λ2、λ3の広い波長帯域に渡って、良好な1/4波長板が得られることを示している。
<<<第4の実施の形態>>>
図3(c)は、第4の実施の形態による位相板400を示す。なお、第3の実施の形態による位相板300と同様の要素には、同じ符号を付した。
この第4の実施の形態による位相板400は、第3の実施の形態による位相板300に保護用のカバーガラス410を設けたものである。このようにすることで、位相板400の出射面は、カバーガラス410の上面となるが、カバーガラス410は、直接光も回折光も同様に透過するので、第3の実施の形態と同様に、上述した式3及び式4とを満たす第1光学媒質部310と内側第2光学媒質部320aや外側第2光学媒質部320bとによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1光学媒質部310から出射される光束の位相を、内側第2光学媒質部320aや外側第2光学媒質部320bから出射される光束の位相に対して、波長の4分の1だけ進めたり遅らせたりすることができる。
さらに、この第4の実施の形態の位相板400は、第1光学媒質部310や内側第2光学媒質部320aや外側第2光学媒質部320bがカバーグラスによって保護されるので、強度を高めることができ、取り扱いを簡便にすることができると共に、傷等の損傷を防ぐことができるので、位相板400の光学特性を維持することができる。
<<<第5の実施の形態>>>
図3(d)は、第5の実施の形態による位相板500を示す。なお、第3の実施の形態による位相板300と同様の要素には、同じ符号を付した。
この第5の実施の形態による位相板500は、第3の実施の形態による第1光学媒質部310を第2光学媒質部520で被覆し、さらに、第2光学媒質部520を保護膜510で被覆したものである。位相板500は、下面が入射面540であり、上面が出射面550である。
第2光学媒質部520は、第1の実施の形態の第2光学媒質部120と同様のものを用いればよい。なお、この位相板500の第2光学媒質部520も、第1の実施の形態と同様に、内側第2光学媒質部520aと外側第2光学媒質部520bとからなる。このように、第1光学媒質部310を第2光学媒質部520で被覆することによって、第1光学媒質部310を的確に保護することができる。また、第2光学媒質部520の全体を保護膜510で被覆するので、第1光学媒質部310と第2光学媒質部520との双方を保護することができ、取り扱いを簡便にすることができると共に、損傷を受けにくくすることができるので、より長い期間、光学的な特性を維持することができる。
<<<第1〜第5の実施の形態の一般化>>>
上述した第1〜第5の実施の形態による位相板を一般化した位相板600を図4に示す。図4に示した位相板600の左側が、第1光学媒質部を一般化した第1光学媒質層600aで、位相板600の右側が、第2光学媒質部を一般化した第2光学媒質層600bである。第1光学媒質層600aと第2光学媒質層600bとは、少なくとも1つの層からなる。
図4に示した例では、第1光学媒質層600aの第1層602−1は、厚さt11で、波長λ1の光束に対して、屈折率n(1、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(1、2)を示す。また、第1光学媒質層600aの第2層602−2は、厚さt12で、波長λ1の光束に対して、屈折率n(2、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(2、2)を示す。さらに、第1光学媒質層600aの第i層602−iは、厚さt1iで、波長λ1の光束に対して、屈折率n(i、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(i、2)を示す。
また、第2光学媒質層600bの第1層604−1は、厚さt21で、波長λ1の光束に対して、屈折率n(1、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(1、2)を示す。また、第2光学媒質層600bの第2層604−2は、厚さt22で、波長λ1の光束に対して、屈折率n(2、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(2、2)を示す。さらに、第2光学媒質層600bの第i層604−iは、厚さt2iで、波長λ1の光束に対して、屈折率n(i、1)を示し、波長λ2の光束に対して、屈折率n(i、2)を示す。
上述した第1光学媒質層600aの全ての層には、波長λ1の光束と波長λ2の光束との双方の光束が通過でき、第2光学媒質層600bの全ての層には、波長λ1の光束と波長λ2の光束との双方の光束が通過できる。
このような第1光学媒質層600aと第2光学媒質層600bとからなる位相板600の場合には、以下の3式を用いることで、位相の調整をすることができる。
Figure 0005285306

Figure 0005285306

Figure 0005285306
この式6、式7及び式8を満たす第1光学媒質層600aと第2光学媒質層600bとを用いることによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1光学媒質層600aから出射される光束の位相を、第2光学媒質層600bから出射される光束の位相に対して、C1(〜C2)だけ進めたり遅らせたりすることができる。
第1の実施の形態による位相差顕微鏡の概要を示す図である。 第1の実施の形態による位相板100を示す平面図(a)と、断面図(b)と、原理図(c)とである。 第2の実施の形態〜第5の実施の形態の位相板を示す断面図である。 第1の実施の形態〜第5の実施の形態の位相板を一般化した概念を示す断面図である。
符号の説明
10 位相差顕微鏡
100、200、300、400、500、600 位相板(光学部品)
110、310 第1光学媒質部(第1の光学媒質領域)
120、320、520 第2光学媒質部(第2の光学媒質領域)
140、340、540 入射面
150、350、550 出射面
600a 第1光学媒質層(第1の光学媒質領域)
600b 第2光学媒質層(第2の光学媒質領域)

Claims (5)

  1. 少なくとも2以上の波長の光束が入射する入射面と、入射した光束の位相を変化させた後、光束を出射する出射面とを含む光学部品であって、
    前記入射面と前記出射面との間に沿って並設された少なくとも2つの光学媒質を含む光学媒質体を有し、
    前記光学媒質体は、
    前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、波長に応じて位相を変化させた後、出射する第1の光学媒質領域と、
    前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、前記第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、位相差が略一定となるように波長に応じて位相を変化させて出射する第2の光学媒質領域と、を含み、
    前記第1の光学媒質領域は、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
    前記第2の光学媒質領域は、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
    前記第1の光学媒質領域のうちのi番目の層の厚さをt 1i とし、波長λ1の光に対する屈折率をn (i、1)とし、波長λ2の光に対する屈折率をn (i、2)とし、
    前記第2の光学媒質領域のうちのj番目の層の厚さをt 2j とし、波長λ1の光に対する屈折率をn (j、1)とし、波長λ2の光に対する屈折率をn (j、2)としたときに、次の3つの式
    Figure 0005285306

    但し、C1とC2は波長によらない定数とする
    が成立することを特徴とする光学部品。
  2. 前記少なくとも2以上の波長の光束は、第1の波長λ1の光束と、第2の波長λ2の光束とを含み、
    前記第1の光学媒質領域と前記第2の光学媒質領域とはそれぞれ単一の媒質からなり、その厚みをtとし、
    前記第1の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率をn(1,1)とし、
    前記第1の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率をn(1,2)とし、
    前記第2の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率をn(1,1)とし、
    前記第2の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率をn(1,2)としたときに、次の3つの式
    t(n(1,1)−n(1,1))=C1×λ1
    t(n(1,2)−n(1,2))=C2×λ2
    |C1−C2|<0.02
    が成立する請求項1に記載の光学部品。
  3. 式 |n,1)−n,2)|<0.3
    を満たす請求項2に記載の光学部品。
  4. 前記第1の波長λ1と、前記第2の波長λ2とは、可視光の波長である請求項1に記載の光学部品。
  5. 試料を照明する照明光学系と、前記試料の像を結像させる結像光学系とを含む位相差顕微鏡であって、
    前記照明光学系の瞳位置に配置された開口と、
    前記開口と共役な位置に配置された位相板と、を含み、
    前記位相板は、
    少なくとも2以上の波長の光束が入射する入射面と、入射した光束の位相を変化させて出射する出射面とを含み、かつ、
    前記入射面と前記出射面との間に沿って並設された少なくとも2つの光学媒質を含む光学媒質体を有し、
    前記光学媒質体は、
    前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、波長に応じて位相を変化させて出射する第1の光学媒質領域と、
    前記少なくとも2以上の波長の光束の各々について、前記第1の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、位相差が略一定となるように波長に応じて位相を変化させて出射する第2の光学媒質領域と、を含み、
    前記第1の光学媒質領域は、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
    前記第2の光学媒質領域は、少なくとも1つの光学媒質層からなり、
    前記第1の光学媒質領域のうちのi番目の層の厚さをt 1i とし、波長λ1の光に対する屈折率をn (i、1)とし、波長λ2の光に対する屈折率をn (i、2)とし、
    前記第2の光学媒質領域のうちのj番目の層の厚さをt 2j とし、波長λ1の光に対する屈折率をn (j、1)とし、波長λ2の光に対する屈折率をn (j、2)としたときに、次の3つの式
    Figure 0005285306

    但し、C1とC2は波長によらない定数とする
    が成立することを特徴とする位相差顕微鏡。
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