JP6095382B2 - 光学系、光学系に用いる位相板及び光学系の製造方法 - Google Patents

光学系、光学系に用いる位相板及び光学系の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、結像する物体の境界のコントラストを強調させる光学系に関する。
<ノマルスキー型微分干渉顕微鏡>
従来のノマルスキー型の微分干渉顕微鏡は、位相差顕微鏡のハローを無くしたい場合や、厚みのあるサンプルや多層的構造のサンプルを観察する場合に、物体のわずかな段差や屈折率の差を強調して、物体を立体的に観察するために用いられる。ノマルスキー型微分干渉顕微鏡では、ノマルスキープリズムによって規定される2つの偏光による像のシフト量(シアー量)が、どんな標本を観察するときも一定である。従って、偏光により像をシフトさせるためにノマルスキープリズムを使う微分干渉顕微鏡では、位相差顕微鏡で使用される位相板は用いられていない。
<明視野観察用顕微鏡:光学系の一例>
従来の明視野観察用の顕微鏡では、無色透明に近い生体細胞等の標本(サンプル)の明確な観察は困難であった。そのため、標本に染色等を行って着色してから観察が行われていた。しかし、染色すると生体細胞など死滅してしまい、生きたままの生体細胞等の観察は難しかった。
<位相差顕微鏡:光学系の別の例>
無色透明な生体細胞等に染色等を実施しないで観察するために位相差顕微鏡が用いられるようになった。位相差顕微鏡は、例えば、顕微鏡のコンデンサレンズと光源の間に、リング状に開いた絞り(リングスリット)を配置し、さらにリング状絞りの実像ができる位置(例えば対物レンズの瞳面)にリングスリットのスリット部分と共役なリング形状の位相膜を備えた位相板を加えるように構成されている。この構成により位相差顕微鏡は、減衰させた所定位相の直接光と、試料によって回折されて位相が異なる回折光とを干渉させ、その各位相の位相差を明暗に変えることで、観察像のコントラストを増加させる。この従来の位相差顕微鏡は、薄いサンプルであれば、無染色でも内部構造まで明暗の相違として観察できる、という機能を有しているが、サンプルの周囲の境界線部分にハロー(明るい縁取り)を発生させるという問題があった。
また、位相差顕微鏡は、無色透明に近いサンプルを無染色で観察するために、標本のわずかな屈折率の差や境界での回折を、明暗のコントラストに変換することで強調する。より詳しい位相差顕微鏡の原理としては、サンプル中を透過して直進する直接光(0次回折光)と、サンプルで回折した回折光(1次回折光、−1次回折光等)との間に位相のズレ(位相差)を持たせ、直接光と回折光とを一つに重ねて結像する際に干渉による明暗のコントラストを発生させるというものであった。そのために、従来の位相差顕微鏡では、直接光(0次回折光)の位相のみを位相板で変化させていた。
また、位相差顕微鏡では、直接光と回折光との位相差を得るために、位相板上に開口絞りの開口領域と相似形の位相膜の領域が形成される。開口絞りを通過することで照射範囲が限定された照明光がサンプルに照射される。照明光はサンプルを透過する際に、直進する直接光と、角度が変わって進む回折光に分かれる。サンプルから出射した直接光は、位相板の位相膜領域に到達し、一方、サンプルから出射した回折光は位相板の位相膜以外の領域に到達する。
また、位相膜は、所定の物質の薄膜によって形成され、分散現象があるので入射する光の全てを4分の1だけ位相を進めたり遅らせたりさせることができるわけではない。そのため、波長を4分の1だけずらすことができる所定の波長のみを選択して透過するようにフィルタを照明光学系中に用いるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
<ホフマン型モジュレーションコントラスト法:光学系のさらに別の例>
ノマルスキー型微分干渉顕微鏡のように偏光を使わないで透明に近い物質を観察する顕鏡法としてホフマン型モジュレーションコントラスト法が知られている。この方法は、結像光学系の瞳位置に3種類の強度変換フィルター設置することで強度変調を行い、物体の境界を強調する発明である。この方法は、照明光を斜めから入射させることで物体を立体的に見せる効果がある(例えば、特許文献2参照)。
<位相差顕微鏡で用いられる位相板>
また、従来の位相差顕微鏡の位相板は、位相膜を用いているが、その位相膜を構成する物質に分散現象があることから、波長が異なる複数の照明光に対して位相を同じ比率(例えば1/4波長)でシフトさせることが難しかった。そのため可視光の全帯域のような広帯域の波長の照明光でサンプルを観察する場合、コントラストが低下していた。これを避けるため従来の位相板は、シフトする波長の比率がばらつかないように、ほとんど単色(モノクロ)の所定帯域幅の波長の光のみを透過するフィルタを用いていた。しかし、これにより従来の位相板では、サンプルの色に関する情報が欠落してしまうため、サンプルをモノクロの濃淡のみの像としてしか観察できなくなるという問題があった。
また、本発明の発明者は、第1の光学媒質の層と屈折率のことなる第2の光学媒質の層とが積層された位相板であって、その基材部となる第1の光学媒質の厚みと、第1の光学媒質の層上に部分的に積層される第2の光学媒質の層の厚みを制御することで、広帯域の波長の光でサンプルを観察する場合でもコントラストが低下せず、複数色または広帯域な波長(例えばF線(485nm)〜C線(636nm)等)で観察できる位相板を提案している(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−230247号公報 特開昭51−29149号公報 特開2009−211010号公報
しかし、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡は、光を2つの偏光に分ける際に使用するノマルスキープリズムの分散によって波長によって得られる像が著しく異なるため、物体が現実の透過物体として通常観察される色バランスとは異なった色に見えるという問題を有していた。
また、ノマルスキー型微分干渉顕微鏡は、2つの直交する直線偏光を使う為、ノマルスキープリズム偏光子など特殊で高価な光学素子を必要とする上に、使用する対物レンズも偏光に対して敏感になるため、内部に光学的歪みのない特殊で高価な対物レンズを使用しなければならないという問題があった。また、樹脂製の容器に入った被見物を観察すると、樹脂に残存する内部歪みのために明確な観察が出来ない等の問題があった。
また、従来の位相差顕微鏡による位相差観察法は、上記したようにハローを発生させるため、厚みのあるサンプルや屈折率の異なるサンプルが積み重なる多層的構造のサンプルでは、直接光が位相板で変化する前にサンプル内部で位相差を発生させ、ハローが強くなりすぎて、観察対象物の像のコントラストが著しく低下して見えなくなるという問題を有していた。
また、ホフマン型モジュレーションコントラスト法では、立体像を得るための手段が単なる強度変換フィルターであり、立体的な像を形成するために瞳の中の多くの光量をフィルターで減衰させる必要があり、元の明視野像と比較すると像の強度が大きく低下するという問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微分干渉顕微鏡用の対物レンズやノマルスキープリズム偏光子などの高価な光学素子を用いない比較的シンプルな構成で、立体的で劣化が少ない観察画像を、高い解像度の広帯域な波長(例えばF線(485nm)〜C線(636nm)等)で得られる光学系、及びそれに使用される位相板とその製造方法を提供することにある。
(1)上述の課題を解決するために本発明の光学系の一実施態様では、光源からの光を平行光として物体を照明する照明系と、物体からの光を所定倍率で結像させる結像系とを有する光学系において、照明系中の光源と共役な位置に、結像系に入射する直接光(0次回折光)を制限する開口絞りと、結像系中の開口絞りの位置(瞳位置)に、全ての0次回折光が透過するA領域と、1次回折光が透過するB領域と、−1次回折光が透過するC領域とを有し、瞳面と光軸との交点を含む対称軸に関して、B領域とC領域が軸対像の関係にあり、B領域またはC領域は、A領域に対して所定位相差を発生させる構造を有し、B領域、C領域は、A領域と共通な領域が存在しない位相板とを含む。
以下に、例えば、B領域のみに位相膜が付与されており、C領域及びA領域には位相膜が無い場合について説明する。
瞳位置のB領域とC領域の両領域を透過した光は、各々、A領域を透過した0次光が干渉することにより干渉光となる。B領域のみが位相差を与えられる場合を例にとって説明するとB領域を透過した一方の干渉光(B領域透過分)は、位相膜(所定位相差を発生させる構造)を透過するため、微小量横にシフトする。それに対して、C領域を透過した他方の干渉光(C領域透過分)は、位相膜を透過しないため、シフトしない。その結果、微小に横シフトした(B領域透過分)像と、シフトしていない干渉光(C領域透過分)像の2つの像が対物レンズ像面で重ね合わされることで、特に像の明暗部の境界のコントラストが強調された像になる。
従って、本実施態様では、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡のようにノマルスキープリズムを使わないので、高価な部品を必要としない比較的シンプルな構成にでき、また、プリズムの分散により像の色バランスが実際の物体と異なることを抑制できる。さらに、樹脂製の容器の様に残存する内部歪みがある物体を通して物体を観察する場合も、偏光を使用しないため、歪みの影響を受けにくく被見物を明確に観察することができる。
また、本実施態様では、従来の位相差観察法のようにハローを発生させないので、観察対象物の像のコントラストを低下させて見えづらくなることを抑制できる。
また、本実施態様では、ホフマン型モジュレーションコントラスト法のように立体像を得るために強度変換を行っておらず、従って光量の減衰が少なく、元の明視野像からの像の強度の低下が抑制される。
(2)また、本発明の光学系の一実施態様では、A領域に対するB領域またはA領域に対するC領域の位相差をΔとすると、
Δは、以下の数式(数1)の条件を満足するようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、数式(数1)の|Δ|の範囲は、例えば、第1の光学材料のみのC光から結像した像と、位相差発生層(所定位相差を発生させる構造、例えば位相膜)を含むB光から結像した像の位相差の上限と下限のシフト量を規定する。シフト量が下限値0.05πより下側の値の場合は、像のシフト量が少なすぎる場合であり、合成した場合の干渉の発生も少なくなり、明視野観察とほぼ同等な像となる。逆に、シフト量が上限値0.95πを上回る値の場合は、シフトした像の明暗がほぼ逆転するため、合成した2つの像の光の強度がほぼ0となってしまい、干渉も発生せず、位相差を発生させる意味がなくなる。
(3)また、本発明の光学系の一実施態様では、A領域に対するB領域またはA領域に対するC領域の位相差をΔとすると、
Δは、以下の数式(数2)の条件を満足するようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、数式(数2)の|Δ|の範囲は、例えば、数式(数1)の範囲に対して、さらに2つの像の位相差のシフト量の最適値についての上限値0.5πと下限値0.25πの範囲を規定する、数式(2)より、微少な像ずれ量の最適値で、周期構造をもつ物体における下限値はシフト量で1/8ピッチ、上限値はシフト量で1/4ピッチに対応している。
(4)また、本発明の光学系の一実施態様では、前記0次回折光の透過するA領域は、光軸と瞳面の交点に関して点対称の形状であるようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、上記の複数の線対称軸を有する場合の、対称軸を増加させていくと、点対称ということになる。A領域を光軸に点対称な形状で、光軸に対して点対称な位置関係となるように配置し、B領域及びC領域を光軸に点対称な位置関係となるように配置することで、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を得ることができる。
(5)また、本発明の光学系の一実施態様では、前記0次回折光の透過するA領域は、光軸と瞳面の交点を含む円形であるようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、A領域を円形とすることで、従来と同様に開口絞り及び位相板の設計及び製造が可能となるので、設計及び製造が容易で製造コストを低減させ、製造に必要な期間を短縮させることができる。
(6)また、本発明の光学系の一実施態様では、前記0次回折光の透過するA領域は光軸と瞳面の交点を含む矩形であるようにしてもよい。
(7)また、本発明の光学系の一実施態様では、B領域及びC領域の持つA領域に対する位相差をそれぞれΔB、ΔCとすると、以下の数式(数3)の条件を満足するようにしてもよい。
数式(数3)を満たすことで、A領域とB領域を通過して干渉した像と、A領域とC領域を通過して干渉した像は、それぞれもとの像より反対方向に微小に同量シフトした像となる。結果としては、A領域、B領域、又はC領域以外の領域を通過したもとの像と、それぞれ微小量反対方向にシフトした像が重なった像が像面上に生成され、一定の空間周波数の構造だけが強調された像が形成される。
本実施態様の光学系における位相板の応用範囲は顕微鏡に限らず、投影光学系等に応用できる。例えば、投影光学系の場合には、投影される像に歪み等が無いこと、例えば、図2,6〜8中の横方向をx軸とした場合のx軸方向の対称性が確保されている必要が有る。そのために、(aa)A領域に対するB領域の位相差と、(bb)A領域に対するC領域の位相差は、同じ値であることが望ましく、上記数式(数3)を位相差発生層の材質及び厚みを選択することにより満足することが望ましい。
これは、回折光がB領域を通った後に0次回折光と干渉して得られる像のシフト量と、回折光がC領域を通った後に0次回折光と干渉して得られる像のシフト量の絶対値が同じで、符号が逆であることを意味し、x軸方向の対称性が確保されていることを意味する。
(8)また、本発明の光学系の一実施態様では、B領域またはC領域は、光を減衰させる構造を持ち、その透過率をTとすると以下の数式(数4)の条件を満足するようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、数式(数4)の透過率Tは、第1の光学材料のみの領域を透過した光から結像した像と、位相差発生層を含む領域を透過した光から結像した像とが合成した場合の、像の立体感を強調させる範囲を規定している。合成されて重なり合う2つの像が干渉することで得られる像の立体感を強調させるため、2つの像のいづれかの光の強度を、透過率Tの値を若干減少させるように変えることで影をつけ、従来の微分干渉型顕微鏡による観察像よりも、さらに立体感を強調することが可能である。透過率Tの値が上記の範囲の下限値を下回ると、1方の像の光の強度が低すくなりすぎるため、他方の像によって通常の明視野像に近づき、合成および干渉させる意味がなくなる。また、透過率Tの値が上記の範囲の上限値を上回ると、2つの像の強度はほぼ等しくなるので、従来の微分干渉の観察像に極めて近い像となり、従来の微分干渉型顕微鏡に対するさらなる効果が弱くなる。
(9)また、本発明の光学系の一実施態様では、所定位相差を発生させる構造は、2以上の波長に対して一定の位相差Δを与える位相膜であり、その位相差Δは、比較的広い波長帯域で前記Δの条件を満足するようにしてもよい。
本実施態様の光学系の位相板は、可視光などの比較的広い波長帯域の光について効果を得ることができるが、例えば、可視光の2以上の波長に対して、略一定の位相差Δを与えるように材質及び厚みを選択した場合、現実の物質が持つ色あいを忠実に再現した状態で、立体感のある画像で観察、従来は微分干渉型の顕微鏡でした得られなかった立体的な画像の観察が、プリズム等を有していない位相差顕微鏡に類似する構成で可能となる。しかも、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡では観察に不向きとされていた染色された細胞や、多彩な色を持つ物質を観察する際にも、物体の持つ色を忠実に再現した上で、微分干渉型顕微鏡と同様な画像を得ることが可能になる。また、比較的広い波長とは、例えば、可視光でC線(636nm)とF線(486nm)等の異なる2以上の波長を含む広さであることであり、本実施態様ではその広い波長に対して本発明の位相差Δの条件が満足される。
(10)また、本発明の光学系の一実施態様では、所定位相差を発生させる構造は、使用する光に対して透明であり、かつ、0次回折光と1次光の位相差を発生させる箇所は、光の進む光軸方向には単一な物質からなる層構造を有するようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、位相差発生層を、光源から出射する所定波長の照明光(例えば可視光)に対して、上記したような透過可能な材料(少なくとも一部の光が透過する材料)から透明な材料にすることで、位相差の発生が明確になり、最終的な位相差が発生した回折光と位相差が発生していない回折光(B光とC光)との合成時の干渉現象を明確に結像画像に反映させ、解像度の高い画像を得ることができる。
(11)また、本発明の光学系の一実施態様では、B領域とC領域は、A領域の矩形の対向する一組の辺の外側であり、対称軸に関して線対称の弓形であるようにしてもよい。
本実施態様の光学系では、位相差が付いている干渉光(B領域透過分)の像と、位相差の付いていない干渉光(C領域透過分)の像という2つの像を良好に形成でき、良好に境界のコントラストが強調された像を得ることができる。
本発明では、微分干渉顕微鏡用の高価な光学素子を必要としないで、立体的で劣化が少ない観察画像を、高い解像度で広帯域な波長帯域で得られる光学系、それに使用される位相板、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態の光学系の一例としての新微分干渉型顕微鏡における光学系の概略の構成と照明光の光路を示す図である。 第1の実施形態の一例としての位相板の概要を示す平面図であり、(a)が位相板の各領域を示す平面図であり、(b)が(a)の位相板のA−A断面図であり、(c)が応用例の(a)の位相板のA−A断面図である。 (a)が第1の実施形態の新微分干渉型顕微鏡により観察した珪藻の画像を撮影したものであり、(b)が比較例として通常の明視野の顕微鏡により観察した珪藻の画像を撮影したものである。 本発明の第2の実施形態の一例としての位相板の概要を示す平面図であり、(a)が位相板の各領域を示す平面図であり、(b)が(a)の位相板のB−B断面図である。 本発明の第3の実施形態の一例としての位相板の概要を示す平面図であり、(a)が位相板の各領域を示す平面図であり、(b)が(a)の位相板のC−C断面図である。 本発明の第4の実施形態の一例としての位相板の概要を示す平面図であり、(a)が位相板の各領域を示す平面図であり、(b)が(a)の位相板のD−D断面図である。 本発明の第5の実施形態の光学系の一例としての新落射型微分干渉型顕微鏡における光学系の概略の構成と照明光の光路を示す図である。 本発明の第6の実施形態の光学系の一例としての投影露光装置における光学系の概略の構成と照明光の光路を示す図である。
<<<第1の実施形態>>>
本発明の第1実施形態の光学系の一例としての新微分干渉型顕微鏡1について、以下に図1及び図2を参照して概要を説明する。
本発明の第1実施形態の新微分干渉型顕微鏡1は、図1に示したように概略的に、光軸100に沿って、光源5、照明光学系10、結像光学系40、物体面51、対物レンズ像面71を有している。照明光学系10の光路中には、光源5側の対物レンズ射出瞳と共役な位置(以下、照明光学系中射出瞳共役位置と記載する)21に、光源5から出射された照明光の一部を透過させる開口絞り22が配置されている。光源5から出射される照明光は、例えば可視光の波長である。また、照明光学系10には、開口絞り22よりも光源5側のレンズ11と、開口絞り22よりも対物レンズ41側のレンズ12と、照明光を物体面51に合焦させるコンデンサレンズ13が含まれる。
また、開口絞り22には、照明光の光路領域を画定(又は光束の太さを規定)する透光領域が形成される。この透光領域は、開口形状及び切り欠き形状を含む形状の限定領域であり、照明光の光をその限定領域中に限定して透光させることができる。透光領域を透過することで限定された照明光は、コンデンサレンズ13に向けて出射され、コンデンサレンズ13により物体面51の被観察試料61に合焦される。
結像光学系40には、対物レンズ41、本実施形態の一例としての位相板43と、結像レンズ49を有している。対物レンズ41は、被観察試料61又は物体面51からの透過光が図1の下面から入射され、上面から透過光を位相板43に向けて出射する。位相板43については、図2も共に参照して後述する。結像レンズ49は、透過光を対物レンズ像面71に結像させる。
位相板43は、対物レンズ41の射出瞳共役位置42に配置される。位相板43の基材部48は、光源5から出射する所定波長の照明光が透過可能な第1の光学材料で形成される。好ましくは、第1の光学材料は、その所定波長に対して可能な限り透明、すなわち、減衰が少ない材料である。そして、光源5から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料であって、さらに、第1の光学材料を透過する光とは位相が異なるように位相差を発生させる位相差発生層(所定位相差を発生させる構造、例えば位相膜)が、B領域45又はC領域47の何れか一方にのみに配置される。本実施形態の位相板43では、A領域44には位相差発生層が配置されず、B領域45又はC領域47の何れか一方のみに、位相差発生層が配置される。この構成により、例えばB領域45に位相差発生層が配置された場合、A光500とB光501とによる位相差が顕著な光と、A光500とC光502とによる位相差が顕著ではない光の双方を出射することになる。
なお、図1及び図2に示したA領域44、B領域45及びC領域47の形状及び配置は、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、他の形状及び配置であってもよい。例えば、像面上に(1)A領域とB領域を通過して干渉することでもとの像より微小にシフトした像と、(2)A領域とC領域を通過して干渉することでもとの像よりA領域とB領域の場合とは反対方向に微小に同量シフトした像と、(3)A領域、B領域、又はC領域以外の領域を通過したもとの像と、が重なる形状及び配置であって、さらに一定の空間周波数の構造だけが強調された像が生成される形状及び配置であれば、A領域、B領域及びC領域は他の形状及び配置であっても良い。
本実施形態の位相板43には、入射された直接光である0次回折光(A光)500の形状(開口絞り22の第1透光領域23で限定された形状)をそのままの形状でA光500として透過させて出力するA領域(又は112)と、入射された1次回折光(B光)501が透過するB領域45(又は114)、入射された−1次の拡散光である−1次回折光(C光)502が透過するC領域47(又は116)が設定される。また、B領域45とC領域47の何れか一方のみに、第1の光学材料を透過する光とは位相を異ならせる位相差発生層が配置される。本実施形態では、位相差発生層をB領域45内の上面に配置した場合を示している。また、A領域44と、B領域45又はC領域47との間の、直接光も回折光も透過しない領域を、非透光領域118とする。
つまり、本実施形態の位相板43では、光軸100を通過する線対称軸102に対して線対称の位置となるB領域45のみに位相差発生層が配置され、C領域47には位相差発生層が配置されず第1の光学材料のみである。これにより、A光500との位相差が発生したB光501と、A光500との位相差が発生していないC光502とが合成される際に干渉を発生させることができ、微分干渉顕微鏡のような立体的な画像を得ることができる。この場合の回折光は、B光501とC光502であり、一方のB光501にA光500との位相差が発生し、他方のC光502にはA光500との位相差が発生していないものである。
また、位相板43の位相差発生層は、光源5から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料(少なくとも一部の光が透過する材料)、言い換えれば照明光に対して透光性を有する材料であり、好ましくは照明光に対して透明な材料である。
このように位相差発生層を、光源5から出射する所定波長の照明光(例えば可視光)に対して、上記したような透過可能な材料(少なくとも一部の光が透過する材料)から透明な材料にすることで、位相差の発生が明確になり、位相差が発生したB光501と位相差が発生していないC光502との合成時の干渉現象を明確に結像画像に反映させ、解像度の高い画像を得ることができる。
位相板43では、従来の位相差顕微鏡のように薄膜の位相膜を形成してもよいが、選択肢として図2(b)のように位相差を発生させるように光軸100方向に所定厚みで層状に形成された位相差発生層を基材部48に配置するか、図2(c)のように接着剤、樹脂などの位相差発生層を基材部48上に硬化後に所定厚となる量と厚みで層状に形成することで、製造を容易にして、薄膜等に比較してコストを低減することができる。
つまり、位相板43では、A光500が透過するA領域44には、位相差発生層が配置されていない。また、C領域47にも位相差発生層が配置されておらず、B領域45のみに、位相差発生層が配置されている。それに対して従来の位相差顕微鏡では、A領域44に対して位相膜(本発明における位相差発生層に相当)が配置され、B領域45又はC領域47のような回折光の領域には位相膜が配置されていなかった。つまり、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、位相差を発生させる材料の配置を、従来の位相差顕微鏡の位相板における領域44とは異なり、B領域45又はC領域47の何れか一方のみに配置していることが異なっている。
このように、位相板43では、A領域44を光軸100に近い中心部に配置することで、B領域45とC領域47を透過する光(B光501とC光502)に位相差を発生させるためのA領域(A領域44)を共通にしており、各領域の配置を効率化及び容易化することができる。また、位相板43では、A領域44を、線対称軸102に対して線対称な形状で、かつ、線対称軸102に対して線対称に配置することで、A領域44からの光(A光500)を、B領域45とC領域47の光に対して位相差を発生させるために均等の配分で影響させることで、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を良好に得ることができる。また、本実施形態で位相差発生層が配置されるB領域45と、位相差発生層が配置されないC領域47とは、光軸100を通過する線対称軸102で分割された両側に軸対称な領域として形成され、さらにA領域44よりも外周側の位置に配置される。
本実施形態の位相板43においては、A光500が透過するA領域44と、B領域45と、C領域47とは、位相板43上において各々が重複しないように装置設計上で配置される。本実施形態のA領域44は、線対称軸102に対して線対称な矩形の形状であり、線対称軸102に対して線対称な位置関係となるように配置される。このことから、図2のA領域44の瞳形状は、縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調されるタイプとなる。さらに好ましくは、A領域44は、光軸100に近い位相板43の中心部で、線対称軸102に近接する位置に配置され、光軸100を含んで光軸100に点対称な矩形の形状であるか、あるいは、光軸100に対して点対称な位置関係となるように配置される。
位相板43のA領域44を矩形とすることにより、線対称に配置されたB領域45とC領域47の中心部からA領域44までの最短距離と、B領域45とC領域47の端部からA領域44までの最短距離の差が減り、領域全体での効果が得られるので、位相差の発生及び合成時の干渉する作用が良好になり、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を良好に得ることができる。
また、本発明の微分干渉型顕鏡法の原理は、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1を用いた立体的な観察画像は、B領域45を透過する1次B光501)とA領域44を透過する0次回折光(A光500)との干渉で得られる像と、C領域47を透過した−1次C光502とA領域44を透過する0次回折光(A光500)との干渉で得られる像とを重ねることで、立体的な画像を得るということである。従って、B領域45とC領域47は、結像系の瞳上で、0次回折光(A光500)の透過するA領域44に対して対称の関係にあるときが、常にシフトした2つの像が重ねて観察されることから、最もコントラストが高くなる。そのため、逆にB領域45とC領域47が、A領域44に対して非対称の関係にある場合、B領域45とC領域47の重なり合わない部分に相当する領域を透過するB光501とC光502)と0次回折光(A光500)とによって生成される像の部分では、2つの像が重なり合うことがないので、コントラストが低減する。
また、瞳の形状を、本実施形態の図2に示したA領域44のような矩形の形状にし、B領域45とC領域47を、図2に示したように矩形の長辺と平行な線で分離して、位相板43の円形の周辺との間で定義した場合には、位相膜のあるB領域45あるいはC領域47の境界線を、光軸100に垂直な方向に移動させることでその領域面積を自在に変更できる構造にすることができる。その場合、コントラストを強調する空間周波数の下限を任意に変更することが可能である。
さらに、A領域44は光軸100に対して点対称な図形にすることができる。A領域44を光軸100に対して点対称な形状とし、B領域45及びC領域47を光軸100に対して点対称な位置関係となるように配置することができる。このようにして、位相差顕微鏡に類似する構成で、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を得ることができる。
位相差発生層が一例として配置されるB領域45には、基材部48の全体の厚みt2よりも少ない厚みt1で、位相差発生層を配置するための凹部が形成され、その凹部に位相差発生層が配置される。この場合、凹部を形成することで、第1の光学材料で形成される基材部48における凹部と、それ以外の部分では、第1の光学材料による位相差が発生するので、そこにさらに位相差発生層による位相差に追加することで、位相差を増大させることができる。
また、この位相板43に凹部を設ける加工は、従来の加工技術で実施可能であり、従来の位相差顕微鏡と同様に容易に製造が可能であり、製造コストの上昇も最小限ですみ、立体的な観察画像を得る場合の従来の微分干渉型の顕微鏡よりも非常にコストダウンできる。
また図2(c)に示したように位相板43の表面を保護するために位相板43と略同形状のカバーガラス117を用いる場合には、基材部48上に、厚みt1で、位相差発生層を配置するための凹部を形成した後、硬化後に特性を有する接着剤を、硬化後に所定の厚みとなるように基材部上の全面に塗布し、その上を位相板43と略同形状のカバーガラス117で覆うことで、最終的に、位相板43上の凹部を含む全表面とカバーガラス117との間に、特性を有する接着剤層を形成してもよい。この場合、凹部を形成するのみで、容易にB領域45及びC領域47を得ることができ、そこに位相差発生層を配置することで、製造時の位相板43の基材部48上への配置作業を容易にできる。
位相板43では、上記した構成により、B光501(位相差発生層が配置された領域を透過した光)の、A光500に対する位相差は、入射光がA領域44を形成する第1の光学材料の層を透過するときに変化した位相と、入射光が層(、又は、第1の光学材料と位相差発生層との積層構成)を透過するときに変化した位相と、の差から得られる。一方、位相差発生層が配置されないC領域47は、A領域44と同様に、第1の光学材料のみで形成された層構成になっており、その透過光(C光502)には位相差発生層による位相差は発生しない。
以上から、新微分干渉型顕微鏡1では、位相板43の層によりA光500との位相差が発生したB光501と、層によるA光500との位相差が発生していないC光502と、を合成することで干渉させるので、増加的干渉が発生した部分は明るく、減殺的干渉が発生した部分は暗くなり、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を得ることを可能にしている。
従来の立体的な画像の観察に必要となる微分干渉型の顕微鏡は、高価なプリズム等を有するため高価であったが、本発明では、プリズム等を有していない位相差顕微鏡の構成で立体的な画像の観察が可能となる。しかも、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡では観察に不向きとされていた染色された細胞や、多彩な色を持つ物質を観察する際にも、物体の持つ色を忠実に再現した上で、ノマルスキー型微分干渉顕微鏡と同様な画像を得ることが可能になる。
また、新微分干渉型顕微鏡1では、位相板43における位相差を発生させる光学材料(位相差発生層、位相膜)の配置を、従来の直接光部分から、拡散光部分の所定位置に変更するような構成上の配置変更のみで効果を得ている。新微分干渉型顕微鏡1の効果としては、位相差観察につきもののハローを減少させることができ、さらに、プリズム等を用いなくても、厚みのあるサンプルや、多層構造のサンプルに対しても微分干渉観察法のように、サンプルの厚さの違う部分に明暗のコントラストを付けて、従来の微分干渉顕微鏡のように立体感のある観察画像を得ることができる。
<<本発明の原理説明>>
ここで本発明を、アッベの提唱した再回折理論を用いて説明する。
あるピッチPを持つ正弦波状の振幅透過率を持つ縞状の物体は、次の数式(数5)のように表される。(xは物体面上の座標)

(参考文献:「光機器の光学II、早水良定(はやみずよしさだ)著、社団法人日本オプトメカトロニクス協会発行、2000年」による。また、以下の数式(数6)、(数7)、(数8)も同参考文献による)
この物体を像として投影する光学系の倍率をβとし、この物体のフーリエ変換面(即ち瞳面)の1次回折光が透過する領域のみに、光に対して位相差Δを与える媒質が存在したとき、光学系の像面での像U‘は、次の数式(数6)のように表される。
よって、瞳面に位相差Δを生じる物体がある場合、そこを1次回折光が透過することで、正弦波状の物体は、像側で、光軸よりx軸方向に次の数式(数7)だけシフトした像となる。
例えば、位相差Δ=π/2の場合には、像側でのシフト量x0‘は、次の数式(数8)のように表される。

この数式(数8)からは、パターンが1/4ピッチx方向にずれることが判る。
他方、同じ瞳面に位相差を生じない領域があり、そこを1次回折光が透過しても、なんら像のシフトは起こらない。この場合の像U”は、次の数式(数9)のように表される。
従って、本発明の新微分干渉型顕微鏡の像は、像面上で、微小量のズレを持つU’と、ズレのないU”の像とが重なる。このため、本発明の新微分干渉型顕微鏡の像は、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡の像と非常によく似た像となる。
しかし、ここで注意しなければならないのは、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡は、光を2つの偏光に分ける際に使用するノマルスキープリズムの分散によって、波長によって得られる像の色バランスが著しく異なることである。従って、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡では、物体の色が、明視野顕微鏡により光が透過した現実の物体から通常観察される色バランスとは異なった色に見える。
それに対して、本発明の新微分干渉型顕微鏡では、上記数式(数7)に示したように、像シフト量は、位相差Δが波長によって変化しなければ、波長によって一定にできることを示唆している。
また、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡では、ノマルスキープリズムによって規定される2つの偏光による像のシフト量(シアー量)が、どんな標本を観察するときも一定であった。
それに対しても、本発明の新微分干渉型顕微鏡では、上記数式(数7)に示したように、標本の微細構造(空間周波数)によってシフト量も自動的に変化するので、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡と比較しても、より尖鋭な像を観察することができる。
<<材質及び厚みの選択方法1>>
また、位相板43では、位相差発生層は、位相差発生層により発生される位相差をΔとした場合に、当該位相差Δが、以下の数式(数1)を満足するように材質及び厚みを選択することができる。
この場合の数式(数1)の|Δ|の範囲は、例えば、第1の光学材料のみのC領域47を透過した光から結像した像と、位相差発生層を含むB領域45を透過した光から結像した像の位相差の上限と下限のシフト量を規定する。言い換えれば、数式(数1)は、数式(数7)により生成される2つの像の位相差の相対的なシフト量を規定するものである。
シフト量が数式(数1)の下限値0.05πより下側の値の場合は、像のシフト量が少なすぎる場合になり、合成した場合の干渉の発生も少なくなり、明視野観察とほぼ同等な像となる。逆に、シフト量が数式(数1)の上限値0.95πを上回る値の場合は、シフトした像の明暗がほぼ逆転するため、合成した2つの像の光の強度がほぼ0となってしまい、干渉も発生せず、位相差を発生させる意味がなくなる。
<<材質及び厚みの選択方法2>>
また、位相板43では、位相差発生層により発生される位相差Δが、以下の数式(数2)を満足するように材質及び厚みを選択することができる。
この場合の数式(数2)の|Δ|の範囲は、例えば、数式(数1)の範囲に対して、さらに2つの像の位相差のシフト量の最適値を与える条件として、上限値0.5πと下限値0.25πの範囲を規定する。また数式(数7)より、最適値の下限値はシフト量で1/8ピッチ、上限値はシフト量で1/4ピッチに対応している。
<<材質及び厚みの選択方法3>>
また、位相板43では、A領域44を透過した光の位相に対して、第2の光学材料を有するB領域45を透過する光の位相との位相差を位相差ΔB、A領域44を透過する光の位相に対して第2の光学材料のC領域47の位相差を位相差ΔCとした場合、位相差ΔB及び位相差ΔCが、以下の数式(数3)を満足するように材質及び厚みを選択することができる。
また、新微分干渉型顕微鏡1の像に歪み等が無いこと、例えば、図2、4〜6中の横方向をx軸とした場合のx軸方向の対称性が要求される場合がある。その場合には、(aa)A領域44に対する第2の光学材料を有するB領域45の位相差と、(bb)A領域44に対する第2の光学材料のC領域47の位相差は、同じ値であることが望ましい。
そのため、上記数式(数3)を満足するように材質及び厚みを選択することで、x軸方向の対称性を得ることができる。つまり、上記数式(数3)は、回折光が第2の光学材料を有するB領域(本実施形態のB領域45)を通った後に0次回折光と干渉して得られる像のシフト量と、回折光が第2の光学材料のC領域(本実施形態のC領域47)を通った後に0次回折光と干渉して得られる像のシフト量は、絶対値が同じで、符号が逆であることを意味し、その式を満足するように材質及び厚みを選択することにより、x軸方向の対称性が確保されることになる。
特に、後述する第6の実施形態のような投影光学系では、投影される像のx軸方向の対称性を得るために、領域Bの領域Aに対する位相差と、領域Cの領域Aに対する位相差とは、同じ値であることが望ましいので数式(数3)を満足することが望ましい。
<<材質及び厚みの選択方法4>>
また、位相板43では、位相差発生層は、2以上の光の波長に対して、略一定の位相差Δを与えるように材質及び厚みを選択することができる。
位相板43は、可視光などの比較的広い波長帯域の光について効果を得ることができるが、例えば、後述する<<位相板の第1の光学材料と厚みの決定方法>>で説明するように可視光の2以上の波長に対して、略一定の位相差Δを与えるように材質及び厚みを選択することができる。後述する方法で位相板を形成する場合、現実の物質が持つ色あいを忠実に再現した状態で観察することができる。
<<材質及び厚みの選択方法5>>
また、位相板43では、B領域45には、当該領域の透過率をTとした場合に、以下の数式(数4)を満足するように光の透過率を減衰させるように、材質及び厚みを選択することができる。
この場合の数式(数4)の透過率Tは、第1の光学材料のみのC領域47を透過したC光502から結像した像と、位相差発生層を含むB領域45を透過したB光501から結像した像とを合成した場合の、像の立体感を強調させる範囲を規定している。
数式(数4)の透過率Tは、合成されて重なり合う2つの像のいづれかの光の透過率Tの値を若干減少させるように用いられる。これにより、2つの像のいづれかの光の強度が減少して、その強度差により合成像に影をつくように干渉させることができ、従って、得られる像の立体感を強調することができる。この場合の立体感の強調する程度は、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡による観察像よりも、さらに立体感を強調することが可能である。
なお、透過率Tの値が上記の範囲の下限値を下回る場合には、1方の像の光の強度が低くなりすぎるため、他方の像によって通常の明視野像に近づいてしまい、本発明の方式で合成および干渉させる意味がなくなる。また、透過率Tの値が上記の範囲の上限値を上回る場合には、2つの像の強度はほぼ等しくなるので、従来の微分干渉の観察像に極めて近い像となり、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡に対して本発明の方式で合成および干渉させたことによって、さらに立体感を強調することができるという効果は低減する。
また、上記した新微分干渉型顕微鏡1の位相板43を製造する場合には、まず基材部48を、光源5から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料である第1の光学材料で形成し、その後に、B領域45又はC領域47の何れか一方にのみに、光源5から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料であって、第1の光学材料を透過する光とは位相が異なるように位相差を発生させる位相差発生層を配置する工程を含む。
その際には、例えば、位相差発生層を配置する前に、位相板43の基材部48における位相差発生層が配置される透光領域(B領域45)に、位相差発生層を配置するために、形状に適合する形状の凹部を形成する。そして、その凹部に位相差発生層を配置する。
位相板43の基材部48に凹部を形成した後に、少なくともその凹部に位相差発生層を配置する。位相差発生層が固体である場合、B領域45に適合させて凹部と位相差発生層が形成され、凹部に位相差発生層が配置される。
また、位相板43の表面を保護するためのカバーガラス117を使用する場合に、例えば、位相差発生層として、硬化後に特性を有する接着剤を用いることができる。その場合、接着剤を、位相板43の凹部を含む全表面に、硬化後に所定厚みとなるように塗布する。そして、それにより位相板43の凹部を含む全表面とカバーガラス117との間に、位相差発生層である接着剤層を形成する。
上記した新微分干渉型顕微鏡1の製造方法では、立体的な観察画像が得るために、従来の微分干渉型の顕微鏡のようにプリズムを必要としないので、顕微鏡の製造コスト及び観察に必要なコストを下げることができる。これにより配置や位置出しが容易になり、製造時間、製造コストを低減させることができる。
<<位相板の第1の光学材料と厚みの決定方法>>
以下は、一例として2つの波長の照明光が入射される場合である。(なお、以下の内容については、本発明と同じ発明者により特願2008−056783号として出願されている。)位相板の各材料と、その厚みを、次の3つの数式(数10)、数式(数11)、数式(数12)が成り立つように決定することができる。なお、本実施形態では各光学材料は1層ずつであるが、各数式は、各々の層が複数層になる場合も考慮している。

但し:
:第1の光学材料の厚み、
:厚み、
1i:第1の光学材料のi番目の層の厚さ、
λ1:入射される照明光の第1の光(可視光)の波長、
λ2:入射される照明光の第2の光(可視光)の波長、
(i、1):波長λ1の光に対する屈折率、
(i、2):波長λ2の光に対する屈折率、
2j:j番目の層の厚さ、
(j、1):波長λ1の光に対する屈折率、
(j、2):波長λ2の光に対する屈折率、
C1:第1の光学材料の波長によらない定数である。
C2:波長によらない定数である。

但し、記号の説明は数式(数10)を参照。

但し、
C1:第1の光学材料の波長によらない定数である。
C2:波長によらない定数である。
さらに、本発明の位相板の総厚みtについては、上記した数式(数12)に加えて、以下の2つの式数式(数13)、数式(数14)が成り立つように決定することができる。

但し、
(1,1):第1の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率、
(1,1):第2の光学媒質領域の第1の波長λ1に対する屈折率。

但し、
(1,2):第1の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率、
(1,2):第2の光学媒質領域の第2の波長λ2に対する屈折率。
さらに、本発明位相板の総厚みについては、以下の数式(数15)が成り立つように決定することができる。

但し、記号の説明は数式(数13)数式(数14)を参照。
さらに、本発明位相板の総厚みについては、以下の数式(数16)が成り立つように決定することができる。

但し、数式(数1)0〜数式(数1)4のC1又はC2をCとし、|C|はCの絶対値を示す。
上述した数式(数10)、数式(数11)を満たすように第1の光学材料と第2の光学材料の位相差発生層を選択することによって、波長λ1の光束に対しても、波長λ2の光束に対しても、第1の光学材料から出射される光束の位相を、第2の光学媒質領域から出射される光束の位相に対して、所定の定数Cだけ進めたり遅らせたりすることができる。このように、複数の波長に対して、位相をずらすことができるので、光束の周波数情報を含めて、光束の位相を調整することができる。
以上の本発明の内容に基づき開口絞り22及び位相板43を作成し、従来の位相差顕微鏡に組み込んで、サンプルとして珪藻《図3(a)》の画像を撮影した。また、画像の比較例として、従来の明視野顕微鏡による同じサンプル珪藻《図3(b)》の画像も撮影した。
<<実験結果1>>
図3(a)と図3(b)の比較からわかるように、図3(a)の本発明の新微分干渉型顕微鏡による珪藻の画像では、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的に影を有する画像であって、図3(b)の通常明視野観察画像と比較して細部の解像度が高い画像が得られている。
以上の実験結果から、上記した本発明の位相板を用いた光学蔵置では、上記した本発明のA領域が位相板の中心に配置され、B領域とC領域の何れか一方に位相差を発生する領域を配置する構成が、最も本発明の効果を得られる構成であることが、実験により確認された。
以上のように、本実施形態の位相差版43は、従来の位相差顕鏡法のように直接光(A光500)の透過領域に位相差を発生させる第2の光学材料の位相差発生層を配置するのではなく、線対称軸で分割された両側の回折光の透過領域の一方側(本実施形態では1次回折光501の透過領域45)のみにその材料を配置して位相差を持たせる構成になっている。なお、位相差を発生させる配置は、その一方側の透過領域のさらに一部分のみでも本発明の効果を得ることは可能である。また、本実施形態とは逆に、−1次回折光502の透過領域47のみにその材料を配置して位相差を持たせる構成としてもよい。
また、本実施形態の微分干渉型顕鏡法は、従来の微分干渉顕鏡法のように、プリズムによって規定される2つの偏光を使用しないで立体的な観察画像を得る方法である。本実施形態の新微分干渉型顕微鏡は、回折現象による1次回折光501と直接光であるA光500との干渉で得られる位相差を有する像と、回折現象による−1次回折光502とA光500との干渉で得られる位相差を有する像とを、対物レンズ像面71に重ねるように構成する顕微鏡である。本発明では、上記のように構成することで、物体を観察する場合に、物体の境界の屈折率差及び物体の境界の段差を強調して、対物レンズ像面71に像を形成することができる。
従って、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡を用いることで、従来の微分干渉顕微鏡で必須の高価な対物レンズやノマルスキープリズム偏光子などの光学素子を必要としないで、立体的な観察画像が得られる。また、その立体的な観察画像は、画像変化が少なく高い解像度で、さらに実際の物体の色調に近い色彩で像を得ることができる。
また、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡を用いた立体的な観察画像は、従来の明視野顕微鏡による明視野像と比較した場合にも、光量の減衰が少なく、像の強度の低下が少なく、観察対象物の像のコントラストの低下が少なく、標本の色に関する情報の欠落が少なく色バランスの変化が少ないという効果を得ることができる。
また、本実施形態の微分干渉型顕鏡法と、従来の位相差顕鏡法と比較した場合にも、従来の位相差顕鏡法が、A光500とその他の回折光との間に位相差を持たせるという発想であったのに対し、本発明では、回折光の一部分にのみ位相差を持たせるというまったく新しい発想である。さらに、本実施形態の微分干渉型顕鏡法による画像は、瞳上で位相差を持たせる領域をコントロールすることで、従来の明視野画像を基本として、細かい構造をもった部分だけを選択して強調する画像を得ることができるので、透明に近い物体であっても、容易に観察することができるという利点がある。
<<<第2の実施形態>>>
図4(a)、(b)に示した本発明の第2の実施形態の一例としての位相板では、線対称軸102の両側にB領域とC領域を設ける点では、第1の実施形態と同様であるが、位相板上で直交するX軸とY軸の両方の軸に対して、第1の実施形態の「縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調される」という効果を得られるようにした実施形態である。なお、図4(a)、(b)に示したA領域、B領域及びC領域の形状及び配置も、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の場合と同様にして求められる他の形状及び配置であってもよい。
その目的のために第2の実施形態の位相差板120(43)では、光軸100を通過するオリジナルの線対称軸102を図面上で左回りに45度傾け、位相差板120(43)の円周辺と線対称軸102との両方の交点から、線対称軸102に対して両側に45度で、位相差板120(43)の円周辺に内接する正方形を描くように境界線を設定し、光軸100の周囲に円形にA領域122(44)を設定する。この場合、オリジナルの線対称軸102は位相板43を製造する際に有効であるが、それとは別に、第1の実施形態の「縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調される」という効果を得るための線対称軸として、B−B線の位置にX軸方向の線対称軸が設定され、X軸と直交するようにY軸方向の線対称軸が設定される。
従って、第2の実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、位相板120(43)において、光軸100を通過する線対称軸は、光軸100を中心として所定の中心角毎に複数本(この場合はオリジナルの線対称軸102に、直角のX軸方向とY軸方向の2本が加わる)が設定され、各々の線対称軸(X軸とY軸)で分割された両側の軸対像な領域(B領域124(45)及びC領域126(47))のうちの何れか一方の透光領域(この場合はB領域124(45))内において、対応する線対称軸102+X軸+Y軸に対して他方の透光領域と線対称な位置に第2の光学材料の位相差発生層が配置されて、位相差発生領域125(46)が形成される。
つまり、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、例えば、結像画像の平面上で直交するX軸とY軸に対応する2本の線対称軸を有する場合でも、図6のように形成し、各々の線対称軸(X軸とY軸)の両側にB領域125(45)とC領域126(47)を設定することで、従来の微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を得ることができる。
このように光軸100を通る線対称軸(X軸とY軸)は、図1に示した線対称軸102の1本に限らず、2本又はそれ以上に増加させることもできる。例えば、2本の線対称軸(X軸とY軸)を図4のように直交させて配置することもできるが、2本以上の線対称軸を光軸100の回りに等角度毎に設定することもできる。この場合、A領域122(44)は、例えば円形のように、全ての線対称軸に対して線対称な図形となる。また、B領域124(45)とC領域126(47)は、少なくとも一本の線対称軸に対して線対称な位置関係となるように配置される。
また、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、A領域122(44)は、光軸100を含む円形である。これにより、本実施形態の位相板43の瞳形状は横線(X軸)縦線(Y軸)の両方向に対して微分干渉効果を得ることができ、縦線に加えて横線も強調される画像タイプが得られる。
また、本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、A領域122(44)を円形とすることで、従来の明視野顕微鏡と同様に円形開口絞り22及び位相板120(43)の設計及び製造が可能となるので、設計及び製造が容易で製造コストを低減させ、製造に必要な期間を短縮させることができる。
<<<第3の実施形態>>>
図5(a)、(b)に示した本発明の第3の実施形態の一例としての位相板では、線対称軸102の両側にB領域とC領域を設け、位相板上で直交するX軸とY軸の両方の軸に対して、第1の実施形態の「縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調される」という効果を得られるようにした実施形態である点では、第2の実施形態と同様であるが、本実施形態では、A領域132(44)を、光軸100を中心とする輪帯形状としている。なお、図5(a)、(b)に示したA領域、B領域及びC領域の形状及び配置も、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の場合と同様にして求められる他の形状及び配置であってもよい。
これにより、本実施形態の位相板130(43)のA光500が透過する瞳形状のA領域132(44)は輪帯形状となる。
本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1では、A領域132(44)を輪帯形状とすることで、開口絞り22の形状を従来の位相顕微鏡の位相版と同様にできるので、設計及び製造が可能となるので、設計及び製造が容易で製造コストを低減させ、製造に必要な期間を短縮させることができる。
<<<第4の実施形態>>>
図6(a)、(b)に示した本発明の第2の実施形態の一例としての位相板では、線対称軸102の両側にB領域とC領域を設ける点では、第1の実施形態と同様であるが、A領域142(44)は円形状にし、非透光領域を無くして、A領域142(44)のすぐ外側に、(B領域)144(45)とC領域146(47)を設けている。なお、図6(a)、(b)に示したA領域、B領域及びC領域の形状及び配置も、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の場合と同様にして求められる他の形状及び配置であってもよい。
本実施形態の新微分干渉型顕微鏡1は、第2実施形態や第3実施形態のように、位相板上で直交するX軸とY軸の両方の軸に対して、第1の実施形態の「縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調される」という効果を得られるのではなく、光軸100を中心とするほぼすべての方向の線を線対称軸として、全方向の線対称軸に対して「縦線に対しての微分干渉効果があり縦線が強調される」という効果を得られるようにしている。
<<<第5の実施形態>>>
図7には、本発明の第5の実施形態の光学系の一例としての落射型位相差顕微鏡に本発明の位相差板を適用する場合の光学系の概略の構成と照明光の光路が示されている。
第5実施形態の落射型で新方式の位相差顕微鏡2では、第1の実施形態の新方式の位相差顕微鏡1と比較して、概略的に、落射照明光学系10、ハーフミラー31、結像光学系(対物レンズ光学系)40で異なっている。また、落射照明光学系10の光路中には、光源5側の対物レンズ射出瞳と共役な位置(以下、照明光学系中射出瞳共役位置と記載する)21に開口絞り22が配置されている。開口絞り22の透光領域23を透過した照明光は、ハーフミラー31に向けて出射される。
ハーフミラー31は、光源5から出射されて開口絞り22を透過した照明光を対物レンズ側に反射すると共に、被観察試料61からの反射光を、対物レンズ像面71側に透過させる。
結像光学系(対物レンズ光学系)40中の対物レンズ41では、ハーフミラー31からの照明光が上面から入射され、被観察試料61又は物体面51に向けて照明光を下面から出射すると共に、被観察試料61又は物体面51からの反射光が下面から入射され、反射光をハーフミラー31に出射する。射出瞳共役位置42には、位相板43が設けられる。また、位相板43は第1の実施形態と同様であるが、図7に示したA領域、B領域及びC領域の形状及び配置も、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の場合と同様にして求められる他の形状及び配置であってもよい。
次に、対物レンズ41において、下面から入射された反射光は、対物レンズ41中を図7の下側から上側へ透光される。反射光は、位相板43に達し、位相膜領域45で位相操作されてハーフミラー31に向けて出射される。位相膜領域45では、位相膜により反射光の位相が、例えば1/4波長操作されて進められるか遅らせられて出射される(1/4波長板の場合)
このように本発明の位相差板43は、上記したような落射型の位相差顕微鏡2についても、第1〜第4の実施形態と同様に問題無く適用することができる。従って、本実施形態の落射型の位相差顕微鏡2も、第1〜第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
<<<第6の実施形態>>>
図8には、本発明の第6の実施形態の光学系の一例としての投影露光装置に本発明の位相差板を適用する場合の光学系の概略の構成と照明光の光路が示されている。
本発明はまた、本実施形態のようにマスクの像を投影して露光する、露光装置の光学系に使用することも可能である。より詳しくは、本発明の位相板43を含む光学系の応用範囲は、上記した第1〜第5の実施形態のように顕微鏡に限らず、露光装置等の投影光学系等に応用が可能である。また、本実施形態の位相板43は第1の実施形態と同様であるが、図8に示したA領域、B領域及びC領域の形状及び配置も、本実施形態の位相板の一例であって、これに限定されるものではなく、第1の実施形態の場合と同様にして求められる他の形状及び配置であってもよい。
例えば、図8に示した新投影光学系3の場合には、レチクル面81を透過して投影される像面71に投影される像に歪み等が無いこと、例えば、図2及び図4〜6中の横方向をx軸とした場合のx軸方向の対称性が確保されている必要が有る。そのために、(aa)A領域44に対する第2の光学材料を有するB領域45の位相差と、(bb)A領域44に対するC領域47の位相差は、同じ値であることが望ましく、上記数式(数3)を材質及び厚みを選択することにより満足することが望ましい。
これは、回折光がB領域を通った後にA光500と干渉して得られる像のシフト量と、回折光がC領域を通った後にA光500と干渉して得られる像のシフト量の絶対値が同じで、符号が逆であることを意味し、x軸方向の対称性が確保されていることを意味する。
このように本発明の位相差板43は、上記したような投影露光装置3についても、第1〜第4の実施形態と同様に問題無く適用することができる。従って、本実施形態の新投影光学系3も、第1〜第4の実施形態と同様な効果を得ることができる。
上記の各実施形態に示したように本発明の光学系は、光軸に沿って、光源からの照明光の一部を透過させる開口絞りと、当該開口絞りを透過した直接光である0次回折光と、拡散光である1次回折光及び−1次回折光が透過する位相板を少なくとも有し、その位相板を透過した光が結像される光学系である。その位相板は、その基材部が光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料である第1の光学材料で形成される。その位相板には、光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料であって、第1の光学材料を透過する光とは位相が異なるように位相差発生層が、1次回折光が透過するB領域又は−1次回折光が透過するC領域の何れか一方にのみに配置される。
また、本発明の位相板は、A領域と、B領域と、C領域とは、各々が重複しないように装置設計上で配置される。また、位相差発生層が配置される透光領域は、位相板上の、光軸を通過する線対称軸で分割された両側の軸対像な領域のうちの何れか一方の領域内に配置される。
また、本発明の位相板は、光軸を通過する線対称軸に対して線対称の位置となるB領域又はC領域の何れか一方のみに位相差発生層が配置される。他方の領域には配置されず第1の光学材料のみである。これにより、A光との位相差が発生した回折光(1次回折光《B光》または−1次回折光《C光》の一方)と、A光との位相差が発生していない回折光(−1次回折光《C光》または1次回折光《B光》の他方)とを合成する際の干渉の効果が適切なレベルとなって、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡のような立体的な画像を良好に得ることができる。
また、本発明の位相板は、A領域は、線対称軸に近接する位置に配置され、位相差発生層が配置される透光領域(B領域又はC領域)が、A領域よりも外周側の位置に配置されてもよい。また、A領域を光軸に近い中心部に配置することで、B領域とC領域を透過する光(B光とC光)に位相差を発生させるためのA領域を共通にして、各領域の配置を効率化及び容易化することができる。また、A領域は、線対称軸に対して線対称な形状であり、線対称軸に対して線対称な位置関係となるように配置されてもよい。
また、本発明の位相板は、A領域を、線対称軸に対して線対称な形状で、線対称軸に対して線対称に配置することで、A領域からの光(A光)を、B領域とC領域の光に対して位相差を発生させるために均等の配分で影響させることができる。これにより、従来のノマルスキー型微分干渉顕微鏡のように立体的な画像を良好に得ることができる。また、A領域は、光軸を中心とする輪帯形状であってもよい。また、A領域を輪帯形状とすることで、開口絞りの形状を従来の位相顕微鏡の位相版と同様にできるので、設計及び製造が可能となる。これにより、設計及び製造が容易で製造コストを低減させ、製造に必要な期間を短縮させることができる。
また、本発明の位相板の基材部は、例えば、位相差発生層が配置される透光領域(B領域又はC領域)に、位相差発生層を配置するための凹部が形成され、少なくともその凹部に、位相差発生層が配置されてもよい。本発明の位相板では、その凹部を形成することで、第1の光学材料で形成される基材部における凹部と、それ以外の部分では、第1の光学材料による位相差が発生するので、ここでさらに位相差発生層による位相差に追加することで,位相差を増大させることができる。また、その凹部に位相差発生層を配置することにより、製造時の位相板の基材部上への配置作業を容易にできる。
また、本発明の位相板は、位相板の表面を保護するために、位相板と略同形状のカバーガラスを有する場合、例えば、位相板の凹部を含む全表面とカバーガラスとの間に、硬化後に特性を有する接着剤の接着剤層が形成されてもよい。その接着剤は、硬化後に所定の厚みとなるように基材部上に塗布し、その上を位相板と略同形状のカバーガラスで覆うことで、容易にB領域及びC領域を得るようにしてもよい。
また、本発明の位相板は、位相差発生層は、位相差を発生させるために、光軸方向に所定の厚みを有する層状に形成されてもよい。例えば、薄膜の位相膜を形成するのではなく、所定厚みの個体が層状に形成された位相差発生層を基材部に配置するか、接着剤等の液体またはジェル状の位相差発生層を基材部上に硬化後に所定厚となる量と厚みで塗布して層状に形成することで、製造を容易にして、薄膜等に比較してコストを低減することができる。
また、本発明の位相板は、その基材部が光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料である第1の光学材料で形成され、基材部基材部における1次回折光が透過するB領域又は−1次回折光が透過するC領域の何れか一方にのみに、光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料であって、第1の光学材料を透過する光とは位相が異なるように位相差発生層が配置される。つまり、位相板において0次回折光が透過するA領域には、位相差発生層が配置されず、B領域又はC領域の何れか一方のみに、位相差発生層が配置された構成になる。これにより、例えばB領域に位相差発生層が配置された場合、A光とB光とによる位相差が顕著な光と、A光とC光とによる位相差が顕著ではない光の双方を出射することができる。
また、本発明の光学系は、光軸に沿って、光源からの照明光の一部を透過させる開口絞りと、当該開口絞りを透過した直接光である0次回折光と、拡散光である1次回折光及び−1次回折光が透過する位相板を少なくとも有し、その位相板を透過した光が結像される光学系である。その位相板の製造時には、まず基材部を、光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料である第1の光学材料で形成し、その後、1次回折光が透過するB領域又は−1次回折光が透過するC領域の何れか一方にのみに、光源から出射する所定波長の照明光が透過可能な材料であって、第1の光学材料を透過する光とは位相が異なるように位相差発生層を配置する工程を含む。
また、本発明の光学系では、立体的な観察画像が得るために、従来の微分干渉型の顕微鏡のようにプリズムを必要としないので、顕微鏡の製造コスト及び観察に必要なコストを下げることができる。位相差発生層を配置する前に、例えば、位相板の基材部における位相差発生層が配置される透光領域に、位相差発生層を配置するための凹部を形成するようにしてもよい。位相板に凹部を設ける加工は、従来の加工技術で実施可能であり、従来の位相差顕微鏡と同様に容易に製造が可能であり、製造コストの上昇も最小限ですみ、立体的な観察画像を得る場合の従来の微分干渉型の顕微鏡よりも非常にコストダウンできる。
また、本発明の光学系では、例えば、位相板の基材部に凹部を形成した後に、位相板における少なくとも凹部に、位相差発生層を配置してもよい。これにより、位相差発生層を配置することや位置出しが容易になり、製造時間、製造コストを低減させることができる。また、位相板の表面を保護するためのカバーガラスを有する場合には、例えば、位相差発生層として、硬化後に特性を有する接着剤を用い、位相板の凹部を含む全表面に、硬化後に所定厚みとなるように塗布し、位相板の凹部を含む全表面とカバーガラスとの間に、接着剤層を形成すてもよい。このカバーガラスとの間に接着剤層を形成する場合には、接着剤の表面を平坦にでき、またその後の表面の平坦度が悪化することをカバーガラスにより防ぐことができる。
1 光学系(新微分干渉型顕微鏡)、
2 光学系(新落射型−微分干渉型顕微鏡)、
3 光学系(新投影光学系)、
5 光源、
10 照明光学系、
11、12、13、14 (照明光学系の)レンズ
21 照明光学系中射出瞳共役位置(照明光学系中における対物レンズの射出瞳と共役な位置)、
22 開口絞り装置(開口絞り、
23 (開口絞り装置側)透光領域、
31 ハーフミラー、
40 結像光学系、
41、46 (結像光学系の)レンズ
42 (結像光学系中の)射出瞳共役位置(対物レンズの射出瞳と共役な位置)、
43 位相板、
44、112、122、132、142 A領域、
45、114、124、134、144 B領域、
46、115、125、135、145 位相差発生領域、
47、116、126、136、146 C領域、
48 基材部、
51 物体面(対物レンズの射出瞳位置)、
61 被観察試料)、
71 対物レンズ像面、
81 レチクル面(マスク面)
100 光軸、
102 線対称軸、
104 線対称軸の第1方側、
106 線対称軸の第2方側、
117 カバーガラス、
118、128、138 非透光領域、
500 (A領域を透過する)第1透過光、
501 (B領域を透過する)第2透過光、
502 (C領域を透過する)第3透過光。

Claims (11)

  1. 光源からの光を平行光として物体を照明する照明系と、物体からの光を所定倍率で結像させる結像系とを有する光学系において、
    照明系中の光源と共役な位置に、結像系に入射する直接光(0次光)を制限する開口
    絞りと
    結像系中の開口絞りの位置(瞳位置)に、全ての0次光が通過するA領域と、1次回折光が通過するB領域と、−1次回折光が通過するC領域とを有し、瞳面と光軸との交点を含む対称軸に関して、B領域とC領域が軸対像の関係にあり、B領域またはC領域は、A領域に対して所定位相差を発生させる構造を有し、B領域、C領域は、A領域と共通な領域が存在しない位相板とを含むことを特徴とする光学系。
  2. A領域に対するB領域またはA領域に対するC領域の位相差をΔとすると、
    Δは以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
    0.05π≦|Δ|≦0.95π
  3. A領域に対するB領域またはA領域に対するC領域の位相差をΔとすると、
    Δは以下の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
    0.25π≦|Δ|≦0.5π
  4. 前記0次光の通過するA領域は光軸と瞳面の交点に関して点対称の形状である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の光学系。
  5. 前記0次光の通過するA領域は光軸と瞳面の交点を含む円形である
    ことを特徴とする請求項4に記載の光学系。
  6. 前記0次光の通過するA領域は光軸と瞳面の交点を含む矩形である
    ことを特徴とする請求項4に記載の光学系。
  7. B領域及びC領域の持つA領域に対する位相差をそれぞれΔB、ΔCとすると、以下の条件を満足することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の光学系。
    ΔB=ΔC
  8. B領域またはC領域は、光を減衰させる構造を持ち、その透過率をTとすると以下の条件を満足することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の光学系。
    0.1<T<0.9
  9. 所定位相差を発生させる構造は、2以上の波長に対して一定の位相差Δを与える位相膜であり、その位相差Δは、比較的広い波長帯域で前記Δの条件を満足する請求項2乃至8の何れか1項に記載の光学系。
  10. 所定位相差を発生させる構造は、使用する光に対して透明であり、かつ、0次光と1次光の位相差を発生させる箇所は、光の進む光軸方向には単一な物質からなる層構造を有することを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載の光学系。
  11. 前記B領域とC領域は、前記A領域の矩形の対向する一組の辺の外側であり、前記対称軸に関して線対称の弓形であることを特徴とする請求項6乃至10何れか1項に記載の光学系。
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