JP5284688B2 - 加熱調理器とそれを構成するカバー部材 - Google Patents

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Description

本発明は、火にかけて加熱される、鍋や釜、やかん等の加熱調理器とそれを構成するカバー部材に関するものである。
従来から、鍋や釜等の加熱調理器を火にかけて煮炊きする調理法が知られており、特に近年では、環境保全や省エネ等の観点から、加熱効率を良くして、可燃性ガスや石油、炭、薪等の燃料の消費量や二酸化炭素の排出量を低減することが強く求められている。
このような要求に応じるため、例えば特許文献1(特開2004−176939号公報)には、器本体の周壁部を外方から覆うように筒状部材(熱逃げ防止外筒)を配設して、器本体の熱拡散を筒状部材で抑えるようにした構造が、提案されている。
ところが、特許文献1に記載の加熱調理器においては、筒状部材の下端部が、径方向内方に延び出して、熱源であるガスバーナを囲うように配置されていると共に、器本体の底部がガスバーナの上方を覆うようにしてかかる下端部の突出先端部分に載置されている。そのため、ガスバーナの燃焼ガスの放出部における外部空間との接触が筒状部材と器本体によって著しく制限されてしまい、燃焼ガスが器本体の底部に留まり易くなる。その結果、熱源から器本体への熱対流が非効率的となって、加熱効率が十分に向上され難いことに加えて、熱源付近の燃焼ガスの増大による酸素の不足に起因して一酸化炭素濃度が高くなる可能性があったのである。
特開2004−176939号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、加熱効率が効果的に向上され得ると共に、燃焼ガスの完全燃焼が促されることに基づき、一酸化炭素の抑制効果が十分に図られ得る、新規な構造の加熱調理器を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る考案思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、(イ)燃焼形の熱源によって加熱され得る底壁部と周壁部とを備えた器本体と、(ロ)該器本体の該周壁部よりも一回り大きな筒状を有しており、該器本体に対してその周壁部を取り囲むように組み合わせ可能とされた陶器製のカバー部材と、(ハ)それら器本体とカバー部材の一方から他方に向かって突出形成されて、その突出先端部が該他方に対して当接されることにより、該器本体とカバー部材との間において周方向および上下方向に連続した内部空間を形成し且つ該内部空間を該カバー部材の上下方向両側端部においてそれぞれ外部空間に開放させる、周方向において分断された複数の当接支持突起とを、含んで構成されていると共に、(ニ)前記器本体には、前記カバー部材との組み合わせ状態下で該カバー部材における上側開口端面よりも上方に位置する部位において外周面上に突出する環状突部が形成されており、該カバー部材の上側開口端面と該器本体の該環状突部との上下方向での対向面間において、前記当接支持突起が設けられている一方、(ホ)前記器本体の前記環状突部が前記カバー部材の該当接支持突起の突出先端部分に当接されることで、該器本体の前記底壁部と該カバー部材の下方側端部とが上下方向で略同じ位置に配設されるようになっている加熱調理器にある。
このような本発明に従う構造とされた加熱調理器においては、熱源から放出された燃焼ガスが、対流(熱対流)に基づいて、器部材とカバー部材の間に形成された内部空間を利用して器本体の外周面に沿って上方に流動することによって、熱が器本体の底側から上方に伝えられる。しかも、内部空間が周方向および上下方向に連続して広がって外部空間に開放していることから、カバー部材と器本体の間の隙間に燃焼ガスが留まることが積極的に防止されて、燃焼ガスの完全燃焼が効率良く行われる。それ故、器本体の加熱効率の向上効果や一酸化炭素の排出抑制効果が十分に得られる。
また、本発明の加熱調理器によれば、器本体とカバー部材の間の内部空間における当接支持突起の配設スペースが省略され得て、内部空間が十分に大きく確保され得ることから、内部空間における燃焼ガスの排出効率や外部から内部空間への酸素の取り入れ率の向上効果によって、一酸化炭素の抑制効果の更なる向上が図られ得る。
また、本発明の加熱調理器では、前記カバー部材には、外周面上にカバー用把手部が設けられていても良い。それによって、カバー部材と当接支持突起を介して器本体を運ぶことが可能となり、器本体とカバー部材を組み合わせた状態下の加熱調理器の取り扱い性が向上され得る。特に、把手部が、直接に加熱される器本体に比して加熱温度の低いカバー部材側に設けられていることによって、加熱された器本体の取り扱いが容易になることに加え、把手部が器本体の開口部から離隔配置されることによって、器本体の吹きこぼれによる把手部の汚れ防止効果が図られ得る。
また、本発明の加熱調理器では、前記器本体の外周面には、前記カバー部材で覆われる領域において凹凸が付された粗面領域が設けられていても良い。これにより、器本体の外周面における燃焼ガスの接触面積が大きくされる結果、燃焼ガスの器本体への積極的な接触により、器本体の加熱効率が一層向上され得る。
また、本発明の加熱調理器では、前記カバー部材の内周面は、前記器本体において該カバー部材によって覆われる外周面領域に対応して一回り大きな対応形状とされており、それによって、前記内部空間が全体に亘って略一定の隙間寸法とされていても良い。これにより、内部空間におけるカバー部材側への過度の広がりが抑えられて、燃焼ガスが器本体の外周面に効率良く接触され得る。
また、本発明の加熱調理器では、前記器本体と前記カバー部材が、何れも、陶器であることが望ましく、更に該カバー部材が、該器本体と同じかそれ以上の空隙率を有する陶器で形成されることが一層望ましい。それによって、内部に気孔を多く含む陶器の特性を利用して、器本体やカバー部材の保温効果や断熱効果が有利に発揮され、ひいては器本体の加熱効率が一層向上され得る。
さらに、本発明の加熱調理器では、前記器本体の開口を覆うようにして蓋体を設けることも可能であり、それによって、器本体の内側が効率良く温められて、器本体に収容される被加熱物の加熱効率が一層向上され得る。
また、本発明の特徴とするところは、前述の何れか一つの態様の加熱調理器を構成するカバー部材にある。即ち、かかるカバー部材においては、本発明に関する上述の態様の器本体に加え、例えば従来構造の鍋本体等の器本体に対して組み付けられることによっても、本発明の加熱調理器が実現され得る。それ故、従来構造の器本体の有効活用が図られ得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。先ず、図1,図2及び図3には、本発明の加熱調理器に係る第一の実施形態としての土鍋10が示されている。この土鍋10は、器本体としての鍋本体12や、鍋本体12の開口部に取り付けられる蓋体14や、カバー部材としての鍋カバー16を含んで構成されていると共に、鍋本体12や蓋体14、鍋カバー16の全体が陶器を用いて形成されている。
特に本実施形態の土鍋10は、全国的に著名な三重県産の陶器である伊賀焼により形成されており、気孔を多く含む伊賀焼の特性を利用して、土鍋10の素材内部の空隙率が高くされていると共に、土鍋10の表面が粗面形状とされている。かかる土鍋10を伊賀焼で製造するには、先ず、土練り行程を経た粘土を、図示される鍋本体12や蓋体14、鍋カバー16の形状に各別に成形し、乾燥工程を経て、約700度にて素焼きする。その後、下絵つけ、釉薬がけを行い、約1200度から1300度で本焼成を行い、完成品として得られた鍋本体12や蓋体14、鍋カバー16を相互に組み付けることによって、本実施形態の土鍋10が実現され得る。以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向や軸方向は、図1,図2,図4,図6中の上下方向をいい、左右方向や軸直角方向は、図3,図5中の紙面方向をいう。
より詳細には、鍋本体12は、全体として略円形の器状を呈しており、軸直角方向略中央の底壁部18が略円板形状を有している。また、鍋本体12の底壁部18から開口部にかけて立ち上がる周壁部20の内周面と外周面が、上方に向かって次第に軸直角方向外方に広がるテーパ面とされていることによって、周壁部20が拡径型の略円筒形状とされている。かかるテーパ面は、図示されるような湾曲形状の他、ストレートに広がる形状やストレート部と湾曲部を備えた複合形状を含む。更に、環状突部としての周方向に連続に延びるフランジ状部22が、鍋本体12の周壁部20の開口端部から軸直角方向外方に突出して形成されている。更にまた、鍋本体12の周壁部20の外周面において下方から軸方向中間部分にかけての領域には、周方向に連続に延びる周溝24が軸方向に複数条形成されている。これにより、当該領域が、鍋本体12の外周面の中央から外方に向かって段状の凹凸が付された粗面領域とされている。なお、粗面領域には、周溝24の他、周方向を螺旋状に延びる段差や隆起部等、粗面領域が形成され得る種々の形状が採用可能である。
一方、蓋体14は、略円板形状の中蓋26と略円形笠状の外蓋28を備えた二重蓋構造とされており、中蓋26の外周縁部が鍋本体12の開口端部に重ね合わされると共に、外蓋28の外周縁部が鍋本体12のフランジ状部22に形成された環状の凹所に嵌め込まれることによって、鍋本体12の開口を覆うようにして鍋本体12に支持されている。また、中蓋26や外蓋28の適当な箇所には、通孔30が貫設されている。
また、鍋カバー16は、図4,図5にも示されているように、上方に行くに従って拡径された略円筒形状を有している。更に、鍋カバー16の上側開口端部には、当接支持突起としての第一突起32と第二突起34の各一対が上方に突設されて、一対の第一突起32,32が鍋カバー16の中心軸を挟んだ径方向一方向(図5中、上下)で対向配置されていると共に、かかる径方向一方向に略直交する方向(図4,5中、左右)において、一対の第二突起34,34が対向配置されている。また、第一突起32と第二突起34の各突出先端部分が軸方向で互いに略同じ高さに位置していると共に、略平坦な形状とされている。また、鍋カバー16には、各第二突起34の外周面から軸直角方向外方に広がるようにして、カバー用把手部としてのカバー取手部36が一体形成されている。
本実施形態では、第一及び第二突起32,34を備えた鍋カバー16の内周面が、鍋本体12の周壁部20の外周面よりも一回り大きくされて、且つ外周面と略同じ曲率で湾曲している。それによって、鍋カバー16が、鍋本体12の周壁部20よりも大径の筒状とされていると共に、鍋本体12の周壁部20の外周面に対応したテーパ状の内周面を備えている。
このような鍋カバー16が上側開口部から鍋本体12の周壁部20に外挿されて、鍋本体12のフランジ状部22が鍋カバー16の第一及び第二突起32,34の突出先端部分に当接されていることで、鍋カバー16が鍋本体12に取り付けられている。特に本実施形態では、第一及び第二突起32,34を備えた鍋カバー16の高さ寸法が、鍋本体12の周壁部20の高さ寸法に比して僅かに大きくされていることによって、鍋本体12の底壁部18が鍋カバー16の下端部と略水平に位置して、鍋本体12が、フランジ状部22と第一及び第二突起32,34を介して鍋カバー16に支持されている。
そこにおいて、第一及び第二突起32,34を備えた鍋カバー16の内周面が、鍋本体12の周壁部20の外周面よりも一回り大きくされて、且つかかる外周面に対応した形状とされていることから、鍋カバー16が鍋本体12に略同心状に位置合わせして外挿配置された状態で、鍋カバー16の内周面が、鍋本体12の周壁部20の外周面に対して、略全体に亘って外方に略一定の距離を隔てて対向位置されている。これにより、鍋本体12の外周面と鍋カバー16の内周面の対向面間には、略一定の大きさを保持しつつ、上方に行くに従って外側へ広がる隙間が形成され、かかる隙間によって内部空間38が形成されている。
すなわち、本実施形態の内部空間38が、鍋本体12のフランジ状部22の下方における鍋本体12の外周面と鍋カバー16の内周面の間において、周方向および上下方向の全体に広がって形成されており、鍋カバー38の下端部と鍋本体12の底壁部18の間を通じて外部空間に開放している。また、鍋カバー16の上側開口が鍋本体12のフランジ状部22によって覆われているが、鍋カバー16の上端部に突設された第一及び第二突起32,34の各周方向間の隙間が外部空間に開口していることによって、内部空間38がかかる隙間を通じて外部空間に開放している。
このような構造とされた土鍋10においては、鍋カバー16のカバー取手部36を把持して持ち上げることによって、第一及び第二突起32,34とフランジ状部22を介して鍋本体12を持ち上げることが可能とされている。また、かかる土鍋10は、例えば図6にモデル的に示されるような公知のガスコンロ40に載置されて使用され得る。即ち、ガスコンロ40の熱源としてのガスバーナ42の周囲に設けられた4脚等の複数脚の輪形状の五徳44に対して、鍋カバー16の下端部が載置される。これにより、鍋本体12の底壁部18がガスバーナ42の上方に離隔配置されて、鍋本体12がガスコンロ40から浮いた状態で、鍋カバー16を介してガスコンロ40に支持されると共に、内部空間38の下側開口がガスバーナ42に向かって開口する。また、加熱すべき被加熱物としての水46等を鍋本体12に入れて、鍋本体12の開口を蓋体14で閉じる。
この状態で、ガスコンロ40を点火して、ガスバーナ42から放出する炎と燃焼ガスによって、鍋本体12を加熱することが可能とされている。ここで、鍋本体12の周壁部20が鍋カバー16で覆われていることにより、鍋本体12の保温効果や断熱効果が向上されて、鍋本体12が効率良く加熱され得る。
そこにおいて、本実施形態の土鍋10には、鍋本体12の周壁部20の外周面と鍋カバー16の内周面の対向面間において周方向および上下方向に連続した内部空間38が形成されていることから、燃焼ガスが、熱対流に基づいて、内部空間38を利用して鍋本体12の外周面に沿って上方に流動し、鍋カバー16の上端部における第一及び第二突起32,34の間の隙間から外部空間に排出される。これにより、鍋本体12が底壁部18から上方に向かって効率的に温められ、鍋本体12に収容された水46の略全体を熱斑なく加熱することが可能となる。しかも、ガスバーナ42の炎を放出する加熱空間が内部空間38を通じて外部と確実に連通されていることから、燃焼ガスがかかる加熱空間や鍋本体12の底側に滞留することが積極的に防止されて、完全燃焼が効率良く行われる。
特に本実施形態では、鍋カバー16が鍋本体12の周壁部20の略全体を覆うようにして、且つ周壁部20の外周面形状に沿った形状で鍋本体12に組み付けられていることに加え、かかる組み付けが、鍋本体12のフランジ状部22と鍋カバー16の上端部に突設された第一及び第二突起32,34との当接により実現されて、鍋本体12の外周面と鍋カバー16の内周面が直接に当接する部分がない構造とされている。これにより、内部空間38の鍋カバー16側への広がりを抑えつつ大きく確保され得る。
また、本実施形態の土鍋10が伊賀焼とされていることで、鍋本体12の外周面及び鍋カバー16の内周面を含む土鍋10の表面全体が粗面形状とされていることに加え、鍋本体12の外周面側に凹凸が形成されていることによって、内部空間38を流動する燃焼ガスが鍋本体12側に積極的に接触する。しかも、かかる凹凸が、鍋本体12の外周面において周方向に連続して延びる周溝24が鍋本体12の底壁部18と開口端部の間の縦断方向に複数条形成されることで、構成されていることから、燃焼ガスの対流による熱が、鍋本体12の底壁部18から上方に向かって段階的に且つ周方向に均一に伝えられる。これにより、鍋本体12に収容される水46や具材等の被加熱物に対して熱斑を抑えつつ、比較的に短時間で十分な加熱効果を及ぼすことが可能となる。
それ故、燃焼ガスの熱エネルギを効率良く利用して鍋本体12が加熱されて、ガスコンロ40の燃費を抑えつつ、十分な加熱効果が得られるのであり、しかも積極的な完全燃焼により、一酸化炭素の排出抑制効果が有利に発揮されて、環境保全性に優れた土鍋10が実現され得るのである。
次に、図7,図8,図9には、本発明の加熱調理器に係る第二の実施形態としての土鍋50が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の構造とされた部材及び部位については、第一の実施形態と同一の符号を付することより、それらの詳細な説明を省略する。
本実施形態の鍋カバー16においては、図10、図11にも示されているように、上側開口端部が全周に亘って略平坦な形状とされている。また、鍋カバー16の内周面には、当接支持突起としての壁部支持突起52の複数(本実施形態では3つ)が、鍋本体12の周壁部20の外周面に向かって突出して周方向に等間隔に設けられている。鍋本体12の周壁部20のテーパ状の外周面がこれら壁部支持突起52の各突出先端部分に当接されていることで、鍋本体12の開口端部が鍋カバー16の上側開口部よりも上方に離隔配置されて、内部空間38が鍋カバー16の上側開口端部の全周を通じて外部空間に開口している。
また、鍋本体12の開口端部において、径方向一方向で対向位置するようにして器用把手部としての一対の本体取手部54,54が突設されており、鍋カバー16の上側開口端部の上方に離隔して対向配置されている。また、鍋カバー16の上側開口端部における本体取手部54に対応した位置には、切欠き状の凹所56が形成されている。
このような構造とされた土鍋50においては、内部空間38の外部空間への開口が鍋カバー16の上側開口端部において周方向に連続して延びていることから、燃焼ガスの外部空間に対する接触効率が向上されて、完全燃焼が一層有利に図られ得る。
また、鍋カバー16の上側開口端部において本体取手部54に対応した位置に凹所56が形成されていることによって、本体取手部54の周囲の空間が大きく確保され、鍋本体12と鍋カバー16の組み付けや分離作業が容易になる。ここで、土鍋50の加熱に際して、図12にも示されているように、内部空間38から放出する燃焼ガスが本体取手部54に接触したり、凹所56から排出されることによって、内部空間38の外部への開口率が調節され得る。従って、本実施形態では、燃焼ガスの排出率に基づく加熱性能のチューニング手段が、本体取手部54や凹所56を含んで構成されることから、別途突起や開口部等の加熱チューニング手段を設けることによる構造の複雑化が回避され得る。
また、本実施形態では、鍋本体12が、その外周面のテーパ形状に対応した鍋カバー16のテーパ面において周方向に等間隔に形成された複数の壁部支持突起52により当接支持されていることから、鍋本体12の重心を鍋カバー16の中心軸線上に位置せしめることが可能となる。これにより、鍋本体12、延いては土鍋50の重心バランスの安定化が実現され、土鍋50をガスコンロ40の五徳44上で加熱する際にも、土鍋50が安定して支持され得る。
因みに、本発明に従う構造とされた上述の第一の実施形態の土鍋10を用いて、ガスコンロ40(3.3kw)で加熱した際に生じる一酸化炭素の量を、JIS規格(JIS2093)による理論乾燥燃焼ガス中のCO濃度(%)に基づいて測定した。なお、本実施例の燃焼ガスは、鍋カバー16の上側開口端部の外周縁部分から径方向外方に離隔した位置から鍋カバー16の高さ寸法の1/3だけ下方の位置を全周に亘って一様(出来るだけ平均)に採取した。その結果、家庭用ガス燃焼機器のCO濃度の安全基準値0.14%をはるかに下回る0.02%の数値が得られた。このことから、本発明に従う構造の土鍋においては、一酸化炭素の抑制効果において十分な実用性を備えていることが認められ、しかも、一酸化炭素濃度の低い測定値に基づいて、十分な完全燃焼により、加熱効率に優れていると考える。
また、本発明に従う構造とされた第一の実施形態の土鍋10と第二の実施形態の土鍋50について、ガスコンロ40(3.3kw)を用いて加熱し、図6,図12に示されるように、蓋体14の通孔30からサーモビューワ58を挿し入れて、所定時間毎の水46の温度を測定した。その結果を実施例1と実施例2として図13に示す。また、水46が沸点に達して湯になった後に、加熱をやめて、土鍋10,50を放置し、湯の所定時間毎の温度をサーモビューワ58で測定した。その結果を実施例1および実施例2として図14に示す。また、図15に示されるように、鍋カバーを組み付けていない鍋本体12を用いて、実施例1,2と同じ条件で測定した結果を比較例として図13,14に併せ示す。
これら図13,図14に示される試験結果からも、本発明の土鍋10,50においては、短時間で沸点に達すると共に、湯の保温効果に優れていることが明らかであり、その結果、加熱効率が十分に向上され得ることが認められる。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、これら実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
すなわち、土鍋10,50は例示のものに限定されず、例えば蓋体14は必須の構成要件でない。また、実施形態の鍋本体12にかえて、市販の従来構造の鍋本体を採用し、かかる鍋本体に本実施形態の鍋カバー16を取り付けて、従来構造の鍋本体と鍋カバー16の間に内部空間38を形成することによって、本発明に従う構造の土鍋を実現しても良い。
また、前記実施形態のように、第一及び第二突起32,34やフランジ状部22、壁部支持突起52等の当接支持突起を鍋本体12や鍋カバー16に特別に設ける必要はなく、例えば、従来構造の鍋本体の取手部を鍋カバーの平坦な上側開口端部に載置することによって、かかる取手部で当接支持突起を構成することも可能である。
さらに、例えば、鍋カバーの内周面に突設された当接支持突起や、鍋カバーの下側開口端部において軸直角方向内方に延び出し且つ周方向に離隔して複数設けられた当接支持突起に対して、鍋本体の底部乃至は周壁部を載置するようにしても良い。
また、前記第二の実施形態に示されるような切り欠き状の凹所を、鍋本体の下端部に一つ又は二つ以上設けても良い。
また、例えば、鍋本体の周壁部の軸方向中間部分の外周面において、環状覆い突部としてのフランジ状部を突設すると共に、鍋カバーの上側開口端部に上方に突出する当接支持突起の複数を設けて、フランジ状部で鍋カバーの上側開口を覆うようにして各当接支持突起に重ね合わせ、更にフランジ状部よりも上方に位置する鍋本体の周壁部乃至は開口端部に器用把手部を設けても良い。
さらに、前記第一の実施形態における鍋本体の上側開口端部をフランジ状部よりも上方に延び出すように形成して、かかる環状突部としてのフランジ状部が環状覆い突部として機能することも可能であり、更に鍋本体のフランジ状部よりも上方に位置する部分に器用把手部を設けることによって、鍋カバー側の取手部と組み合わせて採用することも可能である。
また、器用把手部やカバー用把手部の具体的構造は前記実施形態に限定されず、例えば、外方に突出する鍋の把手状でも良いし、鍋本体や鍋カバーの外周面に凹部を形成して手指をさし入れて持つようにすることで、各把手部を構成しても良い。
また、鍋カバーを軸方向にストレートに延びる筒状としたり、鍋本体をストレートに延びる有底筒状や、鍋本体の底部と周壁部の境界部分を滑らかに接続して、鍋本体の外周縁部から中央部分に向かって次第に深くなる器状としても良い。
また、土鍋10,50の熱源には、例示の如きガスコンロ40のガスバーナ42の他に、七厘や竈等を用いることも可能である。更に、前記実施形態では、土鍋10,50のガスコンロ40への設置に際して、鍋カバー16が五徳44に載置されて、鍋本体12が五徳44から浮いた状態とされていたが、例えば鍋カバーを五徳の周囲のガスコンロに載置すると共に、鍋本体を五徳に載置したり、或いは鍋本体を五徳に載置した状態で、鍋カバーを五徳の周囲においてガスコンロから浮いた状態とすることも可能である。
加えて、前記実施形態には、本発明が、陶器、特に伊賀焼で形成された土鍋10,50に適用される具体例を示していたが、本発明は、かかる土鍋に限定されるものでなく、鍋本体や鍋カバー、蓋体等の一部又は全部が金属材で形成された鍋や釜、やかん等に適用することも勿論可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての土鍋の縦断面図であって図3のI−I断面図。 図1の土鍋の正面図。 図1の土鍋の平面図。 図1の土鍋の一部を構成する鍋カバーの正面図。 図4の鍋カバーの平面図。 図1の土鍋をガスコンロに設置して一使用状態を説明するための縦断面図であって図3のVI−VI断面に相当する図。 本発明の第二の実施形態としての土鍋の縦断面図であって図9のVII−VII断面図。 図7の土鍋の正面図。 図7の土鍋の平面図。 図7の土鍋の一部を構成する鍋カバーの正面図。 図10の鍋カバーの平面図。 図7の土鍋をガスコンロに設置して一使用状態を説明するための縦断面図であって図9のXII−XII断面に相当する図。 図1と図7に示される土鍋の性能を確認した試験の結果を実施例1と実施例2として比較例の結果と併せて示すグラフ。 図1と図7に示される土鍋の性能を確認した試験の結果を実施例1、実施例2として比較例の結果と併せて示すグラフ。 図13,図14に示される土鍋の性能を確認する試験に際して、比較例の測定に用いる鍋本体をガスコンロに設置した状態を示す縦断面図であって図6や図12に対応する図。
符号の説明
10:土鍋、12:鍋本体、16:鍋カバー、18:底壁部、22:フランジ状部、32:第一突起、34:第二突起、38:内部空間、42:ガスバーナ

Claims (6)

  1. 燃焼形の熱源によって加熱され得る底壁部と周壁部とを備えた器本体と、
    該器本体の該周壁部よりも一回り大きな筒状を有しており、該器本体に対してその周壁部を取り囲むように組み合わせ可能とされた陶器製のカバー部材と、
    それら器本体とカバー部材の一方から他方に向かって突出形成されて、その突出先端部が該他方に対して当接されることにより、該器本体とカバー部材との間において周方向および上下方向に連続した内部空間を形成し且つ該内部空間を該カバー部材の上下方向両側端部においてそれぞれ外部空間に開放させる、周方向において分断された複数の当接支持突起と
    を、含んで構成されていると共に、
    前記器本体には、前記カバー部材との組み合わせ状態下で該カバー部材における上側開口端面よりも上方に位置する部位において外周面上に突出する環状突部が形成されており、該カバー部材の上側開口端面と該器本体の該環状突部との上下方向での対向面間において、前記当接支持突起が設けられている一方、
    前記器本体の前記環状突部が前記カバー部材の該当接支持突起の突出先端部分に当接されることで、該器本体の前記底壁部と該カバー部材の下方側端部とが上下方向で略同じ位置に配設されるようになっている
    ことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記カバー部材には、外周面上にカバー用把手部が設けられている請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記器本体の外周面には、前記カバー部材で覆われる領域において凹凸が付された粗面領域が設けられている請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  4. 前記カバー部材の内周面は、前記器本体において該カバー部材によって覆われる外周面領域に対応して一回り大きな対応形状とされており、それによって、前記内部空間が全体に亘って略一定の隙間寸法とされている請求項1乃至の何れか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記器本体と前記カバー部材が、何れも、陶器である請求項1乃至の何れか一項に記載の加熱調理器。
  6. 請求項1乃至の何れか一項に記載の加熱調理器を構成する前記カバー部材。
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