JP5284400B2 - カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 - Google Patents
カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5284400B2 JP5284400B2 JP2011060578A JP2011060578A JP5284400B2 JP 5284400 B2 JP5284400 B2 JP 5284400B2 JP 2011060578 A JP2011060578 A JP 2011060578A JP 2011060578 A JP2011060578 A JP 2011060578A JP 5284400 B2 JP5284400 B2 JP 5284400B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lithium titanate
- carbon
- carbon composite
- porous
- lithium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
チタン酸リチウムの粒子表面に導電性カーボンを被覆する方法としては、アルコールを窒素ガスでバブリングして粒子表面に炭素源を付与し、さらに加熱する方法が知られている(特許文献1)。
またその他の方法として、チタン酸リチウムに多孔性を付与することで電解液の粒子内浸透を促進する方法が知られているが、その際には表面形状の歪さによる摩擦が増加し、顕著に流動性が損なわれるといった問題がある。
(1)略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の表面部及び多孔表面内部層に、チタン酸リチウムに対して、1〜10質量%の導電性カーボンが含有されてなることを特徴するカーボン複合チタン酸リチウム。
(2)前記チタン酸リチウムの多孔質粒子の、表面部及び表面内部層であって表面から0.1〜1μmの深さの領域に、前記導電性カーボンが含有されてなることを特徴とする(1)に記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(3)前記導電性カーボンの含有量が、チタン酸リチウムに対して、3〜10質量%であることを特徴する(1)又は(2)に記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(5)前記チタン酸リチウムの多孔質粒子が、水銀ポロシメーターで測定した細孔分布に於いて、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在するチタン酸リチウム二次粒子であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(6)水銀ポロシメーターで測定した細孔分布に於いて、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在する球状カーボン複合チタン酸リチウムであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(8)バルク密度が、0.3〜1.0g/cm3の範囲である(1)〜(7)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(9)プレス密度が、1.5〜2.5g/cm3の範囲である(1)〜(8)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(11)前記導電性カーボンが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、人造黒鉛及び膨張黒鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上である、(1)〜(10)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
(12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウムの製造方法であって、25〜120℃で、湿式分散された導電性カーボンを、略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の多孔表面内部層に圧入、及び、前記多孔質粒子の表面に担持させる工程を有することを特徴とするカーボン複合チタン酸リチウムの製造方法。
(14)前記チタン酸リチウムの多孔質粒子として、平均粒子径が1〜30μmのチタン酸リチウムの二次粒子を用いることを特徴とする(12)又は(13)に記載の製造方法。
(15)前記チタン酸リチウムの多孔質粒子として、水銀ポロシメーターで測定した細孔分布に於いて、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在する、チタン酸リチウムの多孔質粒子を用いることを特徴とする、(12)〜(14)のいずれかに記載の製造方法。
(17)前記(1)〜(11)のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウムから得られる非水電解質電池用活物質。
(18)前記(17)に記載の非水電解質電池用活物質を含む正極又は負極を備えることを特徴とする非水電解質電池。
以上のように、チタン酸リチウムの多孔質粒子に導電性カーボンを所定量含有させることにより、粒子内部への導電ネットワークを容易に構築可能で、流動性に優れ、かつ電解液が内部にまで浸透することで高出力特性に優れるチタン酸リチウムを得ることが可能となる。
本発明のカーボン複合チタン酸リチウムは、略球状の、チタン酸リチウムの多孔質粒子の表面部及び多孔表面内部層に、チタン酸リチウムに対して、1〜10質量%の導電性カーボンが含有されてなることを特徴する。
本発明に用いるチタン酸リチウムとしては、略球状の多孔質粒子であれば特に制限されず、スピネル型構造をもつ公知のチタン酸リチウムが挙げられる。すなわち、チタン酸のリチウム塩として表現され、式:LixTiyO4(1.26≦x≦1.40、1.60≦y≦1.74)で表される化合物である。
本発明に用いるチタン酸リチウムの多孔質粒子は、平均粒子径が1〜30μmのものが好ましく、5〜25μmのものがより好ましい。
粒子径が細かすぎる場合には、一次粒子単独で存在する頻度が高くなり、空隙を有する二次粒子となり得ないため、カーボン担持が困難となる。粒子径が大きすぎる場合には、リチウムイオンの拡散パスが長くなり、高レート充放電において不利となる。
チタン酸リチウム粒子は、一般に一次粒子が凝集して二次粒子を形成している。本発明においては、二次粒子であることが好ましい。
一方、該細孔径が1μm超のチタン酸リチウムを用いた場合は、粒子内部に圧入されるカーボン量が多くなり、表面への担持が進まなくなるため活物質の比抵抗値が高くなる懸念がある。
このような特徴を有するチタン酸リチウムの多孔質粒子は、
(i)ステップ(i):リチウム塩とアナターゼ型酸化チタンを水でスラリー化し、
(ii)ステップ(ii):得られたスラリーを湿式攪拌混合した後、
(iii)ステップ(iii):このものを噴霧乾燥して乾燥顆粒を得、
(iv)ステップ(iv):得られた乾燥顆粒を焼成する
ことにより製造することができる。
また、市販品をそのまま又は適当な前処理を行って使用することもできる。
先ず、リチウム塩とアナターゼ型酸化チタン及び水を混合してスラリー化する。
用いるリチウム塩としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。一般的に、水難溶性の炭酸リチウムを用いる場合に、より多孔質化されたチタン酸リチウムの多孔質粒子を得ることができる。
リチウム塩とアナターゼ型酸化チタンの混合割合は、リチウム/チタンのモル比で、通常0.760〜0.860、好ましくは0.780〜0.840、より好ましくは0.800〜0.820となるように調整する。
水の使用量は、特に制限は無いが処理効率の観点でリチウム塩とアナターゼ型酸化チタンの合計量1質量部に対して、通常1〜5質量部、好ましくは1.5〜4質量部である。
用いる水としては、イオン交換水などの不純物を含まないものが好ましい。
次に、ステップ(i)で得たスラリーを充分に攪拌混合して湿式混合物を得る。
スラリーの攪拌混合には、先端に適当な攪拌翼を有する公知の湿式攪拌装置を使用することができる。
湿式混合攪拌時間は、通常0.1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間である。
次いで、ステップ(ii)で得た湿式混合物を、ディスクアトマイザー方式やノズルアトマイザー方式の公知の噴霧乾燥装置を用いて乾燥顆粒とする。
具体的には、ステップ(ii)で得られた湿式混合物を、スプレーアトマイザーに送り込み、所望の液滴径が得られるように乾燥室へ噴霧し、排気ファンにて乾燥顆粒をバグフィルター等の捕集機構にて連続的に回収しつつ乾燥させることにより、目的とする乾燥顆粒を得ることができる。
噴霧乾燥条件としては、噴霧乾燥装置の入口温度が150〜300℃、好ましくは200〜280℃、出口温度が60〜120℃、好ましくは70〜90℃である。
さらに、得られた乾燥顆粒を焼成することで、チタン酸リチウムの多孔質粒子を得る。
乾燥顆粒を焼成する温度は、700〜900℃であり、焼成に於ける前述の温度保持時間は通常0.5〜10時間にて調整する。
本発明に用いる導電性カーボンとしては、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;ファーネスブラック;人造黒鉛;膨張黒鉛;鱗片状黒鉛等の天然黒鉛;チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;等が挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、人造黒鉛、及び膨張黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
添加する導電性カーボンの量が1質量%未満では多孔内部へのカーボン添加量が不十分で多孔内からのネットワーク構築がなされずに効果が発現しない。一方、10質量%を超える場合には、遊離カーボンが顕著化し、導電性カーボンを核とした凝集が進むことによって流動性が低減されるおそれがある。
本発明のカーボン複合チタン酸リチウムは、略球状のチタン酸リチウム多孔質粒子の表面部及び多孔表面内部層に、チタン酸リチウムに対して、1〜10質量%の導電性カーボンが含有されてなることを特徴する。
すなわち、導電性カーボンを1質量%程度添加した場合には、カーボン複合チタン酸リチウムの比表面積が低下する。これは、チタン酸リチウムの多孔質粒子の多孔内部の表面部のみ(多孔表面内部層)が導電性カーボンによって充填されるためと考えられる。
その後、カーボン添加量を増加させていくと、得られるカーボン複合チタン酸リチウムの比表面積は複合させる導電性カーボンの比表面積に近づいていく。これは、チタン酸リチウムの多孔質粒子の表面がチタン酸リチウムに比較して比表面積の高い導電性カーボンによって覆われることで、比表面積は複合する導電性カーボンの比表面積に近づく結果と考えられる。
カーボン複合チタン酸リチウムのタッピング密度が0.5g/cm3未満では電極とした際の充填密度が十分でなく体積エネルギー密度的に不利である。また、2.0g/cm3を超える場合には体積エネルギー密度の観点では好ましいが、空隙を損なう結果となり好ましくない。
カーボン複合チタン酸リチウムのバルク密度が0.3g/cm3未満では流動性が十分でなく電極作成のプロセスにおいて不利となる。1.0g/cm3を越える場合には前述と同じく空隙を損なう結果となり好ましくない。
カーボン複合チタン酸リチウムのプレス密度が1.5g/cm3未満の場合には電極密度が不足することとなり、体積エネルギー密度的に不利である。また高ければ高いほどに電極単位体積当たり活物質担持量が多いことを示唆するが、材料真密度の観点より2.5g/cm3を超えるえることは実質困難である。
比抵抗率が100Ω・cm以下であるカーボン複合チタン酸リチウムを使用することで、導電性に優れる電極を形成することができる。
本発明のカーボン複合チタン酸リチウムの製造方法は、本発明のカーボン複合チタン酸リチウムを製造する方法であって、25〜120℃で、湿式分散された導電性カーボンを、略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子(以下、「多孔質粒子(T)」と略記することがある。)の多孔表面内部層に圧入、及び、前記多孔質粒子(T)の表面に担持させる工程を有することを特徴とする。
(工程2)次いで、少なくとも導電性カーボンとバインダーとを含む分散液を前記粒子表面にスプレーして供給する。
(工程3)さらに、前記導電性カーボンを前記粒子表面にて展延させて前記粒子表面の空隙に埋め込み、かつ乾燥させることにより、目的とするカーボン複合チタン酸リチウムを効率よく製造することができる。
(工程1)
先ず、原料であるチタン酸リチウムの多孔質粒子(粉体)を転動流動装置内に入れ、25〜120℃、好ましくは50〜100℃の空気流を供給しつつ、装置内においてブレードロータにて転動し、粉体を均一に分散させ、かつ、粉体を均質に加熱する。
次いで、少なくとも導電性カーボンとバインダーとを含む分散液を前記粒子表面にスプレーして供給する。
特に本発明を限定するものではないが、本発明の製造方法においては、導電性カーボンは予め均一に分散されていることが好ましい。すなわち、導電性カーボンが分散液内で凝集している場合、あるいは過剰な速度で分散液をスプレーした際には、粉体表面に導電性カーボンが均一に担持されずに外部に遊離析出してしまい、所望の効果が得られない結果となるからである。また、遊離した導電性カーボンが核となり、チタン酸リチウム同士の凝集を促進し、流動性が損なわれる要因ともなりうる。
バインダーの添加量は、導電性カーボンに対して、5〜100質量%、好ましくは、10〜50質量%である。
転動させた粉体に対し、導電性カーボンを含む分散液を所定の速度でスプレーすると、スプレーされた分散液は粉体表面に展延される。
展延の際には、原料及び導電性カーボン粒子同士の接触によって、原料粉体表面にスプレーされた分散液に圧力が付与され、その結果、粉体空隙(多孔質粒子の多孔内部の表面部分)に導電性カーボンが充填した構造が得られるものと考えられる。また係るメカニズムによると、展延の際に、まず空隙部位に優先的に分散液が充足され、空隙が充填された後に粉体表面への被覆が進行することが推測される。従って、分散液の成分、量を制御することで、空隙及び表面への充填、被覆の程度を定量的に制御することが可能となる。
先ず、多孔質粒子(T)(図中、b)を、容器4内において、ブレードロータ1にて攪拌しながら熱風を供給しつつ転動させる。
さらに、前記導電性カーボンを多孔質粒子(T)の表面にて展延させて、多孔質粒子(T)の多孔内(空隙)に充填し、かつ、気流供給口3から25〜120℃の気流(図中、a)を容器4内に送り込むことにより、分散液を乾燥揮発することで、粉体表面に導電性カーボンを含有させる。
上記操作終了後、容器4内から目的とするカーボン複合チタン酸リチウムを取り出す。
以上のようにして、目的とするカーボン複合チタン酸リチウムを得ることができる。
本発明の非水電解質電池用活物質は、上述した本発明のカーボン複合チタン酸リチウムから得られるものである。
本発明の非水電解質電池用活物質は、正極活物質として用いても、負極活物質として用いてもよいが、負極活物質として用いるのが好ましい。
本発明の非水電解質電池は、上述した本発明の非水電解質電池用活物質を含む正極又は負極を備えることを特徴とする。
(i)本発明の非水電解質電池用活物質を含む正極、負極及びセパレータを備える非水電解質電池。
(ii)正極、本発明の非水電解質電池用活物質を含む負極及びセパレータを備える非水電解質電池。
(iii)本発明の非水電解質電池用活物質を含む正極、負極及び固体電解質層を備える非水電解質電池。
(iv)正極、本発明の非水電解質電池用活物質を含む負極及び固体電解質層を備える非水電解質電池。
得られた各試料の分析は次のとおりに行った。
(a)粒子径:レーザー回折粒度分布計(堀場製作所製、型番:LA−920)にて、分散媒に純水を用いて粒子径測定を実施した。
(b)炭素量:炭素硫黄計(堀場製作所製、型番:EMIA−920V)にて測定を実施した。
(c)細孔分布の測定:水銀ポロシメーター(島津製作所製、型番:Autopore IV 9500)を使用して測定を実施した。
(d)タッピング密度(以下、「タップ密度」ともいう。)、バルク密度:タップデンサー(セイシン社製、型番:KYT−4000)を用いて、JIS R1628に記載の手法の内、定容積測定法によって測定を実施した。
(e)プレス密度:図4に示す冶具を用い、所定量の粉末を0.8kNのプレス圧で一軸プレスを行った際の厚み及びプレス断面積より、以下の計算式より密度計算を実施した。
(g)比抵抗率:図4に示す冶具を用い、所定量の粉末を0.8kNのプレス圧で一軸プレスを行いつつ、テスターにて直流抵抗を測定し、以下の計算式より比抵抗率計算を実施した。
実施したレート容量評価に用いた電池仕様について、以下に述べる。
正極は、本発明のカーボン複合チタン酸リチウムに、所望により導電剤及び結着剤を混合し、得られたペーストを集電体に塗布し、乾燥することによって得られる。
導電剤としてはアセチレンブラック、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(クレハKFポリマー W#1100)を用い、活物質:外部添加した導電剤:結着剤の重量比が90:5:5となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドンを適宜添加することでペーストを得、得られたペーストを集電体であるアルミ箔に塗布した。
次に、ペーストを塗布した集電体を常法で乾燥させることにより、正極を得た。
また負極には、金属リチウム、セパレータにはセルガード2500、電解液には1mol/Lの濃度でLiPF6を溶解したエチレンカーボネート及びジエチルカーボネートの混合液(重量比3:7)を用い、2032サイズのコイン型電池を作製した。
アセチレンブラック:ポリエチレングリコール(Mw=7300〜10200、関東化学社製、PEG6000):エタノール:水=1:0.33:0.65:36の重量比となるように混合し、マイクロフルイダイザー(パウレック社製、型番:M−110EH)を用い、138MPaの圧力で処理することによって、導電性カーボンの分散処理を実施した。得られたコーティング液を実施例及び比較例にて用いた。
チタン酸リチウムの多孔質粒子の製造
予めリチウムとチタンのモル比が0.80となる重量比率で混合された水酸化リチウム(関東化学社製)とアナターゼ型酸化チタン(関東化学社製)の合計量1質量部に対して、5質量部のイオン交換水を用いて、水酸化リチウム、酸化チタンを含むスラリーを作製した。得られたスラリーをマイクロミストドライヤー(藤崎電機社製、型式:MDL−50B)を用いて噴霧乾燥し、水酸化リチウム及び酸化チタンから成る乾燥顆粒を作製した。得られた乾燥粉をアルミナ製匣鉢に入れ、大気雰囲気下、800℃6時間焼成処理を実施した。
得られたチタン酸リチウムの細孔分布を測定した結果、微分細孔容積値(ピーク細孔径)は435nmであった。
8.8μmの粒子径を有する多孔質球状チタン酸リチウム200gを転動流動装置(パウレック社製、マルチプレックス 型番:MP−01mini)に添加し、80℃、20m3/時間の給気熱風及びブレードロータを400rpmの速度で攪拌することで装置内転動を行った。その上、コーティング液を5g/分の速度でチタン酸リチウムに対し3質量%となる量を装置内連続供給し、コーティング処理を実施した。得られたカーボン複合チタン酸リチウムは炭素量3.1質量%、微分細孔容積値は331nm、タップ密度1.12g/cm3、バルク密度0.71g/cm3、プレス密度1.82g/cm3、比表面積3.2m2/g、比抵抗率77Ω・cmであった。
供給するコーティング液量をチタン酸リチウムに対し5質量%となるように装置内供給を行った他は実施例1と同様の操作を実施した。得られたカーボン複合チタン酸リチウムは炭素量5.4質量%、微分細孔容積値は283nm、タップ密度1.10g/cm3、バルク密度0.72g/cm3、プレス密度1.89g/cm3、比表面積3.7m2/g、比抵抗率19Ω・cmであった。
供給するコーティング液量をチタン酸リチウムに対し7質量%となるように装置内供給を行った他は実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカーボン複合チタン酸リチウムは炭素量7.2質量%、微分細孔容積値は249nm、タップ密度1.09g/cm3、バルク密度0.70g/cm3、プレス密度1.95g/cm3、比表面積4.8m2/g、比抵抗率8.2Ω・cmであった。
供給するコーティング液量をチタン酸リチウムに対し10質量%となるように装置内供給を行った他は実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカーボン複合チタン酸リチウムは炭素量9.9質量%、微分細孔容積値は186nm、タップ密度1.08g/cm3、バルク密度0.71g/cm3、プレス密度1.94g/cm3、比表面積6.3m2/g、比抵抗率3.1Ω・cmであった。
供給するコーティング液量をチタン酸リチウムに対し1質量%となるように装置内供給を行った他は実施例1と同様の操作を実施した。
得られたカーボン複合チタン酸リチウムは炭素量1.0質量%、微分細孔容積値は344nm、タップ密度1.16g/cm3、バルク密度0.64g/cm3、プレス密度1.74g/cm3、比表面積2.5m2/g、比抵抗率は1kΩ・cm以上となった。
カーボン及びバインダーが添加されていないコーティング液を装置内に供給し、実施例1と同様の条件で装置内攪拌操作を実施した。
得られたチタン酸リチウムは、微分細孔容積値は435nm、タップ密度1.14g/cm3、バルク密度0.63g/cm3、プレス密度1.72g/cm3、比表面積3.1m2/g、比抵抗率は1kΩ・cm以上となった。
上記で得られた物性値を表1にまとめる。
2・・・スプレーノズル
2a・・・分散液供給口
3・・・気流供給口
4・・・容器
a・・・気流
b・・・多孔質粒子(T)
Claims (17)
- 略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の、表面部及び表面内部層であって表面から0.1〜1μmの深さの領域に、チタン酸リチウムに対して、1〜10質量%の導電性カーボンが含有されてなるカーボン複合チタン酸リチウムであって、
25〜120℃で、湿式分散された導電性カーボンを、略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の多孔表面内部層に圧入、及び、前記多孔質粒子の表面に担持させることにより得られるカーボン複合チタン酸リチウム。 - 前記導電性カーボンの含有量が、チタン酸リチウムに対して、3〜10質量%であることを特徴する請求項1に記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 前記チタン酸リチウムの多孔質粒子が、平均粒子径が1〜30μmのチタン酸リチウムの二次粒子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 前記チタン酸リチウムの多孔質粒子が、水銀ポロシメーターで測定した細孔分布に於いて、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在するチタン酸リチウム二次粒子であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 水銀ポロシメーターで測定した細孔分布において、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在する球状カーボン複合チタン酸リチウムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- タッピング密度が、0.5〜2.0g/cm3の範囲である請求項1〜5いずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- バルク密度が、0.3〜1.0g/cm3の範囲である請求項1〜6のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- プレス密度が、1.5〜2.5g/cm3の範囲である請求項1〜7のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 比抵抗率が、100Ω・cm以下である請求項1〜8のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 前記導電性カーボンが、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、人造黒鉛及び膨張黒鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜9のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウム。
- 略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の、表面部及び表面内部層であって表面から0.1〜1μmの深さの領域に、チタン酸リチウムに対して、3〜10質量%の導電性カーボンが含有されてなるカーボン複合チタン酸リチウムの製造方法であって、
25〜120℃で、湿式分散された導電性カーボンを、略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子の多孔表面内部層に圧入、及び、前記多孔質粒子の表面に担持させる工程を有することを特徴とするカーボン複合チタン酸リチウムの製造方法。 - 略球状のチタン酸リチウムの多孔質粒子を攪拌・転動させつつ、25〜120℃の気流を供給しながら、前記チタン酸リチウムの多孔質粒子表面に、少なくとも導電性カーボンとバインダーとを含む分散液をスプレーすることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
- 前記チタン酸リチウムの多孔質粒子として、平均粒子径が1〜30μmのチタン酸リチウムの二次粒子を用いることを特徴とする請求項11又は12に記載の製造方法。
- 前記チタン酸リチウムの多孔質粒子として、水銀ポロシメーターで測定した細孔分布に於いて、細孔径0.01〜10μmの範囲内で、最大の微分細孔容積値を与えるピーク細孔径が0.1〜1μmの範囲に存在する、チタン酸リチウムの多孔質粒子を用いることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の製造方法。
- 前記導電性カーボンとして、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、人造黒鉛及び膨張黒鉛からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いる請求項11〜14のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のカーボン複合チタン酸リチウムから得られる非水電解質電池用活物質。
- 請求項16に記載の非水電解質電池用活物質を含む正極又は負極を備えることを特徴とする非水電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011060578A JP5284400B2 (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011060578A JP5284400B2 (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012197187A JP2012197187A (ja) | 2012-10-18 |
JP5284400B2 true JP5284400B2 (ja) | 2013-09-11 |
Family
ID=47179826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011060578A Expired - Fee Related JP5284400B2 (ja) | 2011-03-18 | 2011-03-18 | カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5284400B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107180957A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-09-19 | 广东烛光新能源科技有限公司 | 一种钛酸锂负极材料及其制备方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101973050B1 (ko) | 2012-12-12 | 2019-04-26 | 삼성에스디아이 주식회사 | 다공화된 구조의 티타늄 산화물과 탄소계 물질이 병합된 슈퍼 캐패시터 전극재료 및 그 제조방법 |
JP6125916B2 (ja) * | 2013-06-11 | 2017-05-10 | デンカ株式会社 | 導電性複合粒子、およびそれを用いた二次電池用正極、二次電池 |
JP6366956B2 (ja) * | 2014-02-26 | 2018-08-01 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 導電助剤複合アルカリ金属チタン酸化物の製造方法 |
JP2016062832A (ja) | 2014-09-19 | 2016-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池の製造方法 |
CN107108256B (zh) * | 2014-10-24 | 2018-11-30 | 大塚化学株式会社 | 多孔钛酸盐化合物颗粒及其制造方法 |
JP6636758B2 (ja) * | 2015-09-16 | 2020-01-29 | 株式会社東芝 | 電池用活物質、電極、非水電解質電池、電池パック及び車 |
JP6243938B2 (ja) * | 2016-02-23 | 2017-12-06 | 太平洋セメント株式会社 | 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、及び非水電解質二次電池用負極活物質 |
WO2019124123A1 (ja) * | 2017-12-18 | 2019-06-27 | 株式会社カネカ | 活物質と導電性炭素材料からなる複合体を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001126727A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-11 | Toyota Motor Corp | リチウムイオン2次電池 |
JP4668539B2 (ja) * | 2004-02-25 | 2011-04-13 | 石原産業株式会社 | チタン酸リチウムの製造方法及びリチウム電池の製造方法 |
JP2009238656A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Gs Yuasa Corporation | 非水電解質電池用活物質及びそれを備えた非水電解質電池 |
KR101761428B1 (ko) * | 2009-05-26 | 2017-07-25 | 이시하라 산교 가부시끼가이샤 | 티탄산 리튬, 그 제조 프로세스 및 그를 각각 포함하는 전극 활물질 및 축전 디바이스 |
-
2011
- 2011-03-18 JP JP2011060578A patent/JP5284400B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107180957A (zh) * | 2017-05-27 | 2017-09-19 | 广东烛光新能源科技有限公司 | 一种钛酸锂负极材料及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012197187A (ja) | 2012-10-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5284400B2 (ja) | カーボン複合チタン酸リチウム、その製造方法、非水電解質電池用活物質、及び非水電解質電池 | |
JP5302456B1 (ja) | 非水二次電池 | |
JP7028164B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
KR101539843B1 (ko) | 고밀도 음극 활물질 및 이의 제조방법 | |
WO2019187953A1 (ja) | リチウム複合金属化合物、リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極、リチウム二次電池、及びリチウム複合金属化合物の製造方法 | |
JP6395371B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極活物質層及びリチウムイオン二次電池 | |
WO2013031226A1 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP7335035B2 (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
KR102516284B1 (ko) | 리튬 전기 화학 전지용 양극 | |
JP2013137947A (ja) | リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 | |
JPWO2011121691A1 (ja) | リチウムイオン電池用正極、その製造方法、および前記正極を用いたリチウムイオン電池 | |
JP2009231234A (ja) | 負極用炭素材料、蓄電デバイス、及び蓄電デバイス搭載品 | |
JP2007335143A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP2012190625A (ja) | 非水二次電池 | |
KR20150067016A (ko) | 리튬이온 이차전지용 음극 수계 슬러리, 이를 포함하는 음극 활물질층 및 리튬이온 이차전지 | |
WO2015105965A1 (en) | Method of making a cathode slurry and a cathode | |
JP2012531025A (ja) | 水分散型バインダー、導電材、およびフルオロエチレンカーボネートを含むリチウム二次電池 | |
JP2009064576A (ja) | 正極活物質およびリチウム二次電池 | |
JP6750196B2 (ja) | 非水系リチウム電池及びその使用方法 | |
JP2012174546A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2016126896A (ja) | 巻回型リチウムイオン二次電池用正極、巻回型リチウムイオン二次電池用負極、及び巻回型リチウムイオン二次電池 | |
JP5855737B2 (ja) | リチウムイオン電池 | |
JP6508049B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池及びその製造方法 | |
JP2015170550A (ja) | リチウム二次電池用正極の製造方法およびリチウム二次電池用正極ならびに造粒物 | |
JP2013098034A (ja) | 非水電解質二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130312 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130510 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130528 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130529 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |