JP5283670B2 - ラッシングフックの取り付け構造 - Google Patents
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Description
なお、トラクタに牽引されるトレーラー等の大型貨物輸送用車両の荷台では、フロアサイドレールとは別に、ラッシングフックを取り付ける鋼製の部材を床部の適所に設置することがある。この場合でも、ラッシングフックは不使用時にはその部材の下側に落し込まれ、荷台の床面から突出しないように構成される。ラッシングフックを取り付けるフロアサイドレール等の部材を、以下では「装着用部材」という。
ウイングボディの床面に積載された貨物Cは、荷くずれ等が生じないように、緊縛用ロープRによって固定されており、床面の横方向端部には、ロープRを掛け止めする複数のラッシングフック1が適宜の間隔で取り付けられる。ウイングボディの後端には観音開き式のドアDが設けられるとともに、側面下部には煽り板Pが設けられ、側面を開放する貨物の積み降ろしに際しては、図4(a)のように煽り板Pが下方に回動される。
フロアサイドレール3の下方には、落し込まれたラッシングフック1を収容する収容体14が設けてあり、この例では溶接によってフロアサイドレール3に固着される。収容体14は、雨水等が脚部12と挿入孔31との間隙から侵入し、積載した貨物が水濡れを起こすのを防止する役割も担っている。なお、フロアサイドレール3の側面には、煽り板Pがヒンジによって取り付けられる。
ただし、この抜け止め方法は、2本の脚部を有するラッシングフックに特有の抜け止め方法である。ラッシングフックには、脚部が1本のもの、例えば実開昭58−2136号公報に開示されるT字形のラッシングフックもあるが、こうしたラッシングフックの抜け止めに適用することはできない。
特許文献1のラッシングフックは、脚部の下方部分に形成したねじにナットを固定し、使用時にはナットをフロアサイドレールの下面に当接して抜け止めを図るものであるが、緊縛用ロープなどからの荷重や車両走行中の振動により、ねじとナットとの結合部に緩みが生じ易く、ナットがラッシングフックから脱落する虞れがある。また、ナットが装着用部材であるフロアサイドレールの挿入孔の周囲に直接接触しており、ラッシングフックに掛かる荷重によりナットの接触するフロアサイドレールの部位に損傷を生じ易い。特許文献2のラッシングフックでは、荷重が作用する抜け止め部材は、強度及び剛性の非常に大きな構造とする必要がある。そして、特許文献2の抜け止め方法は、脚部が1本のラッシングフックの抜け止めに適用することは不可能である。
本発明の課題は、大きな荷重が作用するラッシングフックの固定部の強度を増大し、しかも、簡単な作業でラッシングフックの抜け止め及び交換を行うことが可能な取り付け構造を提供して、上述の問題点を解決することにある。
「貨物輸送用車両の荷台において、荷台の床部に固定された装着用部材に取り付けられるラッシングフックの取り付け構造であって、
前記ラッシングフックは、貨物の緊縛用ロープ等を掛け止めする掛け止め部と、前記掛け止め部から下方に延びる脚部を備え、
前記脚部の下方部分には、上方よりも断面が拡大された断面拡大部が形成され、
前記装着用部材には、前記脚部の断面拡大部が通過可能な挿入孔が形成されており、さらに、
前記装着用部材の下面に当接する板状のロックプレートが設けられ、前記ロックプレートには、前記脚部の断面拡大部が通過可能な通過孔と、前記脚部の断面拡大部の上方のみが通過可能な抜け止め孔とが連続して形成されており、
前記脚部の断面拡大部を、前記装着用部材の挿入孔及び前記ロックプレートの通過孔を通過させて挿入した後、前記ロックプレートを移動し、前記脚部の断面拡大部の上方を前記抜け止め孔に嵌め込んだ状態で、前記ロックプレートを前記装着用部材の下面に固着する」ことを特徴とするラッシングフックの取り付け構造となっている。
ここで、前記装着用部材は、請求項2に記載のように、床部の横方向両端部に固定されたフロアサイドレールとすることができる。
ラッシングフックを取り付ける装着用部材には、車両走行中の加減速等に伴い貨物に働く慣性力により大きな荷重が作用するが、本発明の取り付け構造では、装着用部材の下面にロックプレートを当接しており、このロックプレートを介してラッシングフックの荷重が装着用部材に作用する。つまり、ロックプレートがいわば補強板となって、ラッシングフックの脚部を挿入する装着用部材の挿入孔の周辺に直接的な荷重が掛かることはない。また、ロックプレートにより、ラッシングフックに働く荷重が分散して支持され、挿入孔の周辺の損傷が防止されるなど、装着部分の耐荷重性能が向上する。
請求項2の発明は、床部の横方向両端部に固定されたフロアサイドレールを装着用部材として用いるものである。フロアサイドレールは既存の部品であるので、上記のロックプレートの補強作用やコスト低減の利点が、より一層効果的に発揮されることとなる。
図2(a)の左図に示されるとおり、ラッシングフック1の脚部12は円形断面であって、その軸線Oが脚部12の中間で屈曲している。両方の脚部12の下方部分には、直角に近い角度で折れ曲がる曲がり部が形成され、この部分は、図2(a)右図において、左右方向の幅は上方と同一であるが手前方向に張り出している。そのため、軸線Oと直交する断面には円形断面より膨出する部分が存在して、この部分は、断面が拡大する断面拡大部12Lとなっている。断面拡大部12Lの上側には、平面12Pが形成される。
なお、ロックプレート5の変形例である図2(c)に示すように、断面拡大部12Lを通過させる通過孔52Wの一方を、ロックプレートの端部に開口させるように形成することもできる。こうすると、ロックプレート5の長さを極力小さなものとすることが可能となり、ラッシングフック1にロックプレート5を取り付けるために要するスペースも小さくなる。
ラッシングフック1をフロアサイドレール3に取り付けるときは、図3(a)に示すように、ロックプレート5を、フロアサイドレール3の下面に接するように、また、フロアサイドレール3の孔31が通過孔52Wと一致するように位置させる。この状態でラッシングフック1の脚部12をフロアサイドレール3の挿入孔31に挿入すると、脚部12の断面拡大部12Lは通過孔52Wを通過して下降し、図3(b)に示すように、ロックプレート5は、断面拡大部12Lの上方に位置するようになる。
11 水平棒体
12 脚部
12L 断面拡大部
14 収容体
3 フロアサイドレール(装着用部材)
31 挿入孔
5 ロックプレート
51 垂直部
52 孔の組(52W:通過孔、52N:抜け止め孔)
53 ナット
6 固着具
Claims (6)
- 貨物輸送用車両の荷台において、荷台の床部に固定された装着用部材に取り付けられるラッシングフックの取り付け構造であって、
前記ラッシングフックは、貨物の緊縛用ロープ等を掛け止めする掛け止め部と、前記掛け止め部から下方に延びる脚部を備え、
前記脚部の下方部分には、上方よりも断面が拡大された断面拡大部が形成され、
前記装着用部材には、前記脚部の断面拡大部が通過可能な挿入孔が形成されており、さらに、
前記装着用部材の下面に当接する板状のロックプレートが設けられ、前記ロックプレートには、前記脚部の断面拡大部が通過可能な通過孔と、前記脚部の断面拡大部の上方のみが通過可能な抜け止め孔とが連続して形成されており、
前記脚部の断面拡大部を、前記装着用部材の挿入孔及び前記ロックプレートの通過孔を通過させて挿入した後、前記ロックプレートを移動し、前記脚部の断面拡大部の上方を前記抜け止め孔に嵌め込んだ状態で、前記ロックプレートを前記装着用部材の下面に固着することを特徴とするラッシングフックの取り付け構造。 - 前記装着用部材が、床部の横方向両端部に固定されたフロアサイドレールである請求項1に記載のラッシングフックの取り付け構造。
- 前記ラッシングフックが、水平棒体の前記掛け止め部及び平行な2本の前記脚部を備えるとともに、前記ロックプレートには、前記2本の脚部に対応する位置に通過孔及び抜け止め孔の組がそれぞれ形成され、かつ、2組の孔の中間には、前記ロックプレートを前記装着用部材の下面に固着する固着具が設けられる請求項1又は請求項2に記載のラッシングフックの取り付け構造。
- 前記脚部の断面拡大部が、前記脚部の下方部分を屈曲させた屈曲部を備え、前記屈曲部の上面は前記ロックプレートの下面に当接する平面となっている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラッシングフックの取り付け構造。
- 前記ロックプレートに形成される前記通過孔が、前記ロックプレートの端部に開口している請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のラッシングフックの取り付け構造。
- 前記ロックプレートには垂直下方に曲げられた垂直部が形成され、前記垂直部に、前記ラッシングフックの脚部を収容し、かつ、前記ロックプレートの下方側を密封する収容体が取り付けられる請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラッシングフックの取り付け構造。
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