JP5283180B2 - 金属部品の表面処理方法 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車用トランスミッションのギヤのような金属部品の表面処理方法に関する。
例えば、自動車用トランスミッションのギヤのように、常時大きな曲げ応力及び捩じり応力を発生するような金属部品には、曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度を向上させる目的で、ショットピーニング加工が施される。
従来技術では、粒径が0.05〜1.0mmの鋼球を用いて1回若しくは複数回、ショットピーニングを行っている。
ショットピーニングを施した金属部品は、その表面に存在する圧縮残留応力及び加工硬化によって曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度は向上する。その一方で、金属部品の表面の面粗度が悪化してしまうので、ショットピーニングを施した金属部品には、表面に対して研削加工を行っている。
例えば、金属部品がギヤである場合に、ギヤ歯面に研削加工を施すことで、ショットピーニングによって荒れたギヤ歯面の面粗度は改善される。しかしながら、ショットピーニングにより付加された圧縮残留応力積分値は、研削加工により金属部品表面から除去された領域の分だけ減少してしまう。そして、圧縮残留応力積分値が減少するため、疲労強度が低下してしまうと言う問題があった。
また、ショットピーニングで使用される鋼球の大きさが大きいと、圧縮残留応力は金属部品の表面から内側の領域がピークとなり、金属部品の表面に十分な圧縮残留応力が存在しないという問題も存在する。
また、自動車用トランスミッションのギヤのように、常時大きな曲げ応力及び捩じり応力を受けるような金属部品では、切削加工した金属部品の表面の曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度を向上させるだけではなく、摺動部である表面の摩擦係数や磨耗量の低減が求められている。
ショットピーニングで使用される鋼球の大きさが大きいと、金属部品表面が粗くなり、摺動部である表面の摩擦係数や磨耗量の低減が困難である。
その他の従来技術として、例えば、ショットピーニング処理を2段階に分けて行い、ギヤの歯元部の曲げ疲労強度を向上させるギヤの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1では、2段階に分けて行われるショットピーニングで用いられる鋼球には大きな差が無く、図10、図11で後述する鋼球の大きさによる残留応力の増大領域の特性を十分に活かしきれていない。そのため、上述した各種問題点を解決することは出来ない。
また、ショットピーニングに関する従来技術として、その他にも種々提案されているが(例えば、特許文献2〜特許文献5参照)、上述した問題点を解消することは出来ない。
特開平5−71648号公報 特開平4−77731号公報 特開平3−32573号公報 特開平4−13573号公報 特開平4−164932号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、ショットピーニングが施された金属部品(例えばギヤ)の曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度を向上させ、且つ、摺動部である表面の摩擦係数や磨耗量を低減させることのできる金属部品の表面処理方法の提供を目的としている。
発明者は、ショットピーニングの条件(例えば鋼球の粒径等)によって、残留応力の分布が異なることに着目した。図10において、粒径が0.6〜0.8mmの比較的大径の鋼球を用いて、加工対象物(例えばギヤ)にショットピーニングを施した場合における、ショットピーニング処理された表面からの深さと、その深さにおける残留応力との特性を、符号σAで模式的に示している。一方、図11においては、粒径が0.05〜0.2mmの比較的小径の鋼球を用いて、加工対象物にショットピーニングを施した場合における、ショットピーニング処理された表面からの深さと、その深さにおける残留応力との特性を、符号σBで模式的に示している。
ショットピーニングに用いられる鋼球の粒径の違いや、鋼球が金属に衝突する際の速度等によって、残留応力の絶対値や、残留応力の及ぶ深さ方向の領域には相違が出ることも確認されている。図10の特性曲線σAと、図11の特性曲線σBとを比較すれば明らかなように、鋼球の粒径が大きい場合(図10)は、表面よりも内側に離隔した領域に残留圧縮応力のピークが生じており、鋼球の粒径が小さい場合(図11)は、表面に近い領域に残留圧縮応力のピークが生じている。
本発明は、ショットピーニングの条件(例えば鋼球の粒径等)と、残留圧縮応力のピークが生じる領域(加工対象物表面からの距離)との関係に着目して、創作された。
本発明によれば、金属部品における機械加工した金属部品の表面に1回目のショットピーニングを行う工程(S1)と、1回目のショットピーニングを施した金属部品の表面を所定量研削する工程(S2)と、所定量研削した金属部品の表面に2回目のショットピーニングを行う工程(S3)とを有する金属部品の表面処理方法において、前記金属部品は歯車であり、前記一回目のショットピーニングでは粒径が0.6〜0.8mmでビッカース硬度が900〜1400の鋼球を使用し、ピーニング加工による残留圧縮応力は深さ50〜75μmで最大値であり、前記金属部品の表面を所定量研削する工程では、その所定量の深さ(λ)は前記最大値の深さより浅く、そして前記2回目のショットピーニングでは粒径が0.01〜0.08mmでビッカース硬度が900~1400の鋼球を使用したものである。
上述した構成を具備する本発明によれば、比較的大径の1回目のショットピーニングを行う工程(S1、図1)では金属部品(例えば、鋼製品、自動車用トランスミッションのギヤ等)の表面から内部側に離隔した領域に残留圧縮応力のピークが生じるので、金属部品の表面を所定量研削する工程(S2、図2)では、1回目のショットピーニングを施した表面から残留圧縮応力のピークまでの領域を(研削により)除去する。
研削加工の結果、金属部品表面の残留圧縮応力が高くなる。その様な状態で、2回目のショットピーニング(S3、図3)を行えば、残留圧縮応力が高い金属部品表面は、2回目のショットピーニング(S3、図3)により、さらに残留圧縮応力が高くなり、十分な加工硬化が生じる。そして、金属部品の曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度を十分に向上させることが出来る。
ここで、2回目のショットピーニングを行う工程(S3)で用いる鋼球の大きさを、1回目のショットピーニングを行う工程(S1)で用いる鋼球よりも小さくすれば(請求項2)、小径の鋼球を用いたショットピーニング(2回目のショットピーニングS3)による残留圧縮応力のピークは対象物(金属部品)表面近傍になるので、1回目のショットピーニングの後に研削加工されて表面における残留圧縮応力が高くなった金属部品表面は、小径の鋼球を用いた2回目のショットピーニング(S3)により、さらに残留圧縮応力が高くなる。その結果、曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度が更に向上する。
また、小径の鋼球を用いた2回目のショットピーニング(S3)により、金属部品表面における加工硬化がより顕著になる。それと共に、2回目のショットピーニング(S3)が比較的小径の鋼球により行なわれるため、2回目のショットピーニング後の金属部品の表面における面粗度が細かくなり、潤滑剤による潤滑作用が発揮され易い状態になる。その結果、金属部品表面における摩擦係数が低下して、金属部品の耐摩耗性が向上する。
本発明の実施形態における手順を示すフローチャートである。 実施形態において、1回目のショットピーニング加工を施した後の金属材料の表面からの距離と、その距離における残留応力との特性を示す特性図である。 1回目のショットピーニング加工を行なった後、加工対象物の表面を所定量だけ研削加工した状態における、図2と同様な特性図である。 2回目のショットピーニング加工を施した後の金属材料の表面からの距離と、その距離における残留応力との特性を示す特性図である。 実験例で1回目のショットピーニング加工を施した後の、金属材料の表面からの距離と、その距離における残留応力との特性を示す実験データである。 実験例で、1回目のショットピーニング加工を行なった後、加工対象物の表面を所定量だけ研削加工した状態における、図5と同様な実験データである。 実験例で、2回目のショットピーニング加工を施した後の金属材料の表面からの距離と、その距離における残留応力との特性を示す実験データである。 実験例と比較例との疲労強度を示すS−N線図である。 実験例において、1回目のショットピーニングの後に研削加工を施したサンプルの摩擦係数と、2回目のショットピーニングを施したサンプルの摩擦係数とを比較して示す図である。 粒径の大きな鋼球でショットピーニング加工を行った場合の、被加工物の表面からの深さと、その深さにおける残留応力の一般的な特性を示す特性図である。 粒径の小さな鋼球でショットピーニング加工を行った場合の、被加工物の表面からの深さと、その深さにおける残留応力の一般的な特性を示す特性図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に図1に基づいて、且つ、図2〜図4をも参照して、実施形態に係る金属部品の表面処理の手順について説明する。
図1のステップS1では、成形されたギヤに1回目のショットピーニングを施す。この時のショットピーニングに使用する鋼球の粒径は、後述する2回目のショットピーニングに使用する鋼球の粒径よりも大きなものが使用される。図示の実施形態では、1回目のショットピーニングを行う工程で用いる鋼球の粒径は、0.4〜1.0mmに設定されている。
図2は、1回目のショットピーニングを施した場合において、被加工金属部品の表面からの深さ(横軸)と、残留応力(縦軸:残留圧縮応力)との特性(曲線σA)を示している。
図2において、金属部品の表面から深さλの位置において、残留圧縮応力の値σpaは最大となる。係る最大残留圧縮応力σpaに比較して、金属部品の表面(図2における左端の位置)では残留圧縮応力の値σfaは大きくない。すなわち、金属部品の表面から深さλの位置に至るまでの領域では、金属部品の表面から離れるほど(或いは、深さが深くなるほど)残留圧縮応力は大きくなる。
図2において(図3〜図7、図10、図11でも同様)、残留圧縮応力は縦軸がゼロの直線よりも下側の領域であり、縦軸がゼロの直線よりも上側の領域は残留引張応力を示す。
そして、図示の実施形態や実験例において、残留圧縮応力が大きい場合には、その絶対値も大きいので、縦軸がゼロの直線から離れて表示されることになる。
図1におけるステップS2では、金属部品の表面から所定量の深さλまで研削する(図3参照)。ここで、金属部品の表面から所定量の深さλに相当する位置は、図2において、最大残留圧縮応力σpaの位置となる金属部品の表面からの深さλの近傍の位置であり、金属部品の表面からの深さλの位置よりも金属部品の表面よりも位置である。
換言すれば、金属部品の表面から所定量の深さλは、最大残留圧縮応力σpaの位置となる金属部品の表面からの深さλよりも浅い(短い)。
図2を参照して上述した様に、金属部品の表面から深さλの位置に至るまでの領域では、金属部品の表面から離れるほど、その深さにおける残留圧縮応力は大きくなる。すなわち、深さλにおける残留圧縮応力は、金属製品の表面における残留圧縮応力よりも大きくなる。
従って、ステップS2の研削加工を施した後、新たに形成される金属部品の表面における残留圧縮応力の値σfa1は、研削加工を施す前における金属部品の表面における残留圧縮応力の値σraよりも大きくなる。
なお、ステップS2における研削量、或いは所定量の深さλは、加工される金属材料の組成、1回目のショットピーニングにおける処理条件(例えば、鋼球の大きさや、衝突の速度等)その他の条件によって、ケース・バイ・ケースで設定するべき量である。
ステップS3では、研削加工を施した金属部品の表面Mfに、2回目のショットピーニングを施す。図示の実施形態では、2回目のショットピーニングを行う工程S3で用いる鋼球の粒径は、0.01〜0.08mmの範囲である。
係る2回目のショットピーニングを施した金属部品における、表面Mfからの距離(深さ)と、残留圧縮応力との特性が、図4の特性曲線σCで示されている。
なお、図4においては、1回目のショットピーニングS1を施さずに、2回目のショットピーニングS3と同じ条件でショットピーニングを1回だけ施した金属部品における、表面Mfからの深さと残留圧縮応力との特性を、本発明との比較のために破線σBで示している。
図4から明らかなように、金属部品の表面Mfにおける残留圧縮応力は、1回目のショットピーニング前の残留圧縮応力の値σfa1から、残留圧縮応力値σfa2に、大幅に増加している。
また、金属部品の表面からの深さがλよりも深い領域でも、残留圧縮応力は、1回目のショットピーニングを施した後における残留圧縮応力(図2参照)よりも、大きくなる。
なお、ショットピーニングに使用される鋼球は、ビッカース硬度が400〜1400のものを選択する。
[実験例]
図5〜図9を参照して、上述した実施形態に係る表面処理方法により、自動車のトランスミッション用ギヤの表面処理を実行した場合の実験例について説明する。
実験例で用いられたトランスミッション用ギヤの素材として、SCM420H材(JIS G 4052)に浸炭焼入れを施したものを使用した。
そして、ショットとして使用される鋼球は、ビッカース硬度850のものを選択した。
図5において、実験例で1回目のショットピーニング加工を施した場合における、対象金属部品である自動車のトランスミッション用ギヤの表面からの深さと、残留圧縮応力との関係(特性)が、符号σAで示されている。
実験例で用いられた鋼球の粒径は、0.6mm〜0.8mmである。より具体的には、ショットをエアで噴射する場合(いわゆる「エアショット」)には粒径0.6mmの鋼球をショットとして使用し、はずみ車を用いてショットを噴射する場合(いわゆる「インペラショット」)には粒径0.8mmの鋼球をショットとして使用した。
1回目のショットピーニング加工では、ギヤ表面の残留圧縮応力の値σfaは約350MPaであり、残留圧縮応力の最大値σpaは深さ50〜75μmの範囲にあり、その値は約1100MPaである。
図5における点線σBは、上述した1回目のショットピーニングは行わずに、後述する2回目のショットピーニングと同一条件でショットピーニングを施した場合における、ギヤ表面からの深さと残留圧縮応力との関係(特性)を、参考までに示している。
換言すれば、特性曲線σBは、粒径が小さな鋼球(2回目のショットピーニングで用いられる鋼球)により、自動車のトランスミッション用ギヤの表面処理を行なった場合における、ギヤ表面からの深さと残留圧縮応力との関係(特性)を示している。
図5では、特性σA、σBは、共に、ギヤ表面からの深さ150μmの領域で示されている。
実験例ではギヤ表面からの深さ150μm以上の領域についても、残留圧縮応力を計測したが、実験データとしての表示は省略した。
図6は、1回目のショットピーニング施工の後に、符号Mf0で示すギヤ表面から、深さ25μmの領域を研削した状態を示している。ここで、図6では、研削後のギヤ表面(研削前のギヤ表面から深さ25μmのレベル)が、符号Mfで示されている。
すなわち、図6は、研削加工後におけるギヤ表面からの深さ(図6における下段の距離:符号Mfで示す縦軸がギヤ表面となっている)と、残留圧縮応力との特性σAを示している。
図6において、研削後におけるギヤ表面Mfの残留圧縮応力値σfa1は、約900MPaである。
図7は、自動車のトランスミッション用ギヤを研削加工した後、その表面Mfに対して、2回目のショットピーニングを施工した場合における、ギヤ表面Mfからの深さと残留圧縮応力との特性σCを示している。
2回目のショットピーニングは、粒径0.2mmの鋼球をショットとして使用した。
図7において、ギヤ表面の残留圧縮応力値σf2は、約1350MPaを示している。
図7では、ギヤ表面Mfでは、残留圧縮応力値σf2(約1350MPa)は、1回目のショットピーニングのみの場合(約350MPa:σfa)、或いは1回目のショットピーニングの表面を所定量研削した場合(約900MPa:σfa1)に比べて、十分に大きくなっている。
また、ギヤ表面よりも内部の領域においても、図5、図6で示す残留圧縮応力の最大値σpa(約1100MPa)或いはそれ以上の残留圧縮応力が計測された。
そして、図8から明らかなように、係る大きな残留圧縮応力は、実験例におけるギヤの疲労強度を向上している。
図8は、実験例の表面処理方法を施工した場合の疲労強度を示すS−N線図である。
図8では、実験例の疲労特性(符号NA)以外に、比較対象として、2種類のサンプルの疲労特性(符号NB、符号NCで示す)を示している。
疲労特性NBのサンプルは、1回目のショットピーニングの後、研削加工のみを行い、2回目のショットピーニングを施していないサンプルである。
疲労特性NCのサンプルは、1回目及び2回目のショットピーニングを行っておらず、研削加工も行っていないサンプル(単なる浸炭材料品)である。
図8によれば、実験例では、疲労特性NAで示すように、繰り返し回数Nが10における応力振幅σは約550MPaであり、疲労特性NCのサンプルの約420MPaに対して、大幅に向上している。
また、実験例において、繰り返し回数Nが10における応力振幅σは約680MPaであり、疲労特性NBのサンプルの約600MPaに対して、大幅に向上している。
図9は、実験例に係るサンプルAの摩擦係数(μ)と、1回目のショットピーニングの後、研削加工のみを行い、2回目のショットピーニングを施していないサンプルBの摩擦係数(μ)とを比較して示している。
図9によれば、サンプルAの摩擦係数(μ=0.16)は、サンプルBの摩擦係数よりも大きいが、非常に大きな数値とは言い得ない。すなわち、実験例における摩擦係数の増大は、問題にはならない程度であることが分かった。
図示の実施形態に係る表面処理方法によれば、1回目のショットピーニングにより、対象金属部品(例えば、自動車用トランスミッションのギヤ)の表面から内部側に残留圧縮応力が付加される。そして、係る金属部品の表面を所定量研削することにより、金属部品内部側の残留圧縮応力が高い部分が表面となる。その状態で、さらに2回目のショットピーニングを行うことにより、金属部品表面及びその内側領域の残留圧縮応力が更に高くなる。
その結果、例えば自動車用トランスミッションのギヤのように、常時高負荷が作用して、曲げと捩じりが同時に作用する部材において、曲げ疲労強度及び捩じり疲労強度を十分に向上させることが出来る。
そして、2回目のショットピーニングが粒径の小さな鋼球で行われる結果、図示の実施形態に係る表面処理方法が施された金属部品の表面の摩擦係数はさほど大きくならない。
そのため、潤滑剤による潤滑効果が十分に発揮され、摩擦係数を低減して、摩耗量を減少することが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では、繰り返し曲げ、捩じりが作用する金属材料(例えば、トランスミッション用ギヤ)に適用する場合を記載している。しかしながら、本発明は、例えば、繰り返し引張荷重が作用する金属部品、繰り返し圧縮荷重が作用する金属部品に対しても適用可能である。
Mf、Mf0・・・金属部品の表面
σA・・・1回目のショットピーニングを施した際における、金属部品の表面からの深さと残留圧縮応力との関係を示す特性線
σB・・・2回目のショットピーニングと同一の条件でショットピーニングを施した際における、金属部品の表面からの深さと残留圧縮応力との関係を示す特性線
σfa・・・1回目のショットピーニング施工時の金属部品表面における残留圧縮応力値
σfa1・・・所定の深さまで研削加工をした後の金属部品表面における残留圧縮応力値
σf2・・・1回目のショットピーニング施工後に所定の深さまで研削を行い、更にその表面に2回目のショットピーニングを施工した場合の金属部品の表面における残留圧縮応力値

Claims (1)

  1. 金属部品における機械加工した金属部品の表面に1回目のショットピーニングを行う工程(S1)と、1回目のショットピーニングを施した金属部品の表面を所定量研削する工程(S2)と、所定量研削した金属部品の表面に2回目のショットピーニングを行う工程(S3)とを有する金属部品の表面処理方法において、前記金属部品は歯車であり、前記一回目のショットピーニングでは粒径が0.6〜0.8mmでビッカース硬度が900〜1400の鋼球を使用し、ピーニング加工による残留圧縮応力は深さ50〜75μmで最大値であり、前記金属部品の表面を所定量研削する工程では、その所定量の深さ(λ)は前記最大値の深さより浅く、そして前記2回目のショットピーニングでは粒径が0.01〜0.08mmでビッカース硬度が900~1400の鋼球を使用したことを特徴とする金属部品の表面処理方法。
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