JP5282874B2 - マニプレータシステム - Google Patents

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本発明は、マスターアームとスレーブアームからなるマスタースレーブ方式のマニプレータシステムに関する。
作業者が操作するマスターアームの動作にスレーブアームの動作を追従させるマスタースレーブ方式のマニプレータシステムは、工場の製造ラインにおける自動車塗装ロボット等の危険・劣悪環境下にあるロボットの遠隔制御、ヒューマノイド型ロボットの遠隔操作、手術等の微細作業を行うロボットの遠隔操作などで利用されている。
マスタースレーブ方式のマニプレータでは、スレーブアームはマスターアームに追従させるだけでよく、動作をプログラムすることが不要であるため、プログラム制御によるマニプレータに比して、安価に設けることができる。また、作業者がマスターアームの操作を当該操作目的に応じて適宜変更することにより、スレーブアームの動作も容易に変更することができる。従って、特に周囲環境の変化に応じてスレーブアームの動作の変更が必要となる場合に多く用いられている。さらに、一旦マスターアームで動作を記憶させると、以降、同じ動作を、動作速度を速めてスレーブアームで繰り返させることもできる。そのため、多品種少量生産を行う製造ラインにおいても、有用なマニプレータとなっている。
マスタースレーブ方式のマニプレータにおいては、従来、マスターアームの動きを作業者の多様な腕の動きにできる限り合わせ、その動きをスレーブアームで正確に再現できるようにするため、マスターアームの腕の向きを作業者の腕の向きと同じにし、作業者が動作を入力する動作入力部をマスターアームのハンド部に設けることが前提とされており(特許文献1)、さらに、マスターアームの自由度をあげるために、作業者のハンド部の他に、肘の動きも検出して、マスターアームの動きを作業者の腕の動きに追従させることが提案されている(特許文献2)。
実開昭63-161686号公報 特開2001-300871号公報
しかしながら、従来のマスタースレーブ方式のマニプレータでは、作業者の前腕部や肘部がマスターアームと干渉し、作業者の動作範囲を十分に確保することができない。
これに対し、本発明は、マスタースレーブ方式のマニプレータにおいて、簡便な手法で作業者とマスターアームの干渉を無くし、作業者の動作範囲を広く確保することを目的とする。
本発明者は、動作入力部が設けられるマスターアームのハンド部を挟んで、マスターアームのマニプレータシステム躯体への取付部を作業者の操作位置と対向させると、作業者の腕とマスターアームとの干渉をなくし、作業者の動作範囲を拡大できることを見出した。
即ち、本発明は、マスターアームと、マスターアームの動作に追従するスレーブアームとを備えたマニプレータシステムであって、
作業者がマスターアームに動作を入力する動作入力部が、マスターアームのハンド部に設けられ、マニプレータシステム躯体へのマスターアームの取付部が、ハンド部を挟んで、作業者の操作位置に対向するように設けられているマニプレータシステムを提供する。
本発明によれば、作業者がマスターアームを操作しているときに、動作入力部のあるハンド部を挟んで、マスターアームのマニプレータシステム躯体への取付部が、作業者の操作位置と対向し、これによりマスターアームの腕部と作業者の腕部とが対向するので、作業者の腕の動きがマスターアームによって制約されることがない。したがって、作業者の動作範囲を十分に広く確保することが可能となり、作業者は、作業をやり易くなる。また、作業者の腕がマスターアームに接触するおそれが無いため、作業の安全も確保される。特に、マスターアームがパワーアシストされている場合には、作業者がマスターアームのパワーアシストシステムの調整不良や誤動作による無理なパワーアシストにより負傷する危険があるが、本発明によればかかる危険も最小限にすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
図1Aは、本発明の一実施例のマニプレータシステム1の模式図である。このマニプレータシステム1は、工場の製造ラインにおいて搬送コンベア60上の箱状物品61に、小箱(図示せず)、小袋(図示せず)、ボトル(図示せず)、また能書(図示せず)などの物品を詰める作業を行なう。このマニプレータシステム1では、作業者Pが動作を入力するマスターアーム10と、マスターアーム10の動作に追従する複数のスレーブアーム30が、マニプレータシステム躯体であるフレーム50に取り付けられており、マスターアーム10の腕部11の取付位置A2は、搬送コンベア60上のハンド部20を挟んで、作業者Pの操作位置A1とは反対側になっている。
本実施例のマスターアーム10は、一般に垂直多関節ロボットと呼ばれる形式のもので、概略、腕部11とハンド部20からなり、腕部11は、肩部12、上腕部13、肘部14、前腕部15及び手首部16からなり、ハンド部20にはグリップ21が設けられている。
図2に示すように、この腕部11は、肩部12に3自由度(1軸、2軸、3軸)、肘部14に1自由度(4軸)、手首部16に3自由度(5軸、6軸、7軸)の合計7自由度を有している。一般に、多関節ロボットマニプレータでは、アーム先端を任意の3次元位置に移動し、かつ先端を任意の向きにするために、言い換えれば基本的な作業のために、肩関節から手首関節の間で最低限必要な自由度は6自由度である。一方、人の腕は肩関節から手首関節の間で7自由度を有すると言われており、1自由度分の冗長性をもつことにより多様な動きをすることができるが、このマスターアーム10も7自由度を有するので、作業者Pの多様な腕の動作に合わせることができる。
また、マスターアーム10の腕部11において、屈曲関節が3個以上連続すると、マスターアームの曲げ状態がただ一つの組合せとならないため、マスターアーム10では連続する屈曲関節を2個以下とし、屈曲関節と屈曲関節の間に回転関節を設けることが好ましい。本実施例の図2のマスターアーム10の腕部11も、連続する屈曲関節をもたないものとなっている。ここで、回転関節とは、マニプレータを構成するリンク(例えば上腕部13や前腕部15)において、そのリンクの概中心軸を中心とした回転を行うものをいう。屈曲関節とは、マニプレータを構成するリンク(例えば上腕部13や前腕部15)に対してそのリンクの概中心軸に概直角方向にある軸を中心とした回転を行うものをいう。例えば図2においては、1軸は上腕部13に対する回転関節、2軸は上腕部13に対する屈曲関節、3軸は上腕部13に対する回転関節、4軸は上腕部13および前腕部15に対する屈曲関節、5軸は前腕部15に対する回転関節、6軸は前腕部15に対する屈曲関節、7軸はハンド部20に対する回転関節となる。
なお、一般にマスターアーム10の自由度とスレーブアーム30の自由度は同一とされるが、ほぼ同等の動作が可能であれば自由度に差があっても良い。
また、マスターアーム10とスレーブアーム30の対応する各関節の可動範囲は、スレーブアーム30の関節の可動範囲を、マスターアーム10の関節の可動範囲以上とすることが好ましく、マスターアーム10とスレーブアーム30の対応する各関節の可動範囲を同一とすることがさらに好ましい。例えば、図16A(b)に実線で示すように、スレーブアーム30のある関節の可動範囲が30度〜270度の場合に、対応するマスターアーム10の関節の可動範囲が同図(a)に実線で示すように120度〜90度と、スレーブアーム30の関節の可動範囲がマスターアーム10の関節の可動範囲以上でないとする。ここで、マスターアーム10のある関節が、同図(a)に破線で示すように、240(*1)→270(*2)→300(*3)→330(*4)→360(*5)→0(*6)→30(*7)→60(*8)度と回転すると、スレーブアーム30の対応する関節は、同図(b)に破線で示すように、240(*1に相当)→270(*2に相当)→240(*7を目指して逆回転中)→・・・→60(*7を目指して逆回転中)→30(*7に相当)→60(*8に相当)度と、マスターアーム同様の角度への移動ができないだけでなく、270度から0度にかけては、マスターアームの回転と逆に回転してしまう。
これに対し、スレーブアーム30の関節の可動範囲をマスターアーム10の関節の可動範囲以上とすれば、このようなスレーブアーム30の動作がマスターアーム10の動作と異なってしまう現象を防止できる。一例として、図16B(a)に実線で示すように、マスターアーム10の関節の可動範囲が120度〜90度の場合に、スレーブアーム30の関節の可動範囲が同図(b)に実線で示すように110度〜90度と、マスターアーム10の関節の可動範囲以上とすれば、上述のようなマスターアーム10の関節の回転運動に対して、同図(b)に破線で示すようにスレーブアーム30の関節も等しい回転動作を行なうことが可能である。さらに、各関節の可動範囲を同一とすれば、スレーブアーム30の関節で動作可能な全範囲の動きをマスターアーム10から作成することが可能となる。
ハンド部20は、グリップ21を作業者P自身が握って太線矢印方向に開閉操作することにより、物を掴むあるいは離すという動作をする。図3Aに示すように、ハンド部20のグリップ21はバネ等(図示せず)の反発力により作業者の力が加わっていないときは開状態となっている。また、ハンド部20またはグリップ21には開閉を検知するセンサ22が搭載されている。センサ22としては、グリップ開閉角度、グリップ21を構成する部材の距離を検知するもの、物品を掴んだ際の圧力を検知するもの等が挙げられ、各種の既知のセンサが用いられる。図3Bに示すように作業者Pの手でグリップ21を閉状態とすると、センサ22はその状態を検知し、スレーブアーム30のハンド部40にその情報が伝わり、スレーブアーム30のグリップ41も閉状態となる。
ハンド部20及びグリップ21の別形態としては、図4に示すように、作業者がハンド部20に備えられたスイッチ23を押して、ハンド部20に備えられたアクチュエータ24にてグリップ21を閉状態とするものでも良い。アクチュエータ24としては、空圧式や電気式など既知の駆動装置が用いられる。さらに、アクチュエータ24を有するグリップ21は、多関節の駆動部を有するものとしても良い(図示せず)。
ハンド部20での動作入力の態様としては、図5に示すように、作業者Pの手の甲を固定バー27でハンド部20に固定し、グリップ21として各指に対応する指部を2本〜5本分設け、さらに各指部の先端近傍に作業者Pの指先のリング状固定部28を設け、また、指部にはそこに物品と接したことを検知できるセンサ22を設けることにより、作業者Pの指の動きの開閉状態や物品の把持をマスターアームが検知できるようにしてもよい。なお、同図には、作業者Pの親指、人差指、中指の3本をそれぞれグリップ21に固定する態様を示している。ここで、グリップ21は、固定バー27に掛止されているが、開閉方向には任意に動くことが可能となっている。また本例においては、センサ22としては例えば圧力センサが設けられており、グリップ21が物品と接触する際に、指とグリップ21間に生じる圧力を感知して閉状態や物品の把持状態を検出するようになっている。
さらに図6に示すように、グリップ21に代えて作業者Pの手の甲、指を固定できる手袋状固定部29を設け、そこには、各指の動きを検知できるワイヤー式等の開閉状態の検知センサ22を設けることにより、作業者Pの5本指の動きをマスターアームが検知し、グリップ21の開閉状態を検知できるようにしてもよい。
また、ハンド部20は、上述のいずれの形態においても、作業者Pがハンド部20自体を前後左右斜めに動かしたときの作業者Pの腕の動作の入力部にもなっている。
一方、スレーブアーム30は、マスターアーム10と同様の関節・リンク構造を有し、肩部32から手首部36にかけて7自由度を有する腕部31と、開閉により物品の把持を可能とするハンド部40及びグリップ41を有している。スレーブアーム30のハンド部40及びグリップ41の具体的な形状も、図7A(マスター側)と図7B(スレーブ側)に示すように、マスターアーム10のハンド部20及びグリップ21の形状と概略同一であることが好ましい。特に、スレーブアーム30における、ハンド部40のアームへの固定部45と、作業時に物品と接するグリップ41の先端46との位置関係は、マスターアーム10におけるハンド部20のアームへの固定部25と、作業時に物品と接するグリップ21の先端26との位置関係と、できる限り近づけることにより、確実に物品の把持性が向上する。
また、スレーブアーム30のグリップ41は、柔軟な構造とすることが好ましい。これにより、スレーブアーム30のグリップ41で物品を把持する際に、物品がグリップ41のセンターからずれた場合でも、物品を把持しやすくなる。
スレーブアーム30には、必要に応じて自律機能を持たせてもよい。例えば、スレーブアーム30のハンド部40やグリップ41に、グリップ41と物品との非接触時の距離を計測する距離センサ、グリップ41による物品の把持を検知するセンサ、画像情報に基づいてその把持状態を検出するセンサ等を設けることができる。このように自律機能を持たせる場合には、上述のように形状や特定部の位置関係をマスター側とスレーブ側とで概略同一にする必要はない。
マスターアーム10の動作をスレーブアーム30に追従させる機構は、次の通りであり、図17Aは、このためのロジックの概要である。まず、マスターアーム10の肩部12、肘部14、手首部16の各関節及びグリップ21に、少なくともポテンショメータ、エンコーダ等の角度センサを設け、各関節の回転角を計測する。回転角の計測値は、マスターアーム10とは別個の制御ボックス等に格納された主演算装置に送る。ここで、本発明において角度センサとは、関節の回転量や曲がり量の検出を行うにあたり、検出部分に回転軸、回転する円環部、回転する円盤部を有するものをいい、検出部分にこれらを有することなく曲がり量を検出する曲げ検出センサと区別される。
主演算装置では、マスターアーム10の腕部11の先端位置を計算し、それに基づいてスレーブアーム30の腕部31がとるべき先端位置(目標位置)を計算し、さらにスレーブアーム30の各関節がとるべき関節角(目標角度)を計算する。算出したスレーブアーム30の関節角は、スレーブアーム駆動装置のコントローラ(サーボアンプ)に、スレーブアーム30に送る。
スレーブアーム駆動装置のコントローラ(サーボアンプ)は、スレーブアーム30に取り付けられているスレーブアーム関節駆動装置(サーボモータ)がスレーブアーム30の腕部31の各関節を動かすときの回転量を計算し、それをスレーブアーム関節駆動装置に出力する。
スレーブアーム関節駆動装置は、公知のサーボ機構により、スレーブアーム関節駆動装置のコントローラから出力された回転量をスレーブアーム30の各関節で再現する。こうして、スレーブアーム30は、マスターアーム10に追従した動きをするようになる。
なお、マスターアーム10の動作をスレーブアーム30に追従させる方法としては、上述の方法の他、後述するように、多関節構造を有し、関節位置と関節角度が検出可能な柔軟な紐状センサや、光ファイバを利用した角度検出の可能な柔軟な紐状センサを用いる方法でもよく、さらにこのような紐状センサをマスターアーム10の自由度7以下の腕部と併用すると共に、その腕部では角度センサを省略しても良い。また、必要により、マスターアーム10には、作業者Pの動きを検知するトルク検出器及びパワーアシスト機構を設けたり、カウンターウェイト、カウンターバネなどを配置したりして、作業者Pの操作力の軽減を図ってもよい。
図1Aのマニプレータシステム1は、上述の腕部11とハンド部20を備えたマスターアーム10のフレーム50への取付部が、そのハンド部20を挟んで、作業者Pの操作位置A1 と対向するように設けられ、これによりマスターアーム10の腕部11と作業者Pの操作位置A1 も対向していることを特徴としている。ここで作業者の操作位置A1 とは、本システム1においてマスターアーム10を操作する作業者Pに予定されている起立位置又は着座位置をいう。
より具体的には、このマニプレータシステム1では、マスターアーム10の肩部12側端部をフレーム50に取り付けることにより、マスターアーム10がフレーム50で支持されるようにしており、このマスターアーム10のフレーム50への取付け位置A2 が、製造ライン60を挟んで作業者Pの操作位置A1 と反対側にくるようにしている。これにより、少なくとも作業者Pがマスターアーム10のグリップ21を握ってマスターアーム10を操作している間は、常に、グリップ21のあるハンド部20を挟んで、マスターアーム10の腕部11が作業者Pと対向することとなる。
したがって、作業者Pの腕の動きがマスターアーム10によって制約されず、作業空間が広がり、作業者Pは作業をしやすくなる。また、作業者Pの腕がマスターアーム10に接触するおそれが無いため、作業の安全も確保される。特に、マスターアーム10がパワーアシストされている場合には、作業者Pがマスターアーム10のパワーアシストシステムの調整不良や誤動作による無理なパワーアシストにより負傷する危険があるが、本発明によればかかる危険も最小限にすることができる。さらに作業者Pの作業負担を軽減するため、必要によりカウンターウェイト、カウンターバネ又はパワーアシスト機構を設ける場合、その設置位置を作業者Pの腕の位置に関わらず定めることができ、設計が容易となる。
また、従来、マスターアームは作業者の腕から手首に沿うように設けられるため、マスターアームの腕部の長さが作業者の腕の長さに制約され、作業空間範囲が限定されると共に、マスターアームのハンド部は、その腕部の先端部からずれた位置に取り付けられることとなり、ハンド部が大きくなって重量増になり、腕部11にカウンターウェイト、カウンターバネ又はパワーアシストシステムを備え、かつそのウェイトサイズやバネ強さ、また駆動容量を大きくすることが必要とされていた。これに対し、本システムによれば、マスターアーム10の腕部11を作業者Pに対向させるので、この腕部11を作業者Pの腕から手首にかけて沿わせることはなく、マスターアーム10の腕部11の長さは任意に設定することができ、作業空間範囲が広くなる。また、マスターアーム10において、ハンド部20を腕部11の先端部に設けることができるので、ハンド部20をコンパクトに軽量に構成することができ、従来、マスターアームの腕部に備えられているカウンターウェイトやカウンターバネやパワーアシストシステムが不要となるか、あるいはそのウェイトサイズやバネ強さ、または駆動容量を低減させることができる。
また、このマニプレータシステム1では、マスターアーム10においてハンド部20のみが作業者Pの固定部となっており、複数の固定部を設けた際に発生する余分な摩擦による作業者への負荷も本システム1では発生しない。
さらに、スレーブアーム30においても、その先端にハンド部40及びグリップ41が備えられることから、これらのサイズを小さくして作業性を高めることができ、またこれにより、負荷を最小にできる等の理由から、ハンド部40及びグリップ41に最適な構成をもたせることができる。
これに対し、従来のマスターアームでは、マスターアームが作業者の腕から手首に沿うように設けられるため、上述のようにハンド部がマスターアーム先端部からずれた位置に取り付けられることが多く、これに伴いスレーブアームも同等の構成をとることが必要となり、スレーブアームの先端部が大型化して負荷が大きくなり、また大型化で作業性が低下するので好ましい構造ではない。この対応として、マスターアームではハンド部がマスターアーム先端部からずれた位置に有るが、スレーブアームではハンド部がスレーブアーム先端部に有る構成とすると、位置補正をしてスレーブアームを動かすために大規模な数値計算が必要となる。計算が可能であったとしても、スレーブアームはマスターアームとずれた動きとなるため、本来迂回すべき周辺構造物と衝突したり、双腕として使用の際には両腕が互いに衝突したりする危険性もある。また別の対応として、従来のマスターアーム先端部にハンド部を取り付けることも考えられるが、そのためにはマスターアームが作業者の腕や手首を迂回せねばならず、非常に複雑な構造となってしまう。本システム1では、マスターアーム10において、ハンド部20を腕部11の先端部に設けることが可能であり、スレーブアーム30においても、ハンド部40を腕部31の先端部に設けることが可能なので、これらの問題は生じない。
なお、ハンド部20のみをマスターアーム10の動作入力部としても、マスターアーム10の腕部11の7自由度は次のように十分に活用される。
図8(A)は、図1A、図2のマスターアーム10のホームポジションの正面図であり、同図(B)はその側面図である。また、図9(A)はそのハンド部20のグリップ21の先端をx位置からy位置に矢印の如く、例えば400mm水平移動させた状態の正面図であり、同図(B)はその側面図である。このグリップ21の先端の移動に際して、各関節は僅かにしか動かず、特に、肘部14の4軸の水平位置はほとんど変化していない。
図12は、この水平移動における各軸の角度変化を示したものである。ここで、各軸の原点(0度)は任意に定めたものであり、特に“0度”が何らかの意味をなすものではない。マスターアーム10を動かす際に作業者Pへの負担が特に高い軸は、マスターアーム10の大部分の重量を支える1軸、2軸である。図8のホームポジションから図9の状態への水平移動では、1軸は、マスターアーム10に重力の加わる方向と同方向に回転しているため、作業者負担は小さい。また、2軸の変化量(x位置とy位置における角度差)は9.4度であり、少量である。したがって、このマスターアーム10によれば、ハンド部20を動かすには大きな力は不要であるため、作業者Pへの負荷を極めて小さくすることができる。マスターアーム10を動かすときの作業者Pの負荷は、スレーブアーム30を動かす力としても等価である。したがって、マスターアーム10を7自由度と構成することで、スレーブアーム30の駆動部の容量を小さくすることが可能で、また動作速度を速めて繰り返し動作をさせることも容易となる。
なお、本例においては、上腕部13の長さ(2軸と3軸の交点と4軸との距離L1)は385mm、前腕部15の長さ(4軸と、7軸と6軸の交点との距離L2)は400mm、7軸と6軸の交点とグリップ21の先端との距離L3は250mmである。
本発明のマニプレータシステムは、マスターアーム10の腕部11を、ハンド部20を挟んで作業者の操作位置A1 に対向するように設置した種々の態様をとることができる。
例えば、上述の7自由度のマスターアーム及びスレーブアームに代えて、肩部12に3自由度(1軸、2軸、3軸)、肘部14に1自由度(4軸)、手首部16に2自由度(5軸、6軸)の合計6自由度のアームを設けてもよい。図10(A)は、このような6自由度のマスターアーム10’のホームポジションの正面図であり、同図(B)はその側面図である。また、図11(A)はそのハンド部20のグリップ21先端をx位置からy位置に矢印の如く、例えば400mm水平移動させた状態の正面図(A)であり、同図(B)はその側面図を表している。なお、図1A及び図2のマスターアーム10ではハンド部20の取付部が回転軸(7軸)となっていたのに対し、この図10及び図11のマスターアーム10’ではハンド部20の取付部20aは回転せず、それゆえに6自由度となっている。
この6自由度のマスターアーム10’の場合、図10のホームポジションから図11の
状態への水平移動により肘部14(4軸)の水平位置が高くなる。これは作業者が上腕部
13から先端側(上腕部13も含む)をより高い位置に持ち上げねばならないという事で
あり、各関節での負荷が増え、ハンド部20を動かすには大きな力が必要となり、前述の
7自由度のマスターアーム10に比して作業者Pの負担が大きくなる。
図13は、この水平移動における各軸の角度変化を示したものである。マスターアーム10’の大部分の重量を支える1軸、2軸のうち、1軸は、マスターアーム10’に重力の加わる方向に回転しているため、作業者の負担は小さい。2軸(x位置とy位置における角度差)は31.2度と大きく変化しており、上腕部13から先端側をより高い位置に持ち上げたことを示している。
一方、この6自由度のマスターアーム10’場合、前述の7自由度のマスターアーム10と比較してハンド部20の3次元位置や方向によって各関節の角度が一意に定まる。したがって、作業者の動作を記録し、再現するにあたり、ハンド部20の経路を滑らかにするなどの記録データの加工を行う場合に、そのデータ加工が容易となる。また、6自由度であることから、構成がシンプルで、装置価格を低減させることもできる。
図1Bは、図1Aのマニプレータシステム1において、自由度7の腕部11を有するマスターアーム10に代えて、先端の位置が検出可能な自由度8以上の柔軟な紐状センサ17を有するマスターアーム10bを設けたマニプレータシステム1Bの模式図である。
このマスターアーム10bの紐状センサ17は、図14に示すように、自由度8以上の多関節構造を有し、屈曲関節部171同士をリンク部172で繋げ、全体として柔軟なチューブ状としたものである。より具体的には、紐状センサ17は、1自由度を有する屈曲関節部171と長さ約50mm程度のリンク部172とを連鎖させたもので、リンク部172は内部に空洞を有し、そこが信号情報ケーブル173、その他の電気ケーブルや圧縮空気用チューブやバキューム用のチューブ等の通路となっている。
屈曲関節部171としては、X軸方向に自由度を有するもの(符号171X)とY軸方向に自由度を有するもの(符号171Y)とが交互に設けられている。紐状センサ17全体の自由度としては、屈曲関節部171が連続して10個あり、紐状センサの一端175、紐状センサの他端176にはそれぞれ回転関節部を各1個備えているから、計12の自由度を有している。また、各関節部171,175,176の可動部には、ポテンショメータ等の角度センサ174が設けられている。
図17Bは、紐状センサ17を用いてスレーブアーム30にマスターアーム10bの動作を追従させるロジックの概要である。この場合、紐状センサ17の角度センサ174は、その1乃至複数個でグループ単位を構成し、グループ単位毎にセンサ信号が信号処理部に取り込まれる。信号処理部は、このセンサ信号を通信ネットワークを介して主演算装置に送る。
主演算装置では、信号処理部から送られたセンサ信号と紐状センサの取付位置(基点)の位置情報に基づいて紐状センサ17の絶対座標における先端位置を計算し、得られた紐状センサ17の先端位置に基づいてスレーブアーム30の腕部31がとるべき先端位置(目標位置)を計算し、さらにスレーブアーム30の各関節がとるべき関節角(目標角度)を計算する。または、主演算装置は、絶対座標における紐状センサ17の先端位置を計算した後、その先端位置の直前の紐状センサ17の先端位置との差分量(即ち、先端位置の移動方向と移動距離の変化量)を計算し、その差分量に基づいてスレーブアーム30の腕部31がとるべき先端位置(目標位置)を計算し、さらにスレーブアーム30の各関節がとるべき関節角(目標角度)を計算する。なお、このように差分量を計算する場合の時間間隔、言い換えれば制御周期は、好ましくは、約0.005秒以上0.200秒以下であり、より好ましくは、0.01秒以上0.10秒以下である。制御周期が長すぎると、時間経過に対して位置情報が不足し、特に高速の動きに対して、スレーブアーム30はマスターアーム10と同様の動作を行うことが困難となり、反対に制御周期が短すぎると、スレーブアーム30のモータ制御装置が性能不足し、モータ制御が不安定となり、スレーブアーム30が振動する場合がある。これに対し、制御周期を上述の範囲とすることによりスレーブアーム30はマスターアーム10の動きに十分に追従し、滑らかに動く。なお、モータ制御装置の性能上可能な限り、制御周期は短い方が動作再現の面から好ましい。例えば、モータ制御のためのハードウェアやソフトウェアが向上すれば、制御周期を0.0002秒以上〜0.0050秒未満とすることも可能となる。
主演算装置は、算出したスレーブアーム30の関節角を、スレーブアーム駆動装置のコントローラ(サーボアンプ)に送る。
スレーブアーム駆動装置のコントローラ(サーボアンプ)は、スレーブアーム30に取り付けられているスレーブアーム関節駆動装置(サーボモータ)がスレーブアーム30の腕部31の各関節を動かすときの回転量を計算し、それをスレーブアーム関節駆動装置に出力する。こうして、紐状センサ17からなるマスターアーム10bを使用する場合も、腕部11からなるマスターアーム10を使用する場合と同様に、スレーブアーム30にマスターアーム10bの動きを追従させることが可能となる。
なお、紐状センサ17は、多数の関節を有するので、各部の寸法精度の誤差や角度センサの検出誤差が先端部では積算され、先端検出精度が低くなる場合がある。これに対しては、図17Bに破線で示したように、スレーブアーム30のハンド部40に自律機能をもたせる自律式スレーブハンド制御装置を設ける。自律式スレーブハンド制御装置が、スレーブアーム30のハンド部40の位置修正情報を主演算装置に出力し、主演算装置では、この位置修正情報にも基づいてスレーブアーム30の腕部31がとるべき先端位置を計算する。
図1Bに示すように、紐状センサ17の一端はフレーム50に旋回可能に取り付けられ、他端はハンド部20に旋回可能に取り付けられている。紐状センサ17のフレーム50への取付位置A2は、前述のマニプレータシステム1と同様に、作業者Pの操作位置A1と対向している。したがって、このマニプレータシステム1Bにおいても、作業者Pの腕の動きがマスターアーム10bによって制約されることはなく、作業はしやすくなり、作業の安全性も確保される。
また、このマニプレータシステム1Bで使用する紐状センサ17は、図1Aのマニプレータシステム1の腕部11に比して軽量となるため、作業者Pが動作を入力する際の負担を低減させることができる。
図1Cのマニプレータシステム1Cは、図1Bのマニプレータシステム1Bにおいて、紐状センサ17に、スレーブアーム30と概ね同様の関節・リンク構造を有する、自由度7以下の腕部18を併設し、マスターアーム10cを、紐状センサ17、腕部18、及び、これらが接続するハンド部20から形成したものである。ただし、この腕部18としては、原則としてエンコーダ等の角度センサをもたないものを使用する。
この腕部18は、角度センサがないことに加えて、センサ精度を出すために必要な高い剛性も不要となるので、図1Aのマニプレータシステム1で使用するマスターアーム10の腕部11よりも軽量にすることができ、このマニプレータシステム1Cにおいても、図1Aのマニプレータシステム1に比して、作業者Pが動作を入力する際の負担を低減させることができる。
図15に示すように、紐状センサ17及び腕部18をハンド部20に取り付ける位置は、ハンド部20における操作性が損なわれないようにするため、グリップ21と反対側のハンド部20の端部とすることが好ましい。
図1Dのマニプレータシステム1Dは、図1Cのマニプレータシステム1Cにおいて、自由度7以下の腕部18の一端を、アーム50に取り付けることに代えて、床51に取り付けたものである。床51への取付位置A3は、ハンド部20を挟んで作業者Pの操作位置A1 と対向と対向している。したがって、このマニプレータシステム1Dにおいても、作業者Pの腕の動きがマスターアーム10dによって制約されることはなく、作業はしやすくなり、作業の安全性も確保される。
なお、図1C、図1Dのマニプレータシステム1C、1Dにおいて、紐状センサ17の好ましい長さは、マニプレータシステム躯体であるフレーム50や床51への紐状センサ17と腕部18の取付位置がどの程度離れているかにより適宜調整されるが、これら近接している場合には、好ましくは、腕部18の長さの100〜220%、より好ましくは130〜180%である。これにより、紐状センサ17によって腕部18の動きが制約されることがなくなり、また、紐状センサ17がフレーム50から大きく垂れ下がって作業の邪魔になることもない。ここで、腕部18の長さとは、腕部18の関節間の最短距離の合計に、末端の関節とハンド部20における紐状センサ17の取付位置との距離を加えたものである。
図1C,図1Dのマニプレータシステム1C、1Dのように、紐状センサ17に、スレーブアーム30と同様の腕部18を併設すると、図1Bのマニプレータシステム1Bのように、腕部18を紐状センサ17に併設しない場合に比して次のような利点を得ることができる。即ち、図1Bのマニプレータシステム1Bのように、紐状センサ17とハンド部20のみからなるマスターアーム10bでは、第1に、その自由度がスレーブアーム30の自由度よりも大きいため、スレーブアーム30の自由度が6未満の場合には、マスターアーム10bから、スレーブアーム30で追従不能な動きを入力してしまう場合があり、第2に、スレーブアーム30の自由度が7以上の場合には、スレーブアーム30にマスターアーム10bの動きを追従させる際の各関節の角度を得るための計算が困難となり、第3に、紐状センサ17とハンド部20のみからなるマスターアーム10bは、その軸構成がスレーブアーム30と異なるため、マスターアーム10bの先端位置が、スレーブアーム30の移動可能範囲を超えてしまう場合がある。
これらの問題に対し、マニプレータシステム1C、1Dのマスターアーム10c、10dのように、紐状センサ17に、スレーブアーム30と同様の関節、リンク構造を有する自由度7以下の腕部18を併設すると、マスターアーム10c、10dは、スレーブアーム30と同様に動作の制約を受ける。このため、スレーブアーム30で動作不可能な動きや、移動可能範囲外の動きがマスターアーム10c、10dで入力されるという問題を解消できる。
したがって、スレーブアーム30が6自由度以下の場合には、図17Bに示したロジックによりスレーブアーム30を動かすことができる。この場合、必要に応じて自律式スレーブハンド制御装置を用いてもよい。
また、スレーブアーム30が7自由度以上の場合には、図17Cのロジックに示すように、マスターアーム10c、10dの腕部18において、6自由度の計算にするための必要最小限の関節のみに、例えば、肩部等の最上位の一つの関節に関節角度を検出するための角度センサを設け、その角度情報を主演算装置に送る。これにより、スレーブアーム30の各関節がとるべき関節角を容易に計算できるようになる。
この他、主演算装置において、紐状センサ17の角度センサに基づき、紐状センサ17の先端位置、スレーブアームの腕部の先端位置、スレーブアームの関節角を順次計算するのに加えて、紐状センサ17の両端部の間の中間部、好ましくは、スレーブアーム30の肘等の中間関節あたりに対応する途中位置も計算し、その途中位置をスレーブアーム30の途中位置として割り当てることによっても、自由度7以上のスレーブアーム30の関節角を容易に計算できるようになる。
なお、スレーブアーム30が7自由度以上でも、紐状センサ17の先端検出精度が不十分な場合には、自律式スレーブハンド制御装置を設け、自律式スレーブハンド制御装置からの位置修正情報に基づいてスレーブアーム30の腕部31がとるべき先端位置が計算されるようにする。
また、本発明のいずれの態様のマニプレータシステムにおいても、ハンド部20は、掴むあるいは離すといった動作に限らず、溶接、ネジ締め、塗装などといった作業を行なうものとしてもよい。その場合はマスターアーム10のハンド部20とスレーブアーム30のハンド部40のそれぞれに、作業に応じた工具が備えられ、マスターアーム10における工具の操作と同じ動作をスレーブアーム30のハンド部40がそこに備えられた工具で行なうよう主演算装置で制御する。
本発明のマニプレータシステムとしては、上述のマニプレータシステム1B、1C、1Dにおいて、多関節構造を有する紐状センサ17に代えて、曲げ検出センサを多関節構造的に複数配置した紐状センサを使用してもよい。曲げ検出センサとしては、例えば、光ファイバを利用した角度検出可能な柔軟なセンサを用いることができる。この光ファイバを利用した紐状センサは、テープ状のバネ鋼にループ状の光ファイバを、多関節構造的に複数個配列したもので、個々の光ファイバのループでは、その曲がりに比例して光が増加、減衰することを利用して紐状の形状を算出し、その先端位置の検出を可能としたものである。一例として、テープ状のバネ鋼の平面に対して、ループ状の光ファイバを45度、-45度、45度、-45度・・・と交互に設置したセンサを60mmピッチで8組以上配列したものが用いられる。通常の光ファイバセンサでも曲げ検出は可能であるが、ループ状の光センサが特に検出感度が高く、好ましい。その他の曲げ検出センサとして、歪みゲージによるもの、圧電素子、導電性ゴムなどを用いても良い。
また、上述したいずれのマニプレータシステムにおいても、マスターアームを移動可能に設置できるようにしてもよい。その場合にマスターアームとスレーブアームを並べて設置できるようにしてもよく、マスターアームとスレーブアームを交換的に設置できるようにしてもよい。マスターアームを移動式とすることで、マスターアームは任意の場所での設置、使用が可能となる。また、マスターアームを移動式とすることにより、マスターアームによる動作プログラム完成後は、そのマスターアームを他のスレーブアームの動作プログラム作成に使用することが可能となり、1台のマスターアームで複数台のスレーブアームの動作プログラムを作成することが可能となる。さらに、マスターアームとスレーブアームを交換的に設置することにより、マスターアームの設置場所を別途設けることなく、最小限のスペースでマスターアームを使用することができる。
例えば、図1Eに示すマニプレータシステム1Eのように、マスターアームとスレーブアームを、それぞれ移動式マスターユニット10U、移動式スレーブユニット30Uとして構成する。この移動式マスターユニット10Uは、車輪52で移動可能とした移動部ベース53に移動部支柱54を起立させ、移動部支柱54にマスターアーム10Eを取り付けたものである。移動部ベース53の位置は、固定具55で固定される。また、移動部ベース54には、主演算装置、コントローラ(サーボアンプ)、必要に応じて電源ユニット等を内蔵した制御ボックス56が設けられている。
ここで、マスターアーム10とスレーブアーム30は、同様の関節・リンク構造を有している。また、マスターアーム10とスレーブアーム30は床51からアーム10,30の取付位置(基点)までの距離が同一であり、搬送コンベア60に対して水平に配列している。移動式マスターユニット10Uの設置位置の調整方法は、床51に電子タグを設置しておき、搬送コンベア60に対して、大まかに位置合わせした後、電子タグを利用して調整できるようにしてもよく、画像処理や室内GPS等で位置を計測して調整できるようにしてもよい。さらに、大まかに位置合わせした後、基点と搬送コンベア60との相対位置を電子タグや画像処理装置や室内GPS等の測定から演算し、これをマスターアーム10とスレーブアーム30それぞれについて比較し、スレーブアーム30の動きをその比較量分補正することにより、スレーブアーム30がマスターアーム10と同じように搬送コンベア60に対して動くように調整してもよい。
また、本システムにおいては、上述のいずれのマスターアームを使用する場合でも、マスターアームを、作業者の両腕に対応するように一対設け、スレーブアームもそれに対応して複数対設けた双腕型マニプレータシステムとしてもよい。また特に双腕型とはせずに、スレーブアームを複数対設けたマニプレータシステムとしてもよい。
また、図1Aでは、製造ライン60上の箱状物品61に物品を詰める作業について説明したが、本システムの用途はこれに限定されるものではない。
さらに、本発明の構成は、作業者がマスターアームに動作を入力する動作入力部が、マスターアームのハンド部に設けられ、該ハンド部を挟んでマスターアームのマニプレータシステム躯体への取付部が、作業者の操作位置に対向するように設けられるようにできるものであれば、各種形態のロボットマニプレータに適応可能である。例えば、マスターアームとして、垂直多関節ロボットの他、水平多関節ロボット(スカラロボット)、複数の回転軸と直線移動部を組み合わせたもの、パラレル型ロボット、これらと紐状センサを組み合わせたもの等を使用することができる。さらに、マスターアーム10は、各関節の回転軸間距離や稼働範囲角度がスレーブアーム30と同等なら、単なる棒状やパイプによるリンク構造としてもよい。
本発明のマニプレータシステムは、物品の製造ライン、物流ライン、各種遠隔作業等で利用されるマスタースレーブ方式のマニプレータシステムにおいて有用となる。
実施例のマニプレータシステムの模式図である。 実施例のマニプレータシステムの模式図である。 実施例のマニプレータシステムの模式図である。 実施例のマニプレータシステムの模式図である。 実施例のマニプレータシステムの模式図である。 自由度7のマスターアームの斜視図である。 マスターアームにおけるハンド部のグリップ開状態の斜視図である。 マスターアームにおけるハンド部のグリップ閉状態の斜視図である。 マスターアームにおけるハンド部の別形態の斜視図である。 マスターアームにおけるハンド部の別形態の斜視図である。 マスターアームにおけるハンド部の別形態の斜視図である。 マスターアームのハンド部とグリップの位置関係を示す斜視図である。 スレーブアームのハンド部とグリップの位置関係を示す斜視図である。 自由度7のマスターアームのホームポジションの正面図(A)及び側面図(B)である。 自由度7のマスターアームのハンド部を水平移動させた状態の正面図(A)及び側面図(B)である。 自由度6のマスターアームのホームポジションの正面図(A)及び側面図(B)である。 自由度6のマスターアームのハンド部を水平移動させた状態の正面図(正面図)及び側面図(B)である。 自由度7の各軸の角度変化を示したグラフである。 自由度6の各軸の角度変化を示したグラフである。 多関節構造を有する紐状センサの斜視図である。 多関節構造を有する紐状センサと取付部位の説明図である。 マスターアームとスレーブアーム関節角度についての関係図である。 マスターアームとスレーブアーム関節角度についての関係図である。 スレーブアームにマスターアームの動きを追従させるロジックの概要図である。 6自由度以下のスレーブアームにマスターアームの動きを追従させるロジックの概要図である。 7自由度以上のスレーブアームにマスターアームの動きを追従させるロジックの概要図である。
符号の説明
1、1B、1C、1D、1E マニプレータシステム
10 腕部を有するマスターアーム(7軸)
10’ 腕部を有するマスターアームの別形態(6軸)
10b 紐状センサを有するマスターアーム
10c 腕部と紐状センサとを有するマスターアーム
10d 腕部と紐状センサとを有するマスターアーム
10U 移動式マスターユニット
11 腕部
12 肩部
13 上腕部
14 肘部
15 前腕部
16 手首部
17 紐状センサ
171 屈曲関節部
172 リンク部
173 信号情報ケーブル
174 ポテンショメータ
175 紐状センサの一端
176 紐状センサの他端
18 腕部
20 ハンド部
21 グリップ
22 センサ
23 スイッチ
24 アクチュエータ
25 ハンド部のアームへの固定部
26 作業時に物品と接するグリップの先端位置
27 固定バー
28 指先の固定部
29 手袋状固定部
30 スレーブアーム
30U 移動式スレーブユニット
31 腕部(スレーブアーム)
32 肩部(スレーブアーム)
33 上腕部(スレーブアーム)
34 肘部(スレーブアーム)
35 前腕部(スレーブアーム)
36 手首部(スレーブアーム)
40 ハンド部(スレーブアーム)
41 グリップ(スレーブアーム)
45 ハンド部のアームへの固定部(スレーブアーム)
46 作業時に物品と接するグリップの先端位置(スレーブアーム)
50 フレーム
51 床
52 車輪
53 移動部ベース
54 移動部支柱
55 固定具
60 搬送コンベア
61 箱状物品
A1 操作位置
A2 マスターアームのフレームへの取付け位置
A3 マスターアームの床への取付け位置
P 作業者

Claims (13)

  1. マスターアームと、マスターアームの動作に追従する複数のスレーブアームとを搬送コンベアに沿って備えたマニプレータシステムであって、
    マスターアームとスレーブアームはそれぞれ腕部とハンド部を有し、マスターアームとスレーブアームの腕部は、それぞれ肩関節、肘関節及び手首関節により6自由度又は7自由度を有する垂直多関節ロボットであり
    作業者がマスターアームに動作を入力する動作入力部が、マスターアームのハンド部に設けられ、マスターアームの腕部側の一端がマニプレータシステム躯体へ取り付けられ、その取付部が、搬送コンベア上のハンド部を挟んで、作業者の操作位置に対向するように設けられているマニプレータシステム。
  2. マスターアームの腕部の自由度とスレーブアームの腕部の自由度が等しい請求項に記載のマニプレータシステム。
  3. マスターアームとスレーブアームの対応する各関節について、スレーブアームの関節の可動範囲が、マスターアームの関節の可動範囲以上である請求項1又は2記載のマニプレータシステム。
  4. マスターアームが、腕部の各関節に角度センサを備えている請求項1〜に記載のマニプレータシステム。
  5. マスターアームが、先端の位置が検出可能な自由度8以上の紐状センサを有する請求項1〜に記載のマニプレータシステム。
  6. マスターアームの設置位置が移動可能である請求項1〜のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  7. マスターアームの腕部側の一端が、フレームに取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  8. マスターアームの腕部側の一端が、床に取り付けられている請求項1〜5のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  9. スレーブアームのハンド部が、自律機能を有する請求項1〜8のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  10. マスターアームのハンド部が、物を掴む又は離す動作をするグリップを有し、作業者が該グリップを握ってグリップの開閉操作をする請求項1〜9のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  11. マスターアームのハンド部が、物を掴む又は離す動作をするグリップを有し、作業者がスイッチを押すことにより操作する請求項1〜9のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  12. マスターアームのハンド部が、物を掴む又は離す動作をするグリップを有し、該グリップは作業者の各指に対応した指部を有し、該指部はその先端近傍に作業者の指先の固定部を有し、該指部に作業者の指の動きの開閉状態を検知するセンサが設けられている請求項1〜9のいずれかに記載のマニプレータシステム。
  13. マスターアームのハンド部が、作業者の手の甲及び指を固定する手袋状固定部を有し、該手袋状固定部に、作業者の指の動きを検知するセンサが設けられている請求項1〜9のいずれかに記載のマニプレータシステム。
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