JP5281220B2 - 樹脂組成物およびそれよりなる容器 - Google Patents
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Description
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であり、
(2)密度が0.920〜0.965g/cm3、
(3)メルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3、
(5)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(6)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[A]、
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であり、
(2)密度が0.890〜0.920g/cm3の範囲であり、[A]の密度より小さい、
(3)メルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3、
(5)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が10wt%以下、
(6)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[B]、
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であって、
(2)密度が0.900〜0.955g/cm3、
(3)メルトフローレートが0.1〜30g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜8であり、[A]、[B]のMw/Mnより大きい、
(5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[C]、エチレン・α−オレフィン共重合体[A]とエチレン・α−オレフィン共重合体[B]の配合比(X)が10:90〜60:40かつエチレン・α−オレフィン共重合体[A]とエチレン・α−オレフィン共重合体[B]の混合物とエチレン・α−オレフィン共重合体[C]の配合比(Y)が90:10〜50:50であることを特徴とする樹脂組成物およびよれよりなる容器に関するものである。
JIS K6760−1976に準拠して、100℃の熱水に1時間浸し、その後、室温まで放冷した試料について、23℃に保った密度勾配管を用いて測定した。
JIS K6760−1981に従って190℃、2160gの荷重下で測定した。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(日本ミリポア社製、装置名「ALC/GPC150C」(カラム:東ソー株式会社製、商品名「GMHHR−H(S)」3本、溶媒:1,2,4−トリクロルベンゼン、温度:140℃、流量1.0ml/分、注入濃度1mg/1ml、注入量300μl)を用いて測定した。なお、東ソー株式会社製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法によりカラム溶出体積は校正した。
200メッシュパスの粉砕試料約10gを精秤し、400mlのn−ヘプタンを加えて50℃で2時間抽出を行い、抽出液から溶媒を蒸発させて、乾燥固化させて得た抽出物の重量の初期重量に対する割合を求めることによって算出した。
日本薬局方に規定の強熱残分試験法に準拠し、試料50gを精秤した後、白金皿に入れてガスバーナーにより燃焼させ、さらに電気炉で650℃で1時間の条件で完全灰化させたときの残留物の重量の初期重量に対する割合を求めることによって算出した。
組成物を用いてプラコー製45mmφ単層水冷インフレーション成形機にて、樹脂温度=195℃で成形を行う際の、押出機の安定性によって判断した。
日本薬局方に準拠し、高圧蒸気法により、オートクレーブ内に容器をセットした後、115℃の温度で30分間加熱処理した後、室温まで冷却後、容器を取り出し、外観を以下の項目について観察して評価した。
〜透明性の評価〜
日立製作所製、紫外可視分光光度計(商品名220A)を用いて、耐熱性の評価を行った後の容器の胴部の中心付近より幅9.5mm、長さ50mmのサンプル片を切り出し、純水中で波長450nmの透過率を測定した。
耐熱性の評価を行った後の容器を4℃の恒温室に12時間静置し、その後、容器のシール部が水平になるように、1.5mの高さより床面に垂直に5回繰返し落下し、容器の状態を観察した。
JIS K7127−1989に準拠して、5%ひずみ時の引張割線弾性率(以下、5%モジュラスという)の測定を行い、数値が低いほど柔軟性が良好とした。
耐熱性の評価を行った後の容器の胴部の中心付近から幅10mm、長さ100mmの試験片を切り出し、治具に固定し、5000回垂直に折返した後、(株)島津製作所製オートグラフ(商品名DCS−500)を用いて、引張速度=300mm/minで引張試験を実施し、折返し前と折返し後の引張破壊強度と引張破断伸びの測定を行い、折返し前後の強度変化率によって屈曲疲労性の評価を行い、変化率が小さいほど良好とした。
合成例1
[変性粘土化合物の調製]
水1500mLに、37%塩酸30mLおよびN,N−ジメチル−オクタデシルアミンを89.1g加え、N,N−ジメチル−オクタデシルアンモニウム塩酸塩水溶液を調製した。平均粒径7.8μmのモンモリロナイト300g(クニミネ工業製 商品名クニピアFをジェット粉砕機で粉砕することによって調製した)を上記塩酸塩水溶液に加え、6時間反応させた。反応終了後、反応溶液を濾過し、得られたケーキを6時間減圧乾燥し、変性粘土化合物360gを得た。有機カチオン導入量は、1.0mmol/gであった。
窒素雰囲気下の20Lステンレス容器に、ヘプタン3.3L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20wt%希釈品)をアルミニウム原子当たり3.5mol(2.8L)および上記で得られた変性粘土化合物3008を加えて1時間攪拌した。そこへジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmol加えて12時間攪拌した。得られた懸濁系に、脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を8.7L加えることにより、触媒を調製した(ジルコニウム濃度0.67mmol/L)。
窒素雰囲気下の3Lの3口フラスコに、ヘプタン2.1L、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(20wt%希釈品)をアルミニウム原子当たり1.1mol(0.9L)およびテトラベンジルチタニウム1.55g(Ti原子当たり3.75mmol)を加えて得られた反応溶液を、専用の耐圧容器へ窒素雰囲気下で移送することにより、添加物溶液を調製した(チタニウム濃度1.25mmol/L)。
高温高圧重合用に装備された反応器を用いて重合を行った。エチレン、ヘキセン−1を連続的に反応器内に圧入して、全圧を900kg/cm2に、ヘキセン−1濃度を17.7mol%になるように設定した。そして、反応器を1500rpmで撹拌した。そして、触媒を反応器の上部へ連続的に供給して平均温度が185℃に保たれるように重合を行った。平行して、チタン量が供給ジルコニウム量と同モル量になるように、添加物溶液を反応器の下部へ連続的に供給し、エチレン・ヘキセン−1共重合体のペレット[A1]を得た。得られたエチレン・ヘキセン−1共重合体[A1]は、密度=0.930g/cm3、MFR=1.8g/10分、Mw/Mn=1.9、n−ヘプタン抽出量が0.1重量%、強熱残分が0.02重量%であった。
重合時のへキセン−1濃度を51mol%とした以外は、合成例1と同様にして重合を行い、エチレン・ヘキセン−1共重合体のペレット[B1]を得た。得られたエチレン・ヘキセン−1共重合体[B1]は、密度=0.911g/cm3、MFR=2.2g/10分、Mw/Mn=2.1、n−ヘプタン抽出量が1.0重量%、強熱残分が0.03重量%であった。
重合時のへキセン−1濃度を37.7mol%とした以外は、合成例1と同様にして重合を行い、エチレン・ヘキセン−1共重合体のペレット[C2]を得た。得られたエチレン・ヘキセン−1共重合体[C2]は、密度=0.919g/cm3、MFR=2.2g/10分、Mw/Mn=2.2、n−ヘプタン抽出量が0.85重量%、強熱残分が0.03重量%であった。
[組成物の調整]
エチレン・α−オレフィン共重合体[A]として合成例1で得られたエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]を15重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B]として合成例2で得られたエチレン・α−オレフィン共重合体[B1]を60重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C]として、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]((チーグラー触媒によって得られた、東ソー製、ニポロン−Z ZF230(MFR=2.0g/10分、密度=0.920g/cm3、Mw/Mn=4.6、強熱残分が0.03重量%))を25重量%をタンブラーブレンダーにて15分間ドライブレンドして組成物を得た。X=20:80、Y=75:25である。
[組成物の成形]
上記の操作で得られた、組成物を用いてプラコー製45mmφ単層水冷インフレーション成形機にて、樹脂温度=195℃、引取速度=6m/分で折り径135mm、厚みが250μmのチューブ状フィルムを成形した。本成形中の成形性は良好であった。
[容器の製造]
上記の成形で得られたチューブ状フィルムより長さ200mmのチューブ状サンプルを切り出し、一方の開口部を富士インパルス製インパルスシーラーで開口部の端から10mm幅でシールした。次に、純水を400ml充填し、内部のエアー量が50ccになるように、もう一方の開口部を富士インパルス製インパルスシーラーで開口部の端から10mm幅でシールした。
[加熱処理]
上記で得られた容器を日阪製作所製高温高圧調理殺菌機内にセットして、115℃で30分間加熱処理を行い、サンプルを室温まで冷却した。
[耐熱性の評価]
加熱処理後の物性評価を行ったところ、変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。
[物性の評価]
透過率は85%、5%モジュラスは121MPa、引張破壊強度の変化率は3%、引張破壊伸びの変化率は2%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]の配合量を25重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]の配合量を50重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は良好であり、加熱処理後の変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。透過率は78%、5%モジュラスは130MPa、引張破壊強度の変化率は7%、引張破壊伸びの変化率は5%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]の配合量を10重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]の配合量を50重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の配合量を40重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は良好であり、加熱処理後の変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。透過率は78%、5%モジュラスは118MPa、引張破壊強度の変化率は2%、引張破壊伸びの変化率は3%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]の配合量を30重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]の配合量を35重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の配合量を35重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は良好であり、加熱処理後の変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。透過率は79%、5%モジュラスは138MPa、引張破壊強度の変化率は7%、引張破壊伸びの変化率は9%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]の配合量を25重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]の配合量を60重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の配合量を15重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は良好であり、加熱処理後の変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であった。透過率は70%、5%モジュラスは128MPa、引張破壊強度の変化率は5%、引張破壊伸びの変化率は7%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の変わりに合成例3にて得られたエチレン・α−オレフィン共重合体[C2]を25重量%用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は不良であり、加熱処理後の変形、肌荒れおよびブロッキングが発生し、外観が不良のため容器としての使用が難しいと判断された。また、透過率は77%、5%モジュラスは125MPa、引張破壊強度の変化率は0%、引張破壊伸びの変化率は0%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]を30重量%、エチレン・a−オレフィン共重合体[B1]を35重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の変わりに合成例3にて得られたエチレン・α−オレフィン共重合体[C2]を35重量%用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は不良であり、加熱処理後の変形、肌荒れおよびブロッキングが発生し、外観が不良のため容器としての使用が難しいと判断された。また、透過率は65%、5%モジュラスは152MPa、引張破壊強度の変化率は45%、引張破壊伸びの変化率は50%であり、低温落下時の割れは発生しなかった。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]を60重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]を40重量%用いて2成分のみの配合とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は不良であり、加熱処理後の変形、肌荒れおよびブロッキングが発生し、外観が不良のため容器としての使用が難しいと判断された。また、透過率は60%、5%モジュラスは185MPa、引張破壊強度の変化率は65%、引張破壊伸びの変化率は63%であり、低温落下評価において、5回目の落下時に割れが発生した。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]を25重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]を50重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の変わりに、高圧法低密度ポリエチレン、東ソー製、ペトロセン0354(密度=0.920g/cm3、MFR=3.0、Mw/Mn=9.6)を使用した以外は、実施例1と同様にして評価を行った。成形性は良好であったが、加熱処理後の変形、肌荒れおよびブロッキングが発生し、外観が不良のため容器としての使用が難しいと判断された。また、透過率は68%、5%モジュラスは149MPa、引張破壊強度の変化率は82%、引張破壊伸びの変化率は90%であり、低温落下評価において3回目の落下時に割れが発生した。
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体[A1]の配合量を75重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[B1]の配合量を20重量%、エチレン・α−オレフィン共重合体[C1]の配合量を5重量%とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、成形性は不良であり、加熱処理後の変形および肌荒れおよびブロッキングは見られず外観は良好であり耐熱性は良好であったが、透過率は58%、5%モジュラスは205MPa、引張破壊強度の変化率は90%、引張破壊伸びの変化率は93%であり、低温落下評価において5回目の落下時の割れが発生し、耐熱性については、問題ないが、容器の柔軟性、屈曲疲労性、および低温衝撃性に劣るため、容器としての使用は難しいと判断された。
Claims (3)
- 下記のエチレン・α−オレフィン共重合体[A]、[B]および[C]よりなり、
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であり、
(2)密度が0.920〜0.965g/cm3、
(3)メルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3、
(5)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が0.2wt%以下、
(6)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[A]、
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であり、
(2)密度が0.890〜0.920g/cm3の範囲であり、[A]の密度より小さい、
(3)メルトフローレートが0.1〜20g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3、
(5)50℃におけるn−ヘプタン抽出量が10wt%以下、
(6)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[B]、
(1)エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンの共重合体であって、
(2)密度が0.900〜0.955g/cm3、
(3)メルトフローレートが0.1〜30g/10分、
(4)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3〜8であり、[A]、[B]のMw/Mnより大きい、
(5)日本薬局方に規定の強熱残分試験法による残分が0.1重量%以下であるエチレン・α−オレフィン共重合体[C]、
エチレン・α−オレフィン共重合体[A]とエチレン・α−オレフィン共重合体[B]の配合比(X)が10:90〜60:40かつエチレン・α−オレフィン共重合体[A]とエチレン・α−オレフィン共重合体[B]の混合物とエチレン・α−オレフィン共重合体[C]の配合比(Y)が90:10〜50:50であることを特徴とする樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物よりなることを特徴とする容器。
- 請求項1に記載の樹脂組成物よりなることを特徴とする液体用容器。
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