JP5280370B2 - 空気調和設備、放射空調システム及び放射空調システムの制御方法 - Google Patents

空気調和設備、放射空調システム及び放射空調システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、病院、高齢者施設、図書館等の各種建物内における空間内の調温および調湿を行うための空気調和設備、放射空調システム及び放射空調システムの制御方法に関する。
省エネルギーと快適性とを両立する空調方式として、現在、放射空調が注目されている。放射空調は、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井や壁面に配設し、熱媒体流通管に冷水又は温水を流してパネル本体の温度を上昇又は下降させ、パネル本体からの放射熱により空調を行うシステムである。
ところで、従来、放射空調システムの制御方法は、室内温度を検出し、その検出結果に基づいて放射パネルを構成するパネル本体の表面温度を変化させる制御方法が行われていた(例えば特許文献1参照)。
特開平7−332709号公報
上記従来例の放射空調システムの制御方法は、放射パネルで室温を制御するものであり、そのため、パネル本体の表面温度が頻繁に変化する。このようなパネル本体の表面温度が頻繁に変化すると、人に対する放射吸熱量も頻繁に変化する。そうすると、人間の体温調節が頻繁に行われることになり、冷房(暖房)に最適な室温が維持されていても、却って快適感が損なわれる。また、室温に応じてパネル本体の表面温度を制御する場合、冷房時に室温が例えば28℃であっても、パネル本体の表面温度が23℃より高くなると、人間は暑く感じることとなり、室温を下げたくなるが、この場合は省エネルギーに反することになる。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、省エネルギー化及び快適性共に向上した空気調和設備、放射空調システム及び放射空調システムの制御方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井に設置し、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムの制御方法であって、前記パネル本体の表面温度を検出する第1ステップと、第1ステップの検出結果に基づき、前記パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる第2ステップと、を備えたことを特徴とする。
上記の如く、パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように制御することにより、放射パネルの放射により、人が快適と感じるのに必要な発熱量が常に変化することなく、人から放射パネルに吸熱されるので、冷房時に室温が少し高めであっても快適感が得られ、また、暖房時に室温が少し低めであっても快適感が得られることになる。この結果、省エネルギー化及び快適性共に向上した放射空調システムが実現される。
ここで、「パネル本体の表面温度」とは、パネル本体の両側表面のうち、被空調室の室内に臨む側の表面及び天井面に臨む側の表面の何れの表面温度であってもよいことを意味する。パネル本体は熱伝導率の良好なものが使用されるため、パネル本体の表面温度は一定になり、そのため、室内に臨む側の表面温度も天井面に臨む側の表面温度も変わらないからである。
また、「所定温度」とは、人間の発熱量からすると年間を通じて23℃とするのが好ましい。但し、「所定温度」は、23℃に限定されず、夏場の室温よりも少し低く、且つ、冬場の室温より少し高い温度であればよく、例えば、夏場の設定室温が28℃、冬場の設定室温が20℃の場合、22℃〜25℃の範囲の何れかの温度を、パネル本体の表面温度とすれば十分な快適感が得られる。
なお、「受熱」は、温熱の受熱のみならず冷熱の受熱をも意味するものとする。即ち、パネル本体が冷水又は温水等の熱媒体によって温められる場合だけでなく、冷やされる場合も、パネル本体が「受熱」すると表現することとする。また、「放射する」というのは、温熱のみならず冷熱についてもこのように表現することとする。即ち、厳密にいえば、パネル本体から冷熱が放射されるのではなく、例えば人間などから放射された熱が、温度の低いパネル本体に吸収されて反射されないために納涼感が生ずるのであるが、本明細書においては便宜上、冷熱についても「放射する」と表現することとする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の放射空調システムの制御方法であって、前記被空調室がインテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成され、前記放射パネルはインテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って設置されており、放射パネルを通過する前記熱媒体流通経路が、インテリアゾーンに設置される放射パネル専用の第1熱媒体流通経路と、ペリメータゾーンに設置される放射パネル専用の第2熱媒体流通経路の独立した2系統に分離されており、前記第1ステップ及び前記第2ステップが、インテリアゾーンとペリメータゾーン毎に個別に行われることを特徴とする。
上記構成により、ペリメータゾーンからの熱放射は、ペリメータゾーンに設置されている放射パネルにより吸熱される。この結果、インテリアゾーンにいる居住者はペリメータゾーンからの熱放射の影響を受けることがなく、快適感が得られる。加えて、インテリアゾーンとペリメータゾーンの環境条件が均一化されるので、被空調室の何れの場所にいても、居住者は快適感が得られることになる。
また、請求項3記載の発明は、インテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成される被空調室の天井に、インテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って放射パネルを設置し、この放射パネルは、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と、該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えると共に、前記熱媒体流通経路がインテリアゾーンとペリメータゾーンとで共通の1系統の熱媒体流通経路で構成されており、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムの制御方法であって、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第1ステップと、第1ステップの検出結果に基づき、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる第2ステップと、を備えたことを特徴とする。
ここで、「インテリアゾーンに設置されている放射パネル」とは、放射パネル全体のうちインテリアゾーンに設置されている放射パネル部分を意味する。
通常は、居住者はインテリアゾーンに存在しているので、インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を所定温度になるように制御すれば、居住者は十分な快適感が得られることになる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の放射空調システムの制御方法であって、前記被空調室の室内温度の制御が、前記パネル本体の表面温度制御とは別個独立して行われることを特徴とする。
上記の如く、放射パネルの熱放射は、室温とは別個独立して制御されるので、専ら人に対して作用することになり、快適感が得られることになる。
また、請求項5記載の発明は、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井に設置し、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムであって、前記パネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段の検出結果に基づき、前記パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる放射パネル制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成により、請求項1記載の放射空調システムの制御方法を実現できる。なお、パネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段は、パネル本体の両側表面のうち、被空調室の室内に臨む側の表面に設けてもよく、また、天井面に臨む側の表面に設けてもよい。但し、室内に臨む側の表面に表面温度検出手段を設けた場合は、表面温度検出手段が室内居住者の目にとまることから、パネル本体の美観が損なわれることになる。従って、パネル本体の美観向上等の観点からは、天井面に臨む側の表面に表面温度検出手段を設けるのが好ましい。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の放射空調システムであって、前記被空調室がインテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成され、前記放射パネルはインテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って設置されており、放射パネルを通過する前記熱媒体流通経路が、インテリアゾーンに設置される放射パネル専用の第1熱媒体流通経路と、ペリメータゾーンに設置される放射パネル専用の第2熱媒体流通経路の独立した2系統に分離されており、前記表面温度検出手段は、インテリアゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第1の表面温度検出手段と、ペリメータゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第2の表面温度検出手段とを備え、前記放射パネル制御手段は、第1の表面温度検出手段の検出結果に基づき、インテリアゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように制御すると共に、第2の表面温度検出手段の検出結果に基づき、ペリメータゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を、冷房時及び暖房時に拘らず常時前記インテリアゾーン設置のパネル本体に関する所定温度と同一の所定温度になるように制御することを特徴とする。
上記構成により、請求項2記載の放射空調システムの制御方法を実現できる。
また、請求項7記載の発明は、インテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成される被空調室の天井に、インテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って放射パネルを設置し、この放射パネルは、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と、該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えると共に、前記熱媒体流通経路がインテリアゾーンとペリメータゾーンとで共通の1系統の熱媒体流通経路で構成されており、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムであって、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、前記表面温度検出手段の検出結果に基づき、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる放射パネル制御手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、「インテリアゾーンに設置されている放射パネル」とは、放射パネル全体のうちインテリアゾーンに設置されている放射パネル部分を意味する。
上記構成により、請求項3記載の放射空調システムの制御方法を実現できる。
また、請求項8記載の発明は、請求項5乃至7の何れかに記載の放射空調システムであって、前記被空調室の室内温度を検出する室内温度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記被空調室の室内湿度を検出する室内湿度検出手段と、外気を所定温度に調整する温度調整手段及び外気を所定湿度に調整する湿度調整手段を備え該温度調整手段及び該湿度調整手段により調整された外気を被空調室に導入する調湿換気装置と、前記室内温度検出手段、外気温度検出手段及び室内湿度検出手段の検出結果に基づき、前記調湿換気装置の温度調整手段及び湿度調整手段を制御して室内温度及び室内湿度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
上記構成により、被空調室の室内温度の制御が、パネル本体の表面温度制御とは別個独立して行われることになる。
また、請求項9記載の発明は、室外から導かれた空気を調整して被空調室の空調を行う空気調和設備であって、顕熱の交換を行う顕熱交換器と、空気の湿度を調整する調湿ユニットと、室外の空気を前記顕熱交換器を介して前記調湿ユニットに導く第1給気流路と、前記調湿ユニットで湿度が調整された空気を前記顕熱交換器を介して前記被空調室に導く第2給気流路と、顕熱及び潜熱の交換を行う全熱交換器と、前記全熱交換器を介して前記被空調室の空気を室外に排出する排気流路と、を備え、前記顕熱交換器は、前記第1給気流路により導かれた室外の空気と、前記第2給気流路により導かれた調湿後の空気との間で熱交換可能に構成されており、前記第1給気流路は、前記全熱交換器に室外の空気を導いた後、前記顕熱交換器に空気を導くように構成されており、前記全熱交換器は、前記第1給気流路により導かれた室外の空気と、前記排気流路により導かれた前記被空調室の空気との間で熱交換可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の空気調和設備であって、前記調湿ユニットは熱媒体コイルを有し、この熱媒体コイルに除湿時には冷水を、加湿度時には温水を供給する供給ラインの途中には開閉弁が配設されており、この開閉弁の開度を制御することにより室内温度及び室内湿度を制御することを特徴とする。
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の空気調和設備を備えると共に、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井に設置し、被空調室の室内温度及び室内湿度は前記空気調和設備を用いて所定温度及び所定湿度になるように制御すると共に、被空調室内に存在する人に対する熱放射のために前記パネル本体の表面温度を所定温度になるように制御することを特徴とする放射空調システムである。
本発明によれば、パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように制御することにより、放射パネルの放射により、人が快適と感じるのに必要な発熱量が常に変化することなく、人から放射パネルに吸熱されるので、冷房時に室温が少し高めであっても快適感が得られ、また、暖房時に室温が少し低めであっても快適感が得られることになる。この結果、省エネルギー化及び快適性共に向上した放射空調システムが実現される。
〔本発明の概念〕
先ず、具体的な構成を説明する前に、図1に基づいて本発明の概念について説明する。図1は本発明に係る放射空調システムの制御方法の原理を説明するための図である。本発明に係る放射空調システムは、後述する図3に示すように、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管6と該熱媒体流通管6内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体7とを備えた放射パネル1を、被空調室Rの天井に設置し、放射パネル1の熱放射により冷暖房を行う放射空調システムであって、その特徴とするところは、放射パネル1を構成するパネル本体7の表面温度を、年間を通じて所定温度(例えば23℃)になるように制御すると共に、パネル本体7の表面温度制御とは別個独立して室内温度(加えて室内湿度)を制御する空調システムである。室温は夏季28℃、冬季20℃になるように制御される。室内温度の制御方法としては、外気を導入する換気風量の熱交換の割合で室温度を制御する。より具体的な制御方法は、後述する実施の形態で詳述する。
ここで、被空調室R内には人間H(以下、居住者Hと称する場合もある。)が1人存在しており、定常状態が維持されているものと想定する。なお、冷房時には20℃の冷水を放射パネル1に流し、暖房時には25℃の温水を放射パネル1に流すものとする。
ここで、「パネル本体7の表面温度」とは、パネル本体7の両側表面のうち、被空調室Rの室内に臨む側の表面及び天井面に臨む側の表面の何れの表面温度であってもよい。パネル本体7は熱伝導率の良好なものが使用されるため、室内に臨む側の表面温度も天井面に臨む側の表面温度も変わらないからである。従って、パネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段(温度センサ)は、室内に臨む側の表面に設けてもよく、また、天井面に臨む側の表面に設けてもよい。
次いで、本発明の特徴であるパネル本体7の表面温度を23℃に維持することにより、冷房時に室内温度が28℃(暖房時に室内温度が20℃)の場合であっても居住者Hは快適に感じる理由について説明する。
一般的に、体表面温度は31℃、体表面積は1.6m2とされている。また、人間の発熱量は45W/m2とされている。従って、人間の発熱量は45×1.6=72Wとなる。
一方、パネル本体7の表面温度を23℃に制御したときの人からの放射吸収熱量qwは以下の数式より求められる。
qw=A1・F・ε・Γ{(T1/100)4−(T2/100)4
但し、A1=放射面の面積、F=形態計数、ε=放射率、Γ=ステファンボルツマン定数=5.67×108W/m2K、T1=放射面の表面温度=23+273=296、T2=人間の表面温度=31+273=304
ここで、放射パネルの単位面積当たりについて考えるためA1=1m2とする。また、便宜的に、形態計数を0.8とし、放射率を0.95とする。従って、放射吸収熱量qwは、
qw=1×0.8×0.95×5.67×(296/100)4−(304/100)4 =−37W/m2hとなる。
一方、人間からの熱放出の50%が放射で熱放出するので、72×50×10-2=36Wとなり、放射パネルの吸収熱量と合う。また、放射パネルの性能は対流成分もあり、そのため、パネル本体7の表面温度23℃程度で人間の発熱量を吸収することが可能となる。一方、人間は発熱体であり、快適感は室温に影響されず、放射パネル表面温度に影響される。この結果、室温が28℃程度であっても、パネル本体7の表面温度を23℃に制御することにより、室内居住者Hは快適感が得られることになる。以下、冷房時と暖房時に分けてさらに詳述する。
(冷房時の場合)
図1の定常状態では室温が28℃であるので、壁面も28℃あるいはそれに近い値になっている。一方、人間Hの人体表面温度は、年間を通じて常に一定温度(31℃)に維持されていることが知られている。このような環境条件下では、パネル本体7の表面温度が23℃であると、人間Hから壁面に対して熱放射による熱の移動がなさると共に、人間Hから放射パネル1に対して熱放射による熱の移動がなさるので、室温が28℃であっても快適感が得られる。
さらに詳しく説明すると、天井面に放射パネル1が設置されていない場合を想定する。この場合には壁面及び天井面は28℃になっており、人間Hから壁面及び天井面に対して熱放射による熱の移動が行われる。このような、人間H周囲の天井面及び壁面が28℃である場合における熱放射では、人間Hの発熱量が十分に吸熱されないため、快適感が得られない。これに対して、放射パネル1を設置している場合は、パネル本体7の表面温度が23℃に維持されていることから、人間Hの発熱量が十分に吸熱され、快適感が得られることになる。換言すれば、放射パネルのない場合は、人間Hからは31℃−28℃=3℃に対応した熱量が天井面に吸熱され、放射パネル1のある場合は、人間Hからは31℃−23℃=8℃に対応した熱量が放射パネル1に吸熱されるので、放射パネル1のある場合は人間Hの発熱量が十分に吸熱され快適感が得られることになる。加えて、パネル本体7の表面温度が所定温度(23℃)に維持されていることから、パネル本体7の表面温度の頻繁な変化に伴う不快感の発生もない。このように、発熱量が十分に吸熱されること及びパネル本体7の表面温度の頻繁な変化に伴う不快感の発生がないことにより、居住者Hは室温が28℃であっても快適感が得られることになる。
そして、このような定常状態から、人の人数に変化が生じたりして冷房負荷が変化した場合には、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることにより、上記定常状態と同様な原理で快適感が得られる。
(暖房時の制御)
図1の定常状態では室温が20℃であるので、壁面も20℃あるいはそれに近い値になっている。このような環境条件下では、人間Hの人体表面温度が31℃であるので、人間Hから壁面に熱放射による熱移動がなされる。一方、パネル本体7の表面温度は23℃であるので、人間Hから放射パネル1に熱放射による熱移動がなされる。ここで、天井面に放射パネル1が設置されていない場合を想定すると、この場合には天井面が20℃となっており、人間Hから天井面に対して熱放射の移動が行われている。この場合、人間Hから天井面への熱放射による移動は、31−20=11℃の温度差に対応した熱が吸熱される。従って、このような環境下では、室温が20℃であっても、人間Hの発熱量の奪われる割合が大きすぎて、寒く感じてしまう。一方、天井に放射パネル1を設置した場合は、人間Hから放射パネル1への熱放射による移動は、31−23=8℃の温度差に対応した熱が吸熱される。従って、天井面に放射パネル1が設置されていない場合に比べて、人間Hから奪われる熱量が小さい。換言すれば、その分だけ発熱量の吸熱が抑制され、発熱量の一部が人間Hの表面に滞留することになり、室温が20℃であっても、心地よい暖かさを感じ、快適感が得られることになる。加えて、パネル本体7の表面温度が所定温度(23℃)に維持されていることから、パネル本体7の表面温度の頻繁な変化に伴う不快感の発生もない。このように、発熱量の吸熱が若干抑制されること及びパネル本体7の表面温度の頻繁な変化に伴う不快感の発生がないことにより、居住者Hは室温が20℃であっても、心地よい暖かさを感じ、快適感が得られることになる。
このような定常状態から、人の人数に変化が生じたりして暖房負荷が変化した場合には、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることにより、上記定常状態と同様な原理で快適感が得られる。
このように、本発明に係る放射空調システムの制御方法の主たる特徴は、外気を取り入れて調温・調湿を行って室温を所定温度(夏季28℃、冬季20℃)になるように制御すると共に、放射パネル1は人に対する熱の授受のために使用すべくパネル本体7の表面温度を23℃になるように制御することである。これにより、パネル本体7の表面温度の変化による不快感がなく、放射空調本来の快適感が得られる冷暖房を行うことができる。
なお、冷房時には、放射パネル1に流入する20℃の冷水は、放射パネル1を通過して温度が23℃に上昇して、放射パネル1から流出していく。暖房時には、放射パネル1に流入する25℃の温水は、放射パネル1を通過して温度が23℃に下降して、放射パネル1から流出していく。一方、パネル本体7の表面温度は23℃に制御され、且つ人間Hの表面温度は31℃で一定であるので、人間Hから放射パネル1への熱放射による熱伝達量は一定である。そうすると、放射パネル1に着目した場合に、冷房時には吸熱され、暖房時には放熱されているので、一見すると矛盾しているとも考えられる。しかし、放射パネル1全体の熱収支バランスを考慮すると、矛盾していない。参考までに、以下に、その理由を述べる。
即ち、冷房時には、室温が28℃に設定されているので、表面温度23℃のパネル本体7は28℃の空気から熱伝導による吸熱がなされている。従って、放射パネル1は、人間Hからの熱放射による熱量と空気からの熱伝導による熱量の総和の熱量を吸熱し、これにより、20℃の冷水は、放射パネル1を通過して温度が23℃に上昇するものと考えられる。一方、暖房時には、室温が20℃に設定されているので、表面温度23℃のパネル本体7は20℃の空気に対してから熱伝導による放熱がなされている。従って、放射パネル1は、人間Hからの熱放射による吸熱がなされると共に、空気への熱伝導による放熱がなされる。そして、後者の方が前者よりも熱量が大きいことから、放射パネル1全体の熱収支バランスとしては、放熱されていることになり、そのため、25℃の温水は、放射パネル1を通過して温度が23℃に下降するものと考えられる。従って、冷房時には20℃の冷水が放射パネル1を通過して温度が23℃に上昇し、暖房時には25℃の温水が放射パネル1を通過して温度が23℃に下降することは、矛盾するものではない。
以下、本発明を実施の形態によりさらに具体的に説明する。
(実施の形態1)
図2は実施の形態1の空調システムの全体構成図である。なお、図2は実施の形態1の空調システムを冷凍機として冷房時に使用する例を示す。空調システムSは、放射パネル1と、冷暖房回路2と、パネル本体7の表面温度を所定温度(23℃)となるように冷暖房回路2を制御する制御装置70(後述する図5参照)とを備えている。なお、本実施の形態における被空調室R内は、外気の影響を受けない室内中心部であるインテリアゾーンと、外気の影響を受け、外気に接する壁側の5m以内の部分であるペリメータゾーンとで構成されている。放射パネル1は、インテリアゾーン及びペリメータゾーンの両者に亘って設置されている。また、放射パネル1を通過する熱媒体流通経路は、インテリアゾーンとペリメータゾーンとで共通の1系統とされており、放射パネル1のうちインテリアゾーンに設置されている放射パネル部分1aの表面温度を所定温度(23℃)になるように制御する。
放射パネル1は、図3に示すように、熱媒体としての冷水(又は温水)が流れる熱媒体流路を構成する熱媒体流通管6と、熱媒体流通管6を流れる冷水(又は温水)から受熱してその熱を放射するパネル本体7とを備えている。熱媒体流通管6は、直管部分6aと湾曲管部分6bとからなり、パネル本体7の表面に添って適宜曲げられS字状に蛇行した状態で敷設されている。この熱媒体流通管6は、典型的にはアルミニウム管やアルミニウム合金管が用いられる。その他、銅管、樹脂管等を用いてもよい。さらに、アルミニウム管の内面及び外面がポリエチレンで被覆された3重構造であってもよい。
冷暖房回路2は、図2に示すように、凝縮器10、蒸発器11および圧縮機12を含み作動媒体が循環する系をなす顕熱処理用流路A1と、凝縮器13、蒸発器14、圧縮機15を含み作動媒体が循環する系をなす潜熱処理用流路B1とを備えている。
顕熱処理用流路A1は、凝縮器10、蒸発器11および圧縮機12が配管により接続されて、作動媒体である水が上記の順に循環する冷凍サイクルとして構成され、20℃の高温冷水を取り出して顕熱処理(冷却)を行うための系となっている。凝縮器10には熱交換器17が接続され、熱交換器17には冷却塔18が接続されている。また、凝縮器10には真空ポンプ(図示せず)が接続されている。蒸発器11には、冷房負荷である放射パネル1が接続されている。冷凍サイクルの全体は、システムの稼動前などの必要な時点で真空ポンプを作動させることにより真空に保持される。また、顕熱処理用流路A1には、給水ポンプP1,P2,P3を備えている。なお、凝縮器10と蒸発器11とは、連通管20を介して連通されている。
圧縮機12は、ルーツポンプよりなり、モータM1により駆動される。ルーツポンプは、楕円形のシリンダ内で2つの断面まゆ形のロータが互いに逆方向に等速度で回転することにより圧縮、排気を行うようにしたポンプであり、2軸で構造が簡単なことから取扱が容易で寿命が長く、オイルフリーでクリーンな圧縮を行うことができる等の特長を有している。また、ポンプの回転方向を逆転させることにより、配管の切り替え等を行うことなく容易に冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。なお、圧縮機15も圧縮機12と同様にルーツポンプよりなり、モータM2により駆動される。
潜熱処理用流路B1は、凝縮器13、蒸発器14および圧縮機15が配管により接続されて、作動媒体である水が上記の順に循環する冷凍サイクルとして構成され、7℃の低温冷水を取り出して潜熱処理(除湿)を行うための系となっている。凝縮器13には真空ポンプ(図示せず)が接続されている。また、顕熱処理用流路A1の蒸発器11は、給水ポンプP3、熱交換器26を介して放射パネル1の入口側に接続されている。一方、潜熱処理用流路B1の凝縮器13には熱交換器26が接続されており、凝縮器13からの冷温水は、給水ポンプP4、熱交換器26を経て該凝縮器13に戻るように接続されている。なお、凝縮器13と蒸発器14とは、連通管21を介して連通されている。
また、潜熱処理用流路B1における蒸発器14には、給水ホンプP5を介して換気機能を備えた調湿換気装置50が接続されている。調湿換気装置50は、図4に示すように、顕熱及び潜熱の交換を行う全熱交換器ユニット51と、顕熱の交換を行う顕熱交換器ユニット52を備えている。全熱交換器ユニット51は、顕熱及び潜熱の交換を行う全熱交換器53と換気用ダンパー54を備えている。この全熱交換器ユニット51には、室内空気を導入する導入用配管55、排気用配管56、及び外気を導入する外気用配管57が接続されている。また、顕熱交換器ユニット52は、顕熱の交換を行う顕熱交換器58、熱媒体コイル59、及び室温制御用ダンパー61を備えている。なお、顕熱交換器ユニット52には、加湿器90が備えられており、加湿器90は冷房時には作動せず、暖房時にのみ作動するようになっている。この加湿器90と熱媒体コイル59とで構成されるユニットを、調湿ユニット68と称することにする。なお、調湿換気装置50と、配管55、56、57等の配管網とで空気調和設備を構成する。
調湿ユニット68は、顕熱交換器58を通過した空気の湿度を所望の値に調整する装置である。調湿ユニット68によって除湿を行う場合には、熱媒体コイル59に冷水又は冷媒を供給することにより、当該熱媒体コイル59が冷却コイルとして機能するように構成する。これにより、顕熱交換器58を通過した空気を過冷却して、当該熱媒体コイル59の表面に空気中の水分を凝縮させて除湿を行う。なお、除湿時においては、加湿器90を作動させずに、熱媒体コイル59を通過した空気が加湿器90を介して顕熱交換器58に供給されるように構成されている。また、加湿を行う場合には、熱媒体コイル59に温水を供給することにより、当該熱媒体コイル59が加熱コイルとして機能するように構成すると共に、加湿器90により空気中に水蒸気を付加する。加湿器90としては、配管91により導入される水道水の水を気化させて空気中の湿度を高める気化式加湿器を例示することができる。
また、顕熱交換器ユニット52には、全熱交換器ユニット51からの低温・低湿度空気が供給される給気配管62、及び室内の床下に導く導入配管63が接続されている。熱媒体コイル59の入口側は配管64を介して蒸発器14と接続されており、熱媒体コイル59の出口側は配管65を介して蒸発器14と接続されている。配管65の途中には室内湿度制御用開閉弁66が設けられている。なお、室温及び湿度の詳細な制御方法は後述する。
図5は空調システムSにおける放射パネルの表面温度制御、室温及び湿度制御に関連する電気的構成を示すブロック図である。パネル本体7の表面温度を検出する温度センサT1により検出された温度検出信号は、制御装置70に与えられる。制御装置70は、温度センサT1の温度検出信号に基づき、放射パネル1を通過する冷媒の流量を変化させるためにホンプP3に周波数制御信号を出力する(正確には、ホンプP3を駆動するモータの駆動電圧を制御するインバータ回路に周波数制御信号を出力する)。これにより、温度センサT1の検出温度に応じてホンプP3の出力が変化するので、放射パネル1を通過する冷水の流量を変化させて、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が所定温度(23℃)になるように制御することができる。なお、上記したように、「パネル本体7の表面温度」とは、パネル本体7の両側表面のうち、被空調室Rの室内に臨む側の表面及び天井面に臨む側の表面の何れの表面温度であってもよいので、温度センサT1は、室内に臨む側の表面及び天井面に臨む側の表面の何れの面に設けてもよい。但し、室内に臨む側の表面に温度センサT1を設けた場合は、温度センサT1が室内居住者Hの目にとまることから、パネル本体の美観が損なわれることになる。従って、パネル本体の美観向上等の観点からは、天井面に臨む側の表面に温度センサT1を設けるのが好ましい。
また、外気温度を検出する温度センサT2、室内温度を検出する温度センサT3、及び室内湿度を検出する湿度センサT4により検出された各温度検出信号及び湿度検出信号は、制御装置70に与えられる。制御装置70は、温度センサT2,T3の各温度検出信号、及び湿度センサT4に基づき、換気用ダンパー54及び室内温度制御用ダンパー61の開度を制御すると共に、室内湿度制御用開閉弁66の開度を制御する。これにより、室内温度が所定温度(28℃)に維持されると共に、室内湿度が所定湿度に維持される。さらに制御装置70は、必要に応じて、圧縮機12,15を駆動するモータM1,M2を周波数制御するための周波数制御信号を出力する。
なお、室内湿度は室内湿度制御用開閉弁66を制御して熱媒体コイル59の温度を制御することにより調整を行うが、全熱交換器53に備えられたダンパー54の開度を制御しても室内湿度を調整することが可能である。従って、弁66の単独制御であってもよく、弁66及びダンパー54の両者の制御であってもよい。但し、後者の場合、ダンパー54の開度を制御は調湿効果が低く、複数箇所(弁66とダンパー54)での制御は複雑になる。そのため、弁66の単独制御が好ましい。
上記のように本空調システムSにおいては、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度を、年間を通じて常時所定温度(本実施の形態では23℃)になるように制御すると共に、室外の空気を取り入れて除湿・加湿(冷房時には除湿、暖房時には加湿)、及び室内温度を制御するように構成されている。以下、放射パネル制御及び室内温度・湿度制御について説明する。
(放射パネル制御)
本実施の形態では、外気の影響を受けない室内中心部であるインテリアゾーンにいる居住者Hに対して快適感が得られれば十分であることから、ペリメータゾーンの影響は無視するものとする。従って、インテリアゾーンに存在する放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度を、年間を通じて常時所定温度(本実施の形態では23℃)になるように制御する。
(定常状態における放射パネル制御)
冷房負荷に変化がない(例えば、人の人数が変化ない)定常状態における放射パネル制御処理は、以下の通りである。
顕熱処理用流路A1においては、圧縮機12で加圧された水蒸気は、凝縮器10で外部に熱を放出して凝縮し、液化して、連通管20を通じ圧力差により蒸発器11に送出され、蒸発器11で外部から熱を奪って蒸発し水蒸気となる冷凍サイクルを循環する。このとき、圧縮機12は蒸発器11で発生した水蒸気を吸い込みながら蒸発器11の真空度を19℃の飽和圧力2.2kPaに維持することで、蒸発器11から19℃の冷水が、ポンプP3、から熱交換器26に送出される。そして、熱交換器26において、潜熱処理用流B1の凝縮器13から送出される冷水と熱交換を行って20℃に昇温されて放射パネル1に連続的に供給される。なお、20℃の冷水は、放射パネル1を通過することにより23℃に上昇して放射パネル1から流出する。
また、蒸発器11で発生した水蒸気は圧縮機12で凝縮圧力の5.6kPa(飽和凝縮温度35℃)まで圧縮され、凝縮器10内に流入する。凝縮器10では、冷却塔18からの冷却水と熱交換器17で熱交換することにより30℃とした冷却水が冷却水/熱源水供給管10aの先端部のノズルから噴射され、前記圧縮機12から流入してきた水蒸気がこの冷却水と直接接触することにより熱交換し凝縮して液化し、冷却水は凝縮に使われた熱量と圧縮機12の圧縮動力の熱量とにより加熱され、飽和温度の35℃で凝縮器10からポンプP2により熱交換器17に送出される。なお、顕熱処理用流路A1を循環して顕熱処理用に調製された作動流体は、熱交換器26を介して潜熱処理用流路B1の冷却冷媒として用いられる。
このような定常状態においては、20℃の冷水が放射パネル1に連続的に供給されるので、放射パネル1のうちペリメータゾーンに存在する放射パネル部分におけるパネル本体7の表面温度は23℃以上の温度となっていても、少なくともインテリアゾーンに存在する放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度は23℃に維持される。この結果、放射パネル部分1aの熱放射により、室内温度が28℃の場合であってもインテリアゾーンにいる居住者Hは快適感が得られることになる。
(変化状態時における放射パネル制御)
人の人数に変化が生じたりして冷房負荷が増加した場合、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるように以下の制御処理が実行される。
冷房負荷の増加により、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が23℃より上昇し、その上昇した温度が温度センサT1により検出され、その温度検出信号が制御装置70に与えられる。これにより、制御装置70は、検出温度に対応して、給水ポンプP3に周波数を増加する制御信号を出力する。これにより、20℃の冷水の放射パネル1を通過する流量が増加し、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が下降して、所定温度(23℃)に制御される。なお、このとき、蒸発器11に戻る流量が増加するので、蒸発器11の真空度を19℃の飽和圧力2.2kPaに維持するため、圧縮機12の出力を大きくする必要がある。そこで、制御装置70は、検出温度に対応して、圧縮機12を駆動するモータM1の周波数を増加する制御信号を出力する。これにより、放射パネル1に供給される冷水温度は常に20℃に維持されることになる。また、20℃の冷水の流量増加に伴い、熱交換器26を介して凝縮器13に戻される冷水が冷却され過ぎるので、これに対応して圧縮機15が周波数制御され、冷媒体コイル49に供給される冷水温度は常に7℃に維持される。
次いで、インテリアゾーンに多数の人数がいて定常状態となっている場合において、室外に退出することにより人数が減少した等の冷房負荷が減少した場合には、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が23℃より下降し、その下降した温度が温度センサT1により検出され、その温度検出信号が制御装置70に与えられる。これにより、制御装置70は、検出温度に対応して、給水ポンプP3の駆動モータの周波数を減少する制御信号を出力する。これにより、20℃の冷水の放射パネル部分1aを通過する流量が減少し、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が上昇して、所定温度に制御される。なお、このとき、蒸発器11に戻る流量が減少するので、蒸発器11の真空度を19℃の飽和圧力2.2kPaに維持するため、圧縮機12の出力を小さくする必要がある。そこで、制御装置70は、検出温度に対応して、圧縮機12の駆動モータM1の周波数を減少する制御信号を出力する。これにより、放射パネル部分1aに供給される冷水温度は常に20℃に維持されることになる。また、20℃の冷水の流量減少に伴い、熱交換器26を介して凝縮器13に戻される冷水の冷却程度が小さくなるので、これに対応して圧縮機15が周波数制御され、熱媒体コイル59に供給される冷水温度は常に7℃に維持される。
こうして、少なくともインテリアゾーンに存在する放射パネル部分1a(放射パネル1のうちインテリアゾーンに存在する放射パネル部分)におけるパネル本体7の表面温度は23℃に維持される。この結果、放射パネル部分1aの熱放射により、室内温度が28℃の場合であってもインテリアゾーンにいる居住者Hは快適感が得られることになる。
(室内温度及び室内湿度の制御)
室内温度及び室内湿度は以下のように制御される。
潜熱処理用流路B1においては、圧縮機15で加圧された水蒸気は、凝縮器13で外部に熱を放出して凝縮し、液化して、連通管21を通じ圧力差により潜熱処理用流路B1の蒸発器14に送出され、該蒸発器14で外部から熱を奪って蒸発し水蒸気となる冷凍サイクルを循環する。このとき、圧縮機15は、蒸発器14で発生した水蒸気を吸い込みながら蒸発器14の真空度を7℃の飽和圧力1.0kPaに維持することで7℃の冷水を熱媒体コイル59に連続的に供給する。蒸発器14で発生した水蒸気は圧縮機15で凝縮圧力の2.8kPa(飽和凝縮温度23℃)まで圧縮され、凝縮器13内に流入する。凝縮器13においては、凝縮して液化した水冷媒が飽和温度23℃で凝縮器13からポンプP4により熱交換器26に送出され、顕熱処理用流路A1の蒸発器11から送出される19℃の冷水と熱交換器26で熱交換を行って20℃に冷却されて凝縮器13に導入され(即ち配管13aの先端部のノズルから噴射され)、前記圧縮機15から流入してきた水蒸気がこの冷却水と直接接触することにより熱交換し凝縮して液化する。また、凝縮器13で凝縮した水は、前記したように連通管21を通じ圧力差により潜熱処理用流路B1の蒸発器14に送出される。
一方、調湿換気装置50においては、以下の処理が行われる。先ず、室外の空気は、給気配管57により全熱交換器53に導かれる。そして、この空気は、全熱交換器53において、室内空気導入配管55により導かれる室内空間の空気との間で全熱交換を行う。室内空気導入配管55により導かれる室内空気は、給気配管57により導かれる空気よりも温度及び湿度共に低いため、給気配管57により導かれた高温・多湿の空気は、温度及び湿度が低下した空気となる。
次いで、温度及び湿度が低下した空気は、顕熱交換器58に導かれ、熱媒体コイル59及び加湿器で構成される調湿ユニット68を通過した空気との間で顕熱交換を行う。調湿ユニット68を通過した空気は、後述のように低温且つ低湿度であるため、全熱交換器53から導かれた空気は、絶対湿度を維持したまま温度のみが更に低下された状態となって調湿ユニット68に導かれる。
調湿ユニット68においては、7℃の冷水が供給された熱媒体コイル59回りを空気が通過することにより、空気中の湿気(水蒸気)が熱媒体コイル59の表面に凝縮し除去される。除去された湿気(水蒸気)は、図示しないドレインから外部に排出される。この熱媒体コイル59を通過した空気は、低温且つ絶対湿度が低い空気となる。
調湿ユニット68を通過した空気は、顕熱交換器58において全熱交換器53から導かれた空気との顕熱交換により絶対湿度を維持したまま加温(18℃)されて、配管63を介して室内床下に導かれる。室内床下に導かれた空気は、床下から上方に吹き出し、室内に居住する人間の発する熱や、窓等から導入される外気熱等の影響を受けて温度及び絶対湿度共に上昇する。なお、室内空気は、配管55を介して全熱交換器53に導かれ、給気により導かれた室外空気との間で全熱交換を行う。これにより、室内から導かれた空気は、温度及び湿度共に高められた状態となり、室外に排出される。
こうして、調湿換気装置50は、室外の空気を取り入れて処理して室内空間に導入すると共に室内空間の空気を室外に排出するサイクルを形成するために、図4に示すように、室外空気を、全熱交換器53、顕熱交換器58、調湿ユニット68の順に導く第1給気流路(外気用配管57、流路57A、給気配管62、流路62Aに相当)と、調湿ユニット68で湿度が調整された空気を顕熱交換器58を介して室内空間に導く第2給気流路(流路63A、導入配管63に相当)と、全熱交換器53を介して室内空間の空気を室外に排出する排気流路(室内空気導入用配管55、流路55A、排気用配管56に相当)を備えるとともに、顕熱交換器58は、第1給気流路により導かれた室外の空気と、第2給気流路により導かれた調湿後の空気との間で熱交換可能に構成されており、全熱交換器53は、第1給気流路により導かれた室外の空気と、排気流路により導かれた室内空間の空気との間で熱交換可能に構成されている。
ここで、外気温度は温度センサT2により監視されており、温度センサT2からの温度検出信号は制御装置70に与えられる。制御装置70は、検出温度に応じて換気用ダンパー54の開度を制御する。これにより、図4に示すように、室内空気導入用配管55により導かれた室内空間の空気が、全熱交換器53を通過する流路55Aと、全熱交換器53を通過しない流路55Bとに、換気用ダンパー54の開度に応じて分配されて、その後混合して排気用配管56を介して排気される。この結果、全熱交換器53において、第1給気流路により導かれた室外の空気と、排気流路により導かれた室内空間の空気との間で顕熱及び潜熱の交換が行われる際に、室内空間から外部に排出される空気の持つ熱エネルギーを有効的に利用して、室外の空気が有する温度や湿度を所望の状態に調整して顕熱交換器58に導くことができるので、顕熱交換器58の作動負荷を低減させることが可能になる。なお、夏季の除湿運転時に拘らず、後述する冬季の加湿運転時においても同様に外気温度に応じて換気用ダンパー54の開度が制御されるので、除湿運転時及び加湿運転時の双方において、大幅な省エネルギー効果を得ることができ、空気調和設備のランニングコストをより一層低減させることができる。なお、この全熱交換器53を省いた構成を採用することも可能である。
また、室内温度の変化があると、温度センサT3によりそのことが検出され、温度検出信号が制御装置70に与えられる。制御装置70は、検出温度に応じて温度制御用ダンパー61の開度を制御する。これにより、図4に示すように、調湿ユニット68により湿度が調整された空気が、顕熱交換器58を通過する流路63Aと、顕熱交換器58を通過しない流路流路63Bとに、温度制御用ダンパー61の開度に応じて分配されて、その後混合して導入配管63を介して室内空間に導入される。従って、温度制御用ダンパー61の開度を制御することにより、分配量が調整され、所望の温度に調整された空気を室内空間に導入することが可能となる。即ち、室内温度を所定温度(28℃)に制御することが可能となる。
また、室内湿度の変化がある場合は、制御装置70は室内湿度制御用開閉弁66の開度を制御する。これにより、熱媒体コイル59に流れる温水の流量が変化し、室内湿度を所定湿度に制御することが可能となる。
このようにして、夏季の場合、外気風量により室内温度を28℃に制御すると共に、少なくともインテリアゾーンに存在する放射パネル部分1a(放射パネル1のうちインテリアゾーンに存在する放射パネル部分)におけるパネル本体7の表面温度を23℃になるように制御して放射パネル部分1aの熱放射により冷房を行うことが可能となる。
[暖房時の制御]
本空調システムSにおいては、冷凍機をヒートポンプとして使用して暖房運転を行う。暖房の場合、顕熱処理用流路A1の圧縮機12が回転方向を逆転させて運転され、凝縮器10は蒸発器として、蒸発器11は凝縮器としてそれぞれ機能して、冷却塔18に代えて熱源水を供給する手段(例えばヒーティングタワー)を用いることにより、顕熱処理用流路A1がヒートポンプサイクルを構成する。また、潜熱処理用流路B1の圧縮機15が回転方向を逆転させて運転され、凝縮器13は蒸発器として、蒸発器14は凝縮器としてそれぞれ機能する。そして、定常時には、顕熱処理用流路A1において所定温度(26℃)に調製された温水が凝縮器(冷房時の蒸発器11に相当)から熱交換器26に送出され、熱交換器26で熱交換されて所定温度(25℃)に調製された温水が放射パネル1に供給されるようになっている。また、潜熱処理用流路B1においては、所定温度(30℃)に調製された温水が熱媒体コイル59に供給されるようになっている。
暖房時の定常状態では、放射パネル1に所定温度(25℃)に調製された温水が連続的に供給され、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が所定温度(23℃)に維持されて熱放射により人に対する暖房が行われる。なお、25℃の温水は、放射パネル1を通過することにより23℃に下降して放射パネル1から流出する。また、室温は所定温度(20℃)に設定されている。
このような定常状態中において、暖房負荷が減少した場合(例えば、人の人数が増加した場合等)、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が23℃よりも上昇し、その上昇した温度が温度センサT1により検出され、その温度検出信号が制御装置70に与えられる。これにより、制御装置70は、検出温度に対応して、給水ポンプP3の駆動モータの周波数を減少する制御信号を出力する。これにより、25℃の温水の放射パネル部分1aを通過する流量が減少し、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が下降して、所定温度(23℃)になるように制御する。なお、このとき、凝縮機(冷房時の蒸発器11に相当)に戻る流量が減少するので、凝縮機(冷房時の蒸発器11に相当)の真空度を26℃の飽和圧力に維持するため、圧縮機12の出力を小さくする必要がある。そこで、制御装置70は、検出温度に対応して、圧縮機12の駆動モータM1の周波数を減少する制御信号を出力する。これにより、放射パネル1に供給される温水温度は常に25℃に維持されることになる。また、25℃の温水の流量減少に伴い、熱交換器26を介して蒸発器(冷房時の凝縮器13に相当)に戻される温水の加温程度が小さくなるので、これに対応して圧縮機15が周波数制御され、冷媒体コイル49に供給される温水温度は常に所定温度(30℃)に維持される。
次いで、インテリアゾーンに多数の人数がいて定常状態となっている場合において、室外に退出することにより人数が減少した等の暖房負荷が増加した場合には、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が23℃より下降し、その下降した温度が温度センサT1により検出され、その温度検出信号が制御装置70に与えられる。これにより、制御装置70は、検出温度に対応して、給水ポンプP3の駆動モータの周波数を増加する制御信号を出力する。これにより、25℃の温水の放射パネル部分1aを通過する流量が増加し、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度が上昇して、所定温度(23℃)になるように制御する。なお、このとき、凝縮機(冷房時の蒸発器11に相当)に戻る流量が増加するので、凝縮機(冷房時の蒸発器11に相当)の真空度を26℃の飽和圧力に維持するため、圧縮機12の出力を大きくする必要がある。そこで、制御装置70は、検出温度に対応して、圧縮機12の駆動モータM1の周波数を増加する制御信号を出力する。これにより、放射パネル部分1aに供給される温水温度は常に25℃に維持されることになる。また、25℃の温水の流量増加に伴い、熱交換器26を介して蒸発器(冷房時の凝縮器13に相当)に戻される温水が加温され過ぎるので、これに対応して圧縮機15が周波数制御され、熱媒体コイル59に供給される温水温度は常に所定温度(30℃)に維持される。
こうして、冬場においても、放射パネル1のうちペリメータゾーンに存在する放射パネル部分におけるパネル本体7の表面温度は23℃以上の温度となっていても、少なくともインテリアゾーンに存在する放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度は23℃に維持される。この結果、室内温度が20℃の場合であっても居住者Hは快適感が得られることになる。
次いで、冬場における室内温度及び室内湿度の制御について説明する。
先ず、室外の空気は、給気配管57により全熱交換器53に導かれる。そして、この空気は、全熱交換器53において、室内空気導入配管55により導かれる室内空間の空気との間で全熱交換を行う。室内空間の温度及び絶対湿度は、室外の空気よりも高い状態であるから、給気配管57により導かれた低温・低湿度の空気は、温度及び湿度共に高められる。
次いで、温度及び絶対湿度が高められた空気は、顕熱交換器58に導かれ、調湿ユニット68を通過した空気との間で顕熱交換を行う。調湿ユニット68を通過した空気は、後述のように高温であるため、全熱交換器53から導かれた空気は、絶対湿度を維持したまま温度のみが更に高められた状態となって調湿ユニット68に導かれる。
調湿ユニット68においては、30℃の温水が供給された熱媒体コイル59回りを空気が通過することにより、空気の温度が高められる。また、加湿器から水蒸気の供給を受けるため、空気の絶対湿度が高められる。従って、調湿ユニット68を通過した空気は、高温・多湿の状態となる。このように、加湿運転時においては、空気が加湿器を通過する前において、温水が供給された熱媒体コイル59により空気が予め加熱されるため、加湿器を通過する際に多くの水蒸気を空気中に含ませることが可能になり、効率よく空気の加湿を行うことができる。
調湿ユニット68を通過した高温・多湿の空気は、顕熱交換器58において全熱交換器53から導かれた温度の低い空気との顕熱交換により絶対湿度を維持したまま冷却されて配管63を介して室内床下に導かれる。室内床下に導かれた空気は、床下から上方に吹き出し、室内に居住する人間の発する熱や、窓等から導入される外気熱等の影響を受けて温度及び絶対湿度共に上昇する。なお、室内空気は、配管55を介して全熱交換器53に導かれ、給気により導かれた室外空気との間で全熱交換を行う。これにより、室内から導かれた空気は、温度及び湿度共に低下した状態となり、室外に排出される。
暖房時においても、上記したように、外気温度に応じて換気用ダンパー54の開度が制御される。また、室内温度の変化があると、温度センサT3によりそのことが検出され、温度検出信号が制御装置70に与えられる。制御装置70は、検出温度に応じて温度制御用ダンパー61の開度を制御する。これにより、室内温度を所定温度(20℃)に制御することが可能となる。また、湿度の変化がある場合は、制御装置70は室内湿度制御用開閉弁66の開度を制御する。これにより、熱媒体コイル59に流れる温水の流量が変化し、室内湿度を所定湿度に制御することが可能となる。
このようにして、冬季の場合、外気風量により室内温度を20℃に制御すると共に、放射パネル部分1aにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるように制御して放射パネル部分1aの熱放射により暖房を行うことが可能となる。
なお、上記放射パネルの表面温度の制御および室内温度・室内湿度の制御以外にも、上記空調システムSにおいては、適宜箇所で温度計および圧力計により作動媒体である水の温度および圧力が計測され、システム内を循環する水の温度および圧力が所期の範囲内となるように制御される。例えば図2に示すように、放射パネル1の入口側および熱媒体コイル59の入口側でそれぞれ通過する冷水の温度が計測され、この温度信号が顕熱処理用流路A1の圧縮機12および潜熱処理用流路B1の圧縮機15に伝送され、この温度信号に基づいて、各圧縮機12,15で回転数制御するか、あるいは例えば各圧縮機12,15が複数の圧縮機を直列に接続して構成される場合には圧縮機の運転台数を制御することにより、例えば冷房時には上記冷水温度が所定の値(20℃、7℃)となるように制御される。
上記構成の空調システムでは、除湿運転時においては、顕熱交換器58が、全熱交換器53を通過した室外の空気と、調湿ユニット68を通過し湿気が除去された低温の空気との間で顕熱交換を行うように構成されているため、室内空間に供給される空気に含まれる湿気を少ない状態に維持したまま(除湿された状態のまま)、当該空気の温度を効率よく再熱することができ、再熱負荷を低減させることができる。更に、顕熱交換器58の作用により、調湿ユニット68に導かれる空気の温度を低い状態に変化させることができるので、冷却コイルとして機能する熱媒体コイル59の作動負荷を低減させることができる。このように顕熱交換器58単体の作用により、室内空間に供給される空気を効率的に再熱することができると共に、熱媒体コイル59の作動負荷を低減させることができるので、大幅な省エネルギー効果を得ることができる上に、空気調和設備の小型化を図ることも可能になる。
また、加湿運転時においては、顕熱交換器58の作用により、室内空間に供給される空気に含まれる湿気を多い状態に維持したまま、当該空気の温度を効率よく下げることができる。更に、調湿ユニット68に導かれる空気の温度を、当該調湿ユニット68を通過した空気の熱エネルギーを利用して加温することができるので、加熱コイルとして機能する熱媒体コイル59の作動負荷を効率よく低減させることができ、高い省エネルギー効果を得ることが可能になる。
(実施の形態2)
図6は実施の形態2に係る空調システムの全体構成図である。以下、同図に基づきこの実施の形態2に係る空調システムを説明するが、同図に示す実施の形態2において前記図2に示す実施の形態1と同様の部位には同一の符号を付しその説明は省略する。また、この実施の形態2は、前記実施の形態1と同様に、空調システムを冷凍機として冷房時に使用する例を示す。
上記実施の形態1では、ペリメータゾーンについて考慮せずに、専らインテリアゾーンにいる居住者Hの冷房について説明したけれども、ペリメータゾーンでは外気の影響を受け、夏場においてはブラインド80の表面が35℃程度の高温となっている。従って、ペリメータゾーンにおいては、熱放射の負荷が、インテリアゾーンの場合(31−23=8℃)に比べて、大きくなる(ペリメータゾーンの場合は35−23=12℃で、インテリアゾーンよりも1.5倍大きくなる)。そして、ブラインド80からインテリアゾーンにいる居住者Hに対して熱放射による熱移動がなされる。そのため、インテリアゾーンにいる居住者Hは、放射パネルによる発熱量の吸収がなされても、ブラインド80からの熱放射により、その分だけ居住者Hの発熱量が抑制されることになり、実施の形態1に比べると若干暑く感じ、快適感が少し劣ることになる。そこで、インテリアゾーンに設置される放射パネル1A及びペリメータゾーンに設置される放射パネル1B共に、パネル本体7の表面温度を23℃となるように制御し、ブラインド80の熱放射を放射パネル1Bにより吸熱して、ブラインド80からの熱放射の影響を抑制するようにして、より快適感が得られるようにした。
具体的には、放射パネルを通過する熱媒体流通経路が、インテリアゾーンに設置される放射パネル1A専用の第1熱媒体流通経路K1と、ペリメータゾーンに設置される放射パネル1B専用の第2熱媒体流通経路K2の独立した2系統に分離されている。そして、放射パネル1Aには温度センサT10(第1の表面温度検出手段に相当)が設けられ、放射パネル1Bには温度センサT11(第2の表面温度検出手段に相当)が設けられている。さらに、第1熱媒体流通経路K1に関連してポンプP6,P8が設けられ、第2熱媒体流通経路K2に関連してポンプP7,P9が設けられている。また、第1熱媒体流通経路K1に関連して熱交換器26Aが設けられ、第2熱媒体流通経路K2に関連して熱交換器26Bが設けられている。また、ポンプP7は、ポンプP6よりも2倍程度の容量のものが用いられている。なお、実施の形態1と同様に、放射パネル1A及び放射パネル1Bには20℃の冷水が供給される(即ち、第1熱媒体流通経路K1及び第2熱媒体流通経路K2には20℃の冷水が供給される。)。
このような構成により、放射パネル1A及び放射パネル1B共に、パネル本体7の表面温度を23℃となるようにポンプP6,P7により制御した。具体的に説明すると、温度センサT10により放射パネル1Aにおけるパネル本体7の表面温度が検出されると、放射パネル1Aにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるようにポンプP6の出力が制御される。これと共に、温度センサT11により放射パネル1Bにおけるパネル本体7の表面温度が検出されると、放射パネル1Bにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるようにポンプP7の出力が制御される。そして、冷房時には、上記のようにペリメータゾーンの熱放射負荷がインテリアゾーンの熱放射負荷よりも1.5倍大きくなるので、それに応じて、放射パネル1Bに供給される流量は放射パネル1Aに供給される流量より大きくなるように、ポンプP6,P7の出力が制御される。これにより、放射パネル1A,B共に、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることになる。なお、定常状態では、放射パネル1A及び放射パネル1Bにそれぞれ流入する20℃の冷水は、放射パネル1A及び放射パネル1Bを通過して温度が23℃に上昇して、放射パネル1A及び放射パネル1Bそれぞれから流出していく。
このように、放射パネル1A,B共に、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることにより、インテリアゾーンにいる居住者Hは、ブラインド80からの熱放射の影響を受けることがなく、快適感が得られることになる。加えて、インテリアゾーンとペリメータゾーンの環境条件が均一化されるので、被空調室Rの何れの場所にいても、居住者Hは快適感が得られることになる。
一方、冬場には、ペリメータゾーンでは外気の影響を受け、ブラインド80の表面が室温20℃より低い温度(例えば10℃程度)となっている。従って、インテリアゾーンにいる居住者Hからブラインド80に対して熱放射による熱移動がなされる。そのため、インテリアゾーンにいる居住者Hは、ブラインド80に吸熱される分だけ実施の形態1に比べると若干寒く感じ、快適感が少し劣ることになる。そこで、放射パネル1A及び放射パネル1B共に、パネル本体7の表面温度を23℃となるように制御し、放射パネル1Bからブラインド80に対して熱放射を行い、インテリアゾーンにいる居住者Hからブラインド80に吸熱される影響を抑制するようにして、より快適感が得られるようにした。
具体的な制御方法は、基本的には上記夏場の場合と同様であり、放射パネル1A及び放射パネル1Bには25℃の温水を供給し(即ち、第1熱媒体流通経路K1及び第2熱媒体流通経路K2には25℃の温水を供給し)、放射パネル1A,B共に、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御した。即ち、温度センサT10により放射パネル1Aにおけるパネル本体7の表面温度が検出されると、放射パネル1Aにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるようにポンプP6の出力が制御される。これと共に、温度センサT11により放射パネル1Bにおけるパネル本体7の表面温度が検出されると、放射パネル1Bにおけるパネル本体7の表面温度を23℃になるようにポンプP7の出力が制御される。
ここで、暖房時には、インテリアゾーンでは居住者Hから放射パネル1Aに向けて熱放射による熱移動がなされるのに対して、ペリメータゾーンではブラインド80から放射パネル1Bに向けて熱放射による熱移動がなされる。従って、放射パネル1Bでの放熱量は、放射パネル1Aでの放熱量に比べて、居住者Hから放射パネル1Aへ伝達される熱量と、ブラインド80から放射パネル1Bへ伝達される熱量の総和の熱量分だけ大きいと考えられる。従って、それに応じて、放射パネル1Bに供給される流量は放射パネル1Aに供給される流量より大きくなるように、ポンプP6,P7の出力が制御される。これにより、放射パネル1A及び放射パネル1B共に、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることになる。なお、定常状態では、放射パネル1A及び放射パネル1Bにそれぞれ流入する25℃の温水は、放射パネル1A及び放射パネル1Bを通過して温度が23℃に下降して、放射パネル1A及び放射パネル1Bそれぞれから流出していく。
こうして、冬場においても、放射パネル1A,B共に、パネル本体7の表面温度が23℃となるように制御されることにより、インテリアゾーンにいる居住者Hは、ブラインド80からの熱放射の影響を受けることがなく、快適感が得られることになる。加えて、インテリアゾーンとペリメータゾーンの環境条件が均一化されるので、被空調室Rの何れの場所にいても、居住者Hは快適感が得られることになる。
(実施の形態3)
図7は実施の形態3に係る空調システムの全体構成図、図8は実施の形態3に係る空調システムにおける冷房時の流路を示す構成図、図9は実施の形態3に係る空調システムにおける暖房時の流路を示す構成図である。以下、同図に基づきこの実施の形態3に係る空調システムを説明するが、同図に示す実施の形態3において前記図2に示す実施の形態1と同様の部位には同一の符号を付しその説明は省略する。この実施の形態3は、前記実施の形態1の空調システムにおいて、顕熱処理用流路A1に地下水を用いる構成である。
地面100には、二つの井戸101,102が、適宜距離Lを隔てて掘削されている。井戸101と井戸102との間には、配管103、熱交換器26、配管104、熱交換器105、及び配管106による循環流路が形成されている。
配管104の途中には三方切換弁107が配設されている。この三方切換弁107には配管108の一端が接続され、配管108の他端は配管65上の合流部109に接続されている。そして、この三方切換弁107によって、熱交換器26と熱交換器105とが連通する流路状態と、熱交換器105と配管108とが連通する流路状態とに切換え可能となっている。また、配管106の途中には三方切換弁110,111が配設されている。三方切換弁110には配管112の一端が接続され、配管112の他端は配管64上の合流部113に接続されている。そして、この三方切換弁110によって、熱交換器105と配管112とが連通する流路状態と、熱交換器105と井戸102とが連通する流路状態とに切換え可能となっている。また、三方切換弁111には配管114の一端が接続され、配管114の他端は配管104上の合流部115に接続されている。そして、この三方切換弁111によって、熱交換器105と井戸102とが連通する流路状態と、配管114と井戸102とが連通する流路状態とに切換え可能となっている。
冷房時には、三方切換弁107は、熱交換器26と熱交換器105とが連通する流路状態に切換えられ、三方切換弁110は、熱交換器105と井戸102とが連通する流路状態に切換えられ、三方切換弁111は、熱交換器105と井戸102とが連通する流路状態に切換えられる。これにより、図7に示す流路が構成される。このような流路構成により、両井戸101,102のうち一方の井戸101からポンプP20により地下水(16℃)が汲み上げられ、汲み上げられた地下水は熱交換器26、熱交換器105を流通して他方の井戸102に還元され、排熱が井戸102に蓄熱されるようになっている。即ち、井戸101は揚水井として機能し、井戸102は還元井として機能する。なお、放射パネルに直接井戸水を送水せず熱交換器105を介在させているのは、井戸水の成分による放射パネルの腐食の発生を防止するためである。
暖房時には、三方切換弁107は、熱交換器105と配管108とが連通する流路状態に切換えられ、三方切換弁110は、熱交換器105と配管112とが連通する流路状態に切換えられ、三方切換弁111は、配管114と井戸102とが連通する流路状態に切換えられる。これにより、図8に示す流路が構成される。暖房時においては、井戸102からポンプP21により地下水を汲み上げる。これは、上記したように夏季において井戸102側に地中蓄熱したので、地下水の温度が高くなっており、熱源水として利用可能となっているからである。井戸102から汲み上げられた地下水は、熱交換器26を経て井戸101に還元される。
このように顕熱処理用流路A1に地下水を用いる構成によっても、放射空調システムを構成することができる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態では、パネル本体の表面温度を所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量を変化させたけれども、放射パネルに流入する熱媒体の入口温度を変化させるようにしてもよい。また、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の両者を変化させるようにしてもよい。
(2)上記実施の形態2ではポンプP6,P7を周波数制御によりポンプ出力を変化させて放射パネル1A,1Bに供給される流量を制御したけれども、冷凍機等の熱源機の出口ラインに1台のポンプを設けると共に、当該出口ラインを分岐させて、一方の分岐ラインに第1熱媒体流通経路K1を接続し、他方の分岐ラインに第2熱媒体流通経路K2を接続し、一方の分岐ラインと他方の分岐ラインにそれぞれ制御弁を設け、各制御弁の開度を個別に制御するように構成してもよい。
(3)上記実施の形態におけるパネル本体の表面温度を検出する温度センサは、パネル本体表面に接触する接触型の温度センサであってもよく、また、赤外線放射温度計等のパネル本体表面に非接触である非接触型の温度センサであってもよい。
(4)上記実施の形態では、夏季の室温は28℃、冬季の室温は20℃となるように制御したけれども、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、夏季室温は25℃〜28℃の何れかの温度、冬季室温は21℃〜22℃の何れかの温度としてもよい。但し、省エネルギーの図る観点からは、夏季室温は28℃、冬季室温は20℃とするのが好ましい。
(5)上記実施の形態では、パネル本体の表面温度を23℃になるように制御したけれども、本発明はこれに限定されるものではなく、夏場の設定室温よりも少し低く、且つ、冬場の設定室温より少し高い温度であればよい。例えば、夏場の設定室温が28℃、冬場の設定室温が20℃の場合、22℃〜25℃の範囲の何れかの温度を、パネル本体の表面温度とすれば十分な快適感が得られる。
(6)上記実施の形態では、顕熱処理用流路A1を循環して顕熱処理用に調製された作動流体を、熱交換器26を介して潜熱処理用流路B1の冷却冷媒として用いるように構成されていたが、熱交換器26をなくして、潜熱処理用流路B1の冷却媒体を供給する手段として別途に冷却塔を設け、顕熱処理用流路A1と潜熱処理用流路B1と完全に分離した構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、冷凍機として、水冷媒冷凍機を用いたけれども、これに限定されず、フロンやその他の冷媒を用いる冷凍機であってもよい。また、上記実施の形態においては、空調システム内を循環する作動媒体として水が使用されているが、この作動媒体としては、適宜な溶質を含有する水溶液であってもよい。
(8)上記実施の形態では、熱源機として冷凍機を用いたけれども、チラーや吸収式冷温水機等の熱源機を用いるようにしてもよい。
(9)上記実施の形態では、ダンパー61の開度を制御して室内温度を制御したけれども、弁66の開度を制御することによっても行うことが可能である。即ち、除湿運転時においては、調湿換気装置50における熱媒体コイル59に供給する冷水の温度や流量などを制御することにより、熱媒体コイル59を通過し顕熱交換器58に導かれる空気の温度を容易に変化させることができる。この結果、顕熱交換器58を通過して室内空間に供給される空気の温度を所望の値に設定することができ、室内空間の室温制御を容易に行うことができる。同様に、加湿運転時においても、熱媒体コイル59に供給する温水の温度や流量を制御することにより、室内空間に供給される空気の温度を所望の値に設定することが可能になる。従って、弁66の開度を制御することにより、室内空間の湿度制御に加えて、温度制御を行うことができる。
本発明は、病院、高齢者施設、図書館等の各種建物内における空間内の調温および調湿を行うための空調システム及びその制御方法に広汎に適用することが可能である。
本発明に係る放射空調システムの制御方法の原理を説明するための図。 実施の形態1の空調システムの全体構成図。 放射パネルの平面図。 調湿装置の構成図。 空調システムSにおける放射パネルの表面温度制御、室温及び湿度制御に関連する電気的構成を示すブロック図。 実施の形態2の空調システムの全体構成図。 実施の形態3の空調システムの全体構成図。 実施の形態3に係る空調システムにおける冷房時の流路を示す構成図。 実施の形態3に係る空調システムにおける暖房時の流路を示す構成図。
符号の説明
1,1A,1B:放射パネル 6:熱媒体流通管
1a:放射パネル1のうちインテリアゾーンに存在する放射パネル部分
7:パネル本体 12,15:圧縮機
50:調湿換気装置 53:全熱交換器
58:顕熱交換器 59:熱媒体コイル
54,61:ダンパー 66:室内湿度制御用開閉弁
70:制御装置
T1:温度センサ(表面温度検出手段)
T2:温度センサ(外気温度検出手段)
T3:温度センサ(室内温度検出手段)
T4:湿度センサ(室内湿度検出手段)
T10:温度センサ(第1の表面温度検出手段)
T11:温度センサ(第2の表面温度検出手段)
R:被空調室 P1〜P9:ポンプ
K1:第1熱媒体流通経路 K2:第1熱媒体流通経路

Claims (6)

  1. 熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井に設置し、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムの制御方法であって、
    前記パネル本体の表面温度を検出する第1ステップと、
    第1ステップの検出結果に基づき、前記パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる第2ステップと、
    を備え、
    前記被空調室がインテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成され、前記放射パネルはインテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って設置されており、放射パネルを通過する前記熱媒体流通経路が、インテリアゾーンに設置される放射パネル専用の第1熱媒体流通経路と、ペリメータゾーンに設置される放射パネル専用の第2熱媒体流通経路の独立した2系統に分離されており、
    前記第1ステップ及び前記第2ステップが、インテリアゾーンとペリメータゾーン毎に個別に行われることを特徴とする放射空調システムの制御方法。
  2. インテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成される被空調室の天井に、インテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って放射パネルを設置し、この放射パネルは、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と、該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えると共に、前記熱媒体流通経路がインテリアゾーンとペリメータゾーンとで共通の1系統の熱媒体流通経路で構成されており、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムの制御方法であって、
    前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第1ステップと、
    第1ステップの検出結果に基づき、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる第2ステップと、
    を備えたことを特徴とする放射空調システムの制御方法。
  3. 前記被空調室の室内温度の制御が、前記パネル本体の表面温度制御とは別個独立して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射空調システムの制御方法。
  4. 熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えた放射パネルを、被空調室の天井に設置し、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムであって、
    前記パネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、
    前記表面温度検出手段の検出結果に基づき、前記パネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる放射パネル制御手段と、
    を備え、
    前記被空調室がインテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成され、前記放射パネルはインテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って設置されており、放射パネルを通過する前記熱媒体流通経路が、インテリアゾーンに設置される放射パネル専用の第1熱媒体流通経路と、ペリメータゾーンに設置される放射パネル専用の第2熱媒体流通経路の独立した2系統に分離されており、
    前記表面温度検出手段は、インテリアゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第1の表面温度検出手段と、ペリメータゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する第2の表面温度検出手段とを備え、
    前記放射パネル制御手段は、第1の表面温度検出手段の検出結果に基づき、インテリアゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように制御すると共に、第2の表面温度検出手段の検出結果に基づき、ペリメータゾーンに設置される放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を、冷房時及び暖房時に拘らず常時前記インテリアゾーン設置のパネル本体に関する所定温度と同一の所定温度になるように制御することを特徴とする放射空調システム。
  5. インテリアゾーンとペリメータゾーンとから構成される被空調室の天井に、インテリアゾーンとペリメータゾーンの両ゾーンに亘って放射パネルを設置し、この放射パネルは、熱媒体が流れる熱媒体流通経路を構成する熱媒体流通管と、該熱媒体流通管内を流れる熱媒体から受熱してその熱を放射するパネル本体とを備えると共に、前記熱媒体流通経路がインテリアゾーンとペリメータゾーンとで共通の1系統の熱媒体流通経路で構成されており、放射パネルの熱放射により冷暖房を行う放射空調システムであって、
    前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を検出する表面温度検出手段と、
    前記表面温度検出手段の検出結果に基づき、前記インテリアゾーンに設置されている放射パネルにおけるパネル本体の表面温度を冷房時及び暖房時に拘らず常時所定温度になるように、放射パネルを通過する熱媒体の流量及び放射パネルに流入する熱媒体の入口温度の少なくとも一方を変化させる放射パネル制御手段と、
    を備えたことを特徴とする放射空調システム。
  6. 前記被空調室の室内温度を検出する室内温度検出手段と、
    外気温度を検出する外気温度検出手段と、
    前記被空調室の室内湿度を検出する室内湿度検出手段と、
    外気を所定温度に調整する温度調整手段及び外気を所定湿度に調整する湿度調整手段を備え、該温度調整手段及び該湿度調整手段により調整された外気を被空調室に導入する調湿換気装置と、
    前記室内温度検出手段、外気温度検出手段及び室内湿度検出手段の検出結果に基づき、前記調湿換気装置の温度調整手段及び湿度調整手段を制御して室内温度及び室内湿度を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の放射空調システム。
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