JP2007120847A - 天井冷房システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却媒体の通過に伴う冷却パネルでの結露の発生自体を防ぐことにより、カビの発生や居室内への漏滴等の問題を回避することができるとともに、居室内雰囲気の湿度を下げすぎてしまうことがなく、快適な冷房を行うことのできる、新規な天井冷房システムの開発を技術課題とした。
【解決手段】冷却パネル1の表面温度を測定するための計測手段と、居室R内の温度及び湿度を測定するための計測手段とを具え、設定温度にまで居室内雰囲気Aを冷却するような冷媒設定温度及び冷媒設定流量とされた冷却媒体が、冷却パネル1を通過しているときの冷却パネル1の表面温度を測定し、この冷却パネル1の表面温度以下の露点温度になるように前記居室内雰囲気Aを除湿するようにしたことを特徴として成り、居室内雰囲気Aが冷却パネル1に接した際に、冷却パネル1の表面に結露が生じてしまうのを防ぐことができる。
【選択図】図1
【解決手段】冷却パネル1の表面温度を測定するための計測手段と、居室R内の温度及び湿度を測定するための計測手段とを具え、設定温度にまで居室内雰囲気Aを冷却するような冷媒設定温度及び冷媒設定流量とされた冷却媒体が、冷却パネル1を通過しているときの冷却パネル1の表面温度を測定し、この冷却パネル1の表面温度以下の露点温度になるように前記居室内雰囲気Aを除湿するようにしたことを特徴として成り、居室内雰囲気Aが冷却パネル1に接した際に、冷却パネル1の表面に結露が生じてしまうのを防ぐことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却媒体を通過させる冷却パネルを居室内に配する冷房システムに関するものであって、特に冷却媒体の通過に伴う結露の発生を防ぐことにより、居室内への水滴の落下等の問題を回避することができるとともに、居室内雰囲気の湿度を下げすぎてしまうことがなく、快適な冷房を行うことのできる天井冷房システムに係るものである。
居室等の冷暖房を行う方式の一つにパネル式冷暖房あるいは輻射式冷暖房と呼ばれる方式がある。この冷暖房方式は、冷却媒体・加熱媒体を通過させるパネルを居室内の床・天井・壁等に配するものであり、床暖房、天井冷房等とも呼ばれている。
このうち特にパネル式冷房は、冷却パネル内に配された冷却管内に、15〜6℃(井戸水と略同じ温度)の水を通過させて居室内雰囲気の熱を奪うものであって、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わないものであるため、快適な冷房を体感できるものである。
このうち特にパネル式冷房は、冷却パネル内に配された冷却管内に、15〜6℃(井戸水と略同じ温度)の水を通過させて居室内雰囲気の熱を奪うものであって、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わないものであるため、快適な冷房を体感できるものである。
しかしながら現実には、前記パネル式冷房は窓の開閉の少ない病院や美術館等の大空間で利用されている程度であって、一般住宅に普及するまでには至っていない。
その原因は、現状ではイニシャルコストが高いということもあるが、結露の問題が主たるものとなっている。
すなわち日本のように夏季に高温多湿となる環境下では、除湿機能が必要不可欠であり、既存のパネル式冷房にあっては、冷却媒体が冷却管を通過する際に積極的に結露を生じさせることにより除湿を行っている。この際、天井や壁からの結露が水滴となって落ちてくるのを防ぐために、多孔質の吸湿性素材によって冷却管を被覆したり、冷却管の下方に樋を配する等の対策が提案されてはいるものの、カビの発生やハウスダストによる排水路の詰まりを引き起こしてしまうといった問題を抱えていた(例えば特許文献1参照)。
その原因は、現状ではイニシャルコストが高いということもあるが、結露の問題が主たるものとなっている。
すなわち日本のように夏季に高温多湿となる環境下では、除湿機能が必要不可欠であり、既存のパネル式冷房にあっては、冷却媒体が冷却管を通過する際に積極的に結露を生じさせることにより除湿を行っている。この際、天井や壁からの結露が水滴となって落ちてくるのを防ぐために、多孔質の吸湿性素材によって冷却管を被覆したり、冷却管の下方に樋を配する等の対策が提案されてはいるものの、カビの発生やハウスダストによる排水路の詰まりを引き起こしてしまうといった問題を抱えていた(例えば特許文献1参照)。
また上述のような結露の問題を解消すべく、冷却管周辺で結露が発生したことをセンサによって検出した時点で冷却管への冷却媒体の供給を停止させ、結露が水滴となって落ちてくる前にその発生を止めることも試みられている(例えば特許文献2参照)。しかしながらこのようなシステムは、結露が発生することを前提としているものであり、結露の滴下やカビの発生等の問題を完全に解消し得るものではなかった。
更に近時、省エネルギーや二酸化炭素放出削減を目的として、官公庁を中心に夏季の冷房温度を28℃と高めに設定するとともに軽装を推奨することも試みられているが、現実には既存の冷房装置では暑苦しさを感じることは否めないため、新たな冷房システムの開発が望まれている。
特開2002−276982号公報
特許第3447257号公報
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、特に冷却媒体の通過に伴う冷却パネルでの結露の発生自体を防ぐことにより、カビの発生や居室内への漏滴等の問題を回避することができ、更に居室内雰囲気の温度及び湿度を下げすぎてしまうことがなく、快適な冷房を行うことができるとともに、冷却装置の負荷を低減して省エネルギー化を実現することのできる、新規な天井冷房システムの開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の天井冷房システムは、冷却媒体を通過させるための冷却管を具えた冷却パネルと、前記冷却媒体の冷却手段と、除湿装置とを具え、前記冷却パネルを居室内に配し、その冷却管内を通過させる冷却媒体の温度と流量とを制御することにより冷却パネルを冷却し、居室内雰囲気を所望の設定温度に冷却するとともに、前記除湿装置によって居室内雰囲気の除湿を行うことにより、居室内雰囲気を比較的高温でありながらも快適な状態とする冷房システムにおいて、前記冷却パネルの表面温度を測定するための計測手段と、前記居室内の温度及び湿度を測定するための計測手段とを具え、前記設定温度にまで居室内雰囲気を冷却するような冷媒設定温度及び冷媒設定流量とされた冷却媒体が、前記冷却パネルを通過しているときの冷却パネルの表面温度を測定し、この冷却パネルの表面温度以下の露点温度になるように前記居室内雰囲気を除湿するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、冷却パネルの表面温度を把握することにより、当該温度において居室内雰囲気に結露が生じないようにその露点を下げることができ、居室内雰囲気が冷却パネルに接した際に、冷却パネルの表面に結露が生じてしまうのを防ぐことができる。このため結露が水滴となって落ちてくるようなことがなく、冷却パネルを天井以外にも、壁や床に設置することが可能となる。
また居室内雰囲気を除湿することにより、この居室内雰囲気の温度を必要以上に下げることなく快適な状態とすることができるため、冷却パネルに供給される冷却媒体の温度も必要以上に下げる必要がなくなり、冷却装置の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることが可能となる。
更にまた居室内雰囲気を、その温度に対して必要以上に湿度を下げてしまわないため、過乾燥による人体への悪影響や火災の危険を回避しながら快適な冷房を行うことができる。
そしてこれらの効果の相乗効果により、居室内雰囲気の熱を均一に奪うとともに、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わない快適な天井冷房を実現することが可能となる。
この発明によれば、冷却パネルの表面温度を把握することにより、当該温度において居室内雰囲気に結露が生じないようにその露点を下げることができ、居室内雰囲気が冷却パネルに接した際に、冷却パネルの表面に結露が生じてしまうのを防ぐことができる。このため結露が水滴となって落ちてくるようなことがなく、冷却パネルを天井以外にも、壁や床に設置することが可能となる。
また居室内雰囲気を除湿することにより、この居室内雰囲気の温度を必要以上に下げることなく快適な状態とすることができるため、冷却パネルに供給される冷却媒体の温度も必要以上に下げる必要がなくなり、冷却装置の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることが可能となる。
更にまた居室内雰囲気を、その温度に対して必要以上に湿度を下げてしまわないため、過乾燥による人体への悪影響や火災の危険を回避しながら快適な冷房を行うことができる。
そしてこれらの効果の相乗効果により、居室内雰囲気の熱を均一に奪うとともに、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わない快適な天井冷房を実現することが可能となる。
また請求項2記載の天井冷房システムは、前記要件に加え、前記居室内雰囲気の湿度を測定し、この居室内雰囲気が冷媒設定温度において結露しないように、居室内雰囲気を除湿してその露点を下げておき、その後、冷却媒体を冷却パネルに供給することを特徴として成るものである。
この発明によれば、冷却システムの起動時に、冷却パネル表面に結露が生じてしまうのを回避することができる。
この発明によれば、冷却システムの起動時に、冷却パネル表面に結露が生じてしまうのを回避することができる。
更にまた請求項3記載の天井冷房システムは、前記要件に加え、前記除湿装置は、吸着方式の装置であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、居室内雰囲気の温度を低下させることなく除湿することができるため、快適な空調を行うことができる。
この発明によれば、居室内雰囲気の温度を低下させることなく除湿することができるため、快適な空調を行うことができる。
更にまた請求項4記載の天井冷房システムは、前記要件に加え、前記冷却媒体は、二酸化炭素であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、熱搬送能力の高い二酸化炭素を冷却媒体とすることにより、冷却装置の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることができるとともに、冷却パネルの冷却管内に位置する冷却媒体が少量で済むため、冷却パネルの小型化、計量化を図ることができる。
この発明によれば、熱搬送能力の高い二酸化炭素を冷却媒体とすることにより、冷却装置の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることができるとともに、冷却パネルの冷却管内に位置する冷却媒体が少量で済むため、冷却パネルの小型化、計量化を図ることができる。
更にまた請求項5記載の天井冷房システムは、前記要件に加え、前記冷却媒体を自然循環するように構成されたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、冷房システムの機構を単純化できるとともに、駆動源を省略するため省力運転が可能となる。
この発明によれば、冷房システムの機構を単純化できるとともに、駆動源を省略するため省力運転が可能となる。
更にまた請求項6記載の天井冷房システムは、前記要件に加え、前記冷却パネルは水平面に対して傾斜して設置されていることを特徴として成るものである。
この発明によれば、冷却パネルに接して温度の低下した居室内雰囲気に下降流を起こさせることができ、居室内雰囲気全体を攪拌して冷房効果を高めることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
この発明によれば、冷却パネルに接して温度の低下した居室内雰囲気に下降流を起こさせることができ、居室内雰囲気全体を攪拌して冷房効果を高めることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
本発明によれば、特に冷却媒体の通過による冷却パネルでの結露の発生自体を防ぐことにより、カビの発生や居室内への漏滴等の問題を回避することでき、更に居室内雰囲気の温度及び湿度を下げすぎてしまうことがなく、快適な冷房を行うことができるとともに、冷却装置の負荷を低減して省エネルギー化を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態は、以下述べる図示の実施例をその一つとするものである。またこの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
図中符号Sで示すものが本発明の天井冷房システムの一例であり、このものは、冷却媒体を通過させるための冷却管10を具えた冷却パネル1と、前記冷却媒体の冷却手段たる冷却装置2と、除湿装置3とを具え、前記冷却パネル1を居室R内に配し、その冷却管10内に通過させる冷却媒体の温度と流量とを制御することにより冷却パネル1を冷却し、居室内雰囲気Aを所望の設定温度に冷却するとともに、前記除湿装置3によって居室内雰囲気Aの除湿を行う冷房システムである。
以下、これら天井冷房システムSの構成要素について詳しく説明する。
まず前記冷却パネル1について説明すると、このものは適宜の枠体内に冷却管10が具えられて成り、居室Rの天井C、壁、床等に設置されるものである。
また前記冷却管10には、供給管20及び戻り管21を用いて冷却装置2が接続されるものであり、この冷却装置2から循環供給される冷却媒体によって冷却管10全体が所望の設定温度に保たれるものである。
なお冷却管10は九折状に形成されて、居室内雰囲気Aとの接触面積の増大が図られている。
また前記冷却管10は居室内雰囲気Aと直接接触するようにしてもよいし、適宜熱伝導性の高いカバー11で覆うことにより、間接的に居室内雰囲気Aと接触するようにしてもよい。
更に前記冷却パネル1の表面温度を測定するための計測手段として、温度センサ12が具えられるものであり、居室内雰囲気Aと直接接触する冷却管10(カバー11を設けた場合にはカバー11の居室側の面)に対して、その表面温度を計測できるように設置される。
また冷却パネル1は図2に示すように、水平面に対して傾斜して設置してもよく、この場合には冷却パネル1に接して温度の低下した居室内雰囲気Aに下降流を起こさせることができ、居室内雰囲気A全体を攪拌して冷房効果を高めることができる。
更にまた図3に示すように、冷却パネル1を居室Rの壁や床に設置するようにしてもよい。
まず前記冷却パネル1について説明すると、このものは適宜の枠体内に冷却管10が具えられて成り、居室Rの天井C、壁、床等に設置されるものである。
また前記冷却管10には、供給管20及び戻り管21を用いて冷却装置2が接続されるものであり、この冷却装置2から循環供給される冷却媒体によって冷却管10全体が所望の設定温度に保たれるものである。
なお冷却管10は九折状に形成されて、居室内雰囲気Aとの接触面積の増大が図られている。
また前記冷却管10は居室内雰囲気Aと直接接触するようにしてもよいし、適宜熱伝導性の高いカバー11で覆うことにより、間接的に居室内雰囲気Aと接触するようにしてもよい。
更に前記冷却パネル1の表面温度を測定するための計測手段として、温度センサ12が具えられるものであり、居室内雰囲気Aと直接接触する冷却管10(カバー11を設けた場合にはカバー11の居室側の面)に対して、その表面温度を計測できるように設置される。
また冷却パネル1は図2に示すように、水平面に対して傾斜して設置してもよく、この場合には冷却パネル1に接して温度の低下した居室内雰囲気Aに下降流を起こさせることができ、居室内雰囲気A全体を攪拌して冷房効果を高めることができる。
更にまた図3に示すように、冷却パネル1を居室Rの壁や床に設置するようにしてもよい。
次に前記冷却装置2について説明すると、このものは前記冷却パネル1に接続され、冷却パネル1を通過して居室R内の熱を受けて温度の上昇した冷却媒体を冷却するための装置であり、適宜圧縮機、熱交換器等を具えて成るものである。また冷却装置2と冷却パネル1とを接続する供給管20または戻り管21には循環用のポンプPが具えられる。
なお冷却装置2に対して昇温機能を持たせることにより、本発明の天井冷房システムSを暖房システムとして機能させることもできる。
また前記ポンプPを用いることなく、冷却媒体が自然循環するように構成することもできるものであって、この場合には、冷却装置2を冷却パネル1よりも高所に配するとともに、冷却装置2によって冷却された冷却媒体の温度が、冷却管10から排出された冷却媒体の温度よりも低温となるようにする必要がある。このように構成・操作することにより、戻り管21内の冷却媒体は気相状態あるいは気液混相状態となり、戻り管21内の正味の液面レベルが供給管20内の液面レベルよりも低くなり、この液ヘッド差により冷却媒体の自然循環がなされることとなる。
なお冷却装置2に対して昇温機能を持たせることにより、本発明の天井冷房システムSを暖房システムとして機能させることもできる。
また前記ポンプPを用いることなく、冷却媒体が自然循環するように構成することもできるものであって、この場合には、冷却装置2を冷却パネル1よりも高所に配するとともに、冷却装置2によって冷却された冷却媒体の温度が、冷却管10から排出された冷却媒体の温度よりも低温となるようにする必要がある。このように構成・操作することにより、戻り管21内の冷却媒体は気相状態あるいは気液混相状態となり、戻り管21内の正味の液面レベルが供給管20内の液面レベルよりも低くなり、この液ヘッド差により冷却媒体の自然循環がなされることとなる。
次に前記除湿装置3について説明するとこのものは、居室Rの壁面等に形成された吸気口31を通じて取り込まれた居室内雰囲気Aを除湿し、再び給気口32から居室R内に戻すように設置される装置である。また除湿装置3自体を居室R内に配置するようにしてもよい。
なお前記除湿装置3の方式には、冷却方式、圧縮方式、吸着方式、吸収方式等があるが、この実施例では吸着方式の装置を採用するようにした。この吸着方式の除湿装置3は、水分を吸着しやすい固体(吸着剤)に空気を通過させることにより除湿を行う装置であり、吸着能力の低下した吸着剤は昇温した空気によって乾燥させることにより再生されるものである。なお吸着式の除湿装置3には、吸着剤を充填した二つの塔を吸着側・再生側として切り替えながら使用する吸着塔式の装置や、吸湿性のロータを回転させて吸湿・再生を繰り返すハニカムロータ回転式の装置等がある。
因みにこの実施例で吸着式の除湿装置3を採用したのは、居室内雰囲気Aの温度を低下させることなく除湿することができるからである。
なお前記除湿装置3の方式には、冷却方式、圧縮方式、吸着方式、吸収方式等があるが、この実施例では吸着方式の装置を採用するようにした。この吸着方式の除湿装置3は、水分を吸着しやすい固体(吸着剤)に空気を通過させることにより除湿を行う装置であり、吸着能力の低下した吸着剤は昇温した空気によって乾燥させることにより再生されるものである。なお吸着式の除湿装置3には、吸着剤を充填した二つの塔を吸着側・再生側として切り替えながら使用する吸着塔式の装置や、吸湿性のロータを回転させて吸湿・再生を繰り返すハニカムロータ回転式の装置等がある。
因みにこの実施例で吸着式の除湿装置3を採用したのは、居室内雰囲気Aの温度を低下させることなく除湿することができるからである。
そしてこれら冷却装置2、除湿装置3及びポンプPは、制御装置5によって制御されるものであり、前記冷却パネル1の表面温度を測定するための温度センサ12並びに居室R内に設置された温度センサ51及び湿度センサ52の検出値に基づいて天井冷房システムSが運転されることとなる。
なお前記冷却媒体としては、この実施例では二酸化炭素が採用されるものであり、熱搬送能力の高い二酸化炭素を冷却媒体とすることにより、冷却パネル1の冷却管10内に位置する冷却媒体が少量で済むため、冷却パネル1の小型化、計量化及び消費エネルギーの低減化を図ることができる。この他にも水等を冷却媒体として採用することもできる。
なお前記冷却媒体としては、この実施例では二酸化炭素が採用されるものであり、熱搬送能力の高い二酸化炭素を冷却媒体とすることにより、冷却パネル1の冷却管10内に位置する冷却媒体が少量で済むため、冷却パネル1の小型化、計量化及び消費エネルギーの低減化を図ることができる。この他にも水等を冷却媒体として採用することもできる。
本発明の天井冷房システムSは一例として上述のようにして構成されるものであって、以下この天井冷房システムSの作動態様について説明する。
(1)冷房温度の設定
天井冷房システムSの稼動にあたっては、居室R内に設けられたコントローラ50を用いて居室R内の温度、すなわち空調される居室内雰囲気Aの温度設定を行うものであり、この値を設定温度t1 とする。
なお本発明の天井冷房システムSにあっては、居室内雰囲気Aは除湿装置3によって除湿されるため、居室内雰囲気Aを比較的高温としながらも快適な状態(個人差もあるが一例として29℃、湿度42%)とすることができるものである。ここで比較的高温とは、広く普及しているヒートポンプ式のエアコンの場合、居室R内の人が快適に感じる状態は25℃前後(湿度70%)であるため、この温度よりも数℃高いことを意味するものである。
(1)冷房温度の設定
天井冷房システムSの稼動にあたっては、居室R内に設けられたコントローラ50を用いて居室R内の温度、すなわち空調される居室内雰囲気Aの温度設定を行うものであり、この値を設定温度t1 とする。
なお本発明の天井冷房システムSにあっては、居室内雰囲気Aは除湿装置3によって除湿されるため、居室内雰囲気Aを比較的高温としながらも快適な状態(個人差もあるが一例として29℃、湿度42%)とすることができるものである。ここで比較的高温とは、広く普及しているヒートポンプ式のエアコンの場合、居室R内の人が快適に感じる状態は25℃前後(湿度70%)であるため、この温度よりも数℃高いことを意味するものである。
(2)冷却媒体の条件設定
次いで温度センサ51によって居室内雰囲気Aの温度測定を行うものであり、この値を居室内温度t0 とする。
また同時に湿度センサ52によって居室内雰囲気Aの湿度測定を行うものであり、この値を居室内湿度p0 とする。
そしてこれらの測定値及び設定温度t1 並びに冷却管10の熱伝導率、放射面積等を考慮して、冷却パネル1に供給する冷却媒体の温度(冷媒設定温度t2 )及び流量(冷媒設定流量)が決定される。
なお本発明の天井冷房システムSにおいては、設定温度t1 を比較的高温に設定することができるため、冷却パネル1に供給される冷却媒体の温度も必要以上に下げる必要がなくなり、冷却装置2の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることができる。
次いで温度センサ51によって居室内雰囲気Aの温度測定を行うものであり、この値を居室内温度t0 とする。
また同時に湿度センサ52によって居室内雰囲気Aの湿度測定を行うものであり、この値を居室内湿度p0 とする。
そしてこれらの測定値及び設定温度t1 並びに冷却管10の熱伝導率、放射面積等を考慮して、冷却パネル1に供給する冷却媒体の温度(冷媒設定温度t2 )及び流量(冷媒設定流量)が決定される。
なお本発明の天井冷房システムSにおいては、設定温度t1 を比較的高温に設定することができるため、冷却パネル1に供給される冷却媒体の温度も必要以上に下げる必要がなくなり、冷却装置2の負荷が軽減されて消費エネルギーを抑えることができる。
(3)居室内雰囲気の除湿
そして冷却パネル1に冷却媒体を循環供給する前の段階で、冷媒設定温度t2 において結露が生じない湿度にまで、除湿装置3によって居室内雰囲気Aを除湿してその露点を下げておくものであり、冷却パネル1に冷却媒体が供給されて居室内雰囲気Aが冷却パネル1に接触したときに、結露が発生しないようにする。
例えば、冷媒設定温度t2 が18℃である場合には、これより低い17℃の飽和水蒸気分圧である14.52mmHgの水蒸気分圧にまで居室内湿度p0 を下げておけば、冷却パネル1において結露が生じてしまうことはない。
もちろん前記居室内湿度p0 が充分に低く、冷却パネル1において結露が生じないと判断される場合には、ここでの除湿は行わなくてもよい。
そして冷却パネル1に冷却媒体を循環供給する前の段階で、冷媒設定温度t2 において結露が生じない湿度にまで、除湿装置3によって居室内雰囲気Aを除湿してその露点を下げておくものであり、冷却パネル1に冷却媒体が供給されて居室内雰囲気Aが冷却パネル1に接触したときに、結露が発生しないようにする。
例えば、冷媒設定温度t2 が18℃である場合には、これより低い17℃の飽和水蒸気分圧である14.52mmHgの水蒸気分圧にまで居室内湿度p0 を下げておけば、冷却パネル1において結露が生じてしまうことはない。
もちろん前記居室内湿度p0 が充分に低く、冷却パネル1において結露が生じないと判断される場合には、ここでの除湿は行わなくてもよい。
(4)継続運転
そして冷却装置2によって冷媒設定温度t2 とされた冷却媒体を、冷媒設定流量で冷却パネル1に対して供給するものであり、これにより冷却パネル1(冷却管10)が冷却され、居室内雰囲気Aは熱が奪われてやがて設定温度t1 となり、居室Rの冷房が行われることとなる。
またこのとき、冷却パネル1は水平面に対して傾斜して設置されているため、冷却パネル1に接して温度の低下した居室内雰囲気Aに下降流が生起され、居室内雰囲気A全体を攪拌して冷房効果が高められることとなる。
そして常時あるいは一定の間隔で、温度センサ12によって冷却パネル1の表面温度を測定し、この冷却パネル温度t3 において結露が生じない湿度にまで、除湿装置3によって居室内雰囲気Aを除湿してその露点を下げるようにする。
このとき除湿装置3は吸着方式の装置であるため、居室内雰囲気Aの温度を低下させることなく除湿することができ、快適な空調を行うことができる。
そしてこれらの効果の相乗効果により、居室内雰囲気Aの熱を均一に奪うとともに、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わない快適な天井冷房が行われることとなる。
そして冷却装置2によって冷媒設定温度t2 とされた冷却媒体を、冷媒設定流量で冷却パネル1に対して供給するものであり、これにより冷却パネル1(冷却管10)が冷却され、居室内雰囲気Aは熱が奪われてやがて設定温度t1 となり、居室Rの冷房が行われることとなる。
またこのとき、冷却パネル1は水平面に対して傾斜して設置されているため、冷却パネル1に接して温度の低下した居室内雰囲気Aに下降流が生起され、居室内雰囲気A全体を攪拌して冷房効果が高められることとなる。
そして常時あるいは一定の間隔で、温度センサ12によって冷却パネル1の表面温度を測定し、この冷却パネル温度t3 において結露が生じない湿度にまで、除湿装置3によって居室内雰囲気Aを除湿してその露点を下げるようにする。
このとき除湿装置3は吸着方式の装置であるため、居室内雰囲気Aの温度を低下させることなく除湿することができ、快適な空調を行うことができる。
そしてこれらの効果の相乗効果により、居室内雰囲気Aの熱を均一に奪うとともに、現在家庭用に広く普及しているヒートポンプ式のエアコンのように冷気の送風や過乾燥を伴わない快適な天井冷房が行われることとなる。
S 天井冷房システム
1 冷却パネル
10 冷却管
11 カバー
12 温度センサ
2 冷却装置
20 供給管
21 戻り管
P ポンプ
3 除湿装置
31 吸気口
32 給気口
5 制御装置
50 コントローラ
51 温度センサ
52 湿度センサ
R 居室
C 天井
A 居室内雰囲気
1 冷却パネル
10 冷却管
11 カバー
12 温度センサ
2 冷却装置
20 供給管
21 戻り管
P ポンプ
3 除湿装置
31 吸気口
32 給気口
5 制御装置
50 コントローラ
51 温度センサ
52 湿度センサ
R 居室
C 天井
A 居室内雰囲気
Claims (6)
- 冷却媒体を通過させるための冷却管を具えた冷却パネルと、前記冷却媒体の冷却手段と、除湿装置とを具え、前記冷却パネルを居室内に配し、その冷却管内を通過させる冷却媒体の温度と流量とを制御することにより冷却パネルを冷却し、居室内雰囲気を所望の設定温度に冷却するとともに、前記除湿装置によって居室内雰囲気の除湿を行うことにより、居室内雰囲気を比較的高温でありながらも快適な状態とする冷房システムにおいて、前記冷却パネルの表面温度を測定するための計測手段と、前記居室内の温度及び湿度を測定するための計測手段とを具え、前記設定温度にまで居室内雰囲気を冷却するような冷媒設定温度及び冷媒設定流量とされた冷却媒体が、前記冷却パネルを通過しているときの冷却パネルの表面温度を測定し、この冷却パネルの表面温度以下の露点温度になるように前記居室内雰囲気を除湿するようにしたことを特徴とする天井冷房システム。
- 前記居室内雰囲気の湿度を測定し、この居室内雰囲気が冷媒設定温度において結露しないように、居室内雰囲気を除湿してその露点を下げておき、その後、冷却媒体を冷却パネルに供給することを特徴とする請求項1記載の天井冷房システム。
- 前記除湿装置は、吸着方式の装置であることを特徴とする請求項1または2記載の天井冷房システム。
- 前記冷却媒体は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1、2または3記載の天井冷房システム。
- 前記冷却媒体を自然循環するように構成されたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の天井冷房システム。
- 前記冷却パネルは水平面に対して傾斜して設置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の天井冷房システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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