JP2017172886A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】設置コストを低減でき、且つ、省エネ効果を高めることが可能な空調システムを提供すること。
【解決手段】空調システム1は、空調対象空間10の空調を行う空調システムであって、空調機30と、当該空調システム1の外部又は空調対象空間10の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間20とを備え、空調機30は、当該空調システム1の外部から取り入れた第1気体を空調対象空間10に給気する給気室50と、蓄熱空間20から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システム1の外部に排気する排気室60と、第1気体の温度を調整する冷却加熱部52と、給気室50及び排気室60にわたって設けられた除湿部70であって、第1気体を除湿すると共に、第2気体に当該除湿部70が晒されることにより当該除湿部70が再生可能な除湿部70とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
従来、空調の対象となる空間(以下、「空調対象空間」と称する)の除湿を行うデシカント空調システムが提案されている。特に、近年では、デシカント空調システムにおいては、除湿冷却プロセスと同時に加熱再生プロセスを伴うところ、再生側の加熱にエネルギーをいかに有効利用して省エネ効果を高められるかが求められており、このことに伴ってシステムの構成も多様化している。例えば、特許文献1のデシカント空調システムは、概略的には、空調対象空間の除湿を行う除湿ロータを有するデシカント空調機と、建物の屋外に設けられたソーラーウォールユニットとを備えており、冷房時において、外気又は還気をデシカント空調機の冷房用通路を介して除湿ロータに供給して除湿して空調対象空間に供給すると共に、除湿ロータを再生(乾燥)させるために、ソーラーウォールユニットで昇温した外気をデシカント空調機の再生兼暖房用通路を介して除湿ロータに供給する。
特開2003−262360号公報
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、除湿ロータの再生に用いる上記外気を除湿ロータに供給するために、ソーラーウォールユニットの如き再生熱源を設ける必要があるので、例えば、デシカント空調機を多数設置したことに伴って、再生熱源を多数設置した場合には、当該システムの設置コストが増大してしまうおそれがあることから、設置コストを低減する観点から改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、設置コストを低減でき、且つ、省エネ効果を高めることが可能な空調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の空調システムは、空調対象空間の空調を行う空調システムであって、空調機と、前記空調対象空間と連通する蓄熱空間であって、当該空調システムの外部又は前記空調対象空間の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間と、を備え、前記空調機は、当該空調システムの外部から取り入れた第1気体を前記空調対象空間に給気する給気空間と、前記蓄熱空間から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システムの外部に排気する排気空間と、前記第1気体の温度を調整するための温度調整手段と、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、前記第1気体を除湿すると共に、前記第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えた。
請求項2に記載の空調システムは、請求項1に記載の空調システムにおいて、前記温度調整手段は、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた熱交換手段であって、前記第1気体及び前記第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段を含み、前記熱交換手段によって熱交換された前記第1気体を前記除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ前記除湿手段を再生させた前記第2気体に対して前記熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置した。
請求項3に記載の空調システムは、請求項1又は2に記載の空調システムにおいて、前記蓄熱空間は、複数階を有する建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含む。
請求項4に記載の空調システムは、請求項3に記載の空調システムにおいて、前記吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された前記第2気体により前記除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と前記排気空間とを相互に連通させた。
請求項1に記載の空調システムによれば、空調機は、給気空間及び排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、空調システムの外部から取り入れた第1気体を除湿すると共に、蓄熱空間から取り入れた第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えているので、蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿手段を再生することができ、除湿手段を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システムの設置コスト及びランニングコストを低減すること(すなわち、省エネ効果を高めること)が可能となる。
請求項2に記載の空調システムによれば、温度調整手段は、給気空間及び排気空間にわたって設けられた熱交換手段を含み、熱交換手段によって熱交換された第1気体を除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ除湿手段を再生させた第2気体に対して熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置したので、空調機30が熱交換部110を備えたことで、空調対象空間を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿手段を再生することが可能となる。特に、熱交換手段を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿手段の再生を効率良く行うことが可能となる。
請求項3に記載の空調システムによれば、蓄熱空間は、複数階を有する建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含むので、吹き抜け空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿手段を再生することができ、専用の蓄熱空間を設ける場合に比べて、空調システムの設置コストを一層低減することが可能となる。
請求項4に記載の空調システムによれば、吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された第2気体により除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と排気空間とを相互に連通させたので、吹き抜け空間の下方部分と排気空間とを相互に連通させた場合に比べて、高温の第2気体に除湿手段を晒すことができ、除湿手段を効果的に再生することが可能となる。
実施の形態1に係る空調システムを示す概要図であって、冷房処理の通常運転モード時の空調システムを示す概要図である。 図1の領域Aの拡大図である。 冷房処理における外気冷房運転モード時又はナイトパージ運転モード時の空調システムを示す概要図である。 暖房処理時の空調システムを示す概要図である。 実施の形態2に係る空調システムを示す概要図であって、冷房処理の通常運転モード時の空調システムを示す概要図である。 冷房処理における外気冷房運転モード時又はナイトパージ運転モード時の空調システムを示す概要図である。 暖房処理時の空調システムを示す概要図である。 空調機Aに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。 空調機Bに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。 空調機Cに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。 空調機Dに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。 空調機Aから空調機Dの年間推定消費電力量のシミュレーション結果を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る空調システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の内部に設けられた空調対象空間の空調を行う空調システムに関する。ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル、商業施設、公共施設、及びアパートやマンションの如き集合住宅等を含む概念であるが、実施の形態では、複数階を有するオフィスビルとして説明する。また、「空調対象空間」とは、空調システムが空調を行う対象となる空間であり、例えば、建物の部屋及び廊下等が該当する。この空調対象空間では、実施の形態では、空調システムの空調制御によって、空調システムの外部から取り入れた気体を当該空調対象空間に給気したり、当該空調対象空間に存在する気体を蓄熱空間を介して空調システムの外部に排気したりすることにより、空調対象空間に存在する気体を循環させる。ここで、この空調対象空間で循環される気体の種類については任意であるが、実施の形態では空気として説明するが、これに限られず、例えば、空気以外の気体であってもよい。また、「蓄熱空間」とは、空調対象空間と連通する空間であって、空調システムの外部又は空調対象空間の内部に位置する所定の熱源から放出された熱を蓄積する空間であり、例えば、建物の内部空間のうち、少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間等が該当する。また、「熱源」とは、蓄熱空間に対して熱を供給する供給源(温熱源)であり、例えば、太陽光や空調対象空間の内部に設置された電気機器(一例として、事務機器等)等を含む概念である。なお、実施の形態では、空調システムの外部から気体を空調対象空間に給気して、空調対象空間に存在する空気を蓄熱空間を介して空調システムの外部に排気することになるが、この場合において、特定の地点を基準として風上側の地点を「上流」、風下側の地点を「下流」と必要に応じて称して説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る空調システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する空調機が除湿部を備えた形態である。
(構成)
最初に、実施の形態1に係る空調システム、及び当該空調システムが適用される建物の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る空調システムを示す概要図であって、後述する冷房処理の通常運転モード時の空調システムを示す概要図である。図2は、図1の領域Aの拡大図である。また、以下の説明では、図1のX方向を空調システムの左右方向(−X方向を空調システムの左方向(又は建物の北側)、+X方向を空調システムの右方向(又は建物の南側))、図1のY方向を空調システムの上下方向(+Y方向を空調システムの上方向、−Y方向を空調システムの下方向)、図1のX方向及び図1のY方向に直交する方向を前後方向(図1の紙面の手前側に至る方向を空調システムの前方向、図1の紙面の奥側に至る方向を空調システムの後方向)と称する。
ここで、空調システム1及び建物2の構成については、具体的には、後述する建物2の空調対象空間10が1つ以上設けられ、この1つ以上の空調対象空間10に対して、後述する建物2の蓄熱空間20及び後述する空調システム1の空調機30の各々が1つ以上設けられる。以下、実施の形態1では、複数の空調対象空間10に対して、蓄熱空間20及び空調機30の各々が1つずつ設けられているものとして説明する。ただし、これに限られず、例えば、複数の空調対象空間10に対して、蓄熱空間20及び空調機30の各々が複数設けられたり、1つの空調対象空間10に対して、蓄熱空間20及び空調機30の各々が複数設けられたり、あるいは、1つの空調対象空間10に対して、蓄熱空間20及び空調機30が1つずつ設けられてもよい。
また、空調対象空間10、蓄熱空間20、及び空調システム1の接続形態については、以下に示す通りに設定されている。具体的には、空調機30(具体的には、後述する給気室50)は、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して建物2の各階における空調対象空間10と接続されていると共に、外部給気ダクトSD10を介して空調システム1の外部と接続されている。また、この空調機30(具体的には、後述する排気室60)は、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して蓄熱空間20と接続され、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して空調対象空間10と接続され、そしてさらに、外部排気ダクトED10(図1では一部図示省略)を介して空調システム1の外部と接続されている。また、後述する空調システム1の外気冷房強化ファン80は、第3給気ダクトSD3及び第2給気ダクトSD2を介して建物2の各階における空調対象空間10と接続されている。また、空調対象空間10は、第4排気ダクトED4を介して空調対象空間10の外部(空調システム1の外部)と接続されている。ここで、上述した各種ダクトの構成については、実施の形態1では、第1給気ダクトSD1及び第3給気ダクトSD3の各々が第2給気ダクトSD2と連結されている。また、第1排気ダクトED1及び第3排気ダクトED3の各々が第2排気ダクトED2と連結されている。また、外部給気ダクトSD10は、連結ダクトCDを介して外部排気ダクトED10と連結されている。また、外部給気ダクトSD10、連結ダクトCD、外部排気ダクトED10、第1排気ダクトED1、及び第3排気ダクトED3の各々には、各ダクトの風量を調節するためのダンパD1〜D5(例えば、公知のモータダンパ、公知の風量調整ダンパ等)が取り付けられている。また、第2給気ダクトSD2には、第2給気ダクトSD2の風量を調整するためVAV(Variable Air Volume)ユニット及びCAV(Constant Air Volume)ユニットが取り付けられている(いずれも図示省略)。また、第2給気ダクトSD2、第2排気ダクトED2、及び第3排気ダクトED3の各々には、空調対象空間10を循環する気体の温度、湿度、及びCO濃度を計測するための内部温度センサ、内部湿度センサ、及びCOセンサが設けられている(いずれも図示省略)。また、ダンパD1〜D3の各々には、空調システム1の外部に存在する気体の温度及び湿度をそれぞれ計測するための外部温度センサ及び外部湿度センサが設けられている(いずれも図示省略)。そしてさらに、後述する空調システム1の制御装置は、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、及び後述する採光窓21と有線又は無線で電気的に接続されている。このような接続形態により、制御装置の制御により、各種のセンサによって計測された計測結果に基づいて、空調機30又は外気冷房強化ファン80によって後述する第1気体又は第3気体を空調対象空間10に給気させたり、後述する第2気体を空調システム1の外部に排気させることができる。なお、各種のダンパ及び各種のセンサの設置位置については、上述した設置位置に限られず、例えば、空調システム1の制御方式に応じて設置位置を異ならせてもよい。
(構成−建物)
次に、建物2の構成について説明する。図1に示すように、建物2には、空調対象空間10及び蓄熱空間20が設けられている。
(構成−建物−空調対象空間)
空調対象空間10は、実施の形態1では、建物2の内部空間のうち各階の部屋や廊下に対応する空間としている。図1に示すように、空調対象空間10には、第1導通口、第2導通口、及び第3導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第1導通口は、第2給気ダクトSD2を空調対象空間10に導通させるための開口であり、第2導通口は、第3排気ダクトED3を空調対象空間10に導通させるための開口であり、第3導通口は、第4排気ダクトED4を空調対象空間10に導通させるための開口である。これら第1導通口、第2導通口、及び第3導通口は、空調対象空間10の壁面、天井面、又は床面等に形成されている。
(構成−建物−蓄熱空間)
蓄熱空間20は、実施の形態1では、建物2の内部空間のうち吹き抜け空間としている。図1に示すように、蓄熱空間20は空調対象空間10と隣接して配置されており、この蓄熱空間20には連通口及び第4導通口が設けられている(いずれも図示省略)。連通口は、空調対象空間10と蓄熱空間20とを連通するための開口であり、蓄熱空間20における空調対象空間10側の壁面等に形成されている。第4導通口は、第1排気ダクトED1を蓄熱空間20に導通させるための開口である。この第4導通口の形成位置については任意であるが、実施の形態1では、蓄熱空間20の上方部分(例えば、蓄熱空間20の壁面の上端部又はその近傍部分、あるいは、蓄熱空間20の天井面等)に形成している。これにより、蓄熱空間20の上方部分と後述する空調機30の排気室60とを相互に連通させることができるため、蓄熱空間20の下方部分と排気室60とを相互に連通させた場合に比べて、高温の後述する第2気体に後述する空調機30の除湿部70を晒すことができ、除湿部70を効果的に再生することが可能となる。
また、この蓄熱空間20の具体的な構成については任意であるが、例えば、太陽光SLからの熱を蓄熱空間20に効果的に蓄積できるように構成されていることが好ましく、実施の形態1では、図2に示すように、採光窓21、ライトシェルフ22、及び採光フィルム23が設けられている。採光窓21は、蓄熱空間20に太陽光SLを取り入れるための窓であり、例えば公知の開閉式のハイサイドライトとして構成されており、蓄熱空間20の壁面の上端部及びその近傍部分に設置されている。ライトシェルフ22は、太陽光SLを当該ライトシェルフ22に反射させることにより、当該反射した光を採光窓21に取り入れるための板材であり、例えば、鏡面仕上げされたステンレス製の公知のライトシェルフ22を用いて構成されており、蓄熱空間20の外部において採光窓21の近傍に設置されている。採光フィルム23は、採光窓21に取り入れられる太陽光SLの向きを変えるためのフィルムであり、例えば、採光窓21の上方から下方に向けて入射した太陽光SLを蓄熱空間20の上方に向けて出射することが可能な公知の採光フィルムを用いて構成されており、採光窓21(例えば、太陽光SLが蓄熱空間20に直接的に届きやすい南側の採光窓21等)の少なくとも一部を覆うように取り付けられている。このような構成により、太陽光SLが蓄熱空間20に直接的に届くことを抑制しながら、太陽光SLからの熱を蓄熱空間20に効果的に蓄積することが可能となる。
(構成−空調システム)
次に、空調システム1の構成について説明する。図1に示すように、空調システム1は、概略的に、上述した蓄熱空間20、空調機30、外気冷房強化ファン80、及び制御装置(図示省略)を備えて構成されている。
(構成−空調システム−空調機)
まず、空調機30の構成について説明する。空調機30は、空調対象空間10の空調を行うための装置であり、建物2の屋上に設置されており、図1に示すように、筐体40、給気室50、排気室60、及び除湿部70を備えて構成されている。
(構成−空調システム−空調機−筐体)
筐体40は、空調機30の基本構造体であり、給気室50、排気室60、及び除湿部70を収容するための収容手段である。この筐体40は、鋼材等にて形成された長尺な中空円筒状体(又は箱状体)にて形成されており、筐体40の長軸方向が左右方向に略沿うように配置され、建物2の屋上の床面に対して固定具等によって固定されている。また、図1に示すように、筐体40には、隔離壁41が設けられている。隔離壁41は、給気室50と排気室60とを隔離するための壁である。この隔離壁41は、略長方形状の板状体に形成されており、隔離壁41の側面が水平方向に略沿うように配置され、筐体40に対して溶接等により固定されている。
(構成−空調システム−空調機−給気室)
給気室50は、空調システム1の外部から取り入れた気体(以下、「第1気体」と称する)を空調対象空間10に給気する給気空間である。図1に示すように、この給気室50は、筐体40の内部において、隔離壁41よりも上下方向の一方側(図1では、下方側)に配置されており、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10と連通されている。また、この給気室50には、第5導通口及び第6導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第5導通口は、第1給気ダクトSD1を筐体40に導通させるための開口であり、給気室50における下流側の壁面(図1では、給気室50の左側壁面)に形成されている。第6導通口は、外部給気ダクトSD10を筐体40に導通させるための開口であり、給気室50における上流側の壁面(図1では、給気室50の右側壁面)に形成されている。
また、給気室50の具体的な構成については任意であるが、例えば、空調対象空間10の空調状態に応じた第1気体を空調対象空間10に給気することができるように構成されていることが好ましく、実施の形態1では、図1に示すように、給気フィルタ51、冷却加熱部52、給気ファン53、及び加湿部54が設けられている。給気フィルタ51は、第1気体を清浄するためのフィルタであり、例えば公知の空調用のフィルタ等を用いて構成されており、給気室50の内部における上流側(一例として、第6導通口の近傍位置等)に設置されている。冷却加熱部52は、第1気体の温度を調整するための温度調整手段であって、第1気体を冷却又は加熱するための冷却加熱手段である。この冷却加熱部52は、例えば公知の冷却兼加熱コイル等を用いて構成されており、給気室50の内部において給気フィルタ51よりも下流側に設置されている。給気ファン53は、第1気体を空調対象空間10に送るためのファンであり、例えば公知のファン等を用いて構成されており、給気室50の内部において冷却加熱部52よりも下流側に設置されている。加湿部54は、第1気体を加湿するための加湿手段であり、例えば公知の加湿装置等を用いて構成されており、給気ファン53よりも下流側に設置されている。
(構成−空調システム−空調機−排気室)
排気室60は、蓄熱空間20から取り入れた気体であり当該蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された気体(以下、「第2気体」と称する。)を空調システム1の外部に排気する排気空間である。図1に示すように、この排気室60は、筐体40の内部において、隔離壁41よりも上下方向の他方側(図1では、上方側)に配置されており、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して蓄熱空間20と連通されていると共に、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して空調対象空間10と連通されている。また、この排気室60には、第7導通口及び第8導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第7導通口は、第2排気ダクトED2を筐体40に導通させるための開口であり、排気室60における上流側の壁面(図1では、排気室60の左側壁面)に形成されている。第8導通口は、外部排気ダクトED10を筐体40に導通させるための開口であり、排気室60における下流側の壁面(図1では、排気室60の右側壁面)に形成されている。
また、排気室60の具体的な構成については任意であるが、例えば、第2気体を空調システム1の外部に効率良く排気することができるように構成されていることが好ましく、実施の形態1では、図1に示すように、排気フィルタ61及び排気ファン62が設けられている。排気フィルタ61は、第2気体を清浄するためのフィルタであり、例えば公知の空調用のフィルタ等を用いて構成されており、排気室60の内部における上流側(一例として、第7導通口の近傍位置等)に設置されている。排気ファン62は、第2気体を空調システム1の外部に送るためのファンであり、例えば公知のファン等を用いて構成されており、排気室60の内部において排気フィルタ61よりも下流側に設置されている。また、排気室60は、給気室50と必ずしも完全に分離されている必要はなく、例えば、隔離壁41に形成された図示しない連通口を介して給気室50と連通していてもよい。これにより、排気室60によって取り入れられたレタン空気(具体的には、第2気体)と給気室50の第1気体とをミキシングしたものを空調対象空間10に給気することができる。
(構成−空調システム−空調機−除湿部)
除湿部70は、第1気体を除湿するための除湿手段である。この除湿部70は、例えばデシカントロータ等の公知の回転型の除湿装置を用いて構成されており、略円柱状体として形成され、当該除湿部70の回転軸方向が左右方向に略沿うように配置されている。また、この除湿部70の設置方法については任意であるが、例えば、第2気体によって除湿部70を効果的に再生することが可能な位置に設置することが好ましい。実施の形態1では、図1に示すように、筐体40の内部において、隔離壁41における第1給気ダクトSD1側(又は第2排気ダクトED2側)の部分(図1では、隔離壁41の左端部の近傍部分)に形成された貫通孔(図示省略)を介して給気室50及び排気室60にわたって設置し、具体的には、給気ファン53と加湿部54との相互間であり、且つ排気フィルタ61と排気ファン62との相互間に設置している。このような設置方法により、空調対象空間10を冷房する場合に、給気室50において清浄され且つ温度調整された第1気体に除湿部70(具体的には、除湿部70の給気室50側の部分)を晒すと共に、排気室60において清浄された第2気体に除湿部70(具体的には、除湿部70の排気室60側の部分)を晒すことにより、第1気体を除湿しながら、第2気体が有する熱によって除湿部70を再生(乾燥)することができる。また、特に、実施の形態1においては、上述したように、除湿部70が回転型の除湿装置で構成されているので、除湿部70を所定の周期で回転させることにより、除湿部70の給気室50側の部分と除湿部70の排気室60側の部分を相互に入れ替えることができることから、除湿部70が静止型の除湿装置である場合に比べて、上記入れ替えに要する手間を低減することが可能となる。
(構成−空調システム−外気冷房強化ファン)
次に、外気冷房強化ファン80の構成について説明する。外気冷房強化ファン80は、後述する冷房処理の外気冷房運転時やナイトパージ運転時において、空調システム1の外部の気体(以下、「第3気体」と称する)を空調対象空間10に送るためのファンである。この外気冷房強化ファン80は、例えば公知のファン等を用いて構成されており、建物2の屋上において、空調機30の近傍に設置されている。
(構成−空調システム−制御装置)
次に、制御装置の構成について説明する。制御装置は、空調システム1を制御するための装置であり、建物2の内部のうち所定の部屋(例えば管理室等)に設置されており、操作部、通信部、制御部、及び記憶部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。
操作部は、各種の情報に関する操作入力を受け付けるための操作手段であり、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段を用いて構成されている。通信部は、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、及び採光窓21の各々との間で有線又は無線で通信するための通信手段である。制御部は、制御装置の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されている。記憶部は、制御装置の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
(空調処理)
このように構成された空調システム1によって実行される空調処理について説明する。この空調処理は、空調対象空間10の空調を行うための処理であり、冷房処理と、暖房処理とに大別される。以下、冷房処理及び暖房処理について説明する。
(空調処理−冷房処理)
まず、冷房処理について説明する。図3は、冷房処理における後述する外気冷房運転モード時又は後述するナイトパージ運転モード時の空調システム1を示す概要図である。冷房処理は、空調対象空間10を冷房で空調する処理である。この冷房処理においては、通常運転モードと、外気冷房運転モードと、ナイトパージ運転モードとの3つの運転モードを切り替えて空調対象空間10の空調が行われる。このうち、通常運転モードは、冷却及び除湿された第1気体を空調対象空間10に給気する運転モードである。また、外気冷房運転モードは、ナイトパージ運転モードを実行するタイミング以外のタイミングで、冷却及び除湿されていない第1気体と、第3気体とを空調対象空間10に給気する運転モードである。また、ナイトパージ運転モードは、夜間の外気を建物2内に取り込んで循環させて、建物2そのものの温度を低下させる運転(いわゆる、ナイトパージ運転)を行う運転モードであって、冷却及び除湿されていない第1気体と、第3気体とを空調対象空間10に給気する運転モードである。このような冷房処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、採光窓21、及び制御装置の電源が投入された後に、管理者等が制御部の操作部を介して所定操作を行うことにより起動されるものとして説明する(なお、ここでは、ダンパD4、D5の開閉状態は、全開させた状態として説明する)。
冷却処理が起動されると、制御装置の制御部は、運転モードの設定を行う。この運転モードの設定方法については任意であるが、実施の形態1では、以下に示すように設定する。具体的には、内部温度センサ、内部湿度センサ、外部温度センサ、及び外部湿度センサの計測結果に基づいて、空調システム1の外部に存在する気体の比エンタルピと、空調対象空間10の内部に存在する気体の比エンタルピとを算出する。そして、空調システム1の外部に存在する気体の比エンタルピが空調対象空間10の内部に存在する気体の比エンタルピと同一又は高い場合には、運転モードを通常運転モードに設定する。一方、空調システム1の外部に存在する気体の比エンタルピが空調対象空間10の内部に存在する気体の比エンタルピよりも低い場合において、管理者等によって操作部を介して所定操作が受け付けられること等により、ナイトパージ運転モードの設定指示が受け付けられた場合には、運転モードをナイトパージ運転モードに設定し、上記ナイトパージ運転モードの設定指示が受け付けられていない場合には、外気冷房運転モードに設定する。
ここで、通常運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53、冷却加熱部52、除湿部70、及び排気ファン62を稼動させて、加湿部54を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させない状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=比例制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全閉させた状態、となるように各種の装置等を制御する。このうち、「VAVユニットの風量制御を比例制御にする」とは、制御装置の制御部がCOセンサの計測結果に応じてVAVユニットの風量を調整する制御を行うことを意味し、実施の形態1では、第2排気ダクトED2に設けたCOセンサにおけるCOの計測量が高くなるに伴ってVAVユニットの風量を上げるように制御を行う。
また、この通常運転モードに設定された場合における気体の流れは、以下に示す通りとなる。具体的には、図1に示すように、まず、空調システム1の外部から外部給気ダクトSD10を介して給気室50に取り入れられた気体(第1気体)は、給気フィルタ51によって清浄された後、冷却加熱部52によって冷却される。次いで、冷却された気体は、除湿部70(具体的には、除湿部70の給気室50側の部分)によって除湿された後、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。次に、空調対象空間10に取り入れられた気体の一部は、蓄熱空間20に移動した後、空調システム1の外部又は空調対象空間10の内部に位置する所定の熱源から放出された熱によって加熱されて、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられる。また、空調対象空間10に取り入れられた気体の他の一部は、空調対象空間10の内部に位置する所定の熱源から放出された熱によって加熱された後、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、又は、第4排気ダクトED4を介して空調システム1の外部に排気される。続いて、これら排気室60に取り入れられた気体(第2気体)は、排気フィルタ61によって清浄された後、除湿部70(具体的には、除湿部70の排気室60側の部分)を通過する。この場合において、除湿部70の排気室60側の部分が気体に晒されるので、当該気体が有する熱によって除湿部70の排気室60側の部分が再生(乾燥)される(なお、除湿部70を通過した気体は、除湿部70に含まれる水分によって冷却及び加湿される)。そして、除湿部70を通過した気体は、外部排気ダクトED10を介して空調システム1の外部に排気される。このような通常運転モードの制御によって、除湿部70によって第1気体を除湿できると共に、冷却加熱部52によって第1気体を冷却できるので、除湿部70を備えていない空調機に比べて、空調対象空間10を冷房する場合に省エネ化を図ることが可能となる。また、蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿部70を再生することができるので、除湿部70を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システム1の設置コスト及びランニングコストを低減することが可能となる。特に、実施の形態1では、蓄熱空間20である吹き抜け空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿部70を再生することができるので、専用の蓄熱空間20を設ける場合に比べて、空調システム1の設置コストを一層低減することが可能となる。
また、外気冷房運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53及び排気ファン62を稼動させて、冷却加熱部52、除湿部70、及び加湿部54を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させた状態、ダンパD1、D3の開閉状態=比例制御させた状態、ダンパD2の開閉状態=比例制御させた状態、VAVユニットの風量制御=最大風量に制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全開させた状態、となるように各種の装置等を制御する。ここで、「ダンパの開閉状態を比例制御させた状態」とは、制御装置の制御部が外部温度センサの計測結果に応じてダンパの開閉状態を調整する制御を行うことを意味し、実施の形態1では、外部給気ダクトSD10のダンパD1に設置された外部温度センサにて計測された温度が高くなるに伴って、ダンパD1、D3の開度を大きくするように制御を行ったり、連結ダクトCDのダンパD2に設置された外部温度センサにて計測された温度が高くなるに伴って、ダンパD2の開度を小さくするように制御を行う。また、ダンパD2を比例制御させる理由としては、外気の温度が設定温度よりも低すぎる場合に、外部給気ダクトSD10を流れる外気に外部排気ダクトED10を流れるレタン空気(第2気体)を加えることで第1気体の温度を上昇させて、この第1気体を用いて外気冷房運転モードに対応する冷房処理を行うためである。また、「VAVユニットの風量制御を最大風量に制御」とは、制御装置の制御部がVAVユニットの風量を最大風量となるように制御を行うことを意味する。
また、この外気冷房運転モードに設定された場合における気体の流れは、以下に示す通りとなる。具体的には、図3に示すように、まず、空調システム1の外部から外部給気ダクトSD10を介して給気室50に取り入れられた気体(第1気体)は、給気フィルタ51によって清浄された後、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。また、外気冷房強化ファン80によって送られた気体(第3気体)は、第3給気ダクトSD3及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。次に、これら空調対象空間10に取り入れられた気体は、通常運転モードと略同様に、蓄熱空間20に移動した後、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、又は、第4排気ダクトED4を介して空調システム1の外部に排気されることに加えて、採光窓21に対応する開口部(図示省略)を介して蓄積空間20の外部(空調システム1の外部)に排気される。そして、これら排気室60に取り入れられた気体(第2気体)は、排気フィルタ61によって清浄された後、外部排気ダクトED10を介して空調システム1の外部に排気される。このような外気冷房運転モードの制御によって、空調対象空間10に存在する気体よりも比エンタルピが低い空調システム1の外部の気体を利用して空調対象空間10を冷却することができ、通常運転モードに比べて省エネ化を図ることができる。
また、ナイトパージ運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53及び排気ファン62を稼動させて、冷却加熱部52、除湿部70、及び加湿部54を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させた状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=最大風量に制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態、及び、採光窓21の開閉状態=全開させた状態、となるように各種の装置等を制御する。また、このナイトパージ運転モードに設定された場合における気体の流れは、図3に示すように、外気冷房運転モードと略同様の気体の流れとなる。このようなナイトパージ運転モードの制御によって、空調対象空間10に存在する気体よりも比エンタルピが低い空調システム1の外部の気体を利用して空調対象空間10を冷却することができ、通常運転モードに比べて省エネ化を図ることができる。
なお、実施の形態1では、冷却処理が起動されたタイミングで、運転モードの設定が行われると説明したが、これに限られず、例えば、所定のタイミングで運転モードの設定が行われてもよい。これにより、外気の状態に応じた制御を行うことができるので、例えば最初に設定された通常運転モードを継続させる場合に比べて省エネ化を図ることができる。
(空調処理−暖房処理)
次に、暖房処理について説明する。図4は、暖房処理時の空調システム1を示す概要図である。暖房処理は、空調対象空間10を暖房で空調する処理である。この暖房処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、採光窓21、及び制御装置の電源が投入された後に、管理者等が制御部の操作部を介して所定操作を行うことにより起動されるものとして説明する(なお、ここでは、ダンパD4、D5の開閉状態は、全開させた状態として説明する)。
暖房処理が起動されると、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53、冷却加熱部52、加湿部54、及び排気ファン62を稼動させて、除湿部70を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させない状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=比例制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全閉させた状態、となるように各種の装置等を制御する。
また、この暖房処理における気体の流れは、以下に示す通りとなる。具体的には、図4に示すように、まず、空調システム1の外部から外部給気ダクトSD10を介して給気室50に取り入れられた気体(第1気体)は、給気フィルタ51によって清浄された後、冷却加熱部52によって加熱される。次いで、加熱された気体は、加湿部54によって加湿された後、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。次に、空調対象空間10に取り入れられた気体は、冷房処理の通常運転モードと略同様に、蓄熱空間20に移動した後、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、又は、第4排気ダクトED4を介して空調システム1の外部に排気される。続いて、これら排気室60に取り入れられた気体(第2気体)は、排気フィルタ61によって清浄された後、外部排気ダクトED10を介して空調システム1の外部に排気される。このような暖房処理の制御によって、加湿部54によって第1気体を加湿できると共に、冷却加熱部52によって第1気体を加熱できるので、空調対象空間10を暖房する場合に最適な第1気体を空調対象空間10に供給することが可能となる。
(効果)
このように実施の形態1によれば、空調機30が、給気室50及び排気室60にわたって設けられた除湿部70であって、空調システム1の外部から取り入れた第1気体を除湿すると共に、蓄熱空間20から取り入れた第2気体に当該除湿部70が晒されることにより当該除湿部70が再生可能な除湿部70と、を備えているので、蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿部70を再生することができ、除湿部70を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システム1の設置コスト及びランニングコストを低減すること(すなわち、省エネ効果を高めること)が可能となる。
また、蓄熱空間20は、複数階を有する建物2の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含むので、吹き抜け空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿部70を再生することができ、専用の蓄熱空間20を設ける場合に比べて、空調システム1の設置コストを一層低減することが可能となる。
また、吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された第2気体により除湿部70を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と排気室60とを相互に連通させたので、吹き抜け空間の下方部分と排気室60とを相互に連通させた場合に比べて、高温の第2気体に除湿部70を晒すことができ、除湿部70を効果的に再生することが可能となる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る空調システムについて説明する。この実施の形態2は、空調機が除湿部及び後述する熱交換部を備えた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
最初に、実施の形態2に係る空調システムの構成を説明する。実施の形態2に係る空調システム100は、実施の形態1に係る空調システム1とほぼ同様に構成されている。ただし、空調機30の構成については、下記に示す工夫が施されている。
(構成−空調機の構成について)
次に、空調機30の構成について説明する。図5は、実施の形態2に係る空調システム100を示す概要図であって、冷房処理の通常運転モード時の空調システム100を示す概要図である。空調機30は、図5に示すように、空調機30は、筐体40、給気室50、排気室60、除湿部70、及び熱交換部110を備えて構成されている。ここで、熱交換部110は、第1気体の温度を調整するための温度調整手段であって、第1気体及び第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段である。この熱交換部110は、例えば、回転型(又は静止型)の全熱交換器等の公知の熱交換手段を用いて構成されており、略円柱状体にて形成され、当該熱交換部110の軸方向が左右方向に略沿うように配置されている。また、この熱交換部110の設置方法については任意であるが、例えば、熱交換部110によって熱交換(具体的には、全熱(温度及び湿度)の交換を行う全熱交換)された第1気体を除湿部70によって除湿することが可能であり、且つ除湿部70を再生させた第2気体に対して熱交換部110によって熱交換(具体的には、全熱交換)することが可能な位置に設置することが好ましい。実施の形態2では、図5に示すように、筐体40の内部において、隔離壁41における外部給気ダクトSD10側の部分(図1では、隔離壁41の右端部の近傍部分)に形成された貫通孔(図示省略)を介して給気室50及び排気室60にわたって設置し、具体的には、給気フィルタ51と冷却加熱部52との相互間であり、且つ除湿部70と排気ファン62との相互間に設置している。このような構成により、空調機30が熱交換部110を備えたことで、空調対象空間10を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿部70を再生することが可能となる。特に、熱交換部110を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿部70の再生を効率良く行うことが可能となる。
(空調処理)
このように構成された空調システム100によって実行される空調処理について説明する。
(空調処理−冷房処理)
まず、冷房処理について説明する。図6は、冷房処理における外気冷房運転モード時又はナイトパージ運転モード時の空調システム100を示す概要図である。冷却処理が起動されると、実施の形態1に係る冷房処理と同様に、制御装置の制御部は、運転モードの設定を行う。
ここで、通常運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53、冷却加熱部52、除湿部70、排気ファン62、及び熱交換部110を稼動させて、加湿部54を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させない状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=比例制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全閉させた状態、となるように各種の装置等を制御する。
また、この通常運転モードに設定された場合における気体の流れは、以下に示す通りとなる。具体的には、図5に示すように、まず、空調システム100の外部から外部給気ダクトSD10を介して給気室50に取り入れられた気体(第1気体)は、給気フィルタ51によって清浄された後、熱交換部110によって排気室60から排気される気体(第2気体)と熱交換(全熱交換)されることで冷却及び除湿される。次いで、冷却及び除湿された気体は、除湿部70(具体的には、除湿部70の給気室50側の部分)によってさらに除湿された後、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。次に、空調対象空間10に取り入れられた気体は、実施の形態1に係る通常運転モードと略同様に、蓄熱空間20に移動した後、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、又は、第4排気ダクトED4を介して空調システム100の外部に排気される。続いて、これら排気室60に取り入れられた気体(第2気体)は、排気フィルタ61によって清浄された後、除湿部70(具体的には、除湿部70の排気室60側の部分)を通過することで、実施の形態1に係る通常運転モードと略同様に、当該気体が有する熱によって除湿部70の排気室60側の部分が再生(乾燥)される。そして、除湿部70を通過した気体(具体的には、除湿部70に含まれる水分によって冷却及び加湿された気体)は、熱交換部110によって給気室50から給気される気体(第1気体)と熱交換(全熱交換)されることで加熱及び加湿された後、外部排気ダクトED10を介して空調システム100の外部に排気される。このような通常運転モードの制御によって、除湿部70及び熱交換部110によって第1気体を除湿できると共に、冷却加熱部52及び熱交換部110によって第1気体を冷却できるので、実施の形態1に係る空調システム100(特に、空調機30)に比べて、空調対象空間10を冷房する場合に省エネ化を図ることができる。
また、外気冷房運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53及び排気ファン62を稼動させて、冷却加熱部52、除湿部70、加湿部54、及び熱交換部110を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させた状態、ダンパD1、D3の開閉状態=比例制御させた状態、ダンパD2の開閉状態=比例制御させた状態、VAVユニットの風量制御=最大風量に制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全開させた状態、となるように各種の装置等を制御する。また、この外気冷房運転モードに設定された場合における気体の流れは、図6に示すように、実施の形態1に係る外気冷房運転モードと略同様の気体の流れとなる。
また、ナイトパージ運転モードが設定された場合には、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53及び排気ファン62を稼動させて、冷却加熱部52、除湿部70、加湿部54、及び熱交換部110を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させた状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=最大風量に制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態、及び、採光窓21の開閉状態=全開させた状態、となるように各種の装置等を制御する。また、このナイトパージ運転モードに設定された場合における気体の流れは、図6に示すように、実施の形態1に係るナイトパージ運転モードと略同様の気体の流れとなる。
(空調処理−暖房処理)
次に、暖房処理について説明する。図7は、暖房処理時の空調システム100を示す概要図である。暖房処理が起動されると、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53、冷却加熱部52、加湿部54、排気ファン62、及び熱交換器を稼動させて、除湿部70を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させない状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=比例制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全閉させた状態、となるように各種の装置等を制御する。
また、この暖房処理における気体の流れは、以下に示す通りとなる。具体的には、図7に示すように、まず、空調システム100の外部から外部給気ダクトSD10を介して給気室50に取り入れられた気体(第1気体)は、給気フィルタ51によって清浄された後、熱交換部110によって排気室60から排気される気体(第2気体)と熱交換(全熱交換)されることで加熱及び加湿される。次いで、加熱及び加湿された気体は、加湿部54によってさらに加湿された後、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10に給気される。次に、空調対象空間10に取り入れられた気体は、実施の形態1に係る暖房処理と略同様に、蓄熱空間20に移動した後、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して排気室60に取り入れられたり、又は、第4排気ダクトED4を介して空調システム100の外部に排気される。続いて、これら排気室60に取り入れられた気体(第2気体。具体的には、蓄熱空間20の熱及び加湿部54によって加熱及び加湿された気体)は、排気フィルタ61によって清浄された後、熱交換部110によって給気室50から給気される気体(第1気体)と熱交換(全熱交換)されることで冷却及び除湿される。そして、冷却及び除湿された気体は、外部排気ダクトED10を介して空調システム100の外部に排気される。このような暖房処理の制御によって、冷却加熱部52及び熱交換部110によって第1気体を加熱できると共に、加湿部54及び熱交換部110によって第1気体を加湿できるので、実施の形態1に係る空調システム100(特に、空調機30)に比べて、空調対象空間10を暖房する場合に省エネ化を図ることができる。
(シミュレーション結果)
次に、空調機のシミュレーション結果について説明する。以下では、温度制御のみを行う再熱コイル付の空調機(以下、「空調機A」と称する)と、温度制御及び湿度制御を行うデシカント空調機(以下、「空調機B」と称する)と、蓄熱空間20の熱を利用しない全熱交換器付のデシカント空調機(以下、「空調機C」と称する)と、実施の形態2に係る空調機(以下、「空調機D」と称する)とを対象として、乾球温度及び相対湿度のシミュレーションを行った結果、及び年間推定消費電力量のシミュレーションを行った結果についてそれぞれ説明する。
(シミュレーション結果−乾球温度及び相対湿度)
まず、乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果について説明する。図8は、空調機Aに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図9は、空調機Bに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図10は、空調機Cに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図11は、空調機Dに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。なお、図8から図11に示すシミュレーション結果は一例に過ぎず、例えば、空調機の運転時期や運転時間帯等によって変動する。
これら図8から図11に示すシミュレーション結果の詳細については、以下に示す通りとなる。具体的には、図8に示す空調機Aの冷房処理については、外部給気ダクトSD10の内部の地点(図8では、「外気」と称する。以下同様とする。)、給気室50における冷却コイルよりも下流側の地点(図8では、「冷却コイル」と称する。以下同様とする。)、給気室50における再熱コイルよりも下流側の地点(図8では、「再熱コイル」と称する。以下同様とする。)、及び空調対象空間10の気体を排気室60に取り入れるためのダクトに対応する地点(図8では、「還気」と称する。以下同様とする。)のシミュレーション結果がプロットされている(なお、上述したプロットに対応する地点の記載順序にしたがって、空調機Aにおいて気体が流れる。以下、同様とする。)。また、暖房処理については、「外気」、給気室50における加熱コイルよりも下流側の地点(図8では、「加熱コイル」と称する。以下同様とする。)、給気室50における加湿器よりも下流側の地点(図8では、「加湿」と称する。以下同様とする。)、及び「還気」のシミュレーション結果がプロットされている。また、図9に示す空調機Bについては、「外気」、「冷却コイル」、給気室50におけるファンよりも下流側の地点(図9では、「ファン昇温」と称する。以下同様とする。)、給気室50における除湿部70よりも下流側の地点(図9では、「処理側デシカント」と称する。以下同様とする。)、「還気」、及び排気室60における除湿部70よりも下流側の地点(図9では、「再生側デシカント」と称する。以下同様とする。)のシミュレーション結果がプロットされている。また、暖房処理については、「外気」、「加熱コイル」、「加湿」、及び「還気」のシミュレーション結果がプロットされている。また、図10に示す空調機Cの冷房処理については、「外気」、給気室50における全熱交換器よりも下流側の地点(図10では、「全熱交換器」と称する。以下同様とする。)、「冷却コイル」、「ファン昇温」、「処理側デシカント」、「還気」、及び「再生側デシカント」のシミュレーション結果がプロットされている。また、暖房処理については、「外気」、「全熱交換器」、「加熱コイル」、「加湿」、及び「還気」のシミュレーション結果がプロットされている。また、図11に示す空調機Dの冷房処理(具体的には、実施の形態2に係る通常運転モードに対応する処理)については、「外気」、「全熱交換器」、「冷却コイル」、「ファン昇温」、「処理側デシカント」、「還気」、蓄熱空間20の気体を排気室60に取り入れるためのダクトに対応する地点(以下、図11では、「ハイサイドライト」と称する。以下同様とする。)、排気室60における除湿部70よりも上流側の地点(図11では、「混気」と称する。以下同様とする。)、及び「再生側デシカント」のシミュレーション結果がプロットされている。また、暖房処理については、「外気」、「全熱交換器」、「加熱コイル」、「加湿」、「還気」、「ハイサイドライト」、及び「混気」のシミュレーション結果がプロットされている。
また、図8から図11に示すシミュレーション結果を参照すると、空調機Aから空調機Dのトータルの温度・湿度調節エネルギーは、以下に示す通りに算定される。
具体的には、空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギーについては、冷房処理における冷却コイル能力及び再熱コイル能力、並びに暖房処理における加熱コイル能力を総計することで算定できる。このうち、冷却コイル能力については、「外気」と「冷却コイル」との比エンタルピの差に対して空気密度及び風量を積算することで算定できる(なお、空調機Bの冷却コイル能力についても同様)。また、再熱コイル能力については、「冷却コイル」と「再熱コイル」との乾球温度の差に対して空気密度及び風量を積算することで算定できる。また、加熱コイル能力については、「外気」と「加熱コイル」との乾球温度の差に対して空気密度及び風量を積算することで算定できる(なお、空調機Bの加熱コイル能力についても同様)。したがって、図8に示すシミュレーション結果を参照すると、空調機Aの冷房処理における冷却コイル能力=((「外気」の比エンタルピ)−(「冷却コイル」の比エンタルピ))×風量×空気密度/3600=(86.95−37.74)×15000×1.2/3600=240.06kWとなる。また、空調機Aの冷房処理における再熱コイル能力=((「再熱コイル」の乾球温度)−(「冷却」の乾球温度))×風量×空気密度/3600=(24.0−13.9)×15000×1.2/3600=50.50kWとなる。また、空調機Aの暖房処理における加熱コイル能力=((「加熱コイル」の乾球温度)−(「外気」の乾球温度))×風量×空気密度/3600=(33.4−(−0.3))×15000×1.2/3600=168.50kWとなる。そして、空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギー=240.06+50.50+168.5=465.05kWとなる。
また、空調機Bのトータルの温度・湿度調節エネルギーについては、冷房処理における冷却コイル能力、暖房処理における加熱コイル能力、及び冷房処理における加温調整のエネルギーを総計することで算定できる。ここで、空調機Bのような蓄熱空間に蓄積された熱を利用しないデシカント空調機において、冷房処理における加温調整のエネルギーを追加する理由としては、以下に示す通りである。すなわち、今回のシミュレーションでは、空調機が設定温度に近い温度の気体を吹き出すものをより高品質と位置付けている。このため、今回のシミュレーションのように、空調機Bの吹出温度(具体的には、21.2℃)が基準温度(ここでは、空調機Dの吹出温度(具体的には、24℃))よりも低く設定されている場合には、冷却及び除湿後に気体の温度を調整(加温調整)することになるので、この加温調整のエネルギーを追加する必要があるからである(なお、空調機Cのトータルの温度・湿度調節エネルギーについても同様とする)。したがって、図9に示すシミュレーション結果を参照すると、空調機Bの冷房処理における冷却コイル能力=(86.95−41.73)×15000×1.2/3600=226.10kWとなる。また、空調機Bの暖房処理における加熱コイル能力=(33.4−(−0.3))×15000×1.2/3600=168.5kWとなる。また、冷房処理における加温調整のエネルギー=((空調機Dの「処理側デシカント」の比エンタルピ)−(空調機Bの「処理側デシカント」の比エンタルピ))×風量×空気密度/3600=(47.89−45.06)×15000×1.2/3600=14.15kWとなる。そして、空調機Bのトータルの温度・湿度調節エネルギー=226.10+168.50+14.15=408.75kWとなる。
また、空調機Cのトータルの温度・湿度調節エネルギーについては、冷房処理における冷却コイル能力、暖房処理における加熱コイル能力、及び冷房処理における加温調整のエネルギーを総計することで算定できる。このうち、冷却コイル能力については、「全熱交換器」と「冷却コイル」との比エンタルピの差に対して空気密度及び風量を積算することで算定できる(なお、空調機Dの冷却コイル能力についても同様)。また、加熱コイル能力については、「全熱交換器」と「加熱コイル」との乾球温度の差に対して空気密度及び風量を積算することで算定できる(なお、空調機Dの加熱コイル能力についても同様)。したがって、図10に示すシミュレーション結果を参照すると、空調機Cの冷房処理における冷却コイル能力=((「全熱交換器」の比エンタルピ)−(「冷却コイル」の比エンタルピ))×風量×空気密度/3600=(68.05−41.73)×15000×1.2/3600=131.60kWとなる。また、空調機Cの暖房処理における加熱コイル能力=((「加熱コイル」の乾球温度)−(「全熱交換器」の乾球温度))×風量×空気密度/3600=(27.6−11.1)×15000×1.2/3600=82.50kWとなる。また、冷房処理における加温調整のエネルギー=(47.89−45.06)×15000×1.2/3600=14.15kWとなる。そして、空調機Cのトータルの温度・湿度調節エネルギー=131.60+82.50+14.15=228.25kWとなる。
また、空調機Dのトータルの温度・湿度調節エネルギーについては、冷房処理における冷却コイル能力、及び暖房処理における加熱コイル能力を総計することで算定できる。したがって、図11に示すシミュレーション結果を参照すると、空調機Dの冷房処理における冷却コイル能力=(70.37−44.24)×15000×1.2/3600=130.65kWとなる。また、空調機Dの暖房処理における加熱コイル能力=((「加熱コイル」の乾球温度)−(「全熱交換器」の乾球温度))×風量×空気密度/3600=(27.9−12.6)×15000×1.2/3600=76.50kWとなる。そして、空調機Dのトータルの温度・湿度調節エネルギー=130.65+76.50=207.15kWとなる。
次に、空調機Aに対する空調機Bから空調機Dの各々の省エネ率については、空調機Bから空調機Dの各々のトータルの温度・湿度調節エネルギーと空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギーとの比率に基づいて算定できる。したがって、上記算定された空調機Aから空調機Dのトータルの温度・湿度調節エネルギーを参照すると、空調機Aに対する空調機Bの省エネ率=(1−空調機Bのトータルの温度・湿度調節エネルギー/空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギー)×100=(1−408.75/465.05)×100=12.1%となる。また、空調機Aに対する空調機Cの省エネ率=(1−空調機Cのトータルの温度・湿度調節エネルギー/空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギー)×100=(1−228.25/465.05)×100=50.9%となる。また、空調機Aに対する空調機Dの省エネ率=(1−空調機Dのトータルの温度・湿度調節エネルギー/空調機Aのトータルの温度・湿度調節エネルギー)×100=(1−207.15/465.05)×100=55.4%となる。これらの算定結果より、空調機Aに対する空調機Dの省エネ率が他の空調機の省エネ率に比べて高くなることが確認された。
(シミュレーション結果−年間推定消費電力量)
次に、年間推定消費電力量のシミュレーション結果について説明する。図12は、空調機Aから空調機Dに関する年間推定消費電力量のシミュレーション結果を示す図である。空調機Aから空調機Dに関する年間推定消費電力量については、冷房処理を所定期間行った場合のコイル能力の累計(具体的には、6月から9月までの期間にわたって、毎日午前8時間から午後8時まで冷房処理を行った場合のコイル能力の累計。図12に示すグラフにおけるハッチングされている部分。)と、暖房処理を所定期間行った場合のコイル能力の累計(具体的には、11月から4月までの期間にわたって、毎日午前8時間から午後8時まで暖房処理を行った場合のコイル能力の累計。図12に示すグラフにおけるハッチングされていない部分)とを総計することで算定できる。このうち、冷房処理のコイル能力の累計については、6月から9月までの期間における午前8時、午後0時、午後4時、及び午後8時の各々の乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果から各空調機のコイル能力を算定し、当該算定したコイル能力と一日当りの運転時間との積分結果に基づいて算定できる(なお、暖房処理のコイル能力の累計についても略同様とする)。そして、このような方法によって算定された年間推定消費電力量については、図12に示すように、空調機Aの年間推定消費電力量=冷房処理のコイル能力の累計+暖房処理のコイル能力の累計=82.68+74.47=157.15MWh/年となり、空調機Bの年間推定消費電力量=58.51+57.29=115.80MWh/年となり、空調機Cの年間推定消費電力量=39.75+28.05=67.80MWh/年となり、空調機Dの年間推定消費電力量=39.12+24.67=63.79MWh/年となる。
次に、空調機Aに対する空調機Bから空調機Dの各々の年間省エネ率については、空調機Bから空調機Dの各々の年間推定消費電力量と空調機Aの年間推定消費電力量との比率に基づいて算定できる。したがって、上記算定された空調機Aから空調機Dの年間推定消費電力量を参照すると、空調機Aに対する空調機Bの年間省エネ率=(1−空調機Bの年間推定消費電力量/空調機Aの年間推定消費電力量)×100=(1−115.80/157.15)×100=26.3%となる。また、空調機Aに対する空調機Cの年間省エネ率=(1−空調機Cの年間推定消費電力量/空調機Aの年間推定消費電力量)×100=(1−67.80/157.15)×100=56.9%となる。また、空調機Aに対する空調機Dの年間省エネ率=(1−空調機Dの年間推定消費電力量/空調機Aの年間推定消費電力量)×100=(1−63.79/157.15)×100=59.4%となる。これらの算定結果より、空調機Aに対する空調機Dの年間省エネ率が他の空調機の年間省エネ率に比べて高くなることが確認された。
以上のように、図8から図12に示す空調機のシミュレーション結果からすると、空調機D(本発明に係る空調機30)を採用することにより、他の空調機(従来の空調機)に比べて省エネ効果が期待できると考えられる。
(効果)
このように実施の形態2によれば、温度調整手段は、給気室50及び排気室60にわたって設けられた熱交換部110を含み、熱交換部110によって熱交換された第1気体を除湿部70によって除湿することが可能であり、且つ除湿部70を再生させた第2気体に対して熱交換部110によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換部110を配置したので、空調機30が熱交換部110を備えたことで、空調対象空間10を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿部70を再生することが可能となる。特に、熱交換部110を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿部70の再生を効率良く行うことが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システムの各部の寸法、形状、材料、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、材料、比率等とすることができる。
(蓄熱空間について)
上記実施の形態1、2では、蓄熱空間20は、吹き抜け空間であると説明したが、これに限られない。例えば、ダブルスキンやエアフローウインドウ等の公知の二重窓、単層階の建物の内部空間(一例として、大型倉庫の内部空間)、あるいは、吹き抜け空間、二重窓、又は単層階の建物の内部空間を複数組み合わせたものであってもよい。
また、上記実施の形態1、2では、蓄熱空間20に、採光窓21、ライトシェルフ22、及び採光フィルム23が設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、空調システムの設置コストを低減するために、採光窓21、ライトシェルフ22、及び採光フィルム23の少なくともいずれか1つを省略してもよい。あるいは、蓄熱空間20の蓄熱容量を高めるために、蓄熱空間20の壁面や天井面等に蓄熱材(例えば、PCM等の公知の潜熱蓄熱材)を設けてもよい。また、上記実施の形態1、2では、採光窓21がハイサイドライトであると説明したが、これに限られず、例えば、トップライトであってもよく、あるいは、ハイサイドライト及びトップライトを組み合わせたものであってもよい。
(空調機について)
上記実施の形態1、2では、空調機30は、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、又は排気ファン62を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、空調機30として機能を確保できる場合には、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、又は排気ファン62の少なくとも一部を省略してもよい。また、上記実施の形態1、2では、空調機30は、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、及び排気ファン62は、実施の形態1又は実施の形態2で説明した設置位置に設置されていると説明したが、これに限られず、例えば、空調システムの制御方式に応じて設置位置を異ならせてもよい。
(除湿部について)
上記実施の形態1、2では、除湿部70は、回転型の除湿装置を用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、除湿部70の給気室50側の部分と除湿部70の排気室60側の部分とをスライド移動により入れ替え可能な静止切替型の除湿装置を用いて構成されてもよい。
(熱交換部について)
上記実施の形態2では、熱交換部110は、全熱交換器を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、温度のみを交換する顕熱交換器を用いて構成されてもよい。
(空調処理について)
上記実施の形態1、2では、冷房処理及び暖房処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置の処理負荷を低減するために、暖房処理を省略してもよい。なお、この場合には、冷却加熱部52を冷却部に変更したり、又は加湿部54を省略してもよい。
また、上記実施の形態1、2では、冷房処理においては、運転モードを、通常運転モード、外気冷房運転モード、又はナイトパージ運転モードに設定できると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置の処理負荷を低減するために、運転モードを通常運転モードだけに設定できるようにしてもよい。なお、この場合には、外気冷房強化ファン80及び第3給気ダクトSD3を省略してもよい。
(付記)
付記1の空調システムは、空調対象空間の空調を行う空調システムであって、空調機と、前記空調対象空間と連通する蓄熱空間であって、当該空調システムの外部又は前記空調対象空間の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間と、を備え、前記空調機は、当該空調システムの外部から取り入れた第1気体を前記空調対象空間に給気する給気空間と、前記蓄熱空間から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システムの外部に排気する排気空間と、前記第1気体の温度を調整するための温度調整手段と、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、前記第1気体を除湿すると共に、前記第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えた。
付記2の空調システムは、付記1に記載の空調システムにおいて、前記温度調整手段は、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた熱交換手段であって、前記第1気体及び前記第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段を含み、前記熱交換手段によって熱交換された前記第1気体を前記除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ前記除湿手段を再生させた前記第2気体に対して前記熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置した。
付記3の空調システムは、付記1又は2に記載の空調システムにおいて、前記蓄熱空間は、複数階を有する建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含む。
付記4の空調システムは、付記3に記載の空調システムにおいて、前記吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された前記第2気体により前記除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と前記排気空間とを相互に連通させた。
(付記の効果)
付記1に記載の空調システムによれば、空調機は、給気空間及び排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、空調システムの外部から取り入れた第1気体を除湿すると共に、蓄熱空間から取り入れた第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えているので、蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿手段を再生することができ、除湿手段を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システムの設置コスト及びランニングコストを低減すること(すなわち、省エネ効果を高めること)が可能となる。
付記2に記載の空調システムによれば、温度調整手段は、給気空間及び排気空間にわたって設けられた熱交換手段を含み、熱交換手段によって熱交換された第1気体を除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ除湿手段を再生させた第2気体に対して熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置したので、空調機が熱交換手段を備えたことで、空調対象空間を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿手段を再生することが可能となる。特に、熱交換手段を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿手段の再生を効率良く行うことが可能となる。
付記3に記載の空調システムによれば、蓄熱空間は、複数階を有する建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含むので、吹き抜け空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿手段を再生することができ、専用の蓄熱空間を設ける場合に比べて、空調システムの設置コストを一層低減することが可能となる。
付記4に記載の空調システムによれば、吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された第2気体により除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と排気空間とを相互に連通させたので、吹き抜け空間の下方部分と排気空間とを相互に連通させた場合に比べて、高温の第2気体に除湿手段を晒すことができ、除湿手段を効果的に再生することが可能となる。
1 空調システム
2 建物
10 空調対象空間
20 蓄熱空間
21 採光窓
22 ライトシェルフ
23 採光フィルム
30 空調機
40 筐体
41 隔離壁
50 給気室
51 給気フィルタ
52 冷却加熱部
53 給気ファン
54 加湿部
60 排気室
61 排気フィルタ
62 排気ファン
70 除湿部
80 外気冷房強化ファン
100 空調システム
110 熱交換部
CD 連結ダクト
D1〜D5 ダンパ
ED1 第1排気ダクト
ED2 第2排気ダクト
ED3 第3排気ダクト
ED4 第4排気ダクト
ED10 外部排気ダクト
SD1 第1給気ダクト
SD2 第2給気ダクト
SD3 第3給気ダクト
SD10 外部給気ダクト
SL 太陽光

Claims (4)

  1. 空調対象空間の空調を行う空調システムであって、
    空調機と、
    前記空調対象空間と連通する蓄熱空間であって、当該空調システムの外部又は前記空調対象空間の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間と、を備え、
    前記空調機は、
    当該空調システムの外部から取り入れた第1気体を前記空調対象空間に給気する給気空間と、
    前記蓄熱空間から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システムの外部に排気する排気空間と、
    前記第1気体の温度を調整するための温度調整手段と、
    前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、前記第1気体を除湿すると共に、前記第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えた、
    空調システム。
  2. 前記温度調整手段は、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた熱交換手段であって、前記第1気体及び前記第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段を含み、
    前記熱交換手段によって熱交換された前記第1気体を前記除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ前記除湿手段を再生させた前記第2気体に対して前記熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置した、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記蓄熱空間は、複数階を有する建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含む、
    請求項1又は2に記載の空調システム。
  4. 前記吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された前記第2気体により前記除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と前記排気空間とを相互に連通させた、
    請求項3に記載の空調システム。
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