JP6632446B2 - 空調システム - Google Patents
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Description
請求項3に記載の空調システムは、請求項1又は2に記載の空調システムにおいて、前記温度調整手段は、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた熱交換手段であって、前記第1気体及び前記第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段を含み、前記熱交換手段によって熱交換された前記第1気体を前記除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ前記除湿手段を再生させた前記第2気体に対して前記熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置した。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の内部に設けられた空調対象空間の空調を行う空調システムに関する。ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル、商業施設、公共施設、及びアパートやマンションの如き集合住宅等を含む概念であるが、実施の形態では、複数階を有するオフィスビルとして説明する。また、「空調対象空間」とは、空調システムが空調を行う対象となる空間であり、例えば、建物の部屋及び廊下等が該当する。この空調対象空間では、実施の形態では、空調システムの空調制御によって、空調システムの外部から取り入れた気体を当該空調対象空間に給気したり、当該空調対象空間に存在する気体を蓄熱空間を介して空調システムの外部に排気したりすることにより、空調対象空間に存在する気体を循環させる。ここで、この空調対象空間で循環される気体の種類については任意であるが、実施の形態では空気として説明するが、これに限られず、例えば、空気以外の気体であってもよい。また、「蓄熱空間」とは、空調対象空間と連通する空間であって、空調システムの外部又は空調対象空間の内部に位置する所定の熱源から放出された熱を蓄積する空間であり、例えば、建物の内部空間のうち、少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間等が該当する。また、「熱源」とは、蓄熱空間に対して熱を供給する供給源(温熱源)であり、例えば、太陽光や空調対象空間の内部に設置された電気機器(一例として、事務機器等)等を含む概念である。なお、実施の形態では、空調システムの外部から気体を空調対象空間に給気して、空調対象空間に存在する空気を蓄熱空間を介して空調システムの外部に排気することになるが、この場合において、特定の地点を基準として風上側の地点を「上流」、風下側の地点を「下流」と必要に応じて称して説明する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態1に係る空調システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する空調機が除湿部を備えた形態である。
最初に、実施の形態1に係る空調システム、及び当該空調システムが適用される建物の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る空調システムを示す概要図であって、後述する冷房処理の通常運転モード時の空調システムを示す概要図である。図2は、図1の領域Aの拡大図である。また、以下の説明では、図1のX方向を空調システムの左右方向(−X方向を空調システムの左方向(又は建物の北側)、+X方向を空調システムの右方向(又は建物の南側))、図1のY方向を空調システムの上下方向(+Y方向を空調システムの上方向、−Y方向を空調システムの下方向)、図1のX方向及び図1のY方向に直交する方向を前後方向(図1の紙面の手前側に至る方向を空調システムの前方向、図1の紙面の奥側に至る方向を空調システムの後方向)と称する。
次に、建物2の構成について説明する。図1に示すように、建物2には、空調対象空間10及び蓄熱空間20が設けられている。
空調対象空間10は、実施の形態1では、建物2の内部空間のうち各階の部屋や廊下に対応する空間としている。図1に示すように、空調対象空間10には、第1導通口、第2導通口、及び第3導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第1導通口は、第2給気ダクトSD2を空調対象空間10に導通させるための開口であり、第2導通口は、第3排気ダクトED3を空調対象空間10に導通させるための開口であり、第3導通口は、第4排気ダクトED4を空調対象空間10に導通させるための開口である。これら第1導通口、第2導通口、及び第3導通口は、空調対象空間10の壁面、天井面、又は床面等に形成されている。
蓄熱空間20は、実施の形態1では、建物2の内部空間のうち吹き抜け空間としている。図1に示すように、蓄熱空間20は空調対象空間10と隣接して配置されており、この蓄熱空間20には連通口及び第4導通口が設けられている(いずれも図示省略)。連通口は、空調対象空間10と蓄熱空間20とを連通するための開口であり、蓄熱空間20における空調対象空間10側の壁面等に形成されている。第4導通口は、第1排気ダクトED1を蓄熱空間20に導通させるための開口である。この第4導通口の形成位置については任意であるが、実施の形態1では、蓄熱空間20の上方部分(例えば、蓄熱空間20の壁面の上端部又はその近傍部分、あるいは、蓄熱空間20の天井面等)に形成している。これにより、蓄熱空間20の上方部分と後述する空調機30の排気室60とを相互に連通させることができるため、蓄熱空間20の下方部分と排気室60とを相互に連通させた場合に比べて、高温の後述する第2気体に後述する空調機30の除湿部70を晒すことができ、除湿部70を効果的に再生することが可能となる。
次に、空調システム1の構成について説明する。図1に示すように、空調システム1は、概略的に、上述した蓄熱空間20、空調機30、外気冷房強化ファン80、及び制御装置(図示省略)を備えて構成されている。
まず、空調機30の構成について説明する。空調機30は、空調対象空間10の空調を行うための装置であり、建物2の屋上に設置されており、図1に示すように、筐体40、給気室50、排気室60、及び除湿部70を備えて構成されている。
筐体40は、空調機30の基本構造体であり、給気室50、排気室60、及び除湿部70を収容するための収容手段である。この筐体40は、鋼材等にて形成された長尺な中空円筒状体(又は箱状体)にて形成されており、筐体40の長軸方向が左右方向に略沿うように配置され、建物2の屋上の床面に対して固定具等によって固定されている。また、図1に示すように、筐体40には、隔離壁41が設けられている。隔離壁41は、給気室50と排気室60とを隔離するための壁である。この隔離壁41は、略長方形状の板状体に形成されており、隔離壁41の側面が水平方向に略沿うように配置され、筐体40に対して溶接等により固定されている。
給気室50は、空調システム1の外部から取り入れた気体(以下、「第1気体」と称する)を空調対象空間10に給気する給気空間である。図1に示すように、この給気室50は、筐体40の内部において、隔離壁41よりも上下方向の一方側(図1では、下方側)に配置されており、第1給気ダクトSD1及び第2給気ダクトSD2を介して空調対象空間10と連通されている。また、この給気室50には、第5導通口及び第6導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第5導通口は、第1給気ダクトSD1を筐体40に導通させるための開口であり、給気室50における下流側の壁面(図1では、給気室50の左側壁面)に形成されている。第6導通口は、外部給気ダクトSD10を筐体40に導通させるための開口であり、給気室50における上流側の壁面(図1では、給気室50の右側壁面)に形成されている。
排気室60は、蓄熱空間20から取り入れた気体であり当該蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された気体(以下、「第2気体」と称する。)を空調システム1の外部に排気する排気空間である。図1に示すように、この排気室60は、筐体40の内部において、隔離壁41よりも上下方向の他方側(図1では、上方側)に配置されており、第1排気ダクトED1及び第2排気ダクトED2を介して蓄熱空間20と連通されていると共に、第3排気ダクトED3及び第2排気ダクトED2を介して空調対象空間10と連通されている。また、この排気室60には、第7導通口及び第8導通口が設けられている(いずれも図示省略)。第7導通口は、第2排気ダクトED2を筐体40に導通させるための開口であり、排気室60における上流側の壁面(図1では、排気室60の左側壁面)に形成されている。第8導通口は、外部排気ダクトED10を筐体40に導通させるための開口であり、排気室60における下流側の壁面(図1では、排気室60の右側壁面)に形成されている。
除湿部70は、第1気体を除湿するための除湿手段である。この除湿部70は、例えばデシカントロータ等の公知の回転型の除湿装置を用いて構成されており、略円柱状体として形成され、当該除湿部70の回転軸方向が左右方向に略沿うように配置されている。また、この除湿部70の設置方法については任意であるが、例えば、第2気体によって除湿部70を効果的に再生することが可能な位置に設置することが好ましい。実施の形態1では、図1に示すように、筐体40の内部において、隔離壁41における第1給気ダクトSD1側(又は第2排気ダクトED2側)の部分(図1では、隔離壁41の左端部の近傍部分)に形成された貫通孔(図示省略)を介して給気室50及び排気室60にわたって設置し、具体的には、給気ファン53と加湿部54との相互間であり、且つ排気フィルタ61と排気ファン62との相互間に設置している。このような設置方法により、空調対象空間10を冷房する場合に、給気室50において清浄され且つ温度調整された第1気体に除湿部70(具体的には、除湿部70の給気室50側の部分)を晒すと共に、排気室60において清浄された第2気体に除湿部70(具体的には、除湿部70の排気室60側の部分)を晒すことにより、第1気体を除湿しながら、第2気体が有する熱によって除湿部70を再生(乾燥)することができる。また、特に、実施の形態1においては、上述したように、除湿部70が回転型の除湿装置で構成されているので、除湿部70を所定の周期で回転させることにより、除湿部70の給気室50側の部分と除湿部70の排気室60側の部分を相互に入れ替えることができることから、除湿部70が静止型の除湿装置である場合に比べて、上記入れ替えに要する手間を低減することが可能となる。
次に、外気冷房強化ファン80の構成について説明する。外気冷房強化ファン80は、後述する冷房処理の外気冷房運転時やナイトパージ運転時において、空調システム1の外部の気体(以下、「第3気体」と称する)を空調対象空間10に送るためのファンである。この外気冷房強化ファン80は、例えば公知のファン等を用いて構成されており、建物2の屋上において、空調機30の近傍に設置されている。
次に、制御装置の構成について説明する。制御装置は、空調システム1を制御するための装置であり、建物2の内部のうち所定の部屋(例えば管理室等)に設置されており、操作部、通信部、制御部、及び記憶部を備えて構成されている(いずれも図示省略)。
このように構成された空調システム1によって実行される空調処理について説明する。この空調処理は、空調対象空間10の空調を行うための処理であり、冷房処理と、暖房処理とに大別される。以下、冷房処理及び暖房処理について説明する。
まず、冷房処理について説明する。図3は、冷房処理における後述する外気冷房運転モード時又は後述するナイトパージ運転モード時の空調システム1を示す概要図である。冷房処理は、空調対象空間10を冷房で空調する処理である。この冷房処理においては、通常運転モードと、外気冷房運転モードと、ナイトパージ運転モードとの3つの運転モードを切り替えて空調対象空間10の空調が行われる。このうち、通常運転モードは、冷却及び除湿された第1気体を空調対象空間10に給気する運転モードである。また、外気冷房運転モードは、ナイトパージ運転モードを実行するタイミング以外のタイミングで、冷却及び除湿されていない第1気体と、第3気体とを空調対象空間10に給気する運転モードである。また、ナイトパージ運転モードは、夜間の外気を建物2内に取り込んで循環させて、建物2そのものの温度を低下させる運転(いわゆる、ナイトパージ運転)を行う運転モードであって、冷却及び除湿されていない第1気体と、第3気体とを空調対象空間10に給気する運転モードである。このような冷房処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、採光窓21、及び制御装置の電源が投入された後に、管理者等が制御部の操作部を介して所定操作を行うことにより起動されるものとして説明する(なお、ここでは、ダンパD4、D5の開閉状態は、全開させた状態として説明する)。
次に、暖房処理について説明する。図4は、暖房処理時の空調システム1を示す概要図である。暖房処理は、空調対象空間10を暖房で空調する処理である。この暖房処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1では、空調機30、外気冷房強化ファン80、各種のダンパ、VAVユニット、CAVユニット、各種のセンサ、採光窓21、及び制御装置の電源が投入された後に、管理者等が制御部の操作部を介して所定操作を行うことにより起動されるものとして説明する(なお、ここでは、ダンパD4、D5の開閉状態は、全開させた状態として説明する)。
このように実施の形態1によれば、空調機30が、給気室50及び排気室60にわたって設けられた除湿部70であって、空調システム1の外部から取り入れた第1気体を除湿すると共に、蓄熱空間20から取り入れた第2気体に当該除湿部70が晒されることにより当該除湿部70が再生可能な除湿部70と、を備えているので、蓄熱空間20に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿部70を再生することができ、除湿部70を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システム1の設置コスト及びランニングコストを低減すること(すなわち、省エネ効果を高めること)が可能となる。
次に、実施の形態2に係る空調システムについて説明する。この実施の形態2は、空調機が除湿部及び後述する熱交換部を備えた形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
最初に、実施の形態2に係る空調システムの構成を説明する。実施の形態2に係る空調システム100は、実施の形態1に係る空調システム1とほぼ同様に構成されている。ただし、空調機30の構成については、下記に示す工夫が施されている。
次に、空調機30の構成について説明する。図5は、実施の形態2に係る空調システム100を示す概要図であって、冷房処理の通常運転モード時の空調システム100を示す概要図である。空調機30は、図5に示すように、空調機30は、筐体40、給気室50、排気室60、除湿部70、及び熱交換部110を備えて構成されている。ここで、熱交換部110は、第1気体の温度を調整するための温度調整手段であって、第1気体及び第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段である。この熱交換部110は、例えば、回転型(又は静止型)の全熱交換器等の公知の熱交換手段を用いて構成されており、略円柱状体にて形成され、当該熱交換部110の軸方向が左右方向に略沿うように配置されている。また、この熱交換部110の設置方法については任意であるが、例えば、熱交換部110によって熱交換(具体的には、全熱(温度及び湿度)の交換を行う全熱交換)された第1気体を除湿部70によって除湿することが可能であり、且つ除湿部70を再生させた第2気体に対して熱交換部110によって熱交換(具体的には、全熱交換)することが可能な位置に設置することが好ましい。実施の形態2では、図5に示すように、筐体40の内部において、隔離壁41における外部給気ダクトSD10側の部分(図1では、隔離壁41の右端部の近傍部分)に形成された貫通孔(図示省略)を介して給気室50及び排気室60にわたって設置し、具体的には、給気フィルタ51と冷却加熱部52との相互間であり、且つ除湿部70と排気ファン62との相互間に設置している。このような構成により、空調機30が熱交換部110を備えたことで、空調対象空間10を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿部70を再生することが可能となる。特に、熱交換部110を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿部70の再生を効率良く行うことが可能となる。
このように構成された空調システム100によって実行される空調処理について説明する。
まず、冷房処理について説明する。図6は、冷房処理における外気冷房運転モード時又はナイトパージ運転モード時の空調システム100を示す概要図である。冷却処理が起動されると、実施の形態1に係る冷房処理と同様に、制御装置の制御部は、運転モードの設定を行う。
次に、暖房処理について説明する。図7は、暖房処理時の空調システム100を示す概要図である。暖房処理が起動されると、制御装置の制御部は、空調機30の稼動状態=給気ファン53、冷却加熱部52、加湿部54、排気ファン62、及び熱交換器を稼動させて、除湿部70を稼動させない状態、外気冷房強化ファン80の稼動状態=稼動させない状態、ダンパD1、D3の開閉状態=全開させた状態、ダンパD2の開閉状態=全閉させた状態、VAVユニットの風量制御=比例制御、CAVユニットの稼動状態=稼動させた状態又は稼動させない状態、及び、採光窓21の開閉状態=全閉させた状態、となるように各種の装置等を制御する。
次に、空調機のシミュレーション結果について説明する。以下では、温度制御のみを行う再熱コイル付の空調機(以下、「空調機A」と称する)と、温度制御及び湿度制御を行うデシカント空調機(以下、「空調機B」と称する)と、蓄熱空間20の熱を利用しない全熱交換器付のデシカント空調機(以下、「空調機C」と称する)と、実施の形態2に係る空調機(以下、「空調機D」と称する)とを対象として、乾球温度及び相対湿度のシミュレーションを行った結果、及び年間推定消費電力量のシミュレーションを行った結果についてそれぞれ説明する。
まず、乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果について説明する。図8は、空調機Aに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図9は、空調機Bに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図10は、空調機Cに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。図11は、空調機Dに関する乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果を示す空気線図である。なお、図8から図11に示すシミュレーション結果は一例に過ぎず、例えば、空調機の運転時期や運転時間帯等によって変動する。
次に、年間推定消費電力量のシミュレーション結果について説明する。図12は、空調機Aから空調機Dに関する年間推定消費電力量のシミュレーション結果を示す図である。空調機Aから空調機Dに関する年間推定消費電力量については、冷房処理を所定期間行った場合のコイル能力の累計(具体的には、6月から9月までの期間にわたって、毎日午前8時間から午後8時まで冷房処理を行った場合のコイル能力の累計。図12に示すグラフにおけるハッチングされている部分。)と、暖房処理を所定期間行った場合のコイル能力の累計(具体的には、11月から4月までの期間にわたって、毎日午前8時間から午後8時まで暖房処理を行った場合のコイル能力の累計。図12に示すグラフにおけるハッチングされていない部分)とを総計することで算定できる。このうち、冷房処理のコイル能力の累計については、6月から9月までの期間における午前8時、午後0時、午後4時、及び午後8時の各々の乾球温度及び相対湿度のシミュレーション結果から各空調機のコイル能力を算定し、当該算定したコイル能力と一日当りの運転時間との積分結果に基づいて算定できる(なお、暖房処理のコイル能力の累計についても略同様とする)。そして、このような方法によって算定された年間推定消費電力量については、図12に示すように、空調機Aの年間推定消費電力量=冷房処理のコイル能力の累計+暖房処理のコイル能力の累計=82.68+74.47=157.15MWh/年となり、空調機Bの年間推定消費電力量=58.51+57.29=115.80MWh/年となり、空調機Cの年間推定消費電力量=39.75+28.05=67.80MWh/年となり、空調機Dの年間推定消費電力量=39.12+24.67=63.79MWh/年となる。
このように実施の形態2によれば、温度調整手段は、給気室50及び排気室60にわたって設けられた熱交換部110を含み、熱交換部110によって熱交換された第1気体を除湿部70によって除湿することが可能であり、且つ除湿部70を再生させた第2気体に対して熱交換部110によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換部110を配置したので、空調機30が熱交換部110を備えたことで、空調対象空間10を冷房する場合において、なお一層、省エネ化を図りながら除湿部70を再生することが可能となる。特に、熱交換部110を上記設置位置に設けたことで、省エネ化及び除湿部70の再生を効率良く行うことが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システムの各部の寸法、形状、材料、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、材料、比率等とすることができる。
上記実施の形態1、2では、蓄熱空間20は、吹き抜け空間であると説明したが、これに限られない。例えば、ダブルスキンやエアフローウインドウ等の公知の二重窓、単層階の建物の内部空間(一例として、大型倉庫の内部空間)、あるいは、吹き抜け空間、二重窓、又は単層階の建物の内部空間を複数組み合わせたものであってもよい。
上記実施の形態1、2では、空調機30は、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、又は排気ファン62を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、空調機30として機能を確保できる場合には、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、又は排気ファン62の少なくとも一部を省略してもよい。また、上記実施の形態1、2では、空調機30は、給気フィルタ51、給気ファン53、加湿部54、排気フィルタ61、及び排気ファン62は、実施の形態1又は実施の形態2で説明した設置位置に設置されていると説明したが、これに限られず、例えば、空調システムの制御方式に応じて設置位置を異ならせてもよい。
上記実施の形態1、2では、除湿部70は、回転型の除湿装置を用いて構成されていると説明したが、これに限られない。例えば、除湿部70の給気室50側の部分と除湿部70の排気室60側の部分とをスライド移動により入れ替え可能な静止切替型の除湿装置を用いて構成されてもよい。
上記実施の形態2では、熱交換部110は、全熱交換器を用いて構成されていると説明したが、これに限られず、例えば、温度のみを交換する顕熱交換器を用いて構成されてもよい。
上記実施の形態1、2では、冷房処理及び暖房処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、制御装置の処理負荷を低減するために、暖房処理を省略してもよい。なお、この場合には、冷却加熱部52を冷却部に変更したり、又は加湿部54を省略してもよい。
付記1の空調システムは、空調対象空間の空調を行う空調システムであって、空調機と、前記空調対象空間と連通する蓄熱空間であって、当該空調システムの外部又は前記空調対象空間の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間と、を備え、前記空調機は、当該空調システムの外部から取り入れた第1気体を前記空調対象空間に給気する給気空間と、前記蓄熱空間から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システムの外部に排気する排気空間と、前記第1気体の温度を調整するための温度調整手段と、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、前記第1気体を除湿すると共に、前記第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えた。
付記1に記載の空調システムによれば、空調機は、給気空間及び排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、空調システムの外部から取り入れた第1気体を除湿すると共に、蓄熱空間から取り入れた第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、を備えているので、蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を利用して除湿手段を再生することができ、除湿手段を再生するための特殊な再生熱源を別途設ける必要がないため、空調システムの設置コスト及びランニングコストを低減すること(すなわち、省エネ効果を高めること)が可能となる。
2 建物
10 空調対象空間
20 蓄熱空間
21 採光窓
22 ライトシェルフ
23 採光フィルム
30 空調機
40 筐体
41 隔離壁
50 給気室
51 給気フィルタ
52 冷却加熱部
53 給気ファン
54 加湿部
60 排気室
61 排気フィルタ
62 排気ファン
70 除湿部
80 外気冷房強化ファン
100 空調システム
110 熱交換部
CD 連結ダクト
D1〜D5 ダンパ
ED1 第1排気ダクト
ED2 第2排気ダクト
ED3 第3排気ダクト
ED4 第4排気ダクト
ED10 外部排気ダクト
SD1 第1給気ダクト
SD2 第2給気ダクト
SD3 第3給気ダクト
SD10 外部給気ダクト
SL 太陽光
Claims (5)
- 建物に設けられた空調対象空間の空調を行う空調システムであって、
空調機と、
前記空調対象空間と連通する蓄熱空間であって、当該空調システムの外部又は前記空調対象空間の内部に位置する熱源から放出された熱を蓄積する蓄熱空間と、を備え、
前記空調機は、
当該空調システムの外部から取り入れた第1気体を前記空調対象空間に給気する給気空間と、
前記蓄熱空間から取り入れた第2気体であり当該蓄熱空間に蓄積された熱によって加熱された第2気体を当該空調システムの外部に排気する排気空間と、
前記第1気体の温度を調整するための温度調整手段と、
前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた除湿手段であって、前記第1気体を除湿すると共に、前記第2気体に当該除湿手段が晒されることにより当該除湿手段が再生可能な除湿手段と、
前記空調対象空間を冷房で空調する冷房処理を行う際に、前記冷房処理の運転モードをそれぞれ異なる複数の運転モードのいずれか1つに設定し、当該設定した運転モードに対応する前記冷房処理の制御を行う制御手段と、を備え、
前記複数の運転モードは、
冷却及び除湿された前記第1気体を前記空調対象空間に給気する通常運転モードと、
夜間の外気を前記建物内に取り込んで循環させて、前記建物そのものの温度を低下させる運転を行うナイトパージ運転モードであって、冷却及び除湿されていない前記第1気体と、外気冷房強化ファンを介して当該空調システムの外部から取り入れた第3気体とを前記空調対象空間に給気するナイトパージ運転モードと、
前記ナイトパージ運転モードを実行するタイミング以外のタイミングで、冷却及び除湿されていない前記第1気体と、前記第3気体とを前記空調対象空間に給気する外気冷房運転モードと、を含む、
空調システム。 - 当該空調システムの外部から前記第1気体を取り入れる外部給気ダクトに取り付けられた第1のダンパであって、前記外部給気ダクトの風量を調節するための第1のダンパと、
前記第2気体を当該空調システムの外部に排気する外部排気ダクトに取り付けられた第2のダンパであって、前記外部排気ダクトの風量を調節するための第2のダンパと、
前記外部給気ダクトと前記外部排気ダクトとを連結する連結ダクトに取り付けられた第3のダンパであって、前記連結ダクトの風量を調節するための第3のダンパと、
前記空調対象空間と、前記空調機に接続された第1給気ダクトと、前記外気冷房強化ファンに接続された第3給気ダクトとに接続された第2給気ダクトであり、前記第1気体を前記空調機から前記空調対象空間に給気すると共に、前記第3気体を前記外気冷房強化ファンから前記空調対象空間に給気する第2給気ダクトに取り付けられたVAVユニット及びCAVユニットであって、前記第2給気ダクトの風量を調節するVAVユニット及びCAVユニットと、
前記蓄熱空間に設けられた採光窓であって、前記蓄熱空間に太陽光を取り入れるための採光窓と、を備え、
前記空調機は、前記第1気体を前記空調対象空間に送るための給気ファンと、前記第2気体を当該空調システムの外部に送るための排気ファンと、を備え、
前記制御手段は、
前記冷房処理の運転モードが前記通常運転モードに設定された場合には、
前記空調機の稼働状態が、前記給気ファン、前記温度調整手段、前記除湿手段、及び前記排気ファンを稼動させた状態になり、前記外気冷房強化ファンの稼動状態が、稼動させない状態になり、
前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの開閉状態が、全開させた状態になり、前記第3のダンパの開閉状態が、全閉させた状態になり、
前記VAVユニットの風量制御が、前記空調対象空間のCO 2 濃度に応じて風量を調整する制御になり、前記CAVユニットの稼働状態が、稼動させた状態又は稼動させない状態になり、
及び、前記採光窓の開閉状態が、全閉させた状態になるように、前記空調機、前記第1のダンパ、前記第2のダンパ、前記第3のダンパ、前記VAVユニット、前記CAVユニット、及び前記採光窓を制御し、
前記冷房処理の運転モードが前記ナイトパージ運転モードに設定された場合には、
前記空調機の稼働状態が、前記給気ファン及び前記排気ファンを稼動させて、前記温度調整手段及び前記除湿手段を稼動させない状態になり、前記外気冷房強化ファンの稼動状態が、稼動させた状態になり、
前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの開閉状態が、全開させた状態になり、前記第3のダンパの開閉状態が、全閉させた状態になり、
前記VAVユニットの風量制御が、最大風量となる制御になり、前記CAVユニットの稼働状態が、稼動させた状態になり、
及び、前記採光窓の開閉状態が、全開させた状態になるように、前記空調機、前記第1のダンパ、前記第2のダンパ、前記第3のダンパ、前記VAVユニット、前記CAVユニット、及び前記採光窓を制御し、
前記冷房処理の運転モードが前記外気冷房運転モードに設定された場合には、
前記空調機の稼働状態が、前記給気ファン及び前記排気ファンを稼動させて、前記温度調整手段及び前記除湿手段を稼動させない状態になり、前記外気冷房強化ファンの稼動状態が、稼動させた状態になり、
前記第1のダンパ及び前記第2のダンパの開閉状態が、当該空調システムの外部に存在する気体の温度に応じて当該ダンパの開閉状態を調整する制御である比例制御させた状態になり、前記第3のダンパの開閉状態が、前記比例制御させた状態になり、
前記VAVユニットの風量制御が、最大風量となる制御になり、前記CAVユニットの稼働状態が、稼動させた状態又は稼動させない状態になり、
及び、前記採光窓の開閉状態が、全開させた状態になるように、前記空調機、前記第1のダンパ、前記第2のダンパ、前記第3のダンパ、前記VAVユニット、前記CAVユニット、及び前記採光窓を制御する、
請求項1に記載の空調システム。 - 前記温度調整手段は、前記給気空間及び前記排気空間にわたって設けられた熱交換手段であって、前記第1気体及び前記第2気体に対して冷却又は加熱を行う熱交換手段を含み、
前記熱交換手段によって熱交換された前記第1気体を前記除湿手段によって除湿することが可能であり、且つ前記除湿手段を再生させた前記第2気体に対して前記熱交換手段によって熱交換することが可能な位置に、当該熱交換手段を配置した、
請求項1又は2に記載の空調システム。 - 前記蓄熱空間は、複数階を有する前記建物の内部空間のうち少なくとも2つ以上の階の内部空間を連通することにより形成された吹き抜け空間を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。 - 前記吹き抜け空間の上方に蓄積された熱によって加熱された前記第2気体により前記除湿手段を再生させることが可能となるように、当該吹き抜け空間の上方部分と前記排気空間とを相互に連通させた、
請求項4に記載の空調システム。
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