JP4079269B2 - 放射冷暖房システム - Google Patents

放射冷暖房システム Download PDF

Info

Publication number
JP4079269B2
JP4079269B2 JP2003191712A JP2003191712A JP4079269B2 JP 4079269 B2 JP4079269 B2 JP 4079269B2 JP 2003191712 A JP2003191712 A JP 2003191712A JP 2003191712 A JP2003191712 A JP 2003191712A JP 4079269 B2 JP4079269 B2 JP 4079269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
panel
temperature
radiant
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003191712A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005024197A (ja
Inventor
秀樹 荒井
彰 逆井
秀美 山尾
聡 寺島
勝麿 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon University
Toyox Co Ltd
Sanken Setsubi Kogyo Co Ltd
Sinko Industries Ltd
Original Assignee
Nihon University
Toyox Co Ltd
Sanken Setsubi Kogyo Co Ltd
Sinko Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon University, Toyox Co Ltd, Sanken Setsubi Kogyo Co Ltd, Sinko Industries Ltd filed Critical Nihon University
Priority to JP2003191712A priority Critical patent/JP4079269B2/ja
Publication of JP2005024197A publication Critical patent/JP2005024197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4079269B2 publication Critical patent/JP4079269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射冷暖房システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パネル面にチューブ等を這わせ、内部に冷水又は温水を通水し、パネル表面を所定の温度を保ち、壁体や人体と放射による熱交換を行うことによって、快適な状態を維持する放射冷暖房システムが開発されている。
【0003】
この放射冷暖房システムの利点は、冷風や温風を供給する一般的な空調システムと異なり、放射パネルを天井全面に配設するため、室内空間の温度むらや時間による温度変化が少なく、温度設定も緩めにでき、経済効果を高められる。又、放射パネル設置場所に音源となる機器類がないため、室内に静寂が確保される。
【0004】
このような利点を効果的に活用できる図書館や病院、老人ホームといった静かで柔らかい環境が求められる空間の空調に広く採用されており、図8に示されているように前記図書館や病院、老人ホーム等の室内01の天井全面に放射パネル02が隙間なく配設され、該放射パネル02の内部には一連のチューブ03が組み込まれている。
【0005】
このチューブ03には、循環ポンプ010の運転と所定の場所に設置されている熱交換器08で冷房時には例えば15℃程度に冷却された冷水が、暖房時には例えば35℃程度に加熱された温水が挿入管04を通して注入される。また該熱交換器08には、熱源機器(開示せず)から例えば7℃程度の一次冷水又は例えば40℃程度の一次温水が供給され、該チューブ03に供給する冷水の冷却又は温水の加熱を行っている。
【0006】
さらに、注入された冷水又は温水は放射パネル02内の一連のチューブ03を通過する間に室内01と放射による熱交換を行い、室内01温度が所定の設定温度に調整される。室内01と放射による熱交換を行い、温まった水又は温度が低下した温水は、放出管05を介して熱交換器08へと送られ再び冷却、又は加熱され、各放射パネル02のチューブ03へと還流される。
【0007】
室内01の一方の天井近傍には、空気噴出ダクト06が、他方の天井近傍には、空気排気ダクト07が設けられており、前記空気噴出ダクト06からは空気調和機09によって調温調湿された空気が噴出され、換気のために必要な外気の導入と、後述するように、冷房時の放射パネル02と室内01との温度差により発生する放射パネル02表面の結露の防止又は除去する目的と、暖房時の暖気が天井付近に滞留するのを防止し、室内01の均一的な温度に保持する役目を行っている。また該空気調和機09には前記熱源機器から例えば7℃程度の一次冷水又は例えば40℃程度の一次温水が供給され、さらに加湿用の水又は蒸気が供給され、前記空気噴出ダクト06に供給する空気の調温調湿を行っている。
【0008】
一方空気排気ダクト07は、冷房時には室内01の湿り気のある空気を排出する目的と、暖房時には室内01に滞留した空気の流れを促進し、気流による空気の攪拌を促すために設けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射冷暖房システムは、一般的な空調システムのように室内に冷風や温風を供給しての対流による熱交換でなく、放射パネル表面温度と壁体又は人体の表面温度との温度差から生じる放射及び自然対流による熱交換が主体であるため、放射パネルと室内との間に温度差を必要とする。
【0010】
このことから、冷房時には放射パネル表面の温度を室温より低く保つ必要があるため、室内で発生する水蒸気が低温状態の放射パネル表面で凝縮し結露が発生することになる。
【0011】
又、暖房時には、一般的な空調システムのように風力を利用して暖気の誘導を行わないために、放射パネル表面で暖められた暖気が天井付近に滞留し、室内全体を均一な温度に保持することが困難であった。
【0012】
前述した従来の放射冷暖房システムには、上記のような結露の防止と不均一な室内温度の調整を少しでも解消する方法として、図1の空気噴出ダクト06が設けられたが、噴出される調温調湿された空気は、室内01の静寂さを妨げない程度に弱い風量に限られるため、空気噴出ダクト06近傍の放射パネル02表面に発生する結露の防止は可能なものの、空気噴出ダクト06から遠ざかる放射パネル02表面には調温調湿された空気が届かないため、結露が発生し、特に冷房時でのチューブ03の冷水注入口近傍には多くの結露が発生し、最後には結露水となり床に落下し、敷物にシミができたり、結露水の溜まっている箇所にカビが発生するなどの不衛生な室内環境をもたらす原因にもなった。又、暖房時の天井付近への暖気の滞留も空気噴出ダクト06近傍では解消できるものの、空気噴出ダクト06近傍以外では暖気の滞留を解消できず、室内01を均一な所定温度に保持することは困難であった。
【0013】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、冷房時の放射パネル表面での結露、及び暖房時の天井付近への暖気の滞留を防止する放射冷暖房システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の放射冷暖房システムは、複数の冷暖房放射パネルが間隙を設けて天井に配設され、前記間隙は、隣接する冷暖房放射パネルの上昇傾斜側の突合せ部分に形成される間隙と、隣接する冷暖房放射パネルの下降傾斜側の突合せ部分に形成される間隙と、が交互に配置されており、前記隣接する冷暖房放射パネルの上昇傾斜側の突合せ部分に形成される間隙には照明器具が取付けられているとともに、前記隣接する冷暖房放射パネルの下降傾斜側の突合せ部分に形成される間隙には揺動風向片を備えた空気噴出ダクトが設けられ、少なくとも冷房時に該空気噴出ダクトから噴出される調温調湿空気により冷暖房放射パネルの下降傾斜端部に集結する結露水を蒸発させるようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、放射冷暖房システムの冷房稼動時に、放射パネル隣接して設けられた間隙の所定箇所から調温調湿された空気を揺動風向片を介して噴出させることにより、噴出された該空気が放射パネル表面に満遍なく供給されるため、放射パネル表面に付着した結露粒子が蒸発し、放射パネル表面での結露の増長を防止できるとともに、結露水が床に落下し、敷物にシミができたり、結露水の溜まっている箇所にカビが発生するなどの不衛生な室内環境をも防止でき、さらに、室内に発生する適度な気流によって冷涼感(そよぎ)が増幅されるため、放射パネル表面温度を高めに設定でき、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、冷房時の室温を26℃とし、前記放射パネル表面の温度を18℃とし、室温湿度を70%以上にして強制的に該放射パネルに結露をさせる実験を行なったところ、該放射パネル表面に結露を生じたが、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所から温度26℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させることによって、該放射パネルに付着した結露の増長が抑えられることを確認し、また、適度な気流があることで快適性が向上することを確認した。
又、放射冷暖房システムの暖房稼動時に、放射パネルに隣接して設けられた間隙の所定箇所から調温調湿された空気を揺動風向片を介して噴出させることにより、噴出された該空気が天井付近に滞留した暖気を攪拌するとともに、室内に適度な気流が確保されるため、室内全体の均一な温度を短時間に保持することが可能になり、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、暖房時の室温を22℃とし、前記放射パネル表面の温度を32℃として実験を行なったところ、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所からの調温調湿空気の噴出がない場合は、足元と頭上との間で2℃以上の温度差が生じ、足元の冷えを解消するために該パネル表面の温度を上昇させる必要が認められたが、該所定箇所から温度22℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させた場合は、部屋全体が22℃の均一な状態になり、足元の冷えが存在しないことを確認した。
また、前記空気噴出ダクトから噴出された調温調湿空気が、放射パネル面の下降傾斜面を伝って傾斜下端部に自動的に集結した結露水を集中的に蒸発させるので、効率的に放射パネル表面の結露水の落下を防止できる。
さらに、前記間隙部に向かって上昇傾斜するように配設された冷暖房放射パネルの傾斜上端部が、照明器具の放射熱に暖められて、わずかな結露粒子の発生をも防止できる。
【0015】
本発明の放射冷暖房システムは、前記揺動風向片は送風される風力を利用して回動可能になっていることが好ましい。
このようにすれば、送風される風力を利用しているので電気配線工事等を施す必要がなく経済性に富み、省エネを計ることができるばかりでなく、揺動風向片の稼動を周期的に変更することができるため、放射パネル表面への長時間におよぶ風量のかけ過ぎによる放射パネル表面温度の降下時に発生する再結露を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1〜図7は、本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明の放射冷暖房システムの概略図、図2は一部を省略した図1の拡大平面図、図3は本発明に係る空気噴出ダクトの断面図、図4は本発明に係る放射冷暖房パネルの一部を破砕した平面図、図5は図4のA―A拡大断面図、図6は本発明に係る揺動風向片駆動装置の概略図、図7は本発明の放射冷暖房システムの別の実施例を示す概略図、図8は従来の放射冷暖房システムの概略図である。
【0019】
まず図1には本発明の実施例1としての放射冷暖房システム1を設置した室内の概略図が示されており、放射冷暖房システム1は室内2の天井に後述する放射パネル3a、3b、3cと、この放射パネル3a、3b、3cに内装されている一連の熱伝導率に優れた金属製等のチューブ11に連結された送水管4および放水管5と、冷水又は温水を製造する熱交換器9と、送水管4とチューブ11と放水管5と熱交換器9を介して水を循環させる循環ポンプ12と、放射パネル3a、3b、3cとの間隙Kに形成された空気噴出ダクト6a、6bと、空気排気ダクト8と、空気調和機10から構成されている。該空気調和機10は、送風機10aによって空気排気ダクト8から室内排気を取り込み、同時に外気を取り入れて、エアフィルタ10dで除塵を行い、冷温水コイル10cおよび加湿器10bによって調温調湿を行い、前記空気噴出ダクト6a、6bを介して室内に調温調湿空気を供給している。該冷温水コイル10cには、熱源機器(開示せず)から例えば7℃程度の一次冷水又は例えば40℃程度の一次温水が供給され、加湿器10bには加湿用の水又は蒸気が供給されている。なお、本実施例1では、冷温水コイル10cを使用しているが、冷水コイルと温水コイルを個々に設置してもよい。
【0020】
熱交換器9には、前記冷温水コイル10cと同じく、前記熱源機器から一次冷水又は一次温水が供給されている。循環ポンプ12から供給された循環水と該一次冷水又は一次温水が熱交換器9によって熱交換され、該循環水が冷房時には冷却されて例えば15℃程度の冷水として供給され、暖房時には、加熱されて例えば35℃程度の温水として送水管4を介して前記チューブ11に供給される。
【0021】
前記間隙Kには図2に示すように、この間隙Kに沿う長方形の開口を有する複数個の空気噴出ダクト6aが図3に示されているように設置されている。
【0022】
供給された冷水、又は温水は放射パネル3a、3b、3c内の一連チューブ11を通過する間に室内1と放射による熱交換を行い、放射による熱交換を行って温くなった冷水又は冷めた温水は、循環ポンプ12によって放水管5を介して熱交換器9へと送られ再び冷却、又は加熱され、放射パネル3a、3b、3cの一連チューブ11へと還流される。
【0023】
図4、5に示すように、前記放射パネル3a、3b、3cの個々の構造は、放射パネル表板19、冷水又は温水が注入される注入口15、前述の温まった冷水又は冷めた温水を放水する放水口17、チューブ11、断熱材18及び放射パネル裏板16とから構成されている。前記チューブ11の一端は前記注入口15と他端は前記放水口17に連通されている。
【0024】
図5には、図4のA―Aの断面図が示されており、室内への冷房、暖房の放射効率を高めるための熱伝導性に優れた金属製の放射パネル表板19の上部近傍に一連のチューブ11が前記放射パネルの長手方向にU字型(図4参照)を繰り返すように多数並列に載置され、上方よりグラスウール等の断熱材18に被覆されている。
【0025】
さらに、断熱材18の上部には、金属製又は合成樹脂製等の放射パネル裏板16が設けられており、一連のチューブ11と断熱材18とを放射パネル表板19とで狭持するように接着剤又はボルト等で固定されている。
【0026】
上述のように構成された放射冷暖房システムは、冷房時に一連のチューブ11に上記の方法で供給された例えば15℃程度の冷水によって、放射パネル表板19が冷却されると放射パネル表板19と室内1との温度差で発生する結露粒子に対しては、図1に示すように、放射パネル3a、3b、3c間隙Kに形成された空気噴出ダクト6a、6bから空気調和機10により外気を所定の温度及び湿度に調整された調温調湿空気が調温調湿空気送風管7を介して噴出され、放射パネル3a、3b、3cそれぞれの放射パネル表板19(図5参照)面の乾燥を促進できるため結露水を防止できる。
【0027】
又、図3に示すように、本実施例1には、空気噴出ダクト6a、6bに金属製又は樹脂製の揺動風向片21が設けられており、この揺動風向片21は、揺動風向片21の上方の調温調湿空気送風管7の所定位置に形成された揺動風向片駆動装置22を介して、空気噴出ダクト6a、6bに噴出される調温調湿空気の方向を周期的に変更するようになっている。
【0028】
図6に示す揺動風向片駆動装置22について詳細に説明すると、調温調湿空気を利用する軽金属又は合成樹脂製等の風力ロータ23と、風力ロータ23に取付けられている駆動シャフト24及び歯車装置25と、クランクレバー30及びクランクレバー30に連結された回動自在の軸31と、この軸31に固定されている揺動風向片21と、が設けられている。
【0029】
前記揺動風向片駆動装置22は、図3に示すように、調温調湿空気送風管7内の空気噴出ダクト6aの上方近傍に設けられており、矢印32方向への調温調湿空気の流れによって回転する風力ロータ23の回転力が図6で説明した駆動シャフト24を介して歯車装置25に伝達され、該歯車装置25によって回転数が所要の状態に制御される。
【0030】
この制御された回転によりクランクレバー30の一端は回転し、他端は揺動運動し、この揺動運動は、所定の回転角33の範囲内で、回動自在の軸31に伝達されて周期的に揺動風向片21を回動させる。
【0031】
この回転角33の範囲での回動は、前記風力ロータ23を通過した調温調湿空気の流れを、空気噴出ダクト6aから揺動風向片21の回転角33(図3参照)に影響させながら強制的に誘導する。
【0032】
例えば、前記調温調湿空気の流れは、図3に示すように、揺動風向片21の先端部34が放射パネル3aに最も近づいた箇所では、放射パネル3aの放射パネル表板19に誘導され、揺動風向片21の先端部34が室内2の図示していない床面の方向に回動し続けると少しづつ床面の方向に誘導される。
【0033】
さらに、前記調温調湿空気の流れは、揺動風向片21の先端部34が放射パネル3bに最も近づく箇所に達するまで回動し続けると、放射パネル3bの放射パネル表板19に誘導され、この回動が揺動風向片21を所定の回転角33の範囲で周期的に行われるため、放射パネル表板19の乾燥と、室内2の滞留した暖気の攪拌と、が可能になる。
【0034】
このことにより、放射冷暖房システム1の冷房フル稼動時に極めて高い確率で発生する放射パネル表板19に付着した結露粒子は蒸発し、放射パネル表板19での結露の増長を防止でき、室内2に発生する適度な気流によって冷涼感(そよぎ)が増幅されるため、放射パネル表板19の温度を高めに設定でき、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、冷房時の室温を26℃とし、前記放射パネル表面の温度を18℃とし、室温湿度を70%以上にして強制的に該放射パネルに結露をさせる実験を行なったところ、該放射パネル表面に結露を生じたが、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所から温度26℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させることによって、該放射パネルに付着した結露の増長が抑えられることを確認し、また、適度な気流があることで快適性が向上することを確認した。
【0035】
又、放射冷暖房システム1の暖房稼動時に、空気噴出ダクト6aより噴出された前記調温調湿空気の流れは、天井付近に滞留した暖気を攪拌するとともに、室内2に適度な気流が確保されるため、室内全体の均一な温度を短時間に保持することが可能になり、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、暖房時の室温を22℃とし、前記放射パネル表面の温度を32℃として実験を行なったところ、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所からの調温調湿空気の噴出がない場合は、足元と頭上との間で2℃以上の温度差が生じ、足元の冷えを解消するために該パネル表面の温度を上昇させる必要が認められたが、該所定箇所から温度22℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させた場合は、部屋全体が22℃の均一な状態になり、足元の冷えが存在しないことを確認した。
【0036】
さらに、揺動風向片21による放射パネル表板19への調温調湿空気の誘導は、広範囲な乾燥面の確保を可能にし、より確実に結露を防止でき、揺動風向片21による調温調湿空気の床面への誘導は、室内2に適度な気流を確保することができるため、周期的に滞留した暖気は攪拌し、室内を均一な所定温度に保持することをより確実にする。
【0037】
本実施例1には、図6の揺動風向片駆動装置が、図3に示した調温調湿空気送風管7内の空気噴出ダクト6aの上方近傍に設けられており、揺動風向片21の作動を周期的に変更できるため、放射パネル表板19への長時間におよぶ風量のかけ過ぎによる放射パネル表板19の温度の降下時に発生する再結露を防止できるとともに、電力確保のための電気配線工事等を施す必要がなく経済性に富み、調温調湿空気の流れを利用した風力ロータ23の回転力を使い、電力を使わないため、省エネルギーを計ることができる。
【0038】
図7は、本実施例2の放射冷暖房システム1を設置した室内の概略図が示されており、放射パネル等の構造及び、冷水又は温水の配管、空気噴出ダクトの構造、又は機能は本実施例1で述べたのでこの実施例では省略する。
【0039】
本実施例2の放射冷暖房システム1は、放射パネル40bと放射パネル40cとの間隙K、放射パネル40dと放射パネル40eと間隙Kが、それぞれ前記の間隙K、Kに向かって下降傾斜するように構成されており、放射パネル40aと放射パネル40bと間隙K’’、放射パネル40cと放射パネル40dと間隙K’’、放射パネル40eと放射パネル40fとの間隙K’’がそれぞれ前記間隙K’’、K’’、K’’に向かって上昇傾斜する前記冷暖房放射パネルの両端は、照明器具が取付けられるように構成されている。
【0040】
空気噴出ダクト41から噴出され、さらに、揺動風向片21(図6参照)に誘導される調温調湿空気は、放射パネル40bと放射パネル40c、放射パネル40dと放射パネル40eの各表面の下降傾斜を伝って冷暖房放射パネルの傾斜下端部に集結した結露水の蒸発を促進し、放射パネル表面からの結露水の落下を防止できる。
【0041】
又、間隙K’’に向かって上昇傾斜するように配設された冷暖房放射パネルの傾斜上端部が、照明器具の放射熱に暖められて、わずかな結露粒子の発生をも防止できる。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0043】
例えば、チューブ11が放射パネルの長手方向にU字型(図4参照)を繰り返すように多数並列に載置されているが、例えば1本のチューブをS字型を繰り返すように載置するなど、確実に効率よく放射冷暖房できるチューブ11の配管であれば良く、断熱材18の素材はグラスウール等に限られるものでなく、チューブ11の放射が、室内への効率よい放射冷暖房に影響を及ぼさない材料であれば良い。
【0044】
例えば、放射パネルは金属製を使用しているが、冷水、温水、調温調湿空気の配管等を支えられる耐久性を備えていれば素材にこだわるものではない。又、実施例2の冷暖房放射パネルの傾斜角度は、冷暖房放射パネルの傾斜下端部に結露水を集結でき、結露水の蒸発の促進と、結露水の落下を防止できる範囲の傾きを維持できれば良く、天井面の見栄えが保たれれば良い。
【0045】
例えば、調温調湿空気の流れを利用した風力ロータ23の回転力を使い、省エネを計ったが、別の動力によりコスト削減と省エネと静寂さが保持でき、揺動風向片を周期的に回動できるものであれば良い。
【0046】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0047】
(a)請求項1項の発明によれば、放射冷暖房システムの冷房稼動時に、放射パネル隣接して設けられた間隙の所定箇所から調温調湿された空気を揺動風向片を介して噴出させることにより、噴出された該空気が放射パネル表面に満遍なく供給されるため、放射パネル表面に付着した結露粒子が蒸発し、放射パネル表面での結露の増長を防止できるとともに、結露水が床に落下し、敷物にシミができたり、結露水の溜まっている箇所にカビが発生するなどの不衛生な室内環境をも防止でき、さらに、室内に発生する適度な気流によって冷涼感(そよぎ)が増幅されるため、放射パネル表面温度を高めに設定でき、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、冷房時の室温を26℃とし、前記放射パネル表面の温度を18℃とし、室温湿度を70%以上にして強制的に該放射パネルに結露をさせる実験を行なったところ、該放射パネル表面に結露を生じたが、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所から温度26℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させることによって、該放射パネルに付着した結露の増長が抑えられることを確認し、また、適度な気流があることで快適性が向上することを確認した。
又、放射冷暖房システムの暖房稼動時に、放射パネルに隣接して設けられた間隙の所定箇所から調温調湿された空気を揺動風向片を介して噴出させることにより、噴出された該空気が天井付近に滞留した暖気を攪拌するとともに、室内に適度な気流が確保されるため、室内全体の均一な温度を短時間に保持することが可能になり、省エネを計ることができ、コストダウンが期待できる。例えば、暖房時の室温を22℃とし、前記放射パネル表面の温度を32℃として実験を行なったところ、該放射パネルに隣接して設けられた前記間隙の前記所定箇所からの調温調湿空気の噴出がない場合は、足元と頭上との間で2℃以上の温度差が生じ、足元の冷えを解消するために該パネル表面の温度を上昇させる必要が認められたが、該所定箇所から温度22℃、湿度50%程度の調温調湿空気を噴出させた場合は、部屋全体が22℃の均一な状態になり、足元の冷えが存在しないことを確認した。
また、前記空気噴出ダクトから噴出された調温調湿空気が、放射パネル面の下降傾斜面を伝って傾斜下端部に自動的に集結した結露水を集中的に蒸発させるので、効率的に放射パネル表面の結露水の落下を防止できる。
さらに、前記間隙部に向かって上昇傾斜するように配設された冷暖房放射パネルの傾斜上端部が、照明器具の放射熱に暖められて、わずかな結露粒子の発生をも防止できる。
【0048】
(b)請求項2項の発明によれば、送風される風力を利用しているので電気配線工事等を施す必要がなく経済性に富み、省エネを計ることができるばかりでなく、揺動風向片の稼動を周期的に変更することができるため、放射パネル表面への長時間におよぶ風量のかけ過ぎによる放射パネル表面温度の降下時に発生する再結露を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射冷暖房システムの概略図である。
【図2】一部を省略した図1の拡大平面図である。
【図3】本発明に係る空気噴出ダクトの実施例の断面図である。
【図4】本発明に係る放射冷暖房パネルの一部を破砕した平面図である。
【図5】図4のA―A拡大断面図である。
【図6】本発明に係る揺動風向片駆動装置の概略図である。
【図7】本発明の放射冷暖房システムの別の実施例を示す概略図である。
【図8】従来の放射冷暖房システムの概略図である。
【符号の説明】
1 放射冷暖房システム
2 室内
3a 放射パネル
3b 放射パネル
3c 放射パネル
4 送水管
5 放水管
6a 空気噴出ダクト
6b 空気噴出ダクト
7 調温調湿空気送風管
8 空気排気ダクト
9 熱交換器
10 空気調和機
10a 送風機
10b 加湿機
10c 冷温水コイル
10d エアフィルタ
11 チューブ
12 循環ポンプ
15 注入口
16 放射パネル裏板
17 放水口
18 断熱材
19 放射パネル表板
21 揺動風向片
22 揺動風向片駆動装置
23 風力ロータ
24 駆動シャフト
25 歯車装置
30 クランクレバー
31 軸
32 矢印
33 回転角
34 先端部
40a 放射パネル
40b 放射パネル
40c 放射パネル
40d 放射パネル
40e 放射パネル
40f 放射パネル
41 空気噴出ダクト
K、K、K’’ 間隙

Claims (2)

  1. 複数の冷暖房放射パネルが間隙を設けて天井に配設され、前記間隙は、隣接する冷暖房放射パネルの上昇傾斜側の突合せ部分に形成される間隙と、隣接する冷暖房放射パネルの下降傾斜側の突合せ部分に形成される間隙と、が交互に配置されており、前記隣接する冷暖房放射パネルの上昇傾斜側の突合せ部分に形成される間隙には照明器具が取付けられているとともに、前記隣接する冷暖房放射パネルの下降傾斜側の突合せ部分に形成される間隙には揺動風向片を備えた空気噴出ダクトが設けられ、少なくとも冷房時に該空気噴出ダクトから噴出される調温調湿空気により冷暖房放射パネルの下降傾斜端部に集結する結露水を蒸発させるようにしたことを特徴とする放射冷暖房システム。
  2. 前記揺動風向片は送風される風力を利用して回動可能になっている請求項1に記載の放射冷暖房システム。
JP2003191712A 2003-07-04 2003-07-04 放射冷暖房システム Expired - Fee Related JP4079269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003191712A JP4079269B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 放射冷暖房システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003191712A JP4079269B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 放射冷暖房システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005024197A JP2005024197A (ja) 2005-01-27
JP4079269B2 true JP4079269B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=34189194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003191712A Expired - Fee Related JP4079269B2 (ja) 2003-07-04 2003-07-04 放射冷暖房システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4079269B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021028568A (ja) * 2020-11-27 2021-02-25 株式会社ササクラ 空調設備

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2436867B (en) * 2006-04-04 2011-11-30 Red Engineering Design Ltd Improvements in and relating to rapidly controlling room air temperature
JP2008051468A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Toyox Co Ltd 輻射式冷暖房装置
JP5280370B2 (ja) * 2007-10-03 2013-09-04 株式会社ササクラ 空気調和設備、放射空調システム及び放射空調システムの制御方法
JP6361904B2 (ja) * 2013-02-06 2018-07-25 清水建設株式会社 空調システム
CN104776574B (zh) * 2015-01-16 2017-08-01 李国胜 变制冷剂流量的辐射空调系统
CN105744802B (zh) * 2016-01-12 2018-05-11 严继光 用于发热设备的辐射式空调系统
JP2019039602A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 協立エアテック株式会社 空調システム
CN108507227A (zh) * 2018-04-20 2018-09-07 深圳瑞凌新能源科技有限公司 一种利用辐射制冷的冷却水系统
CN113899029A (zh) * 2021-11-02 2022-01-07 嘉兴学院 一种太阳能驱动的辐射供冷空调装置及辐射供冷方法
CN115264553B (zh) * 2022-07-01 2024-03-19 天津卡利欧玛热能设备制造有限公司 辐射冷暖系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021028568A (ja) * 2020-11-27 2021-02-25 株式会社ササクラ 空調設備
JP7032828B2 (ja) 2020-11-27 2022-03-09 株式会社ササクラ 空調設備

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005024197A (ja) 2005-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4999944B2 (ja) 誘引放射空調機
JP4079269B2 (ja) 放射冷暖房システム
CN105310358A (zh) 一种固态风扇耦合半导体恒温恒湿文物陈展柜
KR20070054230A (ko) 환기 장치 및 건물
JP2012007766A (ja) 空気熱源ヒートポンプ式空調装置
JP5315115B2 (ja) 空気調和機の室内機
JP2016217630A (ja) 放射空調システム
CN209819704U (zh) 吊顶式空调室内机及空调器
JP6208194B2 (ja) 空調換気システム
JP5913151B2 (ja) 冷暖房換気システム
JP2007139333A (ja) 換気装置及び建物
JP2007089752A (ja) 浴室サウナ装置
JP5228344B2 (ja) 換気空調装置
JP2004093008A (ja) 浴室乾燥装置および乾燥運転方法
JP2008075922A (ja) 調湿冷暖房装置及びそれを用いた空間構造
JP2012251745A (ja) 高負荷空調システム
CN106016517A (zh) 空调器及其换新风系统
JP6858396B2 (ja) 空気調和システム
JP2004324992A (ja) 冷風換気システム
JP2001116293A (ja) 地熱及び循環水流を利用した空調システム
JP7351496B2 (ja) 換気システム
JP2006132822A (ja) 建物の室内空調システム
JP2000074446A (ja) 熱交換換気システム
CN107388386B (zh) 空调器及其室内机
CN205425178U (zh) 一种矢量送风技术及风道结构

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4079269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees