JP2016217630A - 放射空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】施工が容易で、冷暖房の立ち上がりに優れ、しかも温度ムラの生じにくい放射空調システムを提供する。
【解決手段】室内空間1の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機21と、この空調機21の空調空気噴出口211aと連通した風路23を形成する放射パネル221からなり、放射パネル221に、風路23の上流側と下流側で室内空間1への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱の放射により室内空間の空調を行う放射空調システムに関する。
室内空間の温湿度環境を快適にするための空調機は、空調空気を室内空間へ噴き出して対流させるものが一般的である。このような空気噴流式の空調機によれば、室内空間に気流が発生し、その気流が人体に直接当たることで不快を感じることがある。また、たとえば冷房においては、風速0.5mで体感温度は3℃低下するといわれている。そこで近年は、不快な気流感や、室内空間の上下温度分布が発生しにくい放射空調システムが注目されている。
図7は、この種の放射空調システムの従来技術を示すものである。すなわち図7に示す放射空調システムは、天井材101の裏側に上部及び側部が断熱材102によって適切に断熱され密閉された天井裏空間104を形成して、この天井裏空間104に空気調和機103からの冷却空気又は加熱空気Aを供給して、天井材101からの熱放射により室内空間105の冷暖房を行うものである(下記の特許文献1参照)。
ここで、ヒトの体感温度は、おおよそ次式(1)で表すことができる。
Figure 2016217630
そして放射空調システムは、式(1)におけるtを調整することによって適正な体感温度を得ようとするものであり、空調空気を室内空間へ噴き出す一般的な空気噴流式の空調システムと比較して、空気を攪拌する必要がないので、不快な気流感や空調騒音が少なく、室内の空気温度自体は、冬は低めに、夏は高めに抑えられるので、窓を通した熱漏れや換気によるエネルギーロスが少なくなり、さらには空気温度の設定が抑えられるため、冬の相対湿度は高めに、夏の相対湿度は低めにシフトし、快適な湿度環境が形成されるといった利点があり、就寝中の人や低代謝の人に適した空調システムである。
特開平5−149586号公報
しかしながら、図7に示す従来の技術による放射空調システムは、空調機103や断熱材102や配管などを天井裏空間104に設置するものであることから、施工やメンテナンスなどが天井裏での作業となり、天井裏空間104の高さがある程度高いものである必要がある。しかも、天井裏空間104がある程度加熱あるいは冷却されないと、天井材101から室内空間105への放射が行われないため冷暖房の立ち上がりが悪く、このため室内空間105が快適な空間となるのに長時間を要する懸念があった。
また、冷房運転の場合は天井材101の表面温度が配管の噴き出し口近傍で低温になり、暖房運転の場合は天井材101の表面温度が配管の噴き出し口近傍で高温になるような温度勾配を生じるため、このような温度勾配によって天井材101から室内空間105への熱の放射量の差が大きくなり、温度ムラを生じる懸念がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、施工が容易であって、冷暖房の立ち上がりに優れ、しかも温度ムラの生じにくい放射空調システムを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る放射空調システムは、室内空間の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機と、この空調機の空調空気噴出口と連通した風路を形成する放射パネルからなり、前記放射パネルに、前記風路の上流側と下流側での前記室内空間への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設けたことを特徴とするものである。
上記構成を備える放射空調システムは、空調機と、この空調機からの風路を形成する放射パネルとを結合してユニット化することができる。そして空調機の運転状態では、空調機の空調空気噴出口から噴き出された空調空気(冷却空気又は加熱空気)が風路を通過する過程で、放射パネルが空調空気との熱交換により冷却又は加熱され、その表面温度に応じた放射強度で室内空間へ熱放射することによる放射冷暖房を行うものである。また、放射パネルと熱交換されることによって適宜昇温した前記冷却空気又は適宜降温した前記加熱空気は、前記風路の下流端から室内空間へ流出し、対流によって室内空間の空気を調温する室内対流冷暖房を行い、放射による冷暖房効果を補うものである。そして冷房運転の場合は風路内の冷却空気は上流側ほど低温に、下流側ほど高温になり、暖房運転の場合は風路内の加熱空気は上流側ほど高温に、下流側ほど低温になるような温度勾配を生じるが、放射パネルに設けた放射グラデーション手段は、このような温度勾配による室内空間への熱の放射量の差を緩和し、放射冷暖房による温度ムラを緩和するものである。
請求項2の発明に係る放射空調システムは、請求項1に記載された構成において、放射グラデーション手段が、放射パネルの熱抵抗が風路の上流側で大きく風路の下流側で小さくなるように材質を変化させたものである。
すなわち、風路の上流側では放射パネルの熱抵抗が大きいことによって、室内空間側を向いた面への伝熱が抑制され、風路の下流側では放射パネルの熱抵抗が小さいことによって、室内空間側を向いた面への伝熱が促されるので、風路内の温度勾配による室内空間側の熱の放射量の差が緩和される。
請求項3の発明に係る放射空調システムは、請求項1又は2に記載された構成において、放射グラデーション手段が、放射パネルの肉厚を風路の上流側で厚く風路の下流側で薄くなるように変化させたものである。
すなわち、風路の上流側では放射パネルの肉厚が厚いことによって、室内空間側を向いた面への伝熱が抑制され、風路の下流側では放射パネルの肉厚が薄いことによって、室内空間側を向いた面への伝熱が促されるので、風路内の温度勾配による室内空間側の熱の放射量の差が緩和される。
請求項4の発明に係る放射空調システムは、請求項1〜3のいずれかに記載された構成において、放射グラデーション手段が、放射パネルにおける風路側又は室内空間側の表面に形成した多数の凹凸からなり、この凹凸の密度を風路の上流側で低く風路の下流側で高くなるように変化させたものである。
すなわち、風路の上流側では放射パネルに形成された凹凸の密度が低いことによって、放射パネルの単位領域の表面積が小さくなって熱放射が抑制され、風路の下流側では凹凸の密度が高いことによって、放射パネルの単位領域の表面積が大きくなって熱放射が促されるので、風路内の温度勾配による室内空間側の熱の放射量の差が緩和される。
請求項5の発明に係る放射空調システムは、請求項1〜4のいずれかに記載された構成において、風路を挟んで放射パネルと反対側に断熱パネルが配置され、前記放射パネルと断熱パネルがケース状にユニット化されたものである。
すなわち、放射パネルと断熱パネルがケース状にユニット化されているため、施工の際の取り扱いや取り付け作業を容易にすることができる。しかも断熱パネルによって熱損失が抑えられるため、放射パネルによる放射冷暖房効率を高めることができる。
請求項6の発明に係る放射空調システムは、請求項1〜5のいずれかに記載された構成において、放射パネルが透湿性を有する多孔質材又は繊維材からなるものである。
すなわち、冷房運転時に空調空気流通空間を通過する空調空気(冷却空気)によって冷却される放射パネルが透湿性を有するため、この放射パネルに結露を生じるのを防止することができる。
請求項7の発明に係る放射空調システムは、請求項1〜5のいずれかに記載された構成において、放射パネルが潜熱蓄熱材からなるものである。
放射パネルが潜熱蓄熱材からなるものとすれば、空調動作のオンオフ時に、放射パネルの表面温度に急激な変化が起こりにくく、室内空間の時間変化による温度のムラを抑えることができる。
本発明に係る放射空調システムによれば、空調機を天井裏空間に設置する必要がなく、しかも空調機と放射パネルとをユニット化することができるので、容易に施工することができる。また、放射パネルによる放射冷暖房を、風路の下流端部から空調空気が室内空間へ流出することによる対流冷暖房が補完するため、空調効果の立ち上がりが向上し、しかもケースの放射パネルからの放射が均一化されるため、放射冷暖房による温度ムラを緩和して快適性を向上させることができる。
本発明に係る放射空調システムの第一の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る放射空調システムの第一の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る放射空調システムの第二の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る放射空調システムの第三の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る放射空調システムの第四の実施の形態を示す断面図である。 放射パネルに潜熱蓄熱材を用いた場合の特性を示す線図である。 従来の放射空調システムの一例を概略的に示す縦断面図である。
以下、本発明に係る放射空調システムの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1及び図2は第一の実施の形態を示すもので、参照符号1は室内空間であり、11は室内空間1を画成する天井板、12は壁面、13は床面である。
参照符号2は放射空調システムで、適当な取付具24を介して天井板11の下面に設置され、室内空間1の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機21と、この空調機21の空調空気噴出口211aに接続されて水平な風路23を形成する中空のケース22を備える。ケース22は、高さ方向の寸法(厚さ)が100mm前後、あるいはそれ以下の薄いものとすることができる。
放射空調システム2における空調機21は、天井板11の下面に設置される室内機211と、屋外に設置される室外機212を備え、室内機211と室外機212の間で、熱媒流体を、液相−気相の可逆変化を伴いながら配管213を介して循環させることによって熱を運搬するヒートポンプ機能を奏するものである。そして室内機211は、室内空間1の空気を取り込んで熱媒流体の相変化に伴う吸熱又は放熱作用により冷却又は加熱し、この冷却又は加熱された空気を、空調空気噴出口211aから噴き出すようになっている。
放射空調システム2におけるケース22は水平方向へ扁平な箱状に形成されていて、天井板11の下面に設置され、室内空間1を向いた下側部分が放射パネル221からなり、その反対側の天井板11を向いた上側部分が断熱パネル222からなる。そしてこの放射パネル221と断熱パネル222の間の風路23は、上下方向に対して狭く水平方向に対して広い扁平な隙間状に形成され、その上流端23aが空調機21の室内機211の空調空気噴出口211aと連通すると共に、下流端23bが室内空間1に開放されている。
放射パネル221には、好ましくは熱抵抗が小さく(熱伝導性が良く)、かつ透湿性を有する薄肉の多孔質材、グラスファイバーの繊維板、あるいは和紙が好適に採用される。なお、和紙などのような膜状のものの場合は、適当な枠体に張設して用いられる。また、断熱パネル222としては、ウレタンなどの発泡樹脂保温材等が好適に採用される。
放射パネル221には、風路23の上流端23a側と下流端23b側での室内空間1への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段が設定されており、この放射グラデーション手段は、放射パネル221の熱抵抗が風路23の上流側(室内機211側)に位置する部分221aで相対的に大きく(例えば5.0×10−5〜0.15mK/W)、風路23の下流側(室内機211と反対側)に位置する部分221bで相対的に小さく(例えば1.0×10−5〜0.03mK/W)なるように材質を連続的に変化させたものである。
以上のように構成された放射空調システム2において、夏季に冷房を行う場合は、不図示のリモコン等の操作によって空調機21を冷房運転させると、この空調機21の室内機211からの冷却空気がケース22内の風路23へ送られる。そしてこの冷却空気が風路23を通過する過程で、ケース22の放射パネル221の裏面(上面)を擦過することによってこの放射パネル221との熱交換が行われ、すなわち放射パネル221が冷却されるので、先に説明した式(1)におけるtが低下し、この放射パネル221の表面(下面)から室内空間1への冷熱の放射TRが行われる。なお、この場合、実際には、冷却された放射パネル221からの熱(赤外線)の放射強度は著しく低いものとなるので、ヒトの体表面などから放射された熱が、冷却された放射パネル221の表面で反射せずに吸収されることによって冷感を感じるものであるが、ここでは便宜的に、放射パネル221からの放射TRによる冷感を感じるものとする。
一方、放射パネル221と熱交換されることによって適宜昇温した冷却空気は、風路23の下流端23bから室内空間1へ流出し、対流によって室内空間1を下降する。そしてこの冷却空気の流れは、風路23での拡散や摩擦によって減速されることに加え、上述のように、放射パネル221との熱交換によって適宜昇温しているため、室内対流による下降速度が緩やかであり、しかもこの下降気流は放射パネル221の周囲から壁面12に沿って発生する。このため不快な気流感が抑えられて、例えば横臥位にあるユーザーは、主として放射パネル221からの放射TRによる冷感を感じることとなる。
また、空調機21は室内空間1の空気を取り込んで冷却・除湿するため、室内空間1の水蒸気量が減少する。詳しくは、室内空間1内の空気が空調機21の室内機211に取り込まれて冷却される際には、空気に含まれる水蒸気が飽和して凝縮され、液化して室外へ排出されるので、風路23へ供給される冷却空気は湿度が低いものとなる。しかも放射パネル221は透湿性を有するため、風路23を通過する冷却空気で冷却されることによって放射パネル221の下面に結露を生じるのを防止することができ、このため、結露に伴う潜熱放出による放射冷房効率の悪化も防止することができる。
そして、図7に示す従来の放射空調システムのように天井裏の空間全体を冷却する必要がないことに加え、風路23を通過した冷却空気が室内空間1の上部へ流出するようにしたため、放射冷房の立ち上がりの悪さが改善され、短時間で快適な環境とすることができる。さらに、式(1)におけるtが低下するため、一般的な対流型(空気噴流型)の空調システムに比較して室温(式(1)における空気の温度t)を高く設定することができ、このため例えば窓を開けて換気を行う場合の外気との温度差が小さくなって熱損失も小さく抑えられ、その結果、省エネルギーに寄与することができる。
ここで、風路23内の冷却空気は、下流端23bへ向かう過程で放射パネル221との熱交換によって徐々に温まるため、放射パネル221の表面温度も、室内機211に近い部分221aで相対的に低温となるような温度勾配を生じることになるが、放射パネル221は、風路23の上流側の部分221aで熱抵抗が相対的に大きくなるように設定されているため、表面(下面)の温度勾配が緩和され、ひいては温度勾配による,熱の放射量の差が緩和される。したがって室内空間1への放射TRが均一化され、冷感のムラをなくして快適性を向上させることができる。
次に、冬季に暖房を行う場合は、ユーザーが不図示のリモコン等の操作によって空調機21を暖房運転させると、まず空調機21の室内機211からの加熱空気がケース22内の風路23へ送られる。そしてこの加熱空気が風路23を通過する過程で、ケース22の放射パネル221の裏面(上面)を擦過することによってこの放射パネル221との熱交換が行われ、すなわち放射パネル221が加熱されるので、先に説明した式(1)におけるtが高くなり、この放射パネル221の表面(下面)から室内空間1への熱の放射TRが行われる。
一方、放射パネル221と熱交換されることによって適宜降温した加熱空気は、風路23の下流端23bから室内空間1へ流出し、室内空間1の上部(ヒトの身長より高い領域)に滞留する。このためヒトの生活空間内での上下温度分布差や気流による不快感が抑えられて、例えば横臥位にあるユーザーは、主として放射パネル221からの放射TRによる温感を感じるものとなる。
そして、図7に示す従来の放射空調システムのように天井裏の空間全体を温める必要がないので、放射暖房の立ち上がりの悪さが改善され、短時間で快適な環境とすることができる。さらに、式(1)におけるtを上昇させるため、一般的な対流型(空気噴流型)の空調システムに比較して室温(式(1)における空気の温度t)を低く設定することができる。しかも風路23から流出した加熱空気は室内空間1の上部に滞留しており、室内空間1の下部の空気は比較的低温であるため、例えば窓を開けて換気を行う場合の外気との温度差が小さくなって熱損失も小さく抑えられ、その結果、省エネルギーに寄与することができる。
ここで、風路23内の加熱空気は、下流端23bへ向かう過程で放射パネル221との熱交換によって徐々に温度が低下するため、放射パネル221の表面温度も、室内機211に近い部分221aで相対的に高温となるような温度勾配を生じることになるが、放射パネル221は、風路23の上流側の部分221aで熱抵抗が相対的に大きくなるように設定されているため、表面(下面)の温度勾配が緩和され、ひいては温度勾配による熱の放射量の差が緩和される。したがって放射暖房による温度ムラを緩和して快適性を向上させることができる。
また、空調機21の室内機211やケース22は天井板11の下面に設置されるものであり、従来のように天井裏に設置する必要がないため、天井裏空間の高さに関係なく施工可能である。またこのため、メンテナンスなども容易に行うことができる。
そして、ケース22における放射パネル221と反対側は断熱パネル222からなるため、風路23を通過する空調空気(冷却空気又は加熱空気)から天井板11側への伝熱による熱損失が低減される。したがって放射パネル221からの室内空間1への放射効率を高めると共に、風路23の下流端23bから室内空間1へ流出する空調空気による調温効率を高めることができる。
また、この放射空調システム2は薄型であるため、天井板11の下面に設置したことによる圧迫感が少なく、しかも軽量であるため安全に取り付けることができる。
次に図3は、本発明に係る放射空調システムの第二の実施の形態を示すものである。この実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、放射パネル221がタイル状の複数のセグメント221cに分割されており、風路23の上流端23a側(室内機211側)に位置するセグメントには熱抵抗が相対的に大きい材質のものを用い、風路23の下流端23b側(室内機211と反対側)のセグメントほど、熱抵抗が相対的に小さい材質のものを用いることによって、室内空間1への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設定した点にある。
したがって、この第二の実施の形態も、第一の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
次に図4は、本発明に係る放射空調システムの第三の実施の形態を示すものである。この実施の形態において、上述した各実施の形態と異なるところは、放射パネル221の肉厚を風路23の上流端23a側で厚く風路23の下流端23b側で薄くなるように変化させることによって、室内空間1への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設定した点にある。この場合、放射パネル221の肉厚は連続的に変化させても良く、あるいは放射パネル221を肉厚の異なる複数のセグメントからなるものとすることによって、段階的に変化させても良い。
すなわち、第三の実施の形態によれば、風路23の上流端23a側では放射パネル221の肉厚が厚いことによって、放射パネル221の裏面(上面)から表面(下面)への伝熱が抑制され、風路23の下流端23b側では放射パネルの肉厚が薄いことによって伝熱が促されるので、風路23内の温度勾配による熱の放射量の差が緩和される。したがって放射冷暖房による温度ムラを緩和して快適性を向上させることができる。
次に図5は、本発明に係る放射空調システムの第四の実施の形態を示すものである。この実施の形態において、上述した各実施の形態と異なるところは、放射パネル221における風路23側の面(上面)又は室内空間1側の表面(下面)に多数の凹凸(凹部又は凸部又はその両方)221dが形成されており、この凹凸221dの密度を風路23の上流端23a側で低く風路の下流端23b側で高くなるように変化させることによって、室内空間1への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設定した点にある。この場合、凹凸221dはディンプル状のものや隆起形状のもの、溝状、あるいは格子状のものなどが考えられる。
第四の実施の形態によれば、風路23の上流端23a側では放射パネル221に形成された凹凸221dの密度が低いことによって、放射パネル221の単位領域の表面積が小さくなって風路23からの受熱あるいは室内空間1への熱放射が抑制され、風路23の下流端23b側では凹凸221dの密度が高いことによって、放射パネル221の単位領域の表面積が大きくなって風路23からの受熱あるいは室内空間1への熱放射が促されるので、風路23内の温度勾配による熱の放射量の差が緩和される。したがって放射冷暖房による温度ムラを緩和して快適性を向上させることができる。
なお、放射パネル221には、冷房時の結露の懸念がある環境では、上述のように透湿性を有する材質のものを採用することが好ましいが、比較的乾燥した状態に維持される環境で使用する場合は、潜熱蓄熱材(Phase Change Material:PCMともいう)を使用することも可能である。潜熱蓄熱材を用いた場合は、空調機のサーモオフ時による放射パネルの表面温度の時間経過での温度降下を抑えることが可能であり、したがって、図6に示すように、空調のサーモオフ時とオン時での影響を受けにくくし、放射パネルの表面温度のムラを抑制する効果がある。すなわち、放射パネルに潜熱蓄熱材を使用した場合は、空調動作のオンオフ時に、放射パネルの表面温度に急激な変化が起こりにくく、室内空間の時間変化による温度のムラを抑えることが可能となる。そして、空調機側ではサーモオフのなだらかな制御が難しいため、放射パネル側で対応できる点で有用である。
また、上述した実施の形態では、空調機21の室内機211及びこれに接続された中空のケース22を天井板11の下面に設置するものとして説明したが、壁面12に取り付けても良い。
1 室内空間
11 天井板
2 放射空調システム
21 空調機
211 室内機
211a 空調空気噴出口
22 ケース
221 放射パネル
222 断熱パネル
23 風路
23a 上流端
23b 下流端
221c セグメント
221d 凹凸

Claims (7)

  1. 室内空間の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機と、この空調機の空調空気噴出口と連通した風路を形成する放射パネルからなり、前記放射パネルに、前記風路の上流側と下流側での前記室内空間への熱の放射量の差を緩和する放射グラデーション手段を設けたことを特徴とする放射空調システム。
  2. 放射グラデーション手段が、放射パネルの熱抵抗が風路の上流側で大きく風路の下流側で小さくなるように材質を変化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の放射空調システム。
  3. 放射グラデーション手段が、放射パネルの肉厚を風路の上流側で厚く風路の下流側で薄くなるように変化させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射空調システム。
  4. 放射グラデーション手段が、放射パネルにおける風路側又は室内空間側の表面に形成した多数の凹凸からなり、この凹凸の密度を風路の上流側で低く風路の下流側で高くなるように変化させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放射空調システム。
  5. 風路を挟んで放射パネルと反対側に断熱パネルが配置され、前記放射パネルと断熱パネルがケース状にユニット化されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の放射空調システム。
  6. 放射パネルが透湿性を有する多孔質材又は繊維材からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放射空調システム。
  7. 放射パネルが潜熱蓄熱材からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の放射空調システム。
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