JP2020165628A - 放射空調装置、放射パネルの取り付け方法及び取り外し方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ところが対流方式は、快適性の面で不満を感じさせやすい。
その原因の一つは、空気を対流させた場合、室内空間に上下の温度分布差が発生し、暖まった空気は天井側にいきやすく、冷えた空気は床面に留まりやすいことにある。健康に良く、人が快適と感ずる頭寒足熱とは反対の状態となるため、どうしても不快に感じられてしまうのである。
不満を感じやすいもう一つの原因は、対流させた気流が人体に直接当たる、いわゆるドラフトと呼ばれている現象が生ずることにある。例えば冷房の効いた室内では、風速0.5mで体感温度は3℃低下するといわれている。このため炎天下の屋外から空調されている室内に入ったような場合、最初のうちは快適に感ずるものの、体が冷えた後はかえって寒さを感じてしまうのである。
また気流が直接体に当たり続けること自体、不快に感ずる人も少なくない。
このような放射方式の空調装置の一例として、特許文献1は、天井面に空調機と扁平形状を有する中空のケースとを取り付けた空調装置(特許文献1は「放射空調システム」と呼んでいる)を開示している。
この空調装置に用いられる空調機は、室内空間の空気を取り込んで吹出口から空調空気を吹出す。放射パネルは、互いに対面させた透湿性を有する放射パネルと断熱パネルとの間に風路を形成する。空調機と放射パネルとは、風路の入口に吹出口を対面させるようにして天井面に取り付けられている(特許文献1の段落[0025]〜[0029]、図1〜図2参照)。
このような構造の空調装置によれば、空調機の吹出口から吹き出された空調空気が風路に導入され、風路内を流通する。これによって放射パネルの温度が制御され、放射冷暖房が行なわれる。
その一方で放射パネルは着脱可能でなければならない。
ところが室内空間の冷暖房に必要な放射パネルの面積を考慮すると、その重量にもよるが、放射パネルの着脱作業は容易とは言い難い。
この点特許文献1は、「天井板11の下面に設置され、室内空間1を向いた下側部分が放射パネル221からなり」と記載されているのみで(段落[0028]参照)、放射パネルの着脱構造については特段開示していない。
つぎの項目にしたがって説明する。
1.放射空調装置
(1)空調機
(2)放射パネルユニット
(a)パネル基体
(b)放射パネル
(c)パネル基体に対する放射パネルの着脱構造
(放射パネルの仮止め構造)
(放射パネルの本固定構造)
(第1パネルの保持構造)
(布カバーの工夫)
2.設置手順
(1)空調機の設置
(2)パネル基体の取り付け
(3)放射パネルの取り付け
(a)仮止め
(b)第2パネルの回転
(c)本固定
(d)第1パネルの保持
(4)放射パネルの取り外し
(a)第1パネルの保持解除
(b)連結部の連結解除
(c)第2パネルの回転
(d)脱落
3.作用効果
(1)結露の防止
(a)結露の原因
(b)本実施の形態の放射空調装置
(c)結露防止の原理
(2)熱放射面積の拡大
(a)幅方向への拡大
(b)空調機と重なる領域への拡大
(3)ショートカット現象の防止
(4)シートの形状及び構造からもたらされる作用効果
(a)熱放射面積の拡大
(b)製造の容易化
(c)不利益の解消
(5)放射パネルの着脱作業の容易化
(6)シートの材料選定の自由度
(7)シートの変形の抑制
(8)熱効率
(9)外観上の特長
(a)美観
(b)用と美
4.変形例
(1)放射空調装置の設置場所
(2)放射空調装置の設置状態
(3)空調機と背面パネルとの配置
(4)放射パネルの構造
(5)放射パネルの固定構造
(a)スライダの取り付け位置
(b)第1パネル
(6)放射パネル形態
(7)側壁
(8)排出口
(9)シートのチャック位置のバリエーション
(10)その他
図1に示すように、本実施の形態の放射空調装置11は、ともに天井面Cに設置された空調機51と放射パネルユニット101とからなる。
後述する空調機51のハウジング51a、放射パネルユニット101を構成するパネル基体111(背面パネル112、側壁113)及び放射パネル131(枠体132、布カバー141)の横幅方向、奥行き方向、及び高さ方向も、上記規定に準ずる(図2乃至図4参照)。
そこで各部の両側という場合、これらの各部の横幅方向(幅方向)の両側を意味する。
図1中、空調機51の前面は右側の面であり、背面は左側の面である。
図1中、放射パネルユニット101及びその構成要素の前側、先端側は右側であり、後側、後端側は左側である。このため放射パネルユニット101及びその構成要素の先端部は図1中の右側の端部、後端部は図1中の左側の端部ということになる。
天井面Cは折り上げ天井となっており、窪みC1を有している(図10、図11も参照)。この窪みC1に嵌り込むように、例えば吊りボルトによって空調機51は取り付けられている(図10参照)。
空調機51は、横幅、奥行き、高さの順に寸法が小さくなる薄型形状のハウジング51aを備え、その内部に各部を収容している。
このような形状の空調機51は、背面に設けられた空気取込口52から室内Rの空気を取り込み、熱交換器53を介して、ブロワ54によって吹出口55から空調された空気を吹出す。空気取込口52には、フィルタ56が着脱自在に取り付けられている。
天井面Cの窪みC1に嵌り込むように取り付けられた空調機51は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿わせて、吹出口55を位置付けている。
放射パネルユニット101は、パネル基体111と放射パネル131とによって構成されている。
図2に示すように、パネル基体111は、矩形形状をした平板状の背面パネル112の両側部分から、一対の側壁113を立ち上げた形状の断熱部材である。例えば樹脂、石膏、ウレタン、グラスウール、ロックウールなどをパネル基体111の材料として用いることができる。
一対の側壁113は、背面パネル112の長辺方向(幅方向)の両端部分、つまり両側端から立ち上げられており、長辺に沿う幅方向に僅かに回り込んでいる。したがってその形状上、一対の側壁113の一端側の領域と他端側の領域、それに一面側の背面パネル112に対面する領域との三面が開放されている。説明の便宜上、一対の側壁113の一端側の領域を導入口114、他端側の領域を排出口115、そして背面パネル112に対面する領域を対面領域116と呼ぶ。対面領域116は、一対の側壁113の上端面を含む平面内の領域である。
ストッパ金具119は連結具として機能するもので、連結溝119aを設けている。
図3、図4に示すように、放射パネル131は、矩形形状をした枠体132に袋形状の布である布カバー141を被せることによって形成されている。
別の一例として、棒状部材133は樹脂によって成形されていたり、カーボンによって形成されていたりしてもよい。
このような枠体132は、第1枠体134と第2枠体135とを備えている。
第1枠体134は、空調機51に対面する領域に配置される。第1枠体134の幅は、空調機51よりも広く設定されている。
第2枠体135は、その幅方向及び奥行き方向ともに、パネル基体111の幅方向及び奥行き方向よりも大きく、奥行き方向の後端側は、空調機51の下面の奥行き方向後方部分にまで達する長さとなっている。
第1枠体134は、第2枠体135の後端部にヒンジ136で連結され、第2枠体135に対して回転自在である(図3、図6参照)。第1枠体134は、第2枠体135の奥行き方向の後端部とともに、空調機51を完全に覆う大きさを有している。
このような布カバー141は、布、つまり繊維を素材として形成され、通気性と伸縮性とを有している。
そこで布カバー141は、その幅方向及び奥行き方向を枠体132よりも僅かに小さく形成されており、枠体132を収納した際、張られた状態を維持する。
袋形状という布カバー141の形状については、枠体132の幅方向を包み込む形状としてみたとき、エンドレス形状とみることもできる。両端が開放されたエンドレス形状の一端側を閉じた形状が袋形状になるからである。
表面繊維141Aは、放射パネル131が設置された際に室内R側に露出し、放射空調装置11の外観態様を決定づける。そこで表面繊維141Aの材料を選定するに際しては、美的観点が重要視される。
裏面繊維141Bの方は、空調機51の吹出口55から吹出した空気流が表面繊維141Aの裏側に導かれるに際して、空気流に極力抵抗を与えないようにするという観点からその材料が選定される。この観点から、本実施の形態ではメッシュの布、つまりメッシュ素材の繊維が裏面繊維141Bとして使用されている。
図3、図4に示されているように、表面繊維141Aは背面パネル112に対面する裏面側にまで回り込んでおり、裏面側で裏面繊維141Bと縫い合わされている。布カバー141は、放射パネル131をパネル基体111に装着した際、一対の側壁113と位置合わせされるように縫い合わせ部分SPを位置付けている。
第1パネル131Aは、空調機51の一部に対面する領域を担っている。
第2パネル131Bは、空調機51の残りの一部とパネル基体111の全面に対面する領域を担っている。
図5(a)に模式的に示すように、枠体132に布カバー141がカバーリングされた状態になっている放射パネル131は、表面繊維141Aによる一面と、裏面繊維141Bによる反対側の面とを有する中空の形状を形成している。このとき放射パネル131は、布カバー141の裏面繊維141Bがメッシュの布なので、裏面側に開口部Oを有しているのと等しい状態を作り出している。このため流路151を流れる空調空気は裏面繊維141Bから自由に放射パネル131の内部に入り込み、表面繊維141Aの内部に接する。このためもとより通気性を有している表面繊維141Aは、放射面RSとして機能する。
このとき図5(a)に模式的に示すように、放射パネル131は枠体132をカバーリングする布カバー141によって中空になっているため、上記寸法関係から、表面繊維141A側の放射面RSは背面パネル112の幅よりも広い。
これに対して開口部Oは、一対の側壁113の対向間隔に一致している背面パネル112の幅よりも狭い。換言すると一対の側壁113は、空調機51の吹出口55から空調空気が吹出される方向に沿って背面パネル112と放射パネル131との間に介在し、開口部Oをはみ出すことなく間に入れて対向している。これによって空調空気の流路151はその幅を一対の側壁113によって規定され、開口部Oから空調空気を外部に漏らすことなく、放射パネル131の内部空間に連絡している。
ハウジング51aの下面に密接する第1枠体134及び第2枠体135のうち、第1枠体134に連結される第2枠体135の外枠部材133aは、棒状の密接部材RMとして機能する。棒状の密接部材RMは、外枠部材133aの一部であり、布カバー141を介して空調機51のハウジング51aに密接する。密接するのは、ハウジング51aの下面である。密接部材RMとなる外枠部材133aの一部をハウジング51aに密接させるための構造については、後述する。
このような密接部材RMは、放射パネル131の内部空間を区切り、熱交換器53よりも空調機51の後方側(空気取込口52の側)に空調空気が回り込むことを防止する。
図3、図4及び図6(a)(b)に示すように、枠体132には、放射パネル131を仮止めし、固定するための構造物として、一対のスライダ137、被連結具としての一対の連結ピン138、及び被吸着部材としての一対の吸着板139が設けられている。
一対の連結ピン138は、前述したストッパ117と協働し、放射パネル131を本固定するための部品である。
一対の吸着板139は、後述する磁石MGと協働し、放射パネル131のうち第1パネル131Aを保持するための部品である。
図3、図4、図6(a)及び図7乃至図9に示すように、放射パネル131の仮止め構造は、一対のレール57と一対のスライダ137とによって構成されている。
一対のスライダ137は、第2枠体135の密接部材RMをなす外枠部材133aにそれぞれ固定されている。固定位置は、外枠部材133aの両端近傍位置である。
スライダ137は、外枠部材133aにねじ固定するための板金137aに丸棒状のピン137bを固定している。板金137aは、外枠部材133aよりも高い位置にピン137bを位置づけている。ピン137bは放射パネル131の幅方向、つまり第1枠体134と第2枠体135との回転軸の方向に沿って配置されている。
図8に示すように、空調機51のハウジング51aの両側面には、後方側の下方の位置に一対のレール57が取り付けられている。これらのレール57は、空調機51とパネル基体111との配列方向に沿って延び、段部57aを有している。段部57aは、パネル基体111側の高さを低く、空調機51側の高さを高くしている。
レール57に載置されたピン137bは、レール57上をスライド移動自在である。このときピン137bは段部57aを乗り越え、スライダ137の高さ、換言すると放射パネル131の高さを変動させる。パネル基体111側から空調機51側にスライダ137が移動すれば、放射パネル131は高い位置に位置づけられる。空調機51側からパネル基体111側にスライダ137が移動すれば、放射パネル131は低い位置に位置づけられる。高い位置に位置づけられた放射パネル131は、布カバー141を介して、密接部材RMとなる第2枠体135の外枠部材133aを空調機51のハウジング51aに密接させる。
図2乃至図4及び図6(b)に示すように、放射パネル131の本固定構造は、一対のストッパ117と一対の連結ピン138とによって構成されている。
一対の連結ピン138は、第2枠体135に固定されている。固定位置は、第1枠体134に連結される側と反対側の外枠部材133aに連結された一対の補強部材133bである。これらの補強部材133b中、連結ピン138は、外枠部材133aの比較的近い位置に取り付けられている。
一対の連結ピン138は、パネル基体111に設けられた左右一対のストッパ117の連結溝119aに嵌合するスタッドの形態を有している。連結溝119aは、放射パネルユニット101の排出口115に位置し、室内R側に開口している。このため連結ピン138は、パネル基体111から空調機51の方向に向けた放射パネル131の水平移動によって、ストッパ117の連結溝119aに嵌合する。
そこでストッパ117及び連結ピン138は、空調機51とパネル基体111との配列方向への移動動作に応じて着脱自在に連結する連結部CNを構成する。
図1、図3乃至図4及び図6(a)に示すように、第1パネル131Aの保持構造は、一対の磁石MG(パネル保持部)と一対の吸着板139(被吸着部材)とによって構成されている。
一対の吸着板139は、第1枠体134に設けられた二本の補強部材133bにそれぞれ固定されている。固定位置は、第1枠体134と第2枠体135とが同一面内に配置された状態で、スライダ137のピン137bよりも僅かに低くなる位置である。これらの吸着板139は、第1枠体134が水平に起立した状態で、平板状の吸着面139aを水平に位置づける。
一対の磁石MGは、空調機51の背面に設けられている。設置位置は、両端近傍の位置である。これらの磁石MGは下方に向けられて取り付けられている。
これらの磁石MGと吸着板139とは、放射パネル131が本固定された状態で第1パネル131Aを水平に起こしたとき、吸着板139の吸着面139aが磁石MGに対面し、磁力で吸着されるように位置づけられている。
パネル基体111に対する放射パネル131の着脱構造を設けることによって、放射パネル131の枠体132には凹凸が発生する。スライダ137、連結ピン138、及び吸着板139の箇所である。
もしも布カバー141がこれらの各部も一緒に枠体132をカバーリングする構造だとすると、枠体132に対する布カバー141の着脱作業が煩雑になるばかりか、それらの各部の機能を正常に発揮させることができなくなってしまう。
そこで布カバー141は、スライダ137、連結ピン138、及び吸着板139の箇所に露出用の開口を開け、これらの各部を露出させることができるようにしている。露出用の開口については、図示を省略する。
放射空調装置11の設置手順について説明する。
まず図10に示すように、空調機51は、折り上げ天井となった天井面Cに設けられた窪みC1に設置する。
予め窪みC1が設けられていればこれを利用し、窪みC1が設けられていなければ天井面Cを工事して窪みC1を作成する。
図11に示すように、天井面Cに、パネル基体111を取り付ける。
パネル基体111は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに導入口114が位置付けられるように位置合わせされ、天井面Cに固定される。
このときパネル基体111の導入口114は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿って位置付けられる。その結果空調機51の吹出口55とパネル基体111の導入口114とは位置合わせされ、互いに連絡する状態となる(図1も参照のこと)。
(a)仮止め
まず放射パネル131を仮止めする。
図12に示すように、空調機51の両側部に設けたレール57に放射パネル131に設けた一対のスライダ137(図4等参照)を近づけ、図13に示すように、スライダ137をレール57に載せることで、放射パネル131は仮止めされる。スライダ137は、レール57の手前側に位置する高さが低い場所に載せる。
仮止めされた状態の放射パネル131は、第2枠体135も第1枠体134も位置が拘束されず、回転自在な状態となっている。
図14に示すように、放射パネル131を仮止めしたら、第2パネル131Bを回転させて水平にする。
このとき一対のスライダ137は、一対のレール57の高さが低い場所に載置されている。第2パネル131Bの連結ピン138は、パネル基体111のストッパ金具119に間隔を開けて対面する状態になっている。
図15に示すように、第2パネル131Bを水平にしたら、そのままの姿勢を維持しながら第2パネル131Bを押し込む。つまり放射パネル131を空調機51の方向に向けて移動させる。
これによってストッパ金具119の連結溝119aに連結ピン138が嵌り込み、放射パネル131が本固定される。
このときレール57上でスライダ137がスライド移動し、段部57aを乗り越えて高さが高い位置に位置づけられる。これによって放射パネル131の先端側、つまり第1パネル131Aに連結する第2パネル131Bの端部側が持ち上げられ、空調機51のハウジング51aの下面に押し付けられる。その結果第2枠体135の密接部材RMとなる外枠部材133aが布カバー141を介してハウジング51aの下面に密接する。
第1パネル131Aは、放射パネル131が本固定されたとき、ヒンジ136によって自由回転し、鉛直方向に垂れ下がる。
図16乃至図18に示すように、第1パネル131Aを回転させて水平にする。
すると空調機51の背面に設けられている磁石MGに第1パネル131Aに設けられている吸着板139の吸着面139aが磁力で吸引され、布カバー141を介して磁石MGに吸着される。これによって第1パネル131Aが保持され、水平状態を保つ。
第1パネル131Aが水平状態を保つことで、布カバー141は第1枠体134に引っ張られ、張った状態に保たれる。
こうして放射パネル131の取り付け作業が完了する。
(a)第1パネルの保持解除
図17に示すように、磁石MGの磁力による吸着板139の吸引力に抗して、第1パネル131Aを回転させる。
すると図15に示すように、手を離すと、第1パネル131Aは自由回転し、鉛直方向に垂れ下がった状態になる。
図15に示す状態から図14に示す状態になるように、第2パネル131Bを把持して引っ張る。つまり放射パネル131を空調機51からパネル基体111の方向に向けて移動させる。
これによってストッパ金具119の連結溝119aから連結ピン138が脱落し、放射パネル131の本固定が解除される。
このときレール57上でスライダ137がスライド移動し、段部57aを乗り越えて高さが低い位置に位置づけられる。これによって放射パネル131の先端側、つまり第1パネル131Aに連結する第2パネル131Bの端部側の位置も下がり、空調機51のハウジング51aの下面から離れる。その結果第2枠体135の密接部材RMとなる外枠部材133aが布カバー141を介してハウジング51aの下面に密接する状態も解除され、放射パネル131は仮止め状態になる。
図13に示すように、レール57に載置されているスライダ137のピン137bを始点に第2パネル131Bを回転させ、傾斜した状態にする。
第2パネル131Bの両端を把持し、レール57からスライダ137を持ち上げるようにして脱落させる。
これによって放射パネル131の取り外し作業が完了する。
空調機51を作動させると、吹出口55から空調空気が吹出し、流路151を通って導入口114から排出口115に流れる。すると空調空気によって放射パネル131の温度が調整される。暖房時には暖められ、冷房時には冷やされる。これによって室内Rが放射空調される。
冷房時、本実施の形態の放射空調装置11は、放射パネル131に結露を生じさせることを抑制する。
その理由を詳しく説明する。
空気中には水分が気体(水蒸気)として含まれている。
空気が限界まで水蒸気を含んだ状態は飽和状態と呼ばれ、このときの水蒸気量を飽和水蒸気量という。飽和水蒸気量は気温に依存して変動し、気温が高いほど多く、低いほど少なくなる。
そこで空気を冷やしていくと、気温が高いうちは水蒸気の形態だった水分はいずれ飽和し、液体に変化する。つまり気温の低下とともに飽和水蒸気量も少なくなるため、空気を冷やし続ければある時点で水蒸気が飽和し、液体に変わるわけである。
このときの温度を露点温度という。
露点温度は空気中に含まれる水蒸気量に応じて変動し、水蒸気量が多いほど高く、少ないほど低くなる。
より具体的な現象でいうと、露点温度を下回ることによって飽和した水蒸気は凝結し、物の表面に水滴となって付着する。これが結露と呼ばれる現象である。
このとき同じ温度を出発点として気温が下がっていったとしても、含んでいる水蒸気量が多いときよりも少ないときの方が、結露を生ずる温度が低くなる。例えば25℃の環境下で気温が下がりはじめたとき、飽和水蒸気量の50%の水蒸気を含む場合には約14℃で結露を生ずるのに対し、30%の水蒸気しか含まない場合に結露を生ずるのは、約6.5℃である。
本実施の形態の放射空調装置11においては、放射パネル131によって区画される裏面側、つまり空調機51が配置される流路151の側では、空調機51の冷房運転によって空気の乾燥が促され、乾いた空気が流通する。空気取込口52から空調機51に取り込まれた室内Rの空気は熱交換器53を通過する際に急速に冷やされ、空気中に含まれる水蒸気の一部が液化して除去されるからである。
したがって空調空気の流路151を通り抜ける空気は、冷房運転によって冷やされることで飽和水蒸気量が減少したとしても、乾燥によってその露点温度が低くなるために、放射パネル131の裏面に結露を生じさせない。より詳細には、布カバー141中の裏面繊維141Bにも、裏面側に回り込んでいる表面繊維141Aにも、結露は生じない。
その一方で放射パネル131の表面側は、冷房運転によって冷やされ、室内Rの空気を放射冷却する。このため放射パネル131の表面に位置する布カバー141、つまり表面繊維141Aは低温状態を維持するので、表面繊維141Aに接する空気は露点温度に近づいていくことになる。
このとき表面繊維141Aに接している空気が露点温度に達すると、その空気中に含まれている水蒸気が液体に変わろうとする。
これに対して本実施の形態では、布カバー141は通気性を有している。
このため空調空気の流路151を通り抜ける空気は布カバー141を通り抜け、室内R側に露出している表面繊維141Aの表側に漏れ出す。その結果、表面繊維141Aの表側では、乾燥した空気が層をなす状態になっている。
したがって乾燥した空気が層をなす表面繊維141Aの表側では、低下した表面繊維141Aの温度よりも空気の露点温度の方が低くなるため、結露が生じない。
以上の原理により、本実施の形態によれば、冷房時に、様々な環境において放射パネル131の表面に結露を生じさせないようにすることができる。
(a)幅方向への拡大
図5(a)に示すように、空調空気の流路151は、パネル基体111が有する背面パネル112と放射パネル131との間の空間に形成される。このとき流路151の幅は、パネル基体111に設けられた一対の側壁113の対向間隔によって規定される。
このとき一対の側壁113の対向間隔は、背面パネル112の幅によって決定される。一対の側壁113の対向間隔は、背面パネル112の幅以上には広がらない。このため空調空気の流路151の幅も、背面パネル112の幅以上には広がらない。
これに対して本実施の形態では、中空の放射パネル131を用いている。この放射パネル131は、空調機の流路151に接する開口部Oから内部空間を拡げ、開口部Oと反対側の一面に放射面RSを形成している。放射面RSは、背面パネル112の幅よりも広い水平投影面を有している。
したがって本実施の形態によれば、一対の側壁113によって規定される空調空気の流路幅を超えて、放射パネル131の熱放射領域を拡大することができる。その結果実際のサイズ以上の熱放射効率を得ることが可能である。
図5(b)に示すように、中空の放射パネル131は、空調機51の吹出口55の位置を越えて、空調機51と重なり合う位置にまで中空領域を有し、この領域にも放射面RSを配置している。
このためより一層放射パネル131の熱放射領域を拡大することができる。
しかも熱放射領域の拡大範囲は、第2枠体135の外枠部材133aによる密接部材RMが布カバー141を介して空調機51のハウジング51aに密接する領域に限られる。密接部材RMは、空調機51が内蔵する熱交換器53の鉛直方向直下に配置されるため、密接部材RMに至るまでの領域が全面的に熱放射領域として用いられ、熱放射効率の向上が図られる。
前述したように、空調機51と重なり合う位置にまで放射パネル131の中空領域を拡げているという構造上、空調機51の吹出口55から吹出された空調空気は空調機51の背面側、つまり空気取込口52が設けられている側に回り込んでいく。このとき空調機51の背面にまで空調空気が回り込んでしまうと、空調空気が空気取込口52から取り込まれ、いわゆるショートカット現象を引き起こしてしまう。これによって空調機51の運転効率が低下するので、何らかの対処が必要である。
この点本実施の形態では、第2枠体135の外枠部材133aによる密接部材RMが空調空気の流れを阻止し、ショートカット現象の発生を防止する。密接部材RMは、放射パネル131が本固定されたとき(図16乃至図18参照)、布カバー141を介して空調機51のハウジング51aに密接し、放射パネル131の内部を通って空調機51の背面側に向かう空調空気の流れを妨げる。
しかも本実施の形態では、第1パネル131Aが水平状態にされると(図16、図18参照)、布カバー141は第1枠体134に引っ張られ、張った状態に保たれる。これによって放射面RSをなす布カバー141の表面繊維141Aが密接部材RMに密接し、密接部材RMと表面繊維141Aとの間からの空調空気の漏れ出しも防止される。
よって本実施の形態によれば、ショートカット現象による空調機51の運転効率の低下を防止することができる。
布カバー141は、枠体132を収納する袋形状を有している。
これによってつぎの作用効果がもたらされる。
(a)熱放射面積の拡大
一つは放射パネル131を中空にすることが容易になるという作用効果である。
その結果、放射面RSの熱放射面積を幅方向に拡大することも、空調機51と重なる領域にまで拡大することも容易になる。
(b)製造の容易化
もう一つは、枠体132への取り付けが容易で、放射パネル131の製造の容易化を図ることができるという作用効果である。
(c)不利益の解消
その一方で、空調空気がその流路151から室内Rに至る間に二枚の布カバー141を通ることになるため、室内R側の布カバー141に向かう空調空気に対して流路151側の布カバー141が抵抗となる。このとき抵抗が大きすぎると、布カバー141の室内Rに面する領域に乾いた空調空気の層を生成する動作に支障が生ずる。
そこで本実施の形態では、布カバー141の空調空気の流路151に面する面に開口部Oを設け、この開口部Oにメッシュの布を設けている。
より詳しくは、室内R側に露出する表面側の繊維素材(表面繊維141A)と背面パネル112に対面する裏面側の繊維素材(裏面繊維141B)との縫い合わせ構造を採用し、布カバー141を袋形状に形成するようにしている。こうすることで、裏面繊維141Bは布カバー141としての体をなすようなものである必要がなくなり、様々な素材や形態のものを自由に採用することが可能となる。本実施の形態では、裏面繊維141Bにメッシュ状の素材を用いることで、流路151から室内R側の布カバー141に向かう空調空気に対して裏面繊維141Bが与える抵抗の低減を図っている。
しかも表面繊維141Aと裏面繊維141Bとの縫い合わせ部分SPは、側壁113と位置合わせされている。これによって放射パネル131を下から見たとき、表面繊維141Aを透けて縫い合わせ部分SPが見えてしまうようなことを防止することができる。
本実施の形態によれば、放射パネル131の着脱に際して、斜めにした状態で放射パネル131を仮止めすることができる。その後放射パネル131を水平にし、そのまま移動することで放射パネル131を本固定することができる。
このため放射パネル131の着脱作業の容易化を図ることができる。
このとき本実施の形態では、放射パネル131が第1パネル131Aと第2パネル131Bとに分けられており、放射パネル131の仮止め及び本固定に際しては、放射パネル131よりもコンパクトな第1パネル131Aだけに意識を集中させればよい。よって放射パネル131の着脱作業をより一層容易にすることができる。
本実施の形態によれば、空調機51の吹出口55から吹出された空調空気は排出口115から室内Rに導き出される。つまり布カバー141を通過して室内Rに意図的に空調空気を導き出す必要がない。
このため布カバー141には、空調空気を通過させるための特性が求められない。
布カバー141に求められるのは、基本的には、空調空気の流路151を通り抜ける空気を室内R側に漏れ出させ、表面繊維141Aの表側で乾燥した空気の層を生成させる程度の通気性だけである。
したがって本実施の形態によれば、シートの材料選択の幅を広げることができる。
本実施の形態によれば、吹出口55から吹出された空調空気が流路151を流れる方向に沿って放射パネル131の布カバー141が配置されている。そして流路151を流れる空気は排出口115から排出されるため、流路151内の内圧が高まることもない。
このため放射空調装置11の作動時、放射パネル131の布カバー141を撓ませるような空気の流れや圧力の上昇が生じず、布カバー141に生ずる変形を極力抑制することができる。
パネル基体111は、断熱性材料によって形成されており、背面パネル112及び側壁113に断熱部を設けたのと等価な状態になっている。
これによって流路151を流れる空調空気の熱がパネル基体111に奪われず、効率よく布カバー141を加熱又は冷却することが可能になる。その結果、熱効率に優れた放射空調装置11を得ることができる。
しかもパネル基体111そのものが断熱材料によって成形されているので、断熱材を別途用意し、これをパネル基体111に取り付けるような煩雑さがなく、パネル基体111の部品コスト及び製造コストの低減と、製造の容易化とを図ることができる。
(a)美観
空調機51は室内Rの一面(天井面C)に設けられた窪みC1に収納され、パネル基体111は室内Rの一面に接合されている。これによって室内Rの中で、放射空調装置11を薄く小形に見せることができる。
しかも放射パネル131は空調機51をも覆っており、袋形状の布カバー141の開口する一辺はチャック143によって閉じられるので、外観上、放射空調装置11は、天井面C近くに配置された一枚の放射パネル131だけの形態に見える。このとき放射パネル131は、繊維素材の布カバー141のみが露出した状態になっているため、人の感覚や感性に馴染む優しい表情を見せる。
したがって室内Rに設置したときに邪魔になったり煩わしくなったりしない洗練された外観態様の放射空調装置11を得ることができる。
(b)用と美
放射空調装置11がその外観上、天井面C近くに配置された一枚の放射パネル131だけの形態に見える理由をもう一歩踏み込んで考えると、つぎの三つの要因によることに気がつく。
・枠体132を布カバー141が覆う構造上、放射パネル131は中空である
・放射パネル131の水平投影面積は、背面パネル112の幅よりも大きい
・放射パネル131の水平投影面積は、空調機51と背面パネル112とを併せた面積よりも大きい
このような放射パネル131の構造及び各部の水平投影面積の大小関係は、前述した熱放射面積の拡大という「用」と密接にかかわっている。つまり放射パネル131は背面パネル112よりも幅が広いという水平投影面積の大小関係は、放射面RSの熱放射面積を幅方向に拡大することに貢献している。放射パネル131は空調機51を覆っているという水平投影面積の大小関係は、放射面RSの熱放射面積を空調機51と重なる領域にまで拡大することに貢献している。そしてこのような放射面RSの熱放射面積の拡大は、そもそも中空であるという放射パネル131の構造に依存している。
以上の観察から放射空調装置11の外観上の美観は、「用」と結びついた「美」であることがわかる。
実施に際しては、各種の変形や変更が可能である。
例えば本実施の形態では、天井面Cに設置する放射空調装置11を示したが、実施に際しては、室内Rの異なる一面、例えば壁面W(図1参照)に設置するように構成してもよい。この場合、壁面Wに窪みを設けておき、この窪みに空調機51を収納するようにすれば、本実施の形態と同様に、壁面Wに放射パネル131が設置されているだけのように見えるフラットな形態の放射空調装置11を実現することができる。
また天井面Cを折り上げ天井とし、窪みC1に空調機51を収納する一例を示したが、これは必ずしも必須ではなく、平坦な天井面C又は壁面Wに空調機51を設置するようにしてもよい。このとき天井面C又は壁面Wから空調機51の吹出口55が離反しやすくなるが、天井面C又は壁面Wから浮かせて放射パネルユニット101を設置することで、その流路151の入口となる導入口114を吹出口55に対面させることができる。
空調機51を天井面Cに取り付ける手段としては、上記例示した吊りボルトに限らず、各種の手段を採用することが可能である。例えばネジなどによる締結構造、面テープを用いた締結構造、圧入嵌合構造など、各種の変形が許される。
本実施の形態では、空調機51の吹出口55とパネル基体111の背面パネル112とを間を開けて隣り合わせで配置している。実施に際して背面パネル112は、空調機51の吹出口55に対して隣り合わせで天井面Cに取り付けられていればよい。
このとき重要なことは、吹出口55に対してパネル基体111の導入口114が連絡していることである。
ここでいう「連絡」は、吹出口55から吹出される空調空気が導入口114に案内されることであり、その限りにおいて、吹出口55と導入口114とは離間して配置されていても、接して配置されていても、あるいは重なり合って配置されていてもよい。つまり空調機51と背面パネル112とは離間して配置されていても、接して配置されていても、あるいは重なり合って配置されていてもよい。
放射パネル131は、必ずしも枠体132を布カバー141で覆った構造のものに限らず、例えば枠体132に和紙を貼ったものや、通気性を有するボードによって組み立てられたようなものであってもよい。一面に通気性を有する放射面RS、その反対側の面に開口部Oが設けられた中空のものであれば、各種の材質や構造の放射パネル131が許容される。
本実施の形態の放射パネル131のように枠体132を布カバー141で覆う構造を採用する場合、枠体132及び布カバー141のそれぞれの構造、形状、材質などについて各種の変形や変更が許容される。例えば枠体132を構成する棒状部材133の本数や配置位置は、本実施の形態で紹介したものに限らず、様々な本数や配置とすることができる。
(a)スライダの取り付け位置
本実施の形態では、第2枠体135にスライダ137を取り付けた構成例を例示した。実施に際してはこのような構成に限らず、スライダ137は、第1枠体134と第2枠体135との連結領域に設けられていればよい。例えば第1枠体134にスライダ137を取り付けることも可能である。あるいは第1枠体134と第2枠体135とを連結する部材としてヒンジ136を用いたが、このような連結部材としてより大型のものを用い、このような大型の連結部材にスライダ137を取り付けるようにしてもよい。
(b)第1パネル
第1パネル131Aを固定する構造も磁石MGに限らず、例えばネジやボルトによる締結構造、面テープを用いた締結構造、圧入嵌合構造など、各種の変形が許される。
上記実施の形態では、放射パネル131として平板形状のものを例示したが、実施に際しては各種の形態のものが許容される。
例えば図19(a)に示すように、放射パネル131は、正面から見て両側方が垂れ下がったようなアーチ形の形状であってもよい。このとき放射パネル131の平面形状は、図19(b)に示すような矩形形状でも、図19(c)に示すような楕円形状でも、各種の形状が許容される。
また放射パネル131は、天井面Cに密接している必要はなく、図20に示すように、天井面Cから吊り下げられていてもよい。
上記実施の形態では、一対の側壁113は、背面パネル112の両側縁から立ち上がる形態を例示した。これに対して実施に際しては、側壁113は、必ずしも側縁から立ち上がるのではなく、中心側に寄った位置から立ち上がるような形態であってもよい。
また本実施の形態において一対の側壁113として実現されている壁部は、背面パネル112から導入口114と排出口115とを残して囲い状に立ち上がっていれば、あらゆる形態のものが許容される。
さらに一対の側壁113は、背面パネル112と放射パネル131との間に介在しさえすれば、背面パネル112と一体になっていなくてもよい。
上記実施の形態では、導入口114に対面する領域に排出口115を設けた一例を示したが、実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。例えば側壁113の一部に排出口115を設けてもよいし、この場合、排出口115は複数個所に分散されていてもよい。
布カバー141のチャック143の位置は、上記実施の形態のような例えば図21(a)に示すような位置のみならず、図21(b)のような一辺に寄った位置、図21(c)に示すような三辺を取り囲む位置、あるいは図21(d)に示すようなV字形状等、各種の実施の形態が許容される。
その他、あらゆる変形や変更が可能である。
51 空調機
51a ハウジング
52 空気取込口
53 熱交換器
54 ブロワ
55 吹出口
56 フィルタ
57 レール
57a 段部
57b 規制片
101 放射パネルユニット
111 パネル基体
112 背面パネル
113 側壁(壁部)
114 導入口
115 排出口
116 対面領域
117 ストッパ
119 ストッパ金具(連結具)
119a 連結溝
131 放射パネル
131A 第1パネル
131B 第2パネル
132 枠体
133 棒状部材
133a 外枠部材(密接部材)
133b 補強部材
134 第1枠体
135 第2枠体
136 ヒンジ
137 スライダ
137a 板金
137b ピン
138 連結ピン(被連結具)
139 吸着板(被吸着部材)
139a 吸着面
141 布カバー(布)
141A 表面繊維
141B 裏面繊維(メッシュの布)
142 開放縁
143 チャック
151 流路
C 天井面
C1 窪み(天井)
CN 連結部
E エッジ
MG 磁石(パネル保持部)
O 開口部
R 室内
RM 密接部材
RS 放射面
SP 縫い合わせ部分
W 壁面
Claims (15)
- 天井に設置され、室内の空気を取り込んで吹出口から空調空気を吹出す空調機と、
幅方向に沿う一方の端部を前記空調機側に位置させて、前記空調機の吹出口に隣り合わせで天井面に取り付けられる背面パネルと、
前記背面パネルに対面する通気性を有する放射パネルと、
前記吹出口から空調空気が吹出される方向に沿って前記背面パネルと前記放射パネルとの間に介在する互いに対向配置された一対の側壁と、
前記空調機の両側に配置されて前記空調機と前記背面パネルとの配列方向に沿って延びる一対のレールと、
前記放射パネルの前記空調機側の端部に設けられ、前記レールにスライド移動自在に載置される一対のスライダと、
前記空調機と前記背面パネルとの配列方向への移動動作に応じて、前記背面パネルの前記一方の端部と反対側の端部側に設けられた連結具と前記放射パネルの前記背面パネル側の端部に設けられた被連結具とを着脱自在に連結する連結部と、
を備える放射空調装置。 - 天井に設置され、室内の空気を取り込んで吹出口から空調空気を吹出す空調機と、
幅方向に沿う一方の端部を前記空調機側に位置させて、前記空調機の吹出口に隣り合わせで天井面に取り付けられる背面パネルと、
前記空調機に対面する第1パネルと前記背面パネルに対面する通気性を有する第2パネルとを幅方向に沿う軸を中心に回転自在に連結する放射パネルと、
前記吹出口から空調空気が吹出される方向に沿って前記背面パネルと前記放射パネルとの間に介在する対向配置された一対の側壁と、
前記空調機の両側に配置されて前記空調機と前記背面パネルとの配列方向に沿って延びる一対のレールと、
前記第1パネルと前記第2パネルとの連結領域に設けられ、前記レールにスライド移動自在に載置される一対のスライダと、
前記空調機と前記背面パネルとの配列方向への移動動作に応じて、前記背面パネルの前記一方の端部と反対側の端部側に設けられた連結具と前記第2パネルの端部側に設けられた被連結具とを着脱自在に連結する連結部と、
を備える放射空調装置。 - 前記放射パネルは、
第1枠体と第2枠体とを回転自在に連結した枠体と、
前記枠体に張った状態で設けられる袋形状の布と、
を備える請求項2に記載の放射空調装置。 - 前記布は、前記背面パネル側の面に開口部を有している、
請求項3に記載の放射空調装置。 - 前記布は、前記開口部にメッシュの布を有している、
請求項4に記載の放射空調装置。 - 前記放射パネルは、前記空調機と前記背面パネルとを併せた面積よりも大きな水平投影面積を有している、
請求項1ないし5のいずれか一に記載の放射空調装置。 - 前記一対のレールは、前記背面パネル側よりも前記背面パネルの反対側の高さを高くする段部を備え、
前記連結部は、前記レールの高所に前記スライダが載置されたときに前記連結部と前記被連結部とを連結させ、
前記スライダは、前記レールの高所に前記スライダが載置されたときに、前記放射パネルの上面を前記空調機のハウジングの下面に密接させる、
請求項1ないし6のいずれか一に記載の放射空調装置。 - 前記一対のレールは、前記背面パネル側よりもその反対側の高さを高くする段部を備え、
前記連結部は、前記レールの高所に前記スライダが載置されたときに前記連結部と前記被連結部とを連結させ、
前記スライダは、前記レールの高所に前記スライダが載置されたときに、前記第1枠体に連結される前記第2枠体の外枠部材を前記空調機のハウジングの下面に密接させる、
請求項3ないし5のいずれか一に記載の放射空調装置。 - 垂下状態から回転した位置で前記第1パネルを位置固定するパネル保持部を備える、
請求項2ないし8のいずれか一に記載の放射空調装置。 - 前記空調機に設けた磁石で前記第1枠体に設けた金属製の被吸着材を吸着するパネル保持部を備える、
請求項3ないし5のいずれか一に記載の放射空調装置。 - 前記パネル保持部は、正規の設置位置に装着された前記第2パネルと同一平面内になるまで起こされた位置で、前記第1パネルを位置固定する、
請求項9又は10に記載の放射空調装置。 - 請求項2ないし8のいずれか一に記載された放射空調装置を用い、
前記一対のレールに前記一対のスライダを載置する工程と、
前記一対のレールに前記一対のスライダが載置された状態で前記第2パネルを水平になるように回転させる工程と、
前記一対のレール上で前記一対のスライダをスライド移動させながら、水平にした前記第2パネルを前記背面パネルから見て前記空調機の方向に向けて移動させ、前記連結具に前記被連結具を連結させる工程と、
を実行する放射パネルの取り付け方法。 - 請求項9ないし11のいずれか一に記載された放射空調装置を用い、
前記一対のレールに前記一対のスライダを載置する工程と、
前記一対のレールに前記一対のスライダが載置された状態で前記第2パネルを水平になるように回転させる工程と、
前記一対のレール上で前記一対のスライダをスライド移動させながら、水平にした前記第2パネルを前記背面パネルから見て前記空調機の方向に向けて移動させ、前記連結具に前記被連結具を連結させる工程と、
前記第1パネルを回転させ、前記パネル保持部に保持させる工程と、
を実行する放射パネルの取り付け方法。 - 請求項2ないし8のいずれか一に記載された放射空調装置を用い、
前記一対のレール上で前記一対のスライダをスライド移動させながら、水平にした前記第2パネルを前記空調機から見て前記背面パネルの方向に向けて移動させ、前記連結具に対する前記被連結具の連結を解除させる工程と、
前記一対のレールに前記一対のスライダが載置された状態で前記第2パネルを斜めになるように回転させる工程と、
前記第2のパネルが斜めになった状態で、前記一対のレールから前記一対のスライダを脱落させる工程と、
を実行する放射パネルの取り外し方法。 - 請求項9ないし11のいずれか一に記載された放射空調装置を用い、
前記第1パネルを回転させ、前記パネル保持部による保持を解除する工程と、
前記一対のレール上で前記一対のスライダをスライド移動させながら、水平にした前記第2パネルを前記空調機から見て前記背面パネルの方向に向けて移動させ、前記連結具に対する前記被連結具の連結を解除させる工程と、
前記一対のレールに前記一対のスライダが載置された状態で前記第2パネルを斜めになるように回転させる工程と、
前記第2のパネルが斜めになった状態で、前記一対のレールから前記一対のスライダを脱落させる工程と、
を実行する放射パネルの取り外し方法。
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