JP6543385B1 - 放射パネルユニット及び放射空調システム - Google Patents

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【課題】放射パネルに用いる繊維素材のシートの材料に求められる条件を緩和し、その選択の幅を広げ得るようにすること。放射空調システムの作動時、放射パネルに用いるシートに生ずる変形を極力抑制すること。【解決手段】平板状の背面パネル112とその両側方から立ち上がる一対の側壁113とを備えるパネル基体111を天井面Cに設置し、繊維素材の通気性を有するシート141で枠体132を覆った放射パネル131を対面させて流路151を形成する。天井面Cには室内の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機51も設置しておき、その空気噴出口55と流路151の入口である空気導入領域114とを連絡する。空気噴出口55から噴出させた空調空気を流路151に流してシート141に触れさせることによってシート141の温度を制御し、放射冷暖房を実現する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射方式の空調装置に用いる放射パネルユニット、及びこれを用いた放射空調システムに関する。
室内空間の環境を快適に維持するための空調装置としては、対流方式が従来から一般的に用いられている。温度や湿度を調整した空調空気を室内に噴き出し、対流によって空気調和を行う方式である。
ところが対流方式は、快適性の面で不満を感じさせやすい。
その原因の一つは、空気を対流させた場合、室内空間に上下の温度分布差が発生し、暖まった空気は天井側にいきやすく、冷えた空気は床面に留まりやすいことにある。健康に良く、人が快適と感ずる頭寒足熱とは反対の状態となるため、どうしても不快に感じられてしまうのである。
不満を感じやすいもう一つの原因は、対流させた気流が人体に直接当たる、いわゆるドラフトと呼ばれている現象が生ずることにある。例えば冷房の効いた室内では、風速0.5mで体感温度は3℃低下するといわれている。このため炎天下の屋外から空調されている室内に入ったような場合、最初のうちは快適に感ずるものの、体が冷えた後はかえって寒さを感じてしまうのである。
また気流が直接体に当たり続けること自体、不快に感ずる人も少なくない。
そこで従来、放射方式を採用した放射空調装置あるいは放射空調システムが提案され、実用化されている。これから紹介する文献の中には、「放射」を「輻射」と表現しているものもある。両者は同一の意味である。
特許文献1には、冷媒及び熱媒を流通させる伝熱パイプを天井近くに配置し、伝熱パイプに接触させるように室内側に輻射プレートを配置するようにした輻射空調装置が提案されている(文献1の段落[0008]、図1参照)。伝熱パイプを流通させる冷媒及び熱媒によって輻射プレートの温度を制御し、これによって輻射冷暖房を行う仕組みである。
輻射冷房について特許文献1は、「ちょうど洞窟の涼しさに匹敵し、部屋全体が均一に涼しく、不快な風の流れがないので快適な冷房である」とその快適性を謳っている(文献1の段落[0003]参照)。
その一方で、冷房時、輻射プレートの温度が空気中の露点温度よりも低くなると結露が生じ、結露水がしたたり落ちるという問題も指摘している(文献1の段落[0003]〜[0004]参照)。
そこで特許文献1は、輻射プレートの表面に吸放湿性に優れた布材を貼るという提案をしている(文献1の段落[0006][0008]参照)。輻射プレートが結露した場合には布材で吸湿をし、周囲湿度が低くなると吸湿した水分を放湿するという目論見である(文献1の段落[0005][0007][0009]参照)。
ところが特許文献1に記載されている空調装置は、輻射プレートが結露することを前提としている。このため輻射プレートの表面に貼った布材のみによっては、結露によって生じた水分を完全に吸湿し得ないことも予想される。
しかも吸湿と放湿とを繰り返す布材には、染みなどの変質が生じてしまうことも容易に予想される。
この点、特許文献2には、室内空間の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機を天井に設置し、互いに対面させた透湿性を有する放射パネルと断熱パネルとの間に風路を形成する中空のケースを天井面に取り付け、空調機の空気噴出口に風路を連絡させるようにした放射空調システムが提案されている(文献2の段落[0025]〜[0029]、図1〜図2参照)。空調空気を風路に流通させることによって放射パネルの温度を制御し、これによって放射冷暖房を行う仕組みである。
このような放射空調システムでは、基本的には放射パネルに結露が生じない。
放射パネルの温度が空気中の露点温度よりも低くなった場合、空気中に含まれる水蒸気は液相に変化して結露しようとするわけであるが、このとき完全に液相に変化する前のハイグロスコピック状態と呼ばれる状態をしばらくの間維持する。その間に、放射パネルの裏面を流れる乾燥した空気との間で平衡作用が働くため、放射パネルの表面側の水蒸気はハイグロスコピック状態のまま放射パネルを通り抜け、裏面側の乾いた空気に吸収されて室内に流される。その結果、放射パネルに対する結露の発生を防止することができるわけである。
特開平05−223287号公報 特開2016−217630号公報 特開2004−271171号公報
特許文献に記載されている放射空調システムによれば、放射パネルに結露が生ずることを基本的には防止することができる。ところが過酷な環境、例えば雨の日に窓を開けたような環境下で使用した場合にまで、結露を完全に防止できるわけではない。
そこでこの出願の発明者は、使用環境にかかわらず、放射パネルに対する結露の発生を完全に防止するという課題の解決に向けて、鋭意研究開発を進めた。その途上、放射パネルの材料として、織布などのような通気性を有する材料を用いることに思い至った。
放射パネルに織布を用いた従来の構成例としては、例えば特許文献3に示すような放射空調システムが知られている。
この放射空調システムは、平たい矩形の立方体形状に形成した輻射パネル構造体を全面的に織布によって形成し、これを圧力発生空間として使用するというものである(文献3の段落[0049]〜[0053]、図1〜図3参照)。このシステムは、輻射パネル構造体での輻射と、輻射パネル構造体からの穏やかな空気の吹き出しとによって室内の冷暖房を行うことで、ドラフトによる不快感を解消している(文献3の段落[0054]〜[0058]参照)。
ところが特許文献3に記載されている放射空調システムは、つぎの点で改善の余地がある。
(第1の課題)
特許文献3に記載された放射空調システムは、空調機の空気噴出口と放射パネル(輻射パネル構造体)との間の空間を密閉し、空調空気の気流を和らげて放射パネルから室内に導き出すという動作原理を採用している。
このため放射パネルに用いる織布には、熱放射の媒体としての特性だけでなく、空調空気の気流を穏やかに室内に発散させ得るようにするという特性が要求され、その分、織布に厳しい条件が求められることになってしまう。
(第2の課題)
特許文献3に記載された放射空調システムは、輻射パネル構造体を圧力発生空間として使用する構造上、その変形が不可避である。そこでこの文献には、これを逆手にとったかのように、伸縮構造にした実施の形態も紹介されている(例えば文献の図8〜図11参照)。
しかしながら放射空調システムが設置される例えば天井面において、システムの作動のたびに輻射パネル構造体が変形してしまうのは、製品としての洗練度の面から望ましくなく、室内の美観を損ないやすい。
本発明の課題は、放射パネルに用いる繊維素材のシートの材料に求められる条件を緩和し、その選択の幅を広げ得るようにすることである。
本発明の別の課題は、放射空調システムの作動時、放射パネルに用いるシートに生ずる変形を極力抑制することである。
本発明の放射パネルユニットは、背面パネルとこの背面パネルから空気導入領域と空気排出領域とを残して囲い状に立ち上がる壁部とを備え、一面側の開放された対面領域を室内側に向けた状態で、室内の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機の空気噴出口に前記空気導入領域を連絡させて設置されるパネル基体と、繊維素材の通気性を有するシートで枠体を覆った放射パネルと、前記対面領域に前記シートを位置づけた状態で前記枠体を前記パネル基体に固定することによって画された前記空気導入領域から前記空気排出領域に至る空調空気の流路と、を備え、前記シートは、前記枠体を収納する袋形状を有している。
本発明の放射空調システムは、室内の空気を取り込んで空気噴出口から空調空気を噴き出す空調機と、背面パネルとこの背面パネルから空気導入領域と空気排出領域とを残して囲い状に立ち上がる壁部とを備え、一面側の開放された対面領域を室内側に向けた状態で、前記空調機の空気噴出口に前記空気導入口を連絡させて設置されるパネル基体と、繊維素材の通気性を有するシートで枠体を覆った放射パネルと、前記対面領域に前記シートを位置づけた状態で前記枠体を前記パネル基体に固定することによって形成された、前記パネル基体と前記放射パネルとによって画された前記空気導入領域から前記空気排出領域に至る流路と、を備え、前記シートは、前記枠体を収納する袋形状を有している。
本発明によれば、空調機の空気噴出口から噴き出された空調空気は空気排出領域から室内に導き出され、シートを通過して室内に導き出されるものではないため、空調空気を通過させる特性を考慮してシートの材料を選定する必要がなく、したがってその選択の幅を広げることができる。また空気噴出口から噴き出された空調空気の流れの方向に沿ってシートが配置されていることから、放射空調システムの作動時、放射パネルに用いるシートに生ずる変形を極力抑制することができる。
放射空調システムの実施の一形態を示す模式図。 パネル基体を底面方向から示す斜視図。 放射パネルの分解斜視図。 放射パネルの斜視図。 天井面における空調機の設置場所を下方から見た斜視図。 空調機の設置場所に空調機の設置金具を取り付けた状態を下方から見た斜視図。 空調機の設置場所に空調機を設置した状態を下方から見た斜視図。 空調器とパネル基体とを設置した状態を下方から見た斜視図。 空調機に放射パネルを仮止めした状態を下方から見た斜視図。 パネル基体に放射パネルを固定した状態を下方から見た斜視図。 折返し枠をセットして放射空調システムの設置が完了した状態を下方から見た斜視図。 パネル基体の変形例を示す(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は異なる平面形状を採用した場合の底面図。 パネル基体の別の変形例を示す正面図。 (a)〜(d)は、シートにおけるチャック位置のバリエーションを例示する模式図。 放射空調システムの別の構成例を示す正面図。
実施の一形態を図面に基づいて説明する。
つぎの項目にしたがって説明する。
1.放射空調システム
(1)空調機
(2)放射パネルユニット
(a)パネル基体
(b)放射パネル
2.設置手順
(1)空調機の設置
(2)パネル基体の取り付け
(3)放射パネルの固定
3.作用効果
(1)結露の防止
(a)結露の原因
(b)本実施の形態の放射空調システム
(c)結露防止の原理
(2)シートの材料選定の自由度
(3)シートの変形の抑制
(4)シートの形状及び構造からもたらされる作用効果
(5)熱効率
(6)外観上の特長
4.変形例
(1)放射空調システムの設置場所
(2)放射空調システムの設置状態
(3)放射パネルの固定構造
(4)放射パネル形態
(5)側壁
(6)空気排出領域
(7)シートのチャック位置のバリエーション
(8)放射空調システムの別の構成例
(9)その他
1.放射空調システム
図1に示すように、本実施の形態の放射空調システム11は、ともに天井面Cに設置された空調機51と放射パネルユニット101とからなる。
(1)空調機
天井面Cは折り上げ天井となっており、窪みC1を有している(図5、図6も参照)。この窪みC1に嵌り込むように、空調機51は取り付けられている(図7参照)。
空調機51は、横幅、奥行き、高さの順に寸法が小さくなる薄型形状のもので、背面に設けられた空気取込口52から室内Rの空気を取り込み、熱交換器53を介して、ブロワ54によって空気噴出口55から空調された空気を噴き出す。空気取込口52には、フィルタ56が着脱自在に取り付けられている。
天井面Cの窪みC1に嵌り込むように取り付けられた空調機51は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿わせて、空気噴出口55を位置付けている。
(2)放射パネルユニット
放射パネルユニット101は、パネル基体111と放射パネル131とによって構成されている。
(a)パネル基体
図2に示すように、パネル基体111は、矩形形状をした平板状の背面パネル112の両側部分から、壁部としての一対の側壁113を立ち上げた形状の樹脂製品である。一対の側壁113は、背面パネル112の長辺方向の両端部分から立ち上げられており、長辺に沿った直角方向に僅かに回り込んでいる。したがってその形状上、一対の側壁113の一端側の領域と他端側の領域、それに一面側の背面パネル112に対面する領域との三面が開放されている。説明の便宜上、一対の側壁113の一端側の領域を空気導入領域114、他端側の領域を空気排出領域115、そして背面パネル112に対面する領域を対面領域116と呼ぶ。対面領域116は、一対の側壁113の先端部を含む平面内の領域である。
したがってパネル基体111は、背面パネル112を基体とし、この背面パネル112から空気導入領域114と空気排出領域115とを残して囲い状に立ち上がる壁部としての側壁113を備えている。そして一面側の開放された対面領域116を室内R側に向けた状態で、空調機51の空気噴出口55に空気導入領域114を連絡させて設置されている。
パネル基体111には、空気排出領域115に位置させて、三個のストッパ117が設けられている。これによって空気排出領域115は、幅の広い中央側の二個所と幅の狭い両側の二個所との四個所に分散されている。これらのストッパ117は、背面パネル112に一体に成形されており、ボス118とストッパ金具119とによって構成されている。
ボス118は、空気排出領域115の側と、対面領域116の側とに開放されている。
ストッパ金具119のうち、左右に位置するものにはラッチ溝119aが、中央に位置するものにはラッチ孔119bがそれぞれ設けられている。
図1に示すように、パネル基体111は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿い、隙間を開けて空気導入領域114が位置付けられるように、天井面Cに取り付けられている。天井面Cに対するパネル基体111の取り付けは、例えばねじ止めによる。そこでねじ120(図8、図9参照)を挿通させるために、パネル基体111には挿通孔121が形成されている。
このようなパネル基体111は、例えばEPSによって一体に成形されている。したがって全体が断熱材として機能する。
(b)放射パネル
図3、図4に示すように、放射パネル131は、矩形形状をした枠体132に袋形状のシート141を被せることによって形成されている。
枠体132は、複数本の棒状部材133を連結し、補強及び回転防止のためのリブを有する矩形形状に形成したものである。一例として、棒状部材133には中空構造を有する角柱形状のアルミパイプが用いられ、これらが樹脂製のコネクタで連結されたり、ビス止めされたりすることによって枠体132が構成される。
別の一例として、棒状部材133は樹脂によって成形されていたり、カーボンによって形成されていたりしてもよい。
このような枠体132は、パネル枠134と折返し枠135とを備えている。
パネル枠134は、その幅方向及び奥行き方向ともに、パネル基体111の幅方向及び奥行き方向よりも大きく、奥行き方向の後端側は、空調機51の下面の奥行き方向中央部にまで達する長さとなっている。
折返し枠135は、パネル枠134の後端部にヒンジ136で連結され、パネル枠134に対して回転自在である(図3参照)。折返し枠135は、パネル枠134の奥行き方向の後端部とともに、空調機51を完全に覆う大きさを有している。
シート141は、布団カバーのような袋形状を有している。つまり三辺が閉じられ、一辺が開放された形状である。開放された一辺は開放縁142となり、ここから枠体132の収納が可能である。開放縁142にはチャック143が取り付けられ、チャック143によって開閉自在となっている。
このようなシート141は、繊維を素材として形成され、通気性と伸縮性とを有している。
そこでシート141の幅方向及び奥行き方向は枠体132よりも僅かに小さく形成されており、枠体132を収納した際、張られた状態を維持する。
袋形状というシート141の形状については、枠体132の幅方向を包み込む形状としてみたとき、エンドレス形状とみることもできる。両端が開放されたエンドレス形状の一端側を閉じた形状が袋形状になるからである。
袋形状を有するシート141は、室内R側に露出する表面側の繊維素材と、流路151に面する裏面側の繊維素材との縫い合わせ構造を有している。説明の便宜上、表面側の繊維素材を表面繊維141A(図10、図11も参照)、裏面側の繊維素材を裏面繊維141Bと呼ぶ。
表面繊維141Aは、放射パネル131が設置された際に室内R側に露出し、放射空調システム11の外観態様を決定づける。そこで表面繊維141Aの材料を選定するに際しては、美的観点が重要視される。
裏面繊維141Bの方は、空調機51の空気噴出口55から噴出した空気流が表面繊維141Aの裏側に導かれるに際して、空気流に極力抵抗を与えないようにするという観点からその材料が選定される。例えばメッシュ素材の繊維は、裏面繊維141Bへの使用に適している。
図3、図4に示されているように、表面繊維141Aは背面パネル112に対面する裏面側にまで回り込んでおり、裏面側で裏面繊維141Bと縫い合わされている。シート141は、放射パネル131をパネル基体111に装着した際、一対の側壁113と位置合わせされるように縫い合わせ部分SPを位置付けている。
図1に示すように、放射パネル131は、パネル基体111の対面領域116に位置付けられ、固定される。これによって空気導入領域から空気排出領域に至る空間が画され、これが空調空気の流路151となる。
図3、図4に示すように、枠体132には、放射パネル131を仮止めし、固定するための構造物として、一対の仮止め用フック137、三個のラッチ部材138、及び一対のマグネット139が設けられている。三個のラッチ部材138はそれぞれ、パネル基体111に設けられた三個のストッパ117にラッチされるもので、左右に位置するものはストッパ117のラッチ溝119aに嵌合するスタッド138aの形態、中央に位置するものはストッパ117のラッチ孔119bに嵌合するラッチピン138bの形態となっている。ラッチピン138bは、図示しない操作部を押し込むことによって拡径し、引っ張ることによって縮径する構造を備え、ラッチ孔119bに嵌合させた状態で操作部を押し込むことによってストッパ117との間でラッチ状態を保つ。
図7に示すように、空調機51には、その両側部分に放射パネル131を仮止めするためのレール57が設けられ、下面の後端部分に金属板58が取り付けられている。
一対の仮止め用フック137は、パネル枠134と折返し枠135とを回転自在に連結するヒンジ136に設けられている。これらの仮止め用フック137は、放射パネル131の両側部に設けられているレール57に嵌められ、放射パネル131を仮止めする(図9参照)。一対のレール57は、仮止め用フック137を完全にスライド移動自在にしているわけではなく、一定の遊びをもって仮止め用フック137を仮止めする図示しない構造を後端部分に有している。
三個のラッチ部材138は、枠体132の先端部分に位置する棒状部材133に取り付けられ、ストッパ117に固定される。
一対のマグネット139は、折返し枠135の後端部分に位置する棒状部材133に取り付けられ、空調機51の下面に取り付けられた金属板58に磁力で吸着する。
これらの構造物、つまり一対の仮止め用フック137、三個のラッチ部材138、及び一対のマグネット139の全部又は一部は、一例として、枠体132を収納するシート141に設けた切れ目(図示せず)を介して外部に露出している。別の一例としては、シート141に枠体132を収納した後、これらの構造物の全部又は一部を枠体132に取り付けるようにしてもよい。
2.設置手順
放射空調システム11の設置手順について説明する。
(1)空調機の設置
まず図5に示すように、空調機51は折り上げ天井となった天井面Cに設けられた窪みC1に設置する。
予め窪みC1が設けられていればこれを利用し、窪みC1が設けられていなければ天井面Cを工事して窪みC1を作成する。
窪みC1の内部には、電気配線201や配管パイプ(図示せず)を通すための配線配管孔202を開け、電気配線201を出しておく。
ついで図6に示すように、空調機51を取り付けるための据付板211を窪みC1に取り付ける。据付板211は、窪みC1内にねじ止めする。
そして図7に示すように、据付板211に空調機51を据え付ける。このとき空調機51の空気噴出口55は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿って、エッジEから隙間を開けて位置付けられる。
これによって空調機51の取り付け作業が完了する。
(2)パネル基体の取り付け
図8に示すように、天井面Cに、パネル基体111を取り付ける。
パネル基体111は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに空気導入領域114が位置付けられるように位置合わせされ、ねじ止めされる。つまりパネル基体111に形成された複数個の挿通孔121にねじ120を挿入し、これを締め付ける。これによってパネル基体111は、天井面Cに固定される。
このときパネル基体111の空気導入領域114は、天井面Cと窪みC1との間の境界をなすエッジEに沿って位置付けられる。その結果空調機51の空気噴出口55とパネル基体111の空気導入領域114とは位置合わせされ、互いに連絡する状態となる(図1も参照のこと)。
(3)放射パネルの固定
図9に示すように、放射パネル131を仮止めする。
放射パネル131に設けた一対の仮止め用フック137を空調機51のレール57に嵌め込み、奥までスライド移動させることで、一定の遊びをもって放射パネル131は仮止めされる。
仮止めされた状態の放射パネル131は、仮止め用フック137がヒンジ136に設けられているという構造上、パネル枠134も折返し枠135も位置が拘束されず、回転自在な状態となっている。
ついで、放射パネル131を固定する。
図10に示すように、放射パネル131のうちパネル枠134の部分を上方に回転させる。そしてストッパ117の位置にラッチ部材138を位置合わせし、放射パネル131を壁面Wの方向に移動させる。これによってストッパ金具119のラッチ溝119aにラッチ部材138のスタッド138aが嵌り込み、ラッチ孔119bにラッチピン138bが嵌り込む。そこで図示しない操作部を押し込むことでラッチピン138bが拡径し、ストッパ金具119との間でラッチ状態が保たれる。これによってパネル枠134が固定される。
その後図11に示すように、放射パネル131のうち折返し枠135を上方に回転させる。これによって空調機51の下面に設けられている金属板58にマグネット139が吸着し、折返し枠135が固定される。
3.作用効果
空調機51を作動させると、空気噴出口55から空調空気が噴き出し、流路151を通って空気導入領域114から空気排出領域115に流れる。すると空調空気によって放射パネル131の温度が調整される。暖房時には暖められ、冷房時には冷やされる。これによって室内Rが放射空調される。
(1)結露の防止
冷房時、本実施の形態の放射空調システム11は、いかなる環境であろうとも、放射パネル131に結露を生じさせることがない。
その理由を詳しく説明する。
(a)結露の原因
空気中には水分が気体(水蒸気)として含まれている。
空気が限界まで水蒸気を含んだ状態は飽和状態と呼ばれ、このときの水蒸気量を飽和水蒸気量という。飽和水蒸気量は気温に依存して変動し、気温が高いほど多く、低いほど少なくなる。
そこで空気を冷やしていくと、気温が高いうちは水蒸気の形態だった水分はいずれ飽和し、液体に変化する。つまり気温の低下とともに飽和水蒸気量も少なくなるため、空気を冷やし続ければある時点で水蒸気が飽和し、液体に変わるわけである。
このときの温度を露点温度という。
露点温度は空気中に含まれる水蒸気量に応じて変動し、水蒸気量が多いほど高く、少ないほど低くなる。
より具体的な現象でいうと、露点温度を下回ることによって飽和した水蒸気は凝結し、物の表面に水滴となって付着する。これが結露と呼ばれる現象である。
このとき同じ温度を出発点として気温が下がっていったとしても、含んでいる水蒸気量が多いときよりも少ないときの方が、結露を生ずる温度が低くなる。例えば25℃の環境下で気温が下がりはじめたとき、飽和水蒸気量の50%の水蒸気を含む場合には約14℃で結露を生ずるのに対し、30%の水蒸気しか含まない場合に結露を生ずるのは、約6.5℃である。
(b)本実施の形態の放射空調システム
本実施の形態の放射空調システム11においては、放射パネル131によって区画される裏面側、つまり空調機51が配置される流路151の側では、空調機51の冷房運転によって空気の乾燥が促され、乾いた空気が流通する。空気取込口52から空調機51に取り込まれた室内Rの空気は熱交換器53を通過する際に急速に冷やされ、空気中に含まれる水蒸気の一部が液化して除去されるからである。
したがって空調空気の流路151を通り抜ける空気は、冷房運転によって冷やされることで飽和水蒸気量が減少したとしても、乾燥によってその露点温度が低くなるために、放射パネル131の裏面に結露を生じさせない。より詳細には、シート141中の裏面繊維141Bにも、裏面側に回り込んでいる表面繊維141Aにも、結露は生じない。
その一方で放射パネル131の表面側は、冷房運転によって冷やされ、室内Rの空気を放射冷却する。このため放射パネル131の表面に位置するシート141、つまり表面繊維141Aは低温状態を維持するので、表面繊維141Aに接する空気は露点温度に近づいていくことになる。
このとき表面繊維141Aに接している空気が露点温度に達すると、その空気中に含まれている水蒸気が液体に変わろうとする。
(c)結露防止の原理
これに対して本実施の形態では、シート141は通気性を有している。
このため空調空気の流路151を通り抜ける空気はシート141を通り抜け、室内R側に露出している表面繊維141Aの表側に漏れ出す。その結果、表面繊維141Aの表側では、乾燥した空気が層をなす状態になっている。
したがって乾燥した空気が層をなす表面繊維141Aの表側では、低下した表面繊維141Aの温度よりも空気の露点温度の方が低くなるため、結露が生じない。
以上の原理により、本実施の形態によれば、冷房時に、様々な環境において放射パネル131の表面に結露を生じさせないようにすることができる。
(2)シートの材料選定の自由度
本実施の形態によれば、空調機51の空気噴出口55から噴き出された空調空気は空気排出領域115から室内Rに導き出される。つまりシート141を通過して室内Rに意図的に空調空気を導き出す必要がない。
このためシート141には、空調空気を通過させるための特性が求められない。
シート141に求められるのは、基本的には、空調空気の流路151を通り抜ける空気を室内R側に漏れ出させ、表面繊維141Aの表側で乾燥した空気の層を生成させる程度の通気性だけである。
したがって本実施の形態によれば、シートの材料選択の幅を広げることができる。
(3)シートの変形の抑制
本実施の形態によれば、空気噴出口55から噴き出された空調空気が流路151を流れる方向に沿って放射パネル131のシート141が配置されている。そして流路151を流れる空気は空気排出領域115から排出されるため、流路151内の内圧が高まることもない。
このため放射空調システム11の作動時、放射パネル131のシート141を撓ませるような空気の流れや圧力の上昇が生じず、シート141に生ずる変形を極力抑制することができる。
(4)シートの形状及び構造からもたらされる作用効果
シート141は、枠体132を収納する袋形状を有している。
このため枠体132への取り付けが容易で、放射パネル131の製造の容易化を図ることができる。
その一方で、空調空気がその流路151から室内Rに至る間に二枚のシート141を通ることになるため、室内R側のシート141に向かう空調空気に対して流路151側のシート141が抵抗となる。このとき抵抗が大きすぎると、シート141の室内Rに面する領域に乾いた空調空気の層を生成する動作に支障が生ずる。
そこで本実施の形態では、室内R側に露出する表面側の繊維素材(表面繊維141A)と背面パネル112に対面する裏面側の繊維素材(裏面繊維141B)との縫い合わせ構造を採用し、シート141を袋形状に形成するようにしている。こうすることで、裏面繊維141Bはシート141としての体をなすようなものである必要がなくなり、様々な素材や形態のものを自由に採用することが可能となる。本実施の形態では、裏面繊維141Bにメッシュ状の素材を用いることで、流路151から室内R側のシート141に向かう空調空気に対して裏面繊維141Bが与える抵抗の低減を図っている。
しかも表面繊維141Aと裏面繊維141Bとの縫い合わせ部分SPは、側壁113と位置合わせされている。これによって放射パネル131を下から見たとき、表面繊維141Aを透けて縫い合わせ部分SPが見えてしまうようなことを防止することができる。
(5)熱効率
パネル基体111は、断熱性材料によって形成されており、背面パネル112及び側壁113に断熱部を設けたのと等価な状態になっている。
これによって流路151を流れる空調空気の熱がパネル基体111に奪われず、効率よくシート141を加熱又は冷却することが可能になる。その結果、熱効率に優れた放射空調システム11を得ることができる。
しかもパネル基体111そのものが断熱材料によって成形されているので、断熱材を別途用意し、これをパネル基体111に取り付けるような煩雑さがなく、パネル基体111の部品コスト及び製造コストの低減と、製造の容易化とを図ることができる。
(6)外観上の特長
空調機51は室内Rの一面(天井面C)に設けられた窪みC1に収納され、パネル基体111は室内Rの一面に接合されている。これによって室内Rの中で、放射空調システム11を薄く小形に見せることができる。
しかも放射パネル131は空調機51をも覆っており、袋形状のシート141の開口する一辺はチャック143によって閉じられるので、外観上、放射空調システム11は、天井面C近くに配置された一枚の放射パネル131だけの形態に見える。このとき放射パネル131は、繊維素材のシート141のみが露出した状態になっているため、人の感覚や感性に馴染む優しい表情を見せる。
したがって室内Rに設置したときに邪魔になったり煩わしくなったりしない洗練された外観態様の放射空調システム11を得ることができる。
4.変形例
実施に際しては、各種の変形や変更が可能である。
(1)放射空調システムの設置場所
例えば本実施の形態では、天井面Cに設置する放射空調システム11を示したが、実施に際しては、室内Rの異なる一面、例えば壁面W(図1参照)に設置するように構成してもよい。この場合、壁面Wに窪みを設けておき、この窪みに空調機51を収納するようにすれば、本実施の形態と同様に、壁面Wに放射パネル131が設置されているだけのように見えるフラットな形態の放射空調システム11を実現することができる。
(2)放射空調システムの設置状態
また天井面Cを折り上げ天井とし、窪みC1に空調機51を収納する一例を示したが、これは必ずしも必須ではなく、平坦な天井面C又は壁面Wに空調機51を設置するようにしてもよい。このとき天井面C又は壁面Wから空調機51の空気噴出口55が離反しやすくなるが、天井面C又は壁面Wから浮かせて放射パネルユニット101を設置することで、その流路151の入口となる空気導入領域114を空気噴出口55に対面させることができる。
(3)放射パネルの固定構造
また本実施の形態では、一対の仮止め用フック137、三個のラッチ部材138、及び一対のマグネット139を利用し、空調機51とパネル基体111とに放射パネル131を固定するようにしているが、放射パネル131の固定については、様々な構造を採用することが可能である。
例えば、放射パネル131の重量にもよるが、マグネットのみによる固定構造を採用してもよい。
あるいはボス118の開放領域において、パネル基体111を含む平面と平行にスライド移動自在であり、空気排出領域115の側に押し出されるように付勢させてストッパ金具119を設けておき、さらにラッチ機構(図示せず)を設けるようにしてもよい。ラッチ機構は、非ラッチ状態から押し込むことによってストッパ金具119をラッチし、ラッチ状態から押し込むことによってストッパ金具119のラッチを解放する。こうすることで、ストッパ金具119の進退に応じて互いに嵌合するようにストッパ金具119とラッチ部材138とを形成しておけば、ストッパ金具119の押し込み操作によって両者を自由にラッチ及びラッチ解除することができる。
(4)放射パネルの形態
上記実施の形態では、放射パネル131として平板形状のものを例示したが、実施に際しては各種の形態のものが許容される。
例えば図12(a)に示すように、放射パネル131は、正面から見て両側方が垂れ下がったようなアーチ形の形状であってもよい。このとき放射パネル131の平面形状は、図12(b)に示すような矩形形状でも、図12(c)に示すような楕円形状でも、各種の形状が許容される。
また放射パネル131は、天井面Cに密接している必要はなく、図13に示すように、天井面Cから吊り下げられていてもよい。
(5)側壁
上記実施の形態では、一対の側壁113は、背面パネル112の両側縁から立ち上がる形態を例示した。これに対して実施に際しては、側壁113は、必ずしも側縁から立ち上がるのではなく、中心側に寄った位置から立ち上がるような形態であってもよい。
また本実施の形態において一対の側壁113として実現されている壁部は、背面パネル112から空気導入領域114と空気排出領域115とを残して囲い状に立ち上がっていれば、あらゆる形態のものが許容される。
(6)空気排出領域
上記実施の形態では、空気導入領域114に対面する領域に空気排出領域115を設けた一例を示したが、実施に際しては、各種の変形や変更が許容される。例えば側壁113の一部に空気排出領域115を設けてもよいし、この場合、空気排出領域115は複数個所に分散されていてもよい。
(7)シートのチャック位置のバリエーション
シート141のチャック143の位置は、上記実施の形態のような例えば図14(a)に示すような位置のみならず、図14(b)のような一辺に寄った位置、図14(c)に示すような三辺を取り囲む位置、あるいは図14(d)に示すようなV字形状等、各種の実施の形態が許容される。
(8)放射空調システムの別の構成例
図15は、放射空調システム11の別の構成例を示す正面図である。
図1ないし図14に示す実施の形態及びその変形例では、パネル基体111に側壁113を設け、これによって背面パネル112と放射パネル131との間に流路151のための空間を確保していた。これに対して図15に示す放射空調システム11の放射パネルユニット101は、放射パネル131によって流路151のための空間を確保する。
そこで放射パネル131は、平面状ではなく、立体形状の枠体132を設けることで、背面パネル112との間の流路151のための空間を生じさせるようにしている。より詳細には、枠体132は正面及び背面側から見て曲面形状に湾曲しており、両端部分を背面パネル112に連結固定する。このような枠体132に対して、シート141は、室内Rの側から覆うように取り付けられている。枠体132に対するシート141の固定は、例えばシート141の両側部分を枠体132の両側部分に引っ掛けて止めるなどの手法が採用される。シート141は、張った状態で枠体132に固定されている。
このような構造上、パネル基体111は側壁113を有さず、背面パネル112を主体に構成されている。
こうして構成された放射パネルユニット101は、背面側に空気導入領域114を形成し、正面側に空気排出領域115を形成し、パネル基体111の背面パネル112と放射パネル131との間に、空気導入領域114から空気排出領域115に至る空調空気の流路151を形成する。
したがって図1ないし図14に示す実施の形態と共通の作用効果を奏する。
(9)その他
その他、あらゆる変形や変更が可能である。
11 放射空調システム
51 空調機
52 空気取込口
53 熱交換器
54 ブロワ
55 空気噴出口
56 フィルタ
57 レール
58 金属板
101 放射パネルユニット
111 パネル基体
112 背面パネル
113 側壁(壁部)
114 空気導入領域
115 空気排出領域
116 対面領域
117 ストッパ
118 ボス
119 スライダ
120 ねじ
121 挿通孔
131 放射パネル
132 枠体
133 棒状部材
134 パネル枠
135 折返し枠
136 ヒンジ
137 仮止め用フック
138 固定用フック
139 マグネット
141 シート
141A 表面繊維
141B 裏面繊維
142 開放縁
143 チャック
151 流路
C 天井面
C1 窪み
E エッジ
SP 縫い合わせ部分
W 壁面

Claims (14)

  1. 背面パネルとこの背面パネルから空気導入領域と空気排出領域とを残して囲い状に立ち上がる壁部とを備え、一面側の開放された対面領域を室内側に向けた状態で、室内の空気を取り込んで空調空気を噴き出す空調機の空気噴出口に前記空気導入領域を連絡させて設置されるパネル基体と、
    繊維素材の通気性を有するシートで枠体を覆った放射パネルと、
    前記対面領域に前記シートを位置づけた状態で前記枠体を前記パネル基体に固定することによって画された前記空気導入領域から前記空気排出領域に至る空調空気の流路と、
    を備え、前記シートは、前記枠体を収納する袋形状を有している、
    ことを特徴とする放射パネルユニット。
  2. 前記シートは、伸縮性を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射パネルユニット。
  3. 前記袋形状を有するシートは、室内側に露出する表面側の繊維素材と前記流路に面する裏面側の繊維素材との縫い合わせ構造を有している、
    ことを特徴する請求項2に記載の放射パネルユニット。
  4. 縫い合わせ部分は、前記壁部と位置合わせされている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射パネルユニット。
  5. 前記裏面側の繊維素材は、メッシュ状の素材である、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の放射パネルユニット。
  6. 前記パネル基体には、断熱部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一に記載の放射パネルユニット。
  7. 前記パネル基体は、断熱性材料によって前記断熱部を一体に形成している、
    ことを特徴とする請求項6に記載の放射パネルユニット。
  8. 前記背面パネルは四角形形状をしており、対面する二辺から一対の壁部を側壁として立ち上げ、残りの二辺のうちの一辺に前記空気導入領域、別の一辺に前記空気排出領域を設けている、
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一に記載の放射パネルユニット。
  9. 前記空気排出領域は、複数個所に分散されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一に記載の放射パネルユニット。
  10. 室内の空気を取り込んで空気噴出口から空調空気を噴き出す空調機と、
    背面パネルとこの背面パネルから空気導入領域と空気排出領域とを残して囲い状に立ち上がる壁部とを備え、一面側の開放された対面領域を室内側に向けた状態で、前記空調機の空気噴出口に前記空気導入口を連絡させて設置されるパネル基体と、
    繊維素材の通気性を有するシートで枠体を覆った放射パネルと、
    前記対面領域に前記シートを位置づけた状態で前記枠体を前記パネル基体に固定することによって形成された、前記パネル基体と前記放射パネルとによって画された前記空気導入領域から前記空気排出領域に至る流路と、
    を備え、前記シートは、前記枠体を収納する袋形状を有している、
    ことを特徴とする放射空調システム。
  11. 前記空調機は、室内の一面に設けられた窪みに収納され、前記パネル基体は、前記室内の一面に接合されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載の放射空調システム。
  12. 前記放射パネルは、前記空調機を覆っている、
    ことを特徴とする請求項11に記載の放射空調システム。
  13. 前記パネル基体は、断熱性材料によって形成されている、
    ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれか一に記載の放射空調システム。
  14. 前記シートは、伸縮性を有している、
    ことを特徴とする請求項10ないし13のいずか一に記載の放射空調システム。
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