JP7043717B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに関する。
建物内または室内の温度等の環境を調整する空調装置として、対流空調装置や放射空調装置(輻射空調装置)が用いられている。対流空調装置は、空調機からの冷気または暖気(以下、冷暖気とも呼ぶ)を室内に吹き込んで循環させることで環境を調整する。放射空調装置は、天井、床下、壁などのスペースに設置された、冷却または加熱されたパネルや、冷却または加熱された媒体(空気や液体など)を収容したパイプからの放射(輻射)により環境を調整する。対流空調装置には、立ち上がりが早く即効性があるという利点がある反面、冷暖気の吹き付けにより室内の人に不快感を与える可能性がある。一方、放射空調装置は、快適で自然な空調が可能である。その反面、放射空調では、急速な冷暖房が難しいことや、設備が重量となったりしてコストが上昇するという課題があり、特に天井に設置する場合に改善が求められている。
このような問題に対応するために、膜天井型の空調装置の開発が進められている。これは、室内の上部を覆うように膜部材を設置し、該膜部材と天井との間に形成される空間(天井空間)に冷暖気を供給し、膜部材(膜天井)からの放射によって、室内の温度調整等の空調を行う技術である。膜天井空調装置によれば、比較的簡易かつ軽量な構造により放射空調を実現できる。さらに、膜を用いることにより、従来のパネル状の天井とは異なる美観を与えて視覚的な効果を引き出すことができる。さらに、地震のときに天井が落下する危険性が少なく、さらに膜部材が落下物を受け止めることにより安全性を高める効果も期待できる。
特許文献1(特開平9-178262)は、天井空間と室内空間とを通気性の膜部材で仕切り、天井空間に空気の吹出口を設ける構造を開示する。吹出口を設けたダクトは、空調機または換気用の送風手段に接続されている。この構造によれば、天井膜の通気抵抗によって空気の吹出しが緩やかになる。
特許文献2(特開平11-304195号公報)は、天井スラブ(上階スラブ)と、そこからつり下げられた膜の間の空間に冷暖気を供給し、膜を介して居室に放射空調を行う技術を記載する。また、膜として通気性を有する素材を用いることで、急速冷暖房時に膜面から冷暖気が室内に吹き出し、空調の立ち上がりが良くなることが記載されている。
特許文献3(特開2014-134301号公報)は、天井スラブ(上階スラブ)と、その下に設置された膜とに囲まれる空間に冷暖気を供給して放射空調を行う技術を記載する。さらに、膜部材として気流透過性膜を用いることで放射空調および対流空調の両方を可能にすることや、逆に、膜部材として気流不透過性膜を用いることで放射空調のみを可能にすることが記載されている。
特開平9-178262号公報 特開平11-304195号公報 特開2014-134301号公報
上記のように、膜天井型の空調装置によれば、自然な空調が可能であるという放射空調の利点をそのまま享受できる。さらに、通気性を有する膜を用いた場合、膜面を経由して冷暖気を室内に穏やかに供給できるため、大量の空気が吹付けることによる不快感を防ぎつつ、温度変化の立ち上がりが早く、気流により冷涼感や温熱感が増すという対流空調の利点も享受できる。
しかし、従来の膜天井型の空調装置における制御は、冷暖気を供給する空調機の制御に依存していており、詳細な制御は難しかった。具体的には、空調機の温度設定や、空調機からの冷暖気の吹き出し量(風量)設定は可能であるものの、状況に応じた膜面からの吹き出し量の制御、特に場所ごとに膜面からの吹き出しの度合いの詳細な制御は難しかった。
また、膜天井型の空調装置において、通気性を有する膜若しくは通気性を有さない膜からの放射空調とは別に、熱需要が高く、空調負荷が大きい領域(例えば窓付近)に天井開口(給気口)を設けることで、建物内の熱需要の分布に応じて冷暖房の給気量を配分することが考えられる。しかしこの方法に関して、膜面からの吹出し風量と天井開口からとの吹出し風量の配分を制御することは難しかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜天井型の空調システムの膜面からの吹き出しを詳細に制御するための技術を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は以下のような構成を採用する。すなわち、
部屋を高さ方向において下部の居住空間と上部の天井空間とに区画する膜部材と、
前記天井空間に供給される空気を調整する空調機と、
前記膜部材に掛かる張力を制御する張力制御機構と、
を備える空調システムであって、
前記膜部材は、前記張力に応じて通気性が変化する
ことを特徴とする空調システムである。
この構成によれば、張力に応じて膜面から吹き出す気流の量を制御できるので、空調の詳細な制御が可能になる。
上記構成において、空調システムが、前記空調機からの吹出し気流を前記天井空間から前記居住空間に吹き出させる吹出口をさらに備えていてもよい。
さらに、空調システムが、前記吹出口から前記居住空間に吹き出す気流を制御する気流制御部をさらに備えていてもよい。
これらの構成によれば、膜面からの気流だけでなく、吹出口からの気流を制御できるので、場所ごとの制御や熱需要に応じた制御が容易になる。
上記構成において、膜部材は、複数の開口を備えた部材であり、前記張力が大きくなるほど前記開口が大きくなるものであってもよい。
また、膜部材は、前記張力に応じて伸縮するメッシュ素材であってもよい。
これらの構成によれば、張力に応じた気流の制御を好適に行うことができる。
本発明によれば、膜天井型の空調システムの膜面からの吹き出しを詳細に制御するための技術を提供することができる。
実施形態1の空調システムを備える建物の構成を示す図である。 実施形態1の空調システムの制御を説明する機能ブロック図である。 実施形態1の膜部材の配置を説明するための図である。 実施形態1における膜部材の制御を示す図である。 実施形態2の膜部材の配置を説明するための図である。 実施形態3における膜部材の制御を示す図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を説明する。ただし、以下に記載されている構成ブロックやそれらの相対配置などは、発明が適用されるシステムの各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、空調装置および空調システム、それらを備える建物、ならびに、それらの制御方法に好ましく適用できる。本発明はまた、情報処理装置の演算資源を利用して動作し、各制御方法の各工程を情報処理装置に実行させるプログラムや、かかるプログラムが格納されたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体としても捉えられる。記憶媒体は、非一時的な記憶媒体であっても良い。
[実施形態1]
(概略構成)
図1は、本実施形態の空調システム1の構成と配置の一例を説明するための模式図であり、建物の1つの階層に位置するある部屋の断面を示す。
部屋は、概略、下の階層との境界である下部境界面10、上の階層との境界である上部境界面30、隣りの部屋または建物外との境界である壁面40によって区画された空間である。下部境界面10は床スラブ101などの構造体の上面や、その上に敷設された床材である。床スラブ101は、下の階層の天井スラブを兼ねていてもよい。上部境界面30も同様に、天井スラブ301などの構造体の下面や、その下に設置された天井材や断熱材である。天井スラブ301は、上の階層の床スラブを兼ねていてもよい。壁面40は壁材401などの構造体からなり、該壁材は隣接する部屋の壁面や建物の外壁を兼ねていてもよい。下部境界面10、天井面20、上部境界面30および壁面40は、完全な水平または垂直でなくてもよいし、一部に段差、出っ張りや引っ込みがあってもよい。
部屋の内部は、高さ方向において、天井面20より下部の居住空間2と、天井面20より上部の天井空間3に区画されている。居住者5が活動するための領域である居住空間2は、温度等の環境を調整する対象空間である。
天井空間3は、放射空調のための冷暖気が供給・蓄積される空間である。天井空間3を囲む各部材のうち、上部境界面30や壁面40を構成する部分には、冷暖気を逃がさないようにしたり結露を防止したりするために、断熱性の高い部材を用いるか、断熱材を敷設するとよい。天井面20は、膜部材201で略覆われた領域と、通常の天井材204で略覆われた領域を含んでいる。膜部材201が天井面20の少なくとも一部に配置されていればよい。天井材204は石膏ボードなど任意の材質を利用できる。
膜部材201は、多数の小孔を持ち伸縮性がある膜状の部材からなり、張力制御機構207と保持部材202の機能によって張力(テンション)が掛かった状態で設置されている。そして、張力制御機構の動作によって張力が変化すると、それに応じて小孔の開閉状態も変化する。膜部材201は、保持部材202と、それを上から支持する支持部材20
3により、上部境界面30に固定され支持される。なお、本明細書における「小孔」という文言は便宜上のものであり、開口サイズを限定する意図ではない。張力に応じて通気性が変化すれば、本実施形態の目的は達成できる。また、単位面積当たりの小孔数(開口数)は特に限定されない。
上記の条件を満たすものであれば、膜部材201の素材や材質は問わない。典型的には、多数の開口があり伸縮性に富むゴム素材の膜や、メッシュ状の布素材が利用できる。布素材の場合、繊維を規則的に織ったり編んだりして作った織布や、繊維を不規則に配向させた不織布などを利用できる。織物を用いる場合、縦糸は伸縮性が高く横糸は伸縮しない織物や、2目ゴム編みのような織物構造が考えられる。繊維としては、綿などの天然繊維、無機繊維、ポリエステルなどの樹脂繊維など任意のものを利用できる。膜部材としてまた、伸縮性のある樹脂材の多孔質シートを用いてもよい。
膜部材の小孔の大きさや開口率(膜全体の面積に対する小孔の面積の比率)も、張力制御しやすさや、放射空調と対流空調のバランスなどの観点から任意に設定できる。一例としては、張力が比較的低いときの開口率を1%未満、より好ましくは0.1%未満とし、張力が比較的高くなったときの開口率を1~2%程度とする。
図2は、空調システムの制御を説明するための機能ブロック図である。図2には、図1には図示していない制御回路208、メモリ209、ユーザインタフェース210、環境センサ211も示している。膜部材201に掛かる張力は、張力制御機構207および保持部材202の機能により可変である。張力制御機構207が張力を制御する方式は、手動式でも機械式でも構わない。手動式の場合、居住者5が張力制御機構207を直接操作することで張力が変化する。機械式の場合、制御回路208からの張力制御情報に応じて機構が動作して張力が変化する。
制御回路208としては、CPU等の演算資源を有する情報処理回路が好適である。制御回路208は、リモコン等のユーザインタフェース210を介した居住者5からの温度/風量指示情報に基いて、指示を実現するための膜部材201の開口の度合いを算出し、そのために必要な張力を決定し、張力制御情報を生成する。開口度合いの算出を省略して、張力を直接決定してもよい。開口度合いの算出や張力の決定にはメモリ209を参照するとよい。すなわちメモリ209には、予め作成された、温度や風量の目標値と開口度合いや張力との関係や、該目標値と現在値の差分と開口度合いや張力との関係とを表すテーブルや数式が格納されている。ユーザインタフェース210としては、リモコンの他、PCやスマートフォンの画面上に表示され、マウス・キーボードやタッチにより操作可能なGUIも利用できる。
制御回路208はまた、温度センサや風量センサなどの環境センサ211からの温度/風量検出値と、予め居住者5や建物管理者によってメモリ209に格納された目標値に基いて、目標値を達成するための膜部材201の開口の度合いの算出や、張力の決定を行い、張力制御情報を生成してもよい。この場合にも、メモリ209に格納されたテーブルや数式を利用できる。
なお、制御回路208は、張力制御とともに、空調機300の目標温度や風量を制御してもよい。また、制御対象となる環境として、湿度やグローブ温度等の利用者の好みのものを設定してもよい。
再び図1に戻り、説明を続ける。空調機300は、空気を吸入し、冷却または加温したのち吹き出すことで、天井空間3を冷却または加温するとともに、気流を形成する装置である。空調機300は典型的にはエアコン室内機であり、図示した吹出し風路307(給
気風路)や、吸込み風路302(吸気風路)の他に、膨張弁、熱交換器などを備え、冷媒サイクルによって空調を行う。空調機300が調整する環境としては、温度の他に、湿度や風量が挙げられる。図では天井空間3に空調機300の本体(室内機部分)を設置しているが、部屋の外部に設置された空調機300からダクト等により冷暖気を導く構成でも構わない。中央熱源方式の建物においては、エアコン室内機の代わりに、ファンコイルユニットやエアーハンドリングユニットを用いる。
空調機300の動作が開始すると、吹出し風路307により冷暖気の吹付け気流303(冷暖房の給気)が形成される。このときの温度および風量は、居住者5によるリモコン操作や建物管理者の設定値に基いて決定される。気流は、膜部材201の上面に沿って天井空間内部を進行し、一部が吹出口205から吹出し気流305として、また、別の一部は、膜部材201の小孔から居住空間内部に流出し、流出気流304として、それぞれ居住空間2に入る。吹出し気流305および流出気流304を含む居住空間内部の空気は、吸込み風路302を介して空調機300に吸い込まれる吸込み気流306となり、空調機300を経て新たに冷暖気となる。
ここで、出願人らが検討した結果、従来の膜天井型の放射空調システムにおいては、空調機300の吹出し風量を調整したとしても、室内中央付近のインテリアゾーンへの影響が大きい流出気流304の風量と、窓付近などのペリメータゾーンへの影響が大きい吹出し気流305の風量の比率を変えられないことが問題であることが分かった。例えば、窓からの日射量や室内外温度差に応じてペリメータゾーンの吹出し風量を増減させたい場合や、インテリアゾーンに人が居るときにその場所または位置の風量を増やして空調の効きを良くしたい場合などに、この問題は顕著になる。
本実施形態の空調システム1は、概略、膜部材201、張力制御機構207および空調機300を備える。ここで、保持部材202と張力制御機構207を一体化してもよい。また、制御回路208、メモリ209、ユーザインタフェース210、環境センサ211のうち任意の構成要素が、張力制御機構に含まれると考えることもできる。
また、空調システム1は、吹出し気流305と流出気流304の比率、または、吹出し気流305と流出気流304それぞれの風量、を制御する気流制御部を備えてもよい。制御回路208が気流制御部を兼ねていてもよく、独立した気流制御部を設けてもよい。気流制御部の制御により、吹出口と膜面からの吹出し比率や量を変更できるので、場所ごとの空調制御が用意になる。気流制御部は、吹出し気流305の風向を制御してもよい。
(膜部材の構成と配置)
図3に、膜部材201を取り付けて配置するための構成の一例を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付し、説明を簡略化する。
図3(a)は、天井スラブ301から支持部材203によって支持された保持部材202を、図1とは異なる方向から見た様子を示す。本図における保持部材202は、長手方向を有する棒状の部材である。
図3(b)は、居住空間2から天井を見上げたときの、配置済みの保持部材202の様子を示す。この例では、2本の保持部材(202a、202b)が略平行に配置されている。2本の保持部材のうち少なくとも1本(ここでは202b)は、張力制御機構207の機能により、長手方向を軸として回転可能である。符号Rで示した向きに回転した場合は膜部材201に掛かる張力が増して小孔が広がり、符号Rと逆向きに回転した場合は張力が下がって小孔が狭まる。
図3(c)は、保持部材にロールシート状の膜部材201を固定する様子を示している。まず、膜部材201のロールシートの一端を保持部材202aに固定し、ロールを展開してもう一方の保持部材202bに固定する。この作業をロール幅と保持部材202の長手方向での長さに応じて繰り返すことで、図3(d)のように2本の保持部材間の空間を膜部材201で埋めることができる。膜部材201の保持部材202への固定方法は、膜部材201に張力を与えた場合でも安定して保持可能であれば、どのような方法でもよい。例えば、クリップや押さえバーを用いて挟持する方法、接着剤を用いて固着する方法、ビスやピンを用いた方法などを利用できる。
(膜部材の制御および効果)
図3の例では、保持部材202aを軸方向に回転させることで膜部材201に掛かる張力を制御する。回転させる方法は手動でも機械式でも構わず、例えばモーターやスクリューなどの回転機構が張力制御機構207を構成する。なお、軸回転以外の方式で張力を制御してもよい。例えば、少なくとも一方の保持部材を他の保持部材から離れる方向に移動させることによっても、膜部材201に掛かる張力を増大させて小孔を拡大させることができる。
図4は、本実施形態の制御によって流出気流304の風量が変化する様子を説明する図である。図4(a)は、膜部材201に掛かっている張力が比較的低い状態を示す。この場合、膜部材201の小孔201aの開口は比較的狭く、開口率は比較的少ない。従って通気性が低いため、流出気流304の風量は比較的少ない。
一方、図4(b)は、膜部材201に掛かっている張力が比較的大きい状態を示す。この場合、小孔201aの開口度合いが図4(a)と比べて広くなっており、開口率は比較的大きい。そのため通気性が高くなり、流出気流304の風量が多くなる。その結果、居住空間内部への冷気または暖気の流量が多くなり、空調効果が向上して温度調節を素早く行うことができる。さらに、気流感が増すことで、居住者5の体感的な冷涼感または温熱感を改善する効果も得られる。なお、張力制御に加えて空調機300自体の目標温度や吹出し風路307の風量を制御することで、さらに素早く効率的な空調が可能である。
以上述べたように、本実施形態によれば、放射空調と対流空調の利点を兼ね備えた膜天井型の空調システムにおいて、膜面から吹き出す流出気流を詳細に制御できる。その結果、即効性のある空調や、涼しさや暖かさの好みに応じた柔軟な空調が可能になる。特に、対流空調は放射空調に比べて室内に多くの熱を供給しやすいので、膜の通気性を高めて対流量を増やすことにより、室内への供給・除去熱量の増加や、室内の使い方や気象条件に伴うエリア毎の空調負荷(熱需要)の変化への対応が可能になる。例えば、図1の例においては、空調機300自体の風量と、膜面からの流出気流の風量とを制御することにより、ペリメータゾーンとインテリアゾーンの空調の効きをそれぞれ独自に制御できるので、ゾーンごとの空調負荷に応じた冷暖房量の調整が可能になる。
[実施形態2]
本実施形態では、居住空間内部の環境を、領域ごとにきめ細かく制御可能な空調システムについて説明する。上記実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を簡略化する。実施形態1では、簡略化のために保持部材が2本で1組である場合を示したが、天井の広さ、膜部材の素材や大きさ、張力制御機構の種類、その他の機能的または美観的な要件に応じて、任意の数の保持部材を用いることが可能である。
図5は、本実施形態に係る膜部材の構成を、居住空間2の側から見上げた様子を示す。図1と同様、天井面20には、通常の天井材204で略覆われた領域と、膜部材201で略覆われた領域が含まれる。本実施形態では、複数の組数の保持部材を用いることで、居
住空間内への流出気流304を細かく制御する点に特徴がある。すなわち、膜部材201_1~膜部材201_4それぞれに保持部材202と張力制御機構207が設けられているため、居住空間内部に膜面から流出する風量を、領域ごとに制御できる。その結果、個人ごとの細かなニーズに答えることが可能になる。
また本実施形態によれば、膜部材領域と天井材領域の間や、各膜部材領域の間に、照明領域212を設けることができる。照明領域212にLEDライン照明、蛍光灯、移動可能な照明器具が設置されたライティングレールなどを設置することにより、居住空間内部の照明配置の自由度が増し、居住性能を高めることができる。
[実施形態3]
本実施形態では、実施形態1とは異なる膜部材の保持方法および制御方法について説明する。本実施形態を説明する図6において、膜部材201の四隅を保持部材202が保持している。張力制御機構(不図示)は、各保持部材を矢印の方向に引っ張ることにより膜部材201に張力を掛けることができる。本実施形態の方法によっても、膜天井式の放射空調システムにおいて、膜面からの流出気流を制御して効果的な空調を実現できる。
なお、膜部材201の形状は、正方形や長方形には限定されない。また、保持部材202による保持方法や、張力をどの方向から掛けるかということも、上記各実施形態の方法には限られない。
また、部分的に張力を掛けることも有効である。例えば、膜天井を、場所ごとに、伸縮性の高い上述の膜部材と、伸縮性の低い部材とで混成する方法がある。この場合、場所ごとに伸縮度合いの違うため、部分的に吹出し風量を変えることができる。例えば、室内で人が居るラインの天井には伸縮性がある膜部材を用いることで、張力が高まったときにその部分だけ開孔が大きくなる。
1:空調システム
201:膜部材
207:張力制御機構
300:空調機

Claims (9)

  1. 部屋を高さ方向において下部の居住空間と上部の天井空間とに区画する膜部材と、
    前記天井空間に供給される空気を調整する空調機と、
    前記膜部材に掛かる張力を制御する張力制御機構と、
    を備える空調システムであって、
    前記膜部材は、前記張力に応じて通気性が変化し、
    前記膜部材は、複数の開口を備えた部材であり、
    前記張力が大きくなるほど、前記開口が大きくなることにより、前記天井空間から前記居住空間に流出する風量が増加し、
    前記居住空間について設定された、温度および風量についての目標値に基づいて、前記張力制御機構が前記膜部材に掛ける張力を制御する制御回路をさらに備え、
    前記制御回路は、前記目標値を実現するのに必要な、前記膜部材の開口度合いを算出し、当該開口度合いを実現するように前記張力を制御する
    ことを特徴とする空調システム。
  2. 前記空調機からの吹出し気流を前記天井空間から前記居住空間に吹き出させる吹出口をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記吹出口から前記居住空間に吹き出す気流を制御する気流制御部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記膜部材は、複数の膜部材であり、前記張力が大きくなるほど前記複数の膜部材の開口が大きくなり、
    前記張力制御機構は、前記複数の膜部材ごとに張力を制御する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 前記膜部材は、前記張力に応じて伸縮するメッシュ素材である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空調システム。
  6. 前記天井空間に供給された前記空気による放射空調と、前記膜部材の膜面からの流出気
    流による対流空調により前記居住空間の環境を調整する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空調システム。
  7. 前記膜部材は、略平行な2本の棒状の保持部材の間に張り渡されたシート状の部材であり、
    前記2本の保持部材のうち一方が軸方向に回転することにより、前記膜部材に掛かる張力が変化する
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の空調システム。
  8. 前記膜部材は、四隅それぞれを保持部材により固定されたシート状の部材であり、
    前記保持部材が前記膜部材を引っ張るとにより、前記膜部材に掛かる張力が変化することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の空調システム。
  9. 前記空調機からの空気は、前記吹出口および前記膜部材から同時に供給され、
    前記吹出口は、前記居住空間のうちペリメータゾーンに前記吹き出し気流を吹き出すように設けられており、
    前記膜部材は、前記居住空間のうちインテリアゾーンに、前記天井空間の空気を流出させるものである
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の空調システム。
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