JP2012251745A - 高負荷空調システム - Google Patents

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【課題】還気流路確保に伴う階高の増大を抑制し、建物全体の高さ、建設費、工期等を低減又は短縮するとともに、外気冷房のための外気導入に適した構成を有する高負荷空調システムを提供する。
【解決手段】多量の顕熱を発熱する高負荷機器(1)をホットアイル・コールドアイル方式に配列した室(11)に冷却空気を送風して、コールドアイル領域(C)に冷却空気を供給するとともに、ホットアイル領域(H)の床(F)に還気口又は排気口(25)を配置し、高負荷機器を通過してホットアイル領域に流出した暖気を還気口又は排気口から床下領域(20)に流下させる。床下領域に外気を供給して暖気と混合し、暖気及び外気の混合気を熱交換器によって冷却し、冷却空気として室に送風するとともに、暖気の一部を床下領域から屋外に排気する。
【選択図】図4

Description

本発明は、高負荷空調システムに関するものであり、より詳細には、多量の顕熱を発熱する高負荷機器を収容した室を冷房する高負荷対応の空調システムに関するものである。
多数のサーバ機器、ルーター、IT機器、通信機器等の高負荷電子機器を収容するデータセンタ、IT機器管理施設又は携帯電話基地局のサーバ室、電算室又は通信機器室等の建設が近年急増している。この種の施設は、多量の顕熱を発熱する多数の電子機器を室内に収容することから、電子機器の顕熱を除熱するための高負荷対応の空調システムを必要としている。
例えば、データセンタ等におけるサーバ機器の高集積化・高密度化が近年殊に進んでおり、サーバ室内において大量の顕熱が発生する結果として、サーバ室の冷却に要する電力消費量が急速に増加する傾向が生じている。サーバ機器の多くは、前面から冷気の吸込みを行い、背面から暖気を排気する構造を有する。このため、このようなサーバ室においては、サーバラック前面の吸気面を対向配置して吸気面間にコールドアイルを形成し、サーバラック背面の排気面を対向配置して排気面間にホットアイルを形成したホットアイル・コールドアイル方式のレイアウトが、熱効率向上のために一般に採用されている。このようなホットアイル・コールドアイル方式のサーバ室の空調システムは、例えば、特開2009-140421号公報(特許文献1)、特開2006-208000号公報(特許文献2)及び特開2004-184070号公報(特許文献3)に記載されている。
図7(A)、図7(B)及び図7(C)は、従来技術に係るサーバ室の空調システムの構成を概念的且つ模式的に示す平面図、XI− XI線断面図及びXII−XII線断面図である。各図において、空調システムは、サーバ室、プレナムチャンバ、空調機及び熱交換器等の相対的な位置関係によって示されている。なお、図7の各図には、空調空気循環回路を循環する空気流の流れが、矢印によって概念的に示されている。
複数のサーバを収容したサーバラック100がサーバ室111内に配列される。サーバ室は、天井119、床構造体110及び壁体113によって画成される。床構造体110は、フリーアクセスフロア又はネットワークフロア等の二重床構造のものであり、給気(サプライ側)プレナムチャンバ112が、床面構成材118とコンクリートスラブ等の床版117との間に形成される。
各サーバラック100は、操作面を構成する筐体前面101から冷気を取り込み、筐体背面102からサーバ室111の室内に熱排気するためのファン(図示せず)を備える。サーバラック100は、この種のサーバ室において一般に採用される前述のホットアイル・コールドアイル方式に配置されている。ホットアイル・コールドアイル方式のレイアウトにおいては、給気を要する筐体前面101同士が対向配置され、筐体前面101の間にコールドアイルCが形成されるとともに、熱排気を行う筐体背面102同士が対向配置され、筐体背面102の間にホットアイルHが形成される。コールドアイルCを室内上部空間から遮蔽する遮蔽板105が、隣り合うサーバラック100の上部を架橋するように配置される。コールドアイルCの床118には、冷却空気を上方に吹出す給気口(図示せず)が配設される。
循環空気冷却用の熱交換器(冷却コイル)115を内蔵した空調機116がサーバ室111内に配置される。空調機116は、床下の給気プレナムチャンバ112に冷却空気(冷気)を送風する。冷気は、コールドアイルCの給気口を介してコールドアイルCに上向きに吹出し、サーバラック100の吸気面(筐体前面101)からサーバラック100内に吸引される。サーバラック100内のサーバ機器を除熱して昇温した空気(暖気)は、サーバラック100の排気面(筐体背面102)からホットアイルH及び室内上部空間に排気され、主に室内上部空間を介して空調機116に還流する。
図8は、他の構成を有する従来の高負荷空調システムの構成を概念的且つ模式的に示す断面図である。図8に示す空調システムにおいては、還気チャンバ114が天井119と上階の床構造体110’との間に形成される。サーバラック100内のサーバ機器と熱交換して昇温した空調空気は、還気チャンバ114を介して空調機116に還流し、空調機116の熱交換器115によって冷却された後、空調機116の給気口からサーバ室111の室内空間に吹出す。
特開2009-140421号公報 特開2006-208000号公報 特開2004-184070号公報
しかしながら、従来の高負荷空調システムにおいては、サーバ機器を除熱して昇温した暖気は、主に室内上部空間を流動して空調機に還流し、或いは、天井裏の還気チャンバを介して空調機に還流するように構成されているので、還気流路を構成する室内上部空間又は天井裏還気チャンバを形成すべく、比較的大きな天井高又は階高を確保する必要が生じる。天井高又は階高の増大は、建物全体の高さ、建設費、工期等を増大又は延長する要因となるので、このような天井高又は階高の増大を回避する対策が望まれる。
また、データセンタ等の建築物においては、建築物の有効利用又は効率的利用が図られる一方、建築設備が占める空間を制限し又は縮小した設計が採用されることが多く、このような設計の結果として、ダクト、シャフト、熱交換器等の通風抵抗が増大する傾向がある。他方、多数の電子機器を収容した室の空調システムには、電子機器の最大発熱時(ピーク時)の熱負荷に相応する冷房能力が求められるが、電子機器の稼働率が低い時期には、送風量を大きく低減し、或いは、外気冷房により電子機器の徐熱を行うことができる。しかし、風速を高めて空気搬送路の断面寸法及び断面積を縮小した従来の空調システムでは、このような大きな風量変化に順応し難く、熱負荷制御の応答性又は制御性の点において更に改善すべき余地が残されている。
更に、データセンタ等の建築物においてPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)を低下(向上)させるには、中間期及び冬季、或いは、夏季の夜間等に外気冷房を併用することが望ましい。しかしながら、還気流路を室内上部空間又は天井裏還気チャンバにより形成した場合、外気冷房手段を構成する機器を維持・管理し難く、外気導入に起因する結露発生等を防止する上でも、設計上又は実務上の困難が生じ易い。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多量の顕熱を発熱する高負荷機器を収容した室を冷房する高負荷空調システムにおいて、還気流路確保に伴う天井高又は階高の増大を抑制し、建物全体の高さ、建設費、工期等を低減又は短縮することにある。
本発明は又、多量の顕熱を発熱する高負荷機器を収容した室を冷房する高負荷空調システムにおいて、大きな風量変化に適応可能な熱負荷制御の応答性又は制御性を備えた空調システムを提供することを目的とする。
本発明は更に、多量の顕熱を発熱する高負荷機器を収容した室を冷房する高負荷空調システムにおいて、外気冷房のための外気導入に適した構成の空調システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく、多量の顕熱を発熱する高負荷機器をホットアイル・コールドアイル方式に配列した室に冷却空気を送風し、前記高負荷機器を徐熱する高負荷空調システムにおいて、
前記室の床下に設けられた床下還気チャンバと、
前記高負荷機器の間に形成されたホットアイル領域の床に配置され、前記ホットアイル領域の暖気を前記床下還気チャンバに流下させる還気口と、
前記ホットアイル領域の上部を閉鎖する遮蔽体と、
前記床下還気チャンバの還気を吸引する空気循環用送風機と、
該送風機の給気流に伝熱接触して該給気流を冷却する熱交換器と、
前記熱交換器を通過した給気流を冷却空気として前記室の壁面から吹出し、前記高負荷機器の間に形成されたコールドアイル領域に前記冷却空気を送風する吹出口とを有することを特徴とする高負荷空調システムを提供する。
本発明の上記構成によれば、空調システムは、ホットアイル領域の上部を閉鎖する遮蔽体と、ホットアイル領域の床に配置された還気口とを有する。高負荷機器からホットアイル領域に流出した暖気は、還気口から床下還気チャンバに流下し、空気循環用送風機に吸引される。空気循環用送風機の給気流は、熱交換器によって冷却され、冷却空気として室の壁面から室内に送風される。冷却空気は、コールドアイル領域に流入し、高負荷機器を冷却・徐熱してホットアイル領域に流出する。このような空調システムによれば、高負荷機器の上方域に還気流路を確保する必要がなく、従って、高負荷機器の上方に最小限の配線・配管スペース等を確保すれば良い。このため、天井高又は階高を低減することが可能となる。これは、天井高又は階高の低減に相応して建物全体の高さ、建設費、工期等を低減又は短縮し得ることを意味する。
また、本発明の空調システムにおいては、床下還気チャンバによって還気流路が形成されるので、床下還気チャンバに外気を供給する外気冷房手段を設けることにより、外気冷房を併用することができる。床下還気チャンバと関連して外気冷房手段を設けることにより、外気冷房手段を構成する機器類の維持・管理が簡素化するとともに、外気導入に伴う結露等を比較的簡易な対策で防止することが可能となる。好ましくは、外気冷房手段は、床下還気チャンバに外気を供給する外気導入用送風機と、床下還気チャンバの還気を屋外に排気する排気用送風機とを有する。外気導入用送風機及び排気用送風機として、有圧扇を好適に使用し得る。
好適には、空調システムは、壁面を挟んで室に隣接配置された給気チャンバと、給気チャンバに隣接配置された縦シャフトとを有し、空気循環用送風機は、上向きに送風するように縦シャフト内に配置され、熱交換器は、給気チャンバと縦シャフトとの間に配置され、上下方向に延在する気流通過面を有する。
このような空調システムによれば、熱交換器の気流通過面を通過する気流の分布は、縦シャフトの気流緩衝作用によって均一化するので、室の壁面に沿って熱交換器を広範に展開し、これにより、熱交換器の気流通過風速を低下して、熱交換器の圧力損失を低減することができる。また、このような熱交換器の面風速の低下により、熱交換器の管列の列数を低減し、これにより、熱交換器の起動性又は負荷追従性を改善して、風量変化に対する空調システムの応答性又は制御性を向上することができる。なお、縦シャフトと給気チャンバとの間の隔壁は、熱交換器によって形成し、或いは、熱交換器と壁体とによって形成することができる。
他の観点より、本発明は、多量の顕熱を発熱する高負荷機器をホットアイル・コールドアイル方式に配列した室に冷却空気を送風し、前記高負荷機器を徐熱する高負荷機器の冷却方法において、
前記高負荷機器の間に形成されたホットアイル領域の床に還気口又は排気口を配置し、
前記室に冷却空気を送風して、前記高負荷機器の間に形成されたコールドアイル領域に前記冷却空気を供給し、
前記高負荷機器を通過して前記ホットアイル領域に流出した暖気を前記還気口又は排気口から床下領域に流下させることを特徴とする高負荷機器の冷却方法を提供する。
本発明の高負荷機器冷却方法によれば、高負荷機器の上方に還気流路を確保する必要がなく、従って、高負荷機器の上方に最小限の配線・配管スペース等を確保すれば良い。このため、天井高又は階高を低減し、天井高又は階高の低減に相応して建物全体の高さ、建設費、工期等の低減又は短縮を図ることが可能となる。
好ましくは、ホットアイル領域の上部が遮蔽体によって閉鎖される。例えば、高負荷機器は、複数のサーバ機器を収容したサーバラックであり、冷却空気を吸引し且つ暖気をホットアイル領域に排気するファンを備えており、遮蔽体は、隣り合うサーバラックの上部を架橋するようにサーバラックに取付けられる。
更に好ましくは、床下領域に流入した暖気は熱交換器によって冷却され、冷却空気として室内に送風される。所望により、床下領域に外気が供給される。床下領域に流入した暖気は外気と混合する。暖気及び外気の混合気は、熱交換器によって冷却され、冷却後の混合気は、冷却空気として室内に送風される。好ましくは、床下領域に流入した暖気の一部が床下領域から屋外に排気される。
本発明の高負荷空調システムによれば、還気流路確保に伴う階高又は天井高の増大を抑制し、建物全体の高さ、建設費、工期等を低減又は短縮することができる。
また、本発明の高負荷空調システムによれば、大きな風量変化に適応可能な熱負荷制御の応答性又は制御性を備えた空調システムを提供することができる。
更に、本発明の高負荷空調システムによれば、外気冷房のための外気導入に適した構成の空調システムを提供することができる。
また、本発明に係る高負荷機器冷却方法によれば、還気流路確保に伴う階高の増大を抑制し、建物全体の高さ、建設費、工期等を低減することができる。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の好適な実施例に係るサーバ室の空調システムを概念的且つ模式的に示す平面図、I−I線断面図及びII−II線断面図である。 図2(A)は、図1に示す空調システムにおける冷気領域及び暖気領域の位置関係を概略的に示す断面図であり、図2(B)は、図7に示す従来の空調システムにおける冷気領域及び暖気領域の位置関係を概略的に示す断面図である。 図3(A)は、図2(A)に示す冷気領域及び暖気領域の位置関係を部分拡大して示す概略断面図であり、図3(B)は、図2(B)に示す冷気領域及び暖気領域の位置関係を部分拡大して示す断面図である。 図4(A)は、外気冷房手段を含む本実施例の空調システムの構成を全体的に示す断面図であり、図4(B)は、図4(A)のIII−III線における断面図である。 図5は、縦シャフト廻りのサーバ室の構造を示す断面図である。 図6は、排気チャンバ廻りのサーバ室の構造を示す断面図である。 図7(A)、図7(B)及び図7(C)は、従来技術に係るサーバ室の空調システムの構成を概念的且つ模式的に示す平面図、XI− XI線断面図及びXII−XII線断面図である。 図8は、他の構成を有する従来の高負荷空調システムの構成を概念的且つ模式的に示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1(A)、図1(B)及び図1(C)は、本発明の好適な実施例に係るサーバ室の空調システムを概念的且つ模式的に示す平面図、I−I線断面図及びII−II線断面図である。各図において、空調システムは、サーバ室、プレナムチャンバ、空調機及び熱交換器等の相対的な位置関係によって示されている。なお、図1を含む以下の図において、矢印は、気流の流れを概念的に示すためのものである。
図1に示すサーバ室11は、床構造体10、壁体14及び天井19によって画成される。床構造体10は、サーバ室11の床面を形成する非通気性の床面構成材18と、サーバ室11を下層階に対して水平区画する床版17とを有する。サーバ室11に設けられた空調システムは、主として、空冷式サーバラック1(破線で示す)内に収納したサーバ機器を冷却・徐熱するためのものである。空調システムは、隔壁12によってサーバ室11の室内空間から区画された給気用(サプライ側)プレナムチャンバ15と、隔壁13によって給気用プレナムチャンバ15から区画された給気用(サプライ側)縦シャフト16と、サーバ室11の床構造体10内に形成された還気(リターン側)チャンバ20とを有する。還気チャンバ20は、サーバ室11の電気配線、制御配線、通信配線、熱媒体配管、制御配管等の配線・配管スペースとしても使用される。
通気性を有する床21が縦シャフト16内に形成される。床21は、取外し可能且つ歩行可能な金属製グレーチング等の通気性床材からなる。空調空気を循環する多数の可変風量式送風機50が床21の下側に配設される。還気チャンバ20内の空気は、送風機50に吸引され、送風機50の吐出圧力下に床21を通過し、縦シャフト16内に上向きに吐出する。縦シャフト16とプレナムチャンバ15とを区画する隔壁13には、循環空気冷却用の熱交換器30が配設される。熱交換器30は、実質的に垂直な気流通過面を有し且つ単一の管列を有するフィンチューブ型熱交換器であり、縦シャフト16に流入した空気は、熱交換器30の伝熱管及び伝熱フィンと熱交換して降温した後、冷却空気(冷気)としてプレナムチャンバ15内に流入する。
給気流は、縦シャフト16内を実質的に垂直(鉛直)に上昇するのに対し、気流と直交する熱交換器30の気流通過面は、実質的に垂直(鉛直)に配置される。縦シャフト16は、給気流の動圧を少なくとも部分的に静圧に転換する気流緩衝作用を有し、縦シャフト16内に流入した給気流は、熱交換器30の全域に均一に流入する。即ち、熱交換器30に流入する還気流の気流分布は、縦シャフト16の気流緩衝作用によって均一化するので、熱交換器30の気流通過面の面積を増大し、熱交換器30を通過する気流の面風速を最大風量時において5m/s以下に低下するとともに、熱交換器30の管列の列数を低減し、熱交換器30の圧力損失を軽減することができる。従って、このような空調システムによれば、空気循環回路の圧力損失を低減し、気流循環のための送風機の送風動力及び騒音を低減することができる。また、面風速を低下した単一管列の熱交換器30は、その保有水量が比較的小さく、従って、起動性及び負荷追従性が高く、制御の応答性又は制御性に優れる。
プレナムチャンバ15とサーバ室11とを区画する隔壁12は、多数の水平ルーバーを有する広範な給気ガラリ22を備える。プレナムチャンバ15は、送風機50の騒音を消音する消音手段として機能するとともに、給気流を給気ガラリ22全域に均等に分布せしめる給気流分散手段として機能する。熱交換器30を通過してプレナムチャンバ15内に流入した冷却空気は、給気ガラリ22の開口部を通過して隔壁12の壁面全域から均等にサーバ室11に流出する。
サーバ室11の床Fには、多数の空冷式サーバラック1が間隔を隔てて並列配置される。各サーバラック1内には、複数のサーバ機器等(図示せず)が実装される。各サーバラック1は、操作面を構成する筐体前面Saから冷却空気(冷気)を取り込み、排熱面を構成する筐体背面Sbからサーバ室1の室内に熱排気するためのファン(図示せず)を有する。サーバラック1は、この種のサーバ室において一般に採用されるホットアイル・コールドアイル方式に配列されている。ホットアイル・コールドアイル方式のレイアウトにおいては、給気を要する筐体前面Sa同士が対向配置され、筐体前面Saの間にコールドアイルCが形成されるとともに、熱排気を行う筐体背面Sb同士が対向配置され、筐体背面Sbの間にホットアイルHが形成される。ホットアイルHを室内上部空間Eから遮蔽する遮蔽板5が、隣り合うサーバラック1の上部を架橋するようにサーバラック1に概ね水平に取付けられる。
給気ガラリ22からサーバ室11に流出した冷却空気(冷気)は、コールドアイルCを横方向又は水平方向に流れ、各サーバラック1の筐体前面Saに取り込まれ、サーバラック1内のサーバ機器を冷却・徐熱して昇温した後、各サーバラック1の筐体背面SbからホットアイルHに暖気として流出する。ホットアイルHの暖気は、ホットアイルHの床Fに配置された還気口(図示せず)を介して還気チャンバ20に流下し、送風機50によって吸引される。
図2(A)及び図3(A)は、本実施例の空調システムにおける冷気領域及び暖気領域の位置関係を示す概略断面図であり、図2(B)及び図3(B)は、図7に示す従来の空調システムにおける冷気領域及び暖気領域の位置関係を概略的に示す断面図である。
図2(B)及び図3(B)に示す従来の空調システムは、コールドアイルCを遮蔽板105によって室内上部空間Gから遮蔽した構成を有する。給気プレナムチャンバ112の冷気はコールドアイルCに上向きに吹出し、ホットアイルHの暖気は室内上部空間Gに上昇する。サーバラック100と天井119との間の室内上部空間Gは、暖気を空調機116(図7)に還流させる暖気流路として機能する。階高J’は、給気プレナムチャンバ112の高さJ1’、サーバラック100の高さJ2’および室内上部空間Gの高さJ3’の合計値(J=J1’+J2’+J3’)である。例えば、高さJ1’及びJ2’の合計値(J1’+J2’)は3.5mであり、高さJ3’は1.5mであり、階高J’は、5.0m(J1’+J2’+J3’)である。
これに対し、図2(A)及び図3(A)に示す本実施例の空調システムは、ホットアイルHを遮蔽板5によって室内上部空間Eから遮蔽した構成のものであり、冷気はコールドアイルCを横方向又は水平方向に流動して各サーバラック1に流入し、ホットアイルHの暖気は還気チャンバ20に流下する。サーバラック1と天井19との間の領域は、電気配線、通信配線等の配線・配管領域として使用されるにすぎず、配線・配管可能な最小限の高さ寸法(例えば、J3=0.9m)の領域を確保すれば良い。階高Jは、還気チャンバ20の高さJ1、サーバラック1の高さJ2および配線・配管領域Eの高さJ3の合計値(J=J1+J2+J3)である。例えば、高さJ1及びJ2の合計値(J1+J2)は従来技術と同じく3.5mであるが、階高Jは4.4m(J1+J2+J3)であり、従って、本実施例の空調システムによれば、階高Jは、従来技術と比べて、0.6m低減(12%低減)する。これは、階高Jの低減に相応して建物全体の高さ、建設費、工期等を大幅に低減又は短縮し得ることを意味する。
図4(A)は、外気冷房手段を含む本実施例の空調システムの構成を全体的に示す断面図であり、図4(B)は、図4(A)のIII−III線における断面図である。図5は、縦シャフト廻りのサーバ室の構造を示す拡大断面図であり、図6は、排気チャンバ廻りのサーバ室の構造を示す拡大断面図である。
図4に示すように、ホットアイルHの暖気を還気チャンバ20に流下させる還気口25が、ホットアイルHに沿って概ね連続的にサーバ室1の床Fに配置される。還気口25は、例えば、床面の一部を構成する歩行可能な金属製グレーチング等の有孔部材又は通気性部材からなり、還気口25の開口率は、60〜80%の範囲、例えば、約70%に設定される。ホットアイルHに流出した暖気は、送風機50の吸引圧力下に還気口25から還気チャンバ20に流下し、送風機50によって吸引される。
空調空気は、送風機50→縦シャフト16→熱交換器30→プレナムチャンバ15→給気ガラリ22→サーバ室11→コールドアイルC→サーバラック1→ホットアイルH→還気口25→還気チャンバ20→(送風機50)からなる空気循環回路を循環する。
本実施例の空調システムは更に、サーバ室11のPUE(Power Usage Effectiveness:電力使用効率)を低下(向上)するための外気冷房手段を有する。外気冷房手段は、中間期及び冬季、或いは、夏季の夜間等に外気温が室温よりも低いときに外気が保有するエネルギー(エンタルピー)を積極的に活用して空調負荷を低減するためのものである。外気冷房手段は、外気を還気チャンバ20に導入する有圧扇60と、還気チャンバ20内の空気を外界(屋外)に排気する有圧扇61とを有する。外気冷房手段を含む本実施例の空調システムについて以下に説明する。
図4及び図5に示すように、バルコニー空間31が壁体14を介して縦シャフト16に隣接する。バルコニー空間31は、建物の外壁32によって屋外空間(外界環境)Qから区画されるが、外壁32には、多数の水平ルーバ等を有する外気導入ガラリ33が広範囲に設けられており、従って、バルコニー空間31は、屋外空間Qに実質的に開放している。所望により、フード、防虫ネット、防鳥ネット、開閉シャッター、差圧ダンパ等が外気導入ガラリ33に配設される。バルコニー空間31の床は、非通気性の床面構成材34によって形成される。床面構成材34は、サーバ室11の床面構成材18と実質的に同じ高さレベルに位置する。
床版17は外壁32まで延在しており、外気導入チャンバ35が床面構成材34と床版17との間に形成される。下層階の外気導入ガラリ33’から下層階のバルコニー空間31’に流入した外気を外気導入チャンバ35に取り込むための外気導入口36が、床版17に配設される。外気導入口36は、平行なルーバー又は格子状グリルからなり、所望により、開閉シャッター等を有する。
外気に含まれる塵埃等を除去する粗塵フィルター37が、外気導入チャンバ35内に垂直に配設される。外気導入チャンバ35は、粗塵フィルター37によって分割される。多数の有圧扇60が壁体14に配設される。有圧扇60の吸引圧力は下層階の外気導入ガラリ33’に作用する。従って、外気は、下層階の外気導入ガラリ33’、下層階のバルコニー空間31’、外気導入口36、外気導入チャンバ35および粗塵フィルター37を介して各有圧扇60に吸引される。各有圧扇60の吐出面は還気チャンバ20に開口しており、有圧扇60は外気を還気チャンバ20内に吐出する。なお、サーバ室11と同一階の外気導入ガラリ33からバルコニー空間31に流入した外気は、上階の外気導入口36’、外気導入チャンバ35’および粗塵フィルター37’ (図5)を介して上階のサーバ室(図示せず)の有圧扇60’ (図5)によって同様に吸引され、上階の還気チャンバ20’に供給される。また、粗塵フィルター37及び有圧扇60等を維持管理するためのメンテナンス用点検ハッチ38(図5に破線で示す)が、バルコニー空間31の床に配設される。
図4及び図6に示すように、有圧扇60を備えた壁体14と反対の側に位置する壁体14には、排気用の開口部23が形成される。開口部23は、還気チャンバ20に配置されており、壁体14と隔壁44との間に画成された排気チャンバ41に連通する。有圧扇60と実質的に同数の有圧扇61が隔壁44に配設される。有圧扇61の吸引側面は排気チャンバ41に面しており、有圧扇61は、還気チャンバ20の還気を吸引する。有圧扇61の吐出側面は、隔壁44と外壁43との間に画成された消音チャンバ42に面しており、有圧扇61は還気チャンバ20の還気を消音チャンバ42内に吐出する。外壁43には、多数の水平ルーバ等を有する排気ガラリ45が配設される。有圧扇61と対向する外壁43の壁面には、多孔質材料又は繊維材料等からなる吸音材46が取付けられ、排気ガラリ45は、有圧扇61と対面又は整列しない高さ位置(レベル)に配置される。
従って、還気チャンバ20の還気(暖気)は、有圧扇61の吸引圧力下に開口部23から排気チャンバ41に流入し、有圧扇61の吐出圧力下に消音チャンバ42に流出し、排気ガラリ45を介して屋外空間Qに排気される。有圧扇61によって排気された還気を除く還気の残部は、前述の如く、送風機50によって吸引され、空調システムの系内を循環する。
かくして、有圧扇60、61は、外気をサーバ室11の循環空気の一部と置換し、熱交換器30の熱負荷を軽減する。他方、有圧扇60、61の送風動力は、空調システム全体の電力消費量を増大する。外気導入による熱交換器30の熱負荷軽減効果が、有圧扇60、61の作動による電力消費量の増大を考慮したとしても、空調システム全体のエネルギー効率を向上(PUEを低下)させるとき、有圧扇60、61は作動され、他方、空調システム全体のエネルギー効率が外気冷房運転によりむしろ悪化(PUEを増大)するとき、有圧扇60、61は停止される。
全有圧扇60、61の最大排気量及び最大給気量は、例えば、サーバ室11の空気循環風量(処理風量)の40〜70%、例えば、50%に設定される。有圧扇60、61の排気量及び給気量は、実質的に同一の風量に制御されるとともに、外気の温湿度や、熱交換器30の出口空気の温湿度等に基づく台数制御又はインバータ制御により可変制御される。
このような空調システムによれば、有圧扇60、61は、相対的に低温の外気をサーバ室11の循環空気の一部と置換し、外気が保有するエネルギー(エンタルピー)を活用してサーバ室11を効率的に冷房する外気冷房手段を構成するので、サーバ室11のPUEは、外気冷房手段による外気冷房運転により向上 (低下)する。本実施例の空調システムに関し、東京都内の気象データに基づいて年間ベースでサーバ室11のPUEを試算した結果、PUEは、1.20〜1.30程度に低下することが判明した。
図4に示す如く、本実施例の空調システムは、給気口91及び給気ダクト92によってサーバ室11に接続された外調機93を更に有する。外調機93は、外気取入れダクト94を介して外気OAを吸引して外気OAの温湿度を調整し、調整空気を給気ダクト92に送出する。調整空気は、給気口91からサーバ室11内に流入する。サーバ室11内の二酸化炭素(CO)濃度を測定するCOセンサ95がサーバ室11内に配置される。COセンサ95は、制御信号線を介して外調機93の制御部96に接続される。制御部96は、COセンサ95の検出結果に基づいて外調機93の作動を制御するが、有圧扇60、61の運転時、即ち、外気冷房運転時には、制御部96は、外調機93を停止させる。
次に、空調システムの制御系について説明する。
図5に示すように、本実施例の空調システムは、熱交換器30、送風機50、有圧扇60、61等の各機器を制御するための制御ユニット70を有する。制御ユニット70は、例えば、プレナムチャンバ15内に配置される。還気温度センサ71が還気チャンバ20に配設され、給気温度センサ72及び給気湿度センサ77が熱交換器30の出口側(冷気送風側)空気流路に配設される。還気温度センサ71、給気温度センサ72及び給気湿度センサ77は、制御信号線を介して制御ユニット70に接続される。制御ユニット70は、制御信号線を介して送風機50の駆動制御部73および有圧扇60、61の駆動制御部に接続されるとともに、熱交換器30の冷水循環配管(図示せず)の冷水循環流量及び冷水温度を制御する冷水循環制御設備(図示せず)に接続される。
制御ユニット70は、還気温度センサ71によって検出された還気流の温度に基づいて冷房負荷を検出し、還気流の温度を設定温度範囲内に維持すべく、可変風量式送風機50の送風量を制御する。制御ユニット70は又、給気温度センサ72によって検出された熱交換器30の出口空気温度(空調給気流の給気温度)に基づき、出口空気温度を一定温度(例えば、22℃)に維持すべく、冷水循環配管(図示せず)の冷水循環流量及び/又は冷水温度を制御する。従って、このような空調システムによれば、一定温度の冷却空気がサーバ室11に常時供給され、冷房負荷の低減時には、送風機50の風量が低下し、冷房負荷の増大時には、送風機50の風量が増大する。
制御ユニット70は又、外気温度センサ及び外気湿度センサ(図示せず)に接続され、外気温度及び外気湿度を検出するとともに、送風機50の出口空気温度を検出する温度センサ75及び湿度センサ76に接続され、送風機50の吐出空気温度及び湿度(還気、或いは、外気及び還気の混合気の温度及び湿度)を検出する。制御ユニット70は更に、サーバ室11の相対湿度を検出するための湿度センサ(図示せず)に接続される。制御ユニット70は、外気温度及び外気湿度に基づき、外気導入による熱交換器30の熱負荷軽減効果と、有圧扇60、61の電力消費量とを比較し、外気冷房により空調システム全体のエネルギー効率を向上(PUEを低下)させることができると判定したとき、有圧扇60、61の作動を許可する。なお、有圧扇60、61の給気量及び排気量は、実質的に同一の風量に制御される。
例えば、制御ユニット70は、以下の条件が全て成立したときに、有圧扇60、61を作動させる。
(1)空調給気流の給気温度が18℃以上且つ27℃以下である。
(2)空調給気流の露点温度が5.5℃以上且つ15℃以下である。
(3)空調給気流の相対湿度が60%以下である。
有圧扇60、61の作動により、外気及び還気の混合気が送風機50の吐出圧力下に縦シャフト16内に吐出し、熱交換器30によって冷却され、プレナムチャンバ15及び給気ガラリ22を介してサーバ室11内に横向き又は水平に流入し、コールドアイルCから各サーバラック1に供給される。
制御ユニット70は、温度センサ75によって検出された混合気温度が16℃を超える場合、熱交換器30の冷水循環流量及び/又は冷水温度を制御して混合気を冷却し、熱交換器30の出口空気温度を16℃に維持する。他方、制御ユニット70は、温度センサ75によって検出された混合気温度が16℃未満である場合、熱交換器30の冷水循環を停止するとともに、有圧扇60、61を台数制御又はインバータ制御して外気導入量を低減し、混合気温度を16℃に調節する。
例えば、制御ユニット70は、空調給気流が上記条件(1)〜(3)のいずれか1つの条件を満たさないと判定すると、有圧扇60、61を強制停止し、外気冷房運転を中止又は停止する。また、制御ユニット70は、前述の外気温度センサ及び外気湿度センサ(図示せず)によって外気温度又は外気湿度の急激な変化(上昇)が検出された場合にも、有圧扇60、61を強制停止し、外気冷房運転を中止又は停止する。
かくして、本実施例に係る空調システムによれば、外気が保有するエネルギー(エンタルピー)を活用した外気冷房運転を効果的に実行し得るので、サーバ室11のPUE(電力使用効率)を向上することができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において種々の変更又は変形が可能であり、かかる変更又は変形例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施例では、熱交換器は、冷水を循環可能なフィンチューブ型熱交換器であるが、他の種類の熱媒体を循環可能な熱交換器、或いは、他の伝熱構造を有する熱交換器を採用しても良い。例えば、熱交換器として、コイル面に結露が発生しない条件で使用されるドライコイル形式の冷却コイルを好ましく使用することができる。ドライコイル形式の冷却コイルは、空気抵抗が比較的小さく、しかも、水分凝縮に起因した熱負荷が生じないので、空気循環回路の空気抵抗低減や、熱効率向上の観点より優れる。但し、本発明において使用可能な熱交換器は、ドライコイル形式の冷却コイルに限定されるものではない。
また、上記実施例では、熱交換器は、実質的に垂直な気流通過面を有する単一管列の熱交換器であるが、容易にメンテナンス可能な程度に熱交換器を傾斜させ、或いは、複数管列の熱交換器を採用しても良い。
また、上記実施例では、外気冷房用の排気ファン及び外気導入ファンとして有圧扇を使用しているが、軸流ファン、遠心ファン等の他の形式の送風ファンを使用することも可能である。
本発明は、多量の顕熱を発熱する高負荷機器を収容した室を冷房するための高負荷空調システムに適用される。本発明の空調システムは、多数又は大容量の電子機器、IT機器、電算機、通信機器等を室内に収容したサーバ室、データセンタ、IT機器管理施設、携帯電話基地局等の空調システムとして好適に使用し得る。本発明の空調システムによれば、多量の顕熱を除去すべく多量の冷気循環を要する室又は施設において、天井高又は階高を低減して建物全体の高さ、建設費、工期等を低減又は短縮し得るとともに、大きな風量変化に適応可能な熱負荷制御の応答性又は制御性が得られ、しかも、外気冷房のための外気導入に適した構成の空調システムを提供することができ、従って、本発明の実用的価値は、顕著である。
1 空冷式サーバラック
5 遮蔽板(遮蔽体)
10 床構造体
11 サーバ室
12 隔壁
13 隔壁
14 壁体
15 給気用プレナムチャンバ
16 給気用縦シャフト
17 床版
18 床面構成材
19 天井
20 還気チャンバ
22 給気ガラリ
25 還気口
30 熱交換器
50 可変風量式送風機
60 有圧扇
61 有圧扇
70 制御ユニット
H ホットアイル
C コールドアイル
E 室内上部空間
F 床
J 階高
Q 屋外空間

Claims (10)

  1. 多量の顕熱を発熱する高負荷機器をホットアイル・コールドアイル方式に配列した室に冷却空気を送風し、前記高負荷機器を徐熱する高負荷空調システムにおいて、
    前記室の床下に設けられた床下還気チャンバと、
    前記高負荷機器の間に形成されたホットアイル領域の床に配置され、前記ホットアイル領域の暖気を前記床下還気チャンバに流下させる還気口と、
    前記ホットアイル領域の上部を閉鎖する遮蔽体と、
    前記床下還気チャンバの還気を吸引する空気循環用送風機と、
    該送風機の給気流に伝熱接触して該給気流を冷却する熱交換器と、
    前記熱交換器を通過した給気流を冷却空気として前記室の壁面から吹出し、前記高負荷機器の間に形成されたコールドアイル領域に前記冷却空気を送風する吹出口とを有することを特徴とする高負荷空調システム。
  2. 前記床下還気チャンバに外気を供給する外気冷房手段を有することを特徴とする請求項1に記載の高負荷空調システム。
  3. 前記外気冷房手段は、前記床下還気チャンバに外気を供給する外気導入用送風機と、該床下還気チャンバの還気を屋外に排気する排気用送風機とを有することを特徴とする請求項2に記載の高負荷空調システム。
  4. 前記壁面を挟んで前記室に隣接配置された給気チャンバと、該給気チャンバに隣接配置された縦シャフトとを有し、前記空気循環用送風機は、上向きに送風するように前記縦シャフト内に配置され、前記熱交換器は、前記給気チャンバと前記縦シャフトとの間に配置され、上下方向に延在する気流通過面を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高負荷空調システム。
  5. 多量の顕熱を発熱する高負荷機器をホットアイル・コールドアイル方式に配列した室に冷却空気を送風し、前記高負荷機器を徐熱する高負荷機器の冷却方法において、
    前記高負荷機器の間に形成されたホットアイル領域の床に還気口又は排気口を配置し、
    前記室に冷却空気を送風して、前記高負荷機器の間に形成されたコールドアイル領域に前記冷却空気を供給し、
    前記高負荷機器を通過して前記ホットアイル領域に流出した暖気を前記還気口又は排気口から床下領域に流下させることを特徴とする高負荷機器の冷却方法。
  6. 前記ホットアイル領域の上部を遮蔽体によって閉鎖することを特徴とする請求項5に記載の冷却方法。
  7. 前記高負荷機器は、複数のサーバ機器を収容したサーバラックであり、前記冷却空気を吸引し且つ前記暖気を前記ホットアイル領域に排気するファンを備えており、前記遮蔽体は、隣り合う前記サーバラックの上部を架橋するように該サーバラックに取付けられることを特徴とする請求項6に記載の冷却方法。
  8. 前記床下領域に流入した前記暖気を熱交換器によって冷却し、前記冷却空気として前記室に送風することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の冷却方法。
  9. 前記床下領域に外気を供給し、該床下領域に流入した前記暖気を前記外気と混合し、暖気及び外気の混合気を熱交換器によって冷却し、冷却後の混合気を前記冷却空気として前記室に送風することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の冷却方法。
  10. 前記床下領域に流入した前記暖気の一部を該床下領域から屋外に排気することを特徴とする請求項9に記載の冷却方法。
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