JP5279529B2 - ボール搭載マスク及びその製造方法 - Google Patents
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また、ボール挿入孔をめっきの自由成長により形成した場合には、パターンの密集度により電流密度(電流効率)が変化することによる成長率(皮膜厚さ及びR形状)に差が出てくるため、その差がボール挿入孔の所定開口寸法の精度に影響を与えるという問題があった。
図1はこの発明の実施例1におけるボール搭載マスクを示す斜視図、図2はこの発明の実施例1におけるボール搭載マスクを半導体ウエハ等のベースに使用している状態を示す斜視図、図3はこの発明の実施例1におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図、図4はこの発明の実施例1におけるボール搭載マスクの製造方法の主な工程を示す縦断面図である。
先ず、導電性母材12にボール挿入孔4を形成する第1マスク層13をめっきで形成する(図4a参照)。ここでは通常のメタルマスクをめっきで製作する場合と同様に、導電性母剤2にレジストを塗布、露光、現像、めっきの各工程を経て形成されるので詳細な説明は省略するが、ボール挿入孔4の所定開口と同寸法のレジストを形成して所定開口寸法Dの精度を確保することができるので、近年の所定開口寸法Dの寸法公差管理が非常に厳しい状況にも十分対応することが可能である。次に、第1マスク層13のボール挿入孔4のボール搭載側開口部周縁のみにボール案内部9を形成させるためのレジスト14を塗布、露光、現像により形成する(図4b参照)。そして、第1マスク層13の表面に場合によりニッケルストライクめっきを実施した後、その上からめっきのサイドスプレット現象(レジスト周縁上にめっきがオーバーハングしながら縦横均等に成長して行くこと)によるR形状加工が施されたボール案内部9を有する第2マスク層15を形成する(図4c参照)。次に、レジスト14を除去して、導電性母材12から剥がすことにより、この発明によるボール搭載マスク3が得られる(図4d参照)。このとき、レジスト14を除去した後の痕跡である空間部10がボール挿入孔4とボール案内部9との間に形成される。ここで、一例として、空間部10の高さは約10μm程度であり、R形状加工部の高さ及びその突出長はいずれも約25μm程度であり、ボール搭載マスク3の全高は約70μm程度である。
なお、R形状加工が施されたボール案内部9は、各ボール挿入孔4に対応して1個ずつ設けられているが、複数のボール挿入孔4に対して1個ずつ設けても良い。
図5はこの発明の実施例2におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。上記実施例1では、ボール搭載マスク3とベース6との間にスペーサ又は突起11を配置することにより電極7を逃がすようにしているが、この実施例2においては、図5に示すように、ボール搭載マスク3の半導体ウエハ等のベース6側となる下面にめっき層による突起部16を形成することにより、ボール挿入孔4の下部周縁部に電極逃げ部17を設けたものであり、導電性母材12の電極逃げ部17に相当する部分にレジストを形成して突起部16をめっきにより形成する。
なお、R形状加工が施されたボール案内部9は、各ボール挿入孔4に対応して1個ずつ設けられているが、複数のボール挿入孔4に対して1個ずつ設けても良い。
図6はこの発明の実施例3におけるボール搭載マスクの製造方法の主な工程を示す縦断面図である。この製造方法はボール挿入孔4aを形成する第1マスク層13aをSUS板とし、レーザー加工による開口加工工程を含むものである。
先ず、SUS板を用意して、ボール挿入孔4aをレーザー加工により穿孔した第1マスク層13aを形成する(図6a参照)。ここではレーザー加工により、ボール挿入孔4aの所定開口寸法Dの精度を確保することができ、近年の所定開口寸法Dの寸法公差管理が非常に厳しい状況にも十分対応することが可能である。次に、第1マスク層13aのボール挿入孔4aのボール搭載側開口部周縁のみにボール案内部9aを形成させるためのレジスト14aを塗布、露光、現像により形成する(図6b参照)。そして、第1マスク層13aの表面に場合によりニッケルストライクめっきを実施する。SUS基材とニッケルめっき皮膜が剥がれないようにするためにはニッケルストライクめっきが必要である。このニッケルストライクめっきを実施した後、その上からめっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施されたボール案内部9aを有する第2マスク層15aを形成する(図6c参照)。次に、レジスト14aを除去することにより、この発明によるボール搭載マスク3aが得られる(図6d参照)。このとき、レジスト14aを除去した後の痕跡である空間部10aがボール挿入孔4aとボール案内部9aとの間に形成される。
なお、R形状加工が施されたボール案内部9aは、各ボール挿入孔4aに対応して1個ずつ設けられているが、複数のボール挿入孔4aに対して1個ずつ設けても良い。
図7はこの発明の実施例4におけるボール搭載マスクの製造方法の主な工程を示す縦断面図、図8はこの発明の実施例4におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。
先ず、導電性母材12b上に電極逃げ部17のレジスト18を形成する(図7a参照)。次に、電極逃げ部17形成用の突起部16をめっき形成し、更にその上にめっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施されたボール挿入孔4bを有する一連の第1マスク層13bを形成する(図7b参照)。次に、第1マスク層13bのボール挿入孔4bのボール搭載側開口部周縁にボール案内部9bを形成させるためのレジスト14bを塗布、露光、現像により形成する(図7c参照)。そして、第1マスク層13bの表面に場合によりニッケルストライクめっきを実施した後、その上から上部周縁が直角形状のボール案内部9bを有する第2マスク層15bをめっきにより形成する(図7d参照)。次に、レジスト18、14bを除去する(図7e参照)。そして、導電性母材12bから剥がすことにより、この発明によるボール搭載マスク3bが得られる(図7f参照)。
なお、ボール案内部9bは、上部周縁がほぼ直角形状であるが、傾斜を持たせても良い。また、各ボール挿入孔4bに対応して1個ずつ設けられているが、複数のボール挿入孔4bに対し1個ずつ設けても良い。
図9はこの発明の実施例5におけるボール搭載マスクの製造方法の主な工程を示す縦断面図、図10はこの発明の実施例5におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。この製造方法は開口径の精度向上のため、ボール挿入孔の開口部全体をレジストで形成するものである。
なお、ボール案内部9cは、上部周縁がほぼ直角形状であるが、傾斜を持たせても良い。また、各ボール挿入孔4cに対応して1個ずつ設けられているが、複数のボール挿入孔4cに対し1個ずつ設けても良い。
図11はこの発明の実施例6におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。
上記実施例5では、ボール案内部9cは上部周縁が直角形状であるが、この実施例6によって得られるボール搭載マスク3dは、図11に示すように、ボール案内部9dは上部周縁をR形状加工が施されたものとしたものである。
図12はこの発明の実施例7におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。
上記実施例5では、ボール挿入孔4cはストレート状の孔であるが、この実施例7によって得られるボール搭載マスク3eは、図12に示すように、ボール挿入孔4eは逆テーパー状の孔が施されたものとしたものである。また、ボール案内部9eも上部周縁をR形状加工が施されたものとしている。
図13はこの発明の実施例8におけるボール搭載マスクの要部を示す縦断面図である。
上記実施例8によって得られるボール搭載マスク3fは、図13に示すように、ボール挿入孔4fは逆テーパー状の孔が施されたものとしているが、ボール案内部9fは上部周縁をほぼ直角形状としたものである。
2 スクリーン
3、3a〜3f ボール搭載マスク
4、4a〜4f ボール挿入孔
5 ボール挿入孔集合体
6 ベース
7 電極
8 導電性ボール
9、9a〜9f ボール案内部
10 空間部
11 スペーサ
12、12a、12b 導電性母材
13、13a〜13c 第1マスク層
14、14a レジスト
15、15a〜15c 第2マスク層
16 突起部
17 電極逃げ部
18a 第1レジスト部
19 第2レジスト部
20 ボール入口部
Claims (6)
- 搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されたボール搭載マスクであって、
前記搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されるようにめっきにより製作された第1マスク層と、前記ボール挿入孔のボール搭載側開口部周縁にめっきによるR形状加工が施された前記ボール挿入孔よりも大径のボール案内部を形成した第2マスク層とからなり、前記ボール挿入孔とボール案内部との間に、前記ボール案内部を形成する際に用いられたレジストを除去した痕跡である空間部が形成されていることを特徴とするボール搭載マスク。 - 搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されたボール搭載マスクであって、
前記搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有する多数のボール挿入孔がレーザー加工により形成された第1マスク層と、前記ボール挿入孔のボール搭載側開口部周縁にめっきによるR形状加工が施された前記ボール挿入孔よりも大径のボール案内部を形成した第2マスク層とからなり、前記ボール挿入孔とボール案内部との間に、前記ボール案内部を形成する際に用いられたレジストを除去した痕跡である空間部が形成されていることを特徴とするボール搭載マスク。 - 搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されたボール搭載マスクの製造方法であって、
導電性母材上にレジストを形成し、前記搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有する多数のボール挿入孔を形成する第1マスク層をめっきで形成する第1マスク層形成工程と、前記第1マスク層のボール挿入孔のボール搭載側開口部周縁のみにレジストを形成し、めっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施された前記ボール挿入孔よりも大径のボール案内部を有する第2マスク層を形成する第2マスク層形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程と、前記導電性母材から第1マスク層及び第2マスク層を剥がす剥離工程とからなることを特徴とするボール搭載マスクの製造方法。 - 搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されたボール搭載マスクの製造方法であって、
SUS基材を用意し、該SUS基材に前記搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有する多数のボール挿入孔をレーザー加工により穿孔した第1マスク層を形成する第1マスク層形成工程と、前記第1マスク層のボール挿入孔のボール搭載側開口部周縁のみにレジストを形成し、めっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施された前記ボール挿入孔よりも大径のボール案内部を有する第2マスク層を形成する第2マスク層形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程とからなることを特徴とするボール搭載マスクの製造方法。 - 第1マスク層の上にニッケルストライクめっきを実施した後、その上からめっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施された第2マスク層を形成することを特徴とする請求項3又は請求項4記載のボール搭載マスクの製造方法。
- 搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有するボール挿入孔が多数形成されたボール搭載マスクの製造方法であって、
導電性母材上に電極逃げ部形成用のレジスト及びその上にボール挿入孔形成用のレジストを形成し、電極逃げ部形成用の突起部をめっき形成し、更にその上に前記搭載される導電性ボールの直径よりも若干大きい所定の開口寸法を有し、めっきのサイドスプレット現象によるR形状加工が施された多数のボール挿入孔を形成する第1マスク層をめっきで形成する第1マスク層形成工程と、前記ボール挿入孔のボール搭載側開口部周縁に前記ボール挿入孔よりも大径の直角形状のボール案内部を有する第2マスク層をめっきにより形成する第2マスク層形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程と、前記導電性母材から第1マスク層及び第2マスク層を剥がす剥離工程とからなることを特徴とするボール搭載マスクの製造方法。
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