JP2006147697A - 導電性ボールの配列用マスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、所定のパターンで被配列体に確実に導電性ボールを配列可能な配列用マスク及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明の一態様は、所定のパターンで導電性ボールを被配列体に配列するマスクであって、前記パターンに対応し前記導電性ボールが挿通可能で少なくとも一方の開口端縁の全周がC面又はR面をなす導電性ボールの配列用マスクである。また、本発明の一態様は、所定のパターンで導電性粒子を被配列体に配列するマスクの製造方法であって、前記パターンに対応し前記導電性粒子が挿通可能なように平板状の基体に形成された位置決め用貫通孔の少なくとも一方の開口端縁の全周をレーザーでC面状またはR面状に加工する導電性ボールの配列用マスクの製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の一態様は、所定のパターンで導電性ボールを被配列体に配列するマスクであって、前記パターンに対応し前記導電性ボールが挿通可能で少なくとも一方の開口端縁の全周がC面又はR面をなす導電性ボールの配列用マスクである。また、本発明の一態様は、所定のパターンで導電性粒子を被配列体に配列するマスクの製造方法であって、前記パターンに対応し前記導電性粒子が挿通可能なように平板状の基体に形成された位置決め用貫通孔の少なくとも一方の開口端縁の全周をレーザーでC面状またはR面状に加工する導電性ボールの配列用マスクの製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性ボールを被配列体に配列するためのマスク及びその製造方法に関するものであり、特に被配列体としての基板やウエハーなどの電子部品に接続バンプを形成する際に用いる導電性ボールをその電子部品に配列するのに好適な配列用マスク及びその製造方法に関するものである。
近年、携帯端末機器やノート型パソコンの高速化と高機能化、及び小型化と薄型化が進んでいる。このため、それらに内蔵される電子部品にも小型化、薄型化が要求されると共に、接続端子数を増加させるという相反する要求がなされている。その要求に応じるものとして、電子部品のパッド状の電極に半田ボールを配列し接続端子(以下接続バンプとも言う。)を形成したBGA(Ball Grid Array)型又はFC(Flip Chip)型その他エリアアレイ型の接続バンプを有する電子部品が存在する。
半田ボールを用いた場合、その接続バンプは、電子部品の電極にフラックスを塗布する印刷工程と、フラックスが塗布された電極にフラックスを介して半田ボールを配列する配列工程と、半田ボールを加熱し溶解する加熱工程を経て形成される。
配列工程で半田ボールを配列する方式としては、吸着ヘッドを使用した吸着方式とマスクを用いた振込方式が周知である。後者は、下記特許文献1にその一例が開示されているように、電子部品の電極の配列パターンに対応し半田ボールが挿通可能な位置決め用貫通孔を有するマスクを用い、その位置決め貫通孔がほぼ電極と一致するように電子部品に対しマスクを位置合わせし、マスクの上に投入された半田ボールをスキージ等で掃引して位置決め用貫通孔に挿入し、その位置決め貫通孔を通して半田ボールを電極に配列するものであり、位置決め用貫通孔やそれ以外の非開口部で規制され余剰の半田ボール及び凝集した半田ボールが電子部品に配列されにくいという利点を有している。
特開2001−267731号公報
上記接続バンプの微細化により使用される半田ボールも例えば300μm以下の非常に小さな直径のもの、例えばFC用では50μm程度のものが採用されつつある。このような半田ボールの径小化にともない次のような問題が生じてきている。
径小化に伴い半田ボールは粉体のような振舞いを示すようになり、慣性力(重力)の支配が相対的に小さくなる。ここで、マスクに形成される位置決め用貫通孔は、半田ボールを精度よく配列するためにその直径が半田ボールより若干大きい程度に形成される。したがって、半田ボールが挿入される側の開口面の縁(へり)に例えば「バリ」等の凹凸が残存している場合には、実質的に開口端が半ば閉塞された状態となるため半田ボールは位置決め用貫通孔に挿入されない状況が招来する。また、閉塞された状態とならないまでも縁に凹凸が存在すると、半田ボールが径小な場合にはその凹凸で捕捉されて位置決め用貫通孔に挿入されないこともある。
径小化に伴い半田ボールは粉体のような振舞いを示すようになり、慣性力(重力)の支配が相対的に小さくなる。ここで、マスクに形成される位置決め用貫通孔は、半田ボールを精度よく配列するためにその直径が半田ボールより若干大きい程度に形成される。したがって、半田ボールが挿入される側の開口面の縁(へり)に例えば「バリ」等の凹凸が残存している場合には、実質的に開口端が半ば閉塞された状態となるため半田ボールは位置決め用貫通孔に挿入されない状況が招来する。また、閉塞された状態とならないまでも縁に凹凸が存在すると、半田ボールが径小な場合にはその凹凸で捕捉されて位置決め用貫通孔に挿入されないこともある。
このように位置決め用貫通孔の開口端に生じた「バリ」は有害であるので、予め除去しておく必要がある。しかしながら、位置決め用貫通孔の直径は非常に小さく、さらに基板によっては数万〜数十万個の数が形成されるため除去は容易でない。すなわち、剛性の低い薄いマスクを平坦に保持しつつ例えばドリルや砥石等の工具でバリを除去することは非常に困難であり、その工具によりマスク自体に疵が生じる場合もあった。さらに、位置決め用貫通孔が多数ある場合には、その除去に長時間を要し工業生産上効率的でなかった。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであり、所定のパターンで被配列体に確実に導電性ボールを配列可能な配列用マスク及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、所定のパターンで導電性ボールを被配列体に配列するマスクであって、前記パターンに対応し前記導電性ボールが挿通可能で少なくとも一方の開口端縁の全周がC面又はR面をなす導電性ボールの配列用マスクである。かかるマスクによれば、そのパターンに対応しマスクの他方の面が被配列体に相対するように導電性ボールを配列すべき被配列体に対しマスクは位置合わせされ、導電性ボールは、マスクの位置決め用貫通孔を通じ被配列体に配列される。このとき、位置決め用貫通孔の一方の開口端縁はC面またはR面を有している。したがって、該開口端が閉塞されることなく、また、該位置決め用貫通孔に挿入されるとき導電性ボールはその開口端縁で捕捉されることがない。なお、このC面又はR面は、位置決め用貫通孔の軸心方向に沿う大きさがマスクの厚みの1/5以下であることが望ましく、さらに1/10以下にすれば好適である。すなわち、導電性ボールの配列用マスクは、通常、その導電性ボールとほぼ同程度の厚みであるためC面やR面の大きさを過大にすると、逆に導電性ボールの位置決め精度が悪化するためである。
本発明の一態様は、所定のパターンで導電性ボールを被配列体に配列するマスクの製造方法であって、前記パターンに対応し前記導電性ボールが挿通可能なように平板状の基体に形成された位置決め用貫通孔の少なくとも一方の開口端縁の全周をレーザーでC面状またはR面状に加工する導電性ボールの配列用マスクの製造方法である。
上記本発明の一態様の配列用マスクによれば、位置決め用貫通孔の開口端縁にC面またはR面を設けたので、開口端が閉塞することや該開口端縁に導電性ボールが捕捉されることがなく、したがって、被配列体に確実に導電性ボールが配列される。
また、上記本発明の一態様の配列用マスクの製造方法によれば、レーザーは機械的な力をマスクに作用しないので剛性の低いマスクであってもその位置決め用貫通孔の開口端縁の全周部分のみ確実にC面状あるいはR面状に加工でき、マスク自身に疵が生じることがない。さらに、レーザーによれば、位置決め用貫通孔が多数ある場合でもC面またはR面を短時間で形成でき、工業生産上効率的である。さらに、レーザー加工の条件を一定にすることにより、C面やR面の寸法を全周に渡ってほぼ一定とすることが可能となる。
また、上記本発明の一態様の配列用マスクの製造方法によれば、レーザーは機械的な力をマスクに作用しないので剛性の低いマスクであってもその位置決め用貫通孔の開口端縁の全周部分のみ確実にC面状あるいはR面状に加工でき、マスク自身に疵が生じることがない。さらに、レーザーによれば、位置決め用貫通孔が多数ある場合でもC面またはR面を短時間で形成でき、工業生産上効率的である。さらに、レーザー加工の条件を一定にすることにより、C面やR面の寸法を全周に渡ってほぼ一定とすることが可能となる。
以下、本発明について、その実施様態の基づいて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一態様の配列用マスクの部分拡大断面図、図2は図1のA部の部分拡大図、図3は本発明の一態様の製造方法を含む図1の配列用マスクの製造方法を説明するフロー図、図4は図1の配列用マスクを用いて半田ボールが配列されるウエハーの斜視図、図5は図1の配列用マスクの全体を示す斜視図、図6は図1のマスクを用いて図4のウエハーに半田ボールを配列する状態を示す部分拡大断面図である。なお、以下、被配列体として電子部品の一種であるウエハーを対象に導電性ボールである半田ボールを配列する配列用マスクを例として説明するが、本発明は下記説明に限定されることなく、下記の各構成要素は、単独に或いはそれぞれ適宜組み合わせて実施することを出来る。
図1、5に示す本発明の一実施態様の配列用マスク(以下マスクという。)10は、図4のウエハー20の上面に所定パターンで配置されたパッド状の電極21の位置に対応し、半田ボールが挿通可能な複数個の位置決め用貫通孔11を有し、該位置決め用貫通孔11の上面側の開後瑞の縁111には、図2(a)で示すように、C面113が形成されている。ここで、複数個の半田ボールが位置決め用貫通孔11に挿入されないように、マスク10の厚みt1と位置決め用貫通孔11の直径dは半田ボールの直径とほぼ同程度になされている。また、C面113の高さt2、すなわち位置決め用貫通孔11の軸心方向に沿う大きさは、マスク10の厚みt1の1/5程度に形成されている。すなわち、半田ボールの直径が100μmの場合には、マスク10の厚みt1と位置決め用貫通孔11の直径は100μm前後であり、C面113の高さは20μm程度である。なお、位置決め用貫通孔11に挿入された半田ボールの位置決めの面から言うと、C面113の高さt2は出来るだけ低いことが望ましく10μm以下とすれば好適である。
なお、上記説明では、位置決め用貫通孔11の開口端縁111にはC面113を設けたが、図2(b)に示すR面114を設けてもよく、その高さ等の条件はC面113と同様に考えればよい。
このマスク10の使用方法について説明する。図6に示すように、マスク10を、その下面がウエハー20の上面に相対する状態でウエハー20の電極21にその位置決め用貫通孔11が平面視においてほぼ一致するようにウエハー20に対して位置合わせする。このとき、電極21の上面にはフラックス60などの助剤が塗布されていてもよい。その後、電極21の個数以上の半田ボール40をマスク10の上面に供給し、その半田ボール40を位置決め用貫通孔11に挿入し、位置決め用貫通孔11を通して電極21の上に載置することで半田ボール40をウエハー20に配列する。ここで、半田ボール40を挿入する場合、図において符号50で示すようにブラシ状の掃引具を用いてもよいし、また、半田ボール40が供給されたマスク10をウエハー20とともに傾動させるようにしてもよい。
次に、上記マスク10の製造方法について説明する。
マスク10としては、例えばステンレスなどの薄板を基体とし、その薄板にフォトリソ工程を経てエッチングで位置決め用貫通孔11を形成したものを使用することも可能であるが、以下特に位置決め用貫通孔11の直径が小さなときに好適であるニッケルなどの金属を成膜して基体を形成するとともに同時に位置決め用貫通孔11を形成可能な電気鋳造法を例にして以下説明する。
マスク10としては、例えばステンレスなどの薄板を基体とし、その薄板にフォトリソ工程を経てエッチングで位置決め用貫通孔11を形成したものを使用することも可能であるが、以下特に位置決め用貫通孔11の直径が小さなときに好適であるニッケルなどの金属を成膜して基体を形成するとともに同時に位置決め用貫通孔11を形成可能な電気鋳造法を例にして以下説明する。
電気鋳造法では、フォトレジストの形成工程とメッキ工程を経てマスク10が製造される。フォトレジスト形成工程では、図3(a)に示すように、光で硬化する乳剤5を均一に電極基板6の上に塗布する。次に、図3(b)に示すように、マスク10の位置決め用貫通孔11のパターンと直径に対応するように形成された貫通孔7aを有する露光用マスク7を電極基板6に対し位置決めし、該貫通孔7aを通して平行光8を乳剤5に照射し、電極基板6上に塗られた乳剤5の中で露光された乳剤5だけを硬化させる。その硬化した乳剤5のみを残しそれ以外の乳剤5を除去することにより、図3(c)に示すように、電極基板6上には露光用マスク7の貫通孔7aに対応する乳剤5だけが残存し、その結果、ポスト状のフォトレジスト9が形成される。
メッキ工程では、図3(d)に示すように、フォトレジスト9が形成された電極基板6上にニッケル膜10aを所定の厚みまで成長させる。その後、図3(e)に示すように、ニッケル膜10aを電極基板6から剥離し、フォトレジスト9を除去することにより位置決め用貫通孔11が形成されたマスク10を得ることができる。
このように電気鋳造法で製造されたマスク10について、図3(f)に示すように、位置決め用貫通孔11の上面側の開口端縁111の全周にレーザー13を照射しC面を形成する。ここで、レーザー13としては、例えばスポット径が25μm程度のレーザーを使用することが高さの小さなC面を得るのには好ましい。このレーザー光13のスポットの中心が縁111の稜線の上をなぞるように円周上を走査する。なお、レーザーとしては、半導体レーザーや炭酸ガスレーザーを使用することもできるが、被加工物の吸収効率の良い波長が1μm以下のYAGレーザー、さらに波長が0.3μm程度のUVYAGレーザーを使用すればシャープな形状のC面が得られ、効率的であるので好ましい。また、レーザー加工するときに、加工点にアシストガス(好ましくは不活性ガス)を吹き付ければ、レーザー加工によって残渣等が発生した場合でも縁111に残留する可能性を低くすることができ好ましい。さらにまた、レーザー加工後、電解研磨等の表面粗さをより小さくする処理を行うと、さらに滑らかに半田ボールが通過できるので好ましい。
上記のようにレーザー加工することにより、位置決め用貫通孔11の開口端縁111にバリ等のないマスク10を得ることができる。例えば電気鋳造法のフォトレジスト形成工程で、空気中の水分や浮遊塵などが原因で光が散乱たりや屈折したりした結果として歪んだ部分92がフォトレジスト9に出来てしまうことがある(図3(c)参照)。このようなフォトレジスト9の周辺にニッケル膜10aを成長させると、縁111にバリ12が生じた位置決め用貫通孔11が形成されることとなる(図3(e))。このようなバリ12が生じた場合でも、レーザーで加工しC面やR面を形成することにより確実に除去することができ、凹凸の少ない縁111が形成される。
5:乳剤
6:電極基板
7:露光用マスク、7a:貫通孔
8:平行光
9:フォトレジスト
10:マスク、11:位置決め用貫通孔
20:ウエハー 21:電極
40:半田ボール
50:スキージ
60:フラックス
6:電極基板
7:露光用マスク、7a:貫通孔
8:平行光
9:フォトレジスト
10:マスク、11:位置決め用貫通孔
20:ウエハー 21:電極
40:半田ボール
50:スキージ
60:フラックス
Claims (3)
- 所定のパターンで導電性粒子を被配列体に配列するマスクであって、前記パターンに対応し前記導電性粒子が挿通可能で少なくとも一方の開口端縁の全周がC面又はR面をなす導電性ボールの配列用マスク。
- 請求項1に記載されたマスクにおいて、前記C面又はR面の前記位置決め用貫通孔の軸心方向に沿う長さは前記マスクの厚みの1/5以下である配列用マスク。
- 所定のパターンで導電性粒子を被配列体に配列するマスクの製造方法であって、前記パターンに対応し前記導電性粒子が挿通可能なように平板状の基体に形成された位置決め用貫通孔の少なくとも一方の開口端縁の全周をレーザーでC面状またはR面状に加工する導電性ボールの配列用マスクの製造方法。
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2004
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