JP5278899B2 - 車いす - Google Patents

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Description

本発明は、車いすに関する。
車いすなど、いわゆる障害者向け用に作られる椅子には、障害により、ティルト機能やリクライニング機能を有することが望ましいとされている。ティルト機能とは、椅子の座面と背凭れが成す角を保ったまま座面の角を調節する機能を意味し、リクライニング機能とは、座面と背凭れが成す角自体を調節する機能を意味する。自らの運動能力によっては座位姿勢を切り替えることが困難な障害者に対してこのような機能を搭載した椅子を利用させることにより、疲労の軽減や、褥瘡(床ずれ)、貧血といったような、長時間にわたって同じ姿勢を強いられることに起因する症状の発生を防ぐことができるとされている。そして、この種の機能を搭載した椅子に関する発明を開示した文献として、例えば、特許文献1がある。また、ティルト機能を搭載した車いすであって、本体フレーム全体を後傾させるティルト状態の場合に、本体フレームが前方に回動してしまうのを防止するロック構造に関する発明を開示した文献として、特許文献2がある。
特開2003−290294号公報 特開2005−168635号公報
ところで、車いすの座席を後傾させると、車いすの重心が後ろに移動する場合があり、これにより車いすが後方に転倒する可能性が生じることがある。この傾向は、座席を後傾させるほど強まる。しかしながら、特許文献1の技術には、座席が後傾する際に車いすの安定性を変化させることはできない。また、特許文献2の技術では、座席を後傾させたときに主輪と補助キャスタのそれぞれの接地位置は変わらず、座席が後傾するのに応じて車いすの安定性を増大させることはできない。
また、現在、車いすは、よりコンパクト化が求められ、特に室内での使用に関してはそれが大きな要素となっている。しかし、リクライニング機能やティルト機能を有する車いすに関しては、後傾時の車体安定性を確保するために、駆動輪と補助輪の距離(ホイールベース)を予め広く設定することが一般的である。そのため車いすの全長が長くなり、室内での使用に支障をきたすことが多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトであって、かつ、座席を後傾させた状態における転倒の可能性を低減させた車いすを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車いすは、力を受けて回転する一対の駆動輪と、前記駆動輪の後方に配置される後輪と、前記駆動輪と前記後輪が取り付けられ、所定部位に加えられた力に応じて前記駆動輪と前記後輪との間の距離が変化するように構成されているフレームと、前記所定部位に対して力を加える駆動手段と、前方が駆動輪側となって前記フレームに支持され、利用者が着席する座席と、前記駆動輪と前記後輪との間の距離に応じて前記座席の後傾姿勢を変化させるとともに、前記距離が大きいときは前記距離が小さいときに比べて後傾の度合いが強くなるように調整する後傾姿勢調整手段とを具備し、前記フレームは、擬似直線運動を実現する4節のリンク機構を有し、前記後輪を構成する車輪は旋回自在なヨークに取り付けられ、前記4節のリンク機構を構成するリンクのうち、第1リンクは、前記ヨークの旋回中心に沿って設けられ、当該ヨークを支持し、前記4節のリンク機構を構成するリンクのうち、前記第1リンクに対向する第2リンクは、前記座席の後傾姿勢に応じて後傾し、前記座席が30°後傾する間に前記第1リンクの角度が変化する量は、±5°の範囲内に収まることを特徴とする。
好ましくは、前記座席が30°後傾する間に前記第1リンクの角度が変化する量は、±1°の範囲内に収まるとよい。
また、好ましくは、前記座席が30°後傾する間に、接地面に対する前記第1リンクの角度は、90±5°の範囲内に収まるとよい。
また、好ましくは、前記座席が30°後傾する間に、接地面に対する前記第1リンクの角度は、90±1°の範囲内に収まるとよい。
本発明に係る車いすを用いることにより、座席を後傾させた状態において、転倒する可能性を低減させることができる。
1.構成
本発明の一実施形態に係る車いす9の構成について、図を参照しながら説明する。
1−1.全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る車いす9の側面図である。図1に示す、車いす9を側面から見たときの投影平面を、以下平面Sという。この車いす9は、電動車いすとして構成され、一対の駆動輪1には図示しないモータの動力が伝達されるようになっている。図示しないが、車いす9に着席した利用者が操作する操作ボックスが設けられており、操作ボックスの操作子を操作することにより、車いす9は前進、後進、左右への旋回など任意の動きができるようになっている。なお、車いす9を旋回させるときは、左右の駆動輪1への回転量に差を持たせて旋回させるようになっている。
この駆動輪1の半径はr1[m]である。駆動輪1の上には利用者が着席する座席4が配置されている。図1に示すように、座席4のシート41は、利用者がその上に座るための部材である。座席4のバックサポート42は、シート41に座った利用者の背部を支持する部材である。座席4のアームサポート43は、その利用者の前腕部を支持する部材である。座席4のレッグサポート44は、その利用者の下腿部を支持する部材である。座席4のフットサポート45は、その利用者の足底部を支持する部材である。なお、バックサポート42の上方には、利用者の頭部を支持する部材としてヘッドレスト(図示せず)を設けてもよい。
座席4のバックサポート42の後方には支持部材46が設けられており、この支持部材46にはリンク機構3が連結されている。そして、リンク機構3にはヨーク21の一端が支持されており、このヨーク21の他端には後輪2の車軸を受ける軸受けが設けられている。この軸受けを介してヨーク21には後輪2が取り付けられている。このように取り付けられた後輪2は、駆動輪1の後方に配置される。なお、この後輪2の半径はr2[m]である。
座席4のレッグサポート44には、点P4を中心に平面Sを回転可能なようにヨーク51の一端が連結されており、ヨーク51の他端には前輪5の車軸を受ける軸受けが設けられている。この前輪5の半径はr5[m]である。
1−2.リンク機構の構成
図2は、リンク機構3を説明するための側面図である。支持部材46に連結されているリンク31には、点P31を中心として平面Sを回転可能なようにリンク34がボルト止めされている。また、リンク31には、点P31の下方に位置する点である点P32を中心として平面Sを回転可能なようにリンク32がボルト止めされている。リンク32には、点P32の反対側の端部にある点P33を中心として平面Sを回転可能なようにリンク34がボルト止めされている。そして、リンク34とリンク33とは点P34においてボルト止めされている。すなわち、これらのリンク31〜34により構成されるリンク機構3は4節のリンク機構である。また、図2に示す本体フレーム6は、軸受け61、支持部材62、ロッド63、ロッド64、軸65およびモータ66で構成されている。
駆動輪1の車軸11は、本体フレーム6を構成する部材の一つである軸受け61により、点P1を中心として回転可能なように支持されている。この軸受け61は、T字型の支持部材62に固定されており、この支持部材62の上には座席4のシート41が固定されている。すなわち、座席4は、前方が駆動輪1側となって本体フレーム6に支持されている。リンク33とリンク32が連結している点P33の位置には、本体フレーム6を構成する部材の一つである軸65が備えられ、リンク33は、点P33を中心として軸65に対して回転可能なように、この軸65に支持されている。この軸65には、棒状の部材であるロッド64の一端に設けられた軸受け部分が取り付けられており、ロッド64は軸65の位置である点P33を中心として回転可能なように構成されている。
ここで、点P31と点P32との距離をk1[m]、点P32と点P33との距離をk2[m]、点P33と点P34との距離をk3[m]、点P34と点P31との距離をk4[m]、点P32と点P1との距離をk5[m]とする。このとき、次の式(1)〜(4)が成り立つように、このリンク機構3は構成されている。
k2=k5 ・・・・(1)
k1/k2≒0.15186 ・・・・(2)
k3/k2=0.3 ・・・・(3)
k4/k2≒0.93478 ・・・・(4)
車軸11からは、中空円筒状のロッド63が後方に延びている。このロッド63の中空の内径は、ロッド64の外径よりも大きく、ロッド64は、上述した軸受けのある側とは反対側の他端が、ロッド63の中空部分に嵌め込まれ、ロッド63の長手方向に摺動可能となっている。ロッド64の外周面にはその長手方向にラック641が設けられている。そして、このラック641は、ロッド63に設けられたピニオン631と噛み合わされている。モータ66は所定部位に対して力を加える駆動手段の一例であり、ピニオン631に対して回転力を加えることにより、その動力がラック641を介してロッド64に伝達される。そして、動力が伝達されたロッド64はその長手方向に移動して、ロッド63の中空部に押し込まれたり、引き出されたりする。ロッド64がロッド63の中空部に入り込む深さはこの機械の動きで調整される。すなわち、このモータ66の動力によってロッド63とロッド64とは、車軸11と軸65との間の距離を変化させるアクチュエータとして機能する。そして、この本体フレーム6、リンク機構3および後述する支柱22、ヨーク21とで構成されるフレームは、駆動輪1と後輪2が取り付けられ、所定部位に加えられた力に応じて駆動輪1と後輪2との間の距離が変化するように構成されているフレームの一例である。
1−3.後輪の構成
図3は、車いす9の後輪2と、後輪2を支持する部材を説明するための図である。図3に示す支柱22は、円筒状の部材である。上述したリンク33は中空円筒状の部材であり、その中空部に支柱22を収納可能に構成されている。そして、支柱22は、リンク33の中空部に対して、リンク33の中心軸である軸AX31を中心にその円周方向に摺動自在に構成されている。この支柱22の下方には、軸AX31から離れる方向であって、図3に示す下方にヨーク21が延びている。つまり、このヨーク21は、軸AX31を旋回中心としてリンク33の中空部を摺動する支柱22を介して、リンク33に対して旋回自在に支持されている。なお、支柱22とヨーク21を一体としてヨークとして捉えてもよい。この場合、そのヨークは、リンク機構3のリンク33に直接支持される。
図3に示したヨーク21の下端には、軸受けが設けられている。後輪2の車軸は、点P2を中心として回転可能なように、ヨーク21の下端の軸受けに取り付けられている。そして、図3に示すように、軸AX31と点P2とはLa[m]だけ離れている。また、リンク33とリンク32の連結点である点P33と、後輪2の回転中心である点P2とのそれぞれを軸AX31に射影した各点間は、Lb[m]だけ離れている。そして、Lb+r2=r1が成り立っている。すなわち、軸AX31が、駆動輪1および後輪2が接地する面である接地面Gに対して90°であるとき、点P33と接地面Gとの距離は駆動輪1の半径r1[m]と同じ長さとなる。
2.動作
次に、車いす9の動作について、図を参照しながら説明する。
2−1.リンク機構の動作
図4は、図1に示した平面Sにおいて、車軸11の回転中心である点P1およびリンク機構3の4つのリンクの連結位置である点P31〜点P34の位置関係を示した図である。ここで、点P32−点P1−点P33が成す角をα[°]とし、点P1−点P33−点P34が成す角をβ[°]とする。また、点P1と点P33との距離を距離k6[m]とする。
点P32は、リンク31が座席4のバックサポート42に支持部材46を介して固定された位置であるから、上述した角α[°]は、座席4の傾斜角(ティルト状態の車いす9において、バックサポート42が接地面Gに対して成す角:以下、傾斜角γ[°]という)に対応する数値である。具体的にはγ=(定数)+αまたはγ=(定数)−αといった式によって、両者は関係付けられる。この角α[°]が30°、15°および0°のときの、各点の配置を図4(a)、(b)および(c)に示す。図4(a)〜(c)に示すように、この角α[°]が30°、15°および0°のいずれであっても、上述した角β[°]は、略一定の角度を保っている。
図5は、この角α[°]の変化に対する角β[°]、および、距離k6[m]と距離k2[m]との比ξの変化を表したグラフである。ここでξ=k6/k2である。図5に示すように、角α[°]が30°のときにはξ=√3≒1.732であり、角α[°]が0°のときにはξ=2であるから、この間に距離k6は約15.5%の増加をしている。一方、この間のβ[°]は、89°から90.5°の間に収まっている。すなわち、図4(a)〜(c)に示した動きにおいて、駆動輪1の車軸11は、リンク33に対して、このリンク機構3により擬似直線運動をしている。
このβ[°]は、リンク33(すなわち、点P33−点P34を結ぶ線)とロッド64およびロッド63(すなわち、点P33−点P1を結ぶ線)との成す角である。そして、このβ[°]が90°であるときには、点P33と接地面Gとの距離は駆動輪1の半径r1[m]と同じ長さとなるから、ロッド64およびロッド63は接地面Gと平行となる。上述したように、この間のβ[°]は、略90°であるから、ロッド64およびロッド63は接地面Gと略平行となる。したがって、この間において、リンク33は接地面Gに対して略90°を保つから、リンク機構3は、略一定なヨーク21の旋回半径を確保する。
このように、モータ66の動力により、ロッド64がロッド63の中空部を長手方向に摺動し、その結果、駆動輪1と後輪2との距離が変化しても、ヨーク21の旋回半径は略一定に確保される。そのため、左右の駆動輪1の回転量に差を持たせて車いす9が旋回するときに、後輪2は、その接地点を旋回中心として車いす9の旋回方向に向く。
なお、上述のβ[°]は90°に対して±5°以内に収まるようにk1〜k5が定められていることが望ましく、±1°以内に収まるようにk1〜k5が定めされていることが最も望ましい。
2−2.車いすの動作
次に、角α[°]を変化させたときの車いす9の状態について説明する。ここでは、ヨーク21の接地面Gに対する旋回は考慮せず、後輪2が、リンク33の前方に配置された状態を保っているとする。
図6は、角α[°]が30°のときにおいて、車いす9の状態を側面から見た図である。図6に示すように、角α[°]が30°のときには、前輪5が接地面Gに接地する。この接地点を点P50とする。また、駆動輪1の接地点を点P10とし、後輪2の接地点を点P20とすると、駆動輪1と後輪2との間の距離は、点P10と点P20との間の距離となる。この距離をk8[m]とする。
一方、図7は、角α[°]が5°のときにおいて、車いす9の状態を側面から見た図である。図7に示すように、角α[°]が0°に近づくと、前輪5は、点P50よりも上方に配置される。例えば、車いす9の前方に段差がある場合には、利用者は座席4を後傾させるとともに前輪5を持ち上げて段差に乗せることにより、車いす9を段差の上に運ぶ。また、図7に示す点P10と点P20との距離k9[m]は、図6に示すk8[m]よりも大きくなっており、このとき、座席4の後傾の度合いは強くなっている。つまり、座席4の後傾の度合いが強くなっても、駆動輪1と後輪2との車輪間距離が大きくなるように調整されているので、車いすは後方に転倒しにくくなる。
このように、本発明に係る車いすは、座席4を後傾させない姿勢で通常の走行をするときには座席4が後傾しているときに比べて全長が短くなるので、回頭性を確保することができる。また、座席4が後傾しているときには座席4を後傾させないときに比べて車輪間距離が大きくなるので、安定性を確保することができる。
3.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)上述の実施形態において、駆動輪1の車軸11を中心にして座席4は後傾していたが、座席4の後傾の中心は車軸11でなくてもよい。例えば、座席4を本体フレーム6に置いた面のうち、いずれかの位置を支点として座席4が前後に傾斜するようにしてもよい。また、本体フレーム6のいずれかの位置から吊り下げられるように、座席4を取り付けてもよい。この場合には、取り付け位置を支点として座席4は前後に傾斜する。
(変形例2)上述の実施形態において、リンク機構3には4節のリンクを用いたが、リンク機構3には、4節以上の節を有するリンクを用いてもよい。また、上述の実施形態において、リンク機構3は、擬似直線運動をするリンクを用いたが、直線運動(厳正直線運動)をするリンクを用いてもよい。例えば、この様なリンクとしてポースリエ(Peaucellier)の機構やブリカード(Bricard)の機構などを用いてもよい。
また、リンク機構3に替えて、他の運動伝達機構を用いてもよい。例えば、スライダ・クランク機構や、ワイヤ、チェーン、ロープによる運動伝達機構等を用いてもよい。要は、後輪2が取り付けられたヨーク21が接地面Gに対して旋回自在なように、ヨーク21の旋回半径をほぼ一定に保ちつつ、駆動輪1と後輪2との距離を変化させることができればよい。
また、上述の実施形態において、ロッド64のラック641にロッド63のピニオン631が噛み合ってモータ66の動力をロッド64に伝達することにより、ロッド63とロッド64を、車軸11と軸65との間の距離を変化させるアクチュエータとして機能させたが、このアクチュエータの構成として、他の運動伝達機構を用いてもよい。例えば、スライダ・クランク機構やパンタグラフ機構、ワイヤ、チェーン、ロープによる運動伝達機構等を用いてもよい。
(変形例3)上述の実施形態において、リンク機構3が本体フレーム6および座席4と連結することにより、ヨーク21の旋回半径をほぼ一定に保ちつつ、駆動輪1と後輪2との距離を変化させるとともに、この距離に応じて座席4の後傾姿勢を変化させていた。具体的には、リンク機構3が、駆動輪1と後輪2との距離が大きいときはこの距離が小さいときに比べて後傾の度合いが強くなるように座席4の後傾姿勢を調整していたが、他の機構により、この調整を行わせてもよい。
例えば、車いす9の本体フレーム6に、駆動輪1と後輪2との距離の測定手段を設け、モータにより座席4を傾斜させ、その傾斜角をこの測定手段の測定結果に応じて制御してもよい。ここで駆動輪1と後輪2との距離と座席4の後傾の度合いとは比例関係であってもよいし、他の関数によって表される関係であってもよく、また、連続関数によって表される関係であってもよいし、離散関数によって表される関係であってもよい。後傾の度合いが離散的に変化するように制御する場合には、距離と後傾の度合いを対応付けたテーブルを制御装置のROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶装置に記憶させておき、これを参照することにより上述の制御を行ってもよい。
なお、本体フレーム6のいずれかに定めた位置に蝶番等の支点を設けて、この支点に座席4を固定することにより、座席4を前後に傾斜可能とすればよい。
(変形例4)上述の実施形態において、座席4のレッグサポート44に、ヨーク51を介して前輪5が設けられており、座席4が後傾するに伴って、前輪5が接地面Gに接地する接地位置よりも上方の位置である離地位置に移動していたが、前輪5の構成はこれに限られない。例えば、座席4の傾斜角を計測する計測手段を設けるとともに、前輪5が取り付けられているヨーク51を本体フレーム6により支持させて、計測手段の計測結果に応じて、本体フレーム6の支持位置における、本体フレーム6とヨーク51との角度を変化させてもよい。
(変形例5)上述の実施形態において、リンク33とリンク32が連結している点P33の位置に、本体フレーム6の軸65を備えたが、軸65の位置はこれに限られない。例えば、リンク32のうち、点P33よりも点P32よりの位置に、軸65を備えていてもよい。要するに、本体フレーム6のロッド63とロッド64がアクチュエータとして機能することにより、軸65の位置と車軸11の位置との間の距離が変化し、この変化による力が、後輪2に伝わることによって、駆動輪1と後輪2との間の距離が変化すればよい。
(変形例6)上述の実施形態において、車いす9は電動車いすとして構成されたが、手動車いすとして構成してもよい。この場合には駆動輪1には利用者の腕から回転力が与えられる。すなわち、車いす9は、力を受けて回転する一対の駆動輪を備えていればよい。また、手動車いすとして構成した場合にも、車いす9を旋回させるときは、左右の駆動輪1への回転量に差を持たせて旋回させるようにすればよい。
(変形例7)上述の実施形態において、座席4のバックサポート42の後方に支持部材46が設けられており、この支持部材46にリンク機構3が連結されていたが、リンク機構3が連結される支持部材46は、座席4の他の部材(例えばシート41)に設けられていてもよい。また、リンク機構3は、直接座席4に連結されていてもよい。
また、上述の実施形態において、座席4は、駆動輪1と後輪2との間の距離が大きくなるに応じて、バックサポート42とシート41が成す角を保ったまま後傾していたが、この距離に応じて、座席4を構成する部材の一部(例えばバックサポート42)のみを後傾させてもよい。すなわち、車いす9は、ティルト機能による座席4の後傾時に替えて、またはこれに加えて、リクライニング機能による座席4の後傾時にも、駆動輪1と後輪2との間の距離を大きくするようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る車いすの側面図である。 リンク機構を説明するための側面図である。 車いすの後輪と、後輪を支持する部材を説明するための図である。 駆動輪の中心およびリンク機構の連結位置である点の位置関係を示した図である。 角αの変化に対する角βおよび距離k6と距離k2の比ξの変化を表したグラフである。 角αが30°のときにおいて、車いすの状態を側面から見た図である。 角αが5°のときにおいて、車いすの状態を側面から見た図である。
符号の説明
1…駆動輪、11…車軸、2…後輪、21…ヨーク、22…支柱、3…リンク機構、31…リンク、32…リンク、33…リンク、34…リンク、4…座席、41…シート、42…バックサポート、43…アームサポート、44…レッグサポート、45…フットサポート、46…支持部材、5…前輪、51…ヨーク、6…本体フレーム、62…支持部材、63…ロッド、631…ピニオン、64…ロッド、641…ラック、65…軸、66…モータ、AX31…軸、G…接地面。

Claims (4)

  1. 力を受けて回転する一対の駆動輪と、
    前記駆動輪の後方に配置される後輪と、
    前記駆動輪と前記後輪が取り付けられ、所定部位に加えられた力に応じて前記駆動輪と前記後輪との間の距離が変化するように構成されているフレームと、
    前記所定部位に対して力を加える駆動手段と、
    前方が駆動輪側となって前記フレームに支持され、利用者が着席する座席と、
    前記駆動輪と前記後輪との間の距離に応じて前記座席の後傾姿勢を変化させるとともに、前記距離が大きいときは前記距離が小さいときに比べて後傾の度合いが強くなるように調整する後傾姿勢調整手段と
    を具備し、
    前記フレームは、擬似直線運動を実現する4節のリンク機構を有し、
    前記後輪を構成する車輪は旋回自在なヨークに取り付けられ、
    前記4節のリンク機構を構成するリンクのうち、第1リンクは、前記ヨークの旋回中心に沿って設けられ、当該ヨークを支持し、
    前記4節のリンク機構を構成するリンクのうち、前記第1リンクに対向する第2リンクは、前記座席の後傾姿勢に応じて後傾し、
    前記座席が30°後傾する間に前記第1リンクの角度が変化する量は、±5°の範囲内に収まる
    ことを特徴とする車いす。
  2. 前記座席が30°後傾する間に前記第1リンクの角度が変化する量は、±1°の範囲内に収まる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車いす。
  3. 前記座席が30°後傾する間に、接地面に対する前記第1リンクの角度は、90±5°の範囲内に収まる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車いす。
  4. 前記座席が30°後傾する間に、接地面に対する前記第1リンクの角度は、90±1°の範囲内に収まる
    ことを特徴とする請求項2に記載の車いす。
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