JP5278805B2 - 用紙排出装置および用紙後処理装置 - Google Patents

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本発明は、用紙を排紙する複数対の排紙ローラ対を具備した用紙排出装置、および該用紙排出装置を搭載する用紙後処理装置に関するものである。
従来、画像形成装置により画像が形成された用紙を複数枚排出して、排紙トレイに積載する場合、装置本体の排出口から排出されてきた用紙が、先に排出され積載されている用紙をずらしてしまい、積載用紙の揃え品質を低下させるということがあった。
これを防ぐため、用紙後端押えレバーを設け、排出口から用紙が排出されるときに、先に積載されている用紙の後端を用紙後端押えレバーで押え付けることにより、積載用紙のずれを防ぐようにした構成のものが知られている。
また、排紙トレイにおいて、先に排出され積載されている用紙の後端がカールして浮き上がっていると、次に排出口から排出される用紙の邪魔になり、これが原因してジャムや揃え不良を発生させてしまう。前記後端押えレバーは、前記カール紙による不具合に対して、その用紙を上から押え付けることにより、ジャムや揃え不良の発生を防止することができる。
しかし、従来の用紙後端押えレバーでは、用紙の後端が用紙後端押えレバーの高さより大きくカールしていると、用紙後端押えレバーは、用紙の上面に届かず、用紙を押えることができないことがある。このため、用紙ずれの防止およびカール紙への対応ができない場合がある。
したがって、用紙後端押えレバーの高さをできるだけ高くすればよいが、複数の排紙ローラ対が並設され、各排紙ローラ対の下側ローラが駆動される構造の場合では、通常、各下側ローラが1本のローラ軸で繋がって配置されているため、用紙後端押えレバーの高さを下側の排紙ローラ対のローラ軸より高く設定してしまうと、ローラ軸が用紙後端押えレバーの回動動作の邪魔になり、回動できないことになる。よって、通常、用紙後端押えレバーの高さは、排紙ローラ対の下側ローラのローラ軸の高さよりも低くなるように設定している。
また、特許文献1には、カールした用紙が排紙ローラ対のニップの出口側を塞ぐことを防止する目的で、押え部材を用紙押上位置に停止させ、用紙のカールを矯正させるようにしているが、矯正具合は用紙の種類や状態,環境などに左右されやすく、効果が得られる条件をコントロールすることが難しいという問題がある。
本発明は、前記従来の技術の問題を解決し、カール量が大きくても確実に用紙後端を押えることが可能な用紙後端押えレバー機構を備えた用紙排出装置、および該用紙排出装置を搭載する用紙後処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、用紙を排紙する複数対の排紙ローラ対と、前記排紙ローラ対により排紙された用紙を積載する排紙トレイと、前記各排紙ローラ対を構成する下側ローラと上側ローラとにそれぞれ設けられて前記各ローラを回転させるローラ軸とからなる用紙排出装置において、前記上側ローラと協働する前記下側ローラを回転駆動させる駆動部と、前記排紙ローラ対の間に配設されて、前記排紙トレイ上に排紙された用紙の後端を押える用紙押え部を有する回動可能な用紙後端押えレバーとを備え、前記用紙後端押えレバーの両側に位置する互いに隣り合った下側ローラの間にはローラ軸が存在せず、前記用紙後端押えレバーの前記用紙押え部を、該用紙押え部の回動中に前記下側ローラのローラ軸の設置位置よりも高くなるように設け、前記複数対の排紙ローラ対における前記各上側ローラが一本のローラ軸で連結されていることを特徴とし、この構成によって、用紙後端押えレバーの機能がより高まり、排出用紙のカール高さに対しても余裕度がアップすることにより、スタック品質を向上させることができる。しかも、この構成によって、用紙後端押えレバーの高さを高くする上で障害となるローラ軸を、用紙後端押えレバーの回動域からなくすことができる。さらに、複数対の排紙ローラ対における各上側ローラが一本のローラ軸で連結されていることによって、上側ローラを簡潔な構成とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
請求項に記載の発明は、上位装置から排紙される用紙を受けて、該用紙に対して後処理を行う用紙後処理部と、処理後の用紙を排出する用紙排出部を備えた用紙後処理装置において、前記用紙排出部として、請求項1記載の用紙排出装置を搭載したことを特徴とし、この構成によって、用紙後処理における排紙スタックの品質を向上させることができる。
本発明の用紙排出装置によれば、用紙後端押えレバーの回動中に、用紙押え部が排紙ローラ対における下側ローラのローラ軸の設置位置よりも高くなるように構成したことによって、用紙後端押えレバーの機能がより高まり、排出用紙のカール高さに対しても余裕度がアップすることにより、カール量が大きくても確実に用紙後端を押えることが可能になり、よって、スタック品質を向上させることができる。
また、本発明の用紙排出装置を搭載した用紙後処理装置によれば、用紙後処理における排紙スタックの信頼性,品質が向上する。
本発明に係る用紙排出装置の実施形態の概要断面図 本実施形態における用紙排出装置の要部を示す斜視図 本実施形態における用紙後端押さえレバーと排出用紙とのタイミングを示す図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る用紙後処理装置に搭載された用紙排出装置の実施形態の概要断面図、図2は本実施形態における用紙排出装置の排紙ローラと用紙後端押えレバーとの関連構成を示す斜視図、図3は本実施形態における用紙後端押えレバーと排出用紙との動作タイミングを示す図である。
本実施形態において、用紙搬出側の上位装置である画像形成装置1にシフト排紙機構を具備する用紙後処理装置2が連結されている。
図1において、画像形成装置1で形成された用紙Pは、用紙後処理装置2の入口ローラ10により用紙後処理装置2の内部へ搬入され、搬送路4を通ってシフトローラ11に送られる。さらに用紙Pは、シフトローラ11により搬送路5を経て排紙ローラである上側,下側一対のローラ対12a,12bにより用紙後処理装置2の外部へ排紙される。
排紙された用紙Pは排紙トレイ3へ排出され、その用紙Pが1枚目のときには排紙トレイ3上に積載用紙Pとして、そのまま積載される。しかし、用紙Pの前に排紙トレイ3上に積載用紙Pが既に積載されている場合には、用紙Pは積載用紙Pの上面を滑るようにローラ対12a,12bによって押し出されるため、積載用紙Pが用紙Pの動きに連れてずれてしまう現象が発生する。
本実施形態では、前記ずれを防止するために用紙後端押えレバー8を用いている。用紙後端押えレバー8は、回動支点8bを中心に回動可能に設けられており、通常、2点鎖線にて示す位置にあってレバー先端の用紙押え部8aで積載用紙Pの上面を押えるようになっている。次の用紙Pが排出され、その用紙Pがローラ対12a,12bにより排出完了されると、用紙後端押えレバー8は、一時的に実線にて示す位置に回動して退避し、用紙Pが積載用紙Pの上面に落下するのを待つ。そして、用紙Pが積載用紙Pの上面に落下して積載されると、用紙後端押えレバー8は、再び2点鎖線にて示す位置に回動して戻り、積載用紙Pを上面から用紙押え部8aにより押える。
用紙後端押えレバー8の駆動制御は、積載用紙Pの2点鎖線にて示す押え位置と実線にて示す退避位置を回動動作により切り替えるのみであるため、駆動源としては比較的安価なソレノイド装置7を用いることで実現可能である。
前記用紙排出時、落下した用紙Pの後端が上側方向にカールしている場合がある。そして、用紙後端押えレバー8が実線に示す位置から2点鎖線にて示す位置に回動するときに、用紙Pのカールが大きいと用紙Pの上面を押えることができず、用紙Pの下面を押し出してしまうことになり、用紙Pの積載揃え品質を乱してしまうことになる。
しかし、本実施形態における用紙後端押えレバー8では、従来の用紙後端押えレバーよりも上方から押えることを可能にして、前記のような不具合がなくなるようにしている。
図2は本実施形態の用後端押えレバー8を排紙口正面方向から見た図であって、図2においては、排紙ローラとして12a,12bの第1ローラ対と、13a,13bの第2ローラ対が設置された例を示しており、第1ローラ対12a,12bと第2ローラ対13a,13bとの間に用紙後端押えレバー8を配置している。
第1ローラ対12a,12bと第2ローラ対13a,13bを支持するローラ軸は、上側ローラ12a,13aは同一のローラ軸14で繋がっており、下側ローラ12b,13bは独立したローラ軸15a,15bにより別々に支持されている。
すなわち、下側ローラ12b,13bの間にローラ軸が存在しない構成としている。そのため、下側ローラ12b,13bの間に配設されている用紙後端押えレバー8は、図2における奥側から手前に回動することになるが、ローラ軸が存在しないため、従来より高い位置をレバー先端の用紙押え部8aが回動できるようになっている。
ただし、用紙後端押えレバー8の用紙押え部8aの先端が、回動時、第1ローラ対12a,12bと第2ローラ対13a,13bにおけるニップNの高さより高くなると、排紙ローラの排出動作時に、用紙後端押えレバー8が退避位置まで戻ろうとすると、排出用紙に当たってしまうため、用紙後端押えレバー8の回動動作タイミングが非常に限られた紙間時間だけとなってしまうため、生産性を下げる原因となってしまう。
したがって、用紙後端押えレバー8の高さはできるだけ高くした方が、対カール対策としては有利であるが、第1ローラ対12a,12bと第2ローラ対13a,13bにおけるニップNのニップNの位置よりも低くした方がよい。
本実施形態では、下側ローラ12b,13bは、モータ6からの回転駆動力を、タイミングベルト16,プーリ17、あるいはギャ(図示せず)などを用いてローラ軸15a,15bに伝達することにより回転駆動される。
上側ローラ12a,13aは、同一ローラ軸14で連結しても用紙後端押えレバー8の回動に干渉しない位置にあるため、1本のローラ軸14で繋げる構成にすることにより、構造の簡素化を図ることができる。上側ローラ12a,13aは、下側ローラ12b,13bと共に協働し、また用紙を介して従動する。
用紙後端押えレバー8の駆動としては、下側ローラ12b,13bの回転駆動源(モータ6)を利用し、電磁クラッチを用いて用紙後端押えレバー8を動作させるときだけ、用紙後端押えレバー8に動力が伝達するような構成にすることも考えられる。
図3を参照して、本実施形態における用紙後端押えレバーの前記用紙排出動作について、まとめて説明する。
図3(a)に示すように、用紙後端押えレバー8は、ローラ排紙動作時以外は、押え位置にあってレバー先端の用紙押え部8aで排紙トレイ3上の積載用紙Pの上面を押えるようになっている。
排紙動作により後続の用紙Pが、図3(b)に示すように、ローラ対12a,12b(13a,13b)によって排紙トレイ3へ排出されると、当該用紙Pは積載用紙Pの上面を滑るようにローラ対12a,12bによって押し出される。
そして、図3(c)に示すように、後続の用紙Pがローラ対12a,12bにより排出完了されると、用紙後端押えレバー8は、一時的に点線で示す押え位置から実線にて示す位置に回動して退避し、用紙Pが積載用紙Pの上面に落下するのを待つ。
その後、用紙Pが積載用紙Pの上面に落下して積載されると、図3(d)に示すように、用紙後端押えレバー8は、再び点線にて示す退避位置から押え位置に回動して戻り、積載用紙Pを上面から用紙押え部8aによって押える。
図3(c),(d)に示す用紙後端押えレバー8の回動時、図2に示すように、下側ローラ12b,13b間にローラ軸が存在しないため、用紙後端押えレバー8の回動は支障なく行われる。
本実施形態では、第1ローラ対12a,12bと第2ローラ対13a,13bとの二対の排紙ローラを設置した例を示しているが、三対以上の排紙ローラを設けるようにしてもよい。この場合、用紙後端押えレバー8は、各ローラ対間にそれぞれ設けて備えることも可能であるが、用紙排出装置自体、あるいは当該用紙排出装置を具備する用紙後処理装置や画像形成装置において、取り扱う用紙の全幅サイズを押えることができる位置に、少なくとも1つの用紙後端押えレバー8を設置すれば上述した作用効果は得られる。
本発明は、用紙を取り扱い所定の部位に排紙する各種の用紙排出装置に適用され、また、画像形成装置、例えば複写機,プリンタ,ファクシミリ装置、あるいは、それらの複合機における用紙後処理部に適用して有効である。
1 画像形成装置
2 用紙後処理装置
3 排紙トレイ
6 モータ
7 ソレノイド装置
8 用紙後端押えレバー
8a 用紙押え部
12a,13a 上側ローラ
12b,13b 下側ローラ
14 上側ローラのローラ軸
15a,15b 下側ローラのローラ軸
16 タイミングベルト
17 プーリ
特開2008−156012号公報

Claims (2)

  1. 用紙を排紙する複数対の排紙ローラ対と、前記排紙ローラ対により排紙された用紙を積載する排紙トレイと、前記各排紙ローラ対を構成する下側ローラと上側ローラとにそれぞれ設けられて前記各ローラを回転させるローラ軸とからなる用紙排出装置において、
    前記上側ローラと協働する前記下側ローラを回転駆動させる駆動部と、前記排紙ローラ対の間に配設されて、前記排紙トレイ上に排紙された用紙の後端を押える用紙押え部を有する回動可能な用紙後端押えレバーとを備え、前記用紙後端押えレバーの両側に位置する互いに隣り合った下側ローラの間にはローラ軸が存在せず、前記用紙後端押えレバーの前記用紙押え部を、該用紙押え部の回動中に前記下側ローラのローラ軸の設置位置よりも高くなるように設け、前記複数対の排紙ローラ対における前記各上側ローラが一本のローラ軸で連結されていることを特徴とする用紙排出装置。
  2. 上位装置から排紙される用紙を受けて、該用紙に対して後処理を行う用紙後処理部と、処理後の用紙を排出する用紙排出部を備えた用紙後処理装置において、
    前記用紙排出部として、請求項1に記載の用紙排出装置を搭載したことを特徴とする用紙後処理装置。
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