JP5278650B2 - 燃料タンク搭載機構及び該機構を備えた産業車両 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載される装置によれば後方視認性は改善されるものの、燃料タンクの交換作業において、燃料タンクを後方側にスライドさせ、水平回転させた後縦向きにして下ろすようになっており作業が煩雑となる。また、この操作を実現するためには装置構成が複雑化するため、重量のある燃料タンクを頻繁に交換することにより不具合の発生が懸念される。
さらにまた、燃料タンクを後方側にスライドさせた後、回動させて燃料タンクを垂下する構造においては、燃料タンクの底面と地上との間が大きく空くため燃料タンクを取り外す作業が困難であった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、オペレータの後方視認性が向上でき、且つ燃料タンクの交換操作がワンアクションで行えて該燃料タンクを地上付近まで下降させることができ、交換作業性が良好な燃料タンク搭載機構及び該機構を備えた産業車両を提供することを目的とする。
前記車体の前方上面若しくは後方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、該アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、燃料タンクの交換操作において、該燃料タンクの移動動作がワンアクションで行えて該燃料タンクを地上付近まで下降させることができ、交換作業性を向上させることが可能である。
前記カウンタウエイトの前方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、該アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するようにしたことを特徴とする。
さらに、前記カウンタウエイトの前方上面に、車体幅方向に前記燃料タンクが収容される凹部を形成し、該凹部に前記アームが位置するように構成することが好適である。
即ち、カウンタウエイトに凹部を形成し、該凹部に燃料タンクが収納されて埋没する構成としたため、燃料タンクが従来より下方に位置し、後方視認性が向上する。燃料タンクの後部に、視界に影響を与えない範囲で体積を加えることによりカウンタウエイトとしての機能性を維持でき、且つ燃料タンクと車体に一体感が出ることでデザイン性が向上する。
また、本発明によれば、燃料タンクをカウンタウエイトの前方に配置できるため、より一層後方視認性を向上させることができる。また、カウンタウエイトの前方に燃料タンクを搭載する構成としても、従来のように車体後方側にスライドさせて燃料タンクを下降させるものではなく、車体側方に燃料タンクを下降させるため、カウンタウエイトが前後方向に長くなっても作業性が変わらず、且つ装置が大型化することがない。
さらにまた、産業車両によっては、エンジンカバーの開放時にシートをスライドさせたり背もたれを倒す作業が必要な機種があったが、本発明の構成においては、燃料タンクを下降させた状態にて作業を行うことにより、シートポジションを変更することなくエンジンカバーを全開することができ、メンテナンス作業性が向上する。
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該コの字状のアーム開放側が前記アームを垂下する側に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする。
このように、アームをコの字状に形成することにより、車体に設けられたラジエタからの排気流路を確保できる。さらに、燃料タンクを車体側方に垂下させた際により地面に近い位置まで燃料タンクを下げることができ、交換作業が行いやすくなる。さらにまた、カウンタウエイト上面に凹部を設ける場合には、アームを設置するために削る部分が少なくてすみ、カウンタウエイト形状において優位性がある。
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該L字状のアームの屈曲部が前記アームを垂下する側と反対側の上方に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする。
このように、アームをL字状に形成することにより、アーム形状を簡素化できるとともに、車体に設けられたラジエタからの排気流路を確保できる。
燃料タンク交換時等の前記アームが下降して車体側方に位置する下降定位置にて、前記アームの回動を停止して前記車体固定部に対して該アームを固定する下降時ロック機構とを備えたことを特徴とする。
このように、上方ロック機構と下降時ロック機構を備えることにより、上方定位置若しくは下降定位置にてそれ以上アームが回動することを防止し、且つ夫々の定位置にて燃料タンクを固定して燃料タンク車載時に燃料タンクの安定性を確保できるとともに、燃料タンク交換時に安定して交換ができるようにし作業性を向上させることが可能である。
このように、アームに弾性部材を付設することにより、燃料ガスが充填された重量のある燃料タンクであっても力を要さずに簡単に持ち上げることができる。
これにより、オペレータの後方視認性が向上でき、且つ燃料タンクの交換操作がワンアクションで行えて交換作業性及びメンテナンス性の高い機能的な産業車両を提供することが可能である。
また、カウンタウエイトに形成した凹部に燃料タンクが収納される構成としたため、後方視認性が向上するとともに、カウンタウエイトとしての機能性を維持でき、且つ燃料タンクと車体に一体感が出ることでデザイン性を向上させることができる。
さらに、燃料タンクをカウンタウエイトの前方に配置できるため、より一層後方視認性を向上させることができるとともに、燃料タンクを車体側方に下降させる構成としたため、カウンタウエイトが前後方向に長くなっても作業性が変わらず、且つ装置が大型化することがない。
また、アームをコの字状若しくはL字状に形成することにより、車体に設けられたラジエタからの排気流路を確保できる。
さらにまた、アームに弾性部材を付設することにより、燃料ガスが充填された重量のある燃料タンクであっても力を要さずに簡単に持ち上げることができる。
図1は本発明の実施例に係る燃料タンク搭載機構を備えたフォークリフトの側面図、図2乃至図5は本実施例に係る燃料タンク搭載装置を示す図、図6はフォークリフトの後方視認性を説明する図、図7はエンジンカバーの開放操作を説明する図である。尚、本実施例では、一例として車両後方にカウンタウエイトを備えたフォークリフトの該カウンタウエイト上に燃料タンクを搭載する例につき説明するが、これに限定されるものではなく、車両の駆動用燃料が充填された燃料タンクを、車体の後方上面若しくは前方上面に搭載する機構を備えた産業車両全般に適用できる。また、産業車両の種類として、LPガスにより駆動するエンジン、或いはガソリンエンジン又はディーゼルエンジンを備えた車両に好適に適用できる。
フォークリフト1は、オペレータが着座するシート3が配設された本体フレーム2と、該シート3の上方に配設されたヘッドガード4と、該シート3の下部に設けられたエンジンカバー5と、本体フレーム2の前部に取り付けられた傾動可能なマスト6と、該マスト6に昇降自在に支持され荷物が載置される爪(フォーク)7と、本体フレーム2の後部に設けられ、積荷に対応させて前後における車体バランスをとるためのカウンタウエイト8とを備え、さらに本実施例の特徴的な構成として、燃料が充填された燃料タンク30を搭載するための搭載機構を備えている。尚、前記燃料タンク30は、例えばLPガス等の燃料ガスが圧縮充填された燃料タンク(LPGタンク)、或いはガソリン、軽油、重油等の液体燃料が充填された燃料タンクなどが挙げられる。
前記凹部9は、カウンタウエイト8の車体側上面の一辺を曲面状に切欠いたごとく凹陥した形状となっており、燃料タンク30が車体幅方向に沿って横置き可能なように該燃料タンク30の形状、大きさに合わせて凹陥した形状を有している。尚、本実施例では、該凹部9を曲面状に形成した構成を示しているが、該凹部9を複数の平面から形成するようにしてもよい。該凹部9の深さは、燃料タンク30がカウンタウエイト最上面から大幅に突出しない範囲内に設定される。またカウンタウエイト8は、この後方側に体積を加えた構造となっている。
また、燃料タンク搭載位置は、産業車両の走行・旋回時に燃料タンク30が車両周囲物と接触することのないようにカウンタウエイト8やヘッドガード4等の車体を構成する部品にて保護される位置に配置されることが好適である。即ち、燃料タンク搭載時に、該燃料タンクがカウンタウエイト8の外郭より内側に配置されるようにして、タンクの上端下端が車体から飛び出さないように配置する。
図2及び図3に示されるように、該ブランケット10は、車体フレーム2若しくはヘッドガード4に固定されるベースプレート11と、該ベースプレート11に対してアーム回転軸13を介して回動自在に支持されるアーム14と、該アーム14に燃料タンク30を固定するための固定バンド15と、ベースプレート11とアーム14の間に張架されたガススプリング(弾性部材)16と、ベースプレート11、本体フレーム2又はカウンタウエイト8の何れかの車体固定部材に設けられた下降時ロック機構17と、同様に該車体固定部材に設けられた車載時ロック機構(上方ロック機構)18と、グリップ20とを備える。
尚、本実施例において、アーム14、ベースプレート11、及びアーム回転軸13の形状、配置は一例であり、上記した形状、配置に限定されるものではなく、車体に対してアーム14を左右何れかの側方に回動させてワンアクションにて垂下可能な構成で、且つラジエタからの排気流路を確保できる構成であればよい。
車載時ロック機構18は、燃料タンク30が装備されたアーム14を上方側に持ち上げた時に、車載時定位置にて停止し、該アーム14を該車載時定位置に固定する機構を有する。好適には該アーム14を固定する際に、該アーム14の燃料タンク底面側をヘッドガード4又は本体フレーム2又はカウンタウエイト8に固定する機構を有する。これにより、車載時に燃料タンク30の両端を支持することができ、安定性が向上する。
即ち、シート3に着座したオペレータが後方を見るときに燃料タンク30が邪魔になることなく、後方視認性が向上する。これは、図6に示すように破線で示す従来の構成では、燃料タンク30’がカウンタウエイト8の平坦状上面の上に載置された状態であったため、燃料タンク30’が上方に位置し、後方を見る際にオペレータの視点40からの視界の邪魔になり、後方視認性が悪かった。しかし、実線で示す本実施例によれば、カウンタウエイト8に凹部9を形成し、該凹部9に燃料タンク30が収納されて埋没する構成としたため、燃料タンク30が従来より下方に位置し、後方視認性が向上する。このときカウンタウエイト8切り欠いた凹部9の重量分だけ後方側に体積Aを加えることによりカウンタウエイト8としての機能性を維持でき、且つ燃料タンク30と車体に一体感が出ることでデザイン性が向上する。
さらにまた、図7に示すように、エンジンカバー5の開放時に、図7(b)に示す従来の構成においては、シート3をスライドさせたり背もたれを倒す作業が必要であったが、図7(a)に示す本実施例の構成においては、燃料タンク30を下降させた状態若しくは燃料タンク30を搭載しない状態にて作業を行うことにより、シートポジションを変更することなくエンジンカバー5を全開することができ、メンテナンス作業性が向上する。
2 本体フレーム
3 シート
4 ヘッドガード
5 エンジンカバー
8 カウンタウエイト
9 凹部
10 ブラケット
11 ベースプレート
13 アーム回転軸
14 アーム
14a 排気口
14b 係止部
15 固定バンド
16 ガススプリング
17 下降時ロック機構
18 車載時ロック機構
20 グリップ
30 燃料タンク
Claims (8)
- 産業車両の後部に設けられたカウンタウエイトに燃料タンクを搭載する燃料タンク搭載機構において、
前記カウンタウエイトの前方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、該アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するように構成し、
前記アームがコの字状に形成され、該コの字状の端部を有する一辺に前記固定部材が設けられ、
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該コの字状のアーム開放側が前記アームを垂下する側に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする燃料タンク搭載機構。 - 産業車両の後部に設けられたカウンタウエイトに燃料タンクを搭載する燃料タンク搭載機構において、
前記カウンタウエイトの前方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、該アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するように構成し、
前記アームがL字状に形成され、該L字状の一辺に前記固定部材が設けられ、
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該L字状のアームの屈曲部が前記アームを垂下する側と反対側の上方に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする燃料タンク搭載機構。 - 産業車両の車体上面に燃料タンクを搭載する燃料タンク搭載機構において、
前記車体の前方上面若しくは後方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、前記アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するように構成し、
前記アームがコの字状に形成され、該コの字状の端部を有する一辺に前記固定部材が設けられ、
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該コの字状のアーム開放側が前記アームを垂下する側に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする燃料タンク搭載機構。 - 産業車両の車体上面に燃料タンクを搭載する燃料タンク搭載機構において、
前記車体の前方上面若しくは後方上面に前記燃料タンクを固定する固定部材を備えたアームを設け、
前記アームは、車体固定部に対してアーム回転軸を介して回動自在に軸支されるとともに、前記アーム回転軸を回転中心として車両進行方向に対して垂直面内を左右何れか一側に回動するように構成され、前記アームが回動することにより該アームが車体側方側に垂下するように構成し、
前記アームがL字状に形成され、該L字状の一辺に前記固定部材が設けられ、
燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置するとき、前記固定部材が設けられた該アームの一辺が前記燃料タンクの搭載面に沿って位置するとともに、該L字状のアームの屈曲部が前記アームを垂下する側と反対側の上方に位置するようにし、該アームの下方側端部が前記アーム回転軸により軸支される構成としたことを特徴とする燃料タンク搭載機構。 - 前記カウンタウエイトの前方上面に、車体幅方向に前記燃料タンクが収容される凹部を形成し、該凹部に前記アームが位置するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料タンク搭載機構。
- 燃料タンク車載時等の前記アームが上方に位置する上方定位置にて、前記アームの回動を停止して前記車体固定部に対して該アームを固定する上方ロック機構と、
燃料タンク交換時等の前記アームが下降して車体側方に位置する下降定位置にて、前記アームの回動を停止して前記車体固定部に対して該アームを固定する下降時ロック機構とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の燃料タンク搭載機構。 - 前記アームに、該アームが下降して車体側方に位置する下降定位置から前記アームが上方に位置する上方定位置に向けて回動力を付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の燃料タンク搭載機構。
- 請求項1乃至7のいずれか記載の燃料タンク搭載装置を備えた産業車両。
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