JP5278556B2 - コイルの矯正方法、コイルの矯正機構 - Google Patents

コイルの矯正方法、コイルの矯正機構 Download PDF

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Description

本発明は、モータに用いるステータに巻回するコイルの成形技術に関するものであり、詳しくは平角導体を内層と外層の2層に巻いたコイルの矯正方法、コイルの矯正機構に関するものである。
車載用のモータのうち、車の駆動に用いるモータは、小型化と高出力化を求められている。このため、占積率の向上に有利な平角導体をコイルに用いることが検討されている。ただし、平角導体をコイルとして用いる場合には、平角導体の断面積が広いためにコイル形状に巻回することが困難である。また、平角導体の断面積を広げることで電流密度を上げることは可能だが、渦電流の問題が生ずる。このため、平角導体を巻いてコイルを形成するにあたり、さまざまな検討がなされている。
そこで、特許文献1には、角型リッツ線を外層、内層、内層、外層の順番に2層に巻きながら軸方向に縦積みされるように巻いたリッツ線コイルが開示されている。
特開2005−085560号公報
しかしながら、特許文献1のリッツ線コイルには以下のような課題がある。ここで、図21に特許文献1のリッツ線コイルの第1列を形成する順番を示す模式図を示し、図22に特許文献1のリッツ線コイルの第2列を形成する順番を示す模式図を示す。
特許文献1のリッツ線コイル200において、図21と図22に示すように、角型リッツ線202を巻く順にA側、B側、C側、D側とすると、第2層(外側)のA側から角型リッツ線202を巻き始めて、第2層のB側、C側、D側と巻いてから、第1層(内側)のA側に移る。そして、第1層(内側)のB側、C側と巻いて、D側に移る。そして、第1層のD側で第1列から第2列に渡る渡り線部を形成する。
そして、第2列の第1層のA側から巻いて、第1層のB側、C側、第2層のD側と巻いた後、第2層のA側に移る。そして、第2層のB側、C側と巻いた後が問題となる。第2列では、第2層のD側は既に巻かれているので、リッツ線コイル200を2層で巻くには第2列の第2層のC側で第3列に渡る渡り線部を形成する必要が出てくる。しかしながら、A側とC側に配置される角型リッツ線202は、ステータ(不図示)のスロット(不図示)内に収められる必要がある為、C側で渡り線部を形成すると、スロット内の占積率を悪化させる結果となってしまう。すなわち、特許文献1に示した方法では、2層に角型リッツ線202を巻いてリッツ線コイル200を形成したとしても、ステータの占積率向上に寄与することは困難であると言える。
そこで、図23に示すように平角導体10を巻いてコイル20を成形することが考えられる。このコイル20は、平角導体10を内層と外層の2層に巻いた2層巻のエッジワイズコイルであり、第1列は平角導体10が外層から内層に向かって巻かれ、第2列は平角導体10が内層から外層に向かって巻かれ、第3列は平角導体10が外層から内層に向かって巻かれ、第4列は平角導体10が内層から外層に向かって巻かれている。なお、図23では説明の便宜上、第5列以降は省略しているが、第5列以降も同様に平角導体10が巻かれている。
コイル20は、両側に存在するコイルエンド22とコイルエンド24のうち、一方のコイルエンド22側に隣り合う列である第1列と第2列の間を繋いだ内側階層変位ライン26(渡り線部)が形成され、隣り合う列である第2列と第3列の間を繋いだ外側階層変位ライン28(渡り線部)が形成され、隣り合う列である第3列と第4列とを繋ぐ内側階層変位ライン26が形成されている。このようなコイル20によれば、内側階層変位ライン26と外側階層変位ライン28はステータのスロット内に収められる部分に位置しないので、ステータの占積率が向上する。なお、コイルエンド22とコイルエンド24は、コイル20をモータのステータ(不図示)に取り付けたときに、当該ステータの軸方向の端面上に位置する部分である。
ここで、このようなコイル20を成形する際には、平角導体10を支点部材回りに同一平面内で90°で曲げ加工する。しかしながら、このように曲げ加工するだけでは、図24や図25に示すように、内側階層変位ライン26や外側階層変位ライン28がバネ状に膨らみ、コイルの積厚が大きくなってステータの占積率が向上しないおそれがある。
そこで、このようなコイル20の形状を矯正するために、従来より、コイル20における前記の第1列と第2列と第3列の配列方向(図23の左右方向、以下単に「配列方向」という)から荷重を加えて、配列方向の厚み(以下、「積厚」という)が小さくなるように矯正している。しかしながら、コイル20を上下から挟み込んで積厚方向に荷重を加えて単純に矯正するだけでは、内側階層変位ライン26や外側階層変位ライン28の上下には平角導体10がないことから、内側階層変位ライン26や外側階層変位ライン28はうねりが発生して形状が安定しない。そのため、内側階層変位ライン26や外側階層変位ライン28の曲げ成形が出来ないのでコイル20に傾きが残存してしまい、コイル20の積厚が大きくなってしまうおそれがある。
また、ステータの占積率が向上するように理想的な積厚のコイル20を成形するため、コイル20に加える荷重を大きくし過ぎると、平角導体10の絶縁膜が維持できず絶縁が劣化してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、2層に巻いたコイルを理想的な積厚に矯正することができるコイルの矯正方法、コイルの矯正機構を提供すること、を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、導体を内層と外層の2層に巻いたコイルの矯正方法において、前記コイルは、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第1列が形成され、前記導体を前記内層から前記外層に向かって巻いた第2列が形成され、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第3列が形成され、前記導体を隣り合う列の間で繋いだ渡り線部が形成されており、前記第1列と前記第2列と前記第3列の配列方向から前記コイルに対して荷重を加えるコイル矯正型により前記コイルを矯正する時に、前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置された渡り線部矯正型により前記渡り線部を挟み込み、前記コイル矯正型から前記渡り線部矯正型を介して前記渡り線部に対し前記荷重を加えることにより、前記渡り線部の第1端部と第2端部とを前記隣り合う列に沿わせ、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部を前記隣り合う列へ移らせるように矯正すること、を特徴とする。
この態様によれば、コイルを矯正した後において渡り線部の形状が安定するので、コイルの第1列から第2列への渡り線部および第2列から第3列への渡り線部で発生する傾きを減少させることができる。そのため、コイルの積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイルを形成することができる。
また、コイル矯正型から加える荷重を利用して渡り線部矯正型から集中的に渡り線部に荷重を加えることができるので、コイル矯正型から加える荷重を大幅に低減させることができる。そのため、コイルを矯正した後において、導体に被覆された絶縁層は維持され、コイルにおいて絶縁性を確保することができる。
上記の態様においては、前記渡り線部矯正型は、前記コイル矯正型が前記荷重を加える動作に同期して前記渡り線部に対して前記配列方向の両側の位置に配置されること、が好ましい。
この態様によれば、コイル矯正型が荷重を加える動作を利用することができるので、コイルの矯正する際に省力化を図ることができる。
上記の態様においては、前記渡り線部矯正型は、厚肉部と薄肉部とを備え、前記薄肉部の厚みは前記荷重を加えた時の前記渡り線部における前記荷重を加える部分の厚みと等しくし、前記厚肉部の厚みは前記薄肉部の厚みの2倍とすること、が好ましい。
この態様によれば、コイルに荷重を加えた時の導体の撓み量を見込んで渡り線部矯正型の厚みを設定しているので、渡り線部矯正型により渡り線部に対して確実に荷重を加えることができる。
上記の態様においては、前記渡り線部矯正型は、前記渡り線部に対して前進および後退することが可能な可動部に搭載されており、前記可動部を前記渡り線部に対して前進させることにより、前記渡り線部矯正型を前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置すること、が好ましい。
この態様によれば、渡り線部矯正型を一括して渡り線部に対して配列方向の両側に配置することができる。また、コイル矯正型が荷重を加える動作に同期して可動部を渡り線部に対して前進させることにより、複数の渡り線部矯正型を移動させる際に省力化を図ることができる。
上記の態様においては、前記渡り線部として、前記導体を前記第2列と前記第3列との間で繋いた外側渡り線部が形成されており、前記渡り線部矯正型により前記外側渡り線部の第1端部と第2端部とを挟み込むこと、が好ましい。
この態様によれば、コイルを矯正した後において外側渡り線部の形状が安定する。そのため、コイルの積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイルを形成することができる。
上記の態様においては、前記渡り線部として、前記導体を前記第1列と前記第2列との間で繋いた内側渡り線部が形成されており、前記渡り線部矯正型により前記内側渡り線部の第1端部と第2端部との間の中間部を挟み込むこと、が好ましい。
この態様によれば、コイルを矯正した後において内側渡り線部の形状が安定する。そのため、コイルの積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイルを形成することができる。
上記の態様においては、前記渡り線部として、前記導体を前記第1列と前記第2列との間で繋いた内側渡り線部と、前記導体を前記第2列と前記第3列との間で繋いた外側渡り線部とが形成されており、前記渡り線部矯正型により、前記内側渡り線部の第1端部と第2端部との間の中間部を挟み込み、かつ、前記外側渡り線部の第1端部と第2端部とを挟み込むこと、が好ましい。
この態様によれば、コイルを矯正した後において内側渡り線部および外側渡り線部の形状が安定する。そのため、コイルの積厚を効果的に減少させることができ、理想の積厚を実現したコイルをより確実に形成することができる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、導体を内層と外層の2層に巻いたコイルの矯正機構において、前記コイルは、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第1列が形成され、前記導体を前記内層から前記外層に向かって巻いた第2列が形成され、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第3列が形成され、前記導体を隣り合う列の間で繋いだ渡り線部が形成されており、前記第1列と前記第2列と前記第3列の配列方向から前記コイルに対して荷重を加えるコイル矯正型と、前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置される渡り線部矯正型と、を有し、前記コイル矯正型により前記コイルを矯正する時に、前記渡り線部矯正型により前記渡り線部を挟み込み、前記コイル矯正型から前記渡り線部矯正型を介して前記渡り線部に対し前記荷重を加えることにより、前記渡り線部の第1端部と第2端部とを前記隣り合う列に沿わせ、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部を前記隣り合う列へ移らせるように矯正すること、を特徴とする。
この態様によれば、コイルを矯正した後において渡り線部の形状が安定するので、コイルの第1列から第2列への渡り線部および第2列から第3列への渡り線部で発生する傾きを減少させることができる。そのため、コイルの積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイルを形成することができる。
また、コイル矯正型から加える荷重を利用して渡り線部矯正型から集中的に渡り線部に荷重を加えることができるので、コイル矯正型から加える荷重を大幅に低減させることができる。そのため、コイルを矯正した後において、導体に被覆された絶縁層は維持され、コイルにおいて絶縁性を確保することができる。
本発明に係るコイルの矯正方法、コイルの矯正機構によれば、2層に巻いたコイルを理想的な積厚に矯正することができる。
実施例1のコイルの矯正機構の正面図である。 実施例1のコイルの矯正機構の側面図である。 実施例1のコイルの矯正機構の上面図(一部透視図)である。 図2のA−A断面図である。 実施例1のクランク型の正面図である。 スライドベースの移動を上型が下降する動作に同期させる手段の一例を示す図である。 クランク成形が完了した時の実施例1のコイルの矯正機構の正面図である。 外側階層変位ラインの高さについての説明図である。 矯正したコイルの上面図である。 矯正したコイルの正面図である。 矯正したコイルの側面図である。 図9のB−B断面図である。 実施例1の効果を示す図である。 実施例2のコイルの矯正機構の上面図(一部透視図)である。 図14のC−C断面図である。 実施例2のクランク型を示す図である。 図16の右側から実施例2のクランク型を見たときの図である。 クランク成形が完了した時のクランク型と内側階層変位ラインとを示す図である。 矯正したコイルにおける内側階層変位ラインを示す図である。 実施例3のコイルの矯正機構の上面図(一部透視図)である。 特許文献1のコイルの第1列を巻回する順番を示す模式図である。 特許文献1のコイルの第2列を巻回する順番を示す模式図である。 コイルの分解斜視図である。 コイルの積厚が大きくなることを説明する図である。 コイルの積厚が大きくなることを説明する図である。
以下、本発明を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<実施例1>
〔矯正機構の構造〕
まず、本実施例で使用するコイルの矯正機構の構造について説明する。ここで、図1は実施例1のコイルの矯正機構の正面図であり、図2は実施例1のコイルの矯正機構の側面図であり、図3は実施例1のコイルの矯正機構の上面図(一部透視図)である。図1と図2に示すように、矯正機構1は、上型30、下型32、シャフト34、スライドベース36、クランク型38、バネ40などを有する。なお、図1と後述する図7では、説明の便宜上、コイル20のうち外側階層変位ライン28のみを示している。
上型30は、図1に示すように矯正機構1の最も上の位置に配置されており、図2に示すように厚肉に形成された第1部位42と薄肉に形成された第2部位44とを備えている。この上型30は、上から見たときには図3に示すように長方形に形成されており、第1部位42が上型30の長手方向(図2の左右方向)の大半部分に設けられており、第2部位44が上型30の長手方向の一方の端部に設けられている。
また、上型30は、第1部位42における短手方向(図1の左右方向)の断面の中央部分に、図4に示すように、外形が図面の上側に向かって幅が徐々に減少するように台形状に形成された凹部46を備えている。そして、この凹部46の内部に前記のコイル20(図24参照)を挿入することにより、コイル20の形状を矯正してコイル20の積厚を減少させるように成形する。また、図3に示すように、第2部位44には上型30の短手方向に向かって縦長に開口するように形成された孔48が設けられている。なお、図4は、図2のA−A断面図である。
下型32は、図1と図2に示すように図面の上下方向について上型30と対をなすように設けられており、この下型32は下から見たときには長方形に形成されている。また、下型32は、短手方向(図1の左右方向)の断面の中央部分に、図4に示すように、入れ子50と凹部52とを備えている。入れ子50は、凹部52の底面から上型30が配置される方向に向かって突出するように形成され、上型30が配置される方向に向かって幅が徐々に減少するように外形が台形状に形成されている。このように、入れ子50の外形を台形状に形成しているのは、成形後のコイル20を取り付けるステータ(不図示)のティース(不図示)の外形を台形状に形成しているためである。
また、凹部52は、前記の上型30の凹部46と対向する位置に設けられ、上型30の凹部46と下型32の凹部52とで形成される空間内にコイル20を閉じ込めることができる。これにより、コイル20の積厚を減少させるようにコイル20の形状を矯正することができる。なお、このように対をなす上型30と下型32とは、本発明における「コイル矯正型」の一例である。
スライドベース36は、図2に示すように上型30の第2部位44の下の位置に設けられ、矯正機構1を正面から見たときに図1に示すようにL字形状に形成されている。このスライドベース36は、図1に示すように左右に1つずつ設けられている。また、スライドベース36は、後述する同期手段により、上型30の移動と同期して上型30や下型32に対して前進したり後退したりするように移動(図1の左右方向に移動)する。これにより、後述するように入れ子50に配置されたコイル20の外側階層変位ライン28に対して、クランク型38を前進させたり後退させたりすることができる。なお、スライドベース36は、本発明における「可動部」の一例である。
シャフト34は、スライドベース36と一体化して形成されており、上型30側の端部は上型30の第2部位44に設けられた孔48に挿入されている。このシャフト34は、図1に示すように左右に1つずつ設けられている。
クランク型38は、図2に示すように上型30の第2部位44と下型32との間にて図1に示すようにスライドベース36に搭載されるようにして複数設けられ、図1に示す例においては左右に4つずつ設けられている。また、クランク型38は、図5に示すように板厚が小さい薄肉部54と板厚が大きい厚肉部56とを備え、図1や図2に示すようにシャフト34が貫通している。このクランク型38は、図1や図2の上下方向(上型30と下型32が配置される方向)に移動可能な状態で、シャフト34やスライドベース36と一体化している。また、各々のクランク型38の間には、図1や図2の上下方向に付勢するバネ40が設けられている。なお、クランク型38は、本発明における「渡り線部矯正型」の一例である。
なお、上型30と一番上の(最も上型30の近くに配置された)クランク型38との間には、スペーサ58とスペーサ60が設けられている。また、下型32と図1における左側の一番下の(最も下型32の近くに配置された)クランク型38との間には、スペーサ62が設けられている。スペーサ58とスペーサ60とスペーサ62は、成形するコイル20の仕様に応じてその厚みを調整する。これにより、コイル20に加える荷重の大きさを調整することができるので、矯正機構1により様々な仕様のコイル20に対して矯正を行って成形することができる。
〔コイルの矯正方法〕
次に、このような構成の矯正機構1を使用したコイル20の矯正方法について説明する。そこで、まず、コイル20の内側に下型32の入れ子50が挿入されるようにして、コイル20を下型32に配置した後、上型30を下降させて下型32に向かって移動させる。そして、このとき上型30が下降する動作に同期させて左右のスライドベース36をコイル20に向かって移動させる。これにより、前記の図1に示すように、左右の4つのクランク型38が各々、コイル20の外側階層変位ライン28に対して積厚方向の両側の位置に一括して挿入される。なお、内側階層変位ライン26は本発明における「渡り線部」や「内側渡り線部」の一例であり、外側階層変位ライン28は本発明における「渡り線部」や「外側渡り線部」の一例である。
なお、スライドベース36の移動を上型30が下降する動作に同期させる手段としては、図6に示すように共にクサビ形状の第1部材64および第2部材66と、戻し用のバネ68(または、エア圧付与手段)とを使用する手段が考えられる。図6に示すように、第1部材64と第2部材66とは互いに斜面部分で当接し、第2部材66はスライドベース36と一体化されている。そして、上型30が下降することにより第1部材64が上型30に押されて下降するので、第2部材66は第1部材64に押されて図6の右方向に移動する。これにより、スライドベース36はバネ68の付勢力に対抗してコイル20に向かって移動する。このように、図6に示す手段によれば動力を必要としないが、図6に示す手段の代わりにサーボ機構などの動力を使用する手段を使用してもよい。
次に、上型30をさらに下降させることにより、上型30から加える荷重を利用してバネ40を収縮させながらクランク型38を下降させる。これにより、図7に示すように、コイル20の矯正が完了する。具体的には、上型30を下降させることにより、コイル20が上型30から下方向に荷重を受ける。なお、図7ではバネ40を省略して示している。このとき同時に、外側階層変位ライン28の長手方向(図7の左右方向)の両端部である第1端部70と第2端部72とを、外側階層変位ライン28に対して積厚方向(配列方向)の両側の位置に配置された2つのクランク型38により挟み込んで保持する。そして、さらに上型30を下降させることにより、コイル20が上型30から下方向にさらに荷重を受けることにより、コイル20は積厚が小さくなるように矯正される。このとき同時に、上型30が加える荷重はクランク型38を介して外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72に加わりながら、クランク型38と外側階層変位ライン28とが下降する。
そして、図7に示すように、各々の右側のクランク型38を各々の左側のクランク型38よりも下側の位置まで下降させる。このようにして、外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72とを隣り合う列に沿うように形成しながら、外側階層変位ライン28のレーンチェンジ部74を隣り合う列に渡って形成されるように、外側階層変位ライン28の形状を矯正する。すなわち、後述する図10に示すように、外側階層変位ライン28の第1端部70を第2列に沿うようにして、外側階層変位ライン28の第2端部72を第3列に沿うようにしながら、外側階層変位ライン28のレーンチェンジ部74にて平角導体10を第2列から第3列に移らせる(レーンチェンジさせる)ようにして、外側階層変位ライン28の形状を矯正する。なお、コイル20の第4列と第5列とを繋ぐ外側階層変位ライン28や、コイル20の第6列と第7列とを繋ぐ外側階層変位ライン28も同様に矯正する。また、レーンチェンジ部74は、本発明における「中間部」の一例である。
このようにして、外側階層変位ライン28は、図8に示すように積厚方向の高さHが平角導体10の厚みの2本分になるように矯正する。ここで、クランク型38の厚みは、上型30から荷重を加えた時に平角導体10が撓む量を見込んだうえで、外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72に対し積厚方向に荷重を加えることができるように十分な大きさとしておく。具体的には、薄肉部54の厚みa1(図5参照)を上型30から荷重を加えて平角導体10が撓んだ時の外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72の厚みと等しくし、厚肉部56の厚みb1(図5参照)を薄肉部54の厚みa1の2倍とする((b1)=2×(a1)の式が成立するような寸法にしておく)。
そして、このようにして外側階層変位ライン28の形状の矯正を完了させた後、上型30を上昇させる。このとき、クランク型38はバネ40の力により上型30が上昇する動作と同期しながら上昇する。また、スライドベース36は上型30が上昇する動作と同期しながらコイル20から後退し、左右の4つのクランク型38は一括してコイル20から後退する。以上のようにして、コイル20の矯正が完了する。
ここで、図9に矯正後のコイル20の上面図を、図10に矯正後のコイル20の正面図を、図11に矯正後のコイル20の側面図を示す。前記のようにコイル20を矯正することにより、図9〜図11に示すように、コイル20は積厚が減少して理想的な積厚に成形される。
図9や図10に示すように、矯正後のコイル20は、外層から内層に向かって平角導体10を巻回して第1列と第3列と第5列と第7列が形成され、内層から外層に向かって平角導体10を巻回して第2列と第4列と第6列と第8列が形成されている。そして、第2列と第3列の部分に着目すると、外側階層変位ライン28が第2列と第3列の間を繋いでいる。そして、矯正後のコイル20は、外側階層変位ライン28の第1端部70が第2列に沿って形成され、外側階層変位ライン28の第2端部72が第3列に沿って形成されており、さらに、外側階層変位ライン28のレーンチェンジ部74が第2列と第3列の間でレーンチェンジをしている。その他、第4列と第5列の部分、第6列と第7列の部分についても同様である。
また、図12に図9のB−B断面図を示す。図12に示すように、外側階層変位ライン28が、コイル20のリード側のコイルエンド22の外側、つまり3層目に形成され、外側階層変位ライン28がコイル20のリード側のコイルエンド22の内側、つまり1層目に同様に形成される。一方、コイル20の反リード側のコイルエンド24は、図12に示されるようにコイル20の他の2辺と同様に2層しか形成されず、階層変位線も有していない。
以上のような本実施例のコイル20の矯正方法によれば、図13に示すような評価結果を得ることができた。図13において、クランク型38を使用せず上型30と下型32との間で単純にコイル20を矯正した場合の評価結果を比較例1として示す。また、図13において、クランク型38を使用せず上型30と下型32との間で単純にコイル20を矯正するだけであって推力を2倍に増大させた場合の評価結果を比較例2として示す。
図13に示すように、本実施例のコイル20の矯正方法によれば、矯正した後のコイル20の積厚は比較例1や比較例2に比べて減少し、コイル20の積厚を規格範囲内に収めることができた。これに対し、比較例1の方法ではコイル20の積厚を規格範囲内に収めることができなかった。また、比較例2では、コイル20には両側のコイルエンド方向の傾きが残存してしまい、コイル20の積厚を規格範囲内に収めることができなかった。特に比較例2では、推力を増大させるので、平角導体10の絶縁層が維持できず絶縁性が劣化する可能性が高まると考えられる。
〔本実施例の効果〕
本実施例によれば、上型30からクランク型38を介して外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72に対し荷重を加えることにより、第1端部70をコイル20の第2列に沿わせて第2端部72をコイル20の第3列に沿わせ、レーンチェンジ部74をコイル20の第2列から第3列へ移らせるように矯正する。そのため、コイル20を矯正した後において外側階層変位ライン28の形状が安定するので、コイル20の第1列から第2列への内側階層変位ライン26および第2列から第3列への外側階層変位ライン28で発生する傾きを減少させることができる。したがって、コイル20の積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイル20を形成することができる。
また、上型30から加える荷重を利用してクランク型38から集中的に外側階層変位ライン28に荷重を加えることができるので、上型30から加える荷重を大幅に低減させることができる。そのため、コイル20を矯正した後において、平角導体10に被覆された絶縁層は維持され、コイル20において絶縁性を確保することができる。
また、クランク型38は、上型30が荷重を加える動作に同期して外側階層変位ライン28に対して配列方向の両側の位置に配置されるので、上型30が荷重を加える動作を利用して外側階層変位ライン28の部分の矯正ができる。そのため、コイル20を矯正する際に、省力化を図ることができる。
また、クランク型38の薄肉部54の厚みは荷重を加えた時の第1端部70と第2端部72の厚みと等しくし、クランク型38の厚肉部56の厚みは薄肉部54の厚みの2倍としている。このように、クランク型38の薄肉部54と厚肉部56の厚みは、コイル20に荷重を加えた時の平角導体10の撓み量を見込んだ厚みとしている。これにより、クランク型38により第1端部70と第2端部72に対して確実に荷重を加えることができる。
また、スライドベース36をコイル20に対して前進させることにより、4つのクランク型38をコイル20の外側階層変位ライン28に対して積厚方向の両側の位置に一括して配置することができる。
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。以下の説明では、実施例1と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
〔矯正機構の構造〕
まず、実施例2で使用するコイルの矯正機構の構造について説明する。ここで、図14はコイルの矯正機構の上面図(一部透視図)であり、図15は図14のC−C断面図である。図15に示すように、矯正機構2は、上型80、下型32、シャフト82、スライドベース84、クランク型86、バネ40などを有する。
上型80は、図15に示すように矯正機構2の最も上の位置に配置されている。この上型80は、上から見たときには図14に示すように長方形に形成されている。この上型80は、短手方向の断面の中央部分に凹部46(図4参照)を備えている。また、図14に示すように、上型80には上型80の長手方向に向かって縦長に開口するように形成された孔88が設けられている。なお、対をなす上型80と下型32とは、本発明における「コイル矯正型」の一例である。
スライドベース84は、図15に示すように上型80の下の位置に設けられ、矯正機構2を側面方向から見たときに図15に示すようにL字形状に形成されている。また、スライドベース84は、後述する同期手段により、上型80の移動と同期してコイル20の内側階層変位ライン26に対して前進したり後退したりするように移動(図15の左右方向に移動)する。これにより、後述するように入れ子50に配置されたコイル20の内側階層変位ライン26に対して、クランク型86を前進させたり後退させたりすることができる。なお、スライドベース84は、本発明における「可動部」の一例である。
シャフト82は、スライドベース84と一体化して形成されており、上型80側の端部は孔88に挿入されている。
クランク型86は、上型80と下型32との間にて図15に示すようにスライドベース84に搭載されるようにして複数設けられ、図15に示す例においては4つ設けられている。また、クランク型86は、図16や図17に示すように板厚が小さい薄肉部90と板厚が大きい厚肉部92とを備え、図15に示すようにシャフト82が貫通している。このクランク型86は、図15の上下方向(上型80と下型32が配置される方向)に移動可能な状態で、シャフト82やスライドベース84と一体化している。また、各々のクランク型86の間には、図15の上下方向に付勢するバネ40が設けられている。また、クランク型86は、図17に示すように、薄肉部90において内側階層変位ライン26の形成方向の端部に、円周形状のR形状部94を備えている。なお、クランク型86は、本発明における「渡り線部矯正型」の一例である。
なお、上型80と一番上の(最も上型80の近くに配置された)クランク型86との間には、スペーサ96が設けられている。スペーサ96は、成形するコイル20の仕様に応じてその厚みを調整する。これにより、コイル20に加える荷重の大きさを調整することができるので、矯正機構2により様々な仕様のコイル20に対して矯正を行って成形することができる。
〔コイルの矯正方法〕
次に、このような構成の矯正機構2を使用したコイル20の矯正方法について説明する。そこで、まず、コイル20の内側に下型32の入れ子50が挿入されるようにして、コイル20を下型32に配置した後、上型80を下降させて下型32に向かって移動させる。そして、このとき上型80が下降する動作に同期させてスライドベース84をコイル20の内側階層変位ライン26に向かって移動させる。これにより、前記の図15に示すように、4つのクランク型86が各々、コイル20の内側階層変位ライン26に対して積厚方向の両側の位置に一括して挿入される。
なお、スライドベース84の移動を上型80が下降する動作に同期させる手段としては、前記の図6に示すように共にクサビ形状の第1部材64および第2部材66と、戻し用のバネ68(または、エア圧付与手段)とを使用する手段が考えられる。また、前記の図6に示す手段の代わりにサーボ機構などの動力を使用する手段を使用してもよい。
次に、上型80をさらに下降させることにより、上型80から加える荷重を利用してバネ40を収縮させながらクランク型86を下降させる。これにより、図18に示すように、コイル20の矯正が完了する。具体的には、上型80を下降させることにより、コイル20が上型80から下方向に荷重を受ける。このとき同時に、内側階層変位ライン26の長手方向(図18の左右方向)の両端部である第1端部98と第2端部100との間のレーンチェンジ部102を、内側階層変位ライン26に対して積厚方向(配列方向)の両側の位置に配置された2つのクランク型86により挟み込んで保持する。
そして、さらに上型80を下降させることにより、コイル20が上型80から下方向にさらに荷重を受けることにより、コイル20は積厚が小さくなるように矯正される。このとき同時に、上型80が加える荷重は、クランク型86を介して内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102に加わる。そして、クランク型86のR形状部94により内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102の形状がR形状に矯正されながら、クランク型86と内側階層変位ライン26とが下降する。なお、レーンチェンジ部102は、本発明における「中間部」の一例である。
このようにして、内側階層変位ライン26の第1端部98と第2端部100とを隣り合う列に沿うように形成しながら、内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102を隣り合う列に渡って形成されるように、内側階層変位ライン26の形状を矯正する。すなわち、図19に示すように、内側階層変位ライン26の第1端部98を第1列に沿うようにして、内側階層変位ライン26の第2端部100を第2列に沿うようにしながら、内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102にて平角導体10を第1列から第2列に移らせる(レーンチェンジさせる)ようにして、内側階層変位ライン26の形状を矯正する。なお、コイル20の第3列と第4列とを繋ぐ内側階層変位ライン26や、コイル20の第5列と第6列とを繋ぐ内側階層変位ライン26や、コイル20の第7列と第8列とを繋ぐ内側階層変位ライン26も同様に矯正する。なお、図19は、コイル20の矯正後の内側階層変位ライン26の様子を説明するために、コイル20の内周面の内側からコイル20をみたときの模式図である。
このようにして、内側階層変位ライン26は、前記の図8と同様に積厚方向の高さHが平角導体10の厚みの2本分になるように矯正する。ここで、クランク型86の厚みは、上型80から荷重を加えた時に平角導体10が撓む量を見込んだうえで、内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102に対し積厚方向に荷重を加えることができるように十分な大きさとしておく。具体的には、薄肉部90の厚みa2(図16や図17を参照)を上型80から荷重を加えて平角導体10が撓んだ時の内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102の厚みと等しくする。そして、厚肉部92の厚みb2(図16や図17を参照)を薄肉部90の厚みa2の2倍とする((b2)=2×(a2)の式が成立するような寸法にしておく)。
そして、このようにして内側階層変位ライン26の形状の矯正を完了させた後、上型80を上昇させる。このとき、クランク型86はバネ40の力により上型80が上昇する動作と同期しながら上昇する。また、スライドベース84は上型80が上昇する動作と同期しながらコイル20の内側階層変位ライン26から後退し、4つのクランク型86は一括してコイル20の内側階層変位ライン26から後退する。以上のようにして、コイル20の矯正が完了する。
このようにコイル20を矯正することにより、前記の図9、図11、および図19に示すように、コイル20は積厚が減少して理想的な積厚に成形される。具体的には、図19に示すように、矯正後のコイル20は、内側階層変位ライン26の第1端部98が第1列に沿って形成され、内側階層変位ライン26の第2端部100が第2列に沿って形成されている。さらに、矯正後のコイル20は、内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102が第1列と第2列の間でレーンチェンジをしている。その他、第3列と第4列の部分、第5列と第6列の部分、第7列と第8列の部分についても同様である。
〔本実施例の効果〕
本実施例によれば、上型80からクランク型86を介して内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102に対し荷重を加えることにより、第1端部98をコイル20の第1列に沿わせて第2端部100をコイル20の第2列に沿わせ、レーンチェンジ部102をコイル20の第1列から第2列へ移らせるように矯正する。そのため、コイル20を矯正した後において内側階層変位ライン26の形状が安定するので、コイル20の第1列から第2列への内側階層変位ライン26および第2列から第3列への外側階層変位ライン28で発生する傾きを減少させることができる。したがって、コイル20の積厚を減少させることができ、理想の積厚を実現したコイル20を形成することができる。
また、上型80から加える荷重を利用してクランク型86から集中的に内側階層変位ライン26に荷重を加えることができるので、上型80から加える荷重を大幅に低減させることができる。そのため、コイル20を矯正した後において、平角導体10に被覆された絶縁層は維持され、コイル20において絶縁性を確保することができる。
また、クランク型86は、上型80が荷重を加える動作に同期して内側階層変位ライン26に対して配列方向の両側の位置に配置されるので、上型80が荷重を加える動作を利用して内側階層変位ライン26の部分の矯正ができる。そのため、コイル20を矯正する際に、省力化を図ることができる。
また、クランク型86の薄肉部90の厚みは荷重を加えた時のレーンチェンジ部102の厚みと等しく、クランク型86の厚肉部92の厚みは薄肉部90の厚みの2倍である。このように、クランク型86の薄肉部90と厚肉部92の厚みを、コイル20に荷重を加えた時の平角導体10の撓み量を見込んだ厚みとしている。これにより、クランク型86によりレーンチェンジ部102に対して確実に荷重を加えることができる。
また、スライドベース84をコイル20の内側階層変位ライン26に対して前進させることにより、4つのクランク型86をコイル20の内側階層変位ライン26に対して積厚方向の両側の位置に一括して配置することができる。
<実施例3>
次に、実施例3について説明する。以下の説明では、実施例1や実施例2と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
実施例3の矯正機構3は、図20に示すように、実施例1の矯正機構1の構成と実施例2の矯正機構2の構成とを、適宜組み合わせた構成となっている。この矯正機構3は、クランク型86により内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102を挟み込み、かつ、クランク型38により外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72とを挟み込む。
そして、上型80からクランク型86を介して内側階層変位ライン26のレーンチェンジ部102に対し荷重を加えることにより、内側階層変位ライン26の第1端部98をコイル20の第1列に沿わせて内側階層変位ライン26の第2端部100をコイル20の第2列に沿わせ、レーンチェンジ部102をコイル20の第1列から第2列へ移らせるように矯正する。さらに、上型30からクランク型38を介して外側階層変位ライン28の第1端部70と第2端部72に対し荷重を加えることにより、第1端部70をコイル20の第2列に沿わせて第2端部72をコイル20の第3列に沿わせ、レーンチェンジ部74をコイル20の第2列から第3列へ移らせるように矯正する。
この矯正機構3によれば、コイル20を矯正した後において内側階層変位ライン26および外側階層変位ライン28の形状がともに安定するので、コイル20の積厚をさらに減少させることができ、より理想的な積厚を実現したコイル20を形成することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 矯正機構
2 矯正機構
3 矯正機構
10 平角導体
20 コイル
22 コイルエンド
24 コイルエンド
26 内側階層変位ライン
28 外側階層変位ライン
30 上型
32 下型
36 スライドベース
38 クランク型
54 薄肉部
56 厚肉部
70 第1端部
72 第2端部
74 レーンチェンジ部
80 上型
84 スライドベース
86 クランク型
90 薄肉部
92 厚肉部
94 R形状部
98 第1端部
100 第2端部
102 レーンチェンジ部

Claims (8)

  1. 導体を内層と外層の2層に巻いたコイルの矯正方法において、
    前記コイルは、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第1列が形成され、前記導体を前記内層から前記外層に向かって巻いた第2列が形成され、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第3列が形成され、前記導体を隣り合う列の間で繋いだ渡り線部が形成されており、
    前記第1列と前記第2列と前記第3列の配列方向から前記コイルに対して荷重を加えるコイル矯正型により前記コイルを矯正する時に、前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置された渡り線部矯正型により前記渡り線部を挟み込み、前記コイル矯正型から前記渡り線部矯正型を介して前記渡り線部に対し前記荷重を加えることにより、前記渡り線部の第1端部と第2端部とを前記隣り合う列に沿わせ、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部を前記隣り合う列へ移らせるように矯正すること、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  2. 請求項1のコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部矯正型は、前記コイル矯正型が前記荷重を加える動作に同期して前記渡り線部に対して前記配列方向の両側の位置に配置されること、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  3. 請求項1または2のコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部矯正型は、厚肉部と薄肉部とを備え、
    前記薄肉部の厚みは前記荷重を加えた時の前記渡り線部における前記荷重を加える部分の厚みと等しくし、
    前記厚肉部の厚みは前記薄肉部の厚みの2倍とすること、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つのコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部矯正型は、前記渡り線部に対して前進および後退することが可能な可動部に搭載されており、
    前記可動部を前記渡り線部に対して前進させることにより、前記渡り線部矯正型を前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置すること、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つのコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部として、前記導体を前記第2列と前記第3列との間で繋いた外側渡り線部が形成されており、
    前記渡り線部矯正型により前記外側渡り線部の第1端部と第2端部とを挟み込むこと、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1つのコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部として、前記導体を前記第1列と前記第2列との間で繋いた内側渡り線部が形成されており、
    前記渡り線部矯正型により前記内側渡り線部の第1端部と第2端部との間の中間部を挟み込むこと、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1つのコイルの矯正方法において、
    前記渡り線部として、前記導体を前記第1列と前記第2列との間で繋いた内側渡り線部と、前記導体を前記第2列と前記第3列との間で繋いた外側渡り線部とが形成されており、
    前記渡り線部矯正型により、前記内側渡り線部の第1端部と第2端部との間の中間部を挟み込み、かつ、前記外側渡り線部の第1端部と第2端部とを挟み込むこと、
    を特徴とするコイルの矯正方法。
  8. 導体を内層と外層の2層に巻いたコイルの矯正機構において、
    前記コイルは、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第1列が形成され、前記導体を前記内層から前記外層に向かって巻いた第2列が形成され、前記導体を前記外層から前記内層に向かって巻いた第3列が形成され、前記導体を隣り合う列の間で繋いだ渡り線部が形成されており、
    前記第1列と前記第2列と前記第3列の配列方向から前記コイルに対して荷重を加えるコイル矯正型と、
    前記渡り線部に対して前記配列方向の両側に配置される渡り線部矯正型と、を有し、
    前記コイル矯正型により前記コイルを矯正する時に、前記渡り線部矯正型により前記渡り線部を挟み込み、前記コイル矯正型から前記渡り線部矯正型を介して前記渡り線部に対し前記荷重を加えることにより、前記渡り線部の第1端部と第2端部とを前記隣り合う列に沿わせ、前記第1端部と前記第2端部との間の中間部を前記隣り合う列へ移らせるように矯正すること、
    を特徴とするコイルの矯正機構。
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