JP7136111B2 - コイルの製造方法、コイルの製造装置、コイルおよびモータ - Google Patents

コイルの製造方法、コイルの製造装置、コイルおよびモータ Download PDF

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Description

本発明は、コイルの製造方法、コイルの製造装置、コイルおよびモータに関する。
近年、モータの小型化かつ高出力化が求められている。モータの小型化および高出力化を実現するためには、モータのトルク密度を向上させる必要がある。そして、モータのトルク密度を向上させるためには、ステータのスロットにおけるコイルの占積率を高めることが有効である。占積率とは、モータのステータのスロットの断面積に対する、そのスロット内に配置されているコイルの断面積の総計の割合である。
特許文献1には、コイルの占積率を高めるために、断面形状が台形である線材(導線)を用いる点が開示されている。当該線材は、コイルの1ターン分に相当する区域ごとに断面の台形形状が異なる線材である。以下、このように寸法の異なる複数の台形断面を有する線材を「複合台形線」という。特許文献1には、このような線材を台形型に多層多列に巻いた後、ステータ表面に沿ってコイルの外形全体を彎曲させ、実質上扇形の形状とする点が開示されている。
特許第3652348号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、複合台形線を多層多列に巻回したコイルを、どのように断面が実質上扇形のコイルに整形するかについては、明確に開示されていない。
そこで、本発明は、扇形形状の断面形状を有する多層多列の高占積率コイルを、容易かつ適切に製造することができる製造方法、および当該製造方法によって得られたコイルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様のコイルの製造方法は、線材を多層多 列に巻回し、断面形状が台形形状となるコイルを形成する工程と、前記コイルを、複数の分割型に囲まれた成型空間に配置する工程と、前記成型空間を狭める方向に移動させて、前記断面形状を成型する工程と、を含み、前記断面形状を成型する工程では、前記複数の分割型の少なくとも1つを移動させ、前記分割型に形成された面によって、前記断面形状を扇形形状に成型し、前記断面形状を成型する工程では、前記複数の分割型として4つの分割型を用い、前記4つの分割型がそれぞれ有する成型面によって、前記扇形形状を構成する2つの円弧と2つの直線とに対応する面をそれぞれ成型する。
また、本発明の一つの態様のコイルの製造装置は、線材が多層多列に巻回され、断面形状が台形形状となるコイルを形成するための巻き芯部を有する巻回装置と、前記巻回装置によって形成された前記コイルの断面形状を成型する成型装置と、を備え、前記成型装置は、前記巻回装置によって形成された前記コイルが、前記巻き芯部に巻回された状態で配置される成型空間を形成するよう配置された複数の分割型と、前記複数の分割型の少なくとも1つを、前記成型空間を狭める方向に移動する移動機構と、を有し、前記分割型に形成された面によって、前記コイルの断面形状を扇形形状に成型し、相対的に進退移動可能であり、V溝を対向配置した一対のVブロックをさらに備え、前記複数の分割型は、前記一対のVブロックの一方の前記V溝に固定された第1の分割型と、前記一対のVブロックの他方の前記V溝に固定された第2の分割型と、前記一対のVブロックの前記V溝の一方の面とそれぞれ摺接する第3の分割型と、前記一対のVブロックの前記V溝の他方の面とそれぞれ摺接する第4の分割型と、により構成されている。
さらに、本発明の一つの態様のコイルは、上記のコイルの製造方法により製造され、ステータに取り付けられるコイルであって、前記ステータのスロット内における前記コイルの断面形状が扇形形状である。
また、本発明の一つの態様のモータは、所定方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、前記シャフトに固定されたロータと、ステータと、を備え、前記ステータは、環状のコアバックと、前記コアバックから径方向に突出するティースと、前記ティースに巻回されたコイルと、を有し、前記コイルは、上記のコイルである。
本発明の一つの態様によれば、扇形形状の断面形状を有する多層多列の高占積率コイルを、容易かつ適切に製造することができる。また、そのようなコイルを備えるモータは、小型化かつ高出力化が実現されたモータとすることができる。
図1は、本実施形態におけるコイルの構成例である。 図2は、コイルの断面形状を示す図である。 図3は、コイルを構成する線材の一例である。 図4は、コイルの巻回装置の一例を示す全体構成図である。 図5は、巻回装置の第1の治具の構成例である。 図6は、巻回装置の第2の治具の構成例である。 図7は、第2の治具の第1の巻き芯部を示す図である。 図8は、巻き線シーケンスを示す図である。 図9は、1層目の巻回方法を説明するための図である。 図10は、1層目から2層目へ移行方法を説明するための図である。 図11は、2層目の巻回方法を説明するための図である。 図12は、コイルの別の例を示す図である。 図13は、コイルの別の例を示す図である。 図14は、コイルの成型装置の一例を示す全体構成図である。 図15は、分割型の逃げ部を示す図である。 図16は、成型前のコイルを示す図である。 図17は、成型後のコイルを示す図である。 図18は、コイルを固める方法を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1は、本実施形態におけるコイル10の構成例を示す斜視図である。
コイル10は、線材(線状の導線)11が巻き回されることによって形成されている。コイル10は、所定方向に延びる中心軸を中心に回転するモータに用いられるステータコイルである。ここで、当該モータは、例えば自動車、電動自動車、電動アシスト機器、電動飛行機、マルチコプター等の移動体、ロボット等の産業機器、情報記録媒体を回転する情報記録再生機器、家電製品、事務機器、医療機器等の各分野の搭載対象物に搭載可能なモータとすることができる。
なお、本明細書では、便宜上、モータの中心軸の方向を上下方向として説明するが、モータの使用時における姿勢を限定するものではない。また、モータの中心軸の方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸を中心とする径方向および周方向を、単に「径方向」および「周方向」と呼ぶ。
本実施形態におけるコイル10は、1本の導線11を1方向に多層多列に巻き回し、最外周に引き出し線を出す方法により形成されている。本実施形態では、コイル10は、導線11が2層5列(2×5=10ターン)に巻かれ、第1列の外周部と第2列の外周部とから導線11の端部が引き出された構成を有する場合について説明する。
コイル10は、モータのステータコアのスロットに収容されるスロット収容部12と、引き出し線側のコイルエンド部13と、引き出し線とは反対側のコイルエンド部14とを含んで構成される。スロット収容部12およびコイルエンド部14の導線11は、完全整列巻きに巻回され、導線11の交差(乗り移り)は、コイルエンド部13において行われている。
図2は、コイル10をスロット収容部12に設定された切断面Aで切断したときの断面形状を示す図である。この図2は、コイル10が、インナーロータ型モータに用いられた場合について示している。インナーロータ型モータは、所定方向(上下方向)に延びる中心軸を中心とするシャフトと、シャフトに固定されたロータと、ロータの径方向外側に配置されたステータと、を備える。ステータの内周面は、シャフトに固定されたロータマグネットと径方向に間隙を介して対向配置されている。
ステータは、ステータコア20と、コイル10と、を備える。ステータコア20は、環状のコアバック21と、コアバック21から径方向内側に突出する複数のティース22と、を備える。コイル10は、ティース22に巻回されている。図2において、導線11の断面に付与した「1T」「2T」等の符号は、コイル10の巻き順を示す。
この図2に示すように、ステータのスロット内において、コイル10は、扇形形状(略扇形形状を含む。)の断面形状を有する。ここで、スロット内におけるコイル10の断面形状は、ステータのコアバック21とは中心が異なる2つの同心の円弧10a、10bと、当該2つの円弧の端部をそれぞれ結ぶ直線10c、10dと、からなる扇形形状とすることができる。この場合、上記2つの円弧のティース22側端部を結ぶ直線10cは、ティース22の形状に沿った直線となる。つまり、導線11は、ティース22の直線部分に沿って巻回される。
また、導線11の断面形状は、列ごとに異なる。具体的には、導線11の断面形状は、モータの径方向外側に配置される列であるほど、高さが低く、底辺の長さが長い台形形状となっている。なお、導線11の電気抵抗値の大きさは、導線11の断面積が一番小さい部分で決定するが、各列における導線11の断面積は同一であるため、導線11における電気抵抗値を一定にすることができる。
このようなコイル10は、高占積率が実現されたコイルであり、複合台形線を断面形状が台形形状(略台形形状を含む。)となるように巻回したコイルを、断面形状が扇形形状となるように成型することにより得られる。
図3(a)は、複合台形線の一例を示す図である。図3(a)に示すように、複合台形線である導線11は、両端部にコイルの引き出し線となる区域(引出線部)を有する。引出線部に挟まれた中央部は、コイル10の一巻き分の長さに対応した巻対応区域が、連続してターン数分形成された区域となる。複数の巻対応区域は、それぞれ台形形状の断面を有し、当該台形形状は、巻対応区域毎に寸法が異なる。
図3(b)は、巻き数1T番目および2T番目に対応する巻対応区域(台形1部)の断面形状である。図3(c)は、巻き数3T番目および10T番目に対応する巻対応区域(台形2部)の断面形状である。図3(d)は、巻き数4T番目および9T番目に対応する巻対応区域(台形3部)の断面形状である。図3(e)は、巻き数5T番目および8T番目に対応する巻対応区域(台形4部)の断面形状である。図3(f)は、巻き数6T番目および7T番目に対応する巻対応区域(台形5部)の断面形状である。なお、図3(b)~図3(f)の縮尺は同一である。
このように、本実施形態において、導線11は、5パターンの台形断面を有する線材である。
なお、引出線部の断面形状は、円形状や矩形状など任意の形状であってよい。例えば、引出線部の断面形状は、複合台形線に加工する前の素線の断面形状とすることができる。当該素線としては、例えば、直径1mm程度の丸線を用いることができる。また、導線11の全長は、ステータのスロット形状やコイル10のターン数等に応じて適宜設定することができる。例えば、コイル10が、12スロットのステータに配置される10ターンコイルである場合、導線11の全長は780mm程度とすることができる。
さらに、特に図示しないが、引出線部と台形部との間や、台形部と台形部との間など、断面形状が変化する部分には、それぞれ断面形状が徐々に変化する長さ1mm~2mm程度の接続部が設けられていてもよい。
また、複合台形線は、図3(a)~図3(f)に示す形状に限定されない。例えば、各巻対応区域が、台形形状の断面を有する第1区域と、矩形状の断面を有する第2区域と、をそれぞれ備えていてもよい。ここで、第1区域は、コイル10のスロット収容部12に対応する区域であり、第2区域は、コイル10のコイルエンド部13、14に対応する区域である。第2区域における矩形状は、各巻対応区域において同一形状とすることができる。
この場合、コイルエンド部13、14のコイル断面は矩形状となる。コイルエンド部13、14の断面形状を矩形状にするメリットは、コイルエンドの高さを抑えることができることと、巻回時に導線11が傾きにくくなるためコイル形成が容易になることである。
次に、本実施形態におけるコイル10の製造方法について具体的に説明する。
コイル10は、導線11を多層多列に巻回し、断面形状が台形形状となるコイル10Aを形成する巻回装置と、巻回装置によって形成されたコイル10Aの断面形状を扇形形状に成型する成型装置と、によって製造される。
図4は、扇形成型前のコイル10Aを形成するための巻回装置100の構成を示す図である。
巻回装置100は、第1の治具110と、第2の治具120と、第3の治具130と、を備える。第1の治具110は、図5に示すように、本体部111と、第1の巻き芯部112と、第2の巻き芯部113と、を備える。図5における上下方向は、図4のY方向に対応している。
本体部111には、導線11における巻き始め端部が配置される凹部114が設けられている。第1の巻き芯部112は、コイル10Aの第1列を最外周から最内周まで順に螺旋状に巻回するための階段状のステップ部である。第2の巻き芯部113は、コイル10Aの第2列以降の各層を巻回するための部材である。Y方向から見た第2の巻き芯部113の外形は、コイル10が巻回されるティース22の径方向から見た形状と同等に形成されている。
本実施形態では、コイル10Aは、2層コイルである。そのため、第1の巻き芯部112は、第2の巻き芯部113よりも1段外形の大きいステップ部により構成される。
第2の巻き芯部113は、例えば金属により構成されており、本体部111に対して着脱可能に構成されている。
コイル10Aを形成する際には、導線11は、図5の矢印で示すように、まず本体部111の凹部114から第1の巻き芯部112に巻き付けられ、続いて第2の巻き芯部113に巻き付けられる。これにより、コイル10Aの第1列が形成される。その後、導線11は、そのまま第2の巻き芯部113に螺旋状に巻き付けられる。これにより、コイル10Aの第2列以降の最内周が形成される。つまり、ここまでの工程で、コイル10Aの1T番目から6T番目までの巻き線を形成することができる。
また、本体部111および第1の巻き芯部112における第2の巻き芯部113側の面(図5では上面)は、渦巻状でかつ周方向に沿って傾斜した面を構成している。そのため、導線11を容易かつ適切に螺旋状に巻回することが可能となる。
第2の治具120は、図6に示すように、本体部121に、第1の治具110の第2の巻き芯部113と嵌合可能な貫通孔122が形成された構成を有する。ここで、図6における上下方向は、図4のY方向に対応している。本体部121には、Y方向に対して直交する方向にねじ孔123が設けられている。第2の治具120は、第2の巻き芯部113に嵌合された状態で、ねじ孔123に挿入されるねじ(不図示)によって、第2の巻き芯部113にねじ止め可能である。
また、本体部121のY方向における一方の端面(図6では上面)には、貫通孔122近傍に凸部124が設けられている。第2の治具120は、図7に示すように、凸部124が設けられた端面を、第1の治具110の本体部111に対向させる向きで、第2の巻き芯部113に嵌合され、ねじ止めされる。
第1の治具110および第2の治具120は、図4に示すように、第3の治具130に対してZ方向の一方の側(図4では上側)に配置されている。これら第1の治具110および第2の治具120は、Y方向の軸を中心とした回転と、Y方向(回転軸方向)の往復移動とが可能に構成されている。また、第1の治具110および第2の治具120は、X方向の往復移動が可能に構成されていてもよい。第1の治具110および第2の治具120の上記の回転および移動は、不図示の回転移動機構により行われる。
第3の治具130は、第1の治具110および第2の治具120の所定の巻回位置に導線11を供給する線材供給機構である。第3の治具130は、導線11を押し曲げるための受け部131と、導線11を第1の治具110の所定の巻回位置に案内するためのガイド部132と、導線11に張力を与えるための保持部133と、を備える。受け部131およびガイド部132は、X方向に沿って延在している。
ただし、第3の治具130の構成は、上記に限定されるものではない。例えば、導線11が比較的太い場合には、導線11を押し当てることで曲げやすくなるため、受け部131を設けることが望ましい。また、導線11が比較的細い場合には、導線11に張力を与えた状態で巻くことができるため、保持部133を設けることが望ましい。
図8は、巻き線シーケンスを示す図である。
まず、巻回装置100は、導線11を第1の治具110の凹部114に配置し、第1の治具110および第2の治具120をY方向の軸を中心に回転させ、1T番目を2T番目よりも一段低い位置から巻き始める。このとき、巻回装置100は、導線11を第1の治具110の第1の巻き芯部112に巻く。これにより、図9に示すように、巻き始めとなる導線11aは、コイル外周部に出される。
そして、2T番目から6T番目までは、巻回装置100は、第1の治具110および第2の治具120を回転させながらY方向に移動し、導線11を、第1の治具110の第2の巻き芯部113に螺旋状に巻き付けていく。これにより、図10に示すように、2T番目の巻き線11bから6T番目の巻き線11cが形成される。
次に、巻回装置100は、1層目(1段目)の巻き線から2層目(2段目)の巻き線に移行する。このとき、巻回装置100は、1段目の最終ターンである6T番目の巻き線11cの直上に重ねて2段目の開始ターンである7T番目の巻き線を巻き始める。つまり、コイル10Aの軸方向端部において巻線方向が反転し、6T番目から7T番目へ移行するコイルエンド部11dは、5T番目から6T番目へ移行するコイルエンド部と交差する。この導線11の乗り移りにより、層間に間隙11eが形成される。
そこで、本実施形態では、巻回装置100は、上記間隙11eに、第2の治具120に設けられた凸部124を挿入させて導線11を巻回する。こうして、1段目の巻き線から2段目の巻き線にスムーズに移行させるようにする。このように、間隙11eに凸部124を挿入して巻回することで、導線11が当該間隙11eに落ち込んでずれてしまうことを抑制し、適切に導線11を巻き付けることができる。
2段目においては、図11に示すように、7T番目の巻き線11fは、6T番目の巻き線11cの直上に位置するように巻回される。その後は、巻回装置100は、8T番目から10T番目まで、第1の治具110および第2の治具120を回転させながらY方向に移動し、1段目の巻き線(5T番目から3T番目)の直上にそれぞれ巻き付けていく。このように、巻回装置100は、第1の治具110および第2の治具120を回転させながらY方向に往復移動させることで、1本の導線11を1方向に多層多列に巻回する。
これにより、図8に示すように、断面形状が台形形状のコイル10A(扇形成型前のコイル)が形成される。このコイル10Aは、第1列の最外周から巻き始めの導線11aが引き出され、第2列の最外周から巻き終わりの導線11gが引き出された構成となる。
なお、本実施形態では、10ターン(2層5列)のコイル10Aを形成する場合について説明したが、ターン数は上記に限定されるものではない。例えば、図12に示すように、15ターン(3層5列)のコイル10Bを形成することもできる。また、図13に示すように、12ターン(3層4列)のコイル10Cを形成することもできる。
さらに、3層コイルを形成する場合、図13に示すように、中央部に巻きスペーサ141および142を挿入するようにしてもよい。この場合、巻きスペーサ141には、第1の治具110の第1の巻き芯部112と同様に、階段状のステップ部を設ける。また、巻きスペーサ142には、第2の治具120の凸部124と同様に、導線11を1段目から2段目にスムーズに移行させるためのステップ部(凸部)を設ける。
次に、巻回装置100によって形成されたコイル10Aの断面形状を扇形形状に成型する成型装置について説明する。
図14は、コイル10Aを成型するための成型装置200の構成を示す図である。なお、この図14は、台形断面のコイル10Aが扇形断面のコイル10に成型された状態を示している。
成型装置200は、相対的に進退移動可能な一対のVブロック201、202と、複数(本実施形態では、4つ)の分割型203a~203dと、を備える。一対のVブロック201、202は、V溝201a、202aを対向させて配置されている。また、4つの分割型203a~203dは、成型前のコイル10Aが、巻き芯部113に巻回された状態で配置される成型空間を形成するよう配置されている。
4つの分割型203a~203dのうち、第1の分割型203aは、Vブロック201の一方のV溝201aに固定され、第2の分割型203bは、Vブロック202の他方のV溝202aに固定されている。また、第3の分割型203cは、V溝201a、202aの一方の面とそれぞれ摺接し、第4の分割型203dは、V溝201a、202aの他方の面とそれぞれ摺接している。
Vブロック201、202は、ボルト止め治具221によって互いに接近する方向にプレス荷重がかけられ、スペーサ222を介して固定される。スペーサ222は、Vブロック201、202の接近方向への移動を規制し、4つの分割型同士が互いに接触しないようにするための規制部材である。
スペーサ222は、Vブロック201および202の間に配置される平板部材であり、Vブロック201および202のいずれか一方に固定されている。Vブロック201および202が互いに接近する方向に移動し、Vブロック201および202の他方がスペーサ222に当接することで、両者の接近方向への移動が規制される。
第1の分割型203aおよび第2の分割型203bは、コイル10の断面形状となる扇形形状を構成する円弧に対応する面(円弧面)を成型する成型面をそれぞれ有する。また、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dは、コイル10の断面形状となる扇形形状を構成する直線に対応する面(平面)を成型する成型面をそれぞれ有する。
例えば、Vブロック202を固定し、ボルト止め治具221によってVブロック201の上方からプレス荷重を印加すると、Vブロック201に固定された第1の分割型203aは、図14における下方向に動き、コイル10Aの上面を押す。また、Vブロック202に固定された第2の分割型203bは、コイル10Aの下面を押す。このとき、第3の分割型203cは、V溝201a、202aを摺動し、コイル10Aの左側面を押す方向に動く。また、第4の分割型203dも同様に、コイル10Aの右側面を押す方向に動く。
このように、1方向からのプレス荷重により、4つの分割型203a~203dを4方向からコイル10Aに当てることができる。そのため、1工程で台形断面のコイル10Aを扇形断面のコイル10に成型することができる。
また、第1の分割型203aおよび第2の分割型203bの成型面は、それぞれコイル10Aにおける導線11が完全整列巻きに巻回された領域、すなわちスロット収容部12およびコイルエンド部14と接触するよう構成されているものとする。
上述したように、コイル10Aの引き出し線側のコイルエンド部13は、導線11が整列巻きにならない。そのため、このコイルエンド部13に上下左右から圧力をかけると、各導線11に均等に圧力がかからず、導線11の一部が他の導線11にめり込み、絶縁不良を起こす懸念がある。
そこで、本実施形態では、図15に示すように、第1の分割型203aおよび第2の分割型203bにおけるコイル10Aと対向する面に、逃げ部211および212を設ける。そして、点線で示す完全整列巻きされたコイル領域213のみに上下左右から均等な圧力をかけ、当該領域213を扇形に成型するようにする。このように、完全整列巻きとならない領域を避けて分割型による成型加工を行う。これにより、上述したような導線11のめり込みに起因する絶縁不良の発生を回避することができる。
次に、扇形成型工程のプロセスについて説明する。
巻回装置100によりコイル10Aを形成した後、コイル10Aを巻き芯部113から抜き取ると、コイル10Aがばらけるおそれがある。そのため、巻回後は、図16に示すように、コイル10Aを巻き芯部113に巻かれた状態で巻回装置100から取り外し、成型装置200にセットする。なお、図16では、成型装置200の主要部材のみを示している。
第1の分割型203aおよび第2の分割型203bには、それぞれ巻き芯部113の端部が嵌合可能な貫通孔204aおよび204bが形成されている。巻き芯部113に巻かれた状態のコイル10Aは、巻き芯部113の両端部がそれぞれ貫通孔204a、204bに嵌合されることで、成型装置200に形成された成型空間に配置される。
コイル10Aが成型空間に配置されると、上述したように、ボルト止め治具221を用いて一対のVブロック201、202が接近する方向に荷重をかけ、4つの分割型203a~203dを成型空間が狭まる方向に移動する。ボルト止め治具221は、図15に示すように、Vブロック201、202および分割型203a~203dの外部に配置されたボルトを備え、当該ボルトを締めることでVブロック201、202に対して上記荷重をかけることができる。これにより、図14に示すように、断面形状が扇形形状に成型されたコイル10が形成される。なお、ボルトの本数や配置位置は、適宜設定可能である。
その後、扇形に成型されたコイル10がばらけてしまうことを防止するために、コイル10を固めるための固定工程を行う。コイル10を固める方法としては、自己融着線と呼ばれるエナメル線を用い、熱をかけてコイル線同士を融着する方法を用いることができる。このコイル10を固める工程では、図14に示すようにボルト止め治具221によりVブロック201、202を固定したまま、コイル10に熱をかける。このように、本実施形態では、成型後、コイル10を固めるために熱をかける。そのため、プレス機ではなくボルト止め治具221を用いて荷重をかけるようにしている。
コイル10を固めた後は、ボルト止め治具221によるプレス荷重を解除し、図17に示すように、巻き芯部113ごとコイル10を取り出す。
なお、コイル10を固める方法は、上記に限定されるものではない。上述した自己融着線を用いる方法では、自己融着線の融着層の厚さの分だけ占積率が落ちるため、接着剤によりコイル10を固めるようにしてもよい。この場合、巻回工程において、図18の点線で示すコイル内部領域にシリコーン接着剤15を少量塗布しておき、扇形成型工程において扇形に成型した後に、上記のシリコーン接着剤15を硬化させるようにする。巻回工程では、7T番目の巻き線を形成した後、1段目の巻き線の外周面にシリコーン接着剤を塗布すればよい。これにより、更に占積率を上げることができる。
以上のように、本実施形態では、巻回工程、扇形成型工程および固定工程を経て、複合台形線を用いた断面扇形のコイル10が製造される。巻回工程では、導線11を多層多列に巻回し、断面形状が台形形状となるコイル10Aを形成する。扇形成型工程では、コイル10Aを複数の分割型に囲まれた成型空間に配置し、1方向からプレス荷重を印加して、複数の分割型の少なくとも1つを、成型空間を狭める方向に移動させて、コイル10Aの断面形状を扇形形状に成型する。このように、本実施形態では、複数の分割型を用いた成型加工によって、扇形形状の断面形状を有する高占積率コイルを製造することができる。
また、巻回工程では、1本の導線11を1方向に多層多列に巻回し、引き出し線を最外周に配置するようにする。このとき、導線11の交差(乗り移り)は、引き出し線側のコイルエンド部13において行うようにし、少なくともスロット収容部12は完全整列巻きとする。
この巻回工程において使用する巻回装置100は、巻き芯部を構成する第1の治具110および第2の治具120を回転させながら回転軸方向に往復移動させる回転移動機構と、巻き芯部の所定の巻回位置に導線11を供給する線材供給機構と、を備える。また、第1の治具110は、導線11における巻き始め端部が配置される凹部114と、コイル10Aの第1列を最外周から最内周まで順に巻回するための階段状の第1の巻き芯部112と、コイル10Aの第2列以降の各層を巻回するための第2の巻き芯部113と、を備える。
つまり、巻回装置100は、まずコイル10Aの第1列を形成する。次に、巻回装置100は、第2列以降の最内周の層(第1層)を形成する。このとき、巻回装置100は、第1の治具110および第2の治具120を回転させながら回転軸方向に移動させ、第2列以降の第1層を第2の巻き芯部113に螺旋状に巻き付けていく。そして、巻回装置100は、巻線位置がコイル10Aの軸方向端部に対応する位置に到達すると、第1の治具110および第2の治具120の回転軸方向の移動を反転させ、第2列以降の第2層を第2の巻き芯部113に螺旋状に巻き付けていく。その後は、第2列以降の最外周の層が形成されるまで、上記の操作を繰り返す。
このような構成により、巻回装置100は、1工程で、巻き始め部と巻き終わり部とをコイルの外周部に引き出したシリアル巻のコイル10Aを形成することができる。
また、巻回装置100は、コイル10Aの軸方向端部に対応する位置に、コイル10Aの層間に生じ得る間隙11eに挿入可能な凸部124を備える。そして、巻回装置100は、コイル10Aの軸方向端部において、上記間隙11eに凸部124を挿入させて導線11を巻回するようにする。したがって、1層目の巻き線から2層目の巻き線にスムーズに移行させることができ、適切に巻線方向を反転させることができる。
さらに、扇形成型工程では、4つの分割型203a~203dがそれぞれ有する成型面によって、コイル10の断面形状となる扇形形状を構成する2つの円弧と2つの直線とに対応する面をそれぞれ成型する。したがって、コイル10の被成型面は、段差のない精度の良い面となる。
また、この扇形成型工程では、コイル10Aに対して、巻き芯部113と4つの分割型203a~203dとによって均等な圧力をかけることができる。例えば、巻き芯と上下の分割型のみによりコイルを成型しようとした場合、多層多列のコイル成型を適切に行うことはできず、多層1列か1層多列のコイル成型にしか対応することができない。本実施形態では、巻き芯部113と4つの分割型203a~203dとを用いることで、多層多列のコイル成型を適切に行うことができる。
扇形成型工程において使用する成型装置200は、一対のVブロック201、202と、4つの分割型203a~203dと、4つの分割型203a~203dを、成型空間を狭める方向に移動する移動機構としてのボルト止め治具221と、を備える。ここで、第1の分割型203aは、Vブロック201のV溝201aに固定され、第2の分割型203bは、Vブロック202のV溝202aに固定されている。また、第3の分割型203cは、V溝201a、202aの一方の面とそれぞれ摺接し、第4の分割型203dは、V溝201a、202aの他方の面とそれぞれ摺接している。
このような構成により、Vブロック201、202が互いに接近させる方向に移動された場合、Vブロック201、202の移動に連動して、4つの分割型203a~203dを、成型空間を狭める方向に移動させることができる。つまり、1方向からのプレス荷重によって、コイル10Aに対して4方向からそれぞれ4つの分割型203a~203dを当てることができる。そのため、1工程で断面扇形のコイル10を適切に成型することができる。また、Vブロック201、202のV溝201a、202aを基準面として4つの分割型203a~203dを配置することができるので、精度良くコイル10を成型することができる。
さらに、第1の分割型203aおよび第2の分割型203bは、コイル10Aと対向する面に、それぞれコイル10Aと接触しない逃げ部211および212を有する。そして、第1の分割型203aおよび第2の分割型203bの成型面は、コイル10Aにおける導線11が完全整列巻きに巻回された領域と接触するようになっている。
つまり、成型装置200は、コイル10Aの完全整列巻きした部分を断面台形から断面扇形に成型する。本実施形態では、引き出し線側のコイルエンド部13が完全整列巻きとならない領域であるため、成型装置200は、当該コイルエンド部13を避けて分割型による成型加工を行う。これにより、コイルエンド部13におけるコイル線のめり込みを回避し、絶縁不良の発生といった不具合を回避することができる。
また、成型装置200は、一対のVブロック201、202の接近方向への移動を規制する規制部材であるスペーサ222を備え、一対のVブロック201、202が所定距離よりも近づかないように規制することもできる。これにより、成型空間を狭める方向に移動された分割型同士が接触しないようにすることができる。成型空間を狭める方向に移動された分割型間の最接近距離は、例えば50μmである。
その結果、分割型同士の対向する面における公差を緩和することができる。また、分割型同士の意図しない接触に起因して、他の分割型間に不所望な間隙が形成されてしまうことを抑制することができるので、精度良く所望の形状を有するコイルを成型することができる。
また、本実施形態では、巻回工程から扇形成型工程への移行に際し、巻回工程後、巻回装置100からコイル10Aを巻き芯部113ごと外して成型装置200にセットし、扇形成型工程を行う。このように、巻き芯部113を独立部品として、巻回工程と扇形成型工程の両方で使用する。これにより、巻き芯からコイル10Aを抜かずに扇形成型工程に移行できるため、コイル10Aがばらけてしまうことを防止することができる。
さらに、巻き芯部113は、金属により構成された部品とするため、例えば巻き芯部を3D樹脂造形により作製した場合のように、導線11を巻回した際に巻き芯部に導線11が食い込んで抜けなくなるといった問題を回避することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、巻回装置100は、第1の治具110および第2の治具120をY方向の軸を中心に回転させて導線11を巻回する、所謂軸回し方式を用いる場合について説明した。しかしながら、導線11の巻回方法は上記に限定されるものではなく、例えば、導線11の保持側である第3の治具130側を回転させて導線11を巻回する、所謂フライヤー方式を用いてもよい。
また、成型装置200において、第1の分割型203aは、一方のVブロック201と一体形成されていてもよい。同様に、第2の分割型203bは、他方のVブロック202と一体形成されていてもよい。この場合、例えば温度変化等の影響により両者のずれが生じることを防止することができる。そのため、精度良く所望の形状を有するコイル10を成型することができる。
さらに、成型装置200は、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dを、それぞれ成型空間を拡げる方向に付勢する付勢部材をさらに備えていてもよい。例えば、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dを、それぞれ図14の左右方向に対応する方向にスライド移動可能なスライダーに固定し、当該スライダーに上記付勢部材の一端を固定するようにしてもよい。この場合、付勢部材の他端は、Vブロック201および202のいずれか一方、もしくは、Vブロック201および202のいずれか一方と連結された他の部材に固定することができる。
このような構成により、一対のVブロック201、202が互いに離間する方向に移動した場合、Vブロック201、202の移動に連動して、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dを付勢部材によって互いに離間する方向へ移動させることができる。そのため、成型後のコイル10の取り出しが容易となる。
また、成型装置200は、複数の分割型203a~203dのうち、少なくとも2つ以上の移動する移動対象金型において、当該移動対象金型のそれぞれを、異なる速度で成型空間を狭める方向に移動させる構成であってもよい。つまり、成型装置200は、分割型の成型面をコイル10Aに当接させるタイミングがそれぞれ異なるように構成されていてもよい。
例えば、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dを、それぞれ図14の左右方向に対応する方向にスライド移動可能なスライダーに固定する。そして、Vブロック201を図14の下方向に対応する方向へ移動した際、上記スライダーに設けられたカム面と、Vブロック201もしくはVブロック201に連結された他の部材に設けられたカム面とを係合させ、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dが互いに接近するよう上記スライダーを移動させるようにする。このとき、カム面の傾斜角を適宜設定することで、Vブロック201の移動速度(第1の分割型203aの移動速度)と、第3の分割型203cおよび第4の分割型203dの移動速度とを異なる速度とすることができる。
このように、分割型の成型面をコイル10Aに当接させるタイミングを調整することで、精度良く所望の形状を有するコイル10を成型することができる。
また、上記実施形態においては、成型装置200は、一対のVブロックと4つの分割型とを備える場合について説明したが、成型装置200の構成は上記に限定されるものではない。成型装置200は、巻回装置100によって形成されたコイル10Aが、巻き芯部113に巻回された状態で配置される成型空間を形成するよう配置された複数の分割型と、複数の分割型の少なくとも1つを、成型空間を狭める方向に移動する移動機構と、を備えていればよい。
例えば、成型装置200は、相対的に進退移動可能な一対の分割型を備え、当該一対の分割型の少なくとも一方が、複数の部品に分解可能に構成されていてもよい。つまり、成型装置200は、コイル10の断面形状を所望の形状に成型することができ、かつ成型加工後のコイル10を、分割型から容易に取り外すことができる構成であればよい。
10…コイル、10A…コイル(成型前)、11…線材(導線)、20…ステータコア、21…コアバック、22…ティース、100…巻回装置、110…第1の治具、112…第1の巻き芯部、113…第2の巻き芯部、114…凹部、120…第2の治具、124…凸部、130…第3の治具、200…成型装置、201…Vブロック、202…Vブロック、203a~203d…分割型、221…ボルト止め治具、222…スペーサ

Claims (18)

  1. 線材を多層多列に巻回し、断面形状が台形形状となるコイルを形成する工程と、
    前記コイルを、複数の分割型に囲まれた成型空間に配置する工程と、
    前記成型空間を狭める方向に移動させて、前記断面形状を成型する工程と、を含み、
    前記断面形状を成型する工程では、
    前記複数の分割型の少なくとも1つを移動させ、
    前記分割型に形成された面によって、前記断面形状を扇形形状に成型し、
    前記断面形状を成型する工程では、
    前記複数の分割型として4つの分割型を用い、
    前記4つの分割型がそれぞれ有する成型面によって、前記扇形形状を構成する2つの円弧と2つの直線とに対応する面をそれぞれ成型することを特徴とする、
    コイルの製造方法。
  2. 前記コイルを形成する工程では、
    1本の前記線材を多層多列に巻回することを特徴とする請求項1に記載のコイルの製造方法。
  3. 前記コイルを形成する工程では、
    前記1本の線材を1方向に多層多列に巻回し、引き出し線を最外周に配置することを特徴とする請求項2に記載のコイルの製造方法。
  4. 前記断面形状を成型する工程では、
    前記コイルにおける前記線材が完全整列巻きに巻回された領域の断面形状を、前記扇形形状に成型することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  5. 前記断面形状を成型する工程では、
    1方向からプレス荷重を印加し、前記成型空間を狭める方向に前記複数の分割型の少なくとも1つを移動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  6. 前記断面形状を成型する工程では、
    前記分割型のうち少なくとも2つ以上の移動する移動対象金型において、当該移動対象金型のそれぞれを、異なる速度で前記成型空間を狭める方向に移動させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  7. 線材が多層多列に巻回され、断面形状が台形形状となるコイルを形成するための巻き芯部を有する巻回装置と、
    前記巻回装置によって形成された前記コイルの断面形状を成型する成型装置と、を備え、
    前記成型装置は、
    前記巻回装置によって形成された前記コイルが、前記巻き芯部に巻回された状態で配置される成型空間を形成するよう配置された複数の分割型と、
    前記複数の分割型の少なくとも1つを、前記成型空間を狭める方向に移動する移動機構と、を有し、
    前記分割型に形成された面によって、前記コイルの断面形状を扇形形状に成型し、
    相対的に進退移動可能であり、V溝を対向配置した一対のVブロックをさらに備え、
    前記複数の分割型は、
    前記一対のVブロックの一方の前記V溝に固定された第1の分割型と、
    前記一対のVブロックの他方の前記V溝に固定された第2の分割型と、
    前記一対のVブロックの前記V溝の一方の面とそれぞれ摺接する第3の分割型と、
    前記一対のVブロックの前記V溝の他方の面とそれぞれ摺接する第4の分割型と、により構成されていることを特徴とする
    コイルの製造装置。
  8. 前記一対のVブロックの一方と前記第1の分割型とが一体形成され、
    前記一対のVブロックの他方と前記第2の分割型とが一体形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコイルの製造装置。
  9. 前記第1の分割型および前記第2の分割型は、前記扇形形状を構成する円弧に対応する円弧面を成型する成型面をそれぞれ有し、
    前記成型面は、前記コイルにおける前記線材が完全整列巻きに巻回された領域と接触することを特徴とする請求項7または8に記載のコイルの製造装置。
  10. 前記成型装置は、
    前記第3の分割型および前記第4の分割型を、それぞれ前記成型空間を拡げる方向に付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のコイルの製造装置。
  11. 前記成型装置は、
    前記一対のVブロックの接近方向への移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のコイルの製造装置。
  12. 前記複数の分割型は、相対的に進退移動可能な一対の分割型であり、
    前記一対の分割型の少なくとも一方は、複数の部品に分解可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載のコイルの製造装置。
  13. 前記巻回装置は、
    前記巻き芯部を回転させながら回転軸方向に往復移動させる回転移動機構と、
    前記巻き芯部の所定の巻回位置に前記線材を供給する線材供給機構と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項に記載のコイルの製造装置。
  14. 前記巻き芯部は、
    前記線材における巻き始め端部が配置される凹部と、
    前記コイルの第1列を最外周から最内周まで順に巻回するための階段状の第1の巻き芯部と、
    第2列以降の各層を巻回するための第2の巻き芯部と、を備えることを特徴とする請求項13に記載のコイルの製造装置。
  15. 前記巻き芯部は、前記コイルの軸方向端部に対応する位置に、前記コイルの層間に生じ
    得る間隙に挿入可能な凸部をさらに備えることを特徴とする請求項13または14に記載のコイルの製造装置。
  16. 請求項1から6のいずれか1項に記載のコイルの製造方法により製造され、ステータに取り付けられるコイルであって、
    前記ステータのスロット内における前記コイルの断面形状が扇形形状であることを特徴とするコイル。
  17. 前記スロット内における前記コイルの断面形状が、
    前記ステータのコアバックとは中心が異なる2つの同心の円弧と、当該2つの円弧の端部をそれぞれ結ぶ直線と、からなる扇形形状であり、
    上記2つの円弧のティース側端部を結ぶ直線が、ティースの形状に沿った直線であることを特徴とする請求項16に記載のコイル
  18. 所定方向に延びる中心軸を中心とするシャフトと、
    前記シャフトに固定されたロータと、
    ステータと、を備え、
    前記ステータは、
    環状のコアバックと、
    前記コアバックから径方向に突出するティースと、
    前記ティースに巻回されたコイルと、
    を有し、
    前記コイルは、請求項16または17に記載のコイルであることを特徴とするモータ。
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