JP2014100008A - 巻線装置及び巻線方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能な巻線装置及び巻線方法を提供する。
【解決手段】平角導体30をエッジワイズ曲げ加工することでコイルの曲げ部30aを形成する巻線装置において、平角導体30との接触部に凹凸形状を有し、平角導体30に曲げ部30aを形成するのと同時またはその後に曲げ部30aに凸部を形成する治具18、20を備えることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、コイルを形成する巻線装置及び巻線方法に関する。
近年、車載のモータに用いられるコイルとして、小型でかつ高性能なものが求められている。このような要求を満たすために、平角導体を用いることにより占積率を高めるとともに、渦電流損を低減した2層巻のエッジワイズコイルが開発されている。
しかしながら、2層巻のエッジワイズコイルの巻線工程においては、偶数ターンの巻回時に同列に位置する奇数ターンと当該偶数ターンとの間に巻線治具を入れる必要がある。このため、図14(a)に示す理想的な断面形状と比較して、これらの巻線間に図14(b)に示すような隙間が生じ、結果としてコイル全体が塑性変形してばね状に伸びた形となってしまう。
このばね状に伸びたコイルは、インシュレータ(例えば、特許文献1(図3及び図4)参照)によって矯正されるが、コイルが線径の大きな平角導体からなる場合には、インシュレータに大きな負荷が掛かり、コイルを抑えきれなくなる虞がある。
そこで、平角導体に凹凸状の保持部を形成することで、平角導体同士の接触力を増加させてコイル全体がばね状に伸びることを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−182573号公報 特開2001−359250号公報
しかしながら、特許文献2に開示された方法では、平角導体に凹凸状の保持部を形成する際に、平角導体が塑性変形により加工硬化するため、その後の巻線工程に支障を来すこととなってしまう。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能な巻線方法及び巻線装置を提供することを目的とする。
本発明に係る巻線装置は、上記目的達成のため、(1)平角導体をエッジワイズ曲げ加工することでコイルの曲げ部を形成する巻線装置において、前記平角導体との接触部に凹凸形状を有し、前記平角導体に前記曲げ部を形成するのと同時またはその後に前記曲げ部に凸部を形成する治具を備えることを特徴とする構成を有している。
この構成により、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となる。
本発明に係る巻線方法は、上記目的達成のため、(2)平角導体をエッジワイズ曲げ加工することでコイルの曲げ部を形成する巻線方法において、前記平角導体との接触部に凹凸形状を有する治具を用いて、前記平角導体に前記曲げ部を形成するのと同時またはその後に前記曲げ部に凸部を形成することを特徴とする構成を有している。
この構成により、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となる。
本発明によれば、平角導体に曲げ部を形成するのと同時またはその後に曲げ部に凸部を形成するので、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能な巻線装置及び巻線方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る巻線装置の構成を示す概略図である。 曲げ加工部の構成を示す図1のA−A断面図である。 第1の実施の形態に係り、コイルの巻回順序を説明するための概念図である。 平角導体の1番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げした状態を表した模式平面図である。 曲げ治具が平角導体を解放して原点復帰した状態を表した模式平面図である。 平角導体を送り機構によって送った状態を表した模式平面図である。 平角導体の2番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げした状態を表した模式平面図である。 平角導体の4番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げした状態を表した模式平面図である。 2ターン目の途中まで巻回された状態のコイルの構成を示す模式平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係り、平角導体の1番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げする途中の工程を表した模式平面図である。 図12の後工程であり、平角導体の1番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げした状態を表した模式平面図である。 第2の実施の形態に係り、2ターン目の途中まで巻回された状態のコイルの構成を示す模式平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係り、平角導体の1番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げした状態を表した模式平面図である。 (a)は2層巻のエッジワイズコイルの理想的な断面形状を示す模式断面図、(b)は巻線間に隙間が生じた2層巻のエッジワイズコイルの断面形状を示す模式断面図である。
以下、本発明に係る巻線装置及び巻線方法の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図面上の各構成の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
まず、本発明に係る第1の実施の形態の巻線装置10の構成について説明する。
図1に示すように、巻線装置10は、平角導体30が巻回されたボビンを保持するアンコイラ11と、平角導体30をボビンから引き出して送る送り機構12と、平角導体30が動かないように保持するクランプ機構13と、平角導体30に対してエッジワイズ曲げを行う曲げ加工部14と、を主に備える。曲げ加工部14には、該曲げ加工部14を構成している後述する往復回動体19をギア伝達により90度往復回動させる往復回動駆動機構15が隣接して設けられている。
送り機構12は、アンコイラ11から一定長さの平角導体30を正確に引き出すことができるように、往復運動が可能に構成された機構が採用される。送り機構12は、公知なので図示しないが、例えば、ボールネジ軸及びこれに平行である直線ガイドと、ボールネジ軸に螺合してナットランナを有し直線ガイドに案内されて往復移動するテーブルと、ボールネジ軸を往復回動するサーボモータと、テーブルに設けられ平角導体30をクランプするクランプと、を備え、平角導体30をクランプした後、テーブルを往動して曲げ加工部14側に高精度に所定距離送り、クランプ解除してテーブルを復動することを反復する機能を備えている。サーボモータは、テーブルの送りストロークに応じた回転数をボールネジ軸に与えるように、コントローラとモータドライバを介して制御される。
平角導体30は、電気抵抗の低い銅線等の線材を帯状に成形し表面に絶縁被膜を形成されたものがボビンに巻かれている。絶縁被膜は、エナメルやポリアミド、アミドイミド等といった絶縁性の高い樹脂系の材料を用いて、数十μmの厚みを有するように形成されている。
クランプ機構13は、送り機構12によって平角導体30を曲げ加工部14側に送った後に、平角導体30を保持するために設けられる。クランプ機構13は、送り機構12が平角導体30を所定ストローク送った後、アンクランプして原点復帰しようとする際に、平角導体30が巻き戻る方向に移動してしまうのを防止するため、及び、曲げ加工部14が平角導体30に対してエッジワイズ曲げを行う際に平角導体30の位置ずれを防ぐために、平角導体30を固定する。なお、作業効率が劣ることになるが、クランプ機構13を設けず、曲げ加工部14で平角導体30のエッジワイズ曲げ加工を行っている間、送り機構12によって平角導体30を保持するようにしても良い。
図1及び図2に示すように、曲げ加工部14は、平角導体30の一側面に該平角導体30の長手方向に対して直角方向に円筒面の一母線が接触する「固定側治具」としてのスペーサ18と、平角導体30の前記一側面と反対側の他側面に接近して当接する「可動側治具」としての曲げ治具20と、平角導体30の残りの2つの側面を面間距離が変わらないように押圧する「固定側ガイド」としてのベース部16及び「可動側ガイド」としての拘束機構17と、を備え、平角導体30の4つの側面を拘束しつつ、曲げ治具20をスペーサ18の円筒面の曲率半径の中心を回転中心として移動することにより、平角導体30を断面変形が生じないエッジワイズ曲げ加工してコイルの曲げ部を形成し巻線する。
ベース部16は、円板状をなしており、図示しない装置フレームに固定されている。
拘束機構17は、フランジ部17aと軸部17bとを一体に備えている。軸部17bは、フランジ部17aの下面中央より一体に垂下しベース部16の中央孔にキー結合して通され回動不能かつ昇降可能であり、下端において昇降駆動手段としての液圧シリンダー(図示しない)と接続されている。拘束機構17は、軸部17bが下降することで、フランジ部17aが下側のスペーサ18に密着し平角導体30をベース部16に押し付けた状態にクランプすることができ、軸部17bが上昇すると、フランジ部17aがスペーサ18から離れ、平角導体30に対してアンクランプ状態になる。
スペーサ18は、工具鋼よりなり、軸方向の厚みが平角導体30の側面の高さに等しい短円筒形に形成され、一側に三角形の凸部18aを有し、該凸部18aを図1に示す位置となるようにかつ軸部17bの周囲に配置されるように、ベース部16に堅固に固定されている。スペーサ18のベース部16に対する固定は、位置決めを正確とし堅固に固定するためにリーマボルトを用いることが好ましい。凸部18aは、平角導体30に対してエッジワイズ曲げを行うときに、内側面に三角形の凹部を形成(塑性変形)する役目を果たす。なお、スペーサ18は、短円筒形に限定されるものでなく、エッジワイズ曲げを行うときに平角導体30の側面に当接する部分が円筒面になっていれば足りる。
往復回動体19は、外周部が歯車部となっている略円環板状をなしており、ベース部16の周面にベアリングを介して支持され往復回動駆動機構15によって該ベース部16に対して回転角が90度となるように往復回動される。往復回動体19の上面はベース部16の上面と一致している。
曲げ治具20は、工具鋼よりなり、往復回動体19と一体に往復回動するようにかつ往復回動体19の直径方向に往復可能に該往復回動体19に組み付けられ、さらに往復回動体19に組み付けられた液圧シリンダ装置を駆動源とする往復駆動手段(図示しない)により、往復回動体19の直径方向に往復移動される。曲げ治具20は、軸部17bに接近移動したときに軸部17bと協働して平角導体30の両側面を挟持し、拘束するようになっている。そして、曲げ治具20が平角導体30を拘束した状態で、往復回動体19が往復回動駆動機構15によって90度回動させられることにより、平角導体30のエッジワイズ曲げを行う。
曲げ治具20は、平角導体30が曲げ加工部14に挿入される段階では平角導体30を送りやすいように退避しており、平角導体30が送られて拘束機構17で拘束された後に所定の位置に移動する。
本実施の形態では、特に、曲げ治具20は、平角導体30との当たり面に三角形の凹部20aを有している。この凹部20aは、曲げ治具20がエッジワイズ曲げを行う前の位置にあるとき(図1に示す位置)は、スペーサ18の凸部18aとは、軸部17bの中心に関して90度相違した位置にあり、エッジワイズ曲げを行った後の位置にあるとき(図7,図8に示す位置)は、平角導体30を挟んで対向する位置に来て、スペーサ18の凸部18aによって平角導体30が三角形の窪みを生じさせることに伴う該平角導体30の反対側への膨らみを許容し受け入れる。平角導体30は、一側で凹み反対側で膨らんでいる箇所を備えていることにより、平角導体30の括れ部の断面積が極端に小さくならないように強度を補償されるとともに、後述する角筒状のスパイラルに巻回していくための捻りが付与され易くなっていて、これによって、コイルの形状崩れを防止するとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となっている。
なお、凸部18aの形状は、三角形に限定されるものでなく、例えば、円錐形状、円筒形状、多角錐形状、多角柱形状、球面形状や、適宜これらを組み合わせた形状であれば良い。同様に、凹部20aの内面の形状は、凸部18aの形状に対応して、円錐形状、円筒形状、多角錐形状、多角柱形状、球面形状や、適宜これらを組み合わせた形状であれば良い。
ストッパ治具21は、往復回動駆動機構15が90度回動されて曲げ治具20が平角導体30を90度(この角度に限定されるものではない)エッジワイズ曲げした段階で、平角導体30の側面に当接し、平角導体30を曲げ過ぎてしまうことを防ぐ役目を果たす。なお、平角導体30は銅やアルミニウムなどの比較的柔らかい金属で形成されているが、多少スプリングバックしてしまうため、このスプリングバックを考慮し、往復回動体19の回動角度を90度よりもスプリングバック分だけ大とするのが良い。
図3に示すように、本実施の形態の巻線装置10で形成されるコイル40は、空芯状の2層巻のエッジワイズコイルであり、巻線の延在方向に対して垂直な断面形状はほぼ方形形状とされている。
コイル40は、開始端40aから巻回され、1ターン目と2ターン目は、同一平面内において外側から内側に巻回される(図3(a))。次の3ターン目と4ターン目は、1ターン目と2ターン目とは異なる平面内において内側から外側に巻回される(図3(b))。さらに、5ターン目と6ターン目は1〜4ターン目までとは異なる平面内において外側から内側に巻回される(図3(c))。このようにして、コイル40は、巻線の延在方向に対して垂直な方向に向かって、外側から内側、内側から外側へと交互に2層ずつ巻回されて構成されている。なお、コイル40の形状は、図示しない固定子のステータまたはロータに装着する際に適した形状となるように決定されている。
以下、本実施の形態の巻線装置10を用いたコイル40の製造方法を図1、図4〜図13を参照しながら説明する。
まず、第1ステップでは、平角導体30をエッジワイズ曲げするにあたり、図1に示したように、送り機構12が平角導体30をアンコイラ11から引き出し、定寸だけ送る。この距離は、コイル40の形状に合わせて決定される。
第2ステップでは、クランプ機構13が平角導体30を動かないように保持するとともに、拘束機構17と曲げ治具20が平角導体30を拘束し、その後、送り機構12がクランプ解除する。
第3ステップでは、図4に示すように、曲げ加工部14が平角導体30をエッジワイズ曲げ加工する。ここでは、往復回動体19が矢印のように90度回動することにより、曲げ治具20は、平角導体30の側面を押圧しながら90度回動し、平角導体30をスペーサ18の外周に沿って曲げ角度が90度となるようにエッジワイズ曲げ加工する。平角導体30が所定位置まで曲げられた段階で、ストッパ治具21は、エッジワイズ曲げ加工された平角導体30の側面を支え、平角導体30が曲がり過ぎることを防ぐ。
第3ステップでは、図4に示すように、曲げ部30aを90度の曲げ角度で形成し、スペーサ18の凸部18aと、曲げ治具20の凹部20aとが、曲げ部30aを挟んで対向し、曲げ部30aと直線部の境に凸部30b及び凹部30c(図9参照)を形成する。
第4ステップでは、図5に示すように、拘束機構17及び曲げ治具20が平角導体30の拘束を解き、曲げ治具20が外方に退避し、往復回動体19が復帰回動する。
以上の第1〜第4ステップで平角導体30に1つの直角コーナー部を形成するエッジワイズ曲げ加工を終了し、送り機構12の復帰位置のクランプが平角導体30をクランプし、その後、クランプ機構13が平角導体30に対しクランプ解除し、再び、図6に示すように、第1ステップに戻る。この第1ステップでは、送り機構12の送り寸法は、図3に示すように、長矩形のコイル形状に対応した上記定寸送りとは相違する短い定寸送りとする。その後、2順目の第2ステップを経て第3ステップで図7に示すように、2番目の曲げ位置をエッジワイズ曲げ加工する。
このような手順を4巡するように繰り返し、図8に示すように1ターン巻回し、さらにエッジワイズ曲げ加工を繰り返して図9に示すようにコイル40を形成していく。図9は、2ターン目の途中まで巻回した状態のコイル40を示す。図9に示すコイル40は、各角部(曲げ部30a)に局所的な凹凸部(凸部30b及び凹部30c)が形成されていて、平角導体30の2ターン目の外周側に形成された凸部30bが1ターン目の内周側に接触することにより、接触力(摩擦力)が生じる。このことは、全ての隣り合う平角導体30のターン(例えば、3ターン目と4ターン目、5ターン目と6ターン目、・・・)について言える。この接触力が生じることにより、従来においてコイルが空芯コイルの形状を保てずにばね状に伸びた形となることを防止できる。
これにより、コイル40がインシュレータの装着により固定される際に、インシュレータに掛かる負荷を低減することが可能となる。このため、インシュレータの破損が抑制され、インシュレータが装着されたコイル40を図示しない固定子のステータまたはロータに組み付ける際には、その組み付け作業が容易となる。
以上説明したように、第1の実施の形態の巻線装置及び巻線方法においては、加工用凸部18aによって平角導体30の曲げ部30aの内側曲面の端に凹部30cを形成するとともに、可動側治具(曲げ治具20)の逃げ部(凹部20a)に曲げ部30aの外側曲面に凸部30bを突出形成してエッジワイズ曲げ加工を行うので、内側に巻回されるコイル部分の凸部30bが外側に巻回されるコイル部分に摩擦接触するようになっている。
また、固定側治具(スペーサ18)が、エッジワイズ曲げ加工したときに平角導体30の曲げ部30aの内側曲面の曲げ終端側に隣接して凹部30cを塑性形成し得る関係位置に、加工用凸部18aを備えているため、凸部30bが曲げ部30aの内側曲面の端に形成されるとともに、曲げ部30aの外側曲面の該凸部30bと反対側の裏腹な位置に凹部30cが形成され、内側に巻回されるコイル部分の凸部30bが外側に巻回されるコイル部分に突き当たり摩擦接触するようになっている。
以上により、第1の実施の形態の巻線装置及び巻線方法は、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体30の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となる。
図10〜図12は、第2の実施の形態を示す。この実施の形態においては、スペーサ18の凸部18aの突出方向が、送り機構12の送り方向に対して所定の角度(例えば45度)をなしている。
この実施の形態においては、第1の実施の形態と場合と同じ第1ステップ及び第2ステップの工程が完了した後、図10に示すように、第3ステップで往復回動体19を巻線の巻回方向に45度回動させることにより、曲げ治具20を平角導体30の側面を押圧しながら45度回動し、45度にエッジワイズ曲げ加工された曲げ部30aを形成するとともに、互いに対向するスペーサ18の凸部18aと曲げ治具20の凹部20aとで平角導体30に凸部30bと凹部30c(図12参照)を形成する。
さらに、図11に示すように、曲げ治具20を凸部30bから離れさせた上で、曲げ治具20が凸部30bから通り過ぎた箇所に位置するまで往復回動体19を巻線の巻回方向に回動させ、曲げ治具20を平角導体30に再び押し当て、往復回動体19をさらに巻線の巻回方向に回動させて、平角導体30をエッジワイズ曲げ加工する。往復回動体19を止めないで曲げ治具20を迂回させる場合には、曲げ治具20は、往復回動体19の往復回動中心を中心とした楕円軌跡に沿って動くこととなる。なお、平角導体30のスプリングバックを考慮すると、往復回動体19の往復回動角度を45度よりもスプリングバック分だけ大とするのが良い。
このようにして第3ステップが完了した後、第1の実施の形態と場合と同じ第4ステップ、第1ステップ、第2ステップを繰り返し、図12に示すように、コイル41を形成する。図12に示すコイル41は2ターン目の途中まで巻回したものである。図12に示したコイル41においては、各角部(曲げ部30a)に局所的な凹凸部(凸部30b及び凹部30c)が形成されていて、平角導体30の2ターン目の外周側の側面に形成された凸部30bが1ターン目の内周側の凹部30cに嵌め合わされることにより、接触力(摩擦力)が生じる。このことは、全ての隣り合う平角導体30のターン(例えば、3ターン目と4ターン目、5ターン目と6ターン目、・・・)について言える。この接触力が生じることにより、従来においてコイルが空芯コイルの形状を保てずにばね状に伸びた形となることを防止できる。
このように構成されたコイル41は、コイル40の構成と比較して、接触力が大きいので隣り合う平角導体30間の係合状態をより確実なものとすることができるため、より占積率を高めることができる。
以上説明したように、第2の実施の形態の巻線装置及び巻線方法は、固定側治具(スペーサ18)が、エッジワイズ曲げ加工したときに平角導体30の曲げ部30aの内側曲面の中途に凹部30cを塑性形成し得る関係位置に、加工用凸部18aを備え、該加工用凸部18aで凹部30cを塑性形成したエッジワイズ曲げ加工の途中で該凹部30cから退避して曲げ終端側に迂回し再び平角導体30を押圧してエッジワイズ曲げ加工を続行するため、凸部30bが曲げ部30aの内面の中程に形成されるとともに、該凸部30bと反対側の凹部30cが曲げ部の外側曲面の中程に形成され、凸部30bと凹部30cとが裏腹な位置関係にあり、コイル部分の内側に巻回されるコイル部分の凸部30bが外側に巻回されるコイル部分の凹部30cに係合し摩擦接触するコイルの巻回形状を実現できる。
これにより、第2の実施の形態の巻線装置及び巻線方法は、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体30の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となる。
図13は、第3の実施の形態を示す。この実施の形態は、「可動側治具」としての曲げ治具50と成形治具51とを備えていて、曲げ治具50により平角導体30のエッジワイズ曲げ加工を行った後に、曲げ治具50と独立に移動可能な成形治具51により凸部30b及び凹部30cの形成を行う構成としており、第1及び第2の実施の形態が、曲げ治具20の移動により、平角導体30のエッジワイズ曲げ加工と、凸部30b及び凹部30cの形成とを同時に行う構成であることと相違する。
この実施の形態では、第1の実施の形態と同様の第1ステップ及び第2ステップの工程が完了した後、図4に示すように、第3ステップで、往復回動体19を90度プラスαだけ回動させて、曲げ治具50を平角導体30の側面を押しながら移動させて、平角導体30を90度にエッジワイズ曲げ加工する。
このとき、成形治具51は、エッジワイズ曲げ加工の妨げにならないように退避しており、エッジワイズ曲げ加工が終了した後に所定の位置に移動する。
さらに、90度にエッジワイズ曲げ加工された平角導体30の曲げ部30aに向かって、成形治具51を押し付けることにより、平角導体30の曲げ部30aにおいて、スペーサ18の凸部18aで平角導体30の内側面に凹部30cを形成(塑性変形)するとともに、外側面に凸部30bを形成(塑性変形)する。
この実施の形態では、第3ステップで、平角導体30との接触部が凹凸形状をなす治具(スペーサ18、曲げ治具50、及び成形治具51)を用いて、平角導体30に曲げ部30aを形成した後に、曲げ部30aに凸部30b及び凹部30cを形成することが可能である。
そのほか、上記の実施の形態の巻線装置10は、拘束機構17と別体の凸部18aを有するスペーサ18を備えた構成としたが、スペーサ18を設けずに、拘束機構17の軸部17bについて、径をスペーサ18と同じ大きさにしてかつ凸部を有する構成としても良い。
以上説明したように、第3の実施の形態の巻線装置及び巻線方法は、可動側治具(曲げ治具50,成形治具51)が、曲げ部30aの外側曲面に突出形成される凸部30bを挟んだ両側位置に2つに分割して備えられるとともに、該2つの可動側治具間のギャップが逃げ部(隙間52)となっていて、平角導体30のエッジワイズ曲げ加工位置への送り込み側の可動側治具がエッジワイズ曲げ加工を行うようになっているとともに、他側の可動側治具が平角導体30の上方の離れた位置から下降しかつ曲げ方向に移動して平角導体30を押圧するようになっており、該他側の可動側治具の平角導体30への押圧により、加工用凸部18aが平角導体30に凹部30cと凸部30bを塑性形成するため、凸部30bが曲げ部30aの内側曲面の端に形成されるとともに、曲げ部30aの外側曲面の該凸部30bと反対側の裏腹な位置に凹部30cが形成され、内側に巻回されるコイル部分の凸部30bが外側に巻回されるコイル部分に突き当たり摩擦接触するようになっている。
これにより、第3の実施の形態の巻線装置及び巻線方法は、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体30の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することが可能となる。
即ち、上記の実施の形態に係る巻線装置及び巻線方法は、従来のように、平角導体に凹凸状の保持部を形成した後に、平角導体をエッジワイズ曲げ加工するものではなく、平角導体30をエッジワイズ曲げ加工して曲げ部30aを形成するのと同時またはその後に曲げ部30aに凸部30b及び凹部30cを形成するため、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイル40、41を成形することができる。このため、余分な後成形が不要となる。
また、上記の実施の形態に係る巻線装置及び巻線方法は、コイル40、41の角部近傍(曲げ部30a)の4箇所において局所的な凹凸部(凸部30b及び凹部30c)を形成することにより、隣り合う平角導体同士の接触力を増加させて、コイルがばね状に形状崩れすることを防止できる。
従って、コイル40、41がインシュレータの装着により固定される際に、インシュレータに掛かる負荷を低減することが可能となる。このため、インシュレータの破損が抑制され、インシュレータが装着されたコイル40、41を図示しない固定子のステータまたはロータに組み付ける際には、その組み付け作業を容易とすることができる。
以上説明したように、本発明に係る巻線装置及び巻線方法は、コイルの形状崩れが生じないとともに、平角導体の加工硬化の影響を防いでコイルを成形することができ、コイルを形成する巻線装置及び巻線方法に有用である。
10…巻線装置、11…アンコイラ、12…送り機構、13…クランプ機構、14…曲げ加工部、15…往復回動駆動機構、16…ベース部(固定側ガイド)、17…拘束機構(可動側ガイド)、17a…フランジ部、17b…軸部、18…スペーサ(固定側治具)、18a…凸部(加工用凸部)、19…往復回動体、20,50…曲げ治具(可動側治具)、20a…凹部、21…ストッパ治具、30…平角導体、30a…曲げ部、30b…凸部、30c…凹部、40,41…コイル、40a…開始端、51…成形治具(可動側治具)、52…隙間

Claims (2)

  1. 平角導体をエッジワイズ曲げ加工することでコイルの曲げ部を形成する巻線装置において、
    前記平角導体との接触部に凹凸形状を有し、前記平角導体に前記曲げ部を形成するのと同時またはその後に前記曲げ部に凸部を形成する治具を備えることを特徴とする巻線装置。
  2. 平角導体をエッジワイズ曲げ加工することでコイルの曲げ部を形成する巻線方法において、
    前記平角導体との接触部に凹凸形状を有する治具を用いて、前記平角導体に前記曲げ部を形成するのと同時またはその後に前記曲げ部に凸部を形成することを特徴とする巻線方法。
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