JP2015019439A - 連続波型コイルの成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長尺の線材を連続波型コイルに成形する際に、コイルが大型化しても設備の大型化を伴わず、均一な成形により所望の寸法精度で波型形状に成形する。
【解決手段】谷型の渡り導体部C21と山型の渡り導体部C22が直線導体部C1で接続する連続波型コイルCの成形方法であり、長尺の線材を多角形の多層リングRに仮成形するリング成形工程と、リングRの谷型の渡り導体部C21に対応する辺を、成形部材1の保持溝13に保持し、山型の渡り導体部C22に対応する辺を、成形部材2の保持溝23に保持した状態で、リング径方向に異なる押し込み量で移動させて、凹凸リングR´に仮成形する仮曲げ工程と、凹凸リングR´を一端側から順に送り出し、直線導体部C1と渡り導体部C2を成形する本成形工程を有する。
【選択図】図1
【解決手段】谷型の渡り導体部C21と山型の渡り導体部C22が直線導体部C1で接続する連続波型コイルCの成形方法であり、長尺の線材を多角形の多層リングRに仮成形するリング成形工程と、リングRの谷型の渡り導体部C21に対応する辺を、成形部材1の保持溝13に保持し、山型の渡り導体部C22に対応する辺を、成形部材2の保持溝23に保持した状態で、リング径方向に異なる押し込み量で移動させて、凹凸リングR´に仮成形する仮曲げ工程と、凹凸リングR´を一端側から順に送り出し、直線導体部C1と渡り導体部C2を成形する本成形工程を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば車載装置用の回転電機において、固定子巻線として使用される連続波型コイルの成形方法に関する。
近年、車両用電動機、発電機等に用いられる回転電機の高出力化を図るために、固定子巻線に連続波型コイルを使用し、周方向に積層して占積率を向上させたものがある。線材を連続する波型に成形する方法は、例えば、特許文献1に開示されており、山型のコイルエンド部に対応する複数の金型と、谷型のコイルエンド部に対応する複数の金型を交互に配置して、それぞれをX軸方向に移動自在としている。また、前者の複数の金型にカム板を連結して円弧状のカム溝を設け、後者の複数の金型に連結したカムフォロアが案内されることで、後者をY軸方向に移動自在とし、相対位置を変化させながらコイルエンド部間の線材を90度折り曲げ変形させるようになっている。
複数の金型は、それぞれコイルエンド部の階段形状に対応する凸型と凹型を組み合わせて構成される。また、特許文献2には、コイルエンド部のように折り曲げ量が多い形状について、直線部と非直線部とで対応する金型間の隙間の大きさが異なるように構成して、所望の仕上げ寸法に成形する方法が開示されている。
階段成形と90°曲げ成形を同時に行う特許文献1の方法は、成形前の線材長が比較的短くてよい小型の回転電機には有効であるが、大型の回転電機へ適用しようとすると、次のような問題が生じる。すなわち、成形前の線材一本分に対し、山型と谷型のコイルエンド部に対応する数の金型を軸方向に配置するために、設備が大型化するだけでなく、一方の端部に設けた駆動部を用いてカム方式で荷重を伝達し、金型を他方へ押し付けているために、各金型において線材にかかる荷重が均一とならない。その結果、90°曲げ精度が低下すると、回転子巻線の組立精度にも影響するおそれがある。特許文献2は、コイルエンド部の階段成形において曲げ半径の中心を調整し成形性を向上させるが、コイルエンド部間の90°曲げ成形には適用できない。
そこで、本発明は、長尺の線材から連続波型コイルを成形するに際し、コイルの大型化に伴う設備の大型化を回避しつつ、しかもコイルエンド部間の曲げ成形時に、線材にかかる荷重を均一にして、高い寸法精度で多数の連続する波型形状を有するコイルに成形する方法を提供することを目的とする。
本願請求項1の発明は、交互に配置された多数の谷部および山部が直線部で接続され、連続する波型形状をなす連続波型コイルの成形方法であって、
長尺の線材を、円形または多角形のリング形状に仮成形するリング成形工程と、
上記リングを、上記谷部に対応する部位を第1の保持溝に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第1の成形部材と、上記山部に対応する部位を第2の保持溝に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第2の成形部材とで支持し、上記第1の成形部材と上記第2の成形部材を、上記リングの中心に向けて異なる押し込み量で移動させて、上記谷部に対応する部位を谷型に仮曲げし、上記山部に対応する部位を山型に仮曲げして、上記直線部で連続する凹凸リング形状に仮成形する仮曲げ工程と、
上記凹凸リングを、上記線材の一端側から順に直線状に送り出し、上記谷部または上記山部を所定形状に成形する本成形工程と、を有することを特徴とする。
長尺の線材を、円形または多角形のリング形状に仮成形するリング成形工程と、
上記リングを、上記谷部に対応する部位を第1の保持溝に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第1の成形部材と、上記山部に対応する部位を第2の保持溝に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第2の成形部材とで支持し、上記第1の成形部材と上記第2の成形部材を、上記リングの中心に向けて異なる押し込み量で移動させて、上記谷部に対応する部位を谷型に仮曲げし、上記山部に対応する部位を山型に仮曲げして、上記直線部で連続する凹凸リング形状に仮成形する仮曲げ工程と、
上記凹凸リングを、上記線材の一端側から順に直線状に送り出し、上記谷部または上記山部を所定形状に成形する本成形工程と、を有することを特徴とする。
本願請求項2の発明は、上記リング成形工程において、上記線材を、上記谷部または上記山部の角部に対応する位置を頂点とする多角形のリング形状に仮成形し、
上記仮曲げ工程において、上記第1の成形部材は、上記多角形のリングの上記谷部に対応する辺を上記第1の保持溝内に保持し、上記第2の成形部材は、上記山部に対応する辺を上記第2の保持溝内に保持する。
上記仮曲げ工程において、上記第1の成形部材は、上記多角形のリングの上記谷部に対応する辺を上記第1の保持溝内に保持し、上記第2の成形部材は、上記山部に対応する辺を上記第2の保持溝内に保持する。
本願請求項3の発明は、上記第1の成形部材が、上記リングの中心側の端面に上記第1の保持溝を有し、該第1の保持溝の両端に上記谷部形状に沿う曲げガイド部を形成した第1の保持部材と、該第1の保持部材と衝合する端面に、上記第1の保持溝へ向けて突出する押さえ部を形成した第1の押さえ部材を有し、
上記第2の成形部材が、上記リングの外周側の端面に上記第2の保持溝を有し、該第2の保持溝の両端に上記山部形状に沿う曲げガイド部を形成した第2の保持部材と、該第2の保持部材と衝合する端面に、上記第2の保持溝へ向けて突出する押さえ部を形成した第2の押さえ部材を有する。
上記第2の成形部材が、上記リングの外周側の端面に上記第2の保持溝を有し、該第2の保持溝の両端に上記山部形状に沿う曲げガイド部を形成した第2の保持部材と、該第2の保持部材と衝合する端面に、上記第2の保持溝へ向けて突出する押さえ部を形成した第2の押さえ部材を有する。
本願請求項4の発明は、上記リング成形工程において、上記線材を、径の異なる複数のリングを積層した多層リングに成形し、
上記仮曲げ工程において、上記第1の保持部材の上記第1の保持溝および上記第2の保持部材の上記第2の保持溝は、上記多層リングの各層に対応する複数の溝を有し、上記多層リングの各層を同時に仮成形する。
上記仮曲げ工程において、上記第1の保持部材の上記第1の保持溝および上記第2の保持部材の上記第2の保持溝は、上記多層リングの各層に対応する複数の溝を有し、上記多層リングの各層を同時に仮成形する。
本願請求項5の発明は、上記仮曲げ工程において、上記第1の成形部材と上記第2の成形部材を、上記直線部となる線材が直線状態を維持するように移動させる。
本願請求項6の発明は、上記線材が角型の断面形状を有する。
本発明方法は、リング成形工程において、長尺の線材をコンパクトなリング状に仮成形し、次いで、仮曲げ工程において、保持溝を形成した成形部材を用いて谷部または山部を略90度に仮曲げし、凹凸リング状に仮成形する。これを展開しながら順に本成形するので、大型の回転電機用の連続波型コイルであっても均一な成形が可能であり、線材や仮成形体の取り扱いが容易で、設備の大型化を抑制できる。また、多層リング状として各層を同時に仮曲げすることができ、層ごとに保持溝を設定することで所望の形状に成形できるので、成形効率が大幅に向上し、高品質の連続波型コイルを容易に得ることができる。
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の成形方法において、主要工程となる仮曲げ工程を実施するための仮曲げ成形装置であり、図2は、本発明が適用される連続波型コイルCの一例とそれを用いた製品例である。図2C、2Dは、車両用回転電機である3相モータの固定子Sと、図2Aの連続波型コイルCを用いて円筒状に組み立てられた固定子コイルC3であり、固定子コイルC3は、円筒状の固定子コアS1の内周側に開口する多数のスロットに巻装保持される。固定子コイルC3は、スロットに挿入される直線部としての直線導体部C1と、谷部または山部となる渡り導体部C2を有している。
図2Aにおいて、連続波型コイルCは、多数の谷型の渡り導体部C21と山型の渡り導体部C22が交互に並び、これらを多数の平行な直線導体部C1が接続して、全体が波型に連続する形状となっている。渡り導体部C21、C22は、中央にクランク部C23を有しその両側に複数の段部C24を形成した階段形状で、固定子コイルC3の組立時に、これら段部C24が積層されることで、コイルエンドの高さを低くすることができる。図2Bは、連続波型コイルCの渡り導体部C21を、階段形状に成形する前の状態である。ここでは便宜上、図中で左側に凸となる渡り導体部C2を谷型の渡り導体部C21とし、右側に凸となる渡り導体部C2を山型の渡り導体部C22と称しているが、固定子コアS1の両端に位置する渡り導体部C2としての構成は同等である。
連続波型コイルCは、1本の角線状の線材を、製品仕様に応じた所定の連続波型形状に成形した後、成形した所定本数のコイルを周方向および径方向に重ね合わせて、円筒状の固定子コイルC3に組み立てる。この時、円筒状の固定子コイルC3の外周側と内周側とでは、連続波型コイルCの渡り導体部C2の幅が異なる。このため、図2A、2Bに示す連続波型コイルCは、長手方向において4つの区域a〜dに分けられ、各区域に対応する渡り導体部C21、C22の幅(a1〜d1)が、段階的に小さくなるように構成される(a1>b1>c1>d1)。4つの区域a〜dの境界域にある渡り導体部C2の幅は、隣り合う区域の渡り導体部C2の間の値に設定される。
大型の3相モータでは、波型形状に加工する前の線材長が長く、例えば図2Aの連続波型コイルCにおいて、4つの区域a〜dの加工前長は1.4〜1.5m前後、加工後でもそれらの半分程度である。このため取り回しが難しいだけでなく、形状が異なることから成形に手間がかかり、長尺の1本の線材から図2Aの形状に波型成形することは容易でない。
そこで本発明では、図3に示すように、まず1本の線材を、4つの区域a〜dごとにリング状に仮成形する(リング成形工程)。そして、成形したリングRに対して仮90°曲げを行い、谷型の渡り導体部C21と山型の渡り導体部C22に対応する凹凸を有する歯車形状に成形する(仮曲げ工程)。この歯車形状の凹凸リングR´を展開すると、図2Bの連続波型コイルC形状となり、さらに渡り導体部C21、C22を階段状に成形することで、図2Aの連続波型コイルCに成形する(本成形工程)。これら各工程について、順に説明する。
図3において、リングRは、同心の4層リング状であり、図2Aの連続波型コイルCに相当する長尺の線材を、図略の巻枠を用いて螺旋巻きすることにより形成される。リングRは、各層Ra〜Rdの周長が、それぞれ連続波型コイルCの4つの区域a〜dの加工前展開長に対応し、各層Ra〜Rdの径は徐々に小さくなっている。各層Ra〜Rdは、円形リング状でもよいが、好適には、次工程の仮曲げ成形を容易にするために、図1に示すような多角形リング状とすることができる。この例では、連続波型コイルCの4つの区域a〜dが、それぞれ6つの谷型の渡り導体部C21と、6つの山型の渡り導体部C22を有する形状であるため、渡り導体部C21、C22の角部に対応する位置を頂点とする24角形とするとよい。
仮曲げ工程では、この多層リングRを、外周側から内周側へ、渡り導体部C21、C22に対応する辺を保持しながら縮径変形させると同時に、交互に谷型または山型に概略90°曲げを行って、直線導体部C1と渡り導体部C2を仮成形する。この時、図1に示すように、成形冶具を用いてリングRの各層Ra〜Rdを同時に保持し、層ごとに谷型または山型の曲げ方向を案内することで、各層を同時に所定の寸法に成形できる。具体的には、リング中心に対して放射状に配置され、谷型の渡り導体部C21に対応する辺を保持する成形部材1と、山型の渡り導体部C22に対応する辺を保持する成形部材2を設け、それぞれ送り機構3、4に連結して、リング中心方向へ異なる速度で移動可能とすることにより、谷型または山型に折り曲げ可能となる。
図1では、簡便のため、谷型の渡り導体部C21を形成する第1の成形部材1(以下、成形部材1と略称する)と、その両側の山型の渡り導体部C22を形成する第2の成形部材2(以下、成形部材2と略称する)を示している。好適には、図4において、6つの谷型の渡り導体部C21に対応する位置を両側から保持する成形部材1と、6つの山型の渡り導体部C22に対応する位置を両側から保持する成形部材2を設ける。そして、6つの成形部材1(図中にはうち2つを示す)に連結した6つの送り機構3(図略)を1つの駆動部5に、6つの成形部材2(図中にはうち4つを示す)に連結した6つの送り機構4(図略)を1つの駆動部6に連結して、図示しない制御部により、押し込み量を調整しながら、互いに連動させて駆動することで、多層リングRの全体を同時に仮曲げ成形できる。
図1において、仮曲げ成形装置の基台T上には、多層リングRの中心に対して放射状に、送り機構3、4を構成するレール部材31、41が、交互に配置される。成形部材1は、レール部材31に係合されるスライド部材32上に取り付けられ、成形部材2は、レール部材41に係合されるスライド部材42上に取り付けられて、それぞれ径方向にスライド可能となっている。スライド部材32、42の外周側端面には、送り軸33、43の一端側が嵌合される連結部35、45が設けられる。ここでは送り軸33、43は、いずれも外周にねじ部が形成された送りねじ状で、中間部が基台T上に取り付けたナット状の軸受部34、44に螺合して回動自在に支持される。連結部35、45は、送り軸33、43の一端側を当接支持する曲面状の凸部を備え、軸のずれ等を吸収してスムーズに駆動力を伝達する。
送り軸33、43の他端側は、図4の駆動部5、6に接続されて独立に進退動作可能となっている。本発明では、送り機構3による成形部材1の押し込み量を、送り機構4による成形部材2の押し込み量に対してより大きくすることにより、成形部材1を相対的に前進させ、成形部材2を相対的に後退させる。この時、多層リングRは、押し込み量の大きい成形部材1に保持される部位が、リング中心側へ凸となるように屈曲し、成形部材2に保持される部位が、リング外周側へ凸となるように屈曲する。ここで、成形部材1、2は、多層リングRの各層を、確実に保持して同時に仮曲げするために、多層リングRを挟んで対向する保持部材11、21と押さえ部材12、22を組み合わせて構成される。
谷型の渡り導体部C21に対応する成形部材1は、リング外周側に位置する第1の保持部材11(以下、保持部材11と略称する)と、リング中心側に位置する第1の押さえ部材12(以下、押さえ部材12と略称する)との衝合部が、それぞれ段付きに形成されており、これらを衝合させた間隙に多層リングRを挟持している。図5、6において、保持部材11は、多層リングRの周方向に延び、積層方向に階段状に配置される複数の第1の保持溝13(以下、保持溝13と略称する)を備える。また、各保持溝13の両端部に、線材を曲げ方向に案内する曲げガイド部としての曲げガイド溝14を有している。曲げガイド溝14は、径方向外方へ向かう円弧状に形成されている。多層リングRの各層は、基台T側(図1Bの下側)に近いほど径が小さくなり、多角形の1辺が短くなるので、複数の保持溝13を、各層の位置および1辺の長さに合わせて、図1Bの上方から下方へ向かうほど保持溝13が内周側に位置し、各溝の両端間の長さが短くなるように配置する。押さえ部材12は、これとは逆向きの階段状に形成され、各保持溝13に沿って形成した線状突起からなる押さえ部15が、対向する溝内に突出するように配置する。
山型の渡り導体部C22に対応する成形部材2は、リング中心側に位置する第2の保持部材21(以下、保持部材21と略称する)と、リング外周側の第2の押さえ部材22(以下、押さえ部材22と略称する)とを、衝合させてなる。図7、8において、保持部材21は、多層リングRの周方向に延び、積層方向に階段状に配置される複数の第2の保持溝23(以下、保持溝23と略称する)と、各保持溝23の両端部に形成され、線材を曲げ方向に案内する曲げガイド部としての曲げガイド溝24を有している。曲げガイド溝24は、径方向内方へ向かう円弧状に形成されている。多層リングRの対応する各辺が保持される複数の保持溝23は、図1Bの上方から下方へ向かうほど保持溝23が内周側に位置し、各溝の両端間の長さが短くなるように配置する。押さえ部材22は、これとは逆向きの階段状に形成され、各保持溝23に沿って形成した線状突起からなる押さえ部25が、対向する溝内に突出するように配置する。
図9は、成形部材1、2の初期位置と、多層リングRの仮曲げ成形後の位置を比較して示している。具体的には、送り機構3、4により成形部材1、2は、徐々にリング中心方向に押し込まれるが、相対的に押し込み量が大きい成形部材1がより内周側に位置することになる。このために、多層リングRは、成形部材1の保持溝13から突出する周方向の両端部が、保持溝13に続く円弧状の曲げガイド溝14に沿って滑らかに屈曲し、外周側へ向けて拡がる略台形状となる。一方、相対的に押し込み量が小さい成形部材2において、多層リングRは、保持溝23から突出する周方向の両端部が、保持溝23に続く円弧状の曲げガイド溝24に沿って滑らかに屈曲し、内周側へ向けて拡がる略台形状となる。さらに、リング中心へ向けて押し込み量が大きくなるに従い、成形部材1、2の周方向距離が近づき、多層リングRの曲げ角度が大きくなる。
駆動部5、6で送り機構3、4を駆動する際には、成形部材1、2の間に位置する多層リングRの辺、すなわち直線導体部C1となる線材に適度な張力を与え、たわみを生じないように、かつ引張りによる伸びを生じないように調整することが望ましい。このため、仮曲げの進行とともに変化する成形部材1、2の位置が、常に最適となるように、予め設定した押し込み量に基づいて、送り機構3、4を制御する。具体的には、複数の送り機構3を同時に駆動して、複数の成形部材1をリング中心方向(前進方向)に押し込むことによって、これらの間に位置する成形部材2が、同方向に引っ張られやすくなる。これを回避するため、送り機構4に送り機構3と逆向きに、成形部材2をリング外周方向(後退方向)に引き戻すように駆動すると、成形部材1、2の相対位置を安定させるために好ましい。
これにより、直線導体部C1の張力が適切に保たれて、図9中に示すように多層リングRが位置変化する間、成形部材1、2間の直線導体部C1を直線状態に保ち、所望の形状に仮曲げ成形することができる。また、成形部材2が成形部材1に追従して移動するのを抑制するために、成形部材2の内周側に付勢手段46を設けて、リング外周方向に付勢することが望ましい。なお図では、多層リングRのうち最外層(最上層)の線材のみを示しているが、他の層についても、それぞれが保持溝13、23と曲げガイド溝14、24によって、所望の形状に同時に曲げ成形される。
図10は、成形部材1と成形部材2について、保持部材11、21と押さえ部材12、22の衝合部の構造をそれぞれ模式的に示している。図10Aに示す成形部材1は、リング外周側(図の右方)に保持部材11が配置され、リング中心側(図の左方)の端面に保持溝13が階段状に形成される。保持溝13は、異径の4層(4巻分)の多層リングRに対応して、大径のリング外周側から小径の内周側(図の上方から下方)へ段差を有して設けられ、各溝内に対応する層を収容する。押さえ部材12は、保持部材11と対をなす段差を有し、保持溝13の開口を閉鎖するように衝合されて、一体のブロック状成形部材1となる。この時、押さえ部材12の各段差部から突出する押さえ部15が、各保持溝13a〜13dに収容される多層リングRの各層Ra〜Rdを押さえ込む。これにより、谷型の渡り導体部C1となる辺の変形を抑え、その両端が、押し込み動作に伴いスムーズに仮曲げ方向に案内されるように補助する。
同様に、図10Bに示す成形部材2は、リング中心側(図の左方)に保持部材21が配置され、リング外周側(図の右方)の端面に保持溝23が階段状に形成される。保持溝23は、異径の4層(4巻分)の多層リングRに対応して、大径のリング外周側から小径の内周側(図の上方から下方)へ段差を有して設けられ、各溝内に対応する層を収容する。押さえ部材22は、保持部材21と対をなす段差を有し、保持溝23a〜23dの開口を閉鎖するように衝合されて、一体のブロック状成形部材2となる。この時、押さえ部材22の各段差部から突出する押さえ部25が、各保持溝23a〜23dに収容される多層リングRの各層Ra〜Rdをを押さえ込む。これにより、山型の渡り導体部C2となる辺の変形を抑え、その両端が、引き戻し動作に伴いスムーズに仮曲げ方向に案内されるように補助する。
このように、成形部材1は、保持溝13を有する保持部材11がリング外周側に配置され、成形部材2は、保持溝23を有する保持部材21がリング内周側に配置される。保持溝13、23は、送り機構3、4の駆動方向に開口し、駆動方向に対向する押さえ部材21、22との間に、多層リングRの各層を確実に支持する。したがって、異径の4層を同時に、所望の寸法で効率よく仮曲げすることができる。なお、本実施形態の成形部材1、2の階段形状は、上層側ほど大径となる多層リングRに合わせたもので、多層リングRの形状や角線のサイズに応じて、段差の大きさや向き、保持溝13、23の高さ、幅等を適宜変更することができる。
仮曲げ工程後の多層の凹凸リングR´は、次いで、図11の本成形工程において、連続波型コイルC形状に成形される。ここで多層の凹凸リングR´は、図示しない回転体に回転自在に支持された状態で、外周端部から展開され、直線状に送り出される。送りライン7の端部には、本成形部8が設置され、谷型の渡り導体部C1、山型の渡り導体部C2を最終形状に成形するとともに、直線導体部C1を本曲げする。本成形部8は、公知の成形型を組み合わせて任意に構成することができ、具体的には、図2Bの連続波型コイルC形状で送られた線材が、クランク曲げを行うクランク型81、90°成形および階段成形を行う本曲げ型82によって、連続的にまたは同時に成形される。前述の特許文献1、2に記載される方法を採用することもできる。いずれの場合も、予め仮曲げ工程で仮成形されているため、本曲げ加工が容易になり高い寸法精度で成形できる。
以上のように、本発明方法は、大型の連続波型コイルCの成形に好適であり、長尺の線材をコンパクトな円形リング状に仮成形し、さらに谷部または山部を略90度に仮曲げした凹凸リングを展開して本成形するので、大掛かりな装置が不要となり、成形工程を大幅に短縮できる。また、従来取り扱いが容易でなかった長尺の角線を、ねじれなく所望の形状に成形できるので、作業性が向上するだけでなく、線材の伸びやたるみを防止して、高品質な連続波型コイルCの成形が可能になる。
本発明の連続波型コイルの成形方法は、電気自動車やハイブリッド自動車用の電動機、発電機、電動発電機その他の回転電機に使用される。また、角型の断面形状を有する角線を用いた大型コイルの成形に効果的であるが、これに限らず任意の線材を用いた種々の装置に適用されて装置性能の向上に寄与する。
C 連続波型コイル
C1 直線導体部(直線部)
C2 渡り導体部(谷部、山部)
11 第1の保持部材
12 第1の押さえ部材
13 第1の保持溝
14 曲げガイド溝(曲げガイド部)
15 押さえ部
2 第2の成形部材
21 第2の保持部材
22 第2の押さえ部材
23 第2の保持溝
24 曲げガイド溝(曲げガイド部)
25 押さえ部
C1 直線導体部(直線部)
C2 渡り導体部(谷部、山部)
11 第1の保持部材
12 第1の押さえ部材
13 第1の保持溝
14 曲げガイド溝(曲げガイド部)
15 押さえ部
2 第2の成形部材
21 第2の保持部材
22 第2の押さえ部材
23 第2の保持溝
24 曲げガイド溝(曲げガイド部)
25 押さえ部
Claims (6)
- 交互に配置された多数の谷部(C21)および山部(C22)が直線部(C1)で接続され、連続する波型形状をなす連続波型コイル(C)の成形方法であって、
長尺の線材を、円形または多角形のリング(R)形状に仮成形するリング成形工程と、
上記リングを、上記谷部に対応する部位を第1の保持溝(13)に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第1の成形部材(1)と、上記山部に対応する部位を第2の保持溝(23)に保持した状態でリング径方向にスライド可能な第2の成形部材(2)とで支持し、上記第1の成形部材と上記第2の成形部材を、上記リングの中心に向けて異なる押し込み量で移動させて、上記谷部に対応する部位を谷型に仮曲げし、上記山部に対応する部位を山型に仮曲げして、上記直線部で連続する凹凸リング(R´)形状に仮成形する仮曲げ工程と、
上記凹凸リングを、上記線材の一端側から順に直線状に送り出し、上記谷部または上記山部を所定形状に成形する本成形工程と、を有することを特徴とする連続波型コイルの成形方法。 - 上記リング成形工程において、上記線材を、上記谷部または上記山部の角部に対応する位置を頂点とする多角形のリング形状に仮成形し、
上記仮曲げ工程において、上記第1の成形部材は、上記多角形のリングの上記谷部に対応する辺を上記第1の保持溝内に保持し、上記第2の成形部材は、上記山部に対応する辺を上記第2の保持溝内に保持する請求項1記載の連続波型コイルの成形方法。 - 上記第1の成形部材が、上記リングの中心側の端面に上記第1の保持溝を有し、該第1の保持溝の両端に上記谷部形状に沿う曲げガイド部(14)を形成した第1の保持部材(11)と、該第1の保持部材と衝合する端面に、上記第1の保持溝へ向けて突出する押さえ部(15)を形成した第1の押さえ部材(12)を有し、
上記第2の成形部材が、上記リングの外周側の端面に上記第2の保持溝を有し、該第2の保持溝の両端に上記山部形状に沿う曲げガイド部(24)を形成した第2の保持部材(21)と、該第2の保持部材と衝合する端面に、上記第2の保持溝へ向けて突出する押さえ部(25)を形成した第2の押さえ部材(22)を有する請求項1または2記載の連続波型コイルの成形方法。 - 上記リング成形工程において、上記線材を、径の異なる複数のリングを積層した多層リングに成形し、
上記仮曲げ工程において、上記第1の保持部材の上記第1の保持溝および上記第2の保持部材の上記第2の保持溝は、上記多層リングの各層に対応する複数の溝を有し、上記多層リングの各層を同時に仮成形する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の連続波型コイルの成形方法。 - 上記仮曲げ工程において、上記第1の成形部材と上記第2の成形部材を、上記直線部となる線材が直線状態を維持するように移動させる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の連続波型コイルの成形方法。
- 上記線材が角型の断面形状を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の連続波型コイルの成形方法。
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2013
- 2013-07-09 JP JP2013143347A patent/JP2015019439A/ja active Pending
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