JP5472057B2 - 固定子巻線の巻回方法,固定子巻線の巻回装置及び固定子巻線の製造装置 - Google Patents

固定子巻線の巻回方法,固定子巻線の巻回装置及び固定子巻線の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば車両において電動機や発電機として使用される回転電機の固定子の固定子巻線を製造することができる固定子巻線の巻回方法,固定子巻線の巻回装置及び固定子巻線の製造装置に関する。
従来より、回転電機の固定子として、周方向に複数のスロットを有する円環状の固定子コアと、固定子コアに巻回される複数の導線からなる固定子巻線と、を備えたものが一般的に知られている。
そして、スロット内に配置される導線の占積率を向上させるために、軸線に対して垂直方向の断面形状が矩形形状であるとともに、展開したときの全体形状がクランク状に蛇行した形状の各相巻線(U相導体、V相導体、W相導体)により、固定子巻線を構成する技術が開示されている。この場合、固定子巻線を構成する各相巻線は、所定の回数、渦巻き状に巻回して円筒状に形成された構造になっている。
そして、上記の固定子巻線は、例えば、特許文献1に記載のように、ベルト状の固定子巻線群を、円筒状の芯部材を回転させながら渦巻き状に巻き取ることにより、径方向に複数の層をなす所定寸法の円筒状に形成される。このようにして円筒状に形成された固定子巻線は、同一のスロット内に収容される複数の導線のスロット収容部が径方向に整列した状態にされている必要があるが、各相巻線を巻き付ける際には、大きなスプリングバック(弾性復帰作用)が発生することもあるため、スロット収容部の位置ずれ等が発生し易いという問題があった。
各相巻線にスプリングバックが生じてスロット収容部に位置ずれが発生すると、スロット内に配置される導線(スロット収容部)の占積率が低下するだけでなく、スロット内に配置される導線(スロット収容部)の位置精度が低下して磁気特性が低下する、導線(スロット収容部)同士が干渉して導線が損傷を生じるといった問題が発生する。具体的には、図34に示したように、スロット収容部の周方向での位置にずれが生じると、スロット収容部が径方向に並ばなくなり、磁気特性が低下する。また、図35に示したように、スロット収容部にねじれを含む位置にずれが生じると、一つのスロット収容部の角部が隣接するスロット収容部の表面に接触するようになり、スロット収容部の絶縁被膜が損傷を生じるようになる。
特開2009−247199号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、固定子巻線の形成に際して、スロット収容部の位置ずれ等の発生を回避し得るようにした回転電機の固定子巻線を製造することができる固定子巻線の巻回方法及び固定子巻線の巻回装置ならびに固定子巻線の製造装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、複数のスロット収容部と、隣接する二つのスロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数のターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を有する固定子巻線の巻回方法であって、巻回体の最内周面を内周押圧部材に押圧する最内周押圧工程と、成形体が巻回したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部との間に、内周側部に当接する内周壁部と外周側部に当接する外周壁部とを有する中間押圧部材を介在させる中間押圧部材配置工程と、内周押圧部材及び/又は中間押圧部材の外周面に成形体を押圧する外周押圧工程と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を成形するときに、中間押圧部材配置工程において、巻回体の重なり合う内周側部と外周側部の間に中間押圧部材を介在させることで、内周側部と外周側部の両者を所定の形状に巻回することができる。
請求項2に記載の発明は、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方は周方向に複数個に分割されており、周方向に順次巻回体を成形することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方は周方向に複数個に分割されており、周方向に順次分割された押圧部材を配置していくことで、導線を周方向に順次成形することができる。
請求項3に記載の発明は、ターン部の少なくとも一部には径方向の段差部を有し、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方は段差部の周方向位置において分割されており、周方向に順次巻回体を成形することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、導線の段差部と段差部の間の区間は同一の曲率であるため、段差部の周方向位置にて押圧部材を分割することで、分割された一つの押圧部材の曲率を一定にすることができ、巻回体の製造が容易となる。
また、上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の発明は、複数のスロット収容部と、隣接する二つのスロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数のターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を有する固定子巻線の巻回装置であって、巻回体の最内周面と当接する内周押圧部材と、成形体が巻回したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部の間に介在し、内径側に位置する押圧部材の外周面に内周側部を押圧する押圧面となる内周壁部と、外周側部の内周面側と当接する外周壁部と、を備えた中間押圧部材と、内周押圧部材及び/又は中間押圧部材の外周壁部に成形体を押圧する外周押圧部材と、を、それぞれ別の部材として有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、本発明の固定子巻線の巻回装置は、内周押圧部材、中間押圧部材、外周押圧部材の3つの押圧部材を、それぞれ別の部材として有している。これらの押圧部材により、導線の成形体を、ターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回することができる。そして、本発明の巻回装置によれば、それぞれの押圧部材で導線の成形体を巻回するように成形することで、スロット収容部及びターン部を位置精度に優れた状態で成形(巻回)することができる。つまり、本発明の巻回装置によれば、導線を巻回することで、スロット収容部の位置ずれが生じない固定子巻線を製造することができる。
この結果、本発明の巻回装置により巻回(製造)された固定子巻線は、スロット収容部の位置ずれが生じなくなっており、この固定子巻線を用いた回転電機は、スロット収容部の位置ずれに基づく不具合の発生が抑えられたものとなる。
請求項5に記載の発明は、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方が周方向に複数個に分割されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方は周方向に複数個に分割されており、周方向に順次分割された押圧部材を配置していくことで、導線を周方向に順次成形することができる。
請求項6に記載の発明は、ターン部の少なくとも一部には径方向の段差部を有し、中間押圧部材と外周押圧部材のうち少なくとも一方は段差部の周方向位置において分割されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、導線の段差部と段差部の間の区間は同一の曲率であるため、段差部の周方向位置にて押圧部材を分割することで、分割された一つの押圧部材の曲率を一定にすることができ、巻回体の製造が容易となる。
請求項7に記載の発明は、内周押圧部材及び中間押圧部材が、スロット収容部を、変移が規制された状態で保持することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、内周押圧部材及び中間押圧部材が、スロット収容部を、変移が規制された状態で保持する。そして、この状態で導線の成形を行われることから、スロット収容部の位置ずれがより生じない固定子巻線を製造することができる。
請求項8に記載の発明は、内周押圧部材、中間押圧部材、外周押圧部材が、ターン部を周方向に沿ってのびるように成形することを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、内周押圧部材、中間押圧部材、外周押圧部材は、ターン部を周方向に沿ってのびるように成形することで、導線の成形体を巻回することができる。
請求項9に記載の発明は、ターン部が、軸方向での位置が異なる部分を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、ターン部は、固定子巻線を形成したときに、スロット収容部の端部から突出するように形成されている。つまり、ターン部は、固定子巻線において、周方向と軸方向がなす面において、傾斜した方向にのびている。このような形状のターン部をもつ成形体を巻回しても、本発明では、スロット収容部の位置ずれの発生を抑えることができる。
これに対し、軸方向での位置が異なる部分を有するターン部を有する成形体をそのまま巻回すると(上記の従来技術のように、ターン部のみを周方向に沿うように成形すると)、ターン部では導線ののびる方向に垂直な方向に曲げ応力が働くため、ターン部は成形できるが、ターン部のスロット収容部に対する位置は成形できない。つまり、スロット収容部の位置ずれが発生する。
請求項10に記載の発明は、ターン部が、その中央部がスロット収容部から最も離れた形状に形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によると、ターン部を対称な形状とすることができる。
請求項11に記載の発明は、ターン部が、階段状に成形されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によると、ターン部が階段状に成形されることで、固定子巻線のスロット収容部からの突出量を小さくすることができる。つまり、本発明の製造方法により製造された固定子巻線を小型化することができ、この固定子巻線を用いた回転電機を小型化できる。
請求項12に記載の発明は、ターン部が、固定子巻線を形成したときに、接続する二つのスロット収容部の径方向位置を変化させるクランク部を有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明によると、ターン部がクランク部を有していても、スロット収容部を規制した状態で成形することで、スロット収容部の位置ずれが抑えられた固定子巻線を製造することができる。
請求項13に記載の発明は、複数のスロット収容部と、隣接する二つのスロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数のターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回されてなる固定子巻線を製造する固定子巻線の製造装置であって、巻回体の最内周面と当接する内周押圧部材と、成形体を巻回して固定子巻線を形成したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部の間に介在し、内径側に位置する押圧部材の外周面に内周側部を押圧する押圧面となる内周壁部と、外周側部の内周面側と当接する外周壁部と、を備えた中間押圧部材と、内周押圧部材及び/又は中間押圧部材の外周壁部に成形体を押圧する外周押圧部材と、中間押圧部材及び/又は外周押圧部材を、内周押圧部材との間で成形体を押圧可能な位置と押圧不可能な位置との間で変移させる変移手段と、成形体を、内周押圧部材の外周面に沿った位置に供給する成形体供給手段と、を有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明によると、内周,中間,外周押圧部材のそれぞれにより渦巻き状に1周以上巻回された固定子巻線を成形することができる。そして、各押圧部材を変移させる変移手段を有しており、各押圧部材を変移させることで、成形体供給手段から供給される成形体を、渦巻き状に成形することが可能となる。
請求項14に記載の発明は、中間押圧部材及び外周押圧部材が、固定子巻線の周方向の一部を成形する部材である。
請求項14に記載の発明によると、中間押圧部材及び外周押圧部材が周方向の一部を成形する部材である。押圧部材が周方向の全周にわたって一つの部材で成形する構成は、その構造及び動作が複雑になる。これに対し、請求項14に記載の発明では、各押圧部材が簡単な構成となり、成形体を渦巻き状に成形することを簡単に行うことができる。
請求項15に記載の発明は、中間押圧部材及び外周押圧部材が、周方向に沿って隣接する二つの部材が、成形体のターン部に対応した位置で当接する。
請求項15に記載の発明によると、成形体を渦巻き状に成形するための押圧部材の当接部(押圧部材の周方向での合わせ面)がターン部に対応した位置となり(スロット収容部に位置しなくなり)、各押圧部材がスロット収容部(及びスロット収容部に接続したターン部)を確実に成形できる。特に、スロット収容部と接続したターン部とを成形できることから、スロット収容部とターン部との位置精度の低下を抑えた状態(例えば、ねじれの発生を抑えた状態)で成形を行うことができる。
請求項16に記載の発明は、中間押圧部材及び外周押圧部材が、周方向に沿って隣接する二つの部材が、成形体のスロット収容部に対応した位置で当接する。
請求項16に記載の発明によると、成形体を渦巻き状に成形するための押圧部材の当接部(押圧部材の周方向での合わせ面)がスロット収容部に対応した位置となり(ターン部に位置しなくなり)、各押圧部材がターン部(及びターン部に接続したスロット収容部)を確実に成形できる。特に、ターン部とターン部に接続するスロット収容部とを成形できることから、スロット収容部とターン部との位置精度の低下を抑えた状態(例えば、ねじれの発生を抑えた状態)で成形を行うことができる。
請求項17に記載の発明は、変移手段が、中間押圧部材及び外周押圧部材のそれぞれを独立して変移させる。
請求項17に記載の発明によると、各押圧部材を独立して変移することができ、成形体を渦巻き状に成形することを簡単に行うことができる。また、成形体が供給されていない状態では、押圧部材を変移させて押圧可能な位置でない位置に保持しておくことができ、成形体の供給を簡単に行うことができる。
請求項18に記載の発明は、変移手段が、往復動するシリンダ装置を有する。
請求項18に記載の発明によると、変移手段がシリンダ装置を有することで、押圧可能な位置と押圧不可能な位置との間で各押圧部材を変移させることができる。さらに、シリンダ装置を複数組み合わせることで、径方向及び軸方向に変位させることが可能となる。
請求項19に記載の発明は、成形体供給手段が、成形体を従動させる送りベルトを有する。
請求項19に記載の発明によると、送りベルトの動きに従動した状態で成形体を供給することができる。このとき、送りベルトの動きに従動することで、ターン部とスロット収容部を備えた成形体の形状を維持した状態(形状の歪みを生じることなく)で成形体を供給できる。
請求項20に記載の発明は、送りベルトが、当接した成形体を、摩擦力により従動させる。
請求項20に記載の発明によると、成形体と送りベルトとが当接し、その摩擦力で従動させることで、成形体を送りベルトに固定することなく供給することができる。この構成では、成形体を各押圧部材の間の所定の位置に供給するときに、送りベルトから成形体を簡単に外すことができ、供給手段の構造を簡略化できる。
請求項21に記載の発明は、送りベルトが、当接した成形体を係止する係止突部を有する。
請求項21に記載の発明によると、係止突部を送りベルトが有することで、送りベルトに対する成形体の位置のズレを抑えることができる。
請求項22に記載の発明は、送りベルトが、成形体の内周側と外周側の両側に設けられる。
請求項22に記載の発明によると、成形体を挟むように送りベルトをもうけており、確実に成形体を供給することができる。
請求項23に記載の発明は、中間押圧部材及び/又は外周押圧部材を、内周押圧部材に押圧する加圧手段を有する。
請求項23に記載の発明によると、加圧手段が中間押圧部材及び/又は外周押圧部材を押圧することで、成形体を渦巻き状の所定の形状に確実に成形できる。
請求項24に記載の発明は、加圧手段が、加圧ローラーである。
請求項24に記載の発明によると、加圧手段が加圧ローラーよりなることで、周方向に沿って加圧ローラーを(相対的に)動かすことにより、全周にわたって押圧することができる。
請求項25に記載の発明は、加圧ローラーが、軸方向の両端部に設けられる。
請求項25に記載の発明によると、加圧ローラーが軸方向の両端部に設けられることで、少なくともターン部を確実に押圧することができる。
第一実施形態に係る回転電機の断面図である。 第一実施形態に係る回転電機の固定子の全体斜視図である。 第一実施形態に係る回転電機の固定子の平面図である。 第一実施形態に係る回転電機の固定子の側面図である。 第一実施形態に係る固定子コアの平面図である。 第一実施形態に係る分割コアの平面図である。 第一実施形態に係る固定子巻線の全体斜視図である。 第一実施形態に係る固定子巻線の側面図である。 第一実施形態に係る固定子巻線の平面図である。 第一実施形態に係る固定子巻線の底面図である。 (A)(B)第一実施形態において用いられる導線の断面図である。 (A)は第一実施形態において用いられる導線の上面図であり、(B)は導線の平面図である。 (A)は第一実施形態において用いられる導線のターン部の形状を示す斜視図であり、(B)は隣接する複数のターン部を示す斜視図である。 第一実施形態において用いられる固定子巻線の結線図である。 第一実施形態において各スロットの最外径側に配置される各導線の第1スロット収容部の配置位置を示す説明図である。 第一実施形態の固定子巻線において1本の導線(U1−4’)のスロット収容部の配置位置及び軌跡を示す説明図である。 第一実施形態においてV相の巻線の接続状態を示す巻線仕様図である。 第一実施形態の製造方法の製造工程を示すブロック図である。 第一実施形態の導線形成工程における折曲げ加工の様子を示す説明図である。 (A)は第一実施形態の導線形成工程における折曲げ加工を開始する前の説明図であり、(B)は第一実施形態の導線形成工程における折曲げ加工を開始した直後の説明図である。 第一実施形態の成形工程において成形された導線の軸方向から見た平面図である。 第一実施形態の成形工程において成形された導線の全体斜視図である。 第一実施形態の成形工程における成形装置の構成を示した図である。 第一実施形態の成形工程における巻回体の曲率中心を示した図である。 スロット収容部が収容された状態のスロット収容部規制部の断面形状を示した図である。 第一実施形態の成形工程においてスロット収容部がスロット収容部規制部に保持された状態の内周押圧部材を示した全体斜視図である。 第一実施形態の成形工程において中間押圧部材が内周押圧部材の外周を1周した状態を示した全体斜視図である。 第一実施形態の成形工程において外周押圧部材片が中間押圧部材との間で導線を成形している状態を示した図である。 第一実施形態の成形工程において外周押圧部材片が中間押圧部材との間で導線を成形している状態を示した図である。 第一実施形態の成形工程において外周押圧部材片が中間押圧部材との間で導線を成形している状態を示した図である。 第一実施形態の固定子巻線形成工程において、1本の導線を他の1本の導線に軸方向に相対移動させて組み付ける状態を示す説明図である。 第一実施形態の固定子巻線形成工程において、図31において形成した複数の導線の集合体に1本の導線を軸方向に相対移動させて組み付ける状態を示す説明図である。 第一実施形態の巻き工程において成形された導線を軸方向から見た平面図である。 従来の回転電機の固定子においてスロット収容部の位置にずれが生じた状態を示した断面図である。 従来の回転電機の固定子においてスロット収容部の位置にずれが生じた状態を示した断面図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の概略上面図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の概略側面図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の巻き取り芯金の概略側面図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の中間型及び外型の構成を示す展開図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の動作を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の動作を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の動作を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の動作を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の各型の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の固定子巻線の製造装置の動作中の構成を示す概略図である。 第二実施形態の第一変形形態の固定子巻線の製造装置の中間型及び外型の構成を示す展開図である。 第二実施形態の第二変形形態の固定子巻線の製造装置の中間型及び外型の構成を示す展開図である。 第二実施形態の第三変形形態の固定子巻線の製造装置の中間型及び外型の構成を示す展開図である。 第二実施形態の第四変形形態の固定子巻線の製造装置の中間型及び外型の構成を示す展開図である。
以下、本発明に係る固定子巻線の巻回方法,巻回装置及び製造装置について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
(第一実施形態)
(回転電機)
本発明に係る固定子巻線の巻回方法により製造される固定子巻線を有する回転電機について図1〜図17を参照しつつ具体的に説明する。図1は、回転電機1の構成を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る回転電機の固定子の全体斜視図である。図3は、その固定子の平面図である。図4は、その固定子の側面図である。
本実施形態の回転電機1は、略有底筒状の一対のハウジング部材が開口部同士で接合されてなるハウジングと、ハウジングに軸受けを介して回転自在に支承される回転軸に固定された回転子と、ハウジングの内部で回転子を包囲する位置でハウジングに固定された固定子20と、を備えている。
回転子は、永久磁石により周方向に交互に異なる磁極を固定子20の内周側と向き合う外周側に複数形成している。
固定子20は、図2〜図4に示すように、固定子コア30と、複数(本実施形態では48本)の導線50から形成される三相の固定子巻線40とを備えている。なお、固定子コア30と固定子巻線40との間には、絶縁紙を配してもよい。
図5は、本実施形態に係る固定子コアの平面図である。図6は、本実施形態に係る分割コアの平面図である。
固定子コア30は、図5に示すように、内周に複数のスロット31が形成された円環状を呈している。複数のスロット31は、その深さ方向が径方向と一致するように周方向に設けられている。固定子コア30に形成されたスロット31の数は、回転子の磁極数(8磁極)に対し、固定子巻線40の一相あたり2個の割合で形成されている。本実施形態では、8×3×2=48より、スロット数は48個とされている。
固定子コア30は、図6に示す分割コア32を所定の数(本実施形態では24個)を周方向に連結して形成されている。分割コア32の外周には、外筒37が嵌合されている(図2〜4参照)。分割コア32は、一つのスロット31を区画するとともに、周方向で隣接する分割コア32との間で一つのスロット31を区画する形状を呈している。具体的には、分割コア32は、径方向内方に伸びる一対のティース部33と、ティース部33を径方向外方で連結するバックコア部34とを有している。
固定子コア30を構成する分割コア32は、複数枚の電磁鋼板を積層させて形成されている。積層された電磁鋼板の間には、絶縁薄膜が配置されている。分割コア32は、この電磁鋼板の積層体からだけでなく、従来公知の金属薄板及び絶縁薄膜を用いて形成してもよい。
図7は、本実施形態に係る固定子巻線の全体斜視図であり、図8は側面図、図9は平面図、図10は底面図である。
固定子巻線40は、図7〜図10に示すように、複数の導線50により円筒形状に形成されており、固定子コア30のスロット31内に収容されるストレート部41と、このストレート部41の両端においてスロット31外に配置されるコイルエンド部42を有する。一方のコイルエンド部42の端面において、出力線及び中性点が軸方向に突出するとともに、内径側から突出した導線50の端部を外径側から突出した導線50の端部に接続する渡り部70が設けられている。
固定子巻線40を構成する導線50は、図11(A)に示すように、銅製の導体67と、導体67の外周を覆い導体67を絶縁する内層68a及び外層68bからなる絶縁被膜68とから形成されている。内層68a及び外層68bを合わせた絶縁被膜68の厚みは、100μm〜200μmの間に設定されている。このように、内層68a及び外層68bからなる絶縁被膜68の厚みが厚いので、導線50同士を絶縁するために導線50同士の間に絶縁紙等を挟み込む必要がなくなっているが、導線50同士の間あるいは固定子コア30と固定子巻線40との間に絶縁紙を配設してもよい。
外層68bはナイロン等の絶縁材で形成され、内層68aは外層68bよりもガラス転移温度の高い熱可塑性樹脂又はポリアミドイミド等の絶縁材で形成されている。これにより、回転電機100に発生する熱により外層68bは内層68aよりも早く結晶化するため、外層68bの表面硬度が高くなり、導線50に傷がつきにくくなる。このため、後述するターン部52に段部を形成する加工を施した導線50の絶縁を確保することができる。
さらに、導線50は、図11(B)に示すように、内層68a及び外層68bからなる絶縁被膜68の外周をエポキシ樹脂等からなる融着材69で被覆してもよい。これにより、融着材69は、回転電機に発生する熱により絶縁被膜68よりも早く溶融するので、同じスロット31に収容されている複数の導線50同士が融着材69同士により熱接着する。その結果、同じスロット31に収容されている複数の導線50が一体化し導線50同士が硬化することで、スロット31内の導線50の機械的強度が向上する。なお、絶縁被膜68には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)よりなる被膜を用いてもよい。
図12に、導線50を平面上に展開した場合の図を示す。導線50は、図12に示すように、固定子コア30のスロット31内に収容されるスロット収容部51と、スロット31から固定子コア30の外に突出し、周方向に異なるスロット31に収容されているスロット収容部51同士を接続しているターン部52とを有する。この導線50は、少なくとも、周方向の異なるスロット31に収容される第1スロット収容部51Aと、第1スロット収容部51Aから周方向に離間したスロット31に収容される第2スロット収容部51Bと、第2スロット収容部51Bから周方向に離間したスロット31に収容される第3スロット収容部51Cと、固定子コア30の一端側におけるスロット31の外部で第1スロット収容部51Aと第2スロット収容部52Bを接続する第1ターン部52Aと、固定子コア30の他端側におけるスロット31の外部で第2スロット収容部51Bと第3スロット収容部51Cを接続する第2ターン部52Bとを有している。なお、図11に示す導線50は、12個のスロット収容部51A〜51Lと、11個のターン部52A〜52Kを備えている。
スロット収容部51は、図12の左端に位置する第1スロット収容部51Aから順に、固定子コア30の周方向に離間したスロット31にそれぞれ収容される第2スロット収容部51B、第3スロット収容部51C、・・・、第12スロット収容部51Lの12個からなる。また、ターン部52は、固定子コア30の一端側におけるスロット31の外部と固定子コア30の他端側におけるスロット31の外部とで交互にスロット収容部51同士を接続する第1ターン部52A、第2ターン部52B、・・・、第10ターン部52J、及び第11スロット収容部51Kと第12スロット収容部51Lを接続する第11ターン部52Kの11個からなる。
この導線50の隣り合うスロット収容部51同士の周方向(矢印Y方向)の離間距離Xは、全ての箇所で異なるようにされている。この場合、離間距離Xは、導線50の第1スロット収容部51A側から第12スロット収容部51L側に向かうにつれて、徐々に短くなるようにされている。即ち、離間距離Xは、X1>X2>X3>X4>X5>X6>X7>X8>X9>X10>X11となっている。なお、離間距離Xは、固定子コア30の周方向において隣り合うスロット31同士の離間距離(スロットピッチ)を考慮して適宜設定される。
導線50の両端には、他の導線50等と接続するための引出し部53a、53bが設けられている。一方の引出し部53aは、第1スロット収容部51Aの端末から内側(図12の右側)へ戻るように、略半分の長さに形成されたターン部52Mを介して形成されている。よって、一方の引出し部53aは、第1スロット収容部51Aからターン部52Mの長さだけ内側(図11の右側)へ寄った所に位置している。他方の引出し部53bは、第12スロット収容部51Lの端末から内側(図12の左側)へ戻るように、略半分の長さに形成されたターン部52Nを介して形成されている。よって、他方の引出し部53bは、第12スロット収容部51Lからターン部52Nの長さだけ内側(図12の左側)へ寄った所に位置している。他方の引出し部53bの先端には、固定子巻線40の軸方向端面上で固定子コア30の径方向外方へ折曲げられて配置される渡り部70が設けられている。
ターン部52の略中央部には、接続するスロット収容部51の径方向での位置をずらすための段差部がもうけられている。具体的には、第1スロット収容部51A、第2スロット収容部51B、第3スロット収容部51C、・・・、第12スロット収容部51Lを導線50の長手方向及びスロット収容部51の長手方向に直交する方向に順次段差が生じるように段差部はクランク状(以下、クランク部54とする)に形成されている(図12参照)。その結果、導線50は図12(A)に示すように階段状の形状を有することになる。
図13に、図12に示す導線50を用いて円筒形状の固定子巻線40を形成した場合のターン部52の形状を示す斜視図を示す。図13(A)に示すように、固定子コア30の径方向に変位して固定子コア30の端面30aに沿って延びるクランク部54を有する。クランク部54のクランク形状によるずれ量(径方向への変位量)は、ターン部52の径方向厚み分である。これにより、ターン部52によって接続されたスロット収容部51同士は、ターン部52の径方向厚み分だけ変位している。このようにクランク部54がターン部52に設けられていることにより、図13(B)に示すように周方向に隣接している導線50のターン部52同士を密に巻回できる。また、図13(B)に示すように周方向に隣接するターン部52は互いに同じ形状であり、ターン部52同士が干渉するのを防止している。
また、スロット31から固定子コア30の外に突出するターン部52の突出箇所に、導線50がまたがって設置されているスロット同士に向けて固定子コア30の軸方向両側の端面30aに沿って段部55が形成されている。これにより、スロット31から突出している導線50のターン部52の突出箇所の間隔、言い換えればターン部52が形成する三角形状部分の底辺の長さは、導線50がまたがって設置されているスロット同士の間隔よりも狭くなっている。その結果、コイルエンドの高さが低くなる。ターン部52の突出箇所(スロット収容部51の延長線上の部位)に形成された段部55は、スロット収容部51に対して略直角に屈曲されており、その屈曲部の内側部分には、スロット収容部51の表面よりも固定子コア30の径方向両側に膨出した膨出部57が設けられている。
また、固定子コア30の端面30aに沿った段部55の長さをd1、周方向に隣接するスロット同士の間隔をd2とすると、d1≦d2になっている。これにより、導線50の段部55が周方向に隣り合うスロットから突出する導線50と干渉することを防止できる。これにより、周方向に隣接するスロットから突出する導線50同士が互いに干渉することを避けるために、コイルエンドの高さが高くなったり、あるいはコイルエンドの径方向の幅が大きくなったりすることを防止できる。その結果、コイルエンドの高さが低くなる。さらに、コイルエンドの径方向の幅が小さくなるので、固定子巻線40が径方向外側に張り出すことを防止する。
さらに、導線50には、ターン部52の略中央部のクランク部54と、ターン部52の突出箇所に形成した段部55との間に、それぞれ2個の段部56が形成されている。つまり、固定子コア30の一方の軸方向の端面30a側の導線50のターン部52には、1個のクランク部54と合計6個の段部55、56が形成されている。これにより、クランク部54や段部55、56を形成しない三角形状のターン部の高さに比べ、ターン部52の高さが低くなる。クランク部54のクランク形状も、段部55、56と同様に、固定子コア30の端面30aに沿って形成されている。したがって、導線50のターン部52は、クランク部54を挟んで両側が階段状に形成されている。
固定子巻線40は、図12に示した導線50を48本用いて形成されている。ただし、固定子巻線40に出力線や中性点などを設けるために、渡り部70を設けていない導線50を適宜混在させても良い。
この固定子巻線40を構成する導線50は、ターン部52の略中央部に、ターン部52の径方向厚み分だけ径方向にずれたクランク部54が設けられていることにより、ターン部52によって接続されたスロット収容部51同士は、固定子コア30の中心軸線からの半径距離が、スロット収容部51の径方向厚み分だけ異なっている。また、導線50は、隣り合うスロット収容部51同士の離間距離Xが、導線50の第1スロット収容部51A側から第12スロット収容部51L側に向かうにつれて、徐々に短くなるようにされており、全ての箇所で実質的に異なっている(図9参照)。これらのことから、固定子巻線40は、径方向に重なり合うスロット収容部51が、周方向に位置ずれすることなく径方向一列にストレートな状態に整列し、真円筒形状により近い形状にすることができる(図7及び図8参照)。
この固定子巻線40は、複数の導線の第1スロット収容部51A同士、第2スロット収容部51B同士、・・・、第12スロット収容部51L同士をそれぞれ周方向に連続するスロットに配置するとともに、第1スロット収容部51A同士、第2スロット収容部51B同士、・・・、第12スロット収容部51L同士の固定子コアの中心軸線Oからの半径距離がそれぞれ等しくなるよう配置されているので、固定子巻線40の外径寸法及び内径寸法を周方向で均一化することができる。この固定子巻線40は、図14に示すように、それぞれの相が16本の導線50を直列に接続した各相巻線43(U、V、W)をY結線した三相巻線として形成されている。
図15において、各導線50のスロット収容部51は、12個の破線円と放射方向に延びる破線とが交差する位置に配置されており、最外径側と最内径側のみが矩形断面形状で表されている。また、放射方向に1列に並んだスロット収容部51の外側には、それぞれ対応する1〜48のスロット番号が付されている(以後、図16においても同じ)。また、スロット番号の外側には、それぞれのスロットの最外径側(第12層)に、巻回の始端側となる第1スロット収容部51Aが配置される導線の番号が付されている。
各相の巻線を構成する16本の導線50は、8個の同一のスロット31にスロット収容部51が収容される8本の導線50と、それら8個のスロット31とは別の8個の同一のスロット31にスロット収容部51が収容される8本の導線50とに分かれている。例えばU相の場合には、8本の導線(U1−1)〜(U1−4)及び(U1−1’)〜(U1−4’)は、外径側から内径側に向かって反時計回りに巻回されて、それぞれのスロット収容部51が、1番スロット、7番スロット、13番スロット、19番スロット、25番スロット、31番スロット、37番スロット及び43番スロットに収容される。また、他の8本の導線(U2−1)〜(U2−4)及び(U2−1’)〜(U2−4’)は、外径側から内径側に向かって反時計回りに巻回されて、それぞれのスロット収容部51が、2番スロット、8番スロット、14番スロット、20番スロット、26番スロット、32番スロット、38番スロット及び44番スロットに収容される。
なお、図15には、代表として導線(U1−1)の軌跡が示されている。図15において、黒四角で示された部分は導線(U1−1)のスロット収容部51が配置されていることを示し、導線(U1−1)の周方向に延びる太線は、固定子コア30の軸方向一方側(図15の紙面手前側)に位置するターン部52を示し、導線(U1−1)の周方向に延びる二点鎖線は、固定子コア30の軸方向他方側(図15の紙面後側)に位置するターン部52を示す(以後、図16においても同じ)。
この固定子巻線40は、図15に示すように、各スロット31において、8本の導線50のスロット収容部51が径方向に12層、積層された状態になっている。導線(U1−1)は、始端側の第1スロット収容部51Aが1番スロットの最外層(第12層)に位置し、終端側の第12スロット収容部51Lが19番スロットの最内層(第1層)に位置している。
また、固定子巻線40を構成する48本の導線50は、長手方向(周方向)に1スロットピッチずつずれて配置されているので、各導線50の始端側となる第1スロット収容部51Aが、48個の各スロット31の最外層(第12層)に順に収容されている。下記の表1は、1番〜48番の各スロット31において、最外層に位置する導線の番号と、最内層に位置する導線の番号をまとめたものである。
Figure 0005472057
固定子巻線40を構成する導線50は、各導線50の一端側(第1スロット収容部51A側)から他端側(第12スロット収容部51L側)に向かうにつれて、スロット収容部51の固定子コア30の中心軸線Oからの半径距離が順次小さくなっている。本実施形態の場合、各導線50は、ターン部52によって接続されたスロット収容部51同士の固定子コア30の中心軸線Oからの半径方向距離がスロット収容部51の径方向厚み分異なっている。
図16は、固定子巻線40を図15の裏側から見た場合の、1本の導線(U1−4’)の軌跡を示す図である。この導線(U1−4’)は、始端側となる第1スロット収容部51Aが43番スロットの第12層(最外層)に配置され、第2スロット収容部51Bが1番スロットの第11層に配置され、第3スロット収容部51Cが7番スロットの第10層に配置され、第4スロット収容部51Dが13番スロットの第9層に配置され、最終の第12スロット収容部51Lが13番スロットの第1層(最内層)に配置されている。即ち、導線(U1−4’)は、始端側(外径側)から終端側(内径側)に向かうにつれて、スロット収容部51の固定子コア30の中心軸線Oからの半径距離が順次小さくなっている。
よって、固定子コア30の中心軸線Oから、第1スロット収容部51Aまでの半径距離r43と、第2スロット収容部51Bまでの半径距離r1と、第3スロット収容部51Cまでの半径距離r7と、第4スロット収容部51Dまでの半径距離r13は、順次スロット収容部51の径方向厚み分小さくなっており、以後同様に、第12スロット収容部51Lに至るまで、半径距離が順次スロット収容部51の径方向厚み分小さくなっている。すなわち、第1スロット収容部51Aから第12スロット収容部51Lに至るまで、半径距離が順次小さくなるのみで、途中で半径距離が大きくなることはない。
次に、16本の導線50を直列に接続してなる各相巻線43(U、V、W)のうち、代表としてV相の各相巻線43の接続状態を、図14、図17及び上記の表1を参照して説明する。なお、U相、W相の各相巻線もV相と同様の接続となっている。
図14において出力線Vの始端に位置する導線(V1−1)は、表1及び図17に示すように、始端側の第1スロット収容部51Aが5番スロットの最外層(第12層)に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが23番スロットの最内層(第1層)に配置されている。導線(V1−1)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが17番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが35番スロットの第1層に配置された導線(V1−2)の始端側が接続されている。
導線(V1−2)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが29番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが47番スロットの第1層に配置された導線(V1−3)の始端側が接続されている。導線(V1−3)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが41番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが11番スロットの第1層に配置された導線(V1−4)の始端側が接続されている。導線(V1−4)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが6番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが24番スロットの第1層に配置された導線(V2−1)の始端側が接続されている。
導線(V2−1)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが18番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが36番スロットの第1層に配置された導線(V2−2)の始端側が接続されている。導線(V2−2)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが30番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが48番スロットの第1層に配置された導線(V2−3)の始端側が接続されている。導線(V2−3)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが42番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが12番スロットの第1層に配置された導線(V2−4)の始端側が接続されている。
導線(V2−4)の終端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが48番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが18番スロットの第1層に配置された導線(V2−4’)の終端側が接続されている。導線(V2−4’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが36番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが6番スロットの第1層に配置された導線(V2−3’)の終端側が接続されている。導線(V2−3’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが24番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが42番スロットの第1層に配置された導線(V2−2’)の終端側が接続されている。導線(V2−2’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが12番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが30番スロットの第1層に配置された導線(V2−1’)の終端側が接続されている。
導線(V2−1’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが47番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが17番スロットの第1層に配置された導線(V1−4’)の終端側が接続されている。導線(V1−4’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが35番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが5番スロットの第1層に配置された導線(V1−3’)の終端側が接続されている。導線(V1−3’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが23番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが41番スロットの第1層に配置された導線(V1−2’)の終端側が接続されている。導線(V1−2’)の始端側には、始端側の第1スロット収容部51Aが11番スロットの第12層に配置され、終端側の第12スロット収容部51Lが29番スロットの第1層に配置された導線(V1−1’)の終端側が接続されている。なお、導線(V1−1’)の始端側は、中性点Vに接続されている。
次に、表1、図12及び図17を参照して各導線50の接続状態を説明する。ここでは、代表として2本の導線(V1−1)(V1−2)の接続状態を説明する。一方の導線(V1−1)は、始端側となる第1スロット収容部51Aが5番スロットの最外層(第12層)に配置され、終端側となる第12スロット収容部51Lが23番スロットの最内層(第1層)に配置されている。この導線(V1−1)の終端側に設けられた引出し部53b(内周側端部)は、第12スロット収容部51Lが配置されている23番スロットからターン部52Nの長さ分だけ戻った所(20番スロット付近)に位置している。
そして、他方の導線(V1−2)は、始端側となる第1スロット収容部51Aが17番スロットの最外層(第12層)に配置され、終端側となる第12スロット収容部51Lが35番スロットの最内層(第1層)に配置されている。この導線(V1−2)の始端側に設けられた引出し部53a(外周側端部)は、第1スロット収容部51Aが配置されている17番スロットからターン部52Mの長さ分だけ戻った所(20番スロット付近)に位置している。図7〜図10に示すように、この導線(V1−1)の引出し部53b(内周側端部)は、径方向外方側へ略直角に折曲げられた後、その先端が、固定子巻線40の外周端部に位置する導線(V1−2)の引出し部53a(外周側端部)の先端部に溶接接合されることにより接続されている。
この溶接接合は、固定子巻線40の最も外径側に位置するターン部52よりも外径側において溶接により接続されている。この場合、導線(V1−1)の引出し部53b(内周側端部)の折曲げ部は、固定子巻線40の軸方向端面(ターン部52の軸方向外面)上を通る渡り部70を形成しており、2本の導線(V1−1)(V1−2)は、渡り部70を介して接続されている。これにより、内径側に位置する第12ロット収容部51Lの径方向内方への膨出をより効果的に防止することができるので、内径側に位置する回転子との干渉を回避することが可能となる。
なお、渡り部70は、図3及び図9に示すように、渡り部70の径方向両端部が、固定子コア30(固定子巻線40)の中心軸線Oから放射方向に延びる直線に沿って延びるように形成されている。渡り部70の形状をこのようにすることによって、導線の折り曲げを容易にするとともに、溶接接合を容易にすることができる。
また、この渡り部70は、図3及び図9に示すように、固定子巻線40の軸方向端面上において、周方向に略3/4周する範囲の領域に設けられている。そして、固定子巻線40の軸方向端面上の残り1/4周する範囲の領域には、中性点V、出力線W、中性点U、出力線V、中性点W及び出力線Uの引出し部が順番に並んで設けられている。即ち、固定子巻線40の軸方向端面において、中性点U、V、Wの引出し部と同じ領域に出力線U、V、Wの引出し部が設けられているとともに、渡り部70が設けられる領域と中性点U、V、W及び出力線U、V、Wの引出し部が設けられる領域が分離されている。
上記のように構成された固定子巻線40は、外周側から分割コア32が挿入されることによって固定子コア30と組み付けられている(図2〜図4参照)。これにより、固定子巻線40を構成する導線50は、固定子コア30の内周側で周方向に沿って波巻きされた状態に組み付けられている。導線50のターン部52によって接続されたスロット収容部51同士は、所定のスロットピッチ(本実施形態では、3相×2個=6スロットピッチ)だけ離間したスロット31に収容されている。隣り合うスロット収容部51同士を接続するターン部52は、固定子コア30の軸方向の両端面からそれぞれ突出し、その突出している部分によりコイルエンドが形成されている。
(製造方法)
次に、本実施形態の固定子20の製造方法について説明する。本実施形態の固定子20の製造方法は、図18に示すように、導線形成工程101と、成形工程102と、固定子巻線形成工程103と、コア組付工程104とからなる。
最初の導線形成工程101では、図19及び図20に示すように、治具を用いて、線材50aに対して、スロット31に収容されるスロット収容部51と、周方向に異なるスロット31に収容されるスロット収容部51同士を接続するターン部52とを形成し、図12に示す導線50を作製する。ここで用いられる治具は、線材50aの幅に相当する距離を隔てて対向配置された第1及び第2固定治具81、82と、支軸83aに回転可能に取着され、第1及び第2固定治具81、82の間に挟持された線材50aを第1固定治具81側へ屈曲させる回転治具83とを備えている。第1固定治具81は、線材50aが屈曲される際に屈曲部が当接する略直角のコーナ部81aを有する。コーナ部81aは、所定の大きさのアール形状とされている。
この治具により、ターン部52を形成するには、図20(A)に示すように、第1及び第2固定治具81、82の間に、線材50aのスロット収容部51となる部分を挟持させて、支軸83aを中心にして回転治具83を第1固定治具81側へ回転させる。なお、第1固定治具81と第2固定治具82の対向方向は、固定子コア30の周方向に相当する(図19参照)。これにより、図20(B)に示すように、回転治具83が線材50aを第1固定治具81のコーナ部81aに押し付け、コーナ部81aのアール形状に沿って屈曲させる。
これにより、スロット31から突出するターン部52の突出箇所(スロット収容部51の延長線上の部位)が、スロット収容部51に対して略直角に屈曲され、ターン部52の突出箇所に、固定子コア30の端面に沿った段部55が形成される。
また、上記の治具を上記と同様に操作して、各ターン部52に、固定子コア30の端面に平行な4個の段部56からなる階段部を形成する。
次の成形工程102では、導線形成工程101で作製した導線50を塑性変形させて、所定の大きさの1周以上の渦巻き状に巻回して巻回体とする。この成形工程102では、図21〜22に示すように、導線50が周方向に略2周する渦巻き状に成形される。図21には巻回体の平面図を示し、図22には巻回体の斜視図を示した。
成形工程102は、図23に成形を行う押圧部材の構成を示した巻回装置9を用いて行われる。巻回装置9は、内周押圧部材91、中間押圧部材92、外周押圧部材93を有している。なお、本実施形態で押圧部材91〜92は、請求項10に記載の成型ダイに相当する。
内周押圧部材91は、導線50を1周以上の渦巻き状に成形するときの渦巻き状の巻回体の最内周面と当接する押圧部材である。つまり、内周押圧部材91は、巻回体の内周面の形成に寄与する。内周押圧部材91は、中間押圧部材92及び外周押圧部材93との間に配置された導線50を、成形する。
内周押圧部材91は、導線50のスロット収容部51が収容・固定されるスロット収容部規制部911と、ターン部52と当接してターン部52の変形に寄与する曲成形部912と、を備えている。そして、曲成形部912は、軸方向の一方のターン部52を成形する第一曲成形部9121と、他方のターン部52を成形する第二曲成形部9122と、を備えている。内周押圧部材91は、第一及び第二曲成形部9121,9122を、スロット収容部規制部911で接続した構成となっている。
スロット収容部規制部911は、内周押圧部材91の外周面に形成されたスロット収容部51が収容される断面凹字状の空隙を備えた溝条である。この溝条は、固定子巻線40の軸方向に平行にのびている。また、この溝条は、その断面形状が、スロット収容部51の外周形状に対応する形状であり、具体的には、スロット収容部51の外周形状と略一致する形状に形成されている。溝条は、スロット収容部51が収容(嵌合)された状態では、スロット収容部51の変移(ずれ)が生じなくなっている。つまり、溝条に収容された状態のスロット収容部51は、位置が規制される。図25に、スロット収容部規制部911の断面形状を示した。
曲成形部912は、導線50のターン部52と当接し、ターン部52をその外周面にそった形状に成形する。曲成形部912の外周面は、渦巻き状の巻回体を形成できる形状に形成されている。すなわち、固定子巻線40を固定子コア30に組み付けたときに、固定子巻線40が所定の寸法精度を有することができるように予め設定された曲率をなすように、曲成形部912の形状(曲率)が設定されている。
中間押圧部材92は、1周以上の渦巻き状の巻回体を構成する導線50が径方向で重なり合う内周側部と外周側部の間に少なくとも介在し、その内周側に位置する内周壁部と内周押圧部材91との間で、両押圧部材91,92間に位置する導線50の内周側部を押圧して成形する。本実施形態においては、中間押圧部材92は、内周押圧部材91の外周を1周するように形成されている。
また、中間押圧部材92は、導線50の径方向で重なり合う内周側部と外周側部との外周側部の内周面と当接する外周壁部を有している。この外周壁部は、内周壁部と径方向で背向してもうけられている。外周壁部を含む中間押圧部材92の外周面には、内周押圧部材91の外周面と同様に、スロット収容部規制部921G〜Lと、曲成形部922と、が形成されている。
中間押圧部材92は、それぞれが揺動可能な状態で周方向の端部が接続された、複数の中間押圧部材片92A〜Fから形成されている。なお、中間押圧部材片92A〜Fのそれぞれは、揺動可能な状態で接続されていればよく、揺動可能に接続する方法については限定されるものではない。
中間押圧部材92は、内周押圧部材91と同様に、軸方向の一方のターン部52を成形する第一曲成形部9221と、他方のターン部52を成形する第二曲成形部9222と、を備えている。中間押圧部材92は、第一及び第二曲成形部9221,9222を、スロット収容部規制部921で接続した構成となっている。
曲成形部922の外周面は、内周押圧部材91の曲成形部912と同様に、固定子巻線40を固定子コア30に組み付けたときに、固定子巻線40が所定の寸法精度を有することができるように予め設定された曲率をなすように、曲成形部912の形状(曲率)が設定されている。
外周押圧部材93は、中間押圧部材92の外周面との間で、導線50を成形する。外周押圧部材93は、複数の外周押圧部材片93A〜Fから形成される。
本実施形態において、内周押圧部材91,中間押圧部材92,外周押圧部材93の導線50と当接して押圧する押圧面には、ターン部52を成形するときに、ターン部52のクランク部54の段差に対応した形状を有する段差規制部94が形成されている。この段差規制部94は、その形状から成形時にクランク部54の位置を規制する。ここで、段差規制部94は、成形時にクランク部54の位置を規制できる形状であれば限定されるものではない。本実施形態において段差規制部94は、中間押圧部材92の中間押圧部材片92A〜F及び外周押圧部材93の外周押圧部材片93A〜Fのそれぞれが周方向で接続される接続部にもうけられている。
本実施形態において、内周押圧部材91,中間押圧部材92,外周押圧部材93の導線50と当接する押圧面のそれぞれは、予め設定された曲率をなすように形成されている。具体的には、ターン部52A〜K,M〜Nのそれぞれに対応した各押圧部材91,92,93の押圧面は、湾曲形状の半径及び中心点が一致していない。より具体的には、巻回体において、ターン部52A〜Kのそれぞれには、クランク部54A〜Kが設けられており、ターン部52に接続されるふたつのスロット収容部51,51の径方向での位置は、異なっている。すなわち、一つのターン部52においては、クランク部54から一方のスロット収容部51までの曲率と、他方のスロット収容部51までの曲率と、が異なる。例えば、ターン部52Kにおいて、ターン部54Kからスロット収容部51Kまでの曲率と、ターン部54Kからスロット収容部51Lまでの曲率とが異なっている。このような形状に成形するためには、対応した押圧面がそれぞれ異なる曲率を持つことが求められる。そして、異なる曲率を持つように各押圧部材91,92,93の押圧面が形成されている。各押圧部材91,92,93の押圧面は、湾曲形状の半径及び中心点(湾曲形状の中心)が異なっている。図24(A),(B)に示す様に、巻回装置9で導線50を成形している状態で押圧面の各曲率中心を示すとそれぞれが異なる位置にあるとともに略正六角形を形成する。なお、図24(A)には、各押圧部材91〜93により成形されている状態(図23に示した状態)での巻回体の周方向にのびる部分のそれぞれの曲率中心を、図24(B)には、図24(A)の中心近傍の拡大図を示した。なお、曲率とは、周方向にそって湾曲した湾曲部の中心までの径(r)の逆数(1/r)を示す。
本実施形態において、固定子巻線40を固定子コア30に組み付けた状態での曲率に対して、成形工程時の曲率と、の比を曲率比とすると、導線50の成形時の最外径側に位置する部分の曲率比は、最内径側に位置する部分の曲率比よりも大きくなっている。具体的には、成形後のスロット収容部51Lに接続するターン部52K,N、及びスロット収容部51Aに接続するターン部52A,Mの成形時の曲率比を比較すると、ターン部52K,Nの曲率比よりも、ターン部52A,Mの曲率比の方が大きくなっている。より具体的には、図21に示した様に、固定子巻線を形成したときの最内径側に位置するターン部52K,Nの曲率をaとしたときの、成形工程時のターン部52K,Nの曲率は1.21aであり、曲率比は1.21となっている。そして、最外径側に位置するターン部52A,Mの曲率をbとしたときの、成形工程時のターン部52A,Mの曲率は1.26bであり、曲率比は1.26となっている。
そして、導線50のターン部52A〜Kの曲率比は、最内径側(52K,N)から最外径側(52A,M)にかけて徐々に変化している。なお、これらの数値は、本実施形態における一例であり、例えば最内径側(52K,N)の曲率比を1.20〜1.22とし、最外径側(52A,M)の曲率比を1.25〜1.27としても同様の効果が得られる。また、これらの数値は、本実施形態を示す一例であり、製造される固定子巻線の材料や寸法等の条件により適宜設定することができる。
巻回装置により導線50を1周以上の渦巻き状に巻回して巻回体とする巻回方法について説明する。
まず、導線50のスロット収容部51のうち、固定子巻線40を形成したときに最内周に位置するスロット収容部51Lを、内周押圧部材91のスロット収容部規制部911Lの断面凹字状の溝条に挿入・保持する。スロット収容部51Lがスロット収容部規制部911Lに挿入・保持された状態は、図25に示した。図25に示したように、スロット収容部51Lは、スロット収容部規制部911Lに固定されて位置が規制されており、周方向や径方向内方へのずれやねじれといった変位が規制されている。図26に、スロット収容部51Lがスロット収容部規制部911Lに保持された状態の内周押圧部材91を示した。
そして、スロット収容部51Lの変位が規制された状態で、このスロット収容部規制部911L(に固定されたスロット収容部51L)に対応した中間押圧部材片92Aを、スロット収容部規制部911Lの径方向外方に配置した後に、径方向内方に変位して内周押圧部材91に押圧して導線50を成形する。このとき、中間押圧部材92のスロット収容部規制部921の内周壁部と内周押圧部材91のスロット収容部規制部911Lとで、スロット収容部51Lが径方向外方に変位することが規制される。なお、スロット収容部51Lは、スロット収容部規制部911Lの溝条に嵌入しており、径方向内方及び周方向への変位が規制されている。つまり、中間押圧部材片92Aと内周押圧部材91のスロット収容部規制部911Lとで、スロット収容部51Lの位置がねじれを含めて完全に規制されている。
中間押圧部材片92を径方向内方に変移していくと、スロット収容部規制部921Lの軸方向の一端側にもうけられた第一曲成形部9221Aはターン部52Nを、他端側にもうけられた第二曲成形部9222はターン部52Lを、押圧して成形する。この押圧により、ターン部52Kのクランク部54Kからスロット収容部51Lまで及びターン部52Nが成形される。
そして、中間押圧部材片92Aを径方向内方に変移していくと、中間押圧部材片92Aに接続された中間押圧部材片92Bが連続して内周押圧部材91の周方向に沿うように(中間押圧部材92が内周押圧部材92に巻き付くように)変移して、中間押圧部材片92Bが導線50を押圧するようになる。
図23に示したように、中間押圧部材片92Bの内周壁部は、中間押圧部材片92Aの内周壁部と径方向での位置がずれて形成されており、二つの中間押圧部材片92A,92Bの接続部がクランク部54Kの位置を規制する段差規制部94となっている。つまり、中間押圧部材片92Aが導線50を成形している状態(完全に内周押圧部材91を押圧した状態)では、中間押圧部材片92Bが中間押圧部材片92Aに接続されていることから、クランク部54Kの位置が段差規制部94により最初に規制される。そして、中間押圧部材片92Bをさらに内周押圧部材91に押圧すると、ターン部52Kに接続されたスロット収容部51Kが、内周押圧部材91のスロット収容部規制部911Kに収容・固定される。このとき、ターン部52Kは、その中央(周方向の中央)に位置するクランク部54Kからスロット収容部51までの位置が、中間押圧部材片92Aにより規制されており、ターン部52Kに接続するスロット収容部51Kは、スロット収容部規制部911Kに簡単に挿入・固定できた。
上記の中間押圧部材片92A〜Bでの成形と同様の工程を繰り返して、中間押圧部材片92Fまでを用いて導線50を1周分成形する。つまり、スロット収容部51Gまでを成形する。図27に、中間押圧部材92が内周押圧部材91の外周を1周した状態を示した。
図27に示したように、中間押圧部材92が内周押圧部材91の外周を1周した状態では、スロット収容部51A〜Fが、中間押圧部材92の径方向外方(外周側)に位置する。外周押圧部材93の外周押圧部材片93A〜Fのうち、スロット収容部51Fに対応した外周押圧部材片93Aを、スロット収容部51Fの径方向外方に配置し、径方向内方に変移させて、中間押圧部材92の外周壁部との間で、スロット収容部51F及びターン部52E,Fを成形する。ここで、中間押圧部材92の外周壁部にも、内周押圧部材91の外周面と同様に、導線50を所定の形状に成形できるように形成されており、ターン部52Fも所定の形状(所定の寸法精度の渦巻き状)に成形される。
スロット収容部51F及びターン部52E,Fの成形時には、スロット収容部51Fが中間押圧部材92のスロット収容部規制部921の外周面に形成されたスロット収容部51Fが収容されるスロット収容部規制部921Fに挿入・保持され、位置が規制される。図28〜図29に、外周押圧部材片93Aが中間押圧部材92との間で導線50を成形している状態を示した。
上記の外周押圧部材片93Aでの成形と同様の工程を繰り返して、外周押圧部材片93Fまでを用いて導線50を1周分成形する。つまり、スロット収容部51F〜Aを、外周押圧部材片93A〜Fを順次用いて成形する。図30に、外周押圧部材93が中間押圧部材92との間で導線50を成形している状態を示した。図30に示したように、導線50のターン部52F〜Aまでの部分(外周側部571)は、ターン部52K〜Gまでの部分(内周側部570)と径方向で重なり合っている。
成形後に、各押圧部材91〜93から取り外して、渦巻き状の導線50の巻回体が得られた。
次の固定子巻線形成工程103では、成形工程102で渦巻き状に成形された48本の導線50を互いに軸方向に相対移動させて組み付け、円筒状の固定子巻線40を形成する。この工程での導線50の組付けは、例えば図31に示すように、2本の導線50をスロットピッチ(隣り合うスロット間の周方向幅)だけずらして、軸方向から組み合わせる。これを繰り返し、複数の導線50を組み付けてなる1つの導線集合体50bに対して、1本の導線50を軸方向に相対移動させる様子を、図32に示した。この場合、導線50または導線集合体50bは、弾性変形範囲内において径方向に変形させた状態にされており、それらを軸方向に相対移動させる際に、導線50の干渉が少なくなるようにして軸方向への相対移動がより円滑かつ容易になるようにされている。例えば、図33に示した導線50において、導線集合体50bの渦巻き形状の始端部と終端部に、渦巻きを巻き戻す方向に荷重Fを加えることによって、導線50は外径方向に膨らむ。複数の導線50を組み付けた導線集合体50bにおいても、この外径方向に膨らむ動きは同様である。これにより、導線集合体50bの内周側に拡大された隙間に、新たな導線50を軸方向から挿入できるので、両者の干渉を少なくすることが容易となる。なお、導線50を一本ずつ順次組み付けて導線集合体50bを形成することを述べたが、二つの導線集合体50bを作製後、それらの少なくとも一方の導線集合体50bを弾性変形範囲内において径方向に変形させて、両者を軸方向に移動させて組み付けてもよい。
以上のようにして48本の導線50の組付けを行った後、所定の導線50の引出し部53a、53bを溶接で接続することにより、図7〜図10に示す固定子巻線40が得られる。この固定子巻線40は、48本の導線50を互いに軸方向に相対移動させることにより組み付けられているので、スロット収容部51の位置ずれや固定子巻線40の形くずれ等の発生が回避されている。
次のコア組付工程104では、固定子巻線形成工程103で形成された固定子巻線40と固定子コア30との組付けを行う。この場合、円筒状に形成された固定子巻線40に対して、所定数の分割コア32を外周側から挿入して円環状に組み付けることで、図2〜図4に示す固定子20が完成する。
以上のように、本実施形態によれば、渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を成形するときに、中間押圧部材92を巻回体の導線50の径方向で重なり合う内周側部570と外周側部571の間に介在させることで、内周側部570と外周側部571の両者を所定の形状に巻回・成形することができた。
本実施形態によれば、中間押圧部材92と外周押圧部材93が周方向に複数個に分割されていることで、各押圧部材片92A〜F,93A〜Fを配置していくことで、導線50を周方向に順次成形することができた。
本実施形態によれば、各押圧部材片92A〜F,93A〜Fが接続する部分に段差規制部94が形成されており、周方向に順次巻回体を成形している。そして、隣接する二つのクランク部54の間の区間は同一の曲率であるため、クランク部54の周方向位置で押圧部材92,93が分割していることで、それぞれの押圧部材片92A〜F,93A〜Fの押圧面の曲率を一定にすることができ、巻回体の製造が容易となった。
また、本実施形態によれば、導線50の径方向で重なり合う内周側部570と外周側部571の間に介在させる中間押圧部材92を有する巻回装置を用いることで、内周側部570と外周側部571の両者を所定の形状に巻回・成形することができた。
本実施形態において固定子巻線40を製造する巻回装置は、上記した製造方法(巻回方法)による各効果を達成できた。
本実施形態によれば、ターン部52は固定子コア30の軸方向の端面から突出するように形成されており、かつ周方向と軸方向がなす曲面で傾斜した方向にのびる形状を有している。このような形状のターン部52をもつ導線50を巻回しても、スロット収容部51の位置のずれの発生を抑えることができた。
本実施形態によれば、ターン部52の成形が、所定の曲率の押圧面を備えた曲成形部912,922により行っており、成形時にターン部52の全体に荷重をかけることができ、ターン部52を確実に所定の曲率に成形することができた。
本実施形態によれば、ターン部52は、径方向に変化するクランク部54を有しており、固定子巻線40を形成したときに、径方向で隣り合った導線同士の干渉を抑えることができ、成形時にクランク部54によりターン部52の周方向位置が規制されるため、成形に伴うスロット収容部51の位置や姿勢の変移を防止できた。
本実施形態によれば、ターン部52においてクランク部54がスロット収容部51から最も離れた形状である対称な形状に形成されている。また、ターン部52が階段状に形成されている。これによると、ターン部52が階段状に成形されることで、固定子巻線40のスロット収容部51(固定子コア30の端面)からの突出量を小さくすることができ、本発明の製造方法により製造された固定子巻線を小型化することができた。
本実施形態によれば、ターン部52が径方向位置を変化させるクランク部54を有していても、スロット収容部51を規制した状態で成形しており、スロット収容部51の位置ずれが抑えられた固定子巻線を製造することができた。
本実施形態によれば、スロット収容部51を押圧部材91,92に固定した状態で成形を行うことで、成形時のスロット収容部51の位置が規制され、この状態で押圧部材91,92に押圧することでスロット収容部51の位置のずれが抑えられた固定子巻線40を製造できた。
(第二実施形態)
本形態において製造される固定子巻線及び回転電機は、第一実施形態と同様である。本実施形態では、第一実施形態とは異なる製造装置を用いて固定子巻線の製造を行った。なお、本形態では、上記の第一実施形態に記載の製造方法を適用した製造装置により固定子巻線の製造を行った。
(製造装置)
本実施形態において固定子巻線の製造に用いられる製造装置は、図36〜38に示したように、巻き取り芯金91(内周押圧部材に相当)、中間型92(中間押圧部材に相当)、外型93(外周押圧部材に相当)、押圧部材変移手段95、送りベルト97(成形体供給手段に相当)、加圧ローラー98(加圧手段に相当)、巻きほぐしチャック99、を有している。なお、本実施形態においては、第一実施形態に記載の巻回装置9で対応する機能を有する部材と同じ符号を付した。図36には、製造装置の構成を概略上面図で示し、図37には製造装置の構成を概略側面図で示し、図38には巻き取り芯金91の近傍を概略側面図で示した。
巻き取り芯金91は、導線50を1周以上の渦巻き状に成形するときの渦巻き状の巻回体の最内周面と当接する略円柱状の部材である。この巻き取り芯金91は、巻回体(固定子巻線)の内周面の形成に寄与する。巻き取り芯金91は、その外周面にそって供給された(搬送された)導線50を内型との間で成形する。つまり、巻き取り芯金91は、その外周面が導線50を成形する成形面をなしている。
巻き取り芯金91は、その外周面に、導線50のスロット収容部51が収容・固定されるスロット収容部規制部911と、ターン部52と当接してターン部52の変形に寄与する曲成形部(図示せず)と、を備えている。そして、曲成形部911は、巻き取り芯金91の外周面の軸方向の両端に形成されている。
スロット収容部規制部911は、巻き取り芯金91の外周面に形成されたスロット収容部51が収容される断面凹字状の空間を備えた溝条である。この溝条は、巻き取り芯金91の外周面に平行に設けられた一対の突条910,910により区画されている。一対の突条910,910は、溝条内にスロット収容部51を収容したときに、スロット収容部51が変移(ズレ)を生じない形状をなすように形成されている。一対の突条910,910及び溝条は、固定子巻線40の軸方向に平行にのびている。つまり、溝条に収容された状態のスロット収容部51は、軸方向に沿って伸びた状態で位置が規制される。
巻き取り芯金91の曲成形部は、導線50のターン部52と当接し、ターン部52をその外周面にそった形状に成形する。曲成形部の外周面は、渦巻き状の巻回体(固定子巻線40)を形成できる形状に形成されている。すなわち、固定子巻線40を固定子コア30に組み付けたときに、固定子巻線40が所定の寸法精度を有することができるように予め設定された曲率をなすように、曲成形部の形状(曲率)が設定されている。
巻き取り芯金は、図36に示した様に、最内周に位置するスロット収容部51Lが収容されるスロット収容部規制部911Lの径方向位置から、周方向の一方に進むにつれて徐々に拡径するように外周面が形成されている。
巻き取り芯金91は、周方向に回転可能な状態で回転装置96に組み付けられている。すなわち、回転装置96は、巻き取り芯金91を、略円柱状の中心軸を回転中心として、周方向に回転する。なお、この回転装置96は、回転方向(時計回り,反時計回り),回転速度,回転量等の回転条件を任意に設定できる。すなわち、所定の各位速度で、所定の角度だけ回転することができる。
中間型92は、巻き取り芯金91との間で導線50を押圧して成形する。また、外型との間で導線50を押圧して成形する。すなわち、中間型92は、内周側と外周側の表面のそれぞれが成形面となっている。中間型92の成形面には、スロット収容部51及びターン部52のそれぞれを成形するスロット収容部規制部及び曲成形部(ともに図示せず)が形成されている。
中間型92は、複数(本形態では6個)が巻き取り芯金91の全周にわたって組み付けられ、固定子巻線の最内周に位置する導線50を成形する。この複数の中間型92のそれぞれは、形成される固定子巻線40が所定の寸法精度を有することができるように予め設定された曲率をなすように、形状(曲率)が設定されている。
中間型92は、軸方向及び径方向にそれぞれ変移可能な状態で押圧部材変位手段に組み付けられている。押圧部材変位手段95は、中間型92を軸方向に変位(往復動)させるシリンダ装置950と、中間型92を径方向に変位(往復動)させるシリンダ装置951と、を有し、押圧可能な位置と押圧不可能な位置との間を変移させる。押圧部材変位手段95は、巻き取り芯金91が組み付けられている回転装置96に組み付けられている。本実施形態において、それぞれのシリンダ装置950,951は、独立して中間型92を変位させることができる。
外型93は、中間型92との間で導線50を成形する。外型93は、中間型92と同様に、成形面にスロット収容部規制部及び曲成形部(ともに図示せず)が形成されている。また、外型93は、中間型92と同様に、複数(本形態では6個)が中間型92の全周にわたって組み付けられ、固定子巻線となる導線50を成形する。この複数の外型93のそれぞれは、形成される固定子巻線40が所定の寸法精度を有することができるように予め設定された曲率をなすように、形状(曲率)が設定されている。
さらに、外型93は、中間型92と同様に、軸方向及び径方向にそれぞれ変移可能なシリンダ装置952,953よりなる押圧部材変位手段95を介して巻き取り芯金91が組み付けられている回転装置96に、中間型92より径方向外方に組み付けられている。
中間型92及び外型93は、図39に示したように、型92,93の合わせ面(押圧部材の当接部)が、導線50のターン部52の頂点に対応した位置に設けられている。ここで、図39は、各型92,93と導線50の関係がわかるように、模式的に示した展開図である。
送りベルト97は、巻き取り芯金91の外周面の所定の位置に、導線50を供給する(送り込む)。送りベルト97は、巻き取り芯金91(中間型92)の外周の略接線方向に沿って、導線50を送る(搬送する)。送りベルト97は、導線50を挟み込むようにもうけられた、内径側ベルト970と外径側ベルト971の二つのベルトを備えている。送りベルト97を構成するそれぞれのベルト970,971は、搬送方向に垂直な方向での導線50の幅(隣接するターン部52の最も離れた部分の幅,(固定子巻線40を形成したときのコイルエンド間の距離))よりも広い幅を備えている。
外径側ベルト971は、巻き取り芯金91に近接する一方の先端部(の巻き取り芯金と対向した表面)が、巻き取り芯金91の外周面に当接し、他方側が、略接線方向に伸びた状態でもうけられている。外径側ベルト971の一方の先端部の巻き取り芯金91に当接した部分は、巻き取り芯金91に付勢する予備成形部972を形成しており、送りベルト97により搬送された導線50を、巻き取り芯金91の表面の所定位置に位置決めする。
内径側ベルト970は、外径側ベルト971の巻き取り芯金91と当接していない部分と、平行にもうけられている。
送りベルト97(外径側ベルト971と内径側ベルト970)は、導線50を挟み込んだ状態でベルトを動かして、導線50を巻き取り芯金91方向に向かうベルトの流れに従動させ、巻き取り芯金91の外周面の所定の位置に供給する(送る)。
送りベルト97は、導線50との当接面に、凹凸(係止突部)を形成していてもよい。係止突部を有している場合には、係止突部により導線50が係止され、より搬送中の導線50の変形(歪み)の発生が抑えられる。
加圧ローラー98は、中間型92又は外型93の外周面を径方向内方側(巻き取り芯金91)に押圧し、各型91,92,93の間に介在する導線50を成形する。加圧ローラー98は、中間型92又は外型93の外周面を押圧する押圧部980が、回転可能に形成されている。
加圧ローラー98は、軸方向の両端部(ターン部52に対応した位置)にもうけられ、それぞれ径方向内方に向かって中間型92又は外型93の外周面を押圧する。
巻きほぐしチャック99は、導線50を巻回体に成形した後に、各型92,93及び巻き取り芯金91から取り外すときに、導線50の成形体を保持するとともに取り外す装置である。
(製造方法)
次に、本実施形態の製造装置を用いて導線50の巻回体(固定子巻線40)を製造する製造方法について具体的に説明する。
まず、本実施形態の製造装置は、図37に示したように、中間型92及び外型93が巻き取り芯金91の外周面(成型面)の径方向外方に位置しない状態(軸方向での位置がずれた状態)に保持される。
第一実施形態と同様にして、スロット収容部51,ターン部52を有する導線50を製造し、製造された導線50を、送りベルトの二つのベルト97(外径側ベルト971と内径側ベルト970)の間に、挿入する。このとき、導線50は、スロット収容部51がのびる方向(固定子巻線40の軸方向)が送りベルト97の搬送方向と垂直な方向となる状態で、挿入される。
導線50が挿入された送りベルト97は、二つのベルト971,970の互いの対向面が巻き取り芯金91方向に流れており、送りベルト97の間に挿入された導線50は、二つのベルト971,970のいずれとも当接した状態で、摩擦力により送りベルト97の流れる方向に沿って送られる。(図40(a)には、図37に対応した上面図を、(b)には図38に対応した側面図をそれぞれ示した。)
二つのベルト971,970の間に挿入された導線50は、二つのベルト971,970に挟持・固定され、変形(歪み)が生じなくなっている。具体的には、二つのベルト971,970の間に挿入された導線50は、挿入された部分から、二つのベルト971,970に挟持される。そして、挟持された状態で、二つのベルト971,970の表面に対する相対位置が固定され、この状態で二つのベルト971,970の搬送方向に沿って、巻き取り芯金91方向に搬送される。このとき、特に、スロット収容部51の歪みの発生が抑えられる(搬送中も、スロット収容部51ののびる方向(搬送方向に垂直な方向)が維持される)。
二つのベルトの間に挿入された導線50は、変形が生じない状態で巻き取り芯金91の外周に供給される。そして、巻き取り芯金91の外周面に供給された導線50は、予備成形部972により、巻き取り芯金91の所定の位置に位置決めされる。具体的には、固定子巻線40を形成したときに最内周に位置するスロット収容部51Lが、巻き取り芯金91の溝条911Lに挿入・固定される。(図41〜図42)
そして、回転装置96を駆動して巻き取り芯金91を、軸を中心にして回転させる。この巻き取り芯金91の回転により、巻き取り芯金91の外周面の外方に供給された導線50は、予備成形部972により巻き取り芯金91の外周面に付勢された状態で供給され、巻き取り芯金91の外周面の所定の位置(スロット収容部51Lが溝条911Lに対応した位置)に位置決めされ、スロット収容部51Lが溝条911L内に挿入され、固定される。
回転装置96を駆動して巻き取り芯金91が、さらに回転すると、スロット収容部51Lが溝条911Lに挿入・固定した状態で、露出する(巻き取り芯金91が予備成形部972から外れた位置に回転する)。スロット収容部51L(ターン部52L及びターン部52Kの少なくとも一部)が露出したら、この部分を成形する中間型92Aを変移して、巻き取り芯金91との間で導線50を成形する。
中間型92(92A)による成形は、図43〜図44に示したように、まず、シリンダ装置950を駆動して、巻き取り芯金91の径方向外方に軸方向位置を変移させる(両者の軸方向位置を一致させる)。その後、シリンダ装置951を駆動して、中間型92を径方向内方に向かって変移して、巻き取り芯金91の外周面に当接させるとともに、両型91,92の間で、導線50を成形する。このとき、導線50は、スロット収容部51Lが溝条911Lに挿入した状態で、かつスロット収容部51Kが溝条911Kに挿入した状態で固定されており、中間型92(92A)で成形するときには、導線50の位置のズレ(歪み)の発生が抑えられていた。このため、両型91,92の間で、高い精度で成形できた。
中間型92による成形を行うときに、中間型92の外方には加圧ローラー98,98が配置されており、この加圧ローラー98,98で中間型92を径方向内方に押圧する。この加圧ローラー98,98による押圧により、導線50を確実に成形できる。また、回転装置96が駆動した状態が維持されて巻き取り芯金が周方向に回転しているときには、加圧ローラー98,98と中間型92との当接位置(押圧位置)が周方向で変位するが、加圧ローラー98,98は押圧部980,980が回転を許容する構成となっており、連続して加圧できる。
中間型92Aによる成形を行っているときには、回転装置96が駆動した状態を維持しており、導線50の供給がつづいており、導線50の次のターン部52L,52K及びスロット収容部51Kが予備成形部972で巻き取り芯金91の外周面に付勢される。
そして、回転装置96によりスロット収容部51Kが露出したら、次の中間型92Bで巻き取り芯金91との間で成形を行う。この成形型92Bは、スロット収容部51Lを成形する成形型92Aと同様に変移して、加圧ローラー98,98で成形される。
この成形を繰り返し、スロット収容部51L〜Gを、巻き取り芯金91と中間型92(92A〜F)との間で成形する(図45)。スロット収容部51L〜Gを巻き取り芯金91と中間型92(92A〜F)との間で成形した状態では、巻き取り芯金91の外周の全周にわたって、中間型92(92A〜F)が押圧した状態(中間型92が周方向の外周面を形成している状態)となっている。
その後、スロット収容部51Fを、中間型92と外型93との間で成形する(図46〜図47)。この成形は、巻き取り芯金91と中間型92とによりスロット収容部51L〜Gを成形する方法と同様に行われた。各外型93の変位には、シリンダ装置952,953が駆動して行われた(図48〜図49)。
以上により、導線50を渦巻き状の巻回形状に成形した。なお、各中間型及び外型の変位は、図50に示した、中間型92A,B,C,D,E,F,外型93A,B,C,D,E,Fの順序で、それぞれ軸方向位置の後に径方向位置を変位させて行われた。
成形後、加圧ローラー98を後退(外型93を押圧する位置から変移)させるとともに、巻きほぐしチャック99を近接させてスロット収容部51Aを保持した(図51)。
そして、スロット収容部51Aを巻きほぐしチャック99で保持した状態で、外型93F,E,D,C,B,Aをこの順序で巻き取り芯金91(中間型92)の外周から取り外し、渦巻き状に成形された導線50の外周層を露出させた。外型93F〜Aの取り外しは、シリンダ装置953で径方向外方に変移させた後に、シリンダ装置952で軸方向に変移して行われた。このとき、送りベルト97も、巻き取り芯金91(中間型92)の外周から離反する方向にスライドさせた。この外型93及び送りベルト97の変移により、渦巻き状に成形された導線50の外周層が全周にわたって露出した。なお、巻きほぐしチャック99は、外型93と干渉しなかった(図52)。
巻きほぐしチャック99が露出した導線50のスロット収容部51Aを保持した状態で、回転装置96を逆回転(図52〜図53の矢印の方向)するように駆動し、巻き取り芯金91を巻き取り時と逆方向に回転させる。
そして、回転方向に沿って、外型93及び中間型92を徐々に取り外していく。そして、全ての中間型92が取り外されたら、巻回体を巻き取り芯金91から取り外す(図53)。
以上により、本実施形態で、導線50の巻回体を製造できた。
その後、この巻回体を組み合わせて、固定子巻線40が製造された。
本実施形態の製造装置を用いることで、導線50を渦巻き状に巻回し、固定子巻線40を製造することができた。本実施形態の製造装置では、シリンダ装置で中間型及び外型を変移させることで、導線50を巻回形状に成形するときに、導線50と成形に寄与しない別の型(中間型92,外型93)とが干渉を生じなくなっており、簡単に製造することができた。
本実施形態の製造装置では、中間型92及び外型93が、隣接する二つのターン部52の間を成形可能な分割構造となっており、それぞれの型92,93の構造が複雑化することが抑えられている。
本実施形態の製造装置では、中間型92及び外型93のそれぞれの型の合わせ面がターン部52の頂点に対応した位置にきており、スロット収容部51(及びスロット収容部51に接続した二つのターン部52)を確実に成形できる。特に、スロット収容部51とそれに接続したターン部52とを成形できることから、スロット収容部51とターン部52との位置精度の低下を抑えた状態(例えば、ねじれの発生を抑えた状態)で成形を行うことができた。
本実施形態の製造装置では、送りベルト97の動きに従動した状態で導線50を巻き取り芯金91の外周に供給している。送りベルト97で導線50を供給するときに、送りベルト97の流れに従動して流れる。また、送りベルト97が導線50を挟持する二つのベルト970,971よりなることで、導線50の形状変化を生じさせることなく、巻き取り芯金91の外周に供給することができた。この結果、より簡単に製造できた。
(第二実施形態の第一変形形態)
本形態は、中間型92及び外型93の構成が異なること以外は、第二実施形態の製造装置と同様な製造装置である。
本形態は、図54に示したように、中間型92及び外型93のそれぞれの合わせ面(周方向での合わせ面)が、導線50のスロット収容部51に対応した位置にもうけられている。なお、図54は、図39と同様な展開図である。
本形態においても、第二実施形態のときと同様に導線5を渦巻き状に巻回した巻回体及び固定子巻線4が製造できた。
本形態では、中間型92及び外型93のそれぞれの合わせ面(周方向での合わせ面)が、導線50のスロット収容部51に対応した位置にもうけられており、ターン部52を確実に成形できた。特に、ターン部52及びそれに接続するスロット収容部51とを、位置精度の低下を抑えた状態(例えば、ねじれの発生を抑えた状態)で成形することができた。
(第二実施形態の第二変形形態)
本形態は、中間型92及び外型93の構成が異なること以外は、第二実施形態の製造装置と同様な製造装置である。
本形態は、図55に示したように、中間型92及び外型93のそれぞれが、合わせ面(周方向での合わせ面)が導線50のターン部52(の頂点)に対応した位置にもうけられているとともに、軸方向で二つに分かれている。なお、図55は、図39と同様な展開図である。
本形態においても、第二実施形態のときと同様に導線5を渦巻き状に巻回した巻回体及び固定子巻線4が製造できた。
本形態は、第二実施形態と同様に中間型92及び外型93のそれぞれの合わせ面が位置しており、同様に成形できる。さらに、本形態では、中間型92及び外型93のそれぞれが軸方向に分割されており、より高い精度でターン部52を確実に成形できた。
(第二実施形態の第三変形形態)
本形態は、中間型92及び外型93の構成が異なること以外は、第二実施形態の製造装置と同様な製造装置である。
本形態は、図56に示したように、中間型92及び外型93のそれぞれが、合わせ面(周方向での合わせ面)が導線50のスロット収容部51に対応した位置にもうけられているとともに、軸方向で二つに分かれている。なお、図56は、図39と同様な展開図である。
本形態においても、第二実施形態のときと同様に導線5を渦巻き状に巻回した巻回体及び固定子巻線4が製造できた。
本形態は、第一変形形態と同様に中間型92及び外型93のそれぞれの合わせ面が位置しており、同様に成形できる。さらに、本形態では、中間型92及び外型93のそれぞれが軸方向に分割されており、より高い精度でスロット収容部51及びターン部52を確実に成形できた。
(第二実施形態の第四変形形態)
本形態は、中間型92及び外型93の構成が異なること以外は、第二実施形態の製造装置と同様な製造装置である。
本形態は、図57に示したように、中間型92及び外型93のそれぞれが、合わせ面(周方向での合わせ面)が導線50のスロット収容部51及びターン部52に対応した位置にもうけられているとともに、軸方向で二つに分かれている。なお、図57は、図39図55は、図37と同様な展開図である。
本形態においても、第二実施形態のときと同様に導線50を渦巻き状に巻回した巻回体及び固定子巻線40が製造できた。
本形態は、第一変形形態と同様に中間型及び外型のそれぞれの合わせ面が位置しており、同様に成形できる。さらに、本形態では、中間型及び外型のそれぞれが軸方向に分割されており、より高い精度でスロット収容部51及びターン部52を確実に成形できた。
(第二実施形態のその他の変形形態)
第二実施形態においては、中間型92及び外型93の変移には、シリンダ装置950〜953を用いたが、それぞれ、カム装置であっても、サーボモータであっても、いずれでもよい。
押圧部材変移手段95が、カム装置やサーボモータであっても、シリンダ装置のときと同様に中間型92及び外型93のそれぞれを変移することができ、シリンダ装置の場合と同様な効果を発揮する。
1:回転電機
20:固定子
30:固定子コア 30a:端面
31:スロット
40:固定子巻線 43:各相巻線
45:導線集積体
50:導線 51:スロット収容部
52:ターン部 53a:引出し部(外周側端部)
53b:引出し部(内周側端部)
54:クランク部 55、56:段部
570:内周側部 571:外周側部
67:導体 68:絶縁皮膜
70,70B:渡り部
81:第1固定治具 82:第2固定治具
83:回転治具
9:巻回装置 91:内周押圧部材
92:中間押圧部材 93:外周押圧部材
911,921:スロット収容部規制部
912,922:曲成形部
94:段差規制部

Claims (25)

  1. 複数のスロット収容部と、隣接する二つの該スロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数の該ターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を有する固定子巻線の巻回方法であって、
    該巻回体の最内周面を内周押圧部材に押圧する最内周押圧工程と、
    該成形体が巻回したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部との間に、該内周側部に当接する内周壁部と該外周側部に当接する外周壁部とを有する中間押圧部材を介在させる中間押圧部材配置工程と、
    該内周押圧部材及び/又は該中間押圧部材の外周面に該成形体を押圧する外周押圧工程と、
    を有することを特徴とする固定子巻線の巻回方法。
  2. 前記中間押圧部材と前記外周押圧部材のうち少なくとも一方は周方向に複数個に分割されており、周方向に順次前記巻回体を成形する請求項1記載の固定子巻線の巻回方法。
  3. 前記ターン部の少なくとも一部には径方向の段差部を有し、前記中間押圧部材と前記外周押圧部材のうち少なくとも一方は該段差部の周方向位置において分割されており、周方向に順次前記巻回体を成形する請求項1〜2のいずれかに記載の固定子巻線の巻回方法。
  4. 複数のスロット収容部と、隣接する二つの該スロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数の該ターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回された巻回体を有する固定子巻線の巻回装置であって、
    該巻回体の最内周面と当接する内周押圧部材と、
    該成形体が巻回したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部の間に介在し、内径側に位置する押圧部材の外周面に該内周側部を押圧する押圧面となる内周壁部と、該外周側部の内周面側と当接する外周壁部と、を備えた中間押圧部材と、
    該内周押圧部材及び/又は該中間押圧部材の該外周壁部に該成形体を押圧する外周押圧部材と、
    、それぞれ別の部材として有することを特徴とする固定子巻線の巻回装置。
  5. 前記中間押圧部材と前記外周押圧部材のうち少なくとも一方は周方向に複数個に分割されている請求項4記載の固定子巻線の巻回装置。
  6. 前記ターン部の少なくとも一部には径方向の段差部を有し、前記中間押圧部材と前記外周押圧部材のうち少なくとも一方は該段差部の周方向位置において分割されている請求項4〜5のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  7. 前記内周押圧部材及び前記中間押圧部材は、前記スロット収容部を、変移が規制された状態で保持する請求項4〜6のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  8. 前記内周押圧部材、前記中間押圧部材、前記外周押圧部材は、前記ターン部を周方向に沿ってのびるように成形する請求項4〜7のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  9. 前記ターン部は、軸方向での位置が異なる部分を有する請求項4〜8のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  10. 前記ターン部は、その中央部が前記スロット収容部から最も離れた形状に形成されている請求項9記載の固定子巻線の巻回装置。
  11. 前記ターン部は、階段状に成形されている請求項9〜10のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  12. 前記ターン部は、前記固定子巻線を形成したときに、接続する二つの前記スロット収容部の径方向位置を変化させるクランク部を有する請求項4〜11のいずれかに記載の固定子巻線の巻回装置。
  13. 複数のスロット収容部と、隣接する二つの該スロット収容部を接続するターン部と、を有する導線の成形体を、複数の該ターン部が周方向に沿って渦巻き状に1周以上巻回されてなる固定子巻線を製造する固定子巻線の製造装置であって、
    該巻回体の最内周面と当接する内周押圧部材と、
    該成形体を巻回して固定子巻線を形成したときに径方向で重なり合う内周側部と外周側部の間に介在し、内径側に位置する押圧部材の外周面に該内周側部を押圧する押圧面となる内周壁部と、該外周側部の内周面側と当接する外周壁部と、を備えた中間押圧部材と、
    該内周押圧部材及び/又は該中間押圧部材の該外周壁部に該成形体を押圧する外周押圧部材と、
    該中間押圧部材及び/又は該外周押圧部材を、該内周押圧部材との間で該成形体を押圧可能な位置と押圧不可能な位置との間で変移させる変移手段と、
    該成形体を、該内周押圧部材の外周面に沿った位置に供給する成形体供給手段と、
    を有することを特徴とする固定子巻線の製造装置。
  14. 前記中間押圧部材及び前記外周押圧部材は、前記固定子巻線の周方向の一部を成形する部材である請求項13記載の固定子巻線の製造装置。
  15. 前記中間押圧部材及び前記外周押圧部材は、周方向に沿って隣接する二つの部材が、前記成形体の前記ターン部に対応した位置で当接する請求項13〜14のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  16. 前記中間押圧部材及び前記外周押圧部材は、周方向に沿って隣接する二つの部材が、前記成形体の前記スロット収容部に対応した位置で当接する請求項13〜14のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  17. 前記変移手段は、前記中間押圧部材及び前記外周押圧部材のそれぞれを独立して変移させる請求項15〜16のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  18. 前記変移手段は、往復動するシリンダ装置を有する請求項15〜17のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  19. 前記成形体供給手段は、前記成形体を従動させる送りベルトを有する請求項15〜18のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  20. 前記送りベルトは、当接した前記成形体を、摩擦力により従動させる請求項19記載の固定子巻線の製造装置。
  21. 前記送りベルトは、当接した前記成形体を係止する係止突部を有する請求項19記載の固定子巻線の製造装置。
  22. 前記送りベルトは、前記成形体の内周側と外周側の両側に設けられる請求項19〜21のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  23. 前記中間押圧部材及び/又は前記外周押圧部材を、前記内周押圧部材に押圧する加圧手段を有する請求項15〜22のいずれかに記載の固定子巻線の製造装置。
  24. 前記加圧手段は、加圧ローラーである請求項23記載の固定子巻線の製造装置。
  25. 前記加圧ローラーは、軸方向の両端部に設けられる請求項24記載の固定子巻線の製造装置。
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