JP4066834B2 - 回転電機の巻線の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やトラックに搭載される車両用交流発電機等の回転電機の巻線を製造する回転電機の巻線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、安全制御機器等の電気負荷の増加に伴って、車両用交流発電機にはますます発電能力の向上が求められている。このような発電能力向上の要請に応えるものとして、U字状の電気導体を規則的に並べて固定子のスロット内の電気導体を高占積率化することにより高出力化を図った回転電機が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。このような回転電機では、U字状の電気導体の端部を溶接するために、電気導体の端部周囲に形成されている絶縁皮膜を接合工程の前に予め除去しておく必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−350423号公報(第5−8頁、図1−17)
【特許文献2】
特開2000−166148号公報(第2−6、図1−7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1、2に開示された従来の回転電機の巻線を製造する場合には、電気導体の端部同士の接合のために端部周辺に形成された絶縁皮膜を除去する必要があるが、この絶縁皮膜も所定の厚みを有するため、接合対象となった2本の電気導体の端部の素線部分が互いに離れてしまい接合不良が生じるおそれがあるという問題があった。
【0005】
図11は、従来の接合対象となる2本の電気導体の接合前の状態を示す図である。図11に示すように、電気導体200の周囲に形成された絶縁皮膜202は端部については除去され、素線204が露出した状態になっている。接合は、このような2本の電気導体200のそれぞれの端部同士を溶接することにより行われるが、それぞれの電気導体200の素線204が互いに離間すると溶接性が低下する。
【0006】
また、特許文献2に開示された回転電機では、隣接する2本の電気導体間の隙間を確保するために、一方の電気導体を一旦内径側あるいは外径側に折り曲げた後に元に戻すことにより湾曲させている。このため、この湾曲した電気導体の先端も軸方向に対して傾斜することになるが、接合対象の2本の電気導体の先端同士が接触しやすくなる。しかし、この方法では、隣接する2本の電気導体の一方を径方向に一旦折り曲げる必要があるため、電気導体の本数が4本よりも多くなった場合(6本や8本の場合)には中間層の電気導体に対して適用することができなくなる。また、一旦折り曲げた電気導体を元に戻すため、根元部分に過度の応力が加わり、根元部分の絶縁皮膜が劣化するおそれがある。さらに、一旦折り曲げた電気導体を元に戻すために複雑な工程が必要になる。このようなことから、簡単な追加工程で、接合箇所以外の絶縁被膜に過度のストレスを加えることもなく、しかも電気導体の本数が多い場合であっても確実に電気導体の先端同士を接触させる方法が望まれている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、簡単な内容の工程を追加するだけで接合不良の発生を確実に防止することができる回転電機の巻線の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の回転電機の巻線の製造方法は、固定子鉄心に形成されたスロットに、先端の絶縁皮膜が剥離された複数の電気導体を、径方向に重複し、かつ、それぞれの電気導体の一部がスロット内に収容され、残りがスロットの外部に露出するように挿入する挿入工程と、接合対象となる他の電気導体の先端が配置される向きに径方向に近づくように、一の電気導体の先端の変形部を変形させる変形工程と、スロットの外部に露出した電気導体を、隣接する電気導体が互いに反対向きに傾斜するように折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げ工程によって折り曲げられた隣接する電気導体の先端部同士を接合する接合工程とを備え、変形工程は、径方向に隣接して接合対象となる電気導体の間に変形部を残して薄板を挿入する薄板挿入工程と、変形部を径方向に沿って薄板が配置された側に押圧する押圧工程とを有している。絶縁被膜が剥離された電気導体の先端部に除去された絶縁被膜分あるいはそれ以上の段差が生じた場合に、この段差をなくす方向に変形部が押圧されて傾斜するため、この傾斜した変形部を用いて行われる接合工程において発生する接合不良を確実に防止することができる。また、電気導体をスロットに挿入する挿入工程の後に変形工程を行うことにより、各電気導体の先端の変形を一度に行うことができ、工程の簡略化が可能になる。
【0009】
また、上述した押圧工程は、変形部の径方向に沿った側面であって接合箇所と反対側を押圧する押圧面を有する変形治具で変形部を塑性変形することが望ましい。このような変形治具を用いることにより、各電気導体を変形治具で押圧するだけで各電気導体の先端部を塑性変形させることが可能になり、簡単な内容の変形工程を追加するだけで、確実に接合不良の発生を防止することができる。
【0010】
また、上述した押圧工程において先端部を変形させる際の変形量は、少なくとも絶縁被膜の膜厚以上であることが望ましい。あるいは、上述した押圧工程において先端部を変形させる際の変形量は、少なくとも絶縁被膜を剥離した際の剥離量以上であることが望ましい。先端部における絶縁被膜の剥離は、絶縁被膜のみを除去する場合の他に、絶縁被膜とともに電気導体の素線の一部を除去する場合が考えられるため、これらの除去によって生じる段差を少なくともなくすように先端部の変形を行うことにより、接合対象となる電気導体の先端部同士を確実に接触させることができ、接合不良の発生を大幅に低減することができる。
【0011】
また、上述した電気導体は、ほぼ矩形断面を有するセグメント導体であることが望ましい。このようなセグメント導体を用いることにより、変形後の先端部同士の接触面積を拡大することが可能になり、接合不良の発生をさらに防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の回転電機の巻線の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、ハウジング4、整流器5等を含んで構成されている。
【0013】
回転子3は、界磁として作用し、シャフト6と一体になって回転しており、ランデル型ポールコア7、界磁コイル8、スリップリング9、10、送風装置としての斜流ファン11および遠心ファン12を備えている。シャフト6は、プーリ20に連結されており、車両に搭載された走行用のエンジン(図示せず)により回転駆動される。
【0014】
ランデル型ポールコア7は、一組のポールコアを組合わせて構成されている。このランデル型ポールコア7は、シャフト6に組付られたボス部71と、ボス部71の両端より径方向に延びるディスク部72と、12個の爪状磁極部73により構成されている。
【0015】
プーリ側の斜流ファン11は、ポールコア7の端面に溶接などによって固着されたベース板111に対して鋭角の傾斜を持つブレードと直角のブレードとを有し、回転子3と一体になって回転する。反プーリ側の遠心ファン12は、ポールコア7の端面に溶接などによって固着されたベース板121に対して直角のブレードのみを有する。
【0016】
ハウジング4は、フロントハウジング4aとリアハウジング4bからなっており、その軸方向端面には吸入孔41が、外周両肩部には、固定子2の第1コイルエンド群31aと第2コイルエンド群31bのそれぞれの径方向外側に対応して冷却風の排出孔42が設けられている。
【0017】
整流器5は、固定子2から出力される交流電圧を直流に変換する整流作用を行っており、車両用交流発電機1の反プーリ側の端部に設けられている。
次に、固定子2の詳細について説明する。図2は、固定子2の部分的な断面図である。図3は、固定子鉄心32に装着されるセグメント導体33の模式的形状を示す斜視図である。
【0018】
固定子2は、電機子として作用し、固定子鉄心32と、固定子鉄心32に形成された複数のスロット35内に配置された複数の電気導体としてのセグメント導体33によって構成された固定子巻線31と、固定子鉄心32と固定子巻線31との間を電気絶縁するインシュレータ34とを備えている。
【0019】
図2に示すように、固定子鉄心32には、多相の固定子巻線31を収容できるように、内径側に開口を有する複数のスロット35が形成されている。本実施形態では、回転子3の磁極数に対応して、三相の固定子巻線31を収容するために、96個のスロット35が、等間隔に配置されている。
【0020】
固定子鉄心32のスロット35に装備された固定子巻線31は、1本1本の電気導体として把握することができ、複数のスロット35のそれぞれの中には、偶数本(本実施形態では4本)の電気導体が収容されている。また、一のスロット35内の4本の電気導体は、固定子鉄心32の径方向に関して内側から内端層、内中層、外中層、外端層の順で一列に配列されている。これらの電気導体には、絶縁被膜37として、ポリアミドイミド等の被膜材が塗布されている。
【0021】
これら電気導体が所定のパターンで接続されることにより、固定子巻線31が形成される。なお、本実施形態では、スロット35内の電気導体は、第1コイルエンド群31a側においては、連続線を配置することにより一端が接続され、また、第2コイルエンド群31b側においては、他端を接合することにより接続される。
【0022】
各スロット35内の1本の電気導体は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の1本の他の電気導体と対をなしている。特に、コイルエンド部における複数の電気導体間の隙間を確保し、整列して配置するために、一のスロット35内の所定の層の電気導体は、所定の磁極ピッチ離れた他のスロット35内の他の層の電気導体と対をなしている。
【0023】
例えば、一のスロット内の内端層の電気導体331aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外端層の電気導体331bと対をなしている。同様に、一のスロット内の内中層の電気導体332aは固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット内の外中層の電気導体332bと対をなしている。そして、これらの対をなす電気導体は、固定子鉄心32の軸方向の一方の端部において連続線を用いることにより、ターン部331c、332cを経由することで接続される。したがって、固定子鉄心32の一方の端部においては、外中層の電気導体と内中層の電気導体とを接続する連続線を、外端層の電気導体と内端層の電気導体とを接続する連続線が囲むこととなる。このように、固定子鉄心32の一方の端部においては、対をなす電気導体の接続部が、同じスロット内に収容された他の対をなす電気導体の接続部により囲まれる。外中層の電気導体と内中層の電気導体との接続により中層コイルエンドが形成され、外端層の電気導体と内端層の電気導体との接続により端層コイルエンドが形成される。
【0024】
一方、一のスロット35内の内中層の電気導体332aは、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の内端層の電気導体331a’とも対をなしている。同様に、一のスロット35内の外端層の電気導体331b’は、固定子鉄心32の時計回り方向に向けて1磁極ピッチ離れた他のスロット35内の外中層の電気導体332bと対をなしている。そして、これらの電気導体は固定子鉄心32の軸方向の他方の端部において接合により接続される。
【0025】
したがって、固定子鉄心32の他方の端部においては、外端層の電気導体と外中層の電気導体とを接続する接合部と、内端層の電気導体と内中層の電気導体とを接続する接合部とが、径方向に並んでいる。外端層の電気導体と外中層の電気導体との接続、および内端層の電気導体と内中層の電気導体との接続により隣接層コイルエンドが形成される。このように固定子鉄心32の他方の端部においては、対をなす電気導体の接続部が、重複することなく並べて配置される。
【0026】
さらに、複数の電気導体は、ほぼ矩形断面(平角断面)をもった一定の太さの電気導体を所定形状に成形したU字状のセグメント導体により提供される。図3に示すように、内端層の電気導体と外端層の電気導体とが、一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる大セグメント331により提供される。また、内中層の電気導体と外中層の電気導体とが一連の電気導体をほぼU字状に成形してなる小セグメント332により提供される。
【0027】
大セグメント331と小セグメント332とは基本セグメント導体33を形成する。そして、基本セグメント導体33を規則的にスロット35に配置して、固定子鉄心32の周りを2周するコイルが形成される。しかし、固定子巻線の引出線を構成するセグメント導体および1周めと2周めとを接続するターン部は基本セグメント導体33とは形状の異なる異形セグメント導体で構成される。本実施形態の場合、異形セグメント導体の本数は6本となる。1周めと2周めとの接続は、端層と中層の接続となるが、この接続により異形コイルエンドが形成される。
【0028】
固定子巻線31の製造工程を以下に説明する。
(挿入工程)基本セグメント導体33は、U字状の小セグメント332のターン部332cをU字状の大セグメント331のターン部331cが囲むように揃えられ、固定子鉄心32の軸方向側面の一方側から挿入される。その際、大セグメント331の一方の電気導体331aは固定子鉄心32の一のスロット35の内端層に、小セグメント332の一方の電気導体332aは一のスロット35の内中層に、そして、大セグメント331の他方の電気導体331bは固定子鉄心32の一のスロット35から時計方向に1磁極ピッチ離れた他のスロット35の外端層に、小セグメント332の他方の電気導体332bも他のスロット35の外中層に挿入される。なお、この挿入工程の前に、大セグメント331の反ターン部側の先端部および332の反ターン部側の先端部は、部分的に絶縁皮膜37が剥離されて素線が露出した剥離部Sが形成されている。
【0029】
上述した挿入工程が終了すると、図2に示すように一のスロット35には内端層側から、上述した電気導体331a、332a、332b’、331b’が一列に配置される。ここで、電気導体332b’、331b’は、1磁極ピッチずれた他のスロット35内の電気導体と対をなしている大小のセグメントの電気導体である。
【0030】
(変形工程)次に、接合対象となる他の電気導体の先端が配置される向きに径方向に近づくように、一の電気導体の先端の変形部を変形させる。この変形工程は、具体的には以下に示す(a)薄板挿入工程と(b)押圧工程とに分けられる。
【0031】
(a)薄板挿入工程
図4〜図6は、薄板挿入工程の詳細を示す図である。上述した挿入工程が終了した段階では、径方向に4本の電気導体331a、332a、332b’、331b’が並んでいる(図4)。これら4本の電気導体は、内径側に配置された2本の電気導体331a、332aと、外径側に配置された2本の電気導体332b’、331b’とがそれぞれ接合対象になっている。薄板挿入工程では、接合対象となっている2本の電気導体の間に薄板350、352が軸方向に挿入される(図5、図6)。
【0032】
薄板350、352のそれぞれは円筒形状を有しており、薄板350、352を挿入した際に、これらの薄板350、352の軸方向端部よりも突出する電気導体331a、332a、332b’、331b’の一部が変形部Hとなる。なお、図4および図5では、各電気導体において絶縁被膜37が剥離された剥離部Sよりも変形部Hの方が短い場合を図示したが、反対に剥離部Sを変形部Hより短く設定してもよい。
【0033】
このように、薄板挿入工程では、径方向に隣接して接合対象となる各電気導体の間に、変形部Hを残して薄板350、352が挿入される。
(b)押圧工程
図7〜図9は、押圧工程の詳細を示す図である。薄板挿入工程が終了した段階では、内径側の2本の電気導体331a、332aの間に一方の薄板350が、外径側の2本の電気導体332b’、331b’の間に他方の薄板352がそれぞれ挿入されている(図5)。押圧工程では、この状態にある各電気導体の変形部Hを変形治具360を用いて径方向に沿って薄板350、352が配置された側に押圧する。
【0034】
変形治具360は、周方向に並んだ内径側の2列の電気導体と外径側の2列の電気導体をそれぞれ収容する2列の凹部362、364を有する楔型治具である。凹部362は、軸方向に沿って形成されて径方向に平行な2つの側面362a、362bと、固定子鉄心32の軸方向端面と平行な底面362eと、側面362a、362bと底面362eとの間に形成された傾斜した押圧面362c、362dとを有している。押圧面362c、362dは、この凹部362に収容される2本の電気導体331a、332aの各変形部Hの径方向に沿った側面であって接合箇所と反対側を押圧するためのものである。凹部364についても同様である。
【0035】
このような形状を有する変形治具360を電気導体の先端側から固定子鉄心32の軸方向端面に向かって挿入し、各電気導体の先端部を押圧面362c、362d等に押圧することにより、各電気導体の変形部Hが接合箇所側に塑性変形する(図7)。その後、変形治具360および薄板350、352が取り除かれる(図8)。
【0036】
(折り曲げ工程)変形工程による変形部Hの変形が終了すると、第2コイルエンド群31bにおいて、端層側に位置している電気導体331a、331bは、大セグメント331が開く方向に接合部331d、331eが半磁極ピッチ分(本実施形態では1.5スロット分)捻られて折り曲げられる。そして、中層側に位置している電気導体332a、332bは、小セグメント332が閉じる方向に接合部332d、332eが半磁極ピッチ分捻られて折り曲げられる。その結果、第2コイルエンド群31bにおいては、径方向に隣接する電気導体は周方向の逆向きに傾斜している。以上の構成を、全てのスロット35のセグメント導体33について繰り返す。
【0037】
(接合工程)そして、第2コイルエンド群31bにおいて、外端層と外中層の各変形部H、並びに内中層と内端層の各変形部Hとが、溶接、超音波溶着、アーク溶接、ろう付け等の手段によって電気的導通を得るように接合され、図10に示すような固定子2が得られる。
【0038】
このように、本実施形態では、絶縁被膜37が剥離されたセグメント導体33(電気導体)の先端部に、除去された絶縁被膜分あるいはそれ以上の段差が生じた場合に、この段差をなくす方向に、先端部である変形部Hが押圧されて傾斜するため、この傾斜した変形部Hを用いて行われる接合工程において発生する接合不良を確実に防止することができる。また、セグメント導体33をスロット35に挿入する挿入工程の後に変形工程を行うことにより、各セグメント導体33の先端の変形を一度に行うことができ、工程の簡略化が可能になる。
【0039】
また、変形工程に含まれる押圧工程は、変形部Hの径方向に沿った側面であって接合箇所と反対側を押圧する押圧面を有する変形治具360で変形部Hを塑性変形することにより行われており、このような変形治具360を用いることにより、各セグメント導体33を変形治具360で押圧するだけで変形部Hを塑性変形させることが可能になり、簡単な内容の変形工程を追加するだけで、確実に接合不良の発生を防止することができる。
【0040】
また、先端の剥離部Sにおける絶縁被膜37の剥離は、絶縁被膜37のみを除去する場合の他に、絶縁被膜37とともにセグメント導体33の素線の一部を除去する場合が考えられるため、これらの除去によって生じる段差を少なくともなくすように変形部Hの変形を行うことにより、接合対象となる各変形部H同士を確実に接触させることができ、接合不良の発生を大幅に低減することができる。
【0041】
また、ほぼ矩形断面を有するセグメント導体33を用いることにより、変形後の変形部Hの隣接する各辺同士を接触させることができるため、接触面積を拡大することが可能になり、接合不良の発生をさらに防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、接合対象となる2つの電気導体の先端部の両方を変形部Hとして互いに近づく方向に傾斜させたが、一方のみを傾斜させるようにしてもよい。
【0042】
また、上述した実施形態は、車両用交流発電機の固定子巻線を形成する場合について説明したが、車両用交流発電機以外の回転電機の固定子巻線や、固定子巻線以外の巻線を製造する場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図2】固定子の部分的な断面図である。
【図3】固定子鉄心に装着されるセグメント導体の模式的形状を示す斜視図である。
【図4】薄板挿入工程の詳細を示す図である。
【図5】薄板挿入工程の詳細を示す図である。
【図6】薄板挿入工程の詳細を示す図である。
【図7】押圧工程の詳細を示す図である。
【図8】押圧工程の詳細を示す図である。
【図9】押圧工程の詳細を示す図である。
【図10】固定子巻線の接合部を示す固定子の部分的な斜視図である。
【図11】従来の接合対象となる2本の電気導体の接合前の状態を示す図である。
【符号の説明】
2 固定子
31 固定子巻線
32 固定子鉄心
33 セグメント導体
34 インシュレータ
35 スロット
350、352 薄板
360 変形治具
362c、362d 押圧面
Claims (5)
- 固定子鉄心に形成されたスロットに、先端の絶縁皮膜が剥離された複数の電気導体を、径方向に重複し、かつ、それぞれの前記電気導体の一部が前記スロット内に収容され、残りが前記スロットの外部に露出するように挿入する挿入工程と、
接合対象となる他の前記電気導体の先端が配置される向きに径方向に近づくように、一の前記電気導体の先端の変形部を変形させる変形工程と、
前記スロットの外部に露出した前記電気導体を、隣接する前記電気導体が互いに反対向きに傾斜するように折り曲げる折り曲げ工程と、
前記折り曲げ工程によって折り曲げられた隣接する前記電気導体の先端部同士を接合する接合工程と、
を備え、前記変形工程は、径方向に隣接して接合対象となる前記電気導体の間に前記変形部を残して薄板を挿入する薄板挿入工程と、前記変形部を径方向に沿って前記薄板が配置された側に押圧する押圧工程とを有することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 請求項1において、
前記押圧工程は、前記変形部の径方向に沿った側面であって接合箇所と反対側を押圧する押圧面を有する変形治具で前記変形部を塑性変形することを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記押圧工程において前記先端部を変形させる際の変形量は、少なくとも前記絶縁被膜の膜厚以上であることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記変形工程において前記変形部を変形させる際の変形量は、少なくとも前記絶縁被膜を剥離した際の剥離量以上であることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記電気導体は、ほぼ矩形断面を有するセグメント導体であることを特徴とする回転電機の巻線の製造方法。
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