JP2009240018A - 環状蛇行巻線の製造方法および環状蛇行巻線の成形機 - Google Patents

環状蛇行巻線の製造方法および環状蛇行巻線の成形機 Download PDF

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昌秀 成田
Daijiro Takizawa
大二郎 滝沢
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Abstract

【課題】円環状の環状蛇行巻線を適切かつ容易に形成する。
【解決手段】永久磁石式交流同期モータの環状ステータ内に配置される複数の蛇行部(U相蛇行部またはW相蛇行部)を有する環状蛇行巻線(U相環状蛇行巻線またはW相環状蛇行巻線)を製造する環状蛇行巻線の成形機であって、巻型15に導線19を巻回して略楕円形状の多角形の環状の環状巻線21を形成する巻線機3と、環状巻線を回転軸方向にプレス成形することによって複数の蛇行部(U相蛇行部またはW相蛇行部)を形成する上型ユニットおよび下型ユニットとを備え、巻型15は略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状体である。
【選択図】図3

Description

この発明は、環状蛇行巻線の製造方法および環状蛇行巻線の成形機に関する。
従来、例えば平角線を円形の巻枠に巻線することで、コイル外周部に端末線部(引き出し線部)が配置された円環状のコイルを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−181303号公報
ところで、上記従来技術に係るコイルの製造方法により形成される円環状のコイルに対して、径方向および軸方向にプレス成形をおこなうことで、複数の蛇行部を有する円環状の環状蛇行巻線を形成する場合には、コイル外周部の2つの引き出し線部間と他の部位とにおいて、コイルの巻線数が異なることに起因して、プレス成形の実行時における弾性変形および塑性変形に差異が生じ、円環状のコイルが楕円形状などに変形してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、円環状の環状蛇行巻線を適切かつ容易に形成することが可能な環状蛇行巻線の製造方法および環状蛇行巻線の成形機を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る環状蛇行巻線の製造方法は、電動機(例えば、実施の形態での永久磁石式交流同期モータ)のステータ(例えば、実施の形態での環状ステータ2)内に配置される複数の蛇行部(例えば、実施の形態での蛇行部83、U相蛇行部24、W相蛇行部28)を有する環状蛇行巻線(例えば、実施の形態でのU相環状蛇行巻線22、W相環状蛇行巻線26)の製造方法であって、巻線(例えば、実施の形態での導線19)を巻回することによって環状巻線(例えば、実施の形態での環状巻線21)を形成する第1工程と、前記第1工程により形成された前記環状巻線を前記電動機の回転軸方向にプレス成形することによって前記蛇行部を形成する第2工程とを含み、前記第1工程は前記環状巻線を略楕円形状の環状に形成する。
さらに、本発明の第2態様に係る環状蛇行巻線の製造方法では、前記第1工程は前記環状巻線を略楕円形状の多角形の環状に形成する。
さらに、本発明の第3態様に係る環状蛇行巻線の製造方法では、前記第1工程は前記巻線の両端部(例えば、実施の形態でのコイル始端23およびコイル終端25)からなる前記環状巻線の2つの引き出し部を、略楕円形状の環状の前記環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設ける。
さらに、本発明の第4態様に係る環状蛇行巻線の製造方法では、前記第2工程は前記2つの引き出し部を、前記蛇行部のうち前記電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、実施の形態での部位83a)に設ける。
また、本発明の第5態様に係る環状蛇行巻線の成形機は、電動機(例えば、実施の形態での永久磁石式交流同期モータ)のステータ(例えば、実施の形態での環状ステータ2)内に配置される複数の蛇行部(例えば、実施の形態での蛇行部83、U相蛇行部24、W相蛇行部28)を有する環状蛇行巻線(例えば、実施の形態でのU相環状蛇行巻線22、W相環状蛇行巻線26)を製造する環状蛇行巻線の成形機(例えば、実施の形態での環状蛇行巻線の成形機1)であって、巻型(例えば、実施の形態での巻型15)に巻線(例えば、実施の形態での導線19)を巻回して略楕円形状の環状の環状巻線(例えば、実施の形態での環状巻線21)を形成する環状巻線形成手段(例えば、実施の形態での巻線機3)と、前記環状巻線を前記電動機の回転軸方向にプレス成形することによって前記蛇行部を形成する蛇行部形成手段(例えば、実施の形態での上型ユニット30および下型ユニット60)とを備え、前記巻型は略楕円形状の軸方向断面を有する柱状である。
さらに、本発明の第6態様に係る環状蛇行巻線の成形機では、前記巻型は略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状である。
さらに、本発明の第7態様に係る環状蛇行巻線の成形機では、前記環状巻線形成手段は、前記巻線の両端部(例えば、実施の形態でのコイル始端23およびコイル終端25)からなる前記環状巻線の2つの引き出し部を、略楕円形状の環状の前記環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設ける。
さらに、本発明の第8態様に係る環状蛇行巻線の成形機では、前記蛇行部形成手段は、前記2つの引き出し部を、前記蛇行部のうち前記電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、実施の形態での部位83a)に設ける。
本発明の第1態様に係る環状蛇行巻線の製造方法によれば、環状巻線をプレス成形することによって蛇行部を形成する第2工程の実行に先立って、予め第1工程において環状巻線を略楕円形状の環状に形成することにより、環状巻線の外周部の2つの引き出し部間の部位と他の部位とにおいて環状巻線の巻線数が異なることに起因してプレス成形の実行時における弾性変形および塑性変形に差異が生じ、略楕円形状の環状巻線を円環状の環状巻線に変形させることができる。これにより、蛇行部を有する環状巻線(つまり環状蛇行巻線)の真円度を向上させることができ、電動機の出力特性を向上させることができる。
さらに、本発明の第2態様に係る環状蛇行巻線の製造方法によれば、環状巻線を略楕円形状の多角形の環状に形成することにより、プレス成形により形成される蛇行部のうち電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位が弧状に湾曲してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明の第3態様に係る環状蛇行巻線の製造方法によれば、巻線の両端部からなる2つの引き出し部を、環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設けることにより、引き出し部の所望の配置形状および位置精度を確保することができる。
さらに、本発明の第4態様に係る環状蛇行巻線の製造方法によれば、巻線の両端部からなる2つの引き出し部を、蛇行部のうち電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位に設けることにより、引き出し部の所望の配置形状および位置精度を容易に確保することができる。
また、本発明の第5態様に係る環状蛇行巻線の成形機によれば、巻線を巻回する巻型を略楕円形状の軸方向断面を有する柱状とすることで、略楕円形状の環状の環状巻線を形成することができ、この環状巻線を電動機の回転軸方向にプレス成形することよって、環状巻線の外周部の2つの引き出し部間の部位と他の部位とにおいて環状巻線の巻線数が異なることに起因して弾性変形および塑性変形に差異が生じ、略楕円形状の環状巻線を円環状の環状巻線に変形させることができる。これにより、蛇行部を有する環状巻線(つまり環状蛇行巻線)の真円度を向上させることができ、電動機の出力特性を向上させることができる。
さらに、本発明の第6態様に係る環状蛇行巻線の成形機によれば、巻線を巻回する巻型を略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状とすることで、環状巻線を略楕円形状の多角形の環状に容易に形成することができ、プレス成形により形成される蛇行部のうち電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位が弧状に湾曲してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明の第7態様に係る環状蛇行巻線の成形機によれば、巻線の両端部からなる2つの引き出し部を、環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設けることにより、引き出し部の所望の配置形状および位置精度を確保することができる。
さらに、本発明の第8態様に係る環状蛇行巻線の成形機によれば、巻線の両端部からなる2つの引き出し部を、蛇行部のうち電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位に設けることにより、引き出し部の所望の配置形状および位置精度を容易に確保することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る環状蛇行巻線の成形機および環状蛇行巻線の製造方法について添付図面を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態による環状蛇行巻線の成形機1について説明する前に、図1〜図3を参照して、本発明の環状蛇行巻線の成形機1で成形した環状蛇行巻線が装着されるステータについて説明する。
環状ステータ2は、例えば内燃機関と共に車両の駆動源としてハイブリッド車両に搭載される永久磁石式交流同期モータ(ブラシレスDCモータ又はクローポール型モータともいう)を構成し、例えば、内燃機関とクローポール型モータとトランスミッションとを直列に連結した構造のパラレルハイブリッド車両では、少なくとも内燃機関又はクローポール型モータのいずれか一方の駆動力は、トランスミッションを介して車両の駆動軸に伝道されるようになっている。
また、車両の減速時に駆動軸側からクローポール型モータに駆動力が伝達されると、クローポール型モータは発電機として機能して所謂回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。更に、内燃機関の出力がクローポール型モータに伝達された場合にも、クローポール型モータは発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
図1を参照すると、環状蛇行巻線が装着される環状ステータ2の分解斜視図が示されている。図2は組立て後のステータ2の斜視図である。
図1に示すように、環状ステータ2は、U相ステータリング(ティースリング)4とV相ステータリング(ティースリング)6と、W相ステータリング(ティースリング)8と、U相環状蛇行巻線22と、W相環状蛇行巻線26とから構成されている。
U相ステータリング4は、円周方向に等間隔で離間された複数個(本実施形態では、例えば10個)のU相ティース(U相クローポール)10と、円周方向に離間された複数個の結合部12を有している。各U相ティース10は軸方向一方側(例えば図1での右側)に突出している。
V相ステータリング6は円周方向に等間隔で離間された複数(本実施形態では、例えば10個)のV相ティース14と、円周方向に離間された複数個の結合部16を有している。各V相ティース14は軸方向両側に突出している。
W相ステータリング8は円周方向に等間隔で離間された複数(本実施形態では、例えば10個)のW相ティース18と、円周方向に離間された複数の結合部20を有している。各W相ティース18は軸方向他方側(例えば図1での左側)に突出している。即ち、U相ティース10とW相ティース18は互いに近づく方向に突出している。
ここで、U相ティース10、V相ティース14及びW相ティース18は、各結合部12,16,20でU相ステータリング4、V相ステータリング6及びW相ステータリング8を積層結合したとき、互いに重ならないように相対的にずれた位置に配置されている。
U相環状蛇行巻線22は導線を環状に巻いて構成され、ステータ2の軸方向に蛇行する複数(本実施形態では、例えば10個)の蛇行部24を有している。同様に、W相環状蛇行巻線26もステータ2の軸方向に蛇行する複数(本実施形態では、例えば10個)の蛇行部28を有している。
各ステータリング4,6,8の結合部12,16,20を揃え、U相環状蛇行巻線22及びW相環状蛇行巻線26を周方向の所定の位置に配置して、各ステータリング4,6,8をボルト止め固定すると、図2に示すような環状ステータ2が完成する。
図1及び図2から明らかなように、各ティース10,14,18は円周方向に所定順序(U相ティース10,W相ティース18,V相ティース14,U相ティース10,…)で配置され、周方向で隣り合うティース10,14間にU相環状蛇行巻線22の蛇行部24が配置され、周方向で隣り合うティース14,18間にW相環状蛇行巻線26の蛇行部28が配置される。
即ち、U相蛇行部24には一つのU相ティース10が配置され、W相蛇行部28には一つのW相ティース18が配置され、周方向で隣り合うU相蛇行部24とW相蛇行部28との間には―つのV相ティース14が配置されている。
U相環状蛇行巻線22の蛇行部24とW相環状蛇行巻線26の蛇行部28は互いに異なる方向に向かい突出するように設けられ、U相環状蛇行巻線22とW相環状蛇行巻線26とは、電気角で240°の位相差を有するようにして周方向に沿って相対的にずれた位置に配置されている。
これにより、周方向で隣り合う各ティース10,14間又は14,18間を縫うようにして配置される2相の各環状蛇行巻線22,26は所謂電気角で120°以下の短節巻きを成すように形成されている。
以下に、環状蛇行巻線の成形機1について図3〜図13を参照して詳細に説明する。
図3は導線が環状に巻き付けられる巻型および巻型により形成される環状巻線の平面図である。図4は加工前の上型ユニット(第1金型ユニット)の底面図、図5は加工前の下型ユニット(第2金型ユニット)の平面図である。上型ユニットと下型ユニットでダイセットを構成する。図6は加工前の上型ユニット(第1金型ユニット)及び下型ユニット(第2金型ユニット)の断面図であり、上型ユニットが図4のA−O−A線断面図であり、下型ユニットが図5のB−〇−B線断面図である。図7は加工を開始する直前の上型ユニット及び下型ユニットの断面図である。
まず、図3を参照して、導線が環状に巻き付けられる巻型15および巻型15により形成される環状巻線21について説明する。
例えば図3(A)に示すように、巻型15は、外周面上に軸方向に伸びる溝17を具備し、略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状体とされている。
導線19は適宜の巻線機3によって巻型15に巻き付けられて、例えば3列3層の略楕円形状の多角形(本実施形態では、例えば最大対辺間距離Raかつ最小対辺間距離Rb(<Ra)の20角形)の環状の環状巻線21が形成される。ここで、この3列3層以外の配列パターンを自由に採用できる。尚、導線19は平角断面(長方形断面)形状の部材で、面取りが施してある線材である。
巻線機3は、導線19の一方側が巻き付けられた第1リング3aと導線19の他方側が巻き付けられた第2リング3bとを備え、各リング3a,3bは、導線19を繰り出しつつ、巻型15の周方向において互いに異なる方向に回転移動することによって、導線19を巻型15に巻き付けるようになっており、この巻線機3に形成される環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25は環状巻線21の外周部に配置されることになる。
また、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線は、図3(B)に示すように、略楕円形状の多角形の環状の環状巻線21の角部21aおよび直辺部21bのうち、略楕円形状での曲率が相対的に小さい部位の直辺部21bから引き出されている。
次に、図4及び図6を参照して、プレス成形に用いられる上型ユニット(第1金型ユニット)30の構造について説明する。
上型ユニット30のベース32には互いに円周方向に等間隔離間されて複数(本実施形態では10個)の金型支持部34が固定されている。
各金型支持部34には一対のブラケット36,38によりガイドレール40が取り付けられている。このガイドレール40に沿ってプレス成形すべき環状巻線82の半径方向に摺動可能にスライダー42が取り付けられている。尚、プレス成形前の環状巻線82は実質的には環状巻線21と同様の構成であるが、金型内にセットされて形状が変化する部材であるので環状巻線82として説明する。
各スライダー42には、第1金型(成形部)44が取り付けられている。各第1金型44は金型ベース46と押さえ部48から構成される。押さえ部48は、例えば図12に示すように、環状巻線82の厚さaより長い長さb(b>a)を有することで環状巻線82を的確に保持する。金型ベース46には一対のブラケット50を介してローラ52が回転可能に取り付けられている。
本実施形態では、上型ユニット30は互いに円周方向に等間隔で離間された10個の第1金型44を有しているため、各第1金型44は円周方向に互いに36°離間されて設けられていることになる。
上型ユニット30には更に、円周方向に等間隔で離間され、各々が隣接する第1金型44,44の中間に配置された複数(本実施形態では、例えば10個)のローラガイド54が固定されている。
各ローラガイド54の先端には曲面形状のローラ転動面56が形成されている。ローラ転動面56は、半径方向外側に設けられた傾斜が急な概略直線状部分56aと、半径方向内側に設けられた傾斜が緩やかな概略直線状部分56cを円弧状部分56bで結んで構成されている。
次に、図5及び図6を参照して、下型ユニット(第2金型ユニット)60の構造について説明する。下型ユニット60のベース62には、円周方向に等間隔で離間された複数(本実施形態では10個)の金型支持部64が固定されている。
各金型支持部64にはガイドレール66が設けられており、このガイドレール66に沿って第2金型(成形部)68がセットされた環状巻線82の半径方向に摺動可能なように取り付けられている。
各第2金型68はガイドレール66に沿って摺動可能な金型ベース70と、コイル押さえ部材72とから構成される。特に図示しないが、コイル押さえ部材72は第2金型68で環状巻線82を保持した後、金型ベース70にボルト止めされる。
金型ベース70には一対のブラケット74を介してローラ76が回転可能に取り付けられている。各第2金型68のローラ76は上型ユニット30に設けられたローラガイド54のローラ転動面56を転動するように適合しているため、各第2金型68は円周方向に36°離間され、隣接する第1金型44,44の円周方向中間に配置されている。
下型ユニット60には更に、円周方向に等間隔で離間され、各々が隣接する第2金型68,68の円周方向中間に配置された複数(本実施形態では、例えば10個)のローラガイド78が固定されている。
各ローラガイド78の先端には曲面状のローラ転動面80が形成されている。ローラ転動面80は、半径方向外側の傾斜が急な概略直線状部分80aと、半径方向内側の傾斜が緩やかな概略直線状部分80cを円弧状部分80bで結んで構成されている。
各ローラガイド78は上型ユニット30に取り付けられた各ローラ52に対向して設けられており、上型ユニット30の各ローラ52が下型ユニット60の各ローラガイド78のローラ転動面80を転動可能なように構成されている。
以下、上述した本実施形態の環状蛇行巻線の成形機1による環状蛇行巻線の成形方法について説明する。
先ず、第1工程において、適宜の巻線機3によって巻型15に導線19が巻き付けられ、環状巻線21(プレス成形に用いられる環状巻線82)が形成される。
この第1工程において、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線は、略楕円形状の多角形の環状の環状巻線21の角部21aおよび直辺部21bのうち、略楕円形状での曲率が相対的に小さい部位の直辺部21bから引き出される。
そして、導線19が巻型15に巻き付けられて環状巻線群が成形された後、溝17に結束バンドが挿入され、環状巻線群が結束されることで、環状巻線21が成形される。この後、治具が挿入されて環状巻線21が巻型15から取り外される。そして、図3(B)に示すように、コイル始端23及びコイル終端25が成形され、環状巻線21(プレス成形に用いられる環状巻線82)が完成する。
次に、第2工程において、プレス成形が実行され、環状巻線82に複数の蛇行部83が形成される。
第2工程では、図6に示すように、環状巻線82を下型ユニット60の各第2金型68の金型ベース70で保持し、コイル押さえ部材72を金型ベース70にボルト止めする。これにより、環状巻線82が下型ユニット60の第2金型68によって保持されたことになる。
この状態から、上型ユニット30を図7に示すように下降させて、環状巻線82のプレス成形を開始する。図7に示すプレス成形開始時点においては、上型ユニット30のローラ52は下型ユニット60のローラガイド78のローラ転動面80の傾斜が急な概略直線状部分80aに当接し、下型ユニット60のローラ76は上型ユニット30のローラガイド54のローラ転動面56の傾斜が急な概略直線状部分56aに当接するため、プレス成形初期においては、図11に示すように環状巻線82はその軸方向変位量に対し半径方向に僅かばかり縮小されるだけである。
上型ユニット30が軸線方向に更に移動すると、ローラ52がローラ転動面80の円弧状部分80bを転動し、ローラ76がローラ転動面56の円弧状部分56bを転動するため、上型ユニット30の軸方向変位量に対して環状巻線82の半径方向への縮小変位量が徐々に増大し、更にプレス成形が進むと、ローラ52はローラ転動面80の傾斜が緩やかな概略直線状部分80cを転動し、ローラ76はローラ転動面56の傾斜が緩やかな概略直線状部分56cを転動するため、環状巻線82の軸方向変位量に対する径方向変位量は図11に示すような曲線を描くことになる。
このように、特殊形状の曲面状ローラ転動面56,80を採用することにより、環状巻線82の軸方向変位量に対して、環状巻線82の径方向変位量の比率を連続的に変化させることができるため、環状巻線82に無理なストレスを与えることなく、図13に示すように環状巻線82に複数の蛇行部83(U相蛇行部24またはW相蛇行部28に相当)を容易に自動的に形成することができる。
図8はプレス成形終了後の上型ユニット30の底面図を、図9はプレス成形終了後の下型ユニット60の平面図をそれぞれ示している。図4及び図5に示したプレス成形前に比較して、各ローラ52,76が半径方向内側に移動されている様子が示されている。
図10はプレス成形終了時の上型ユニット30及び下型ユニット60の断面図を示しており、上型ユニット30は図8のA−O−A線断面図、下型ユニット60は図9のB−O−B線断面図である。
上型ユニット30および下型ユニット60によるプレス成形の実行時において、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線間の部位と他の部位とでは、導線19の巻数が異なることに起因して、プレス成形の実行時における弾性変形および塑性変形に差異が生じる。このため、略楕円形状での曲率が相対的に小さい部位にコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線間の部位が設けられている場合には、例えば図14に示すように、プレス成形の実行前での略楕円形状の環状巻線82は、プレス成形の実行後に略円形状の環状蛇行巻線(つまり複数の蛇行部83を有する環状巻線82)に成形され、略円形状の設計値にほぼ等しい形状となる。
また、環状巻線21は、複数の角部21aおよび直辺部21bからなる多角形の環状に形成されており、上型ユニット30および下型ユニット60によるプレス成形の実行時には、プレス成形の実行後に形成される環状巻線82の複数の蛇行部83のうち、回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、図13に示す部位83a)が直辺部21bにより構成されるように設定される。これにより、蛇行部83のうち、回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、図13に示す部位83a)が、例えば弧状などに湾曲してしまうことが防止され、環状ステータ2の組み立て時に各環状蛇行巻線22,26(つまり複数の蛇行部83を有する環状巻線82)が各ステータリング4,6,8に装着される際の所望の配置を容易に確保することができる。
しかも、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線は直辺部21bから引き出されており、上型ユニット30および下型ユニット60によるプレス成形の実行時には、プレス成形の実行後に形成される環状巻線82の複数の蛇行部83のうち、適宜の蛇行部83の回転軸方向に略平行に延びる部位(つまり、直辺部21bにより構成される部位)から引き出し線が引き出されるように設定される。これにより、引き出し線の所望の配置形状および位置精度を容易に確保することができる。
上述したように、本実施の形態による環状蛇行巻線の成形機1および環状蛇行巻線の製造方法によれば、導線19を巻回する巻型15を略楕円形状の軸方向断面を有する柱状体とすることで、略楕円形状の環状の環状巻線21を形成することができ、この環状巻線21を、上型ユニット30および下型ユニット60により回転軸方向にプレス成形することよって、環状巻線21の外周部の2つの引き出し線間の部位と他の部位とにおいて環状巻線21の巻数が異なることに起因して弾性変形および塑性変形に差異が生じ、略楕円形状の環状巻線21を円環状の環状巻線82に変形させることができる。
つまり、例えば、プレス成形の実行前での環状巻線が円形状となるように形成して、この円形状の環状巻線に回転軸方向にプレス成形をおこなって複数の蛇行部を形成すると、環状巻線の外周部の2つの引き出し線間の部位と他の部位とにおいて環状巻線の巻数が異なることに起因して弾性変形および塑性変形に差異が生じ、楕円形状などに変形してしまい、所望の真円度を確保することができなくなるという問題が生じることに対して、本願発明では、プレス成形の実行前での環状巻線21を、予め略楕円形状とすることで、プレス成形の実行後において、所望の真円度を確保することができる。
これにより、蛇行部83を有する環状巻線82(つまり各環状蛇行巻線22,26)の真円度を向上させることができ、この環状巻線82を備える環状ステータ2および環状ステータ2を備える永久磁石式交流同期モータの出力特性を向上させることができる。
さらに、巻型15を略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状体とすることにより、環状巻線21を略楕円形状の多角形の環状に容易に形成することができ、プレス成形により形成される蛇行部83のうち回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、図13に示す部位83a)が、例えば弧状などに湾曲してしまうことを防止することができ、環状ステータ2の組み立て時に各環状蛇行巻線22,26(つまり複数の蛇行部83を有する環状巻線82)が各ステータリング4,6,8に装着される際の所望の配置を容易に確保することができる。
さらに、巻型15により環状巻線21が形成される際に、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線は略楕円形状での曲率が相対的に小さい部位から引き出されるように設定されることにより、プレス成形の実行前での略楕円形状の環状巻線82は、プレス成形の実行後に略円形状の環状蛇行巻線(つまり複数の蛇行部83を有する環状巻線82)に成形され、略円形状の設計値にほぼ等しい形状となる。
さらに、巻型15により環状巻線21が形成される際に、環状巻線21のコイル始端23およびコイル終端25からなる2つの引き出し線は直辺部21bから引き出されており、上型ユニット30および下型ユニット60によるプレス成形の実行時には、プレス成形の実行後に形成される環状巻線82の複数の蛇行部83のうち、適宜の蛇行部83の回転軸方向に略平行に延びる部位(つまり、直辺部21bにより構成される部位)から引き出し線が引き出されるように設定されることにより、引き出し線の所望の配置形状および位置精度を容易に確保することができる。
なお、上述した実施の形態では、巻型15を略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状体として、環状巻線21を多角形の環状に形成するとしたが、これに限定されず、例えば、単に、巻型15を楕円形状の軸方向断面を有する柱状体として、環状巻線21を楕円形状の環状に形成してもよい。また、例えば、環状巻線21を弧状部と直辺部とにより構成されるように形成し、プレス成形の実行後に形成される環状巻線82の複数の蛇行部83のうち、回転軸方向に略平行に延びる部位(例えば、図13に示す部位83a)のみが直辺部により構成され、他の部位(例えば、周方向に延びる部位など)が弧状部により構成されるように設定してもよい。
本発明の実施形態の蛇行環状巻線コイルを有するステータの分解斜視図である。 組立てられたステータの斜視図である。 巻型による環状巻線の形成方法を説明する図である。 プレス成形前の上型ユニットの底面図である。 プレス成形前の下型ユニットの平面図である。 プレス成形前の上型ユニット及び下型ユニットの断面図であり、上型ユニットは図4のA−O−A線断面図、下型ユニットは図5のB−〇−B線断面図である。 プレス成形開始直前の上型ユニット及び下型ユニットの断面図である。 プレス成形終了後の上型ユニットの底面図である。 プレス成形終了後の下型ユニットの平面図である。 プレス成形終了後の上型ユニット及び下型ユニットの断面図であり、上型ユニットは図8のA−O−A線断面図、下型ユニットは図9のB−O−B線断面図である。 環状巻線の軸方向変位量に対する径方向変位量の関係を示す図である。 押さえ部と環状巻線の関係を示す拡大断面図である。 各環状蛇行巻線の斜視図である。 プレス成形前の環状巻線(略楕円形状)と環状蛇行巻線(プレス成形後)との内径の一例、および環状蛇行巻線(略円形)の内径の設計値を示す図である。
符号の説明
2 環状ステータ(ステータ)
3 巻線機(環状巻線形成手段)
19 導線(巻線)
21 環状巻線
22 U相環状蛇行巻線(環状蛇行巻線)
23 コイル始端(両端部)
24 U相蛇行部(蛇行部)
25 コイル終端(両端部)
26 W相環状蛇行巻線(環状蛇行巻線)
28 W相蛇行部(蛇行部)
30 上型ユニット(蛇行部形成手段)
60 下型ユニット(蛇行部形成手段)
82 環状巻線
83 蛇行部
83a 部位

Claims (8)

  1. 電動機のステータ内に配置される複数の蛇行部を有する環状蛇行巻線の製造方法であって、
    巻線を巻回することによって環状巻線を形成する第1工程と、
    前記第1工程により形成された前記環状巻線を前記電動機の回転軸方向にプレス成形することによって前記蛇行部を形成する第2工程とを含み、
    前記第1工程は前記環状巻線を略楕円形状の環状に形成することを特徴とする環状蛇行巻線の製造方法。
  2. 前記第1工程は前記環状巻線を略楕円形状の多角形の環状に形成することを特徴とする請求項1に記載の環状蛇行巻線の製造方法。
  3. 前記第1工程は前記巻線の両端部からなる前記環状巻線の2つの引き出し部を、略楕円形状の環状の前記環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の環状蛇行巻線の製造方法。
  4. 前記第2工程は前記2つの引き出し部を、前記蛇行部のうち前記電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位に設けることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の環状蛇行巻線の製造方法。
  5. 電動機のステータ内に配置される複数の蛇行部を有する環状蛇行巻線を製造する環状蛇行巻線の成形機であって、
    巻型に巻線を巻回して略楕円形状の環状の環状巻線を形成する環状巻線形成手段と、
    前記環状巻線を前記電動機の回転軸方向にプレス成形することによって前記蛇行部を形成する蛇行部形成手段とを備え、
    前記巻型は略楕円形状の軸方向断面を有する柱状であることを特徴とする環状蛇行巻線の成形機。
  6. 前記巻型は略楕円形状の多角形の軸方向断面を有する柱状であることを特徴とする請求項5に記載の環状蛇行巻線の成形機。
  7. 前記環状巻線形成手段は、前記巻線の両端部からなる前記環状巻線の2つの引き出し部を、略楕円形状の環状の前記環状巻線のうち相対的に曲率が小さい部位に設けることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の環状蛇行巻線の成形機。
  8. 前記蛇行部形成手段は、前記2つの引き出し部を、前記蛇行部のうち前記電動機の回転軸方向に略平行に延びる部位に設けることを特徴とする請求項5から請求項7の何れか1つに記載の環状蛇行巻線の成形機。
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