JP2011160572A - 回転電機のステータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルの巻線の引き出し部を他のコイルや端子に結線する作業を行い易くする。
【解決手段】分布巻き、かつ同心巻きとなるように組み込まれる3相の成形コイルとして、コイルエンド31がステータ10の径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルと、コイルエンド41がステータ10の径方向に折り曲げられていない形状のコイルエンド非折り曲げ成形コイルとを使用する。そして、コイルエンド折り曲げ成形コイルはα巻で巻線の巻き付けを行った後にコイルエンド31の折り曲げ成形を行って形成し、各成形コイルを、コイルエンド31,41が干渉しないように、順にスロット14に挿入してステータコア11に組み付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機のステータの製造方法に関する。
U相、V相、W相のコイルが分布巻き、かつ3相同心巻きで構成された電動機において、コイルの占積率の向上及びコイルエンドの損失低減による効率向上のため、各相のコイルのうち一部のコイルを、そのコイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状としたもの及びそのステータの製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載のステータの製造方法では、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルを形成する場合、まず、図10(a)に示すように、断面円形のエナメル線71の巻始点をガイド72aを備える巻枠72に固定した状態とする。この状態から、巻枠72を図中Z軸回りに時計方向(矢印方向)に180度回転することにより図10(b)に示す状態となる。このとき、エナメル線71は、Z軸に垂直な方向にガイドされている。次に巻枠72をX軸回りに時計方向(矢印方向)に90度回転することにより図10(c)の状態となる。ここで、巻かれたコイルエンドを整列させるため、軸中心方向に巻枠72に沿ってエナメル線を整形する。さらに、巻枠72をX軸回りに時計方向(矢印方向)に90度回転することにより図10(d)の状態となる。ここまでで、1/2のターンが終了する。この時点で前記コイルエンドの整形を行っても構わない。この図10(a)〜(d)の動作を繰り返し行い、所定の巻回数分回転させ、巻線が完了となる。そして、コイルの占積率を向上させるため、ステータのスロットに挿入される部分を断面矩形状に加圧成形する。例えば、導体径2.4mmのエナメル線を加圧成形して幅2.6mmの略四角形状にしたものが例示されている。
特許第3514939号公報
ところが、特許文献1の製造方法では、コイルは、巻線の一端を巻き始めとして巻き付けが行われるため、完成したコイルは、巻き始め部が複数段巻き重ねられた巻線の積層底部に存在すると、巻き終わり部が巻線の積層頂部に存在する状態になる。そのため、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルでは、コイルをステータコアに組み付けた状態において、巻線の巻き始め部及び巻き終わり部を他のコイルや端子に結線する作業が行い難い。
また、特許文献1の製造方法では、コイルを形成する際、エナメル線71が巻き付けられる巻枠72をZ軸回りに回転させる操作と、X軸回りに回転させる操作とを行う。そのため、円形断面のエナメル線71では支障なく巻き付けを行うことができるが、断面円形の巻線ではなく平角線を巻線に使用すると、平角線の巻き付けを厚さ方向だけでなく、幅方向にも行う必要があり、巻き付けが難しいという問題がある。そのため、断面円形のエナメル線を巻枠72に巻き付けてコイル形成した後、断面円形のエナメル線を加圧成形して断面形状を略四角形状に変形させてコイルの占積率を向上させているので、エナメル線の絶縁被膜が伸びて薄くなり、絶縁性が低下する虞がある。絶縁被膜が薄くなって絶縁性が低下するのを防止するためには、予めエナメル線71の絶縁被膜を厚くしなければならないという問題もある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コイルエンド同士の干渉を避けることができるとともに、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルの巻線の引き出し部を他のコイルや端子に結線する作業が行い易い回転電機のステータの製造方法を提供することにある。また、他の目的は、コイルの巻線に平角線を使用しても巻き付けを容易に行うことができ、巻線の断面形状を変形させずにコイルの占積率の向上を図ることができる回転電機のステータの製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、環状をなし、内周に沿って内周に開口するスロットが複数配列されたステータコアと、前記ステータコアにおける前記複数のスロットに複数相のコイルが分布巻き、かつ同心巻きとなるように組み込まれた回転電機のステータの製造方法である。前記複数相のコイルとして、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルと、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられていない形状のコイルエンド非折り曲げ成形コイルとを使用する。そして、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルはα巻で巻線の巻き付けを行った後にコイルエンドの折り曲げ成形を行って形成し、前記各成形コイルを、コイルエンドが干渉しないように、順にスロットに挿入してステータコアに組み付ける。ここで、「成形コイル」とは、ステータコアに組み付けられる状態に巻線の巻き付け及び成形が完了した状態のコイルを意味する。また、コイルエンド非折り曲げ成形コイルは、巻線の積層方向が全周で同じで、一周分の巻線が同一面上に存在する状態の成形コイルを意味する。そして、コイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線の積層方向が径方向になる箇所と、軸方向になる箇所と、両者の間に存在して積層方向が変化する箇所とが存在するとともに一周分の巻線が同一面から逸脱する状態の成形コイルを意味する。
この発明では、複数相のコイルを成形コイルの状態で分布巻き、かつ同心巻きとなるようにステータコアに組み込み、コイルエンド同士の干渉を避けるために一部の成形コイルとして、そのコイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルを使用する。そして、コイルエンド折り曲げ成形コイルの巻線はα巻で巻き付けが行われるため、巻線の巻き始め部及び巻き終わり部を、共に複数段巻き重ねられた巻線の積層底部側あるいは積層頂部側に存在する状態にすることができる。そのため、コイルエンド折り曲げ成形コイルをステータコアに組み付けた状態において、巻線の巻き始め部及び巻き終わり部を他のコイルや端子に結線する作業が行い易い。また、コイルの巻線に平角線を使用しても巻き付けを容易に行うことができ、巻線の断面形状を変形させずにコイルの占積率の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各成形コイルの巻線として平角線を使用する。この発明では、断面円形の巻線に比べてコイルの占積率の向上を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルは、その巻線の両引き出し部がステータの内径側に位置する状態に形成され、引き出し部の結線をステータの内径側で行う。ここで、「巻線の引き出し部」とは、コイル状に巻き付けられた巻線の端部で、結線のためにコイルの部分から離れた状態にある部分を意味する。この発明では、コイルエンド曲げ成形コイルがステータコアに組み付けられた状態において、その巻線の両引き出し部がステータの外径側に位置する状態に形成された場合に比べて、コイルエンド曲げ成形コイルの引き出し部の結線作業がより容易になる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線の巻き付けはフラットワイズで行い、コイルエンドの折り曲げ成形はエッジワイズで曲げ加工を行う。ここで、「フラットワイズでの巻き付け」とは、平角線の幅方向の面が巻き付け面になる状態で巻線の巻き付けを行うことを意味する。また、「エッジワイズで曲げ加工を行う」とは、平角線の幅方と直交する面が曲げ面となるように曲げ加工を行うことを意味する。
この発明では、平角線の巻き付けを平角線の幅方向と直交する面が巻き付け面になる状態で巻線の巻き付けを行い、コイルエンドの折り曲げ成形は、平角線の幅方向の面が曲げ面となるように曲げ加工を行う場合に比べて、コイルエンド折り曲げ成形コイルを容易に形成することができる。
本発明によれば、コイルエンド同士の干渉を避けることができるとともに、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルの巻線の巻き始め部及び巻き終わり部を他のコイルや端子に結線する作業が行い易い。また、コイルの巻線に平角線を使用しても巻き付けを容易に行うことができ、巻線の断面形状を変化せずにコイルの占積率の向上を図ることができる。
一実施形態のステータを示す斜視図。 (a)はステータコアの部分斜視図、(b)は分割ティースの斜視図、(c)はスロット内のコイル(巻線)の配置状態を示す模式断面図。 各コイルの端末の結線状態を示すステータの平面図。 (a)はアウターコイルの斜視図、(b)はインナーコイルの斜視図。 (a),(b),(c)はα巻により巻線を巻き付ける手順を示す模式斜視図。 (a)は曲げ加工前のアウターコイルの平面図、(b)はインナーコイルの巻線の巻き付けに使用する巻型の模式斜視図。 (a)はステータコアにアウターコイルを組み付けた状態を示す斜視図、(b)はアウターコイル同士の間に分割ティースを装着した状態を示す斜視図。 (a)はインナーコイルを組み付けた状態を示す斜視図、(b)はインナーコイル同士の間に分割ティースを装着した状態を示す斜視図。 (a),(b)はそれぞれ別の実施形態のステータの半分を示す概略平面図。 (a)〜(d)従来技術のU相コイルの巻き付け方法を示す斜視図。
以下、本発明をU相、V相及びW相の3相のコイルが組み込まれたステータに具体化した一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、回転電機のステータ10は、環状のステータコア11と、ステータコア11の内周に複数配列された固定ティース12及び分割ティース13と、スロット14に組み込まれた3相のアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wとからなる。3相のコイル、即ちアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wは、分布巻き、かつ同心巻きとなるようにスロット14に組み込まれている。なお、アウターコイル30U,30V,30Wとは、そのコイルエンド31の渡り部31bがインナーコイル40U,40V,40Wのコイルエンド41の渡り部41bよりステータコア11の外周側に位置する状態にスロット14に組み込まれるコイルのことである。
固定ティース12と分割ティース13とは交互に配置され、ステータコア11の周方向に隣り合う固定ティース12と分割ティース13との間に、平面視略矩形状のスロット14が区画された状態になっている。固定ティース12と分割ティース13の各個数は12個であり、スロット14の個数は24個である。スロット14は、ステータコア11の周方向に等ピッチで配列されている。
図2(a)及び図3に示すように、各固定ティース12は、ステータコア11の内周側にステータコア11の中心に向かって延びるように一体成形されている。ステータコア11の内周側において、隣り合う固定ティース12の中間位置には、係止凸部11aが突設されている。係止凸部11aはステータコア11の内周面からステータコア11の中心に向かうに従い徐々に拡幅するテーパ状に形成されている。ステータコア11は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板を積層して構成されている。
図2(b)に示すように、分割ティース13は、外形形状が固定ティース12と同じに形成され、基端面には、係止凸部11aと嵌合可能な係止凹部13aが形成されている。図1及び図3に示すように、分割ティース13は、係止凹部13aがステータコア11の係止凸部11aに嵌合することにより、ステータコア11に装着されている。そして、この装着状態において、ステータコア11の周方向に隣り合う固定ティース12と分割ティース13との間には平面視略矩形状のスロット14が区画された状態になっている。
アウターコイル30U,30V,30Wとしては、U相のアウターコイル30U、V相のアウターコイル30V、及びW相のアウターコイル30Wがそれぞれを2つずつ存在する。そして、アウターコイル30U,30V,30Wは、それら全て(U相、V相、W相の3相)が、ステータコア11の中心を中心とする一つの円周上に存在するように配置されている。アウターコイル30U,30V,30Wは、それぞれ、1個の分割ティース13を間に挟んだ2個の固定ティース12を跨ぐように、2個のスロット14に挿入された状態で、ステータコア11に組み付けられている。
一対のアウターコイル30Uは、24個のスロット14のうちの8個に間隔をおいて計4個のスロット14に挿入されている。アウターコイル30V及びアウターコイル30Wそれぞれについても上記したアウターコイル30Uと同様な配置となっている。また、アウターコイル30U,30V,30Wそれぞれは、巻線として断面が長方形で均一な幅の平角線が使用され、平角線は絶縁被覆されている。図4(a)に示すように、アウターコイル30U,30V,30W(図4(a)ではアウターコイル30Uのみを図示)は、それぞれ、スロット14内に挿入される一対の挿入部32と、ステータコア11の軸方向の両端面から突出するコイルエンド31を有する。アウターコイル30U,30V,30Wはそれぞれ同じに形成され、図2(c)に示すように、スロット14に挿入される挿入部32は、平角線の厚さ方向がスロット14の径方向となる状態で2列に配置されている。なお、図2(c)では、断面のハッチングを省略している。
図1に示すように、アウターコイル30U,30V,30Wのコイルエンド31(以下、適宜アウターコイルエンド31と記載する)は、各挿入部32からステータコア11の半径方向(固定ティース12のステータコア11からの突設方向と反対方向)に沿って延びるように屈曲した一対の屈曲部31aを備える。さらに、アウターコイルエンド31は、一対の屈曲部31aの先端同士を接続するようにステータコア11の周方向へ延びるアウター渡り部31bを備え、屈曲部31aと一対のアウター渡り部31bとにより平面視略コ字状に形成されている。そして、アウターコイル30U,30V,30Wは、アウター渡り部31bがステータコア11の周方向に沿って延びるように所定の形状に整形されている。また、アウター渡り部31bは、ステータコア11の内周面よりもステータコア11の半径方向(固定ティース12のステータコア11からの突設方向と反対方向)外側に配置されている。また、挿入部32をスロット14に組み込んだ状態のとき、ステータコア11の軸方向の両端面から突出する部位がアウターコイルエンド31となっている。また、各挿入部32には合成樹脂製の絶縁シート33が巻装されている。
インナーコイル40U,40V,40Wとしては、U相のインナーコイル40U、V相のインナーコイル40V、及びW相のインナーコイル40Wをそれぞれ2つずつ有する。そして、インナーコイル40U,40V,40Wは、それら全て(U相、V相、W相の3相)が、ステータコア11の中心を中心とする一つの円周上に存在するように配置されている。各相のインナーコイル40U,40V,40Wは、それぞれ2個のスロット14に跨る状態で、かつ1個の分割ティース13を間に挟んだ2個の固定ティース12に跨るように、2個の固定ティース12に組み付けられている。
一対のインナーコイル40Uは、24個のスロット14のうちの8個に間隔をおいて計4個のスロット14に挿入されている。インナーコイル40V及びインナーコイル40Wそれぞれについても上記したインナーコイル40Uと同様な配置となっている。また、各相のインナーコイル40U,40V,40Wも平角線よりなり、各相のインナーコイル40U,40V,40Wは絶縁被覆されている。図4(b)に示すように、各相のインナーコイル40U,40V,40W(図4(b)ではインナーコイル40Uのみ図示)は、スロット14内に挿入される一対の挿入部42と、ステータコア11の端面から突出するコイルエンド41を有している。
図1に示すように、インナーコイル40U,40V,40Wに形成されたコイルエンド41(以下、適宜インナーコイルエンド41とする)は、各挿入部42からステータコア11の軸方向に延びる一対の起立部41aを備える。さらに、コイルエンド41は、一対の起立部41aの先端同士を接続するようにステータコア11の周方向へ延びるインナー渡り部41bを備え、一対の起立部41aとインナー渡り部41bとにより正面視コ字状に形成されている。各挿入部42には合成樹脂製の絶縁シート33が巻装されている。
スロット14にアウターコイル30U,30V,30Wと、インナーコイル40U,40V,40Wが組み込まれた状態では、アウター渡り部31bそれぞれは、ステータコア11の半径方向(固定ティース12のステータコア11からの突設方向と反対方向)においてインナー渡り部41bよりも外側に配置されている。また、インナー渡り部41bそれぞれは、ステータコア11の周方向に隣り合う2つのアウターコイル30Uの屈曲部31aを跨いでいる。さらに、インナーコイル40U,40V,40Wがスロット14に組み込まれた状態では、インナーコイルエンド41の起立部41aの内側には固定ティース12が位置するように形成されている。
ステータ10が電動機を構成する場合、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの各巻線端部は、図3に示すように結線されて、インバータ50から電力を供給されるようになっている。即ち、一対のアウターコイル30Uのうちの一方のアウターコイル30Uの一端は配線U1aを介してインバータ50のU相用端子51に接続され、他端は配線U1bを介して一対のインナーコイル40Uのうちの一方のインナーコイル40Uの一端に接続されている。また、他方のアウターコイル30Uの一端は配線U2aを介してインバータ50のU相用端子51に接続され、他端は配線U2bを介して他方のインナーコイル40Uの一端に接続されている。即ち、U相のアウターコイル30Uとインナーコイル40Uとが1個ずつ直列に接続された2組の回路の一端がインバータ50のU相用端子51に接続されている。
一対のインナーコイル40Vのうちの一方のインナーコイル40Vの一端は配線V1aを介してインバータ50のV相用端子52に接続され、他端は配線V1bを介して一対のアウターコイル30Vのうちの一方のアウターコイル30Vの一端に接続されている。また、他方のインナーコイル40Vの一端は配線V2aを介してインバータ50のV相用端子52に接続され、他端は配線V2bを介して他方のアウターコイル30Vの一端に接続されている。即ち、V相のアウターコイル30Vとインナーコイル40Vとが1個ずつ直列に接続された2組の回路の一端がインバータ50のV相用端子52に接続されている。
一対のインナーコイル40Wのうちの一方のインナーコイル40Wの一端は配線W1aを介してインバータ50のW相用端子53に接続され、他端は配線W1bを介して一対のアウターコイル30Wの一端に接続されている。また、他方のインナーコイル40Wの一端は配線W2aを介してインバータ50のW相用端子53に接続され、他端は配線W2bを介して一対のアウターコイル30Wのうちの他方のアウターコイル30Wの一端に接続されている。即ち、W相のアウターコイル30Wとインナーコイル40Wとが1個ずつ直列に接続された2組の回路の一端がインバータ50のW相用端子53に接続されている。
一方のアウターコイル30U及びインナーコイル40Uが直列に接続された回路の他端と、一方のアウターコイル30V及びインナーコイル40Vが直列に接続された回路の他端と、一方のアウターコイル30W及びインナーコイル40Wが直列に接続された回路の他端とは互いに接続(結線)されて中性点N1となっている。また、他方のアウターコイル30U及びインナーコイル40Uが直列に接続された回路の他端と、他方のアウターコイル30V及びインナーコイル40Vが直列に接続された回路の他端と、他方のアウターコイル30W及びインナーコイル40Wが直列に接続された回路の他端とは互いに接続(結線)されて中性点N2となっている。即ち、U相、V相、W相の3相のコイルはスター結線で並列に接続されて、インバータ50から電力を供給されるようになっている。
次に、ステータ10の製造方法について説明する。
ステータ10の製造方法は、U相、V相、W相の3相のコイルとしてそれぞれ成形コイルを使用するとともに、成形コイルのうち一部の成形コイルとして、そのコイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状の成形コイルを使用する。この実施形態では、アウターコイル30U,30V,30Wに、そのコイルエンド31がステータ10の径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルを使用し、インナーコイル40U,40V,40Wに、そのコイルエンド41がステータ10の径方向に折り曲げられていない形状のコイルエンド非折り曲げ成形コイルを使用する。アウターコイル30U,30V,30Wはα巻で巻線の巻き付けを行った後に、コイルエンド31の折り曲げ成形を行って形成する。そして、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの順に、コイルエンド31,41が干渉しないように、順にスロット14に挿入してステータコア11に組み付ける。
コイルエンド非折り曲げ成形コイルは、巻線の積層方向が全周で同じで、一周分の巻線が同一面上に存在する状態の成形コイルである。また、コイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線の積層方向が径方向になる箇所と、軸方向になる箇所と、両者の間に存在して積層方向が変化する箇所とが存在するとともに一周分の巻線が同一面から逸脱する状態の成形コイルである。ここで、同一面とは平面ではなく曲面であり、具体的にはステータコア11の中心を中心とする円弧面である。
アウターコイル30U,30V,30Wはそれぞれ同じに形成され、また、インナーコイル40U,40V,40Wはそれぞれ同じに形成されるため、以下、U相のアウターコイル30U及びU相のインナーコイル40Uについてその形成方法を説明する。
アウターコイル30Uをα巻で形成する場合、図5(a)に示すように、直方体の長手方向の両端に段部を有する形状で、軸21を中心に正逆回転可能な巻型20を使用する。そして、1本の巻線22の片側半分を巻型20の上側巻き付け面20aに、残りの半分を巻型20の下側巻き付け面20bに巻き付けることにより、アウターコイル30Uを形成する。
詳述すると、まず、図5(a)に示すように、巻線22をその中央付近において、片側略半分が上側巻き付け面20aに、残りの略半分が下側巻き付け面20bに対応するように巻型20に固定する。次に巻線22の半分を上側巻き付け面20aに巻き付ける。このとき、図5(a)において巻型20の左側に延びる部分の端部は、図示しない支持部に固定され、巻型20の右側に延びる部分の端部は自由状態に保持される。この状態から、巻型20が軸21を中心にして図5(a)における反時計方向(矢印方向)に回転される。支持部は巻線22を一定の張力状態で保持するため、巻型20が回転するにしたがって巻線22が上側巻き付け面20aに巻き付けられる。即ち、平角線の厚さ方向と直交する面が巻き付け面になる状態で巻線22の巻き付けが行われる。巻線22の片側の巻き付けが終了すると、図5(b)に示す状態になる。
次に図5(b)において巻型20の右側に延びる部分の端部が図示しない支持部に固定され、巻型20の上側巻き付け面20aに巻き付けられた部分の端部が自由状態において、巻型20が軸21を中心にして図5(b)における時計方向(矢印方向)に回転される。支持部は巻線22を一定の張力状態で保持するため、巻型20が回転するにしたがって巻線22が下側巻き付け面20bに巻き付けられ、巻線22の巻き付けが終了すると、図5(c)に示す状態になる。なお、巻線22は巻型20を中心に略渦巻き状に巻き付けられるが、図5(b),(c)では、簡略化して描いている。
このコイルを巻型20から取り外すと、図6(a)に示すように、平面略矩形状のコイル23が得られる。次にこのコイル23を成形型を用いて、図6(a)に2点鎖線で示す箇所が屈曲部31aとなるようにコイルエンドの折り曲げ成形が行われる。即ち、コイルエンドの折り曲げ成形は、曲げ部の隅が平角線の厚さ方向に延びるように曲げ加工を行う。その結果、コイルエンド31がステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルとして、図4(a)に示すようなアウターコイル30Uが形成される。即ち、図6(a)において、略矩形状のコイル23の短辺が挿入部32となり、長辺がアウター渡り部31bとなるように曲げ加工が行われる。
コイルエンド折り曲げ成形コイルであるアウターコイル30Uは、ステータコア11に組み付けられた状態において、その巻線22の両引き出し部22aがステータ10の内径側に位置する状態に形成されている。その後、引き出し部22aを避けて各挿入部32に絶縁シート33が巻き付けられる。
また、U相のインナーコイル40Uは、α巻ではなく、巻線22の一端側を巻き始めとする一般の巻き付け方法で巻き付けを行う。巻き付けには、例えば図6(b)に示すように、長手方向に延びる一対のテーパ状の巻き付け面24aと、両巻き付け面24aに交差しかつ互いに平行に延びる一対の巻き付け面24bを有する巻型24を用いる。そして、巻型24の巻き付け面24a,24bに平角線を二重に巻き付けることにより、図4(b)に示すようなインナーコイル40Uが形成される。即ち、インナーコイル40Uの場合は、アウターコイル30Uの場合と異なり、折り曲げ成形を行わずに、スロット14に挿入するのに適した形状の成形コイルが得られる。
次に前記のようにして形成されたアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wのステータコア11に対する組み付けを行う。
まず、分割ティース13がステータコア11から取り外された状態において、図7(a)に示すように、1つの係止凸部11aを間に挟んだ2個の(対となる)固定ティース12に対し、各相のアウターコイル30U,30V,30Wを組み付ける。このとき、各アウターコイル30U,30V,30Wをステータコア11の半径方向に沿って移動させ、各アウターコイル30U,30V,30Wの内側に一対の固定ティース12が挿入されるように組み付ける。U相、V相、W相それぞれ2つずつのアウターコイル30U,30V,30Wは、ステータコア11の周方向においてU相、V相、W相の順番で同一円周上に配置されるように組み付けられる。
この組付状態において、隣り合うU相のアウターコイル30UとV相のアウターコイル30Vとの間、V相のアウターコイル30VとW相のアウターコイル30Wとの間、W相のアウターコイル30WとU相のアウターコイル30Uとの間それぞれには、分割ティース13を挿入可能とする隙間が形成される。
次に、図7(b)に示すように、隣り合うアウターコイル30U,30V,30W同士の間の隙間に、分割ティース13を挿入するとともに、ステータコア11に分割ティース13を装着する。このとき、分割ティース13を、ステータコア11の軸方向に沿って移動させて、ステータコア11の係止凸部11aを分割ティース13の係止凹部13aに嵌合することで分割ティース13の装着が行われる。この状態では、隣り合う固定ティース12と分割ティース13との間にスロット14が区画され、区画されたスロット14にはアウターコイル30U,30V,30Wの挿入部32が挿入された状態になる。
ステータコア11にアウターコイル30U,30V,30Wが組み付けられた状態において、アウターコイルエンド31は、屈曲部31aがステータコア11の半径方向に沿って挿入部32からステータコア11の外周側へ延びている。そして、一対の屈曲部31a同士の間から一対の固定ティース12の間に、分割ティース13をステータコア11の軸方向に沿って移動させて挿入可能であり、かつインナーコイル40U,40V,40Wの各挿入部42をステータコア11の半径方向に沿って移動させて挿入可能になっている。
次に、図8(a)に示すように、ステータコア11に装着された1つの分割ティース13を挟んだ2個の(対となる)固定ティース12に対し各インナーコイル40U,40V,40Wを組み付ける。即ち、各インナー渡り部41bが、隣接する異なるアウターコイル30U,30V,30Wの屈曲部31aを跨ぐ状態で固定ティース12に対し各インナーコイル40U,40V,40Wを組み付ける。
各インナーコイル40U,40V,40Wをステータコア11の半径方向に沿ってステータコア11の内側から外側に向けて移動させ、各インナーコイル40U,40V,40Wの内側に一対の固定ティース12が挿入されるように、一対の固定ティース12の外側にインナーコイル40U,40V,40Wを組み付ける。このとき、アウター渡り部31bがステータコア11の内周面よりも半径方向外側に配置され、ステータコア11の周方向に隣り合う一対の屈曲部31a同士の間に間隙が形成された状態にある。また、各インナーコイル40U,40V,40Wのインナー渡り部41bがアウター渡り部31bよりも半径方向内側に配置される。
そして、U相、V相、W相それぞれ2つずつのインナーコイル40U,40V,40Wが、U相、V相、W相の順番で同一円周上に配置されるように固定ティース12に組み付けられる。この組付状態において、隣り合うU相のインナーコイル40UとV相のインナーコイル40Vとの間、V相のインナーコイル40VとW相のインナーコイル40Wとの間、W相のインナーコイル40WとU相のインナーコイル40Uとの間それぞれには、分割ティース13を挿入可能とする隙間が形成される。
次に、図8(b)に示すように、隣り合うインナーコイル40U,40V,40W同士の間の隙間に、分割ティース13を、分割ティース13と固定ティース12とでインナーコイル40U,40V,40Wの各挿入部42を挟み込むように装着する。このとき、分割ティース13をステータコア11の軸方向に沿って移動させて挿入するとともに、係止凹部13aの内側に係止凸部11aを嵌合させてステータコア11に分割ティース13を装着する。すると、隣り合う固定ティース12と分割ティース13との間にスロット14が区画され、区画されたスロット14にはインナーコイル40U,40V,40Wの挿入部42が挿入された状態になる。
全てのアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wのステータコア11に対する組み付けが終了した後、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wの各巻線の端部(引き出し部22a)の結線が行われる。各巻線の端部は図3に示すように結線されて、インバータ50から電力を供給されるようになっており、ステータ10の段階では、インバータ50のU相用端子51、V相用端子52及びW相用端子53に対する結線を除いた結線が行われる。即ち、U相のアウターコイル30Uとインナーコイル40Uとを1個ずつ配線U1b,U2bを介して接続して2組の直列回路を形成する。また、V相のアウターコイル30Vとインナーコイル40Vとを1個ずつ配線V1b,V2bを介して接続して2組の直列回路を形成する。さらに、W相のアウターコイル30Wとインナーコイル40Wとを1個ずつ配線W1b,W2bを介して接続して2組の直列回路を形成する。なお、引き出し部22aの結線はステータの内径側で行われるが、図3では便宜上、各配線U1a,U1b,U2a,U2b等がステータコア11の外周より外側に位置するように図示している。
次に各相2組の直列回路のうちの1組の3個の直列回路の他端同士を互いに接続(結線)して中性点N1とする。また、残りの他方の1組の3個の直列回路の他端同士を互いに接続(結線)して中性点N2とする。その結果、図3におけるインバータ50のU相用端子51、V相用端子52及びW相用端子53に対する結線を除いた状態になり、ステータ10の製造が完了する。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)分布巻き、かつ同心巻きとなるように組み込まれる3相の成形コイルとして、コイルエンド31がステータ10の径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルと、コイルエンド41がステータ10の径方向に折り曲げられていない形状のコイルエンド非折り曲げ成形コイルとを使用する。そして、コイルエンド折り曲げ成形コイルはα巻で巻線の巻き付けを行った後にコイルエンド31の折り曲げ成形を行って形成し、各成形コイルを、コイルエンド31,41が干渉しないように、順にスロット14に挿入してステータコア11に組み付ける。したがって、コイルエンド折り曲げ成形コイルをステータコア11に組み付けた状態において、巻線22の引き出し部22aを他の成形コイルの巻線22の引き出し部22aや端子に結線する作業が行い易い。また、コイルの巻線に平角線を使用しても巻き付けを容易に行うことができ、巻線の断面形状を変形させずにコイルの占積率の向上を図ることができる。
(2)各成形コイルの巻線22として平角線を使用するため、断面円形の巻線に比べてコイルの占積率の向上を図ることができる。
(3)コイルエンド折り曲げ成形コイル(アウターコイル30U,30V,30W)は、ステータコア11に組み付けられた状態において、その巻線22の引き出し部22aがステータ10の内径側、即ちティースの先端側に位置する状態に形成され、引き出し部22aの結線をステータ10の内径側で行う。したがって、コイルエンド曲げ成形コイルがステータコア11に組み付けられた状態において、その巻線22の引き出し部22aがステータ10の外径側に位置する状態に形成された場合に比べて、コイルエンド曲げ成形コイルの引き出し部22aの結線作業がより容易になる。
(4)コイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線22の巻き付けはフラットワイズで行い、コイルエンドの折り曲げ成形は、エッジワイズで曲げ加工を行う。したがって、平角線の巻き付けを平角線の幅方向と直交する面が巻き付け面になる状態で巻線の巻き付けを行い、コイルエンドの折り曲げ成形は、平角線の幅方向の面が曲げ面となるように曲げ加工を行う場合に比べて、コイルエンド折り曲げ成形コイルを容易に形成することができる。
(5)U相、V相、W相それぞれのアウターコイル30U、30V,30Wは、アウター渡り部31bが同一円周上に配置され、U相、V相、W相それぞれのインナーコイル40U,40V,40Wは、インナー渡り部41bがアウター渡り部31bの配置された円周と異なる同一円周上に配置されている。したがって、U相のコイルエンド、V相のコイルエンド及びW相のコイルエンドがそれぞれ異なる同一円周上に配置される場合に比べて、アウターコイルエンド31及びインナーコイルエンド41を小型化することができる。
(6)アウターコイル30U、30V,30Wとインナーコイル40U,40V,40Wとは、U相同士のアウターコイル30Uとインナーコイル40U、V相同士のアウターコイル30Vとインナーコイル40V、W相同士のアウターコイル30Wとインナーコイル40Uとが1組となって直列に接続されている。また、アウターコイル30U、30V,30Wとインナーコイル40U,40V,40Wとは、U相、V相、W相それぞれが2個ずつ使用されている。このため、各相毎のコイル長さを同じにしてコイルインピーダンスのバラツキを抑え、電流アンバランスを生じ難くすることができ、電力集中によるトルク低下、損失増加、振動増加等の不具合の発生を防止することができる。
(7)アウターコイル30U、30V,30Wは、U相、V相及びW相で全て同一形状に形成され、インナーコイル40U,40V,40Wも、U相、V相及びW相で全て同一形状に形成されている。したがって、各相のコイルの巻線長さを同じにしてコイルインピーダンスのバラツキを抑え、電流アンバランスを生じ難くすることができ、電力集中によるトルク低下、損失増加、振動増加等の不具合の発生を防止することができる。
(8)ステータコア11は、一体成形された固定ティース12と、ステータコア11に対し装着可能な分割ティース13とを備える。そして、分割ティース13を外した状態でアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wを固定ティース12に組み付けた後、分割ティース13をステータコア11に装着してスロット14を区画する。したがって、スロット14のステータコア11内周側開口部の幅がアウターコイル30U,30V,30Wの挿入部32及びインナーコイル40U,40V,40Wの挿入部42の幅より狭くても、分布巻のステータ10を製造する際に、アウターコイル30U等及びインナーコイル40U等を変形させずにスロット14に組み込むことができる。そのため、アウターコイル30U等及びインナーコイル40U等をスロット14へ組み込む際に、巻線22が変形により損傷を受けることを防止することができ、回転電機の性能低下を防止することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 極数とスロット数の組み合わせは、4極、24スロットに限らず、「極数×相数×2=スロット数」であれば適宜変更してもよい。例えば、極数が6で、相数が3であれば、スロット数は36となり、極数が8で、相数が3であれば、スロット数は48となる。
○ コイルエンド折り曲げ成形コイルのコイルエンドの折り曲げ方向はステータ10の外側に向かう方向に限らず、ステータ10の内側に向かう方向としたり、コイルエンドの折り曲げ方向がステータ10の外側に向かう方向の成形コイルと、コイルエンドの折り曲げ方向がステータ10の外側に向かう方向の成形コイルとが混在したりしてもよい。例えば、図9(a)に示すように、8極、48スロットのステータ10において、U相、V相、W相毎にそれぞれ別の形状の成形コイルを使用、即ち3種類の成形コイルを使用する。そして、U相にはコイルエンド非折り曲げ成形コイル45を、V相には折り曲げ方向がステータ10の外側に向かうコイルエンド折り曲げ成形コイル46を、W相には折り曲げ方向がステータ10の内側に向かうコイルエンド折り曲げ成形コイル47をそれぞれ使用する。この場合、U相のコイルエンド非折り曲げ成形コイル45、V相のコイルエンド折り曲げ成形コイル46、W相のコイルエンド折り曲げ成形コイル47は、そのコイルエンドがそれぞれ異なる同心円上に位置するように配置され、V相、U相、W相の順にステータコア11への組み付けが行われる。なお、U相、V相、W相の成形コイルを適宜交換してもよい。
○ 図9(b)に示すように、一つの相(例えばU相)のコイルをコイルエンド非折り曲げ成形コイル45で構成し、残りの二つの相(例えばV相、W相)のコイルをコイルエンドの折り曲げ部の長さが異なるコイルエンド折り曲げ成形コイル46,48で構成してもよい。この場合、コイルエンド折り曲げ成形コイル46、コイルエンド折り曲げ成形コイル48、コイルエンド非折り曲げ成形コイル45の順にステータコア11への組み付けが行われ、コイルエンドが3つの同心円上に位置するように組み付けられる。V相のコイルエンド折り曲げ成形コイル46は、W相のコイルエンド折り曲げ成形コイル48に比べてコイルエンドの折り曲げ部が長く形成され、コイルエンド非折り曲げ成形コイル45のコイルエンドの起立部は両コイルエンド折り曲げ成形コイル46,48のコイルエンドよりステータコア11の端面からの突出長さが長く形成されている。したがって、コイルエンド相互の干渉が防止された状態で各コイルが組み付けられる。
○ コイルエンド折り曲げ成形コイルは、ステータコア11に組み付けられた状態において、その巻線22の引き出し部がステータ10の内径側に位置する状態に形成される構成に限らない。引き出し部がステータ10の外径側に位置する状態に形成されても、引き出し部を、例えばアウターコイル30Uの起立部41aに設ければ、引き出し部を他のコイルや端子に結線する作業が行い易くなる。
○ 成形コイルは、その巻線22の引き出し部を他の成形コイルの巻線22の引き出し部に結線(接続)する場合、配線U1a,U1b等を介して結線する方法に限らず、引き出し部を長く形成して引き出し部同士を結線してもよい。また、巻線22の引き出し部をインバータ50のU相用端子51、V相用端子52、W相用端子53あるいは回転電機の給電端子等に結線(接続)する場合、引き出し部を長く形成して配線を用いずに引き出し部を直接結線してもよい。
○ 巻線22に平角線を使用するコイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線22の巻き付けをエッジワイズで行い、コイルエンドの折り曲げ成形をフラットワイズで行うようにしてもよい。
○ コイルを構成する巻線22は平角線に限らず、断面が円形や楕円形の電線であってもよい。
○ コイルエンド非折り曲げ成形コイルの巻線の巻き付けをα巻で行ってもよい。
○ ステータコア11は、ティースが固定ティース12及び分割ティース13が交互に配置された構成に限らず、例えば、全てのティースが分割ティース13であってもよい。
○ 3相のアウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wをスター結線ではなく、Δ結線で接続してもよい。
○ 複数のスロット14内に複数相のコイルが分布巻き、かつ同心巻きとなるように組み込まれていればよく、相数は3相に限らず、2相あるいは4相以上であってもよい。
○ スロット14を、そのステータコア11内周側開口部の幅がアウターコイル30U,30V,30Wの挿入部32及びインナーコイル40U,40V,40Wの挿入部42の幅より広く形成する。そして、アウターコイル30U,30V,30W及びインナーコイル40U,40V,40Wをステータコア11へ組み付けた後、絶縁性樹脂等からなる抜け止め部材をスロット14の開口部に挿入し、挿入部32,42のスロット14からの離脱を防止する。この場合、全てのティースを固定ティース12としても、分布巻のステータ10を製造する際に、アウターコイル30U等及びインナーコイル40U等を変形させずにスロット14に組み込むことができる。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項4に記載の発明において、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルは、コイルエンド非折り曲げ成形コイルより先に前記スロットに挿入され、前記コイルエンド非折り曲げ成形コイルは、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルの折り曲げ部を跨ぐように前記コイルエンド折り曲げ成形コイルが挿入されたスロット以外のスロットに挿入される。
(2)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明において、前記ステータコアは、ステータコアと一体成形された固定ティースと、ステータコアに対して取り外し可能に固定された分割ティースとを備え、前記分割ティースは複数の成形コイルのうちの少なくとも一部の成形コイルが組み込まれた後に、ステータコアに対して固定される。
10…ステータ、11…ステータコア、14…スロット、22…巻線、22a…引き出し部、23…コイル、30U,30V,30W…コイルエンド折り曲げ成形コイルとしてのアウターコイル、31,41…コイルエンド、40U,40V,40W…コイルエンド非折り曲げ成形コイルとしてのインナーコイル、45…コイルエンド非折り曲げ成形コイル、46,47,48…コイルエンド折り曲げ成形コイル。

Claims (4)

  1. 環状をなし、内周に沿って内周に開口するスロットが複数配列されたステータコアと、前記ステータコアにおける前記複数のスロットに複数相のコイルが分布巻き、かつ同心巻きとなるように組み込まれた回転電機のステータの製造方法であって、
    前記複数相のコイルとして、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられた形状のコイルエンド折り曲げ成形コイルと、コイルエンドがステータの径方向に折り曲げられていない形状のコイルエンド非折り曲げ成形コイルとを使用し、前記コイルエンド折り曲げ成形コイルはα巻で巻線の巻き付けを行った後にコイルエンドの折り曲げ成形を行って形成し、前記各成形コイルを、コイルエンドが干渉しないように、順にスロットに挿入してステータコアに組み付けることを特徴とする回転電機のステータの製造方法。
  2. 前記各成形コイルの巻線として平角線を使用する請求項1に記載の回転電機のステータの製造方法。
  3. 前記コイルエンド折り曲げ成形コイルは、前記ステータコアに組み付けられた状態において、その巻線の両引き出し部がステータの内径側に位置する状態に形成され、引き出し部の結線をステータの内径側で行う請求項1又は請求項2に記載の回転電機のステータの製造方法。
  4. 前記コイルエンド折り曲げ成形コイルは、巻線の巻き付けはフラットワイズで行い、コイルエンドの折り曲げ成形はエッジワイズで曲げ加工を行う請求項2又は請求項3に記載の回転電機のステータの製造方法。
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